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【支援者限定】クラスメイトに憑依したら百合ップルだった話

 支援者限定更新です。

 一応は女子になって他の女子にちょっかいをかける……みたいな切り口みたいなのあんまりなかったなあってのが着想元だったんですけど、憑依した身体で振り回される感じになってしまった。


 以下本編をどうぞ。


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「……んー」

 ある平日の午後、俺はひとり自宅のベッドで唸っていた。手の中には錠剤が詰まった瓶と、ペットボトルの水。

 これは、幽体離脱を経て他人に憑依ができるようになる薬だという。昨日から風邪を引いて学校を休んでおり、意識がうっすらとしている中インターネットで購入してしまったもので、俺のような高校生の小遣いでも手が届く価格。

 まあ怪しさしかなく、そういうラベルが貼り付けられたジョークグッズだと思っていたのだが、注文確定のボタンを押した瞬間家に届いたとなれば、道理や不気味さを踏み越えて信ぴょう性が増す。

「……よし」

 多少判断が鈍っていることは自覚していたものの、身体のだるさから逃れたかった俺は頷く。瓶を開けて薬をひとつぶ、口に含んで水で流し込む。

 再びベッドへ横になり数分、急激に意識が遠ざかっていく。眠気ともまた違う感覚で――


(……お?)

 ――気がつけば、俺は宙に浮いていた。手足は半透明、ベッドで寝そべる自分自身と向き合っている。風邪の諸症状は綺麗さっぱりなくなっていて、痛みや重み――体温さえも、感じられなくなっていた。

(これが幽体離脱、ってやつか……)

 上下左右思った方向へ自在に移動することができ、物質的なしがらみもない。視覚と聴覚だけが残っているようだが、これもおそらくはまた違った仕組みで感知していることがわかった。

(へー……本物、だったんだ)

 奇妙な感覚にたゆたいながら、どこか他人事のよう。あまりに現実からかけ離れていて、体調が悪い時に変な薬を飲んだことに起因する幻覚だと言われても納得してしまいそうだった。

(どっちでもいいか)

 だが、それに問題があるだろうか。エキセントリックでアッパーな夢だとして。

 一瞬だけ、夢遊病患者のように現実世界で俺がふらふらとしている危険だけ頭にかすめてしまったものの、家族も居るし最悪の事態にはならないだろう。何か言われても変な夢を見てしまったといえば済む。そういう都市伝説めいた飲料もあることだし、変に追求されることはないだろう。

(さて、何をしようか)

 覚悟を決めた俺だったが、憑依なる能力で何をするかは全くのノープランだった。

 幽体ならば上空にも海底にも行ける。無制限に世界をうろつくことができるというのはとても刺激的で、どんなレジャーやアクティビティでも満足できなくなるに違いない。

 他人になれるという観点では、ごく普通の俺が――平凡な生まれで特技らしい特技もない俺が、色々な職業の人間に乗り移ってそれらを体験したり、立場を活かして普段できないことを実現させるという使い道だろうか。

 そんなことを考えながらふわりと外に出てみると、住宅街の中を母娘の姿があった。三十代前後ほどの母親に、幼稚園児くらいの女の子がちょこまかとくっついて歩いていた。

(……女性か。よし)

 なるほど、異性に憑依してみることもできるわけだ。

 そもそも、憑依が本当に可能なのかは試していない。薬の説明では一粒でおよそ5時間ほど幽体離脱が可能、その間なら憑依した人間から抜け出て他の人間へと乗り換えることもできる、憑依するには幽体を対象と重ね合わせる……などと書いてあったが、それらを確かめるべきだろう。

 俺は母親の方に視線を送ると、たちまち身体が引っ張られるように母親へと近づいていく。一旦減速し、幽体を差し込んでいくと吸い込まれていって――


「……え、あっ」

 ――ばちんと、五感が戻る。

 この女性の甘くも芳しい匂い、はしゃぐ子どもの声、肩にかかるバッグの重み、口に残る青臭い味、夏の暑さ。

 それとなく身体を見下ろすと、白いカットソーに黒メッシュのロングスカート。間違いなく、先程幽体の姿で見ていた母親の格好だった。

「おお……」

 他人に――女性になっている。夢としてはありえない、どうやら現実のようだと俺は認めざるを得なかった。

「……っとと」

 新鮮さに驚いているうちに、子どもが勢いよく抱っこをせがんでくる。というより、ほとんど無理やりしがみついてきた。俺のことをママと呼び、腕の中に収まろうとしてくる。

 もちろん肉体的には母親で、それは誰が見ても疑わない――当の娘自身すら大好きなお母さんの中身が別人になっているなど想像もしていないのだろうが、なんだかくすぐったい。それに、まだ頭のどこかにはこんな小さな子どもにべたべたと触っていたら不審者そのものだというためらいがあった。それに単純に重い。

 憑依能力のテストも兼ねて、俺は母親の身体から出られないかと念じてみると――俺はあっさりと、母親の身体を離れていた。

(なるほど)

 憑依もその解除も苦痛を伴うことはなく、ぬるりと実行された。なんの問題もなさそうだった。

 母親はバランスを崩すことなく娘を抱きかかえていたが、少しだけ不思議そうに周囲を見渡していた。この様子から察するに、意識が途切れたりはしていないものの、憑依されていた間の記憶は全くないのだろう。

 悪用すれば、他人を踏み台にして凶行に及び、罪をすべて被せてしまうことも容易。当人の記憶がないとくれば、地獄でしかない。俺は他人の人生を壊したいわけではないので、注意しなければならなさそうだ。

(なるほど……)

 この一連の流れによって、おおむね能力と使い方はわかった。先程の母娘が問題なく歩いているのを確かめてから、俺が通う高校へと舵をとった。


 時は十三時少し過ぎ、昼休み時間の最中だった。俺の席は……クラスの女子が座っていた。休みだから文句はない。

 それは美環《みわ》という女子で、クラスでは女子間でのセクハラをよくしているやつだ。美環は背が高く凛々しい容姿で女子からの人気も集めている一方、それをいいことに女子の胸を触ったりお尻を撫でたりと、結構好き勝手やっている。本当に嫌そうならやっていないことは窺えていたが、本当に女子同士のじゃれ合いを超えているのではないかと時々気になっている。

 さておいて。こいつなら、他の女子に多少過剰なスキンシップをしても怒られるどころか喜ばれる。丁度俺の席を貸していることだし、まずは美環に乗り移ってみるか。

 弁当を食べ終えて、友人とおしゃべりをしている美環の頭上から一気に飛び込んでいき――

「っへ、へくしっ!」

 まさか憑依を察知したなんてことはないのだろうが、ジャストタイミングでくしゃみが出る。その声も美環のもので、鼻のむずむずが襲いかかった。

「だいじょぶ? 風邪?」

「えっと……へーき、たぶん」

 俺は美環の口調を思い出しながら答える。隣には美環の友人である菜々《なな》がおり、半笑いで顔を覗き込んできていた。

「夏風邪はめんどーだぞー」

「……移してやろうか!」

「あ、ちょっとぉ!」

 俺は手を伸ばし、菜々の脇腹をくすぐる。ふっと甘い匂いが接近し、手のひらではセーラー服のつるつるの生地が踊る。

 そうだ。美環は確かこんなことをしていたはず。菜々は愉快そうに笑いながら身をよじっており、やはり嫌がっている風ではなかった。

 教室には普通に男子がいるものの、相対している俺が美環だと油断しているのか足元が緩む。ただでさえ短くしている菜々のスカートからは、空色の下着がちらちらと覗くのだった。

「こちょこちょ~」

「いひっ、あはっ、こらっ、やめてって!」

 調子に乗った俺は、太ももを撫ぜたり耳をこすったりしてみる。太ももはとても柔らかく、むっちりすべすべの手触り。とても心地よかった。耳は男のものとそう大差ないのだろうが、そうしている俺の手が白く細いことで非日常感がある。

「おわりっ! もう、美環ちゃんはえっちなんだから」

 しかし我慢の限界を迎えた菜々は、俺の手を振り払った。わざとらしく頬を膨らませており、やはり怒ってはいない様子。

「ごみんごみん」

「ったくー……くすぐりグセが最近収まってきたと思ってたのに」

「えーと……あんたに笑って欲しくて」

 会話も問題なかった。というより、多少反応が変でも気にされないというべきなのかも。


 しばし美環のふりをして昼休みを過ごし、午後の授業。最初は体育で――これを狙って学校にやってきたといっても過言ではなかった。

「……ふふ」

「美環ちゃん、どうしたの?」

「あ、いや、なんでも」

 場所は女子更衣室。皆が制服からジャージに着替えを開始しており、かくいう菜々もすっかり下着姿になっていた。

 菜々は女子高生としてはごく標準的な体型で、胸も取り立てて大きくはない。下着もまた幼すぎないサテンの空色。さっき教室でくすぐった時には見えなかったが、お尻側は黒いレースで飾られておりとても可愛らしい。ブラジャーも同じデザインで、菜々によく似合っていた。

「もう……なんかちょっとえっちじゃない? 美環ちゃん」

「そんなことないよ」

「ほんとぉ?」

 詰め寄ってくる菜々だったが、これもコミュニケーションの一種なのだろう。おそらく本気で恥ずかしがっているのなら、美環が自分を性欲の対象と見ているのではと菜々が疑っているのだったら、下着や素肌を隠さないわけがない。

「……おっと手が滑った!」

「あ、こら……」

 俺は会話もそこそこに、菜々の胸めがけて手を伸ばす。ブラの生地とパッドの厚み越しに、ふにゃりと柔らかなものが形を変えた。母親以外の胸に触ったのが人生で初めて――童貞である俺は、力加減がわからなかった。

「んっ……こ、こら……」

 しかし、強すぎず弱すぎずで次第に菜々の声には艶が混じっていく。抵抗が弱くなり、目が半開きになった。身体も明らかにぴくぴくと震えており、本当にライトな触り方しかしていないはずなのに――まるで俺が愛撫をしているような錯覚に囚われる。

「あ、ご、ごめん」

「もう……」

 流石にふざけすぎたかと思い、腕を引っ込める。しかし菜々は俺の腕を掴んで、むしろ引き寄せられていった。

「……学校じゃだめって言ったの、そっちなのに。我慢できない」

「えっ――」

 そのまま菜々は俺を抱き寄せて、口づけをする。鉄製のロッカーに押し付けられ軋む音がしたきり更衣室の中は静かになり、授業開始のチャイムが鳴り響いていた。

 ――菜々と美環って、そういう関係だったのか? 俺は菜々のぷるぷるとした唇を、甘い唾液を味わいつつも頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。なおも菜々は俺の体温を求め、口の中は舌でかき混ぜられている。

 キスをしているだけなのに、とにかく気持ちがいい。つないだ手もなぜか敏感で、指紋でさえも身体が悦んでしまっていた。

「……っぷ、じゅ、授業……」

「先に手ぇ出してきたのそっちのくせに」

「んっ、あっ……」

 俺はブラウスを脱がされ、スカートも下ろされる。美環は――俺は当然、女性の下着を身に着けている。淡いピンク色で、よく見ると菜々のそれとは色違いでのおそろいだった。

 というかあまり意識していなかったので、俺自身も女子になっていることを忘れていた。俺は女性に憑依して、油断している同性にいたずらするぐらいの心持ちだったのだが――

「え、んっ……!」

 菜々からショーツ越しに股間を撫でられ、身体を未知の感覚が突き抜ける。少し触られただけなのに、へなへなとその場に崩れ落ちてしまった。

 もう下半身は熱くなっていて、ショーツの中も蒸れているような気がする。これが女性の濡れるというやつなのだろう。

「もう美環ちゃんたら、よわよわなのにイキるんだから」

「っ……! ちがっ……んっ、ぁっ」

「何も違くないでしょー? こんなどろどろにしちゃって」

 菜々はかがみ込む。俺のショーツに手を入れてきて、直接割れ目をいじってくる。少し指が動くだけで脳天が痺れ、目が霞み、よだれが垂れてきた。

 愛撫の手は緩むことがない。ブラを外され、乳首を転がされる。じんじんと全身に疼きと快感が回っていき、すっかりなされるがままだった。

「……んっ、ぁぅっ……」

「ふふ……美環ちゃん、学校で調子乗ったからお仕置きが必要だね」

 くそ、こんなはずでは。俺は男なので、あくまで他者として女性を楽しむつもりだったのに、快楽に流されて抵抗できないでいる。なにより、この女の子の気持ちよさに夢中になってしまっていた。

「……ご、ごめんなさい」

「そうそう、ちゃんと謝って……んっ」

 そのうちに菜々もブラを外して、胸を重ね合わせてくる。しっとりとした胸の肉はもにゅもにゅと自在に形を変えて、その核でこりこりとした乳首がぶつかる。

「んっ……っぷ」

 口には菜々の指がねじ込まれ、噛むわけにもいかずぺろぺろと舐めるしかない。ぬめっていた舌同士とは異なり、短い爪や芯にある骨の硬さ、それに若干のしょっぱさがある。キスならばなんとなく対等に思えていたが、こうも口を蹂躙されると上下をわからせられるようだった。

「……んっ……はぁ、はぁ……っ」

 気持ち良すぎる。女の身体が気持ち良すぎて、元の男じゃ本当に満足できなくなってしまいそうだ。憑依薬が安価だとはいえ、これじゃあ元の俺が破滅してしまう。

 危機と恐怖を覚えた俺は、やむなく美環の身体を抜け出ることにする。きっとまたいつか、別な女性に乗り移って性感を求めるのは避けられないとわかっていたが、今は精神が持たなさそうだった。

 ――決まるが早いか、俺はふわりと美環から抜けていた。たった今まで感じていた快楽が消え去り、寂しさがあるが仕方がない。

「……んっ、え、ちょ……っ!」

「かわいい……美環ちゃん」

 眼下では相変わらず睦み合う二人。美環はなぜこうなっているのか戸惑っていたが、菜々の攻めによってまともに言葉を発することはできないようだった。

(……なら、俺が菜々になればいいのか)

 女子更衣室を離れようとしたところで、ふと思い立つ。この流れなら、美環で遊べそうだと。

 男に乗り移って普通に女性とセックスするつもりだったが、折角だからそれも悪くなさそうだ。それに菜々は激しく欲情しているようだが、直接的にいじめられている美環と違ってまだまだ余裕がありそうだ。

 俺は軽い気持ちで、菜々の中に幽体を重ねていく。


「――ぅん、ぁああっ!?」

 しかし――憑依して同調した瞬間、美環に乗り移っていた時のさらに数倍、強い快感が無防備だった俺に牙を剥いた。美環だった時にはいっぱいいっぱいで観察できていなかったが、菜々のアソコはもうドロドロになっており、ショーツにまでシミを作っていたようだ。

 性感そのものに肉体の個人差が、そしてどれだけ平静でいられるか辛抱強さは精神での個人差があったということ。よしんばそれを想定したところで対策は不可能。

 かくして――俺は、憑依したばかりの菜々の身体で、いともたやすく絶頂してしまうこととなった。

「……んつぁっ、あぁあぁっ……」

 目の前が真っ白になって、びくびくと痙攣しながら美環に身体を預ける。まだショーツを穿いていた股間からは愛液が溢れ、そしておしっこも我慢できなくてちゃぷちゃぷと流れ出ていった。

 何も顧みられず、ただふわふわとした幸せの中にいる。内股にしていた脚が震え、どうしようもなく美環に抱きついていた。

「ふーぅっ、ふーぅっ」

「あれ……な、菜々? え、あ……」

 憑依している間の記憶がない美環は困惑していたようだが、それよりも深い仲である俺が――菜々が快楽に打ち震えているのを見て、とりあえずは支えてくれていた。

「わ、私……? あれ?」

「はぁ……はぁ……美環ちゃんが、ちょっかいかけてくるから」

「うそ……憶えてないかも」

 俺は全力で誤魔化すことにした。どうせ美環の身体も肉欲にまみれていた。際限を見失って一時的に記憶を飛ばしたことにしてくれないだろうか。

「だって、美環ちゃんがおっぱいとかすごい触ってくるから……」

「ご、ごめ」

「おしおき……あっ」

 菜々の真似をしてみようとするが、身体はまるで言うことを聞かない。俺は力なく美環にしなだれていたのだった。

「……よいしょっと」

 美環は俺をベンチに寝かせ、自身のタオルで俺の身体を拭ってくれる。愛液やよだれも気にすることなく綺麗にしてから、そのまま自分も拭き取っていった。

「全く菜々ったら。体育、サボりになっちゃうね。またサカってるとか言われちゃう」

 そう言いながらも、美環は穏やかに笑っている。

 全く知らなかったけれども、この二人は完全に恋人同士だったようだ。そういえばいつも二人一緒に居ることが多いし、二人が絡む恋の話もとんとみみにしていない。また発言からすると、多少勘づいている女子はいるのかも。

「……ごめん、ちょっと我慢できなくて」

「いいよいいよ。私でよければいつでも……あ、菜々のショーツこれダメだね。匂いでバレちゃう。ちょっとまってて」

「え?」

 美環がごそごそとした後、俺の顔に何か薄い布がふわりと舞い降りる。洗剤やらの匂いに混じって、菜々の身体を熱くさせるフェロモン。

「私の替えのやつ。返さなくてもいいから」

「……あ、ありがと」

 それは美環のショーツだった。確か美環はなにか運動部に属していたはず。もう汗をかく季節なのだし、予備の下着は結構持ち込んでいるのだろう。

 あるいは――情事に備えて、なのかもしれないが。

「ふふ……なんか今日の菜々、しんなりしてて可愛い」

「うー……」

 恥ずかしい。菜々に向けた言葉で、俺という部外者は一切関わらない蜜月なのに。いや、だからこそか。

 照れながらも俺は起き上がって、ショーツを手に取る。

 色こそ純白だが、花柄やリボンなんかは必要十分といえる装飾。まさに女性の、女の子の下着であり、増してクラスメイトの私物となれば俺は狼狽える。

 しかも、それを自ら穿かなければならない。さっきまでは下着どころか制服まで着込んでいたが、それは出来上がっていたところに憑依したもの。自分から身に着けるのは、ハードルが高かった。

「ほらほら、授業行くよ。ばんざいして」

「あ……んっ」

 美環の声に促されて腕を上げると、ブラの紐が通される。おっぱいの具合も丁寧に整えられて、ぱちんと後ろが留められた。

「う、うん」

 小さい子になってお世話されているみたいで、流石にちょっとまずい。繰り返すが今俺は菜々で、俺自身の評判や気持ちは関わらないのだが、俺の度胸がないだけだ。

「……よ、っ」

 意を決した俺は美環のショーツに脚を通す。男として大切な何かを失ったような気もしたが、ぴったりとフィットする股下はなんだか安心感がある。続けてジャージも穿くと、ちんこがないというのが以外と楽だと言う発見をした。

「さて……行くぞ行くぞ、我の後についてこい!」

 ふたりとも着替えを終えると、美環はいつもの――俺が知っている調子に戻り、菜々の手をとる。繋いだ手にも頬を染めて――菜々の身体から抜け出た。

 そのまま二人は校庭へと駆けていく。ついていき会話を聞いていたところ、お互い少し様子がおかしく、記憶が飛んでいるというような話をしていたが、すぐに忘れていったようだった。



(……ふう。まさか女の子があんなに気持ちいいとは)

 学校を離れ、上空を適当に飛びながら考える。

 当初は女の子になって女の子にえっちな悪戯をする程度を考えていたのに、レズセックスじみた交わりまで体験する羽目になるとは思っていなかった。

 それに頭がバカになるほど快感が強く、もう男の射精では満足できそうにない。それだけ鮮烈で強烈だった。

「――薬、追加で買っておかなきゃな」

 俺はするすると自分の身体に――戻ることはせず、通りがかりのOLさんに憑依して呟いたのだった。

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