ぐにっ…… 「ひいぃっ…!!」 「「わっ…大丈夫?」」 「っっ…い、いや、大丈夫です………」 丸太のような親指が僕の脇腹に押し込まれた瞬間、反射的に大きな悲鳴を上げてしまった。夏川先輩は、自分の手のひらの中で悲鳴を上げる後輩の姿に思わず手を止め、その顔を心配そうにのぞき込む。 「ちょっとびっくりしただけなので…」 「「怖かったら言ってね?」」 もう、顔は真っ赤だった。女の子の手にほんの少し握られただけで、この醜態。痛くて声を上げたわけではなく、単純に巨大な指という存在が自分の身体に押し込まれる恐怖に音を上げてしまったのだ。 ぐにっ…… 改めて、先輩の指が僕の脇腹にゆっくりと押し込まれる。左の脇腹に巨大な親指が這ったと思えば、右から薬指、小指がじっとりと押し込まれる。熱い。とてつもなく熱く感じる、先輩の柔らかな指先。僕の背中は先輩の手のひらにみっちりと密着され、容赦なく体温を全身に注ぎ込まれる。 ぐっ…ぐいっ…… 「ひ………」 そして自分の首元の左右に、大きな人差し指と中指が覆いかぶさってくる。今度は悲鳴をギリギリのところで止めることができた。…部屋の照明できらりと光る爪の巨大さに生唾を飲む。ピンク色の鮮やかで綺麗な爪は、僕の首など簡単に切断できてしまいそうな強靭な刃物に見えた。艶めかしく柔らかな指が僕の肩にのしかかり、その圧倒的な重量を利用してマッサージを行う。 普通の感覚からすればかなり力が強めのマッサージ。運動後で体が疲れていることもあって割と丁度良いが、しかしかなり痛い。油断していると痛みに声を上げてしまいそうなくらい。 …しかし、 「「痛くないですかー?」」 「は、はいっ……」 ゆったり穏やかに問いかけてくる先輩の声に、痛いなどとは言えず。明らかに先輩は力を入れておらず、その巨大な手で軽くにぎにぎと僕の身体を弄んでいるに過ぎない。これだけでギブアップするなんて、出来るわけがない。 さわぁー…♡ 「っっっ……!!」ぞくぞくぞくっ……! 先輩の巨大な手のひらが、僕の身体の上を優しくなぞっていく。大きな指紋の凹凸の感触が無限に流し込まれる。その感触自体の気持ち良さと、憧れの先輩の手のひらで支配的に撫で撫でされている状況に、心がぞくぞくとくすぐられる。あったかくて、熱くて、先輩の手の匂いがいっぱい香ってきて。なんて幸せなんだろう。 「「足もいくよ~」」 むぎゅっ…… おもむろに手のひらが離れると、次の瞬間、右足が巨人の手のひらに補足される。か細い小人の足が、先輩の手によって簡単に全体を握られてしまう。…何度だって、怖い。この、少し力を入れられただけで体が壊されてしまう状況は。先輩があらぬ方向へ手首を曲げた途端、僕の足は爽快な音を立てて折れてしまうだろう。 ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ…… 「あ…あ……」 今度は、気持ち良さによって声を上げてしまう。サークルの練習で特に疲れ切っていた足の筋肉が、強靭なマッサージの力によってみるみるほぐされていく。普通であれば足の一部一部を順にほぐしていくものだが、夏川先輩の巨大な手のひらによって、足全体が同時にほぐされるのだ。血圧を測る機械に足全体を圧迫されているような感覚。絶対に逃げられないぶっとい指たちに絡まれながら、絶妙な力加減で癒される。 「「気持ちいー?」」 「はい、……ああっ……」 囁くような声色で聞かれ、その台詞にぞくっとしてしまう。文字通り、身も心も掌握されている。先輩の片方の手だけで、僕は何もかもとろけそうなほど癒され、ほぐされ、頭の中がふにゃふにゃになっていく。 「「頭皮のマッサージもするね」」 魔法の手のひらはさらにターゲットを変える。 ぎゅ…… 「う………」 僕の頭の両側に、親指と人差し指の腹が触れる。反射的に身体が硬直する。先輩からすれば、小さな豆を指で摘まもうとしているような状態だろう。ちょっと指に力を入れれば、プチっと。…さすがに、小さな身体の震えを止めることができなかった。 ぐにぃ……ぐっ…… 「んぐっ……う……」 頭の両側をがっしりと指で抑え込まれ、そのままぐいぃ…と力を入れられる。疲れた頭皮が強引にほぐされ、血流が促進される。そのままぐりっ、ぐりっ…と指の腹を円を描くように押し込んでいく先輩。頭皮も、それに繋がっている顔の皮も、右へ左へと動かされる。…普通に考えれば、もの凄く屈辱的な状態かもしれない。女の子の指に顔ごと摘ままれて、首が左右に動くほど強引にぐりぐりと擦り合わされているのだから。 でも、それが夏川先輩にされているのだと思うと、ドキドキした。少しの恐怖で体を震えさせながらも、先輩の指でぐりぐり蹂躙される幸せを感じていた。 「「じゃあ、仰向けになろっか」」 数十分、先輩の手のひらでこねくり回されてから、そう告げられた。僕はぼーっとした頭で、言われるがままに、巨大なベッドの上で仰向けになろうとする。 「「あ、そっちじゃなくて、こっち」」 僕が左の方に転がって仰向けになろうとすると、逆の方から、ぽん、ぽん、と手をベッドにタップする音が聞こえてくる。そちらに顔を向けると、1畳分を超える広さの肌色のぷにぷに手のひらが、横たわっていたのだった。 「「この上に寝転がってね」」 「…この、上ですか?」 5倍の体格を持つ圧倒的上位存在の手の中に、納まれと言われている。これまでは身体の半分はベッドに密着していたが、次は360度全方位を、先輩の手に支配されるのだ。 自分の鼓動の早さの原因は、もはや分からなかった。嬉しいのだろうか。恐ろしいのだろうか。それを考える頭の回転などとうに溶かされており、僕は先輩の指示に従って、その手のひらの上にごろんと寝転がるのだった。 ふにぃ…♡ 「はあっ……あ……」 柔らかい、気持ち良い、熱い…!! 「「ふふ」」 先輩の身体に、全身で触れている。全身を抱きしめられている。先輩からすれば手のひらにペットサイズの生き物が乗っただけかもしれない。でも、僕からすれば身体全体があの夏川先輩の肌に密着しているという異様な状況なのだ。今まで少しでも手を触れることすら叶わなかった存在に、手を握るどころか、全身を握られようとしている。ドキドキを通り越して興奮し、女性の手の匂いという普段嗅ぐことのない飾り気のない甘い匂いにくらくらしてしまう。 そして、 「「優しく握るよ?怖くないからね」」 「は、はいっ…!!」 ぐににっ…… すごい光景だった。自分の腰の両側に伸びるおっきな指が、折れ曲がって自分の身体に絡みつこうと動いてくるのだ。そして、指が曲げられるときの音。指紋が細かく擦れ合ってぐににっ…と微細な音が奏でられる、そんな音など普通聞くことがあるだろうか。圧倒的な巨人の身体から放たれる音に包まれながら、僕は緊張で全身を硬直させたまま、絡みついてくる柔らかな指に身を任せるしかなかった。 むぎゅうっ……♡♡ むちいぃっ…♡♡ すごい、なんだこれ。むっちり温かい先輩の手のひらに、何もかも包まれている。先輩に優しく"握られている"。自分の腕よりも遥かにぶっとい指でがっしりと包まれて、灼熱の体温が僕の身体を瞬間的に蒸していく。熱さに身悶えればぐにぃ、むにぃ、と柔らかくも固くてびくともしない指が少し凹むだけ。指の先端で鋭利に光る巨大なピンク色の爪が、逃げられないぞと圧をかけてくる。女の子の可愛らしい手のひらに、何かこう、捕食対象として圧倒的に握られているという圧迫感を感じざるを得なかった。 「はっ、はっ、はっ…!!!」 「「大丈夫だよー、落ち着いて」」 知らないうちに過呼吸気味になっていた僕をの頭を、もう一方の手の人差し指ですり、すり、と優しく撫でてくれる先輩。慣れた感じのその対応は、5倍サイズの人間に握られた人がどのような精神状態になるのか、よく知り尽くしているようだった。…その撫でてくれる指ですら大きすぎて、むしろ恐怖を倍増させる追撃になっているような。でも、なでなでされているという事実が僕の心をやわらげ、文字通り命を握られている状況であっても幸せな気持ちに塗り替えられていく。 「「ん、ちょっと体勢変えるね」」 ごそごそっ…!! ぐわんっ…!! 「ひゃああっっ!!??」 ベッドに腰かけていた先輩は、僕を握ったまま体勢を変え始める。ベッドの上に乗り上げ、自分もベッドに寝転がるような状態へと。僕は先輩の手のひらの中で、数メートル単位で上下左右に揺られながら、目まぐるしく変化する景色に一瞬で酔いそうになっていた。 そして、 「「はい、この状態でマッサージするね」」 ふわあっ…… 「…………」 眼前、至近距離に展開された、夏川先輩の魅力的で童顔で、綺麗な顔立ち。先輩はベッドにうつ伏せになるように体勢を変え、肘をついて上体を少し上げていた。ベッドに寝転がってスマホを弄るときの体勢に近かった。…実際に先輩の手に握られているのは、1/5サイズの生きた人間なのだが。 ドクッ、ドクッ、ドクッ……!! や、あ…先輩の顔が、こんなに近く…!! もう心臓がはち切れそうだった。うつ伏せになった先輩は、僕の顔が上を向くように右手で優しく握り、その僕を覗き込むように顔を近づけていた。今まで先輩の顔が見えない状態でおっきな手のひらにひたすら蹂躙マッサージされていた僕は、至近距離まで近づけられた、自分の身長サイズの大きな大きな先輩の顔に、もはや死にそうなほど鼓動が早くなってしまった。 「「全身握ってくよー?」」 ぶわあっ…♡ 近い、綺麗、可愛い、息がかかるっ…!! サークルでいつもその姿を追っていたとはいえ、こんなにも近くで先輩の顔を見たことなんて一度も無かった。先輩のまつ毛は、こんなに長かったんだ。瞳はこんなにもクリっとまあるくて、茶色がかった綺麗な模様だったんだ。鼻筋はこんなに綺麗に通っていたんだ。唇の色はこんなに鮮やかなピンク色で、綺麗な表面で、ぷにぷにしていそうで…。 もう、やばかった。勝手に、自分の意思とは関係なく、股間が膨張し始める。だめだ、こんな握られている状態では、バレてしまうかもしれない…!でも、先輩の顔をこんなにも近づけられたら、その吐息が全身にかかる距離感まで近づけられたら、耐えられるわけがないっ…! 「「はい」」 ぎゅうぅぅぅっ……!! 「っっ!!??うぐっ…!!??」 脳内全体がピンク色に染まっていた僕は、突如憧れの先輩に全身を締め上げられ、混乱と共にうめき声を上げた。いや、突如ではない。ちゃんと予告の上、マッサージをされているのだが。…さっきまでの優しい、撫でるようなマッサージとは、あまりにも力の強さが違っていた。 ぎゅううっ……みちっ……♡♡ 「「さっきよりちょっとだけ強めにしてるから、万が一痛かったら言ってねー」」 "ちょっとだけ"という言葉に戦慄してしまうくらい、恐ろしい力の強さだった。さっきまでいかに手加減してくれていたか、理解した。いや、今だってそこまで力を入れてはいないだろう。先輩からすれば、少しだけ握る力を強くした程度の話。 「がっ……ぐ……」 でも、ここで音を上げたらマッサージが終わってしまうかもしれない。少なくとも、先輩のおっきな顔に見つめられながらの体勢が終わってしまうかもしれない。…もっと、先輩に見つめられたままマッサージされていたい。だから、我慢しなければ。 ぎゅうぅぅぅー…♡ 「がごっ…!!??げほっ…!!」 内臓まで締め上げられるような力の強さに、思わず激しくむせる、咳き込む。え、こんなに、マッサージって強いものなの…?これが普通…?自分の身体にかかる常識外れの力、痛みと、それを見つめる先輩の顔のあまりに当たり前の表情に、ギャップがありすぎて混乱する。 ふっ…… 「「はい、休憩」」 「っ……はあっ、はあっ……」 絡みつく大蛇の力がふいに弱められ、僕は手のひらに緩く握られたまま、先輩の指の側面に手を置いて必死で呼吸を行う。 「「こうやって全身圧迫してあげると、疲労の取れ方が全然違うんだよー。普通のサイズだとなかなか難しいけどね」」 混乱する僕へ、先輩がマッサージの意味を説明してくれる。…どうやら、1/5サイズで受けるマッサージならではのやり方らしい。確かに、こうやって全身を同時に強く圧迫するなんて、同じサイズの人間では難しい。 「「ちょっと呼吸が苦しいかもだけど、疲れがすっごく取れるから頑張ってね」」 あくまでこれは、僕の疲れを取るためのマッサージのやり方。そう伝えられたら、怖い、痛い、もうやめたいなんて絶対に言えない。先輩に失望されたくないし、何より、もっと先輩に見つめられていたい。おっきな顔を見つめていたい。こんな近くで憧れの先輩の顔を見ていられるなんて、普段絶対に叶わないのだから。 ぎゅううっっ…!! 「がはあっ…!!?」 ふっ…… 「「はい、もう一回」」 ぎゅぎゅっ…!! 「げほっ、ごほっ!!??」 ふっ…… 「「もう1分いくよー」」 もの凄い蹂躙劇だった。先輩の手のひらの上で逃げることもできず、先輩の合図によって万力のような力で締め上げられて呻き、先輩のタイミングで解放される。およそマッサージ中に出る声ではないうめき声を上げさせられながら、少し休憩しただけですぐに次の締め上げが僕を襲い来る。このマッサージでは当たり前のことなのか、僕のうめき声や咳き込みには先輩は特に取り合ってくれない。これが健康に良いのだと、疲労に良いのだと、そんな当然のような表情で、僕の身体を何度も何度も握りしめては解放する。 「はあっ、はあっ、はあっ……あ、あの」 「「はい、もっかいぎゅってするよー」」 ぎゅううぅぅっ…!!♡♡ 「はぐうぅぅっっ…!!」 僕が何か言おうとしたところを、柔らかく受け流されて続行される。このマッサージで客側が戸惑うことは日常茶飯事なのだろう。先輩は苦しそうに呻く僕の姿を優しく微笑みながら、しかしその手を止めることは無かった。 苦しみの中で、僕の心は別の性的嗜好によって蝕まれていった。巨大な先輩の顔に見つめられながら、抵抗もできずおっきな手のひらでひたすら握りつぶされ、解放され、また握られる。ものすごい状況だった。生死すら握られている状況の中、好きな人に好きなように苦しめられ、呼吸を管理されることへの、ある種の歓喜。支配されるのがドキドキする。もっと虐められたって良い。こちらの意思とは関係なく握りつぶされたい。 先輩の大きな手は、本人の知らぬところで、僕の性癖を根本から捻じ曲げようとしていた。 「「はい、休憩しようか」」 「っっ、げほっ、げほっ…!!!」 灼熱の体温に蒸されながら、僕は握りしめられた手という樽の中で、ひたすら咳き込みつつ酸素を取り入れる。やっと、終わったらしい。全身がじんじんすると共に、血行がとてつもなく巡っているような気がして、確かにその効能を感じなくも無かった。 そのまま、5分ほど先輩見つめられながら休憩すると。 「「…じゃあ、最後にもう一段階強めのマッサージするね」」 「………え?」 耳を疑うような台詞が、眼前の綺麗な唇から投げかけられたのだった。 「「もし痛くて苦しいーとか、もう怖くてやめたいー、だったら無しでも大丈夫だよ?」」 「あ、いや……」 子どもに投げかけるような口調でそんなことを言われたら、男として断りづらくなってしまう。先輩にその意図が無くとも、怖くてやめたいだなんて、言えるわけないじゃないか…。 「いや、ぜ、全然大丈夫です」 「「大丈夫だよね。じゃあ、始めるね?」」 当然のように、先輩は再び、そのでっかい指の包囲網を閉じていく。束の間の休憩で安堵していた僕の身体は、再び迫りくる巨人の蹂躙劇に向けて緊張と恐怖で硬直しながら、その包囲を待ち受ける。 大丈夫、さっきのが耐えられたんだから、ちょっと強くなったところで問題ないはず。 そう言い聞かせていた自分の強がりは、 ぎゅううぅぅぅぅっっっ!!!♡♡ 「ああああああっっっっ!!???」 憧れの人の人掴みで見事に粉砕された。 「「すぐ終わるからねー」」 激痛に悶える僕の頭を、やはり人差し指でなでなでしてくれる先輩。しかしそんなものは視界にすら入らず、僕は自分の全身に恐ろしい力で絡みついてねじ込まれる指の蹂躙に激しく悲鳴を上げることで精いっぱいだった。 「「ごめん、ちょっと塞ぐね」」 ぎゅうっ… 「あああああんんぐぅっっ!!???んんーー!!!んーっ!!!」 激痛に叫んでいた僕の口、いや、顔全体が、僕を握っていた手の親指の腹に密着された。むちむち柔らかな指の腹が僕の顔を覆い尽くし、鼻や口が巨大な肌に塞がれて声を出せなくなってしまう。店の中がうるさくならないための配慮なのだろうが、それはもう、僕の悲鳴を封じこめて蹂躙する恐ろしい行為の一つにしか見えなかった。 ぎゅううぅぅっ!!!むぎゅぎゅっっ!! みちぃぃぃっ…♡♡ 「んぐぅっっ…!??んんんんんんぅぅーー…!!!」 ぶっとい指がそこら中を駆け巡り、身体のあらゆる所をとんでもない力で圧迫していく。吐きそうなほど内臓を圧迫され、壊れそうなほど肩を揉みしだかれ、千切れそうなほど両脚を摘まんでこねくり回され。痛みと恐怖で目に涙がにじみ、悲鳴を上げる。しかし、上げられない。人間の顔を親指の腹で覆い尽くすという、もはや虫とか玩具のようなぞんざいな扱いにすら感じる、そんな状況の中、悲鳴を上げることすら許されない。親指の匂いと、じっとりと表面を覆う手汗に包まれたまま、僕の悲鳴は柔らかな親指の腹に全て吸収されていく。そして顔すらも、表情がめちゃくちゃに変わるほど親指の腹で揉みしだかれていく。…屈辱なんてものではない。悲鳴を上げようと首の向きを右へ左へ動かすたび、先輩の親指がそれに合わせて動き、僕の顔に密着して離れない。僕の顔と先輩の指で指相撲でもしているようだった。 むぎゅっ…!!ぎゅうぅぅっ…!! みしみしみしっ……!!! 「「もうちょっとで終わるからねー」」 「っっっっ………!!!????」 もう、めちゃくちゃな揉みしだきだった。先輩の指の間に僕の手や足が挟まれ、握りしめた先輩の指の間の所々から、か細い手や足が飛び出ているような、無残な状況。ぞんざいにも見える握り方のまま、巨人の手のひらは無慈悲にも圧迫を続ける。ぶっとい人差し指と中指に挟まれた僕の右手、薬指と小指に挟まれた左足。指同士で凶悪に締め付けられ、手足をそこから抜くことは決して許されない。必死にもがくたび、指の力が一層強くなって抵抗を許さない。悶えるたび、どんどん先輩の力が強くなって、こちらの動きを封じようとする。沼にハマっていくような感覚。このまま先輩の手のひらの中でめちゃくちゃに揉みしだかれ、握りつぶされ、擦り潰され、二度と外に出れないのではないか。 そんな風にすら、思った。 薄れゆく意識の中で、僕は凶悪な蹂躙マッサージが終わっていることにすら、すぐには気づかなかった。 「「はい、終わったよー。よく頑張ったね」」 「………?」 涙でぐちゃぐちゃになった顔で、僕は目の前の巨大な先輩の顔を呆然と見つめていた。 「「これで明日から体の調子が全然違うと思うよ?楽しみにしててね」」 先ほどまでの蹂躙は、当然ながら本当の蹂躙ではなかったようで。先輩はこのマッサージの効能を、しっかりと説明してくれた。 「………」 痛みと恐怖で解放されて呆然とする中、僕の屈折した性癖は、身体をどこかおかしくしてしまったのか。 股間部がパンパンに膨れ上がっていた。 (……やばい……もう……) 先輩の手のひらでもう一度優しく握られただけで、暴発してしまいそうだった。さっきまで圧倒的な大きさの手のひら、その強靭さに恐ろしさを感じていたはずなのに、泣かされるほどいじめられたはずなのに、その柔らかさが少し襲いかかっただけでもう我慢できそうになかった。…何故、こんな精神状態になっているのか分からなかった。先輩からめちゃくちゃに握りしめられて揉みしだかれることが、一方的に痛めつけられることが、何故こんなにも…。 「「あ、最後に怪我がないか確認させてね」」 ずいっ…!! 「え…ひゃああっっ!!??♡」 一瞬の出来事だった。僕の身長ほどもある巨大な美しい顔が、さらに僕の身体に近づけられた。そのまま、おっきな鼻が僕のお腹のあたりにぴとっ…とくっつき、眼前30cmの近さで先輩の巨大な瞳が、僕の表情を余すことなく観察し始めた。 「え…あ……はあっ、はあっ…」 「「うん、顔は大丈夫だね」」 むはあっ…♡♡ 「っっっ…!!!」ビクビクビクッ…!!! 先輩の顔の体温を感じるほどの至近距離で、くりくりと動く瞳に圧倒的に見つめられて。魅惑的な唇は僕の股間の20cm近くまで近づけられ、その状態のまま先輩は無遠慮に言葉を紡ぎ、生暖かい吐息を浴びせかける。 「「…苦しかったと思うけど、よく頑張りました♪」」 むわぁっっ♡♡ 「っっっ……!!???♡♡」ドクドクドクッ!! …我慢できるはずが無かった。 柔らかく湿度の高い蒸れ蒸れ吐息に、股間が包み込まれて。我慢できるレベルを超えた甘美な刺激は、先輩の巨大な顔に密着しているという状況で百倍にも膨れ上がり、股間の暴発を止めることなどできなかった。 マッサージ用の館内着の中で暴発したことに、しかし、幸運にも先輩は気づいていないようだった。 「「じゃあ、元の身体に戻ろうか。今薬持ってくるねー」」 ズンッ…ズンッ…!! 僕の身体をベッドに降ろすと共に、重い足音を立てて部屋を後にする先輩の巨体。 「…………」 僕は目まぐるしい精神状態の変化についていけず、頭が真っ白になった状態でベッドに横たわっていた。…あらゆる全ての感情を先輩に支配され、心が追い付かなくなっていた。全身に残る痛み、顔に残った涙の痕、そして暴発した股間部。しかし体の奥底で血流が良くなり、どこか力がみなぎってくるのも感じていた。本当に、先輩はマッサージの効力を高めるために僕を握りしめて圧迫してくれていたのだ。 「……あのメニュー…」 部屋の壁に貼ってあるメニュー表が目に入る。「縮小コース」のプランの中に、1/5サイズの他にも1/2, 1/10サイズの値段が貼ってある。そして、その下に。 『1/10以上の縮小率(1/50, 1/100)は、本メニューを10回受けていただいて慣れたお客様限定です』 そんな、恐ろしくも魅惑的な文言が、記載されていたのだった。 ---続く---
konan
2024-07-28 14:26:36 +0000 UTCいと小さき人
2024-07-26 13:24:00 +0000 UTC