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【無料小説】体格差が及ぼす支配的洗脳の影響④~先輩と後輩の感情の歪み~

1/20の大きさになって、初めての夜。 俺は、昼間に受けた強烈な恥辱に、一人耐えきれずにいた。 (あんな……ことっ……!!) 物心がついてから、自分が用を足す姿を初めて他人に見られた。しかも、年下の後輩の女の子に。しかも、手のひらに乗ってしまう小人サイズで、恥ずかしい姿をおっきな瞳で余すところなく見つめられながら。しかも、後輩に大きな声を出された恐怖で、半ば失禁のような出し方で。 しばらく香っていた宮下の女の子らしい甘い匂いがようやく薄まってきていたが、心に受けた恥辱という名の傷は、全く薄まることが無かった。 宮下の身体がマンションみたいに大きいとはいえ。普通の一人の女子大学生なんだ。何故そんな子が、ちょっと大きい声を出しただけで、あんなにも怖かったのか。宮下が部屋から去った今、自分が感じていた恐怖は大げさだったのではないかと思い始めていた。 (…明日は、きっと大丈夫だ…もう、慣れたし) そう。どう考えたって、怖がりすぎなのだ。確かに、目も眩むような高さに摘まみ上げられることは怖いのだが…。それでも、宮下が俺に危害を加えることは絶対にないのだから、どっしりと構えておけば良いのだ。 実験結果が思うようにいかなくて宮下には悪い気もするが、仕方がない。もう明日からは、絶対に指示には従わない。…あんな、自分の排泄行為を晒されるなんて非人道的な指示、二度と受けるわけにはいかなかった。 俺は自分にそう言い聞かせ、確固たる自信を持ちながら、眠りについた。 ------ そして、次の日の面会の時間。 ドンッ!!! 「「おはようございます、調子はどうですかー?」」 自分が立っている場所の1m横という超至近距離に振り落とされた、巨大靴下の爆撃によって。 自分の自身が音を立てて崩壊していくのを感じた。 「あ………ひ………」 「「…近くに足を置かれるのはシンプルに怖いみたいですね。大丈夫ですよ?私も慣れてきたので」」 そんなことを言われたって。自分の身体を隅々まで容易に粉々にできるような重機が、何の予告も無く頭上から振り下ろされたら。恐怖するに決まっている。 …いや、恐怖なんてものじゃない。もはや、自分の命を一度諦めさせられる、そんな感覚。だって、頭上に掲げられた足は宮下の意思によってどうとでも動かせるわけで。他人のちょっとした行動一つで、自分の命が虫のように刈り取られる状況が、目の前に突きつけられているのだから。…目を瞑り、身体を極限まで震わせ、一瞬だけ自分の人生の思い出が脳裏をよぎり。巨大な足の裏が強風をおこしながら落下し、激しい音を立てて着地した後、自分の身体が潰れていないことを、その1秒後にようやく認識するのだ。 「「今日は色々試したい"指示"があるので、早速始めましょうか」」 ズズッ…!!ドンッ!!ドンッ!! 「ぎゃあっっ!!??」 至近距離に置いてあった巨大足が、配慮も無く無造作に持ち上がる。そのまま俺の少し後方に両足が踏みしめられたと思えば、 ズズズッ……!!! 「あ……やめっ……!!」 スローモーションのように、2本の巨大な太ももタワーが倒れ込んでくる景色が見えた。そのタワーのてっぺんには、柔らかいグレーの素材のラフなショートパンツに包まれた、天を覆い尽くすお尻がそびえていて。 早くも今日二度目、自分の死を覚悟させられた。 ずむっ…!!ぎゅぅぅっ……! 激しい音と共に、周りに吹き荒れる強風。自分に直接の被害が無かったことを遅れて知るも、その突風に巻き込まれて数メートルほど吹き飛ばされてしまう。毛足の長い絨毯の上で2, 3度もんどりうち、転がり、やっと身体が停止する。 「「あ、ごめんなさい…座っただけでそんなになっちゃうんですね」」 先程よりも近い所から、しかしそれでも天高くの位置から、宮下の声が響く。俺がへたり込みながら周りを見渡すと、 「……う………」 自分の周囲を大きな壁がぐるりと取り囲んでいるという、異様な光景を見せつけられることとなった。 その壁の高さは、自分の身長の2~3倍は軽く超えていた。ほとんどが肌色のすべすべ、むっちりした素材で出来ていて、一部は白色の生地や、グレーの柔らかそうな生地でふんわりと覆われている。…それは明らかに宮下のぶっとい生脚で構成されていて。宮下が座りながら脚で円を作った中に、俺は閉じ込められてしまったのだった。 「「今日は高度の条件を無くしたいので、持ち上げずにいきますね」」 自分の股ぐらに幽閉した小さな先輩を見下ろしながら。宮下は自分の太ももを何気なく手でもみもみ弄りながら、そう話しかけてきた。 目の前には、後輩の巨大な股間部がそびえ立つ光景。両脚をぐっと広げた体勢のため、ショートパンツの生地がぐぐぐっ…と引き伸ばされ、一軒家ほどもある大きさの股間部にぴちぃっ…♡と張り付いている。太ももの根元あたりにはくっきりと線が映っており、ショートパンツの中の下着の筋が見えてしまっていた。…そして、中央付近にはなだらかに盛り上がったものが見えており。いくらなんでも、先輩が見ていい後輩の姿ではなかった。 しかし、当の本人は、こちらから見える宮下の巨大でセクシャルな姿を全く気にしていないようで。自分の健康的な太ももで先輩の視界360度を埋め尽くすことにも、何ら動じていない。 「「じゃあとりあえず、昨日と同じですけど…またおしっこしてください。監視カメラで見てましたけど、この数時間くらいしてませんよね?」」 あまりにもサラッと告げられる指示。まるでこれが序の口だと言わんばかりに、最初の指示が、昨日最も屈辱を与えられた指示だとは。…もう、あんな姿は見られたくない。絶対に、従いたくない。 そう、思っていたのに。 「「ん、どうしました?早くしてください」」 宮下の指示を無視していると、どんどん自分の身体から冷や汗が流れ始め、鼓動が早くなっていく。まだ何も、大きな声も出されていないのに。高い所まで持ち上げられてもいないのに。顔を近づけられてもいないのに。 俺は、このまま無視することで宮下に大きな声を出されるであろう未来が、既に怖くて仕方がなかったのだ。 「なんでっ……こんなのっ……!!」 震える手。ガクガクバランスを崩す足。自分の身体が自分でないみたいだ。怖くないと言い聞かせているのに、本能が、この巨大な女子大生の存在をあまりに畏怖していた。巨人の何気ない行動が与える危険、恐怖、それを精神に深く刻み込まれてしまった。…視界の端に見える豊満な太ももも、脅迫の道具にしか見えなくなってくる。このまま指示を無視すれば、あの脚が飛んでくるんじゃないか。あまりに柔らかな内ももの肉で、鈍重に踏みつぶされてしまうのではないか。 被害妄想でめちゃくちゃになった脳が、この巨人からの指示に従えと、全身に命令を下す。 「「…お、今日はすんなりいきましたね」」 後輩の広大な股ぐらの中で、俺はズボンとパンツをずらし、排尿行為を行っていた。この巨大な後輩を怒らせないように、逆らわないように、それだけを考えていた。昨日の夜に思っていたはずの恥辱は、恐怖で洗い流されてしまった。 「「やっぱり、昨日の記憶が効いているみたいですね」」 「う……く………!!」 宮下の考察は正しかった。昨日与えられた恐怖が、一晩明けてトラウマとなって凝固してしまったのだ。いくら頭で考えて、目の前の巨人がただの研究室の後輩であることを理解しようとしても、本能が否定する。自分より圧倒的に上位の存在であると、そう認識させられる。 こんな降伏の仕方をしてしまったら。もう、終わりなのではないか。何もされなくたって、指示されたら勝手に怖がって、人間として従ってはいけないことに従ってしまう。 「「…出し終わりましたね。じゃあどんどん行きましょうか」」 そこからは、ひどいものだった。 エスカレートしていく指示の内容も、それに屈服してしまう自分の軟弱さも。 「「そのまま、大きい方もしちゃいましょうか」」 「っ…!!い、いや………」 「「私は気にしないので、良いですよ」」 気にしないとか、そういう問題じゃない。おしっことはわけが違う。絶対に人に見せるようなものではない。 その、はずなのに。 「ひっ……うっ……うぐっ……」 「「ほら、見ててあげるので早く出してください」」 むはあっ……♡♡ 巨人がうつ伏せになって絨毯の上の小人に思い切り顔を近づけたことで、小人の心とプライドは簡単に折れてしまった。 裸で四つん這いになったところへ生暖かい吐息を無意識にかけられながら、半分涙目になりつつも、必死で踏ん張って指示に従おうとする。生ぬるい息がお腹の方をぞわぁっ…♡♡と艶めかしくなぞり、全身に鳥肌が立つ。その刺激によって強制的に身体が弛緩し、巨人の目当ての物を一気に出してしまう。 「「いっぱい出しましたね~。あ、私が片付けておくので大丈夫ですよ」」 指示に従った後の俺に対する宮下の態度は、赤ん坊をあやすときそのもの。圧倒的弱者に対してはるか高みから介抱するような、もはやペットや昆虫のお世話をするような、そんな恐ろしい包容力をぶつけられるのだ。 惨めな姿を全て見られ、その上で受容され、介護される。 これ以上に、人間としてのプライドが根本からへし折られることがあるだろうか。 「「私の足の指を、これで掃除してください」」 次の日は、さらに新しい指示が行われた。 渡された、極小サイズの濡れ雑巾。目の前に差し出されたのは、靴下脱ぎ立てでむわあっ…♡と熱気が立ち上る、後輩の生素足。すべすべで形の良い素足の指は、俺が両手で抱えきれないくらい大きくて。親指に手を触れたとき、こちらがいくら力を入れてもびくともしなくて。ああ、自分は、この親指にすら勝てないんだと、絶望感を覚えながら、後輩の足指をまるで奴隷のように掃除するのだった。 「「…あはっ、ちょっとくすぐったいですね」」 先輩がプライドを抑えながら必死で掃除しているときの感触は、後輩にとってはくすぐったいで終わらせて笑ってしまう程度のものらしい。…俺が、どれだけ精神的に追い込まれて、どれだけギリギリの状態で後輩の巨大足にご奉仕しているのか、宮下は分かっていないのだ。 むんむんっ…♡♡と漂う、宮下の素足から溢れ出す熱気と酸っぱい香り。当然後輩の足の匂いなど嗅いだこともなく、女子大生は自分の足の匂いなど男の人には絶対に嗅がれたくないに決まっている。宮下だって、そんな普通の女の子の感覚を持ち合わせているはずだった。 でも、今は違う。1/20の大きさとなって人間性を喪失した先輩の姿は、もう羞恥の対象として一切見えないのかもしれない。靴下の中でじっとりと汗ばんだ濡れ素足は簡単に目の前に踏み出され、奴隷となった先輩を歓迎するかのように足指がぐにっ、ぐにっ♡と開いて蠢く。 「ひゃあっ、あっ……!!」 その何気ない動きすら恐ろしいのだ。自分が手をついて、雑巾を当てて、汗を垂らしながら汗や垢を落としている中で、目の前の巨大な指が激しく動くものだから怖いに決まっている。 「「…これでも怖いんですか」」 上空から聞こえてくる宮下のつぶやきは、同じ声色のはずなのに、なんだか自分に対して呆れているような感情を孕んでいるのではないかと、被害妄想が膨らんでくる。宮下はそんなことは思わないとは思うが、それでも、後輩の足指のわずかな動きに悲鳴を上げている自分の姿はあまりに情けなかった。 宮下の指示に惨めに従い続ける中で。 少しづつ、自分の精神状態に変化が訪れていた。 「「はい、お疲れ様です。降ろしますね」」 既に日課となっていた、宮下に摘まみ上げられながらのトイレ。恐ろしい高度で吊り下げられる恐怖の中、必死でおしっこを出し終わった後。 「「片付けてあげますからね。休憩してていいですよ」」 暖かくて広い手のひらに乗せられ、優しい声をかけられるのだ。トイレの片付けは後輩が用意したティッシュで簡単に行われる。そして、後輩の体温に蒸されながら屈辱で打ちひしがれている俺の背中を、おっきくて柔らかな人差し指が、何気なくよしよしと撫でつけられるのだ。 自分の心を乱暴に掴まれるような気分だった。先ほどまでは淡々と、たまに大きな声を出して命令する"怖い"飼い主様だったのに。一度指示に従った後は、こんなにも優しい。そう、ちゃんと指示に従えさえすれば、優しく解放してくれるのだ。 「う………」 「「っ……あははっ、それ、私の指ですよ?そんなに捕まらなくても落とさないですよー?」」 恐怖で震える自分の心を誰かに預けたくて、その恐怖を与えてきた張本人に思わず縋りつく。宙づりの恐怖から解放されて、目の前に差し出されたぶっとい肌色の指で抱き着いてしまう。それが後輩の指であることも忘れて、自分の全てを許して解放してくれる巨大な存在に、ただ守ってもらいたいと思ってしまう。 「「…へえ……」」 そんな、幼児退行とすら思える挙動も、全て後輩の瞳に観察され。 俺は、縮小研究の興味深いサンプルとして、様々な行動を取っていった。 そして、1/20の大きさで指示を受ける最後の日。 「「…研究のためなので、あまりびっくりしないでくださいね」」 後輩の手のひらに乗せられ、初めてそんな前置きをされた俺は、今から行われる指示の内容が不安で仕方がなかった。 宮下はもう一方の手で、研究室の外から持ってきた菓子パンを小さく千切る。 そして、 「「あむっ…」」 大きな口の中に、それを放り込んだ。 「「くちゅっ、ぐちゅ、にちゅっ…♡♡」」 巨人の唇の前で咀嚼音を聞かされる俺は、ぐにっ、うにっ…♡と蠢く唇の奥から聞こえてくる生々しい音に、恐れを抱く。あの綺麗に整形されたパンが、今や宮下のおおきな歯と、絨毯のように広いピンク色の舌で、ぐちゃぐちゃの唾液まみれにされているのだ。可愛らしい唇が捕食活動のためにぐねぐね動き、大量に分泌されたよだれがこれでもかというくらいパンに浴びせられ、砕かれ、飲み込む準備として原型を破壊される。 そのパンの大きさが、俺とほとんど変わらないという事実が、俺を当事者意識から掴んで離さなかった。 「「ぐじゅっ、にち、くちゅっ…♡♡」」 この巨大な後輩は。物理的に、今の俺を、このパンと同じように咀嚼できてしまうのだ。熱々の吐息でサウナのようになった口内に入れられ、抵抗する間もなく舌を撫でつけられ、唾液を塗りたくられ、ただの食べ物としてぐちゃぐちゃに凌辱できる。宮下がその気になれば、いつでも。 「「ん……」」 と。咀嚼を途中でやめた宮下が、唇を自分の手のひらの上まで持ってくる。その手のひらには当然、俺が乗せられていた。俺は上空に掲げられた唇を見上げ、絶望的な予測を頭の中に描いてしまった。 「「んあーっ……♡」」 でろぉ……♡♡ 「ちょっ、まってっ……!!!」 すぼめられた唇の間から、薄い茶色の、パンのような色をした残骸が降りてくる。たっぷりと唾液でコーティングされたそれは、唇と唾液の橋を作りながらゆっくりと落ちてきて、俺が座っていた手のひらの場所から少しずれた所に、 ぐじゃぁっ…♡♡ 唾液が練り合わされる卑猥な音を響かせながら、ぐちゃぐちゃのよだれまみれの残骸になったパンが、着地したのだった。 「「んんぅ……んむっ…♡♡」」 どこか艶やかな声を出しながら、唇から糸を引いた唾液を宮下が嚙み切る。そのまま、れろぉっ…♡と、唾液が付いた唇を無意識に舐め取る巨人。その舐め取る音さえも鮮明に聞こえて、ぬりぬりっ…♡と唇と舌が撫で合わされる音が、俺の耳を爆音で犯すのだ。 むわあっ……♡♡ 「ぐっ……」 ものすごい匂いが、手のひらの上に充満する。100%、宮下のよだれの匂い。いや、わずかにパンの匂いも入っているかもしれないが、それよりも、濃厚で生々しい、宮下の舌や歯、唇を這いまわった唾液の成分が、空気全てを支配した。それ以外の匂いなど一切感じない。 「「それ、食べて下さい」」 「あ……ああ………」 非情な宣告が、下される。後輩の口内でさんざん咀嚼された唾液まみれのものを、口に入れて食べろと言っているのだ。こんなの、本当に奴隷の扱いだ。こんな、こんなの……。 「い、いや……だ………」 「「ん……」」 思わず口にした台詞は、宮下の耳に届いてたようで。 「「いいから、早く食べなさい」」 「ひぎっ…!??」 大きな声で、再び残酷な命令が下される。目の前のパンの残骸を吐き出したその唇が、強い口調で無慈悲な命令を浴びせかける。本能に訴えるその恐ろしい爆声が、心臓をビリビリと震わせる。 「「ほーら♪」」 命令なのか、子どもをあやしているのかよく分からない口調が、俺にとっては全て脅迫となる。…言うとおりにすれば、早く食べれば、もうおっきな声を出されずに済む。優しくしてもらえる。 でも…。 「うっ、うぐっ……で、でき……ません……」 俺は後輩の手のひらで泣きながら、そう言った。 「「…そうですか」」 恐怖に震えながらも指示を断った小人を見て、宮下はどこか納得したようだった。 「「じゃあ、これだけ取ってくれませんか?」」 「……え?」 「「唇にパンくず、付いちゃったので。これが今日の最後の指示です」」 宮下は唇の表面に付いたパンくずを指さしながら、そう言葉を紡ぐ。 「え……あ……はい………ぐすっ……」 俺は涙をぬぐいながら、ご主人様の命令に何とか従おうと反応する。その様子を見た宮下は、手のひらの上の俺に向かって、自分の唇を至近距離まで近づけた。 はあっ……♡♡ 手を伸ばせば触れる距離まで差し出された、巨大なピンク色リップ。唇の間から漏れ出す吐息が全身に当たり、上唇と下唇が僅かに離れる時に、にちっ…♡と立てられるリップ音さえも聞こえてくる。こんな状況だというのに、心の一部分でドキドキしている自分がいる。可愛らしくて美形な後輩の唇が、恐らく何人もの男が焦がれているだろう宮下の唇が、こんなにも目の前に差し出されているのだから。キスされるような距離感で、しかし唇は向こうからは動かず、こちらが指示に従うのを待っている。 俺は泣き腫らしたまま、半ば錯乱した状態で、宮下の下唇に付いていたパンくずを、そっと手を伸ばして取る。 ふにっ…♡♡ 「あ………」 ほんの、わずか。宮下の巨大で豊満なリップに、自分の手が触れた。あまりに柔らかく、あまりに温かく、ちょっと濡れていて、沈み込むような包容感があって、言葉にできないような感触が手に残る。 (み、宮下の、くちびる……) 感情があまりにもぐちゃぐちゃになっていく。恐怖、涙、弛緩、そして異性の刺激。俺を恐怖に至らしめたご主人様に向かって、ひれ伏し、何故かその唇に惑わされ、精神のつじつまが合わなくなっていく。 (俺、何を指示されてたんだっけ……) そんな混乱した頭のまま、俺は何故か、 「「…え?」」 そのパンくずを頬張っていた。 「「あ、別に食べなくてもいいんですけど…」」 巨大な手のひらの上で、唾液でコーティングされた唇に付着していたパンくずを一心不乱に食べ始める小人。ご主人様の声は聞こえず、ただ、指示に従うことで許してもらいたい、その一心のみで行動する惨めな小人。 そんな小人を、俯瞰で見つめる後輩が一人。 「「…もう……」」 「「可愛いなぁ……」」 ------ 「「さて、今日は1/100の大きさになってもらう日なんですけど…」」 次の日。俺は、机の傍にそびえ立ってこちらを見下ろす後輩巨人の姿を仰ぎ見ていた。 「「危険が伴う大きさになってくるので、私が同伴している中で薬を飲んでもらいますね」」 そう言った宮下は、机の上に置かれたビーカーに目をやる。その中には、1/20サイズの小人がすっぽりと入れられていた。…俺は、透明で曲線を描くビーカーの中に配置され、歪んだ周囲の景色に囲まれたまま立ち尽くしていた。ビーカーの中には、極小サイズの真っ白な錠剤も置かれている。 (………) 今までは支給される食事と共に薬が渡され、自分一人で小さくなっていた。しかし次の縮小の段階に進むにあたって、一人だけで薬を飲むのは危ないと判断されたようだった。…さらに念のため、安全な容器の中に入っている状態で縮小しないといけないらしい。 ビーカーの入り口から、上空にそびえる宮下の顔だけが覗き込んでいるのが見えた。 「「もう、自分のタイミングで飲んでいいですよ」」 「う………」 柔らかい笑みを浮かべながら、促される。しかし俺は、錠剤を目の当たりにして躊躇してしまう。 これ以上小さくなるということが、あまりに受け入れがたい。 1/20になってからの実験で、既に精神をめちゃくちゃにかき回されていた。 近づかれるだけで心臓が搾り取られるような恐怖を感じ、後輩の声にすらビビッてしまう始末。大きな唇から繰り出される指示には一切逆らえず、どんな屈辱的なものであっても、最終的には従ってしまった。女の子が見ている前で排泄を行わされ、奴隷のように足を掃除させられ。 宮下が咀嚼したパンを食べることだけは、すんでのところで拒否することができた。しかし、もしこれ以上小さくなってしまったら。 それすらも、俺は恐怖で受け入れてしまうのではないか? 「あのっ……」 か細い声で、上空の宮下に話しかける。当然聞こえる訳もない距離だったが、宮下は気を利かせてくれる。 「「ん、何か言おうとしてます?」」 ずいっ……!! 「ひっ……!」 巨人の顔が、ビーカーの入り口に猛スピードで近づけられる。そのまま顔を回転させ、おっきな耳でビーカーの入り口を塞ぐように、聞き耳を立ててくれる。 なんという大きな耳なのだろう。 「あのっ…俺……怖くて………」 「「…はい」」 「もう、やめ…たい……かも…」 「「そうですか。でも、本当にいいんですか?ここでやめたら、報酬を受け取れなくなりますよ?」」 「う………」 それは、本当に厳しい。20日も拘束された挙句、お金を一銭ももらえないなんて。 でも、それでも、これ以上は……。 「「んー、私としては最後まで頑張って欲しいんですけど…研究進まなくなっちゃいますし…」」 「そ、それは……」 ここまできて中止になって困るのは、宮下も同じことだった。また被験者を探して実験して…そんなことをしていたら、学会の発表に間に合わないかもしれない。 ずずっ…!! ビーカーの口から見えていた耳が横にずれて、巨大な唇が現れる。 「「もうちょっと、頑張ってみませんか?」」 ビリビリッ…!!!キィィィン……!! 「あひぃっ…!??」 そこまで大きな声ではなかった音の波が、ビーカーの壁に反響して激しく響き渡る。宮下が意図していなかった音圧が、その中の小人にプレッシャーをかける。 「「ねっ?」」 ギィィィンッ……!! 「ひっ…!!わ、わかり、ました…!!」 もう反射的に答えていた。頭で考える余地も無く、俺は宮下の声には逆らえない身体になっていた。 「「あははっ♪ありがとうございます。じゃあ、錠剤を飲んじゃいましょうか」」 「は、はいっ…!」 いつから、俺は後輩に敬語を使いだしたのだろう。そんなことにも気が付かず、俺は促されるままに急いで錠剤を口に入れ、飲み込んだ。 今回の錠剤の効果は、急速に訪れた。 ぐらぁっ…!! 「あっ…が……うぐっ……!!」 今までより増して激しい頭痛と眩暈。すぐに視界が揺れ始め、ビーカーの壁の曲線で歪んでいた景色がさらに歪んでめちゃくちゃに崩れていく。自分の平衡感覚も無くなり、立っているのか転んでしまったのかよく分からない。 景色が肥大化する。耳に届く環境音が膨大になる。頼りない自分の身体が、さらに小さくなっていく。 怖い、怖い……!! ------ 「…………う…」 激しい頭痛がようやく消え、なんとか視界がはっきりしてきた。 気づけば自分はビーカーの底で、尻もちを付いて倒れていたようだった。 「…………」 周囲を見渡す。 …恐ろしいことに、ビーカーの壁までの距離が異常に遠くなっていた。先ほどまでは6畳一間のワンルームくらいの大きさだったのに、今ではもう大広間だ。 上を見上げれば、ビーカーの入り口の高さがとてつもなく遠い。ちょっとしたマンションくらいの高さはあるのではないか。 (…それって……) あることに気づき、震える。つい数日前まで、宮下がマンションくらいの大きさだったはずなのに。今や俺からすれば、実験用のビーカーがマンションくらいの大きさなのだ。 じゃあ。そのビーカーを片手で軽く持ち上げられる宮下は、いったいどれだけ大きくなってしまったのか。 そう思った瞬間だった。 「「「せんぱーい?」」」 ビリビリビリビリッ!!!! 「っっっ!!??!??」 ブチッ…と。右側の鼓膜が破れる音がした。 「があああっっ!!??」 音圧がビーカーの中を暴れまわり、小人の身体が振動で簡単に浮かび上がり、叩きつけられる。 「「「気分はどうですか?」」」 ビリビリビリビリッ!!!! 本能的に耳を塞ぎ、身体を丸め、絶望的に巨大な後輩の声から逃げようとする。しかし追撃のように降り注ぐ大声は簡単にそれを貫通し、脳の奥までビリビリと震わせて逃がさない。 まさに天変地異だった。地面も空気も全てが震え、自分の命が何か大きな現象に捻り潰されてしまうのではないかと思えるほどのスケール感。こんなことを起こせるのか自然災害か、神様くらいのものだと、本気でそう感じた。 しかしそれを起こしたのは、 「「「………♪」」」 ビーカーの入り口に近づけられた、超巨大な唇だったのだ。 「…………………」 息を呑み、絶句した。 人の唇が、天を覆い尽くしている。 「「「んあ………♡」」」 にちゃぁっっ……♡♡ 唇が開く音が、ビーカーの中におぞましく響き渡る。ビーカーの入り口からは、唇とその周りの肌の部分しか見えていない。そんな倒錯的なスケール感は、上空の存在を既に人として認識できなくさせていた。 この生物は、一体なんなんだ。 「「「すごい…私の唇よりちっちゃいかも」」」 ビリビリッ……!! 囁くような声が、耳と脳に直撃する。紛れもなく、この声も、ビーカーを塞ぐ口元も、あの宮下のものであることは明白で。理解はしているが、本能として、脳の認識が追い付かない。自分がかつて対等にコミュニケーションを取っていた対象とは思えない。…とてつもなく大きい生物というより、もはや現象、環境、そんな認識の方が正しいような。 世界が全て、この神様のような存在に掌握されている。 「「「指の太さよりもちっちゃいのかな」」」 そして、女神の呟きは続く。 …もはや、こちらに返答を求めるような台詞は降りてこなかった。全て、宮下の中で自己完結する独り言。それも、当たり前のことだった。1/100の小さな人間に対し、まともにコミュニケーションを取ろうという気も起きないのだろう。 そして。 「「「ほんと可愛いなあ…」」」 「「「全部言うこと聞いてくれそう…」」」 爆音で響く呟きの内容が、頭の中に入ってくる。その意味、呟く口調が、今までの宮下のものと少しだけ違う色を帯びていることに、どこか違和感を覚えた。 宮下は、もう俺という人間を見ていない。 俺に呟きを聞かれることを意識していない。 俺との関係が崩れることを意識していない。 「「「指で摘まんでも、骨とか折れちゃうのかな…」」」 「「「………」」」 「「「ちゅーしたらどうなっちゃうんだろ…」」」 「ひっ……あっ………」 興味、好奇、宮下の素の感情が、唇からビーカーに向かって流れ込んでくる。今までの後輩としての立ち振る舞いに包まれた感情の殻が抜け落ち、生々しい宮下の感情に、 鳥肌が立つほど、恐怖した。 そして。 「「「じゃあ、ビーカーから出しちゃいますね…♡」」」 1/100の恐怖の世界へ、俺は引きずり出されようとしていた。 ---続く---

【無料小説】体格差が及ぼす支配的洗脳の影響④~先輩と後輩の感情の歪み~

Comments

次回、次々回とさらにめちゃくちゃになっていきます!

konan

Thank you! I plan to increase the update pace after this.

konan

Thank you! I hope you enjoy the sense of reality! There will be no male excretion scene next time, so don't worry.

konan

ありがとうございます!少しづつ支配力が強くなっていく過程をお楽しみいただければ嬉しいです!

konan

どんどんめちゃくちゃになる2人の関係に期待です!

pizza

很好看,比较可惜的是最近更新的很慢

Hcyywy

I have been looking forward to this article~ You are the best in describing it from a tiny’s perspective! Looking forward to the next one even more! (But to be honest, male excretion is somewhat unacceptable for me)

moso

続き待ってました! 先輩がどんどん後輩に支配されていく過程が最高すぎます。次回からの1/100サイズでされることもめちゃくちゃ楽しみです!

まるしゃも


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