巨大な見知らぬ女子に大量の唾を部屋に吐かれてから、さらに1週間が経った。 唾液がぐちょぐちょに染み込んだシーツやカーペットを洗濯し、テレビや机を必死で雑巾で拭いたが、あの女の濃い匂いは完全には取れなかった。特に俺の掛布団からはよだれの匂いが染み付いて取れず、毎晩あの女の匂いに包まれながら屈辱感にまみれて眠りにつくしかなかった。 そんな中、俺はあの巨大女子が何故この部屋を把握しているのか、疑問に思っていた。空間接続器は、接続先の場所の位置が分かっていないと使えない。何故見知らぬ女が俺の部屋にいきなり空間を繋げることができたのか。もしくは、"見知らぬ"ではないのか…。 そんなことを夜に自室でぐるぐると考えていると。 ウィーーーーン……… 「っ!!……くそっ……」 悪魔のような音が部屋の中に鳴り響いた。それと共に、俺の部屋の壁の一面が光の線でかたどられていく。 「な……壁が……!」 過去2回は天井に空間が繋げられたのだが、今回は初めて壁に、横向きに空間接続の穴が作られてようとしていた。そして、 キイィィィ……… 光が弱まり、壁一面の向こうにだだっ広い世界が広がる。こちらの部屋の中と同じくフローリングっぽい床が広がっているが、木目の大きさが圧倒的に違っていた。…この先の世界が誰の部屋なのか、考えたくもなかった。 ズンッ!!ズンッ!! 「ひぃっ!!!」 いきなり激しい衝撃音が鳴り響き、部屋の中が大きく振動する。本棚から本がばらばらと崩れ、テレビがぐらんぐらんと揺れている。かなりの恐怖を感じる揺れだった。そして次の瞬間、 「「………♪」」 「うわあっっ!!??」 壁一面を埋め尽くすように、巨大なマスク女子の顔が現れたのだった。 「「ふふっ……」」 大声を上げて腰を抜かした俺を見て、目を細めて笑う巨人。どうやら床に這いつくばるような体勢で、俺の部屋の中を覗き込んでいるらしい。…部屋の中に、巨大女子の匂いが大量に流れ込む。この数週間、散々嗅がされた匂い。巨大な本人から放たれる匂いはより生々しく、また今から体格差を使って好きに蹂躙されるのかという絶望的な気分を呼びおこす。 …何故今回は壁の方に空間を繋げたのか、この女の意図が分からなかった。が、何か凶悪な意図を持って空間を繋げたことは明らかだった。 「「よっと」」 ズンッ!! (っ……!!怖いっ…!!) 俺の姿だけ確認した巨大女子は、再び激しい音を立てて立ち上がる。部屋のすぐ外に、あまりに大きな素足がズンッ…!!と振り下ろされる。足裏のわずかな肉がむにっ…♡と体重で広がり、想像もつかないほどの体重をこの素足が支えているのだと感じる。 ズンッ!!ズンッ!!ズンッ!! 「っ…!!…っっ!………っ!!」 巨人が向こうの世界で歩行する度に、俺は気にしないようにしつつも、その衝撃に何度も恐怖し身体を硬直させてしまう。ただの女子高生が、部屋の中で歩いているだけなのに。ただの女の子の歩行に怯える俺は、なんて矮小なのだろうか。いや、俺が小さいのではなく、向こうが異常に巨大なだけ……違う、向こうも普通サイズの女子のはずで…。頭が混乱してくる。 (何をやっているんだ…?) 俺の部屋に空間を繋げてきたと思ったら、少し部屋を覗いただけでまたどこかに歩いて行った。俺は恐る恐る、自分の部屋の壁だった部分、空間が繋がっている切れ目のところに近づいていく。 (なんて広い世界なんだ……) その向こうに広がる世界に絶句する。明らかに普通の部屋なのだが、それは見たこともないような空間の広さだった。部屋に侵入した虫のような視点で、フローリングの床面の高さから巨大な椅子、机、ベッドを見上げる形となる。…こんな異常な広さなのに、部屋の中身は可愛らしい女子高生の部屋なのだ。ピンク色のカーテン、ベッドに乗せられたぬいぐるみ、ふわふわの丸い絨毯。そんなファンシーな部屋空間の中で、あの巨大女子がタンスに向かって立っている様子が見えた。かなり遠くの方にいるように見えるのに、大きすぎて全身がはっきりと見える。紺色のジャージにふわっとした白のパーカーを着た女子は、こちらに背を向けた状態でタンスの中から何か服を取り出している。 「「~~♪」」 鼻歌を歌いながら取り出した服をベッドの上に置いた巨大女子は、着ていたパーカーをおもむろに脱ぎ始めた。 ゴソゴソッ…… (っ………) 大きめのサイズのパーカーが脱がれ、その中から水色のTシャツが現れる。急に脱いだ意図が分からず、俺は遥か下方からそれを見上げながら身構える。 「「んっ……」」 するするっ……ぱさっ… (な………) そのまま、水色のTシャツもするすると脱ぎ始める。その中からはピンク色のブラジャーが現れ、肌色の綺麗な背中が露わになる。突然始まった脱衣に訳も分からず、しかし初めて見る同世代の女子の下着姿に、目が釘付けになる。 空間を繋げたことを忘れて着替えているのか…?いや、そんなはずはない…。 するするっ…ふぁさっ…… ズンッ…ズンッ…… 履いていた紺色のジャージも躊躇なく脱いでいく。ブラジャーと色の揃った、ピンク色のショーツが見える。むっちりと健康的で張りのあるお尻が、ショーツの布をみちっ…♡と広げている様子が見て取れる。巨大な塔のように大きな女体が、上下下着姿というえっちな姿を下界に見せつけてくる。 (くそっ……こんなの……) 男子高校生が見上げるにはあまりに性的でえっちな光景に、俺は否応なしに股間を立たせてしまう。あの女に性的な欲を感じさせられるのが悔しかったが、俺は欲に耐えきれずに巨大な下着姿から目が離せなくなってしまった。 「「~~♪」」 するするっ… ズンッ…!ズンッ…! その女子は俺に着替えを見られていることを分かっているはずだが、なにも気にする様子はなく、そのまま鼻歌を歌いながら別の服に着替えていく。露わになっていた生脚やおへそ、胸の谷間が、可愛い柄のパジャマに包まれて見えなくなった。 ズンッ!!ズンッ!! 「ひっ…!!」 パジャマ姿になった巨人は、俺がいる方に向かって地響きを立てながら歩いてくる。そして、 ザーーッ… ドスンッ…!! 俺の部屋との境目から、20~30メートルほど先だろうか。座椅子を引いてそこに座り込んだ巨大女子は、ローテーブルに置いてあったプリントに向かってなにやらペンで書き始める。学校の宿題か何かだろうか。 (でかすぎる……) 座っているはずの女子の姿はあまりに大きく、数十メートル離れているといっても、体感的にはこの女のお尻のすぐそばの床に置かれているような感覚だった。首が痛くなるほど見上げれば、ようやくその顔が確認できるほど。普通の目線の高さでは、短めのパジャマから剥き出しになった太ももの迫力に視界を奪われてしまう。あんなに太くて強い太ももにもしのしかかられでもしたら、絶対に助からないだろう。そんな想像を掻き立てられる。 「「~~♪」」チラッ 「っ…!!」 「「………ふふっ…♪」」 俺の方に少し目線を送った巨大女子は、マスクの上からでも分かるくらい、目を細めて笑みを浮かべていた。そしてすぐに目線をそらし、宿題に集中しはじめる。 (わざとだ……) この女は、あえて空間を俺の部屋と繋いだまま、日常生活を送ろうとしていた。普通に部屋で着替えたり、パジャマ姿で宿題をしたりするところを見せつけているのだ。俺が覗いていることを全く気にせず、「この体格差で何もできないでしょ」と言わんばかりの挑発的な日常生活をただ送っている。 (くそっ……) 俺の部屋に流れ込んでくる、女子高生の部屋の甘い香り。そこに本人の匂いも混ざり合い、俺の部屋の空気と匂いは簡単に書き換えられる。存在を意識しないようにしても、部屋の外にダイナミックに見えているむちむちの太ももが気になって目線を送ってしまう。 (いや、俺も宿題をしないといけないんだ……) 明日の授業で提出する宿題が残っている。この女に構っている場合じゃないんだ。向こうが特に悪戯を仕掛けてこないなら、俺は自分の生活を送るだけだ。…俺は自分の机に向かって座り、宿題を解き始める。 しかし、 「「ん~……」」 ドンッ…ドンッ…… 時折、向こうの世界から聞こえてくる悩ましい声と足踏みの音。その爆音が気になって少しでも目線をやれば、巨大な女の子のパジャマ姿が視界に飛び込んで脳に焼き付いてしまう。その瞬間、部屋に充満する甘い匂いを改めて意識させられ、女の子のテリトリーに包まれているような感覚に少しづつ興奮させられていく。 (集中できない……!!) 俺は一向に宿題に集中できず、途中からはちらちらと外の世界の巨大太ももを盗み見ばかりしてしまっていた。短いパジャマの裾から、太もものかなり付け根の部分まで見えている。もう少しでパンツまで見えそう、という所で女子が体勢を変え、また見えなくなってしまう。 (最悪だ…くそっ……!) 俺はついに、勉強机に向かったまま自分の股間を慰み始める。こんな状況で、我慢できるはずがない。俺は巨大女子から見えない角度であることをいいことに、巨大な脚を見ながらひたすら自慰を続けた。 「「~~♪」」 ズンッ…ズンッ… みちっ…♡ 鼻歌を歌いながら、女子が両脚をMの字に立てる。巨大なふくらはぎと太ももがみちっ…♡とお互いに圧迫し合い、むにむにとした余った肉がえっちにはみ出ている。 「はあっ…はあっ…!!」 自慰を行って気持ちが昂るほど巨大女子への今までの怒りが薄れ、ただ目の前の巨大な女体の妖艶さに心を奪われてメロメロになっていく。太もももふくらはぎも素足も全てが魅力的で美しく見え、あの脚に蹂躙されたいという危険な考えまで頭をよぎり始める。 「はあっ……くぅっ……!!」 最高潮まで気持ちが昂り、今にも射精しそうになったその時だった。 「「…あはっ……♪」」 「っっ!!???」 気づけば、俺の部屋の一面を、巨大な女子の顔が埋め尽くしていた。知らないうちに屈みこんで俺の部屋を覗いていたその女子は、マスク姿のままこちらに目線を向け、愉快そうに笑っている。 自慰行為を見られたという事実と、その自慰行為の対象だった女子の顔がいきなり現れた衝撃。いきなりのことに気持ちがぐちゃぐちゃになるも、爆発寸前だった股間の勢いは止められない。 次の瞬間、巨大な女子はマスクをずらし、唇を露わにした。 「「ほら、いーよ♡」」 囁くような声でそう言い、巨大な艶めかしい舌で唇をぺろっ…♡と舐める。唾液でコーティングされた唇が、えっちに光っている。 「え…な………」 心臓がバクバク鳴り始める。巨大で魅力的な唇が目の前に置かれ、「いいよ」と誘うような声を投げかけられた。俺は興奮で訳が分からなくなり、下半身を露出させたまま、唾液でぬらぬらと濡れた巨大リップに近づいていく。 唇に触れたい。抱き着きたい。匂いを嗅ぎたい。 「「うわっ、本当にきた♪」」 そんな俺の様子をくすくすと笑った女子は、いきなり巨大な手を俺の部屋の中に侵入させてきた。 「ひぃっ、ああっ……」 そのまま人差し指を俺に向かって突き立て、 「「ざんねーん♪」」 むぎゅぅっ…!! 俺を指一本で強引に押し倒した。 「うごぉっ!!??」 巨大な人差し指が俺の腹部あたりをぐっ…ぐっ…と押し込み、俺は胃が強烈な力で圧迫される苦しさでうめき声を上げさせられる。そして、 ぐりぐりぐりっ…♡ 「ああああっっ!!!♡♡」 俺の股間部に突き立てられた人差し指が、その柔らかな指腹を使ってぐりんっ♡ぐりんっ♡と刺激を与えてくる。強すぎる力で股間をこねくり回され、痛みと快感で俺は組み伏せられたまま絶叫してしまう。 「「おもちゃみたーい♪」」 ぐりっ…♡ぐりっ…♡ ぎゅうぅぅー……♡ リズムよく股間をしごき倒しては、圧倒的な力で圧迫を加えて離さない。俺は巨大な怪物のような指から逃れることもできず、強引に流し込まれる快感に悶えながら叫び続ける。 「ああっ…!!♡♡いやあっ!!!♡♡」 「「ぎゅーー…♪」」 ぐりぐりぐりっ…!!♡♡ 「ああああああっっっ!!????」 トドメと言わんばかりに、人差し指がドリルのように股間をぐりぐりっ…♡と虐め倒し、俺は惨めな射精を迎えた。衝撃的な快感と痛みで視界がチカチカし、だらしなく口をあけながらひたすら射精する。 「「わー……かわいー…♪」」 そんな俺の様子を頬づえをついて眺める巨大女子。同世代で俺より力が弱いはずの女子に、指一本で圧倒的に犯されて。俺はこの女子を、元々自分と同じサイズの人間だとは全く思えなくなっていた。俺を圧倒的な体格差で虐める、絶対的な上位存在。そんな風に、俺の脳がこの女子を認識し始めている。 「「よいしょ」」 ズンッ…ズンッ…!! まだ身体をビクビクさせて床に這いつくばっている俺をよそに、巨大女子は再び立ち上がて歩き始める。突っ伏した俺の身体を追撃のように地響きが襲い、巨人が歩くたびに俺は低いうめき声を上げる。 ズンッ!!ズンッ!! 巨人の足音はすぐに近づいてくる。そして、 「「これ、預かっておいてねー♪」」 ごそごそごそっ!!! 「うわあっ!!???」 突然、部屋の中に巨大な布のようなものをねじ込まれる。ベッドのサイズほどもある紺色の布を強引に押し込まれ、俺は訳も分からず部屋の隅っこまで逃げる。 「「明日取りに来るから」」 「何が……ううっ……」 その巨大な布から、かなり濃い、きつい匂いが漂ってくる。…そこで気づいた。この女は、使用済みの巨大な靴下を俺の部屋にねじこんだのだ。巨大な素足の汗がたっぷり染み込んだ分厚い生地の靴下。それが、部屋の中央に折り重なって鎮座していた。 「「じゃーねー…♪」」 「っ…ま、待てっ!!!」 キイィィィ……… 俺の叫びもむなしく、繋がっていた空間は光と共に一瞬にしてただの壁に戻ってしまう。巨大な紺色の靴下だけが取り残され、俺の部屋はあの女の足の匂いで埋め尽くされる。 (こんなの…どうするんだ……!!) ベッドのマットレスよりも一回り大きな、巨大な靴下。それが置かれただけで、俺の部屋の開いていたスペースがほぼ埋め尽くされてしまった。無理やり片付けようにも、クローゼットの中にこの靴下が入るわけもない。 (匂いが……もう最悪だ……) 決して良い匂いとは言えない、女の子の靴下のフレグランス。俺はあの女の素足の下にずっとさらされているような気分で、靴下を何とか部屋の隅に寄せようとする。しかしちょっと掴んだだけで、 じわあっ…♡ と生地の奥から汗の成分が滲み出て、俺の手は一瞬にしてべちょべちょになってしまう。俺は身体中を女子高生の汗で濡らしながら、重い重い靴下を何とか引きずって部屋の隅にべたんっ!!と倒れ込ませた。 そこで、気づいた。 (この靴下のロゴ、うちの高校のエンブレムじゃ…) 俺の頭ほどもある巨大なロゴは、俺が通っている高校の校章に似ているように見えた。慌てて自分の生徒帳を引き出しから取り出すと、全く同じ校章が表紙に描かれていた。 動悸が激しくなる。あの女は、うちの高校の生徒なのか。疑問点が繋がり始める。同じ高校どころか、同じ学年、同じクラスである可能性まである。俺の部屋を知っているということは、そういうことだ。 しかし顔がマスクで隠れていたために、どの女子かまでは分からない。マスクをずらす瞬間もあったが、巨大な顔が近すぎてよく分からなかった。…恐らく向こうも、俺に正体が気づかれているとは思っていないはずだ。 俺に唇を押し当て、唾を吐き、着替えまで見せつけたあの女子が、俺の知り合いである可能性が分かり、頭の中がぐちゃぐちゃになり始めていた。 ------ 「昨日のYoutube見たー?」 「見た見た、あの企画攻めすぎじゃない?」 「………」 次の日の学校にて。休み時間に思い思いに談笑する周りの女子たちを見ながら、俺は気が気ではなかった。少し前から俺の部屋に度を超えた悪戯をしてきている女子。それが、この中にいるかもしれないのだ。 「次なんだっけ?」 「国語じゃない?宿題やってないよ~」 もし、今隣で喋っている宮崎が正体だったら。宮崎の唇や脚を横目でちらと見るだけで、あの巨大女子にされたことを思いだしてしまい股間が熱くなる。あの唇に、俺はキスされているかもしれないのだ。それどころか、あの口の中に溜まっている唾液で部屋を汚されているかもしれない。…犯人を捜しているはずなのに、いつの間にか興奮し始めている自分に嫌悪感を抱く。 「宿題やってきたから、見せてあげよっか?」 「っ……!!」 その声に、脳が反応した。最近爆音で聞かされている、あの女の声に似ている。 「昨日夜までやってたんだよね~」 小山莉乃。どちらかというと活発な性格の女子で、何度か話したこともある。ただそこまで仲が良いという訳ではなく、ただのクラスメートという印象だった。 キーンコーン…… 「やば、戻らなきゃ」 「じゃーねー」 ふわっ…♡ (……!!!) その小山が俺の席の前を通り抜ける時。あの、匂いがした。ここ数週間、俺の部屋に染み付いている女の子の匂い。散々嗅ぎ続けた匂いだから、一瞬で分かってしまった。 (小山が、俺の、部屋に……) さらに心臓の鼓動が早くなる。歩き去っていく小山の足元を見ると、紺色の靴下がぴったりと履かれている。今朝、俺の部屋に置かれていた巨大靴下は、再び空間を接続してきた巨大女子の手で連れ去られたばかりだった。あの靴下が、俺の部屋に置かれていたのか。小山のあの足に履かれた靴下が、あの足の汗がたっぷり染み込んだ靴下が。 …その日俺は、小山に声をかけることができなかった。犯人が見つかったのだから、それを話してやめさせれば良いと思っていた。しかし、それが出来なかった。 理由は二つある。一つは、小山が悪戯をやめてくれるかどうか分からなかったから。現時点で何の証拠もなく、例えば俺が先生や親に告げ口したとしても信じてもらえる保証はない。小山がそんな悪戯をしていると信じるとは、あまり思えなかった。 そして。二つ目は…俺は巨大な小山が部屋に悪戯をしてくることに、何かおかしな期待をしてしまっていた。あの巨大女子がクラスメートであると知った途端、俺の中で得体のしれない興奮がどんどん膨れ上がっていた。小山に注意すれば、もう二度とあの部屋に巨大女子は現れない。それを実行する踏ん切りが、どうしても付かなかった。 ------ その夜は、気が気でなかった。今にも、この部屋に小山が出現するのではないか。そう思うと、勉強もテレビもゲームも、何も手に付かなかった。 そして、その時は訪れる。 ウィーーーーン……… 「っ!!!」 天井が円形の光でかたどられていく。俺は高鳴る鼓動を抑えながら、天井をじっと見上げる。そして、 「「………♪」」 こちらを見下げる巨大なマスク姿が、現れた。…正体が分かってからこうして巨大な顔を見上げると、明らかに小山の顔だった。知り合いの顔がこんな至近距離で近づけられていること自体が、俺の鼓動を早めさせる。 「「んしょ……」」 小山が巨大な手を部屋の中に入れてくる。そして、 さわっ…♡さわっ…♡ (あ……ああっ……) まるでペットを撫でるかのように、人差し指で俺の頭をさわさわと優しく撫でる。俺はクラスメートの女子にペットのように撫でられる状況が異常に恥ずかしく、また異常にドキドキしていた。しかし俺が小山に気づいていることは、恐らく小山は知らない。俺はおかしな挙動をしないように、ひたすら巨大な指の動きに身を任せた。 ぐぐっ…… 俺を撫でていた右手が、パーの状態に広げられる。俺の身長よりも一回り大きな手のひらが広げられ、そこから発せられる熱が俺の全身を包み込む。手のひらのシワまではっきりと見える。これが、俺より身長が低い小山の手だとは到底思えない。 「「………♪」」 むぎゅぅ……♡ いきなりその手のひらが、俺の全身を握り込んだ。 「がっ……ごほぉっ……」 肉厚の巨大な手のひらに握りしめられた俺は、四方八方からかけられる圧迫感にうめき声を上げさせられる。手のひらは柔らかくともその力は絶望的なほど強く、少し身悶えしても手のひらはびくともしない。むしろ動く俺をしっかり握りこもうと、強靭な指が俺の首や腹に絡みついて締め上げる。握りこむ力と、巨大な手から伝わるむんむんとした熱気。ちょっとでもこの手が加減を間違えれば、俺の身体は粉々に握り潰される。文字通り、命を握られている状態だった。 「「ふふっ♪」」 むぎゅっ…ぎゅぅっ…♡ 「がはっ……ああっっ…」 それなのに。恐怖と苦痛の裏で、興奮という感情が芽生え始める。あの小山の小さな手のひらが、今巨大な怪物となって俺を握りしめて襲っている。そのギャップが、小山の存在の圧倒的さが、自分の矮小さが、俺に性的な昂りを感じさせる。体格差が違うだけで、俺は力の弱いはずのクラスメートの女子に勝てず、好き勝手に蹂躙されるのだ。こんなふうに物のように握りしめられ、太い指の一本一本が体のあらゆる部分を締め上げて圧迫する。小山は小さい俺を異性の対象とも見ずに、大きな唇でキスしたり、日常生活を見せつけたりしていたのだ。その光景がフラッシュバックし、余計に股間が硬くなってしまう。 「「はい、終わり」」 「げほっ!!げほっ!!げほっ!!」 小山の気まぐれで俺は解放され、必死で咳き込んで空気を取り入れる。そんな俺を、マスク姿の小山が平然とした顔で見下ろしている。何回も巨大な小山に好き放題遊ばれ蹂躙され、俺は小山が所有する玩具になった気分に陥っていた。 「「これ、預かっておいてくんない?」」 小山はそう言うと、緑色の柱状の巨大な物体を、 ごとんっ!! 俺の部屋の中央付近に立てて置いた。…よく見ると、それは大きな大きなリップクリームだった。 「え……」 「「あはは、私が使ってるリップクリームが、こんなに大きいんだね」」 カシャッ!!カシャッ!! 小山は大きなスマホを俺の部屋の中に向けると、耳をつんざくような爆音でシャッター音を鳴らす。そして、 「「じゃーね♪」」 小山はそう言い残すと、ウィィィン……とすぐに空間を閉じてしまった。 「…………」 部屋には、巨大なリップクリームと俺だけが取り残される。…明らかに小山は、自分の巨大な所有物を俺の部屋に残していくことにハマっていた。この前の靴下もそうだったが、自分の巨大な持ち物が小さい人間の部屋を支配していることが楽しいのだろうか。 …少なくとも、目の前に鎮座する巨大リップクリームは、小山の圧倒的な存在感を見せつけるのに十分な大きさだった。俺の身長より高いリップクリーム。これが、小山の巨大な唇にいつも塗られているのだ。ピンク色の柔らかな唇が、このリップクリームの断面にむにゅっ…♡と押し当てられている様子を想像する。それだけで、俺は我慢できなくなっていた。 「はあっ…はあっ……」 巨大なリップクリームにしがみつきながら、みっともなく自慰を行う。ただの無機質なリップクリームのはずなのに、それが小山の持ち物であるという認識だけで興奮させられる。いつも教室で見ている女子の唇に当てられているものだと思うだけで、おかしな気持ちになってくる。 「うぅっ……」 俺はただのリップクリームに、射精してしまっていた。その瞬間に罪悪感と屈辱感が押し寄せ、最高に気分が落ち込む。こんなリップクリームのことなんて忘れようと思い、すぐに部屋の端までそれを運び、自分は宿題に取り掛かろうとする。 「………」 しかし、俺の部屋に植え付けられた小山の存在感は消えてくれない。後ろに佇む巨大なリップクリームの気配が、いつ何時も小山の巨大な姿を連想させる。巨大な唇の光景が頭から離れず、一向に宿題に集中できない。 俺は一人のクラスメートの女子の持ち物に、自室での時間を支配され始めていた。 ------ その日から、小山は日替わりで自分の持ち物を俺の部屋に置き去りにしていった。 次の日は、使用済みのマスクを。 「「これ、邪魔だから置いとくね」」 巨大な唇の形に変形したマスクの表面は、ずっと浴びせかけられていた吐息でしっとりと湿っていて。小山が去ってから、俺は我慢できずにマスクの布に飛び込み、染み込んだ唾液の匂いと巨大な唇の残像を感じながら自慰を行った。 次の日は、舐めている途中の棒キャンディーを。 「「くちゅ…♡にちゅ…♡……んあっ♡」」 にちょっ…♡ 唾液にまみれたベトベトのキャンディーが、俺の部屋の床に容赦なく着地する。甘い匂いに紛れ、何度嗅がされたか分からない唾液の匂いがふんだんに香った。 「「もういらないから食べていいよ♪」」 小山の巨大な舌で嘗め回されたキャンディーを、俺は小山の口元を想像しながら愚かにも舐め続けた。 そして次の日には。 ズンッ!!ズンッ!! するするっ… 「「~~♪」」 俺から見えない所で足音を響かせながら、何やら布擦れの音を立てたかと思えば、 「「ほらっ♪」」 ぎゅうぅっ!!むぎゅっ!! 「ひいぃっ!!」 突然、白くて柔らかい巨大な布を部屋に押し込まれ。 「「明日までに綺麗にしといてね♪」」 そう言い放たれた。その巨大な白い布は、今までの靴下やマスクよりもさらに一回り大きく。ほかほかと熱を持っており、大きい穴が二つ開いていた。まるで、大木のような巨大な脚を入れるためのような。 (こ、小山の……パンツが……!!) 先程まで同級生の股に密着していた、巨大な純白の下着。今まで嗅いだことのないような立ち込める匂いが、俺の部屋中に振りまかれる。同級生の女子の下着など1回も見たことないのに、今その下着を見ているどころか、その中に包まれているような状態で。男子高校生にはあまりに刺激が強く、部屋の空間を埋め尽くす小山の巨大パンツを見ただけで射精感がこみ上げてくる。 「すー…はー……はあっ、はあっ……」 思わずパンツの柔らかな表面に飛びつき、顔をうずめる。小山の股間部やお尻に密着していたほかほかの布が、小山の圧倒的な存在感を主張してくる。俺が飛びついてもなお面積が大きく残っているほど、巨大なパンツ。これを軽々と股に履いてしまう小山の下半身はどれだけ大きいのだろうか。このパンツに包まれるほど巨大な性器が存在するというのは、想像を絶する事実だった。 (う、内側も……) それだけでは飽き足らず、俺はパンツの内側、小山の肌が直接触れていた部分に足を踏み入れる。 (ここが……股の……) パンツのクロッチの部分も漏れなく巨大で、ここに大きな大きな性器が密着していたという現実を目の当たりにする。クロッチ部分は少し汚れていて、小山の巨大な身体から出たものが付着していた。…年頃の女子高生なら絶対に人に見せたくないもの。しかしそれを、小山は同級生の男子の部屋に詰め込んで放置していた。 「はあっ…はあっ……」 クロッチ部分に身体をダイブさせたまま、自慰行為を続ける。妄想の中で巨大な小山が、巨大なパンツを俺ごと履こうとする。異常なほど大きな股、性器が、みちぃ…♡とパンツの生地と俺を引っ張って密着させるのだ。俺は小山の性器とパンツのゴムの力で逃げることもできず、許されるまでずっとそこに監禁されるだろう。 「うぅっ……」 使用済みの汚れたパンツに精液を吐き出した俺は、もはや小山のことしか考えられなくなっていた。 ------ 俺は、学校に行った時も小山から目が離せなくなっていた。小山が教室を歩く足音、なびく栗色の髪、言葉を紡ぐ唇。その全てが俺の頭の中で圧倒的な大きさに変換され、巨大な小山の姿をどうしても想像してしまう。今見ている姿は本当の大きさではなくて、小山の本来の大きさがあの巨人である気さえしてくる。そして、巨大な小山に飼われる小人としての自分の方が、本来の自分であるような錯覚に囚われ始めた。 そして今夜もまた、俺は自分の部屋で悶々とした時間を過ごす。いつ、自分の飼い主がやってくるのか。いつ、この部屋の平和が破られ、巨人に蹂躙される時間がやってくるのか。 そんな俺の期待に応えるように、天井がいつものように光り始める。 キィィィィ……… ……… 「「わ、ほんとに繋がった」」 「「掲示板で拡散されてた男子高生の部屋、本当だったんだ~」」 「「ちっちゃくて可愛い~♪」」 俺の部屋を見下ろすように現れたのは。 全く面識も心当たりもない、3人の巨大な女子たちだった。 ---続く---