ひゅう…っと風を切る音がして数秒後、夜空に光の花が咲く
夏の風物詩が夜を彩る中、それを男一人で寂しく見上げている。
周りの喧騒のせいか、一際そう感じられた。
「それにしても遅いな…」
脇に置いたビール缶をあらためて揺すってみるが、当然入っていない。
買ってきたビールは、だいぶ前に飲み干してしまった。
買いに行くか迷ったが、入れ違いになってしまっては面倒なので、電が帰ってくるのを待っていようと決めて数十分。
花火を見ているよりも、辺りを見回す時間のが長くなってきた頃に、見覚えのある姿が小走りに駆け寄ってくるのが見えた。
「…はぁっ……っはっ……お待たせして、ごめんなさいなのです…」
随分と息を切らしている。大分と急いで来た様子だ。
「ん、大丈夫だよ。それにしても随分遅かったね。かなり混んでた?」
「はい、いっぱいお客さんがいて…。出店だけじゃなくて、その、トイレとかまで行列が出来てて…」
「はは、そうか、大変だったな」
「はい…」
「お疲れ様。とりあえず、花火を楽しもうか」
そう言いながら、電を隣に座るように促す。
花火の演目は、もう後半に差し掛かっている。
少しもじつきながら、電が横に座った。
少しだけ距離を置いて座ったので、その距離を潰すように、にじり寄って座る。
「司令官さん…その……近いのです…」
「随分待たされたからな。男一人は寂しかったぞ?」
「……」
観念したように俯いた顔は、夜目にも赤いのが分かった。
すっと顎に手を添えて、こちらを向かせる。
「…し、司令官さん…その…花火を楽しむんじゃ…?」
小さな抵抗はそのまま口を塞いでねじ伏せた。
ふわりとボディシートの匂いが香る。それに混じって微かな汗の匂いした。
ゆっくりと背中に手を回すと、ぴくりと体が跳ねる。
緊張がこちらにも伝わってくるようだ。
しばらくして、少しずつ力が抜けていくのが分かったので放してやる。
「……もう……強引なのです」
「はは」
「……」
「…花火でも見るか」
正直、花火はもうどうでも良かったが、似合わない気障な振る舞いをして、自分でも少し恥ずかしくなったので、そのまま終わりまで眺める事にした。
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ご支援ありがとうございます!
また幕間シリーズですね、なんか続いちゃってます。
一回描くとなんか頭の中で続いちゃうんですよね。
んで落書きしてて「あれ、結構いい感じ…?」ってなってしまう事もある。
最近そんな時は、勢いで描くようにしてます。リビドー大事。
(ちなみに雷ちゃんも、下塗りまで終わってたりする。)
響ちゃん待ってる人は申し訳ないですが…。ちゃんと描くから許して。
さて今回は、司令官とのデートで花火大会に来た電ちゃん。
お花摘みに行った電ちゃんですが、随分と帰ってくるのが遅かったようです。
その間、司令官は一人で待ちぼうけ。
まぁすごく混んでたらしいので、仕方ないのかな。ウン、シカタナイ…シカタナイ。
???「…ふっ、ふっ……っ………うっ…!ふぅ……。……もう戻っていいぞ」
次回更新は23日までに行います。