人面蜘蛛~洞窟探掘~
Added 2025-07-05 09:29:31 +0000 UTC私の判断で多数の被害者を出してしまった 想像した以上に洞窟にいる怪物は危険なのかもしれない 「団長どうしましょう」 第2部隊のリョウは私の方をみつめながら問いかけた 基地に戻ろう。そこでこれからの指示を出す 私と第2部隊は基地へと戻ることにした 戻りながら、洞窟の中で何があったのかを推測してみることにした 今までこの島に来て直接的に襲う生物は 食人植物と日記に書いてあるあの蜘蛛である 他の生物は、直接的に狙うことは無かった ただ、洞窟という光が届かない場所で植物が成長するとは考えづらい そして食人植物は動くことは無いため逃げる事が可能である 日記に書かれた蜘蛛の可能性 もしくは、全く別の生物の可能性が考えられる そしてもう一つの謎は洞窟を住処としている点 その生物は日の光に弱いのか だとしたら夜動いても不思議ではない もしくは、狩りをする必要がない そう考えると日記にあったあの蜘蛛の可能性はさらに高まる 人間の精子を栄養に成長し、餌を与えて生かし続ける それが出来れば、洞窟の中で獲物が来るのを待つだけで良い 無駄に動き回れば、別の捕食者に食べられるリスクもあるのだから 基地につき生き残った第2部隊20名と私とユーリを含めた22名に作戦を言い渡す あそこの洞窟には日記に書かれた蜘蛛が住んでいる可能性が非常に高い つまり、まだ第1部隊と第3部隊は生きている可能性が高い だがこのまま救出に向かえば、我々も蜘蛛の餌食となるだろう そこでここで蜘蛛の対策を立ててから向かうとする 第1部隊と第3部隊は必ず我々で救出する 私の言葉に皆指示に従うことになった 食料は十分にある そして研究材料である蜘蛛の糸も 私達に必要なのはこの蜘蛛の糸の対処法である この糸さえ無力化してしまえばこちらのものである そして次の日から研究が開始された この島に来てから14日、第1部隊と第3部隊が行方不明になってから5日が経過した 我々は部屋に残った蜘蛛の糸と、死体を掘り起こして出てきた繭の糸を溶かす方法を試した 炎でも水でも切っても、酸でも溶けることはない 頑丈な糸は時間がたってもその強度は変わることは無かった 一体どうしたらこの糸をほどくことが出来るのか この蜘蛛の弱点はないのか・・・ 考えつく限りのことを考え試した 「団長。587回目の実験失敗です。一体何が原因なのでしょうか?この島で出来る限りの実験は全て行ったかと思います。この限られた島の中では実験できることも限られてます。一度本国に戻り研究するしか方法はないのかもしれません」 ユーリの発言に、確かに一理あると思った。この狭い島の中で・・・いや待て・・・なぜこの巨大蜘蛛はこの島を出ない。海を渡れない・・・そうか! 私はあらかじめろ汲んできていた海水を糸に向かってかけた すると繭の糸は溶けるように縮み跡形もなく消えた 「588回目成功・・・」 そう。蜘蛛はこの島から出ないのではなく出れないのだ おそらく、体も浮くことは出来ないか。もしくは海水自体が苦手なのかもしれない まだ分からないことだらけだが、糸口は見つけた 第1部隊・第3部隊の救出の準備へと取り掛かった 準備にはそう時間はかからなかった ろ過させて使ったり手を洗ったりするのに十分すぎるほど海水は汲んできている 人数分の水噴射器も用意できた そして出発前夜 救出チーム10名と待機チーム10名をそれぞれ分けることにした 私と、リョウは救出チーム ユーリは待機チームに分けた ユーリ隊長良いか。私がもし帰ってこなかったら仲間を連れてこの島から脱出するんだ 「はい。わかりました。団長・・・いえ父上」 そう言った息子の表情は逞しく思えた そして翌日、私と5名は第1部隊が入った洞窟へ リョウ隊長と5名は第3部隊が入った洞窟へそれぞれ向かった 洞窟の中はひんやりと冷たい 私たちは意を決して奥へと進んでいった 奥に進むと、洞窟の中は驚くべき光景が広がっていた 岩についた苔が青く光っていて幻想的な風景が広がっている さらに奥に行くと石自体が青く広がり、灯りをともすことがないほど明るかった 洞窟の中はかなり広く掘られていて天井は2m以上ある 腰を曲げなくても足元さえ気を付ければ奥へと入っていけた ユーリ隊長聞こえるか・・・ 「はい団長。聞こえます」 洞窟の中に侵入してからしばらく進んだが、周りは石が光っていて明るい。未知の鉱石かもしれない。引き続き進むことにする 「分かりました。気を付けてください」 ユーリとの会話を閉じて、少し進むと人の呻き声が聞こえ始めた うぅぅぅ・・・ 奥の方から聞こえてくる人間の悲鳴 その声が確かに聞こえてきた うぅぅぅぅ・・・ 次第に大きくなるその呻き声 着実に近づいていることが分かる ユーリ隊長聞こえるか・・・ 「はい団長。聞こえます」 人の呻き声が聞こえてきている。段々近づいている様だ。隊員達の声だとすると蜘蛛であることはほぼ間違いないだろう。このまま救出に向かう。いったこと忘れない様に 「承知しました。必ず生きて帰ってきてください」 うううううううぅぅぅぅぅ・・・ 人の声がさらにはっきりと聞こえてきて、呻き声だけで誰だか分かるほどだった。 この一番大きな声はカズだな。今助けてやる 私たちは声や物音を立てずに慎重に歩き、やがて開けた空洞に出た そこは蜘蛛の住処だった 天井は10メートルほどあり天井には蜘蛛の巣が網状に張り巡らされている そして天井から降ろされた蜘蛛の糸に吊るされ繭状にされた団員達や男性たちがいた 顔は出したまま口だけ糸で固定され、呻き声だけを出している 腰から脚の付け根・尾てい骨付近までは綺麗に繭にされておらず、男性器とお尻だけが丸見えにされた状態で他は綺麗に繭にされている 皆、私達をみつめ助けてくれと言わんばかりにこちらを覗いている 待っていろ。今助ける・・・ 俺は手で合図を送り海水を繭に豪快にぶちまけた だが、繭はあの時と違い、変化がない ユーリ隊長。海水が効かない事が分かった撤収する・・・ そう言いかけた瞬間 目の前に突如現れた巨大な人間の顔。50cm以上の巨大な顔が私の目の前に現れると キシシシシシシシシシ というけたたましい声と共に大口を開いた にげろおおおおおおおお!! 「団長!何があったんですか?団長!!」 ここにくるなあああああああ! 後ろを振り返った瞬間、宙を舞う体 うわああああああああああああ ぐわんと勢いよく体は真上に飛び上がるとねっちょとしたものが背中にくっついた 体は大の字に固定されると次々に、隊員達は宙にあがってくるのが分かった 私たちは蜘蛛の巣に囚われて動けなくなってしまった