――一仕事終わって車を出そうと俺はエレベーターで地下に降りた。降りたはずだった。ああそうだ、ここは地下駐車場に間違いない。それが本当ならば、ではこの目の前で繰り広げられている光景は何だ? そいつはどう見ても少女だ。二人の少女が舞い踊っている。否、踊っているのならばその手に持っているモノはあまりにも似つかわしくない。ギラリと輝くそいつが時折ぶつかり合っては激しく火花を散らす。それはひどく綺麗だ。ああ何だ、俺は幻を見ているんだ。幻でなければ説明がつかない。二人の少女が包丁で斬り合っているのだから。恐ろしく凄惨なはずのその光景があまりにも神聖で神秘的な空間に映った。故に俺はただ見とれていた。