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matsuri7103
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観測することで人は恐怖する

私はどちらかというと夜型人間で、日が暮れてきた頃に集中力が出るほうだ。

なので、ホラー小説もどちらかという夜が更けてから書く場面が多い。そうすると、どうしても些細な物音が気になってしまうことがある。

ペットボトルが鳴る音、なにかがカタンと鳴る物音、一番怖かったのは小説を投稿した瞬間周辺が一時的に停電になったようで、バチっと部屋の明かりが全て消えた瞬間だった。

さすがに叫んだりはしなかったが、思わず床に座り込んでしまった。


ペットボトルの音が鳴ることも、家鳴りも、停電も

全て科学的な理由で片づけることができる。

だというのに、一度その音に「異質」を感じてしまえばそれは途端に恐怖に変わるのだ。

分かっているのに、本当に因果関係はないのか、とどこかで怯える。


ホラー小説を自分で創作する側になる前は、私は怪奇現象に科学的な理由を求めるのは無粋だと思っていた。

だけど、今は少し違う。

名前の付けられる現象でありながら、「でも本当にそうだろうか」と一部疑いの余地がある、両者の境界線上にある不確かな「間(あわい)」にこそ、恐怖を感じ、それをホラーの醍醐味として楽しむようになった。


以前勤めていた会社の先輩とは、怖い話に良く花を咲かせていた。

その先輩が「私、"隙間"って怖いんだよね。ちょっとでもカーテンが開いてたらすぐ閉める。なんかこっちを覗いてそうで怖くない?」と言っていた。

それを聞いて、無意識にカーテンをピシッと閉める、ドアがちょっと隙間が空いているのもピタッと閉める――私もそんな行動を無意識に取っていたなと振り返った。

そして、先輩の言葉を反芻して「ああ、確かに隙間って怖いなぁ」と、やっとこの行動の心理的理由が分かった。

この話の後、SNSのフォロワーさんと通話作業をしていたときに出た話題でも、「隙間は怖いですよね」という共通の認識があったので、やはりと思って嬉しくなった。

食べ物の趣味が似通うことで仲良くなると聞いたことがあるが、怖いものが似ているとなんとなく嬉しくなる。


この「隙間への恐怖」について、もう少しちゃんと言語化できるようになれば、これをテーマに怖い話を書きたいところだ。

最近、特にホラーブームが到来していると言っていいだろう。というのも、ホラー小説や実話怪談はもちろん、ホラーとはなにか?といった研究的な側面で書かれた本も多く出版されるようになったからだ。いま色々と買いたい本をチェックしているところで、ただ、怖い本を物質として部屋の中に置いておくのがちょっと不気味…という自分のチキンさと葛藤していてまだ購入ボタンを押せずにリストにばかり増えている最中だ。表紙が明らかにおどろおどろしいのはちょっと怖い。電子書籍なら買えるが、何度も読み返したいものは本として買っておきたい。

小野不由美先生が大好きで大抵の本は買って愛読しているが、『残穢』だけは図書館で読了した(借りて家に持って帰るのも嫌でその場で読み切った)ほどだ。あれは、表紙がそもそも怖い。裏表紙ももっと怖い。内容的にも家の中に置いておきたくはない。

少し脱線したが、このように研究書も多く出るようになったので独自設定も良いが、もっとその分野に学術面で詳しくなりたいのでちゃんと勉強するようになった。


「間」に恐怖を感じるのも、形ある本になった途端に手元に置くことを躊躇する心理も、自分がそこに「恐怖」を付与しているからだ。

なんでもないただの現象でも、観測した者が恐怖心を以て認識すればそれはホラーの素養を持つ。

それは本当になんでもないことか?

それとも、我々が気付かない何かが起こっているのではないか?

そんな、自分の脳が創り出す恐怖世界と、認識の外側との客観的な世界との境界線を行き来しながら安堵と不安を漂うのが、ホラーの心地よさだと思う。


日の光に照らされた天井のありふれた木目が、暗闇の中で人の顔のように見えるように。

分かりやすく幽霊やおばけが出るホラーももちろん好きだが、曖昧な形に生まれる怪異も大好きなのだ。



ホラーブームの話題に触れたので、少しこんなお話を。

ホラーが世界的にブームになるのは30年ごとだといわれている(一部には10年説もある)

そうなのか…と思って1990年代の有名なホラー作品を検索してみると、『学校の怪談シリーズ(1990年~)』、『リング(1991年小説・1998年映画化)』、『羊たちの沈黙(1991年映画化)』、『壁の中に誰かがいる(1991年映画化)』、『シックス・センス(1999年映画化)』などが挙げられる。『学校の怪談』や『リング』といえば、ジャパニーズホラーの王道を築き上げたほどの傑作だ。

もちろんこの作品以降もホラーブームは起こっているし、インターネットの普及によってインターネット・ミームを利用した感染系ホラーというものも増えた。誰もが怖い話を発信できる環境ができたことで、夏だけの定番でなく日常的にホラーの話題に尽きない。パラダイスだ。ありがとうネット社会。

もはや30年説も10年説も当てはまらない時代なのかもしれない。研究面でも創作としても、ホラー界の益々のご活躍、ご発展をお祈り申し上げます。


面白い本など見つけましたら、またここで色々ご紹介していきます。

まずは、本を手元に持つことを恐れないことですね。


お知らせ①

そんな話題の後でなんですが、今年の夏頃にホラー小説を紙媒体の本として1冊出す予定で動いています。

今年の7月にFANBOXをスタートして1年が経ちます。ここまで続けてこられたのは、ひとえに支援をしてくださった皆様の応援あってこそです。いつもありがとうございます。

そこで、支援を開始いただいて1年経った方から順次、私からプレゼント本を送付したいと考えています。


最初は、書き下ろし鬼滅ホラーの同人本はどうかなと考えていました。プレゼントという無償の形であれば二次創作でも問題ないのかな、と。しかし土台がFANBOXですので、やはり二次創作は限りなく黒寄りのグレーだろう、というのが私の結論でした。

(同人本の夢はまだ諦めていないので、その折には改めてpixivなどを通じて発表させていただきます)

そこで色々と考えて、鬼滅の二次創作から私を知ってくださった方達が楽しめるような内容かつオリジナル要素の話…ということを前提に、鬼殺隊共有スレシリーズに登場した怪異を別の視点から描いた話を書きます。

「鬼殺隊の彼らが介入しないと、人々の目に怪異はこのように映る」というようなテーマで、短い話をいくつか収録した短編集を1冊の本にする予定です。


発送方法だけがまだ確定せず迷っている最中ですが、一般的にどのようにしているのか調べながら具体的に考えていきます。できれば匿名配送が一番良いと思うので、もしもLINEを介しない方法で可能な匿名配送の手段をご存じであれば教えていただけると幸いです。

印刷した完成品が手元に届いたら、該当者の方に順次こちらからご連絡いたします。

もしも、私と同じように「呪われそうだから手元に置いておくのは嫌だ」と思われる場合は、PDFなどのデータ配付も検討しますのでそのときに仰ってください。



お知らせ②

pixiv以外の別所小説投稿サイトにて、オリジナル作品を書きたいとずっと言っていましたが、やっと形にすることができました!

カクヨムさんを利用させていただくことにしました。

『怪談師の箱』というタイトルで連載中です。こちらから読めます↓

https://kakuyomu.jp/works/16816452219576644298

1話ごとは短い話になっており、こまめに更新していく予定です。

こちらのお話も、ぜひ楽しんでいただけると嬉しいです。



暖かくなっていくかと思いきやまた寒い日々が続いたことと、春の新商品の誘惑に負けて暴飲暴食をした結果、10数年に1度あるかないかのレベルで体調を大きく崩して数日苦しみました。完全に自業自得なのですが、健康って大事だなぁと身に染みて感じました。

不安定な気候ですので、皆様もどうかご自愛ください。


それでは、また来月お逢いいたしましょう。



観測することで人は恐怖する

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