立春を過ぎ、暦の上では春ですね。
久々に実家の雛人形を箱から出して飾りました。
長い間出していなかったので、雛壇の骨組みを組み立てる作業が大変で
へとへとになったのですが、完成するとやはり見応えがあって良いものです。
体力回復にお菓子タイムが必要!と、
サツマイモを餡状にして片栗粉混ぜてバターで焼いた芋団子に、
手作りのぜんざいをかけて、
お雛さんを眺めながら一服してきたところです。
さて、新年早々怪談はちょっとなぁ…と、先月は書きませんでしたが
また身近な怪の話をしたく、ここで綴ることにします。
今回は、私が実際に体験した話を二つ。
・多分、何かいる
それは私が以前いた会社でのこと。
私が在籍していた支部は、8階建てのビルの7階に事務所と接客スペースの2部屋を借りていた。
アポを取ったお客様と話すときは接客スペースで、それ以外のデスクワークは事務所で行う。
問題は、この接客スペースのほうの部屋。
接客スペースはブースで区切られており、入り口から縦並び、通路を挟んで窓に面した奥側は横一列の配置で並んでいた。
その奥のほうで、"出る"のだと先輩達から何度か聞かされていた。
具体的にどのブース、というのは分からない。
だけど、漠然と「なにか、ここら辺」というのがあるのだそうだ。
私はどちらかという鈍いほうなので、感じたことはない。
でも、先輩が接客中に「あれ?あのブース他に誰かいる?」と思い、席を立つときにチラッと覗いてみると誰もいない…という妙な気配を感じるらしい。
ある日のこと。
奥の角ブースで、自分が担当するお客様と雑談していたとき。
ふと、彼女が自分には霊感があるという話をしてくれた。
何かの話題で、お互いが怪談が好きという流れでだったと思う。
(もちろん、誰にでも話すことではないので相手をみて、だが)私は彼女に「そういえばこの辺、何か変な気配を感じるという人もいるらしいですよ」とちょっと冗談交じりに伝えた。
すると彼女は「やっぱり?」と何だか納得したような感じである。
詳しく聞いてみると、私がお茶を出したり資料を取ってくるのに席を外した少しの間、妙な寒気や視線を感じることがあったそうだ。
「いま、他のお客さんっていませんよね?」と小声で確認してくる彼女に、「今の時間帯はいませんよ」と伝える。
もしかしたら誰か他の人がいるのでは、と思っていらっしゃったようだった。
自分が鈍いので、内心「へー、やっぱり感じる人は感じるんだなぁ」という暢気な感想しか浮かばなかった。
ある別の日のこと。
営業職としては珍しいかもしれないが、社長の方針で基本的にノー残業を徹底している。
だがその日は私の接客時間が長引いて、事後処理をするために残業をすることになった。
次の日が休みなのでやることは全部済ませておきたくて、結構時間がかかってしまった。
上長には「絶対にこの時間までには帰るように!」と念を押されて、事務所には私一人になった。
業務が終わり、戸締りや電源の落とし忘れがないかをチェックしていたとき、ふと耳に馴染んだチャイムの音が事務所内に響いた。
それは、接客ルームの入り口を人が通った時に反応するチャイムの音だった。
反射的にいつものクセでお客様を迎えようと、事務所を出ようとして気付いた。
接客ルームはもう閉じている。
お客様をお見送りした後で、すぐに扉を閉めて鍵もしっかり掛けていた。
私は事務所から出ず、何となく自分のデスクに戻って椅子に座った。
少しの間そのまま静かに座っていたが、チャイムの音がそれっきり鳴らないのが分かると、支部のグループLINEにこれから退社すること(最後の人は退社連絡を入れるのがルール)と、誰もいない部屋からチャイムが鳴りました(恐怖を表す顔文字)を送った。
接客ルームは、エレベーターのドアの前にあるが、仕事終わりで脳が疲れていたので特に何も考えずに普通に帰って行った。
私が送ったLINEメッセージに、上長や先輩達が「やっぱあそこ何かいるじゃん!」とトークで盛り上がっているのを、帰りの電車の中で見ながら「気になってすぐ見に行かなくて良かったなー」と漠然と思った。
それ以降、そのビルのなかで妙なことは起きていない。
ちなみに、接客ルームを閉めるときはセンサーが無駄に反応してチャイムが鳴らないように、壁に向けてから戸締りをするのが決まりなのだが、どうしてあの日だけチャイムが鳴ったのかは分からない。
・話すと寄ってくる
怖い話をすると霊が寄ってくる、という話があるが、これはそういったもの。
上記のとは別の会社にいたとき、私はジョブローテーション期間中で、ちょうど同期のMちゃんから引き継ぎを受けていた。
Mちゃんも私も怖い話が大好きで、その日も私のバスの時間が来るまで暇つぶしに事務所内で怪談をしようという流れになった。
外はすっかり夜で、電気を消すと事務所は闇に包まれる。
私とMちゃんが使っているデスクのPCモニターだけ電源をつけ、その光だけで椅子を向かい合わせて話をしていた。
交互に怖い話を出し合っており、私が自分の知る怪談を語っていた途中、それは起こった。
お互いの顔がPCモニターの光で照らされるなか、私はMちゃんが奇妙な表情を浮かべているように見えたのだ。
その表情はコマ送りのようにコロコロと脈絡ない感情を表す。
何か顔を顰めているように見えたかと思えば、無表情になったり、泣き出しそうに眉を寄せたり…でも、なんだかぼやっと白くて薄い膜に覆われたみたいにハッキリとその表情が見えない。
こんな暗い中にいるせいか、視界がおかしくなったのだろうか?と思って、語る方に夢中だったので気にせず怖い話を続けた。
すると、まだ話が終わっていないのに、「そろそろ帰ろうか」と
Mちゃんが急に話を切ってきた。
人の話を途中で遮るような子ではなかったので、訝しく思いながらも
まあ、あまり遅くなっても…と思い、片付け戸締りをして事務所を出た。
その間、ずっとMちゃんは無言だった。
それから会社の駐車場まで歩いたとき、Mちゃんは立ち止まってやっと口を開いた。
「話途中で切ってごめん。でも、ウチとマツリの顔の間に、女の人っぽい頭が浮かんでたんだよ」
Mちゃんは後頭部しか見えなかったが、それが女であること、自分に後頭部を向けているということは怖い話を語っている私を見ているということを瞬時に理解し、『これはマズイ…』と即座に話を切ることにしたのだそうだ。
その話を聞いて、「ああ、だからMちゃんの顔がMちゃんが浮かべるには変な表情をしているように見えたのか」と先程の違和感を理解した。
これも引継ぎ時にMちゃんから聞いて、私も何度か体験したのだが
その部署では誰も居ないのにドアが閉まったり、勝手にトイレの洗面台の水が流れたりと、変なことが時々起こるらしい。
もともと、その辺にいた何かが私達の怖い話に反応して、傍まで来たのだろうか。
さすがに暗がりで怪談をするのは控えよう、と思った。
ここからは私の推測だが、私は先述の通り霊感でいうと大変鈍いので
恐らくその霊現象はMちゃんに寄ってきたものだと思っている。
というのも、Mちゃんはこの件以外でも日常茶飯事なのかと心配になる程、怪奇現象に遭遇しているからだ。
会社からの帰り、こんなことがあったという。
Mちゃんは自転車通勤なのだが、一度通勤路が工事中で迂回したところ
とある踏切のところで、全身が赤く発光した女が踏切の向こうでこちらを睨んでいたのだという。
電車が通り過ぎると、その女はいなくなっていたが、怖くて全速力で帰ったそうだ。
この時の話を聞いていた私と当時の上司。
上司曰く、「赤や紫色は、オーラの色だと一番良くない色」らしい。
上司の担当するお客様に、気功の達人がいて、接客のたびにそういった業界豆知識を聞いてくるのだ。
その話を聞いて、じゃあ赤い光を発する霊はどういう意味があるんだろうとネットで検索してみることにした。
私は幼少期に、青白く発光する霊を見たことがあるので(「幼い頃に不思議なものを見た」参照)霊の色というのに興味があったのだ。
見つけたある記事によると、赤く発光する霊は「怒り」を表しているので近付くのは大変危険だと書いてあった。
うわー!と思って、さっそく上司とMちゃんにその箇所を読み上げる、上司は具体的にどの踏切だったかをMちゃんに尋ねた。
Mちゃんが「〇〇神社の近くにある…」というと、「あー」と上司はすぐに納得したようだった。
そこは、京都のとある観光名所の近くにある踏切なのだが、
「出る」ということで、知っている人は知っているような心霊スポットだった。
学生の頃も社会人の頃も、そういった「なんだかよく遭遇する人」と親しくなり、体験談を聞く機会があった。
これは私が出逢ったそんな人達の特徴から分析したマイ統計なので、決して当てにはならないが…どうも寄せやすい人の特徴は以下にあるように思う。
・優しい人
・他人に興味がある人
これが共通していると思った。
特に「優しい人」というのが、結構共通する。
この人が本気で怒るのってどういう時だ?と思うくらい温和な人だったり、
いつも親身に人の相談に乗るような人だったり。
もう一つ、「他人に興味がある人」。
これは色々な意味に分かれる。
優しい人に共通して、困っている人を放っておけないという意味で周囲に気を配っている人の場合もあれば、
他人の動向が気になるちょっと野次馬っぽい人だったり、
身近な人を意識しやすく嫉妬を覚えやすい人だったり、
それらをひっくるめて「他人に興味がある」と表現した。
私は優しそうと人から言ってもらうことはあるが、
実際自分では優しくないと思うし、他人にもそんなに興味がない。
霊は優しい人だと思うと、救ってほしくて寄ってくるというが、何かのセンサーでそれを感じ取っているのなら、人を見る目すごいあるな!と驚く。
面接官に向いてるね(^^)/
実話系の怪談は小出しに書くようにしています。
書いていると意外にボリュームが増えてしまうというのもありますが、実話系は人によってはあまり相性が良くないというのもあるのかなと最近思っているからです。
数年前、実話の怪談を記事にしている会社員さんのブログを友人から教わり、毎日スキマ時間に読んでいたのですが、ある日、とある話を読んだ時にすっごい悪寒がして「あ、これ以上は駄目だ」と思ったのです。
なんだかよく分からないけど、これは多分駄目なやつだ、と。
(そういう動物的勘はある)
それ以来、その方のブログを読むのは止めたのですが、
ここ最近、「禍話」という怪談ツイキャスの内容を、ファンのリスナーさん達が文章に書き起こした「禍話リライト」がnoteのタグ検索で色々読めるので、毎晩楽しみに読んでいました。
「禍話」は実話もあれば、創作も含まれているそうですが、
ある日を境に、なんだか体調が優れなくなりました。
なんだか体が寒くて、ちょっとだるい。
さすがに怪談に触れ過ぎたか…と思って、数日読まないでいるとまた体調が戻りました。
単に疲れていただけかもしれませんが、ちょっと自重しようと今もまだ読んでいません。
怪談は用法・用量を守って正しくお楽しみください。