まだ暑い日は続きますが、日が暮れるのが早まり、夜に秋の虫の声が聞こえだすと、 ああ、秋の気配がするなぁ…と感じますね。 さて、Twitterでは 時折フォロワーさんから実体験の怖いお話や不思議な体験談をお聞きするのですが、 自分の話をするとなると、 どうしても文字数制限に囚われてうまく語れなかったりするので、 夏らしい雑記として、こちらで私の幼少期の不思議な体験をお話したいと思います。 私の実家は道路を挟んでお墓があります。 道路向かいのお家の方が管理されている墓地なのか…その辺はあまり分からないのですが、とてもこじんまりとした規模の墓地です。 それはもう生まれた時から目の前にお墓があるので、 私は墓地に対して「怖い」と感じたことは一度もありませんでした。 管理されている墓地ということは、供養されている霊なので 生きている人間に対しての邪念がないのかもしれませんね。 ご先祖様が子孫を見守るような、優しさがあるのかも…。 さて、お墓が窓から見えるそんな我が家。 2階建ての日本家屋なのですが、1階の間取りが広く2階は部屋数が少ない構造になっています。 その一室が、当時の姉の部屋だったのですが… 年の離れた姉妹で、私が幼い頃に姉は中高生くらいでした。 その頃の年齢を考えれば、 多感な思春期ゆえに妹とべたべた過ごすことに少しばかり抵抗があったのか、 はたまた勉強で忙しく妹に構っている余裕がなかったのか…理由は特に分かりませんが、 私にとって、あの当時の姉というのは…機嫌が良い時だけ遊んでくれる存在でした。 姉妹で一緒にお風呂に入ったことも、数える位しかなかったと思います^^; 今になってこの話をすると全然自覚が無いようで、お互い「え?」ってなるのですが(笑) そんな姉が機嫌が良いとき、自分の部屋に遊びに来てもいいと招いてくれるのが、 幼い頃の私のささやかな楽しみの一つでした。 姉の部屋は、たくさんの本が並んだ本棚がいっぱいで、 部屋もなんだかいい香りがして、 まさに「おねえさんの部屋」といった、憧れだったのです。 ご飯を食べ終わり、お風呂に入り、先に自室に戻った姉を訪ねて、暗い階段の電気を点け、よいしょよいしょと一段ずつ上がっていきます。 そうして2階に上がり、階段の電気を消して、廊下の明かりを点ける前に、ほんの数秒辺りは真っ暗になります。 階段を上がったところにある窓から、お向かいの墓地が見えます。 電気が消え、真っ暗になったとき、外の方が明るく見えるのですが、 その窓辺から見える墓地に、私は不思議なものを見ていました。 お墓にぼうっと上半身だけ浮かび上がった、のっぺらぼうです。 顔は青白く発光しており、ゆでたまごのようにつるりとしていて顔のパーツが無く、手拭いのようなものを頭に巻いた人です。 着物を着ていたように記憶していますが、顔の印象が強く、身体の記憶は薄れています。 幼心に、「時代劇に出てくるお百姓のようなのっぺらぼう」と思っていました。 そんなもの、普通に考えると怖いはずなのですが、不思議と私はその存在が怖くはなかったのです。 それはこちらを見上げるでもなく、ただぼんやりと墓地に浮かんでいて、 パチリと電気を点け、屋内が明るくなると、見えなくなるのです。 私はこの存在を、家族の誰にも言いませんでした。 特に、姉に知られることで、 もう部屋に来ちゃ駄目と言われるようで、言えなかったのかもしれません。 それから小学校の中学年くらいになると、いつの間にか見えなくなっていました。 今では、大人になるにつれて心が汚れていったから見えなくなったのかな、と思っています^^ 時は流れ、会社で怪談好きな同期と仲良くなり、仕事終わりや休憩中にそんな話で盛り上がっていました。 私は、ふと子供の頃に見たのっぺらぼうのことを思い出し、そのことを話すと、 同期は「墓地には、そういうおばけがいるらしい」と、ネットを検索して、とある記事を見せてくれました。 この記事を書く時に、その記事を探そうと色々検索してみたのですが… 何のワードで出て来たのか忘れてしまい、見つけることは出来ませんでした。 曖昧な記憶ですが、存在としては人魂に近く、無害な怪異のようです。 元々、オーラや霊の「色」によって良し悪しがあり、 赤く発光した霊はこちらに対して強い怒りを持っているから近付くと危険で、 青く発光した霊は性質が大人しいもの…と聞いたことがあります。 実家に帰るたびに、真っ暗な2階からあの墓地を見ているのですが、よく目を凝らしてももうあの青白い何かを見ることは出来ません。 もしかしたら、「それ」は変わらず、静かにそこに佇んでいるかもしれませんが…。 幼い子供だけが見ることのできた、不思議なもののお話でした。
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2020-08-26 14:17:06 +0000 UTC