ここではゲームマーケット2021春にて発表された内容について、当日お越しになれなかった方のために記事用に少し編集してまとめています。会場では「シノビガミ」や「インセイン」などの作品でお馴染み冒険企画局さんのブースをお借りして発表させていただきました。また、ここでは発表内容のみがまとめられていますが、実際には冒険企画局の代表である近藤 功司さんが壇上で一緒にまた違った立場からオンラインセッションについてお話をしてくださいました。貴重な機会と時間を本当にありがとうございました。
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今日の内容は、ココフォリアの現状と、技術的な話を少し。そして2.0の開発計画について。
開発はひとりではなく、自分以外にも開発にコントリビューターとして参加してくれている6名を含めてココフォリア開発チームと呼んでいる。
今日の内容は、ココフォリアの現状と、技術的な話を少し。そして2.0の開発計画について。
ココフォリアの利用ユーザーは現在月間で約二十万人ほど。これは2021年2月までのデータ。今も微増傾向で、今月の集計だとおそらく二十数万人程度になる。
ユーザーの内訳としては、10代~30代前半が8割を占めている。男女比はほぼ半々。
ここから少し技術的な話を、ココフォリアの運営・開発方針などと絡めて。
オンラインセッションツールの設計にはいくつかタイプがある。例えばこのような設置式のサーバー・クライアント型では、追加開発がしやすかったりソフトウェアとしての配布が容易であるといったような良い点がある。課題としては多くの人が利用した場合に、サーバーのリソースが足りなくなって接続しづらくなったり、最悪の場合はサービスをダウンさせてしまう心配があること。
その後現れたP2P型ではサーバーを介さずに直接データをやり取りすることで、低遅延かつ高頻度のデータ通信が可能になる。例えばマウスカーソル位置を秒毎に同期するなどといったことはサーバーを経由するモデルでは実現しづらい。課題としては、ルームの同時接続者数が多い場合に、接続が不安定になりやすいことが挙げられる。サーバーを介さないために10人と接続すると10人全員に対して直接データを送信しなければならない。(厳密にはそれを解決するソリューションもあるが、その場合はサーバー管理が必要になってしまうためここでの説明は割愛する)
クラウド型はサーバー・クライアント型と似ているが、サーバーが固定ではないという点が異なる。例えば100人が利用している時はサーバーが1台だけ動くが、1000人利用している時は10台稼働するといったように、必要な数のサーバーを動的に割り当てることが容易。大規模なアクセスにも対応しやすく、あるサーバーがダウンしても別のサーバーが立ち上がりカバーするなどの障害に強い構成を持ちやすい。課題としては、多くのサーバーリソースを使うため費用が多くかかること。また、クラウド前提で設計されていると、ソフトウェアとして配布して使ってもらうということが難しくなる。
ココフォリアはクラウド型だが、決してそれが正しく優れているということではない。絶対的な正解はなく、優れている点と、課題になりやすい部分がある。それぞれのツールが各々の考え方でベストな方法を選んでいる。
大規模というのが実際にどのくらいか。ココフォリアでは、データベースへのアクセスは月間で約50億ほど。
また、画像や音源のデータのトラフィックは55TB以上。ネットワークのトラフィックなので適切な例えではないかもしれないが、一般的な2TBのハードディスク(やSSD)を搭載したPCで換算すると、28台分にも及ぶ。
ココフォリアがクラウド型で設計されているのは、「十年後、二十年後もTRPGが安心して遊べる場所があたりまえにありつづけるようにしたい」という開発チームの考え方がベースになっている。
これは言い換えると、継続性と安定性を重視しているということ。蛇口を捻れば安全な水が手に入るように、思い立った時にいつでもオンラインセッションが出来るという保証や安心感があるようにしたい。そういった一定の安心感は、より新しい遊びの発想や尖ったツールが生まれやすい土壌になると考えている。
また、最近ではライブ配信をしながらTRPGを遊ぶというシーンも多く見られる。普段はなかなか一緒に遊べないようなゲストプレイヤーを招いて時間を取ってもらったり、たくさんの視聴者にきてもらう場合には、もしツールが障害や不具合で急に使えないことがあると、多くの人をがっかりさせてしまう。
安定的な環境を提供するには、たくさんのコストがかかる。それに対しての向き合い方は色々あるが、とにかく良いものを作り続けることが大事だと思っている。いいなと思ってもらえるものを作り、実際にそう思ってくれた人たちの協力を得てこの場を支えていく。そしてそういった人たちのためにもより良いものを作り、更に改善していく事でよりたくさんの人からいいなと思ってもらえるようにする。
そうした改善の輪の目に見えるひとつの形として、今ではこのFANBOXの開発支援プランに4000人近く参加してくれている。必ずしもこの場を支える協力の形は支援金だけではないが、そうした方々の支えがあってココフォリアは運営できている。
実際にこれからどんな開発をしていくのか。2.0の話をする前に、過去のメジャーアップデートについて振り返ってみる。プロトタイプバージョン(旧ココフォリア)から、今の正式バージョン(新ココフォリア)になった時、何が変わったのか。
まずユーザーアカウント機能。オンラインセッションツールでは、画像などのデータをアップロードして使うことも多い。アカウント機能がないと、全てを共有の場所にアップロードすることになり、誰でもそのデータにアクセスできてしまう問題がある。誰がどのデータをアップロードしたのか管理しておくことは、サービスとして提供する上では必須に近いと考えている。そのため、正式バージョンにて追加された。
もうひとつは、スマートフォン対応。ココフォリアは若年層の利用者も多い。特に学生さんであれば、場合によっては自由に使えるパソコンがなかったり、家族の目が気になるなどの理由でスマートフォンからオンラインセッションに参加したいということも多い。これから新しく仲間になるかもしれない人たちが遊びやすくなるように、その手段を提供できるようにしたかった。また、安心感という点でも良いことがある。スマートフォンでセッションに参加できるようになっていると、仮にパソコンが急なトラブルで使えなくなってしまった場合でも、スマートフォンから暫定的に繋ぐことということができる。
これら二つが1.0での大きな変更点だった。ここからさらに2.0では何が大きく変わるのか。
それが、ユーザー拡張機能。ココフォリアに対して、開発チーム以外でも自由に欲しい機能を追加できる仕組みを提供したいと考えている。
これはあくまでイメージ。例えば拡張機能のためのメニューを開くと、追加された拡張機能の一覧が現れる。どんな拡張機能を使うかは、公式で管理するストアの一覧から選ぶことができる。
一例として、特定のゲームシステムに特化したキャラクターシートの拡張機能を開発できる。今までのようにHPやMPなどの項目名を毎回自分で設定しなくても、最初から項目が用意されていて、ただ入力していけば自動的に必要な値を計算して駒データに出力することもできる。既存のキャラクターシートツールとの連携機能も作りやすくなる。
また、昨今ではゲームが遊びやすくなるようにルールサマリーのPDFを公式が無料で提供してくれていたりもする。これらが仮に拡張機能として提供されると、セッション中にルールが分からなくなった時に、その場ですぐに検索したり確認できるような世界になるかもしれない。(※あくまでも提供する権利のある人や団体が管理し、提供するという前提)
他にも開発チーム内では、要望の多い「オリジナルのランダム表やチャットボットを作れる拡張機能」や「その日のセッションの出目を集計してファンブルキングを決める拡張機能」のようなジョークアプリのアイデアなども出ている。いろいろなアイデアをココフォリア上で実現できるようにしたい。
具体的に提供予定のものは、開発のためのAPIドキュメント。そして開発チュートリアル。さらに、作成した拡張機能を自分以外の人が使えるようにするための公開手順。悪意のある拡張機能が配布されないように、開発した拡張機能を公開する場合は開発チームで安全な拡張機能かどうかチェックされるようなフローを考えている。また、実現したいことはあるが自分では開発までするのが難しいという方向けの開発相談窓口なども提供する予定。
これらの機能は2021年内に提供を開始する予定で実装を進めようとしているところ。
今日のまとめ。開発チームでは安定したものを継続的に提供していくことが重要だと考えている。そして、そのためにいいものを作るということも。2.0が実現すれば、よりオンラインセッションツールでできることが増えていくかもしれない。
これからもココフォリアをどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
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