『キミがきこえる』という4P漫画をTwitterの同人誌である『COMIC GIFT』に掲載されました。
運営されている講談社の山中さんという方は、実は私が初連載のときから誰よりも先に感想を送ってくれていた方でした。
なんどか企画の話しをしていたのですが、タイミング的に実現することが叶わず、ただの友人みたいな関係になってしまった方です。
その山中さんから連載が終わる直前にお声がけいただき、今回『キミがきこえる』を描くに至ったわけです。
実は最初『4P漫画を』という話を受けた時、私はもうSFを描きたくはありませんでした。
なんでかっていうと若干説明しづらいのですが、いま、2作連続でSFを描いてしまったことで、私の中の『デザインの引き出し』『ストーリーの引き出し』が完全に在庫一掃処分をされてしまって、いまこれ以上描いても『これまで描いたものを再構成して、キャラと見出しコピーだけが違う漫画』になってしまいそうだったからです。
既存の漫画の亜種ですね。
もちろん私の引き出しの中のものも、私が赤ちゃんのときから脳内に授かっていたものではありません。
いろんな好きな映画、漫画などを読んで、それを長いこと脳内で『素敵だなぁ』と感じながら消化して、その要素をデザインに活かしているに過ぎないのですが、その引き出し自体が空っぽになっちゃった感じです。全部に手垢がついてしまいました。
なので今回、執筆するに当たって『日常物を描きたいなぁ』と思ったのですが、山中さんから『SFでお願いします』と先手を打たれてしまったので、やむなくSFを描くに至りました。
SFで4ページ漫画を構成するめんどくささは筆舌に尽くしがたいものです。
これは漫画を描いたことある人にしか分からないような悩みだと思います。
漫画とは、読者との感覚のキャッチボールです。
共感可能な部分をつなぎ合わせてストーリーになります。
もし日常漫画だったら『夕暮れ』を描くだけで読者の『哀愁』を引き出せます。
制服でタバコを吸っているやつがいるだけで『あぁこいつは不良の高校生なんだ』とわかります。
家の玄関に汚く靴が脱ぎ捨てられていたら『あぁ、この家は色々雑だぞ。なんか事情があるのかな?』って気づけます。
もっというと、黒板消しが1つだけしょぼんと誰もいない教室でおいてあるだけでノスタルジーな感覚を呼び起こせます。
SFではそのことが出来ないのです。
最初に読者さんが気になるところは、ここは地球なのか、別の惑星なのか。現在なのか、未来なのか。のような『設定』になってしまいます。
SFでは絵面や設定を自由に出来る『飛び道具』はあれど、使える『必須アイテム』が圧倒的に少ないのです。
4Pというボリュームで『キャラを見せる』以外のことは、なかなか難しいものです。
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気付いたら愚痴みたいになってたけど、そうじゃなくてw
えっと、ちょっと大変だったということがいいたかった!笑
でも出来上がった漫画は、とても好きな感じになりました。
なんとか上に描いたデメリットは払拭出来たと思います。
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この漫画は現代のメタファーでもあります。
私も何十日も事務所に籠もって誰にも会わず徹夜を繰り返して、一人で仕事をしていて『なにやってんだろ・・・』って思っちゃう時が極稀にあります。
そんなとき、友人の漫画家さんが徹夜して描いている姿などをTwitterなどで知ると、『コーンコーン』と聞こえたように感じます。
でもそれって、いま現代では一次産業でも二次三次産業でも同じことですよね。誰しも同じ感覚を得る瞬間があると思います。
相手の本当の気持ちもわからない、人生のあるポイントで点と点でつながっただけの関係ばかりですが、たまにきこえるコーンコーンという音で、真髄みたいなものを感じたりします。
とても寂しいし、お互いのことは何もわかりません。もしかしたら自分を利用しようとして近づいてきただけかも!
誰も自分とずっと一緒にいてくれる人なんていないかも!
でもね、たまにきこえるコーンコーンという音で、なんか『ふへへ』って笑ってしまったり、『私もがんばろうかなー』って思えたりします。
そんなコーンコーンな話でした。
読んでくださって、本当にありがとうございました。