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【後編】ストッキング研究開発課で働く男性の苦難

前編

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**

抵抗する力も無く、再び実験室へと戻ってきた。

また台の上に寝かされて、午前中と同じようにベルトでしっかりと身体を拘束されてしまう。


まだ全身をくすぐられるゾクゾクとした感覚と、ローションストッキングで亀頭を散々撫でられる強い快感が身体に残っており、思い出すだけで身震いしてしまう…。


だけど、今は午前中とは違いピリピリとした緊張感がある。

所長であるエマがニヤニヤと笑みを浮かべながらローションをぺニスの上から落とし、ぐちゅぐちゅと塗りたくっていく。


「ぐっ…んぁっぁっんぁぁっ…ひゃっんぁっ……」


また勃起させられると、亀頭責めをされると思い、無駄な抵抗かもしれないけれど必死に快感に抗おうとする。


しかし、そうはさせまいと周りにいる白衣の女性達が優しく首筋や乳首、腋の下、太ももや脚の付け根をこしょこしょとくすぐってサポートしている。


それに、滑りの良いサテン生地の手袋だろうか…


厭らしくぐちゅぐちゅと、男が感じるところを知り尽くしているようなエマの手コキを受けてあっという間に興奮して大きくさせてしまう。


そして、このまま寸止めさせられるのだろうと予測していたが、エマはシゴく手つきを緩めない。


「何を我慢している?ほら、特別にイカせてやる。」


「ぐっっんぁぁっんぁぁぁぅぅぁぁっ!!ひゃめへぇぇっんぁぁぁぁっだ、だめぇぇぇっんぁぁぁっイッひゃぅぅんぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


ビュルルッ…と勢い良く射精させられてしまう。

イッている最中にもくすぐりは止まることなく、さらにはシゴく速度も変わらない。ビュルッッ♡ピュッッ♡…と2度、3度続けて溜まっていたものを全て出しきらせるかのように無理やりイカされる。


気持ち良さとくすぐったさと、快感で腰がビクンビクンと動いてしまうが、頑丈なベルトによって制限されてしまう。


ようやく射精が終わる頃には、頭が真っ白になってあへあへとした表情で情けなく涎を垂らしてピクピクと身体を震わせていた。


「っはぁっ……はぁっ……んぁっ…あひっ……ひっ……」


「まさか、もう"お仕置き"が終わりだとでも思っているのか?本番はここからだ。」


エマはそう言って、白衣の女性からストッキングを受け取る。ローションが入っているであろう桶を見て、「ひっ!?」と小さく悲鳴を上げてしまう。


「少し雑談をしようか。ある研究報告によると、男女共に身体が敏感になって感じやすくなる瞬間があるという。…もしも、男性がその状態でローションストッキング責めをされたら…どうなると思う?その状態ではどんな素材、薄さのストッキングで責めるのが最も効果的だと思う?私たちはこの研究室でそれを試そうとしているのだよ。…さて、雑談は終わりだ。覚悟はいいか?」


「…っっ……!」


エマの雑談に会話を返す間も無く、ローションによって濡れたストッキングがゆっくりと亀頭に近付いていく…


それと同時に、白衣の女性達によって首筋や腋の下、お腹や脇腹、足の裏にもぐちゅぐちゅとローションを広げられていく。


まさか…この状態で責められたら…いやっ、嫌だっ…!!


大人の男性が、本気で泣いて怯えたような表情になりながらイヤイヤと首を横に振っている。


その様子は決して同情を誘い手加減してくれるどころか、サディスティックな性格の彼女達が持つ加虐心に火を点けるだけであった。


頭上から白衣の女性に顔を覗き込まれ、わざとらしく目の前で見せつけるかのようにして指をワキワキと動かされる。


そして、ゆっくりとストッキングや指先が身体に近付いていき…触れた瞬間。思いっきり容赦なくこちょこちょぐちゅぐちゅと責められる。


「んぁぁぁっ!?!?ぎゃぁぁぁっ___ひぃぃぃっんぁぁぁぁぁぁっぎゃぁぁぁぁっいひゃぁぁぁぁんぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁっあはははははははは!!!!!!ひぃぃぃっじぬぅぅぅぅんぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁっあはははははははははは!!!!!!!!」


「ふふっ♪全身をくすぐられながらストッキングで優しく亀頭を責められる気分はどうだ?辛い?気持ちいい?くすぐったいか?」


エマの質問に答えられる筈もなく、それどころか自分の絶叫によってほとんど声が掻き消されて耳にまで届かない。


無視をされたと思ったのか、より執拗に執拗に。

さっきイッたばかりの敏感な亀頭をゆっくりと上下左右に包み込むようにして撫でられていく。


肌触りの良い素材のストッキングは、男性を虐める上で絶好の凶器となっていた。


首筋や腋の下を容赦なくこちょこちょとくすぐられ、頭の中が『くすぐったい』でいっぱいになる。


お腹や脇腹をもみもみと責められ、下半身ではエマに亀頭責めをされながら助手であるかのような白衣の女性に裏筋や蟻の門渡り、玉袋たいった男性の敏感でくすぐったくて気持ちよくて恥ずかしいところまで丹念にねちねちと優しくこしょばされている。


足下では、硬いブラシを両手に持ってローションでぬるぬるになった足裏をゴシゴシと綺麗に磨くかのようにして擦られてくすぐられる。


どんなにくすぐったくても気持ち良くてもおかしくなりそうでも、逃げることは許されない。


クネクネと身体を捻ったり手足や腰に力を入れても、頑丈なベルトは外れる気配を微塵も感じさせてくれなかった。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっいひゃぁぁぁぁぁっひゃめでぇぇぇぇぇっんぁぁぁぁぁぁぁっっじぬぅぅぅぁぁぁぁぁっ!!!おかひくなるぅぅぅんぁぁぁぁぁぁぁぁっんぁぁぁぁぁぁぁぁぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっあははははは!!!誰かぁぁぁぁぁだすけでぇぇぇっんぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


無意識の内に、必死で誰かに助けを求めていた。

顔はすっかりと涙や涎でぐしゃぐしゃになり、今すぐにでもここから逃げ出したいと身体が危険信号を送り続けている。


「ここが地下にある実験室だってことを忘れたのか?基本私たち以外の人間がここを訪れてくることは無い。君一人ではこのフロアどころか、実験室から出ることさえ叶わないだろうな。早々に諦めた方が自分のためだよ?」


全身をくすぐっている白衣の女性達も、慰めるどころか機械的に淡々と弱いところをねちねちと責め続けている。


最も、彼女達も事前に"少しでも手を抜いたら罰を受けてもらう"と脅しをかけられているのであるが。


足裏をくすぐっていた女性が、上半身へと移動してきた。


頭を手で押さえつけられ、両側から耳に息を「ふ~っ♡」と吹きかけられる。


「あひゃぁぁぁっん!?ぁぁぁぁぁっんひぃぃぃぃっんぁぁぁぁぁぁっんひぃぃぃぃぃぎゃぁぁぁぁぁぁんひゃめてぇぇぇぇぇんぁぁぁぁぁぁっんぁぁぁぁぁっあはっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


執拗に耳をいたぶり、耳朶を甘噛みされる。

そして、耳の穴に舌を捩じ込まれて…

「ぐちゅぐちゅ♡じゅるっ♡ふ~~っ♡」と左右から立体感のある音と共に脳内までくすぐり尽くされていく。


ゾクゾクとしたくすぐったさと気持ち良さで、身体に入っていた抵抗する力が強制的に抜け落ちてしまう。


その一方で、脇腹をくすぐっていた女性は無防備に空いている腋の下から横腹にかけてこちょこちょ~♪と素早く往復するかのようにして左右からくすぐっている。


不規則に指をバラバラに動かされて、決して慣れることの無いくすぐったさに笑い狂うことしか許されない。


そして、ぺニス周辺ではエマが変わらずストッキングでゆっくりと亀頭をなでなで可愛がり、白衣の女性に玉袋や蟻の門渡りをこしょこしょと爪先でくすぐられ続ける。


タマをくすぐられて強制的に精子を作らされ、再び勃起して大きくなっているのに、亀頭だけを責められると決して気持ち良く射精できない。


強すぎる快感と共にもどかしさを感じて、益々頭の中がぐっちゃぐちゃになってしまう……


容赦の無い"実験"という名の拷問に、異動初日にして既に心が砕け始めていた。


どうして自分がこんな目に遭っているのだろう…


憧れていた本社勤務の筈なのに、まさかこんな過酷な仕事が待ち受けているだなんて思いもよらなかった。


これなら、まだストッキングを作っている工場で働いていた時の方がはるかにマシかもしれない……


自分の絶叫が響き渡る無機質な部屋の中で、頭の中を"くすぐったい"と"気持ちいい"に支配されながら1秒でも早く定時が来ることを祈っていた。


**

「…そろそろ1時間か。よし、15分休憩をやろう。水を飲ませておけ。」


「承知しました。」


……1時間という声が聞こえた気がする…。

あれだけ責められて、まさか、まだたったの1時間しか経っていないというのだろうか……。


「ほら、口を開けて?」


「んっ…んぐっ……んっ…ごくっ…ごくっ……」


頭の後ろを手で支えられて軽く持ち上げられ、ペットボトルに入った冷たい水を飲まされる。


笑い叫び疲れて喉がカラカラだったので、素直にごくごくと水を飲み干してしまった…。


「っぷはぁっ……はぁっ…はぁっ…も、もう帰らせてください……もうやだぁぁっ……」


「子供じゃないんだから、頑張りなよ?」


「後3時間くらいしたら定時で帰れるよ♪ほら、もう少し頑張れ~♪」


駄目元で白衣を着た女性達に助けを求めるが、どうやら定時までは拘束を外してくれることは無いらしい。


後まだ残り3時間もあるのか……。

笑い疲れて身体の至るところが筋肉痛のような感覚。


もしかして、この仕事が週5日毎日繰り返されるのだろうか。想像しただけで恐ろしくなって震えてしまう。


静かに入口の扉が開き、エマが実験室へと戻ってくる。


「休憩は終わりだ。寝坊してい"お仕置き"はこれで勘弁してやる。さて、ようやくここからが仕事だよ。次は潮を吹くまでローションストッキングで亀頭責めをしてやる。」


「ひっ!?ひぃぃっ!!お、お願いです何でもしますから亀頭責めだけはもう勘弁してくださぃぃっ!!」


「駄目だ。君は貴重な社員の実験体だ。それ以外に君の存在価値など無いことをよく理解しておけ。何でもすると言ったな?二度とそのような無駄な命乞いをするなよ。耳触りだ。」


所長に冷たくあしらわれてしまい、返す言葉も無い。


ただの実験体…この会社は最初から、自分を道具としか認識していなかったのだろうか…。


辞める…辞めてやる……。


今日家に帰ったら、あの人事に辞める連絡を入れようと心に決めた。


そんなことを考えている間に、着々とローションストッキングの準備が整っていた。


周りにいる白衣の女性達も、指先の関節を動かしてストレッチをしたり、準備運動をしているように見えた。


沸々と、何だか反抗心のような物が芽生え始める。

そして、わざわざ口に出さなければ良かったことを言ってしまうのであった。


「し、潮吹きなんてするわけないじゃないですか!!そんな…下手な亀頭責め何かで……!」


ピタッ、とエマの動きが止まる。

それに併せて、実験室内の空気も一気にシーンと冷えきったかのように静まりかえっていく。


「……ほぅ。よっぽど私にお仕置きされたいらしいな?どうした?死に急ぎたいのか?」


白衣の女性が、耳元で小さく(早く謝った方がいい)と助言をする。


しかし、何故だか分からないけれど謝る気にはなれなかった。


「お前達も本気でくすぐってやれ。どうやらまだ自分の立場が分かっていない愚か者らしい。徹底的に躾をしてやる。」


(悪く思わないでね?)と少し申し訳無さそうな顔になる白衣の女性達。


次の瞬間、一斉に指先が身体に這って弱いところを容赦なくこちょこちょこちょこちょ~!!とくすぐっていく。


「…っぷっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっあはっんぁぁぁぁぁっひぃぃぃっや、やっぱりむりぃぃぃっぁぁぁぁぁぁぁっごめんなざぃぃぃぃっぁぁぁぁぁっあははははははは!!じぬぅぅぅぅぅんぁぁぁぁぁぁぁぁっあははははははは!!!やめっひゃめでぇぇぇぇっんぁぁぁぁぁぁっあはははははは!!」


まるでさっきまでのが手加減されたお遊びのくすぐりだったかのような、女性達による本気のくすぐりを身に受けて反抗する気力が粉々に壊されていく。


どこをどのように、どれくらいの力加減でくすぐるのが最も効果的であるのかを完璧に把握しているかのようなくすぐりテクニックと、抜群のチームワークだった。


それだけではなく、ストッキングで亀頭を責める動きも速くなる。ローションでぐちゅぐちゅに濡れた布を絶妙な力加減で亀頭に被せながら、シュッシュッとリズム良く撫で責めていく。


エマの氷のように静かな表情の奥から、怒りを感じて本気で恐くなって思わず泣き喚いてごめんなさいしてしまう。


「さっきまでの威勢はどこへ行った?これくらいまだまだ余裕だろう?ほら、精々頑張りなよ?」


「いひゃぁぁぁぁぁぁぁぁっぎゃぁぁぁぁぁぁぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっじぬぅぅぅぁぁぁぁぁぁひゃめでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっごめっんなざぃぃぃぃぃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」


どうしてさっき、あんなに強気な事を言ってしまったのだろうと本気で後悔する。しかし、既に手遅れであり、どんなに泣いてごめんなさいしても決して止めてもらえず執拗に執拗に責められ続けていった。


叫び疲れて喉が枯れ始めた頃、亀頭から勢い良く透明の液体が吹き上がっていった。


「ぁぁっ…ぁがっ……!!ぁぁっ…ぁぁぁぁっ……ぅぁっ…」


「ようやく潮を吹いたか。ほらほら、まだ亀頭責めは終わらないよ?」


潮を吹いている途中も、ゆっくりと亀頭を撫でられていく。


全身くすぐったくて何が何だか分からなくて、頭の中が真っ白になった状態でされるがままに責め続けられた……。


その後の記憶はあまり覚えていない。

定時まで責められたのか、途中で気を失ってしまったのだろうか……。


気が付くと拘束を外されており、台の上でぐったりと横たわって動けずにいた。


「今日の業務はここまでだ。本当はこれから君にレポートを書いて貰いたいところだが…初日に免じて勘弁してやろう。明日も朝から実験を行うから、しっかりと家で休むように。分かったな?」


「……っ…は……ぃ………」


白衣の女性達は部屋の後片付けをしているようで、「台の掃除をするから早く退きなさい」と急かされてしまう。


重たい身体を引き摺るようにして更衣室へと向かう。

一直線にお風呂場へと入ってみると、銭湯のように温かいお湯が張られていた。


頭からシャワーを浴びて、全身にたっぷりと付いたローションをゴシゴシと洗い流していく。


一刻も早くお風呂に浸かって家に帰って眠りたい…。


丁寧に時間をかけて身体を洗い終わり、ようやく湯船に入る。身体の疲れが癒されていくような、何か香りの良い成分が入っているのだろうか…?


「ぁぁ~…生き返る……」


足を伸ばしてくつろいでいると、ガラガラと扉が開いて複数の人が入ってきたのが見えた。


え…あれ…さっきの白衣の女性達だ……!


「なっ!?えっ!?どうして…?」


"湯加減はどう~?って何を驚いてるの?"


"このお風呂が男女共用だってこと知らないんじゃない?"


"それもそうね。あ、お風呂でこちょこちょしてあげよっか~♪ここからはプライベートな時間でね?"


全裸で胸やアソコを隠すことなく話しかけてくる彼女達。

「も、もうこちょこちょは勘弁してぇぇっ!!」と半ば逃げるようにして浴室を跡にしたのであった。


**

へとへとになって朝着てきたスーツに着替え、エレベーターに乗って帰ろうとする。


「…あれ、もしかしてカードキーが無いと駄目なやつ?」


「開く」や「閉じる」といったボタンが存在しない。このままでは帰れそうにない…か。


仕方なしに所長であるエマさんの部屋に行くことにした。コンコンコン、とノックをすると、中から鍵が開いた。


「あの、失礼します。エレベーター乗れないんですけど…」


「あぁ、そう言えばそうだったな。私が開けてやる。」


仕方ないと言った雰囲気で一緒にエレベーターまで歩いていく。


「あの、カードキー欲しいんですけど…」


「まだ試用期間の君には渡さない。帰る時は私か白衣の彼女達に頼みなさい。そうだ、明日朝来る時は守衛に声をかけるように。いいな?」


「は、はい……」


自由に出退勤できない不自由さ。

後で人事にも相談してみようかな…。


「それでは、お疲れ様。」


「お疲れ様です、お先失礼します。」


エレベーターに乗り、1Fへと向かう。

これでようやく長い1日が終わりだ。


へとへとになった足を引き摺るようにして、社宅へと歩いて帰るのであった。


「ただいま~……」


家に帰ってスーツを脱ぎ捨て、早々に寝巻きに着替える。そうだ…人事のお姉さんにメールをしないと……


いや、待てよ…。

もし、「今日で辞めたい」と伝えたところで、すんなりと受け入れてくれるとは限らないのではないか。


そのメールを送ったことで、これから"説得"のため家まで押し掛けてくる可能性だってある。


そうだ……明日の朝伝えよう。

明日は会社を休もう。

"体調不良"ということにして、そのままどこかに逃げるか…


「よーし、明日バックレてやる…!」


そう口に出してから、ベッドの上にパタリと倒れ込む。柔らかいふかふかの布団に身を包み、少しだけ仮眠……。


疲れ果てた意識が、あっという間に眠りに堕ちていった。


**

翌朝のこと。

「ん……あれ…外明るい…今何時だ…って7時!?」


スマホを見て驚いた。

どうやら昨日家に帰ってから、朝まで眠り続けていたらしい。12時間以上寝てしまったようだ。


今日は平日の火曜日。

9時から仕事がある。


だけど、昨日のことを思い出して出勤する気は失くなっていた。そうだ…人事に体調不良で休む旨の連絡を入れないと…


「え~っと、『本日体調不良でお休み頂きます』…と。まぁ、適当でもバレないだろ。」


自分を"実験台"のように扱う会社に対して、忠誠心は薄らいでいた。メールも送ったことだし、次の転職先も早く探さないと…。


その前に朝ごはんにしようかな。

昨日の夜、何も食べずに眠り堕ちてお腹が空いていた。


冷蔵庫を開けてみるが、直ぐに食べられそうなものは何も無い…か。仕方ない、コンビニにでも行こう。


適当な私服に着替えて出掛けようとした時、また玄関のチャイムが鳴り響いた。


「…まさか…嫌な予感がする……」


何だかデジャブを感じるような。

恐る恐る、玄関の扉を開けてみると……。


「おっはよ~♪あれあれ~?体調悪いって言ってたのに、これからお出掛けかな~?元気そうだね?」


「…あっ……お、おはようございます……」


目の前にいたのは、人事のお姉さんだった。

僕を心配して見に来てくれた…というような雰囲気でも無さそうだ。


彼女の後ろに、3人の黒服を着た女性が見えた。

まるでSPかのような、素人目に見ても強さを感じる佇まいであった。


「とりあえず中でお話しよっか♪お邪魔しま~す」


部屋の中央へと押しやられる形で戻っていく。

そして、ポンっと胸を押されてベッドの上に腰をかけて座らされる形になる。


「あの…そちらの方達は……」


「ん~、部署としては人事になるのかな。ちなみに私含めて皆、合気道や武術を身に付けているから、下手なことは考えないでね?先に忠告しておくけど。」


…力ずくで抵抗される場合に備えている、ということか。

となれば、わざわざ家まで押し掛けて来た理由も明白か。


しかし、まだ話が決裂した訳ではない。

せっかく人事が向こうから来てくれたのだ。

辞める意志を伝えるだけ伝えてみよう。


「あ、あの…会社、辞めさせてくだ…」


「無理。最低でも1年は働いてもらうと言った筈です。それに、契約書にもサインしたよね?」


食い気味に断られて返す言葉も無くなってしまう。確かに、何か書類に署名したけれど…どうにかして辞める方法は無いだろうか…


「そ、そんなの違法じゃないんですか?と、とにかく辞めさせてもらいます!会社には行きません!!」


「はぁ…子供じゃないんだからさ、少しは考えて発言しなよ?たった1日で仕事辞めます、会社には行かない。そんなのが通用すると思ってるの?嫌だと言うなら、力ずくで連行するだけだけど。それに、これ以上そんな態度を取るなら"懲戒処分"という形になるよ?もちろん辞めさせない。1年間あの地下に監禁して、無理やりにでも働いてもらいます。そうはなりたくないでしょ?」


…4対1の状況。きっと無理やり玄関まで走って逃げることすらできないだろう。大人しく従うフリをして、隙を見てどこかに……


「あと一応言っておくと、会社に許可を得ることなく無断で遠出の旅行や帰省を行うことは許しません。もしそんなことをしたら、直ぐ様スパイ容疑で全国に指名手配をかけます。国家資格者である"くすぐり拷問師"による拷問は、君が昨日受けた研究開発課の責めと比べても100倍は辛くて苦しいと思うよ?」


「ぐっ……っ…!」


完全に逃げ道を封鎖されたような気分だった。

この社会では、男性が戦ったり逃げる術は無い。


「少し早いけれど、会社に行きましょうか♪昨日夜ご飯食べてないんでしょ?朝御飯は用意してあげますね。ほら、早く歩きなさい?」


両脇を黒服の女性にがっつりと抱えられて社宅を後にする。


どうして…昨日ご飯を食べていないことを知っているのだろう……。後から気が付いたけれど、部屋には幾つかの盗聴機や監視カメラが設置されているようだった。


こうして1年の間、本社勤務の中でストッキングの開発に身を捧げて協力させられることとなった。

【後編】ストッキング研究開発課で働く男性の苦難

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