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ドーン
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異世界転移したら霊体モンスターになった(仮) 第2話



《意識の定着に成功しました》


「お!気が付いたようだな」


 意識ははっきりとしてきたが、いまだふわふわと浮いているような感覚の中、俺は声の主に目を向ける。

 そこには人の姿はしているものの、背景が薄っすらと透けて見える霊体らしき存在が立っていた。


「ゆ、幽霊!?」


「おいおい、何言ってるんだ、お前もその幽霊だろうが……まあ、俺たちは発生してからしばらくは意識が定着しにくいから、仕方ないか。定着できただけ儲けもんよ。そのままただの浮遊霊になることだって多いんだからな」


「俺が幽霊?」


「正確には俺と同じ霊体モンスター【スペクター】だがよ。とにかく歓迎するぜ、新米さんよ」


 どうやら、俺は【スペクター】というモンスターになったらしい。


「一応、自己紹介しとくぞ。俺は『スペクターA』だ。お前の先輩になる」


「はぁ?」


 いきなり先輩って言われてもなぁ。


「ちなみにお前の名前は『スペクターB』だからな」


「なにそれ!ダサすぎません?第一、俺には名前が……あれ?思い出せない?!」


 生前の記憶はあるのに、自分の名前がどうしても思い出せなかった。

 それだけではない。

 記憶にある人物も顔は覚えているのに、その全員の名前が思い出せなくなっている。

 いわゆる固有名詞が全く記憶に残っていないのだ。

 しばらく黙ってその事実を認識した俺は、溜息(霊体だから出ないけど……)をつきながら渋々現状を受け入れる事にした。


「どうだ、納得したか?」


「ええ、まあ……だったら俺をここに飛ばした女神は何を考えていたんですかね?」


 俺は自身の記憶にあるここまでの経由を先輩に話してみる。


「ふむ……お前さんが異世界から来たってのは信じてもいいがな。実際、勇者とかは異世界から召喚されてることが多いらしいからな。でも女神様ねぇ~……確かに俺たち魔物にも守護神たる闇の女神様がおられるが……そんなに簡単に出会える訳がないだろ?恐らく定着する間に意識が混濁していて見た夢だと思うぜ?」


「あれが夢……?」


「まあ、スペクターに成りたてで混乱するのは、俺も経験があるから大目に見てやる。しかし、お前も魔王様の配下になったのだから、それに相応しい働きをしてもらうぞ?」


「ま、魔王様っすか……」


 そして、先輩は状況を説明してくれた。

 ここは魔王軍のいくつか存在するアジトの1つであること。

 俺たちの所属しているのは諜報部隊は、人間たちの集団へ潜入しての諜報活動が主な仕事であること。

 それにしても面倒見の良い人……じゃなくて幽霊だよなぁ。


「では、俺たちの上司を紹介するからついてこい」


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