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ドーン
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異世界転移したら霊体モンスターになった(仮) 第1話


《あなたは死亡しました》


 俺の目の前の空間に虚ろなウィンドウが開かれていて、そこには無慈悲なメッセージが表示されていた。

 うん、知ってる。

 さっきまで凄く痛かったのが、急に感じられなくなったから。

 それどころか体の感覚が全く感じられない。

 恐らくは魂とか霊体といった意識だけの存在になっているのだろう。

 でもまあいいか。

 記憶は無くなるけど、次の人生に行けるんでしょ?

 なんて言ったかな……


《輪廻から弾かれました》


 そう、その輪廻ってやつ……って、おい!弾かれたって何だよ!

 目の前のメッセージにツッコミを入れると、更にメッセージが続いた。


《応急措置として、別世界に転移します》


――――――


 気付くと俺は明かりが無いのに全体が薄っすらと光っている部屋の中を漂っていた。

 その中央には黒いローブと恐ろしいまでの存在感を纏った女性が立っていて、珍しそうに俺を眺めて居た。


「ん?異世界から来た人間の魂だと?なぜそんなモノがここにいる?」


 背筋が冷たくなるほどの美貌といえば良いのだろうか。

 それを損なうことなく女性は微かに顔をしかめる。


(え~と、アナタさまはどういう御方なんでしょうか?)


 相手が普通の女性でないことくらいは一瞬で理解したので、下手に出て話しかけてみる。


「わらわはこの世界の魔物たちの女神じゃ」


 ほうほう、やはりそうでしたか。

 雰囲気が尋常でないし、これは納得するしかない。

 でも魔物の神ということは邪神の類に入るのでは?


(人が死んだ後に案内してくれるのは、天使か光の女神様じゃないんですか?)


「不本意だが、そこには同意する。だがここに来たのも何かの縁だろう、特別にわらわが面倒を見てやる。一応お前の希望を聞いてみようかの?」


 俺の疑問にもしっかりと応えてくれた上、面倒を見てくれるという提案。

 邪神といえども流石に女神さまか、慈悲深い存在なのには変わりがないのだろうか。

 折角の申し出だ、遠慮せずに希望を言ってみよう。


(それじゃあ最強無敵のイケメン勇者になって、女にもてまくる人生を……)


「わらわは魔物の守護者じゃ、人間には生まれ変われぬぞ」


(な、なんだって!じゃ、じゃあ……あの有名最強スライムで!)


「なんじゃその最強スライムとは?」


 前世の物語で最強と謳われた魔物の説明を一通りすると、女神は呆れたように溜息をつく。


「……そんなチートな生物になって楽しいのか?」


(いやいや、普通に楽しいですよ?ほぼ無敵だし)


「はぁ~面倒だな……まあ、やってみるか」


 言葉通り、やる気無さそうに女神が手を振り上げると、光がイイ感じに俺を包み込む。

 だが、すぐに弾けるように拡散した。


《肉体の作成に失敗しました》


 同時に目の前の空間に突然ウィンドウが開き、無情な内容が表示される。


「ふむ、失敗したな。やはり慣れないことはやらないほうが良いな」


(いやいや、もう一度お願いしますよ~)


「一度失敗したら肉体の構築は無理だ、諦めるんだな」


 自分が失敗したのに悪びれる様子もなく女神は言い放つ。


(そんなぁ~!くそ~、こうなったら霊体のままこの世界をうろついて、前世に出来なかった漢の夢『美女に憑依してやりたい放題』を実現させてやる~)


「なんだ、そんなことで良いのか?」


(へ?)


「それならば造作も無い事。ほれ、わらわの祝福もつけてくれるわ。これからは我が眷属として存分に楽しむがよい」


 次の瞬間、俺は再び転移する感覚を味わったかと思うと、同時に意識を失ったのであった。


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