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【外伝】憑依されて書き換えられる女たち ~臨海実習~


【小説】憑依されて書き換えられる女たち

「……先生?どうかされましたか?」  控え目な女性の声が響いて、俺は我に返る。  目の前の女性は恥ずかしそうに頬を赤くして、少し視線を逸らしていた。 「えっ?あっ!失礼しました、黒水先生」  こちらも慌てて謝罪する。  どうもマジマジと見つめ過ぎてしまったらしい。  この高校の体育教師である俺は、放課後...

の外伝になります。




 水着姿の男女で賑わう砂浜で、ひときわ目立つ二人組の女性の姿があった。

 ルビーピンクのビキニを着たマイコと、パールホワイトのワンピース水着姿のヒトミである。

 仲良し女子大生の二人は、ルックス・スタイルともに周囲の男たちに高得点を付けられているようだ。

 彼女たちは、声を掛けるタイミングを見計らっている男たちの視線の中、談笑しながら歩いていた。


「ひぃ!!!」


「マイコ?突然どうしたの!?」


 突然隣を歩いていたマイコが奇妙な声を挙げて立ち止まったのを見て、ヒトミは彼女の顔を覗き込む。

 彼女の綺麗な顔は強張っていて、その視線は虚空を見つめていた。


「…………」


「大丈夫?」


 返事がないので心配になって彼女の前に回り込み、その両肩を掴んで様子を見守る。

 

「おっ?」


「あ!気が付いた?本当にどうしたの?」


 友人の表情が元に戻り、その口から声が漏れたので再び問いかけた。


「何でもない、大丈夫だ」


「?」


 まるで男のような口調で応えたマイコの様子に、少し不安を覚えるヒトミ。

 だが、そんなヒトミの様子も気にせずに、マイコはなにやらブツブツと呟き始める。


「……名前は……マ・イ・コ……そうだ……『私』はマイコよ……」


 それはまるで自分の記憶を探って確認しているような呟きだった。


「何を言っているの?当り前じゃない」


「うん、ゴメン、え~と……ヒトミだよね。ちょっと記憶が混乱してただけ。もう大丈夫よ」


 大丈夫と言われても、やはり先程の様子が気になるヒトミは友人を気遣う様に提案する。


「何か飲んで落ち着いてきたらどう?」


「ああ、そうねぇ……それじゃああっちで休んでこようかな~」


 マイコが指さした方には、自動販売機とベンチがあった。

 そのベンチには、男性が一人座っていて、どうやら眠っているようだ。


「ひとりで平気?一緒に行こうか?」


「大丈夫だって。すぐ終わるから、ここで順番を待ってて!」


「え?順番って何の順番?」


「ふふふ、その時になったら分かるわよ。それじゃあね」


 意味深な言葉を残して、マイコは足早にその場を去る。

 すると一人残されて立ち止まっていたヒトミに、様子を見ていた男たちが近づき、声を掛けてきた。


「ねぇ君、今、ひとり?俺たちと遊ばない?」


「……今、友達を待っているんです」


「じゃあさ、その娘も一緒に誘おうよ」


「……結構です、私たちだけで十分楽しんでいるんで……ひぐぅ!!!」


 面倒そうに男たちを相手にしていたヒトミが突然奇声を挙げる。

 驚いたように見つめる男たちが見たのは、強張った表情で虚空を見つめるヒトミの姿だった。

 それは先程マイコが陥った状態とソックリなのだが、そんなことは知る由も無い。


「……君、大丈夫」


 男の一人が心配そうに声を掛ける。

 すると、ヒトミの表情が元に戻り、その口が開かれた。


「ああん?俺が先に目を付けていたんだ。お前らは他を探しな!」


 美女の口から出たとは到底思えない乱暴な言葉に、男たちは自分の耳を疑う。

 呆気に取られて固まった男たちに背を向け、ヒトミはマイコが向かった方を向く。


「へへっ!待たせたな。『あっち』の書き換えが終わったから『こっち』に来てやったぜ!順番待たせて悪かったな……すぐに『私』も書き換えるわね、うふふっ……」


 ヒトミはニヤニヤと笑みを浮かべ、自身に言い聞かせるよう呟きながら歩き始める。


 目的地であるベンチに着くと、そこには座ったまま寝ている様子の男と、彼に寄り添うように隣に座り、嬉しそうにカラダを密着しているマイコの姿があった。

 ヒトミは、マイコと反対側に座り、同じように男にカラダを密着させると、男を熱っぽく見つめながら口を開く。


「……『私』はこの方に身も心も捧げて奉仕するために生まれてきた奴隷……ご主人様によろこんでもらうことが『私』の最高の喜び……『私』は心に刻み込む……」


 ゆっくりと噛み締めるようにヒトミの口から紡ぎ出された言葉は、確実にヒトミの意識に刻み込まれ、『絶対の真実』となっていく。

 すると、まるで彼女の中から『何か』が抜け出てしまったかのように、ヒトミの顔が無表情に変わり、その視線が下がる。

 同時に眠っていた男が起き上がり、マイコとヒトミに視線を走らせると、その口元に下品な笑みを浮かべる。


 しばらくすると、ヒトミの顔にも生気が戻り、再び男の顔を見上げて笑みを浮かべた。


「へへっ!今日も上玉二人を手に入れたぜ!それじゃあ行くか!」


『はい!ご主人様!』


 男が立ち上がると、美人女子大生の二人を両脇に連れて歩き始めた。

 彼女たちの腰に回された手が、遠慮なく柔らかいお尻の肉を弄り回す。

 だが、女たちは少し頬を赤くする位で、むしろ嬉しそうにそれを受け入れるのだった……。


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