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【小説】身変わり人形 女教師・日下部祥子の場合 





「なにかしら、これ?」


 授業を終えた女教師・日下部祥子(くさかべ しょうこ)が職員室の自分の席に戻ると、机の上に見覚えの無いモノが置かれていることに気付き、呟く。

 ソレは無地の白い包装紙に包まれた、20センチくらいの大きさのモノだった。


「ああ、それ、さっき男子生徒が持って来たんですよ。『勝手に置いたらダメよ』って注意したら、『日下部先生に頼まれたモノだ』って言ったので、一応そのままにしておきましたけど?」


「そうですか……」


 2つ隣の同僚の女教師が説明してくれたのだが、やはり覚えがない。


 祥子は教師2年目の24歳と若い上、美貌にもスタイルにも恵まれているため、色んな意味で男子たちに人気がある。

 それを自惚れない程度には自覚しているため、こういった男子からのちょっかいがあることも、ある程度は仕方がないと諦めている。


 実際には、授業の間に男子たちの脳裏に刻み込まれた祥子は、衣服は下着までも遠慮なく剥ぎ取られて全裸にされ、透き通るような美声は色っぽい喘ぎ声に変換されて、彼らの想像の世界に主演女優として現れる。

 そして、気の済むまでカラダを弄られたり、口や股間でペニスを嬉しそうに咥えこんだり、憑依されて鏡の前で楽しそうにオナニーをしたりと、その世界の監督かつ主演である彼らを満足させる玩具の役を日々完璧にこなしている。


 そんな事実に気付くことがない女教師は、少し鬱陶しい程度の感覚で机の上のモノを見つめる。


「ふぅ……とにかく、中身を確認しないとね……」


 彼女は溜息をつきながら席に着くと、雑な包装を開く。


「え?」


 中から現れたのは一体の【人形】だった。

 それは服を身に着けていない裸の女性の人形で、その容姿は妙に生々しかった。

 例えるなら、手の平に乗る大きさに縮小されたダッチワイフだろう。


「なぜこんなモノを?」


 少し不快に想いながら観察していると、人形の下に封書があることに気付く。

 それを拾い上げ、差出人の名が書かれていないか裏返してみる。

 するとそこには名前の代わりに短い言葉が書かれていた。


「ちぇんじ?」


 祥子は思わずその言葉を口にする。

 同時に、彼女は自分の意識が喉に無理やり搔き集められた感覚に襲われる。


「うっ!!!」


 そして呻き声と同時に、それが口から飛び出し、真っすぐ目の前の人形の口に向かう。

 それに代わるように人形の口からも何かが飛び出してきて、呆けた表情になった女教師の口を目指して飛び出す。

 発射された2つのモノが、互いの目標に飛び込むまでの時間は瞬きするほどしかなかったので、周りの教師たちは気付くことが出来なかった。

 ただ、祥子の呻き声は同僚の女教師には届いたようで、心配そうな視線が向けられる。


「どうかしましたか、日下部先生?」


「……いえ、何でもありません」


「でもさっき、呻き声みたいに聞こえましたが?」


「気分も悪くないです。むしろ気持ちイイくらいです」


「そ、そうですか?」


 心配そうに掛かられた同僚の言葉に、美人教師は落ち着いた様子で対応すると、封書を開いて中の手紙を取り出し、そこに書かれている内容に目を走らせる。

 そして読み終えると、手に持った人形と封書を再び包みの中に戻し、それを持って席から立つ。


「どちらへ行かれるんですか?」


 その様子を見て、まだ少し心配そうに見守っていた同僚が声を掛けてきた。


「……どうやらイタズラの類だったようなので、これを本人に返してきます」


「あ、そういうことだったんですね……日下部先生は若くてお綺麗だから、男子からのちょっかいが多そうですねぇ……」


「はい、ホントに困ったものです」


 勝手に納得したような同僚の言葉を笑顔で肯定した美人教師は、そのまま歩き始め、職員室を抜け出したのだった。



 何故か体育倉庫の前まで歩いてきた女教師は、一度立ち止まってから周りを見渡し、視線が無い事をしっかり確認してから中に入る。

 そして、跳び箱の上に座った男子生徒の姿を見つけると、笑みを浮かべて近づき、声を掛ける。


「お待たせ致しました、ご主人様!」


「くっくっく、上手くいったようだな」


「はい!まずはこちらをお返しします!」


 美人教師が手に持った包みを受け取った男子生徒は、すぐにそれを開いて人形を取り出すと、裏返してその背中を見る。

 そこには【封魂・日下部祥子】と書かれてあった。


「これでこの学校一番人気の女教師は俺様のモノになった訳だ」


 男子生徒はその文字を見てニヤニヤと下品な笑みを浮かべながら、確認するように呟く。

 

「はい!その通りです!これからワタシは【日下部祥子】として御主人様にお仕え致します!どうぞよろしくお願いします!」


 自分の主人に奉仕する事が出来る悦びが抑えきれないのだろう。

 女教師はハイテンションで宣言する。


「ああ、存分に尽くすがいいさ。その美味しそうなカラダでな」


「はい!」


 美人教師の姿をした下僕は、目を輝かしながら自分の服に手を掛けると、次々と脱ぎ捨てていく。

 こうして女教師・日下部祥子のカラダは、想像の世界だけでなく、現実世界でも一人の男子生徒の玩具として活躍することになるのだった。


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