XaiJu
ドーン
ドーン

fanbox


【小説】女の一人旅、その終点。


 ここは大きな街を繋ぐ街道沿いにつくられた宿場町。

 たとえ訳アリの者たちでも、凶暴な魔獣に出くわす事が可能性がある森には近づかず、安全が確保されている街道を利用するのが当たり前となっている以上、人々の往来は多い。

 その人の流れを利用して様々な利益を得ようと華やかな店が道沿いに並ぶ中、奥まった路地の中に、俺が取り仕切る小ぢんまりとした宿屋が建っていた。


「いらっしゃいませ」


 ドアを開けて入ってきた人物に俺は営業用の笑みを浮かべて声を掛ける。

 マントを羽織り、フードを深めに被っていて顔は良く見えないが、雰囲気から女性であると、この宿屋を取り仕切っている俺にはすぐ分かった。


「部屋は空いているかしら?」


 綺麗な女性の声を発するとその人物はフードを外し、その顔を覗かせる。


(ほぅ……) 


 その美貌を見て、俺は笑みを崩すことなく、ほんの少しだけ目を細める。


「ええ、空いてますよ。どちらからの紹介ですか?」


「道具屋で買い物してたら、ここを紹介してくれたの。女一人でも安くて良い部屋を貸してくれるって」


 基本、宿屋は一部屋に複数の客を泊めることを前提にしている。

 一人の客の場合、最低でも二人分の料金を貰って一部屋貸すか、相部屋をしてもらわないと割に合わないのである。

 女性のひとり客の場合、相部屋はまず無理だろう。


「まあ、この街の他の宿は酒場とかの兼業で忙しいところが多いですからね。うちは宿泊専門で細々とやってますから。お美しい女性の一人旅への特別サービスとして、うちで一番の部屋を用意させて頂きたいと思いますがどうでしょう?もちろん、お代はおひとり分で構いません」


「あら、上手なのね。じゃあお願いするわ」


「ではこちらにサインをお願いします」


 俺が台帳を差し出すと女は受け取りサインをして再び俺に返す。


「エマ様ですね。荷物をお持ちします」


 俺が後ろの壁に掛かっていた部屋の鍵の1つを外し、エマという名らしい女を部屋まで案内しようとする。


「いえ、いいわ。場所さえ教えてもらえれば自分で行くわ。すぐに休みたいし」


「そうですか。ではこれがカギになります。部屋はこの廊下の一番奥になります。静かな方がよいでしょ?」


「ええ、そうね。ありがとう」


 女は鍵を受け取ると荷物をもって歩き出した。


…………


「へぇ~、なかなか良い部屋じゃない」


 エマは部屋に入って中を眺めると感心したように呟いた。

 かなり広めで清潔な部屋にベッドと机と椅子が1つずつ。椅子は背をもたれてゆったりとくつろげるものだ。

 満足しながら荷物を下ろしフード付きのマントを外して軽装になると、ベッドにダイブする。

 シーツも清潔そうで臭いもせずに快適である。


「こんな良い部屋に一人分の料金で泊まれるなんて、ラッキーだわ。でも普通はシングルベッドが複数あるものじゃないかしら?」


 部屋に1つしかないダブルベッドに違和感を感じながら、何気なく部屋を見渡すと、机の上に置かれた物に目が留まる。

 それは裸の女性の像だった。

 よく見てみようとベッドを這い出て近づく。

 透明な水晶で出来たようなその像は、いかにも高級品だった。


「いくら良い部屋だからといって、こんな高価そうなものを置いておくなんて……。盗まれるとか考えないのかしら?」


 そんなことを呟きながらマジマジと見つめていると裸体像が不意に妖しく光る。


「うっ!!!」


 美女は一度だけ呻き声を挙げるが、次に瞬間には目から生気が消え、表情も消える。

 そして、自分がやるべきことを理解したエマは、自分の服に手を掛けてゆっくりと脱ぎ始めた。

 やがて、下着さえも脱ぎ捨て全裸になると、まるで自分も裸体像になったかのように、その場に呆然と立ち尽くすのだった。



………



「そろそろだな……」


 女が部屋に向かってある程度の時間が過ぎたので、俺はフロントでしていた作業を止めて立ち上がる。


「おい、俺は部屋まで行ってくる。しばらくここは任せたぞ」


「はい」


 奥で別の作業をさせていた女の従業員に声を掛ける。

 最近雇い始めたこの女もなかなか見栄えが良いが、部屋で待っているはずの今度の女は更に上玉だ。


(コンコン!)


 部屋をノックする。

 しばらく待つが予想通り返事はない。

 俺は合いカギでドアを開けると中に入り、期待通りの情景に喜びの笑みをこぼす。

 部屋の床には女が身に着けていた服や下着が脱ぎ散らかされており、その中心には裸の美女が呆然とした表情で立っていた。 

 その見開かれた視線の先にある裸婦像と同様に美しい像と化した女は、俺が近づいても気づく様子もない。

 俺は女に近づき、改めて鑑賞する。


「くっくっく、こいつは凄い上玉が手に入ったな」


 こらえきれない笑みを浮かべながら、期待以上に大きくて美しい形の乳房に手を伸ばし鷲掴みにすると、遠慮なくその柔らかい感触を楽しむ。

 しかし女の方は俺に触られても、わずかに顔を赤くする程度で何の抵抗もしようとしない。

 胸の愛撫を続けたまま、空いた手を腰から尻まで這わせて、その肉付きを確かめていく。

 ここまで玩具にされても、女は無表情で一切の抵抗をしなかった。

 調子に乗って乳房にしゃぶりつき、その先にある突起を舌の上で転がす。


「あっ、ああん……」


 流石に感じたのか、女は甘い吐息を出しながら軽く身をよじる。


「くくく、では契約を交わすとするか」


 とりあえずの楽しみ終わった俺は最後の仕上げに契約のディープキスを交わす。

 すると女の目に生気がよみがえる。


「これからお前は俺様の奴隷だ。たっぷりとその美味しそうな体を楽しませてもらうぞ。まずはこいつをしゃぶってもらおうか」


 ズボンとパンツを素早く脱ぎ捨てて、俺は女に命令する。


「はい、ご主人様」


 美女は素直に返事すると、俺の前に跪き、股間に顔を埋めて奉仕を始める。

 あの水晶の女人像の魔力に捕らえられた女は、最初に口づけされた男に一生仕える奴隷となるのだ。


「あとで道具屋には謝礼を支払っておかないとな。これからも上玉を提供してもらわないといけないからな……」


…………


 翌日、宿屋のフロントにはメイド服を纏った美しい女が新しい従業員として立っていたのだった……。




More Creators