XaiJu
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炎上騒ぎなんて見るんじゃなかった。

皆様は炎上しているサイトや動画のコメント欄、もしくはTwitterのリプライを覗いたりすることはありますか?


普段私は、徹底的にその手の騒ぎを避けるようにしています。


なぜならそういうコメント欄やリプライで飛び交う誹謗中傷や罵詈雑言は、私のメンタルをぐちゃぐちゃにして、見たあとの行動にさえ影響を与えてしまうのを知っているからです。


これは心理学的にも証明されていますし、皆様も職場などで同僚がひどい言葉で叱責を受けているのをみて、自分が怒られているわけでもないのにイヤーな気分になった、という経験があると思います。


普段絶対にその手の騒ぎに近づかない私が、なぜその日に限って見てしまったかというと、それがイラストに関わることだったからですね。


それも全く知らない絵師さんのものとかなら、さすがに見なかったと思うのですが……最近ピクシブでイラストを拝見させて頂き、とてもいいなぁと思ってTwitterでもフォローさせてもらっていた絵師さんだったからです。


どうやらその絵師さんのイラストにトレースらしきものがあったらしく、まとめサイト……というのですか?そこで元絵と思われるイラストを透けさせて、疑惑のイラストとの線画の一致率などを調べた画像などをアップし、このイラストはトレースだ、と糾弾されていました。


まず私が思ったのは、それは本当にトレースされたものだったのか?ということです。


大前提として、私はトレースしたものを【私が描いたオリジナルのイラストです!】といって作品をアップする人に、もろ手を上げて賛同しているわけではありません。


むしろそれはさすがにないだろ……と、否定的な立場にさえいます。


ただ、トレース疑惑のあった作品は、あるゲームの二次創作だったんですね。


確かに画像をみる限り、絵師さんのイラストとトレース元とされているイラストの線画はほとんど一致していましたが……。


ただ、うまい人ならそれぐらいのことはトレースなんかしなくてもできるでしょうし、そもそも絵の真贋を見極める、というのは専門家でも簡単なことではありません。


美術館に展示されているような絵画でも、何人もの専門家の鑑定を受け、科学的な調査でも真作と判断されたものが、実はその画家の弟子の模写だった、という例が実際にあります。


力のある絵師は、限りなく理想(師匠や公式)に近づいていくため、そういったことが当然起こり得るんですね。


次に疑問だったのは、なぜコメントを寄せている人は普通に生きていたらまず人にぶつけることないであろう酷い言葉で、絵師さんをなじっているのか?ということです。


例えばトレースされて怒っているのがキャラクターの原案を担当されたイラストレーターさんだったり、ゲーム会社の社員さんだったりするのなら、分かります。


自分が心血を注ぎ、膨大な労力と時間を割いて産み出したキャラクターが、お手軽なトレースでさも自作のように扱われたのでは、それは心中おだやかでいられないでしょう。


私は専業でイラストを描いている、というわけではありませんが、それぐらいの想像はつきます。


しかし、匿名で絵師さんを叩いている人たちがそんな関係者である確率は、一体いかほどのものでしょう?


本当にその絵や絵師がいかがわしいものである、と感じているなら、証拠を提示して会社のカスタマーセンターなり、原案のイラストレーターさんの連絡窓口なりに匿名の通報をすればいいだけの話です。


そのイラストが会社や原案のイラストレーターに損失を与えているなら、彼らはしかるべき法的手続きをとるでしょうから、匿名の人間が騒ぎ立てるよりもトレースをした絵師によほど厳しい制裁をくわえることができますよね。


それをやらずにトレース疑惑の絵師さんを吊し上げるという行動が、私にはどうしても理解できません。


それにもしそのトレースが誤解や間違いだった場合、誤解された絵師さんから訴えられる可能性もありますし、仮に本当にトレースしていたとしても、名誉毀損や精神的苦痛で訴訟される可能性すらあります。


そして最大の疑問は、その罵詈雑言の中で誰も二次創作を否定しているコメントがなかった、ということです。


公式絵を真似てはいけないというのなら、二次創作は否定されてしかるべきだと私は思いますが、そういったコメントはざっと確認した限り、ひとつも見当たりませんでした。


繰り返し言いますが、私はトレースしたイラストを自作発言することを良し、としているわけではありません。


それに今回の件でいうなら、その絵師さんが結構な高額でコミッションを請け負っていた、ということがあるでしょう。


ちなみにこの絵師さんは自身がネットにアップした作品の中にトレース作品があったことを認め、でもコミッションを請け負った作品にトレースを行った事実はない、と弁明して謝罪しています。


私は絵のことなんてほとんど分かりませんが、線画はともかく、塗りは間違いなく公式とは違った、絵師さん独自の技法を取ってらっしゃたのは事実です(それは素晴らしいものでした)。


この絵師さんの弁明を部外者が証明することはできませんし、絵師さん本人にも証明することは非常に困難です。


【悪魔の証明】という言葉があるように、やった証拠を揃えて罪を証明するのも容易ではありませんが、やってない証拠を揃え、無罪を証明することはほとんど不可能に近いからです。


トレースした作品を自作発言する、というのは確かに誉められた行為ではないでしょうし、それをされた絵師さんやイラストレーターさんの怒りは理解できます。


ただ、ほとんど無関係の人間がわずかばかりの正義感(極端な話、こういう炎上に荷担するような人間が、暴漢に襲われている人を正義感から助ける可能性は限りなく低いでしょう)から疑わしい人を吊し上げるようなことが良いことだとは、私には決して思えないのです。


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