長かった「カニの恩返し」も、ようやく完結の運びとなりました。というわけで、裏話などを少々。少し長くなりますが。どうぞお付き合いください。
このお話をかくそもそものきっかけとなったのは、とある作家さんの存在。
その方は、社会的に意味があり人々の役に立つ立派なお仕事、ボランティア活動、社会人学習など、毎日精力的に活動しながら、毎日一定の時間に、きっちり数本の漫画をSNSにアップしているという、ものすごい偉業をずっと継続されおり、私はいつもまぶしい思いでその方の活動を見つめていました。
私も一応、毎日4コマ1本を描くようにしていますが、それはプライベートでまんが以外のことをほぼ全て放棄して、命からがら(?)達成できているという状態です。
で、そのお方に「どうやったら、毎日お忙しい中で、そんなに漫画が描けるのですか?」と聞いてみたのです。
返ってきたのはびっくりするような答えでした。
「毎日、目が覚めて意識がはっきりする前に描き始める。そうしたら、ひとりでに漫画の内容が浮かんでくる」
そんなことってあるのでしょうか! まるで超能力者としか思えません。
私などは毎日、4コマのアイデアで四苦八苦、七転八倒しているというのに…(安易なオチなどといわれますが、これでもネタ出しに2〜3時間かかることはよくあります。トホホ・・・)。
それで、私もそのメソッドを取り入れてみよう! と思って描き始めたのが、このお話だったのです。
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しかし、寝起きの頭でぼんやりとアイデアノートの前に向かっても、何も浮かんできません。アイデアがひとりでに浮かんでくるということはなく、結局、原稿用紙が白紙のまま朝日を迎える日が続きました。
「このやり方は自分に向いてないのかなぁ・・・」。そう思い始めて、今日思いつかなかったらやめよう、と思った日。寝起きのぼんやりした頭に、かろうじて、浴室の排水溝をつたって上がってくるカニのイメージが浮かんできました。
実は以前、海のそばの地域だと、排水溝を伝ってカニが浴室に上がってくることがあるという話を聞いたことがあったんですね。
「でも、こんなのが、まんがになるのかなあ・・・」
私は自分の潜在意識が出してきたイメージに半信半疑でした。でも、せっかく浮かんだんだから・・・と、ここからは顕在意識を使って頭をひねり、カニ=ハサミ=切る=包茎・・・というふうに連想をつなげて、第1話を描きました。
で、これ、この時点で、まったく続き物にするという発想はなく、普通の読み切り4コマの積もりでした。でも、カニと主人公の漫才をもうちょっと続けてみたいなあ、と思い、3話ぐらいで仕上がるかな?と思っていたら、4話目にしてカニキングがひょっこり登場(これも、まったく当初は登場の予定はなく、即興的に思いついて出てきたキャラです)。・・・ここから、物語の歯車は大きく狂っていくことになったのでした。
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このカニキング、一部で人気があったのですが、とにかく作者のいうことを聞きません。最初は、主人公がカニキングに赤い糸を切ってもらおうとしたけど、思い直して元カレと仲直りする・・・で終わりになるはずでした。
ところが、12話で、カニキングが、作者のプランに反して、赤い糸を勝手に切ってしまったのです(笑)。
「え、これどうやって終わらせんの?」と困惑しつつ話を進めるも、カニキングはますます好き放題に行動するばかり。さらに、ようやくクライマックスにたどり着きそうという時に、運命の神というまたよく分からないキャラが思いがけず登場(しつこいようですが、このキャラもまったく出てくる予定はありませんでした)。こいつもカニキングなみに勝手に動いて話をかき乱し、混乱にますます拍車がかかっていきました。
キャラが勝手に動くというのはいい面もたくさんありますが、反面、収集がつかなくなり、構成がいびつになりがちです。何しろ、作者もどう話が転がっていくのか分からなくなる訳ですから。
ただ、私は途中で、「このお話は、とにかくキャラたちに好きにやらせよう」と思うようになり、なるべく話をコントロールしないようにしました。
これが吉と出たか凶と出たか・・・それは読者の皆様の判定におまかせするしかありません。
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第1話が2022年7月21日で、完結が11月16日。途中コロナ感染などもあり、その影響もあって集中力が切れてしまったので、長くお休みする期間もありました。このことでは、読者からお叱りもいただきました。
また、話が分かりにくいとのご意見もいただき、実際、ビュー数を調べて見ると、このお話はどうも評判がよろしくない(というか、後半になるにつれ、ビュー数が激減していくという憂き目に合いました)。原因はいくつかあると思うのですが、1つには連載を休みがちであったこと、もう1つはキャラが勝手に動きすぎたことで話にまとまりがなく散漫、ということがあったと思います。
話の途中で、現実世界から「精神の海」に舞台が移るなど、かなり分かりにくい設定も導入しているので、本来はもっとタイトに話を進めるべだったのですが(もし自分が編集者なら、運命の神のエピソードはまるまるカットして、この半分の長さで仕上げなさいとアドバイスするはずです)、さきに述べたようにキャラに自由に動いてもらうことを優先したため、このような結果となりました。
ただ、私としては、話の出来やクオリティーに難はあるにしても、このお話を描けてよかったと思っています。俗に「出来の悪い子ほどかわいい」といいますが、今はまさにそんな気持ちです(笑)。
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最後になりましたが、73話にわたって辛抱強く(?)本作をお読みいただいいた皆様、ありがとうございました。カニキングと運命の神は、またどこかで登場させたいと思っていますので、その時にはよろしくお願いいたします。
あんどん丸
2022-11-25 14:01:00 +0000 UTCがとじじい
2022-11-25 00:26:57 +0000 UTCあんどん丸
2022-11-20 15:41:43 +0000 UTC