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工作艦 大和

鎮守府の執務室へ繋がる廊下を一人の艦娘が急ぐ。

コンコン

「秘書艦大和、参りました!」

入ってくれ、と提督からの声

「失礼します!」

大和が入室する。中にいるのは彼女の提督である若い男性一人だけ。

「急に呼び出してすまなかったね。」

「いえ、秘書官たるもの呼び出されたらすぐ駆けつけるのは当然です!」

胸を張り答える大和の姿に緊張感を持った提督の顔も少しほころぶ。

「実は先ほど僕たちの部隊に指令が下ってね。出撃する事になった。」

「場所はどこに?」

「朝鮮が不法に占領している竹島だ。来月の初旬に奇襲を艦隊で奇襲をかけて島を奪還せよとの事だ。」

提督の発言に驚く大和しかしすぐ平静を取り戻すとぐっと握りこぶしを作りながら

「私たちに任せて下さい!ぜったいに作戦、成功させましょうね!」

力強く応える。

そんな最愛の秘書艦の姿に提督の顔に笑みが零れた。

「ははっ、頼もしいな。それじゃ大和この作戦書のコピーと艦隊の皆を呼び出してきてくれ会議室でブリーフィングだ。」

「はいっ!」

タタタタッ

大事そうに作戦書を抱えて執務室を颯爽と退室する秘書艦の後姿を提督は笑顔で見送った。


翌日、休暇の大和は街へ繰り出していた。

時折周囲を警戒しながら繁華街の商業ビルへと入っていく。

訪れたのは人影がまばらな洋服店。

「久しぶりですー。」

店員に声をかけて近寄っていく。

端から見ると単なる店員と常連客にしか見えない。

店員に近くへ行くと大和は店外をチラリと振り変えてふーっと安心したように息を吐くと

「工作艦大和、ただいま帰投しました。」

そう店員に耳打ちをする。

にやっと店員の女性は笑うと周囲に不自然に思われないように近くの服を手に取り、大和へ手渡すと試着室へ彼女を誘導した。

店員がスマホを操作すると試着室の姿見が内側へ開いていく。

大和は開いた扉の向こうへ進んで行く。

中は広い隠し部屋となっていて、奥には男性が一人椅子に腰かけていた。

大和は男性の前まで歩くと深々と礼を捧げる。

「朴提督、工作艦大和任務を終え帰投いたしました。」

男は朝鮮海軍情報部の対日作戦課長。

大和はこの男によって日本海軍の情報を横流しする工作艦に教育されていた。

昨日コピーした竹島奪還計画の作戦書を朴に手渡す。

「チョッパリ達は独島を奇襲して奪おうとしているようです!」

「よくやってくれた大和。これほど貴重な情報はお前じゃなければ手に入れられなかった。」

「そんな・・・私にはもったいないお言葉です。」

朴提督は感謝を述べる大和の姿を満足げに眺める。

「これからもよろしく頼むぞ大和。」

「ハイ!偉大なウリナラと朴提督の為工作艦大和、より一層励みます!チョソングクマンセー!(朝鮮国万歳!)」

朴提督の言葉を受け大和は彼とその後ろに掛けてある朝鮮国の国旗に向けて最敬礼と忠誠の言葉を捧げた。


数日後、日本海軍による竹島奪還奇襲作戦が行われた。

相手の虚をつくはずだったが万全の構えで防衛をしていた朝鮮海軍に待ち伏せ攻撃を受け

艦隊は大混乱に陥る。

「皆を助けないと!」

多くの艦娘が大破、轟沈していく中提督は懸命に彼女達を助けようとしていたが

「提督!旗艦である私たちがここで倒れる訳にはいきません!ここは帰還します!」

秘書艦である大和により半ば強引に撤退することになってしまう。


その後日本海軍が撤退し平穏が再び訪れた海では朝鮮海軍により轟沈、大破した艦娘たちの極秘の回収作戦が行われた・・・。


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