◆そのゆう ゲーム内イベントCGの先行公開
("The Hero" Advance release of in-game event CG)
(“後勇” 提前发布游戏中的活动CG)
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故郷の森の近くには小さな村があって、
そこでは物々交換が当たり前だった。
お母さんは薬を、ボクはお父さんから教わった
機械いじりの知識で村の農具や家電を直しては
村の人から日々の糧を得ていたのだが……。
そんなボクの常識は都会では通じないみたいだ。
古い街なだけに移民者への風当たりは強く、
知識や技術があっても就労につくことは簡単ではない。
今日は街の有名料理店「ゴルデンキッチン」のアルバイト。
――こうなったら手段を選んではいられない。
――1日目。
ディザスタ「ご、ゴルデン…キッチンを…よ、よろしくお願いします~…」
向いてない。絶対に向いてない。
早々に逃げ出したくなった。
店主さんは太鼓判を押していたけれど、ボクのどこを見て
そう思ったのか今一度問い詰めたい気持ちになった。
頭の中で風船を裁く方法を必死に考えていると、
しかし、直ぐに人が集まってくる。
悪ガキ「えいっ!」
突然、人だかりの中から誰かが駆け寄って、
いきなりボクの服をはぎ取ろうとした。
ディザスタ「わ、わああああっ!?」
振り返るとボクと同じくらいの背丈の男の子だった。
へへへ、と悪戯っぽく笑って逃げていく。
周囲の大人たちが低い声で「おぉ~!」と一斉にどよめいた。
――2日目。
ディザスタ「ゴルデンキッチンをよろしくお願いします…!」
昨日あんな目に遭ったというのに、
懲りずにまたアルバイトに挑戦している。
お金のためだから仕方ない。
今日も今日とて通りを行く男性が人垣を作っていた。
パシャ!パシャ!
――シャッター音が聞こえた。
キっと睨んでやると、男はレンズから視線を外して
申し訳なさそうにニタニタと笑い、またレンズを覗く……。
ディザスタ「む…っ!」
今の含みは「いいよね?ありがとう」という顔だったのか。
都会の人というのは、どうも怒られない限りは
我を通そうとするようで、慎みというものを持ち合わせていないようだ。
……なんて考えていると男の人たちが突然、歓声を上げた。
ディザスタ「……え?」
視線を落としたまま硬直した――。
きっと男の子が駆け寄ってくるのを見ていた周囲の大人たちは
この展開を予想したのだろうが、当のボクは急に降ってわいたような
非常識な展開に理解が追い付かないでいる。
ディザスタ「きゃあああああああっ!!!」
シャッター音で我に返って、ボクは盛大に悲鳴を上げた。
パニックになっている隙にカメラを抱えていた男の人が
近寄ってさらにシャッターを切る。
大人たちの何人かは子供が子供に悪戯をしているだけだと
考えているのか愉快に笑っていて、何人かはボクの痴態を
カメラの男にならえで近づいて凝視した。
――もう滅茶苦茶。地獄絵図。
……帰ろう。帰って引き籠って枕を濡らそう。
お母さん、ボク、都会で暮らしていく自信がありません。