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軽はずみな発言 Main Story

※某所にアップした際に、色々あった作品のリメイクです。 某所では色々ありましたが、pixvのほうでしたら、これはこれで私としては良いと思っております。 賛否あるとは思いますが、お蔵入りの作品を【表に】と思いアップさせて頂きます。 ------- 私の視界には、斜幕を通して見える青空…。 体を包み込む猛烈な暑さ…。 (あ…私今…怪獣に入ってるんだっけ…) そう…私は怪獣の着ぐるみを着て炎天下のステージに倒れている。 ・・・ それは今日の朝から始まった出来事だった…。 私の名前は【平井 千夏(ひらい ちなつ)】 普段は会社員、週末はキャラショーのアクターという顔をもっている。 ショーの経験年数もそこそこになり、最近は【スイートプリンセス】の主役をやっている。 【スイートプリンセス】…通称スイプリは、女の子に大人気のアニメで、ショーのほうはアクション・ダンス有りのなかなか大変なショーだ。 そして今日もスイプリのショーに行く予定だった。 夏真っ盛りなため、今日もそれなりの覚悟で朝早く事務所に向かった。 「おはようございます」 私は事務所のドアを開け、中にいた先輩に挨拶をした。 すると、先輩が何やら慌しい雰囲気で、私に詰め寄ってきた。 「お!千夏!おはよ。今日、【コスモマン】の現場、一人病欠でだめになっちゃてさ…」 「はぁ…それは大変ですね」 コスモマンは巨大ヒーローと怪獣が戦う番組。 男の子に人気で、ウェットスーツのヒーローと、ごつい着ぐるみの怪獣のショーのため、普段は男性ばかりで、私には全く未知な世界だった。 なので、私の返答も他人事の空気は出てしまったかもしれない。 でも仕方が無い…私とは分野が違うのだ。 すると、先輩が顎に手を当てて言った。 「ん~大変なんだよ…。でさ…千夏、コスモの現場に行ってくれ」 「あ、分かりました・・・って、何言ってるんですか!!!!」 先輩の当たり前のような雰囲気に流されそうになったが、おかしな事を言っている事に気がつく。 「と…突然…びっくりする事言わないで下さいよ!私、一度もコスモマンの現場なんてやったこともないですから!」 「大丈夫、大丈夫、周りはベテランだし、千夏なら何とかなる!」 「な…何とか…じゃなくて…他の男の人は???私、女ですよ!」 「今回の衣装…結構小さいから代わりに着れる男がいないんだ。病欠になったのが、【明哉(あきや)】なんだよ…」 明哉さんは確かに身長が低い。 男だけど、165cmはあるか無いかくらい…。 それでもって、私は確かに身長はあるほうだ…165cmくらいはある。 「で…でも、リハーサルもやってないし、第一、スイプリの方はどうするんですか?!」 そう、今日の私のキャスティングは、スイプリの主役なのである。 「スイプリの方はキャスティングをスライドして、代役見つかってるから。まぁ…リハも大丈夫、普段【スイプリの主役】やってるお前なら、アクションも大したことないって。…とにかくピンチなんだ、頼む」 (え!?スイプリのキャスティングどうにかなるの??) 自分が頑張っている役がなんとかなったというのは、納得がいかないところはあるが、私のアクション力を買われているのには、嬉しさを感じる。 (ん…まぁ…しょうがないか・・・) なんだか腑に落ちなかったが、とにかく事務所のピンチは放っておけない。 「分かりました…で、私は何をやればいいんですか?」 「ありがと!キャスティングは怪獣【ミジール】だ。よろしく!」 「怪獣!?」 私は、アニメのヒロインと戦隊のヒロインしかやったことが無かったため、【怪人】ではなく【怪獣】的なものは見たことすらなかった。 「か…怪獣とか…全く知りませんけど…だ…大丈夫ですかね…」 余りにも未知な世界に不安を感じた。 「大丈夫、スイプリよりは【楽な】ものだろ…ダンスがあるわけでもないし…」 「ま…まあ…分かりましたやってみます」 (そっか…ダンスとかがあるわけじゃないから…大丈夫かな?) 先輩に言われた一言に、少し不安感が払拭された。 そうして、勢いで現場に向かうことになった。 行きしなの車の中で、ショーの内容を確認した。 「先輩…ところで、台本とかは?内容、全く知らないんですけど」 「あ!内容??極めて、簡単だから。  ザックリで…。  最初にきっかけでステージに出て、ヒーローとアクション。  そこでやられてステージに倒れてて。  悪の親玉がきて復活させるから、復活したら最後のアクション。  それで、必殺技でやられてステージからハケれば終わり。  簡単でしょ、アクションも最初と最後同じでいいから。  しかも、今日1回ショーだし」 「わ…分かりました…」 (ほんとにザックリしてるな…スイプリと比べればセリフもないし、ダンスも無いから、なんとかなるか…) 少しの不安もあったが、なんとかなると思い現場に向かった。 現場に着き荷物を降ろしテントに入れ込む。 そして、テントを出て人目のつかない場所で、いつもの【スイプリ】の現場同様、リハーサルを始めた。 先輩たちは、初めての私に気を使ってくれる。 「千夏は移動だけ覚えてくれれば、こっちがうまくやるから」 「え?それで…大丈夫なんですか?」 「大丈夫、俺がつかみかかって、俺がやられる時は勝手に投げられたりするから。後は攻撃をくらったら、派手にリアクションしてくれればオッケー」 「分かりました」 (ん…ホントに、なんとなくで出来そうだな…) そして、私にとっては【移動確認】のリハーサルが終わった。 スイプリのショーなら、演技の確認や、ダンスの確認など色々あるが、移動だけ覚えればいいと言われたので、覚える量はそれ程ない。 突然のアクシデントでこの現場に来たのだから、先輩たちも私になるべく簡単に出来るようにしてくれているのだろう。 しかし、夏のとても暑い日なので、リハーサルを軽くするだけで汗だくだ。 「ふぅ…私、何もしてないのに汗だくですよ」 「しょうがねぇな、夏だから」 そんないつもの会話をしながらテントに戻った。 テントに戻ると、中は既に熱気が篭り、かなりの温度になっている。 すると先輩がいつも私たちがやっている事を、敢えて忠告してきた。 「ステージと階段も確認しておけよ、特に千夏は階段上るだけで大変だから」 「あ!やっぱり、怪獣だと階段大変なんですか?」 「当たり前だよ…ま…やれば分かる」 そうは言われたものの、私は高をくくっていた。 (とはいえ、所詮は数段の階段だし大丈夫でしょ…スイプリより視界も良さそうだし…) そう思いながらステージと階段を確認した。 「あ…ステージ、屋根なしなんですね。直射日光はショーの時はやめてもらいたいですね」 「そうだな…」 夏のショーのステージは直射日光は恐ろしく体力を奪う。 少しでも日陰になることを願いながら確認を終えた。 またテントに戻り、衣装を確認する。 「千夏の怪獣ミジールはこれな」 そういって先輩がダンボールから衣装を出した。 「うわ!すごいですね…これ」 私は初めて見る怪獣に興味津々だった。 普段、スイプリや戦隊もので見る着ぐるみとは、全く違う雰囲気を醸し出している。 なんというか、布とかはなく、ゴムの塊的な感じである。 「ちなみに千夏、ミジールは基本は【四つん這い】な!」 「え!?」 「モチーフが亀だからな。まあ…衣装の構造上、直立しようとしても出来ないけど」 「そ…そうなんですか??ちょ…ちょっと着てみてもいいですか?」 「着てもいいけど、着るのすごく大変だから、今着るより、ショー前に早めに来て確認したほうがいいんじゃない?」 確かに着るのに時間が掛かるなら、今着て、また脱ぐよりそのほうが効率がいい。 「そうですね、じゃあショー前に早めに着ます」 (…1時間前は早いから、45分前くらいかな…) そうして、ショーの45分くらい前を向かえ、衣装を着てみることにした。 インナーには、いつものマイレオタードを着て、頭に被る顔だけを露出する面下タイツを探した。 「あれ先輩、面下のタイツは?」 「あ、これこれ、怪獣の時はこれをつけるんだ」 そういって先輩が渡してきたのは、目の部分と鼻のところだけに穴のある、厚手の硬めのタイツのようなものだった。 しかも、いつものとは違い、後頭部にチャックがある。 「こ…これ、口も覆われるんですか?」 「ああ、怪獣の時は覗きから中が透けて見えないように、これなの」 「そ…そうなんですか…」 スイプリや戦隊では見たこともないものだったが、コスモマンの現場が初めての私は信じるしかなかった。 実際には、普段はそんなものは被ってないとは、知るよしもなく。 とにかくその渡されたものを被る。 「じゃあ後ろ閉めるから」 そう言って、先輩が後頭部のチャックを閉めてくれる。 (お…思ったより小さい…顔が圧迫されるな…) 目と鼻の位置を合わせ、視界と呼吸を確保する。 (口で息できないってのは…結構苦しいな…でも、慣れかな…) 「よし千夏、じゃあ衣装着るか」 「ふい」 返事はしたものの頭に被ったものが思ったより拘束力があり、顎の動きが制限されたせいで、はっきり言葉を発する事が出来なかった。 横たわった怪獣ミジールの背中の割れ目から足を入れていく。 (よいしょ…ん…なかなか入らないな…) 足も中身がタイトに出来ているため、中々入っていかない。 全力で足を突っ込みながら、なんとか足を入れる。 (ん~…ふん!よ!…よいせ!…うぅん…よっと!!) なんとか足が先まで入った。 足を入れるために、体全体で力を入れていたので、かなりの労力が必要とされた。 そして口の覆われたマスクを被っているため、呼吸が乱れる。 「ふぅ…ふぅ…ふぅ…」 しかし、口では呼吸が出来ないため、鼻からの呼吸音が大きくなる。 (こ…これ…ホントに着るだけで疲れるな…) 呼吸を少しでも整えようとしているところに、先輩が話しかけてくる。 「じゃ、体と頭も入れようか!」 (え!?すぐ?) 少しためらったが、先輩たちはなんの躊躇もなく、私を怪獣ミジールの中へと押し込む。 (ちょ…ちょっと…そんな…いきなり…) そうは思ったものの、その勢いと【ノリ】に抗うことなく、私は衣装の中へ腕を入れ、そして体と頭を入れた。 頭を怪獣の頭部に突っ込みながら、手も通していく。 (あ…意外と怪獣の頭の中って空間がないんだ…) 私はスイートプリンセスや戦隊の面の中はよく知っている。 スイプリの面の中もかなり空間がない。 しかし、想像で、こういう怪獣は衣装が大きいから、スイプリなんかよりも、面(怪獣では頭が入る部分)は中はゆったりしていると思い込んでいた。 (へぇ~意外…結構、顔に中がくっつくんだ…) 背中のチャックを閉めてはいないが、完全にミジールの中に納まった。 すると先輩が直ぐに後ろのチャックに手を掛けた。 「じゃあ、閉めるぞ」 そういって、背中のチャックが閉められていく。 【ジーーーー】 背中のチャックが段々と閉められて行き、私は全身を着ぐるみに閉じ込められていった。 そして、完全にチャックが閉められ、私は人生初の怪獣の中身となった。 (ん…閉めると顔も体も、結構、締め付けられるなあ…) 私でこのサイズなのだから、確かに小柄な男性以外は着れないだろう。 そうして、怪獣ミジールは完成した、ショー30分前。 私は起き上がってみようとした。 しかし怪獣ミジールの手足の短さに体の動きはかなり制限されている。 (け…結構、動きにくいぞ…ん…どうやったら立ち上がれるの?) 動きにくいとはいうものの、スーツアクターとしては衣装に負けてはいられない。 とにかく四苦八苦しながらなんとか起き上がろうとする。 傍から見れば、ミジールがただ、寝転びながらもがいている様に映っているだろう。 しかし、中身の私は必死だった。 (よ…足を踏ん張って…手は支えにならないから…体で…よいしょ!) 何とか起き上がり中腰で立つところまでは出来た。 しかし中腰のところからはどうやっても直立は出来ない。 (な…なんで………あ!?) 私の直立を邪魔するものはミジールの尻尾だった。 (この尻尾がつかえて、これ以上起きれないんだ…) 尻尾のせいで直立出来ず、中腰前のめりの状態を余儀なくされる。 衣装の特性上、足も伸ばすことは出来ない。 (この体勢は…ちょっと…き…きつい…) 私はまた手を地面に付き四つんばい状態となった。 その瞬間、その行動を見ていた先輩が言った。 「な、直立出来ないだろ。ミジールは二足歩行じゃないから、そういう作りなんだって」 「わ…わふぁひまひた……ふぅ…ふぅ…ふぅ…」 一回立ち上がっただけで、かなり息が上がる。 「ちなみにさ…怪獣は衣装が分厚いから、パンチとか直であたっても大丈夫だから」 「ほ…ほうなんえふか…」 「うん…試しに…ほれ!!」 【ボフッ】 そういって、先輩は私のおなかにパンチを入れてきた。 (ん!?た…確かに、今当たった感触はあったけど、全然痛くない) 「痛くないだろ?」 「ふぁい」 ボフっと言う感触はあったが、痛みは全く無かった。 「だからアクション中は、この感触があったらリアクションしてくれればオッケーよ」 「わふぁりました」 確かにこれが合図になるから、スイプリとかの目で追いかけるより分かり易い。 「さて千夏、ショーまであと25分だけど、どうする?脱ぐ?」 着るのに15分掛かったため、脱いでまた着るには微妙な時間である。 しかし、呼吸を落ち着かせる為にも頭くらいは一度出したい。 「とりあえう…おのまま…あはまあけえも…」 「あ!?このままね、分かったよ!じゃあよろしく」 (え!?ちょ…ちょっとまってこのまま!?あ…頭だけでも…出したいのに!こ…言葉が通じない!?) 「え!?…あ…あはまあけえも…」 もう一度言ってみたが、やはりまともな言葉にならない。 その声が聞こえたのか、聞こえてないのか分からないが、先輩は振り返る事無く、そのまま行ってしまった。 とにかく一回チャックを開けてもらい、上半身と頭を出そうと思ったが、それは先輩には伝わらず、私は着ぐるみを着たまま待つことになってしまった。 (うぅ…しょうがない…このまま…待とう…) 少し外の空気を吸いたい感はあったが、脱ぎ着をする労力を考え、潔くこのまま待つことにした。 中腰はきついので、横向きに寝転がることにした。 真夏のテント内はただでさえ蒸し暑くなる。 普通にいても暑いのに、今私は怪獣を着たままいるのだ…当たり前のように暑い。 (…なにもしてないのに、じわじわと暑いなぁ…とにかく待つか…) ただ待つだけではあるが、寝るわけにもいかない、なにせショーまで20分そこしかないのだから。 テント内にただ放置されている怪獣ミジール。 周りの先輩たちは、その存在に気付かないと言わんばかりに、たわいもない会話をしている。 そう…今私は【千夏という人間】ではなく、怪獣ミジールの衣装としてテント内に存在しているのだ。 そのまま時が進む。 (…今、ショーが始まる何分前なんだろう…?) 衣装を着ているので、時計も確認出来ない。 視界も悪く、周りの声も聞こえにくい状況だと、時間概念も分かりにくくなる。 かなりの時間が経った気がした。 (…もうそろそろ始まるかな…?) そう思っていると、司会のお姉さんである【瑞穂(みずほ)さん】の声が聞こえてきた。 「千夏ちゃん!…大丈夫?」 「あいじょうえふ…」 私は寝転がったままその問いに答える。 「もうそろそろショー始まるから、あと3分くらいね」 「わふぁりあひた…」 私はようやく時間も分かりショーを始める準備をする。 ショーが始まる前から既に汗だくである。 体を起こしたが、立とうとすると中腰のきつい体勢になるため、四つん這いの状態でスタンバイすることにした。 そして、ショー開始時刻。 瑞穂さんがステージに出て行く。 「みなさ~ん!こんにちわ~!!今日は・・・」 いつも通りのMCのお姉さんの喋りが聞こえ、ショーが始まる感覚が高ぶる。 この感覚はスイプリの時も同じである。 そして、瑞穂さんがステージを降り、ショーの本番がスタートした。 少しのナレーションが入り、怪獣ミジールの登場となる。 そして、私の登場のきっかけとなる音が聞こえて来た。 (よし!いくぞ!) 私は気合を入れ、ステージに上がる為の階段へと進んで行った。 (よ…よい…しょ…あ…あれ!?階段が…上がれない…) ステージの袖にある階段が中々上がれない。 (ちょ…ちょっと…やばい…よ…間に合わない!!) 怪獣を着ると、いつもスイプリでトントンと上がる階段が、こんなに上がれないものだと感じる。 「とにかく早く出なさい!!」 そう言って、もたついている私を、階段の下から押し上げてくれたのは瑞穂さん。 しかし、着ぐるみプラス中身の私、女性一人で押し上げられる重さではない。 すると音響を担当していたスタッフも手伝ってくれて、何とかステージ上に上がった。 ステージに上がるだけで、かなりの労力、既にかなり息は上がっていた。 (はぁ…はぁ…はぁ…なんとか…あがれた) そこからステージ中央まで急いで移動する。 ステージの真ん中に辿り着き、音に合わせて、大きく暴れる演技をする。 すると、ヒーローの声が。 「やめるんだ!!」 颯爽と登場するコスモマンのコスモシルバー。 「この会場の子供たちは俺が・・・(略)・・・いくぞ!」 そしてアクションが始まった。 先輩は攻撃は当ててくれるので、リアクションはとり易い。 そして予定通り、私が手を跳ね除ければヒーローの方が勝手にやられてくれる。 転がる時は先輩が反動をつけて押してくれる。 (分かりやすい!ありがとうございます!) それでも、それなりに動くので呼吸は荒くなる。 (はぁ…はぁ…はぁ…もう…とどめだよね…) そろそろきつい感じ始めた頃、ヒーローの必殺技が。 「コスモ…ライザー!!!」 ビームが放たれ、ミジールに直撃する。 【グオォォォォォォ!!】 …そして私はステージの中央の後ろに方に倒れこんだ。 「みんな大丈夫だったか?俺は・・・(略)」 コスモシルバーの話が始まり、数分間。 しばらく話すと、シルバーはステージを後にし退場した。 入れ替わりに瑞穂さんが、ステージ上に出てきた。 「みんなコスモシルバーのおかげで・・・(略)」 ここから、瑞穂さんが子供たちにピンチの時の応援の説明が始まる。 「みんな、コスモマンがピンチの時には・・・(略)」 ミジールが必殺技をくらってから、コスモシルバーが帰るまで数分、そして瑞穂さんの話が5分を超える。 この後、悪の親玉が来て、ミジールを復活させるまで数分の予定。 その間、私はステージ上でやられたままである。 真夏の炎天下のステージ。 ただ着ているだけでも暑い衣装なのに、ステージ上は日向、この上なく暑い。 しかも私はやられている事になっているため、動くことは出来ない。 ただ、この暑さに耐えながら待つしかない。 (あ…暑い…暑い…よぉ…) 太陽光線が、体に突き刺さるように感じる。 着ぐるみの中は、恐ろしい温度になり、私の体中から汗が噴き出ていく。 汗が目に入りしみる。 口まで覆う面下タイツが汗に濡れ、口にへばり付く。 それにより、口からの呼吸が制限された。 私の見にくい視界には、私を嘲笑うような青空がうっすらと映る。 ステージ上で動けないまま、ただ青空を見つめながら待つ時間はとても長く感じる。 軽く意識が朦朧とし始め、なんだかボーっとしてきた。 (あ…私今…怪獣にはいってるんだっけ…) そう…私は怪獣の着ぐるみを着てステージに倒れている。 やることも無く色々なことが頭を巡る。 よくよく考えてみると、私は仰向けに倒れ手足を開いた状態、 まるで車に轢かれたカエルのような体勢である。 それは、ミジールという怪獣が倒れていると思えば自然だが、中身は20代の女の子。 自分が手を広げ、足をがに股の状態で広げてステージ上で寝ていると思うと、急にとても恥ずかしくなった。 (…い…衣装着てなかったら、自殺ものの格好だよ…) しかしながら、その体勢で待つしかない。 何故なら、今の私…ミジールはやられて動けないのだから。 そして容赦なく日差しは、轢かれた蛙のような私を照りつける。 (あつ…い…暑い…恥ずかしい…恥ずかしいよぉ…うぅ…な…なんで…私が…こんなこと…) 次第に着ぐるみ内の温度もかなり上昇し、限界を向かえ始めた。 (暑い…暑い…き…きつ…い…脱ぎたい…脱ぎたい…) とにかく衣装を脱がして欲しい…そう思い始めたが、この後まだショーの後半があり、アクションもあることは変わらない。 (…まだ…後半…がある…も…もう…もたない…) 私は、以前先輩たちに、スイプリのほうがアクションの後、ダンスもあるのだから大変だと言った事を思い出した。 (…前言撤回…です…。ご…ごめんなさい…こ…これは…かなりきついです…) 衣装の暑さ…それはスイプリなどよりも、遥かに苦しい。 こうやって、着てステージにいるだけで、殺人級の暑さだ。 分厚い衣装、熱の篭り方が半端無い。 そして、その分厚さから、動きは制限され、それを動かそうとすれば、かなりの労力を使う。 それ故、少し動かすだけで、体への負担も大きく、直ぐに呼吸を乱し、体温を上げる。 スイプリもきついが、それとは尺度の違うきつさがそこにあった。 (こ…これは…きつい…よぉ…) そんな後悔をしつつも、ひたすら待った、 女の子がとる格好ではない体勢で日差しを浴びながら。 すると意表をついた瑞穂さんの声が聞こえてきた。 「みんな、ミジールはきっと悪い怪獣じゃないよ。みんなの声で目を覚まさせてあげて!名前を呼んで、正しい心を取り戻してもらおう!いくよ、ミジ~ル~!」 (!?え…聞いてないよ…何?) こんな展開は打合せでは聞いていない。 「目を覚まして!」 するとキラキラとした効果音が入った。 (…こ…これは…起きろってこと?) 効果音の雰囲気と、瑞穂さんの【目を覚まして】というフレーズ。 どう考えても、【ミジールに起き上がれ】という指示だ。 (うぅ…と…とにかく…起き上がらないと…) 私は力を振り絞り体を反転させ、また四つん這いの状態に戻った。 「ミジール、やっぱりあなたは良い心を持っているのね」 (…どういう展開なんだろう…任せるしかないか…) 「じゃあ、せかっくみんなに力をもらったことだし、良い心になった証拠に、みんなの知ってる歌でダンスとか披露してよ」 (!?な…何言ってるの…瑞穂さん!ダ…ダンスなんかしたら…) ただでさえ、今までこの衣装を着たまま、炎天下のステージに放置されて、着ぐるみ内の温度、そして、私の体温は大変な事になっている。 その上、ダンスなどしたら、到底耐えられる筈は無い。 (む…無理!?ホ…ホントに倒れちゃう!!) 私は必死に無理だということを訴えようとしたが、瑞穂さんはそんな私を見て、にっこり笑った。 「そっか、やってくれるんだ、さすがミジール!」 (な!?何を!!!む…無理!…無理です!!!!!) 「ミュージックスタート!」 瑞穂さんはお構いなく話を進める。 すると聞きなれたイントロが始まった。 (スイプリの曲だ!?) 流れてしまった以上、もうやるしかない。 しかも散々、スイプリのショーの時には踊っている曲、振りは完全に体にしみ込んでいる。 違いはスイプリの動きやすい衣装か、直立すらままならない怪獣の衣装というところ。 (うぅ…や…やるしか…ない…) とにかく私は必死に踊った。 同じ振りは到底出来ないが、それとなく近い動きは出来る。 傍から見れば怪獣が無様に動いているだけに映っているかもしれないが…。 スイプリですらダンスはきつい。 怪獣を着て動くには恐ろしい程の体力を使う。 衣装が重い…。 思うように動けない…。 空気が足りない…。 酸欠で意識が飛びそうになる。 (…あ…あと…少しで…お…終わる…) そして曲の最後で決めポーズ。 「さすがミジール!!すごい、完璧だよ!」 (ふぅ!ふぅ!ふぅふぅ…!…く…空気…空気が…ほしい…し…死んじゃう…死んじゃう…) 口での呼吸も試みたが、濡れたタイツが口でプクプクと膨らむだけで、口からの呼吸は出来ない。 止む終えず、鼻から取り入れられる最大限の空気を取り入れる。 呼吸が追いつかない…私は体全体で呼吸する。 それに伴って、ミジールの体も大きく上下している。 激しく動いたせいで、体温も衣装の中も恐ろしい温度となっていた。 すると、瑞穂さんの口から信じられない一言が。 「さて…じゃあもう一曲…」 (も…もう一曲!?無理…無理無理無理…もうムリィィィィィィィ!!!!) 瑞穂さんのその言葉に、本当の危機を感じた。 しかしその瑞穂さんの言葉を遮るように、悪の親玉の声が聞こえてきた。 「いい加減にするのだ、ミジールよ」 悪の親玉の登場だ。 「ミジールよお前は闇の怪獣だ、目を覚ますのだ…はぁ!!」 そしてビリビリといった効果音が入った。 (…え!?…ぁ…私は…悪い怪獣に…なればいいの…?) 「ようし、これでお前は元通り、闇の怪獣だ。子供たちにもらったパワーはありがたく頂戴するがな!さあ、地球を滅ぼすのだ!」 (ぁ…ぇ…わ…私は悪くなったの…ね…これで…シナリオ…どおり…) ボスに指示された通り、会場を襲う演技をしようとするも、もうほとんど前に進む力すらない。 (はぁ…はぁ…はぁ…足が…前に…出ない…) すると瑞穂さんがヒーローを呼ぶ。 「そんなことはさせない、みんな!コスモマンを呼ぼう、コスモマ~ン!!」 「待て!!」 コスモシルバー、コスモゴールドの登場である。 そして、対峙するヒーローと悪側。 「予定どおり二人とも来たか。パワーアップしたミジールの力を味わうがいい」 「それはどうかな?いくぞ!!」 そうして最後のアクションが始まった。 (うぅ…きつい…きつい…体が…) 足がふら付く…暑さと消耗した体…四つん這いで立つのすらおぼつかない。 私はもう体を起こすことで必死だったが、なんとか打ち合わせどおりの移動だけはしようと、力を振り絞った。 すると打ち合わせでは、いるはずの悪の親玉がステージから出て行ったのだ。 「くそ!ミジール後は任せた!」 (え!?…どういうこと…) ステージ上に残されたのは、ヒーロー二人と私だけ。 リハーサルでやった移動は、2対2の戦いの打ち合わせ。 何故、この状況になったのか、頭が追いついていかない。 (ど…どうしよ…打ち合わせと…) 【ドンッ!】 戸惑っていると胸元に大きな衝撃があった。 (きゃあ!!!) 衝撃とともに、私は大きくバランスを崩し、ステージの隅までゴロゴロと転がった。 突然の出来事で、何が起こったか理解出来なかった。 (うぅ…痛い…な…何が…) 横たわりながら、私に衝撃が加わった方向に目を向ける。 すると、そこにはシルバーが座り込んでいた。 先程の大きな衝撃…殴られた程度のものではない。 恐らく、シルバーが私にとび蹴りか、体当たりをして来たようだ。 さすがに衣装が厚いとはいえ、これだけの力が加われば痛い。 (い…痛いよ…ひ…ひどい…) それでも私は必死に体を起こそうした。 【ドンッ!】 すると背中から激しい衝撃が! (あぁっ!) 今度はゴールドが背中の上に飛び乗ってきた。 しかもボディプレスのように全体重をジャンプして乗せてきたのだ。 (うぅ…痛い…苦しい…) 弱々しい動きではあるが、もだえ苦しむ。 【ボフッ!ボフッ!!】 そんな私の上に乗っかったゴールドは、私に攻撃を仕掛けてくる。 (うぅ…く…苦しい…苦しいよぉ…) 打撃自体は大した痛みは無い。 しかし、私の上に乗っかったゴールドが動くたびに、体が上から圧迫され、息が詰まる。 私はゴールドを振り落とそうと、必死にもがいた。 すると、今度は突然背中が軽くなる。 ゴールドは勝手に私の上から離れていった。 すると次はシルバーが私に掴みかかり起こそうとしてきた。 私は直感で危機を感じた。 (いやっ!!!や…やめて!…) 振り払うように少し暴れる、すると簡単にシルバーは離れていった。 するとヒーローの声が入った。 「く…確かにパワーアップしているな」 「倒すにはシンクロ攻撃を仕掛けるしかない、いくぞ!」 「ああ!」 (パ…パワーアップ…え…シンクロ攻撃って…!?) どうやら、ヒーローが勝手に離れていったのは、私に攻撃されて吹っ飛んだ演技をしたらしい。 それはミジールがパワーッアップしている事を表現する演出。 そして、ヒーローの攻撃は手を休まない。 二人同時に私に掴みかかり、私を起き上がらせようとした。 (あぅ…いや…やめて…) 起き上がらせようとする二人を振り払おうと、必死に抵抗した。 しかし、相手は男性二人…。 女の子一人の力でどうにかなるはずは無い。 私は二人に掴まれ、体を起き上がらせられた。 そして引っ張られるがままステージ上を、右へ左へ走り回る。 男性二人の力は強く、もう自由の利かない足を、無理矢理動かされる。 (や…や…やめて…走らせ…ない…で…し…しんじゃ…) ヒーロー二人の力で移動しているのだが、結局は私が動かなければならない。 もう既に暑さと疲労で動く事すら出来ないと思っていた体の、限界を超えさせられようとしていた。 (いや…もう…動けない…しんじゃ…うぅぅ…) すると、最後はステージ中央の壁に押し付けられた。 【ドンッ!】 (うぅ!…) 既に一人で立っている事すら厳しくなり、その場に崩れ落ちそうになる。 しかし、ヒーロー達は、私が崩れ落ちる事を許さない。 するとヒーローは二人同時にパンチを連打する。 パンチくらいでは痛くはないが、立っているだけで必死な私にとって、この衝撃すらも体力を奪っていた。 そして、崩れ落ちそうになると片側のヒーローが片手で押さえ、壁にへばり付かされる。 (あぁ…も…もう…やめて…) 暫らくして、パンチの衝撃が止んだ。 (…お…終わった…の…) その衝撃が終わると共に、私を抑える手も無くなった。 私は、もう立っている事も出来ず、その場に崩れ落ちようとした。 【ガシッ!】 すると、直ぐにヒーローの二人が、私にしがみ付いて来た。 (え!?…) 両腕を開いた状態で左右を一人ずつに抱えられた。 倒れる事も許されず、むしろ二人が完全に私を支えているような形となった。 そして、私はされるがままに、そのままステージ中央まで移動し、ステージに対して横を向いた。 (…な…何…どう…したの…) すると、私の下半身がスッと浮き上がった。 それと同時に、重力が頭の方にかかっている事に気が付く。 そして、薄っすらと見える視界…それは逆さの景色であった。 (え!?…もしかして…) 私は二人掛かりで持ち上げられ上空で逆さにされた。 …その瞬間、私は理解した…。 私の体は、今、ステージの床よりも、男性一人分くらい高い所にある…。 その状況から起こる次の事象…。 そう…私はこのままステージに叩き付けられる…。 その姿勢のまま少しの【溜め】の時間があった。 実際には少しの間なのだが、今から起こる事に怯える私には、とても長く感じる。 その溜めは、私の恐怖を煽るには充分な時間であった。 (いやぁぁぁ!!やめて!やめて!やめて!やめてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!) しかし、空中に浮き上がった私に出来る事は一つも無かった。 すると、スッと体が動き始める。 (いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!) ゆっくりと体が倒れ込んでいく。 (あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!) そしてそのまま、私はステージに勢いよく叩き付けられた。 【バターン!!】 (ぐふぅっ!!) 壮絶な音ともに叩き付けられ、あまりの勢いに軽く弾むミジール。 (ゲホっ…ゲホッ…い…痛…い…い…息が…) 痛さもさることながら、衝撃で息が詰まる。 壮絶な暑さ、酸欠、痛み、様々なものが私を襲う。 (…く…苦しい…苦しい…だ…ダメ…だ…ほ…ホントに…しんじゃ…う…よ…) もう起きることも出来ない、そう思ったがシルバーが私を起こし、背中側にまわり羽交い絞めのような形をとった。 (も…もう…むり…むり…むりぃぃぃぃぃ!!!) 「ゴールド!俺が抑えている間に止めだ!」 「分かった!必殺!コスモ・・・ノヴァァァァ!!!!」 ビームと爆発の効果音が入った。 【グヲォォォォォ!!!】 そして、私はシルバーによりステージの階段の方に投げ飛ばされた。 そして力ない私は、そのままステージ袖の階段を転げ落ちる。 もう自ら進んでいるのではなく、投げられた勢いで転がり込んだというのが正解だ。 階段を転げ落ちる痛みがあったが、そんなものは、もうどうでもよかった。 そこにあるは、控えに戻れるという希望のみだった。 (…よ…よう…やく…出られ…る…た…助か…った…) 瑞穂さんと悪の親玉役の人により、階段下からテントの奥へと引きずりこまれる。 (ぁ…は…はやく…背中を…チャック…を…開けて…) そう思ったが意思表示をする力が出てこない。 移動が終わったかと思うと、二人の気配が消えた。 (!?え…あれ!?…ぇ…なんで…あけて…くれな…い…待って、出して、出して出して出してぇぇぇ!!!) 私の心の叫びは虚しく、誰にも届かない。 そして私はショーが終わるまでそのまま放置された。 もう動く気力も体力もない私は、ただひたすらそこに転がり続けた。 ショーが終わり、ヒーロー達が帰って来た。 「お疲れ様!」 そう言って悪の親玉役の先輩がヒーロー達のチャックを開ける。 「ぷはぁ~あちい~きつかった~」 そうして、ヒーロー達は二人とも脱がされ、着ぐるみから解放されていく。 しかし、誰一人私に構いもしない。 (…な…なんで…私…は…出して…くれないの…) 力が入らない私は、暫らく周りの状況を声と音で判断するしかなかった。 周りのキャスト陣、そして司会の瑞穂さんまでも、私の事は全く気にもせず、あたかも置かれている衣装のような扱いで振舞っている。 「さて、そろそろ撤収だな」 先輩たちの予期せぬ言葉が耳に入った。 (!?…え…私…まだ…怪獣の…中に…) 私は自分の存在をアピールするため、必死に言葉を発した。 「…あ…あひて…ふだふぁい…」 必死に出した声だが、か細く力のないものだった。 しかも、怪獣の中から。 それは、周りに聞こえるかどうか分からない程のもの。 するとゴールドをやっていた先輩が言った。 「今、何か聞こえたか?」 (ぁ…せん…ぱいに…聞こえ…た…) なんとか声が届いたという安堵感が少し漂った。 しかし、それに答えたシルバー役の先輩から衝撃の一言が。 「いや、何も聞こえないな。それにしてもすごいよな、千夏はたいしたものだ。【スイプリ】よりも【怪獣】のほうが楽っていうんだからな…さすがだよ」 (!?…ぇ…) 「そうだよな、俺じゃそんなことは口が裂けてもいえないな」 「ホント、たいした【度胸】だわ」 (…ぇ…も…もしか…して…先輩…たち…) 「にしても、瑞穂のアドリブには驚いた」 「音響やってるこっちも、大慌てだよ」 音響スタッフの先輩も笑っている。 「大丈夫だよぉ~、だって千夏ちゃん、怪獣は【余裕】なんだから♪」 (ぇ…み…瑞穂…さん…) 「まぁそうか、スイプリのほうがきついって言い切るくらいだからなぁ」 (…そ…そんな…こと…ない…で…) 「まあ、千夏にしてみれば俺たちは楽してっるってことだろ」 「ははっ、そういうことだな」 (ぇ…ぁ…) 私の中で、以前、先輩たちに言った事が蘇る。 【アニメものの方がきついですよ!だって、アクションは同じようにあるし、ショーが終わったらダンスもあるんですよ!ダンスがないだけ先輩達が羨ましいですよ】 そう…私は天狗になっていた。 スイプリのショーで主役を任され、あたかも自分が人気のアイドルにでもなったかのように。 そして、他の人達の大変さも知らずに、あたかも自分が一番大変だというような発言をした。 それは大きな間違いだった。 先輩たちの会話が心に刺さる。 (ぅ…う…そ…それじゃ…ぁ…) そして、全てを理解した…朝から全てが【シナリオどおり】だったことを。 「じゃ、そろそろ帰るか」 すると、体が持ち上がる感覚があった。 【帰る】というキーワード、そして持ち上げられる感覚、それから導き出される答えは一つ。 (…そ…そんな…や…やめて…やめて…やめて…) 私は数人で持ち上げられ、中身入りの衣装のままダンボールに入れられた。 そして、ダンボールの蓋が閉じられようとする。 (…あ…あ…や…やめて!…だ…出し…て…出して…出して…た…助けてぇ…) 私の思いは虚しく、ダンボールの蓋は閉じられた。 (いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!) そして私は車に積まれ、現場を後にした。 怪獣ミジールの【衣装】として。 車の中で私は後悔と助けを求め続けるだけだった。 (…ごめん…なさい…ごめん…なさい…ごめん…なさい…。…出して…ください…出して…ください…出して…ください…) ダンボールに入れられた着ぐるみの中…。 その壮絶な暑さの中、私の思考は次第に薄れていく…。 その思考は、二つの言葉を連呼しながら…。   (…ご…ごめ…ん…な…さい…だ…出して…く……だ………さ…………) --------------------END----------------------------

軽はずみな発言 Main Story

Comments

あっ、私の作品です^ ^ リメイクしても良いのですが 、『そのゴリラは本物?』とかぶっちゃってるんです・・・

ももぴ

内容は確か、ある女の子がゴリラの着ぐるみに閉じ込めれて、着ぐるみの中に漏らして、最後は動物園に飼わされました。 もし 作者が間違いましたら 失礼します。🙈

leon10293

コメントありがとうございます! ち・・・ちなみに、飼養って、どんな作品でしたっけ? 恥ずかしながら、タイトルの保存をしていないので^ ^;

ももぴ

すごい、昔 ある着ぐるみ小説スレに拝見いたしました。飼養もリメイクする予定ですか? 次の更新 楽しみです。

leon10293


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