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お絵かきと3DCGの関係について(夏コミ進捗)

仕事と趣味お絵かきの最も大きな外因的・物理的な違いはラフ提出・フィードバックの待ち時間の有無にある気がします。

この待ち時間がないとどうなるかというと、お絵描きと生活が一体化します。寝ることと食べることと描くことに差がなくなっていきます

コミケ原稿…ギリギリ順調です。

スペースは月曜日 東地区 “l” ブロック 31bです。よろしくお願いします




3D使ってキットバッシュ的なアプローチのお絵かきに対する気づきが少しずつ蓄積されてきた。個人的な意見もだいぶ含まれてるけど、箇条書きにしてみます


・自分にとってお絵かきに3Dを使う理由は主に

(1)複雑な構造or莫大な物量or繰り返しをともなうモチーフを扱う

(2)キットバッシュ特有の”絵肌”・パース感・画面がほしい

(3)同じロケーション・モチーフを複数のイラストで使い回す

ためであることをまず一応自覚しておく。

・なので必然的に、画面上に現れる情報量・物量は多めになりがち。その物量を扱いたいから3Dを使うわけで、別に悪いことじゃない…とはいえ工夫しないとどんどん見づらい絵になっていく。だから、代わりに他の要素をできるだけ単純化する

・その第一候補はライティング。単一光源で影をパッキリさせて、いつものイラスト以上に光影の演出意図をシンプルに示す。光があたっている面とあたらない面をしっかり設定する。ふわふわした気持ちで適当にライティングするとちゃんと事故る(まあ、イラストもそうだ…)

・その次に、マテリアルとかベベルとか真面目にやりすぎない。それらはプリセットのシェーダーの数値を入れ替える程度の使い方だと画面がどんどん写実に向かっていき、どこかでイラスト的表現とバッティングする。

・もちろん、このバッティングは嫌うこともできるし、楽しむこともできる。


・3Dは時短にはならない(プロップ作っといて使い回すなら話は別)


・cyclesのような物理ベースレンダラーは、素のまま(凝ったシェーダーとかコンポジットとかやらない)だとどこまでも物理法則・写実に則った画作りをするので、人によっては普段イラスト上で走らせている脳内レンダラーと根本的な食い違いが生じる。たとえば自分は空気遠近法やパースを駆使して立体的な空間表現をしていたと思いこんでいたけど、むしろ明暗の差で単純化された前後関係を重ねる2次元的な表現にかなり比重を傾けたスタイルだったことにようやく気づいた。3Dを使うとその写実性に引っ張られて露骨にキャラの描き方が変わる。これは上で書いた「情報量と引き換えの単純化」が3D側で足りてないからでもある。

・自分のイラストのスタイルと3Dに関する技術のすり合わせが必要。CyclesじゃなくてEEVEEで絵作りできるように練習するべきかもしれない…

・でもトゥーンシェーダーのような手描きに寄せる表現をしたいわけでもない

・色の考え方も難しい。画面の上に色を置くのではなく、モチーフの固有色が空気や光の反射を通した結果としてレンダリング画像に現れるのが物理レンダラーなので、イラストとは試行錯誤のフローが根本的に変わる。だからそれ専用の脳内回路を育てていく必要があるし、配色にもイラスト以上に計画性が求められる感じがする。


・そして、イラスト以上に悪い意味で理性が感覚を支配していく。3Dを使いながら正気を失うってすごく難しくないですか?


ゲームの感想をちゃんとサボらず書きたい。支援者さんは誰も得しないとはわかっているんだけど、ここに書いていかないとツイッターのサブアカウントで良いも悪いもポロポロこぼしてしまう…

・崩壊3rd

1ヶ月弱かけて1部のストーリーを見終えた。この話がスゴいのは”誰もバカ側に立ってくれないこと”だ。キアナは序盤こそバカ代表みたいなポジションにいたけれど、自分の背負った使命と責任をしっかり自覚して成長していく。気づけば、クソ難しいことをキャラクターたちが言い合っている場で全くついていけてない自分に寄り添ってくれる子はひとりとしていなくなっている。一応誰かが要約したり説明してくれるんだけど、簡単にはしてくれない。

話もちょっとうんざりするほど長いし、同じ話を何度もされているような気すらしてくるんだけれど、要所要所で、あとから振り返りざるを得ないような熱いシーンがやってくる。以前スタレにも同じことを言ったけれど、3rdはそれ以上に「プリミティブなオタクの夢」がリッチに且つ濃密に詰め込まれている。でも、飾り気はない。だからこそ”プリミティブ”なんだけれど。

その振り返りの目安になるのがたまに挟まるショートアニメで、これが本当に良くできている。17章のやつは3Dと手書き作画のハイブリッドとしてこんなに高いレベルで成立しているものを他に見たことがない。(そのわりにはあまり取沙汰する人も見かけないのが不思議…)

いろんな手法や表現を貪欲に取り入れて崩壊3rdというゲームそのものが成長していく勢いは、今一気にプレイして全体を俯瞰できたからこそ強く感じる。これは映像のみならずこの作品のあらゆる要素に言えることで、序盤こそステージクリア制の正直退屈なベヨネッタフォロワーアクションだったのが、すこしずつ各キャラクターごとのギミックが増えていき、ちょっとしたワイドリニア・箱庭を探索するシークエンスが導入され、ダイアログのUIでさえどんどん更新されていく。世の中に商品として出回るクリエイティブたちが大切にする「安定した品質」をちょっと犠牲にしてでも、このタイトルをこのタイトルのままさらに高度なものにしていくという気概があり、圧倒された…原神もスタレも一朝一夕にできたものでは決してなかったんだ。

お絵かきと3DCGの関係について(夏コミ進捗) お絵かきと3DCGの関係について(夏コミ進捗)

Comments

基礎を大事に頑張ります。「ガンガン描いていきましょう。」すごく力になりました。丁寧に教えて頂きありがとうございます。

ponyo

アニメ風と写実のバランスをとる…という考え方自体が、あまり効果的でないと思います。 ponyoさんの考える「アニメ風」を想像するに、それをどう言い表すかは色々あると思いますが、おそらく写実の効果的な省略と魅力の誇張の結果がその本質のように思えます。 そう考えた場合、逆に「写実」というのはごく基本的な立体の把握とそれを明暗と色で正確に表現する技術…つまりお絵かきの基礎力にあたるものなんだと思います。 何が言いたいのかというと、基礎力を上げればその悩みは徐々に解決していくと思います。 そもそも(れおえんはともかくとして…)ああいった画風はかなり高い立体把握・表現能力があるからこそ実現できています。 アニメ風…言い換えるとデフォルメは、ある意味では基礎的な画力を一旦無視して「鑑賞者からどう見えるか」という領域に直接タッチできる側面もありますが、挙げていただいた作風に限っては、運悪くそういうちょっとしたズルができない高度なものなんです。 べつにデッサンしないとそういう力は育たないわけではなく、自分の経験から言えば、いろんなものや題材を観察して描いていくことで徐々に培える能力です。その道中でうまい人達が使っているちょっとしたテクニックに気づいて試したりする楽しみ方も挟みつつ、ガンガン描いていきましょう。

れおえん

質問なのですが、塗りの工程でアニメ風と写実のバランスをとるのが上手くいかずいつも想定よりもアニメ風な印象になってしまいます。たまに上手くいく場合もあるのですが作業のどこが違うのかわからずに悩んでいます。 れおえん先生やCreamyGhost先生のようなデフォルメ具合が好きなのですがアニメ風と写実のバランスのコントロールの考え方やコツなどありましたら教えて頂きたいです。よろしくお願いします。

ponyo

本当は常に安定した絵柄を決めて描きたいんですが、まず同じものを描く技術が低いのと、同じ描き方をするとすぐに自分の中で陳腐化して(顔のパーツではなく単純な記号にしか見えなくなって)しまうので、その場のノリを大切にしている…というのが理由です  できることなら同じ感じで描きたいです!やはり目って絵柄を印象付けるラベルみたいな役割を果たすので、フリーランスでイラストレーターをやるには安定して描ける方が好ましいです

れおえん

れおえん先生のイラストは絵によってかなり目の描き方が違うように見えるのですが、何か共通で大事にしてる事とか、目に対しての考え方みたいなものはありますか?

sakamoto

わかりづらくてすみません。 立体表現は知識というよりも基礎体力に近いので、気長に頑張ってください。

れおえん

ありがとうございます😭自分なりにはかなり咀嚼してようやく理解できたように感じています。 恐らく今まで無意識に立体を捉えていても、明暗の立体を捉えるものとしての認識自体かなり疎かだと思い返せました。実際これまで描いている時は描き続けると2Dで捉えた時のみしか頭に無く、どのようにして単調な場所をかき消そうか、明暗をひとまず分かりやすく…などにばかり躍起になっていたように思えます。何より影に足す色たちへの別側面での理由付けは俺の中には無かった思考です。 実際に意識して描き出すと考えることというか選択肢がかなり飽和してきたので、何度かこの指摘を見返しながらいくつかの立体物の観察•模写をして思考を習慣付けて慣らしていこうと思います。 丁寧なアドバイスをありがとうございました!

眷爛

ご回答ありがとうございます!! 追記ですが、れおえんさんがゲームの感想をお伝えしてくださることによって、ペンを持つ時間だけが「絵を描く」ということではないのだと、実感できました。 絵を描くことが上手くなりたい為に、それ以外の時間、小説を読む時間や特にゲームを封印しましたが、本当に良くなかったです。 お忙しい中とは思われますが、 これからも更新を楽しみにしています!

ゆき太

たぶん…立体を把握する力がまだ足りてないんだと思います! 明暗や配色は平面構成を豊かにする手段(2D的視点)でもあり、面・立体の表現をするためのもの(3D的視点)でもあります。おそらく前者については理解できつつあると思うのですが、結局のところ前者と後者の両輪で(多くの場合)絵は成り立っています。 たとえば、影色に足す色は、絵に情報量を足すためでもありつつ、メインライトとは別の微弱なライトを別の方向から照射した結果、その面から反射した光(結果的にそれが面の存在を示す)と言うこともできますし、絵の線画は、モチーフとそれ以外を区別するためでもあり、”キワ”の面の表現でもあります。(blenderで平面を作ってそれをカメラに向かってほぼ水平に回転すると、ほどんど線に見えます。これが線画のいち側面) 自分の絵において出現しているコントラストは、そうした立体表現をわりと基本に忠実に表現した結果であることが多いです。 このコントラストをすごく小さくしたり、極端に階調を狭めて(いわゆるアニメ塗り)立体表現をする人たちもいます。その人達は卓越した立体把握・表現力を持っています。 その一方で、明暗のレンジを同じように広くとった絵でも、その白と黒の面積の割合や構成に何らかの工夫があると、それが絵の印象を強めることもあります。 れおえんの絵は「白い絵」と捉えられる一方で、その観点から見れば、カメラの露出を極端に上げるように立体表現上の明るい部分を比較的多く、強く取るのが特徴と言えますし、今回の絵もその点で参考になると思います。 こう説明すると、絵の捉え方は2D的・3D的観点のどちらからも説明できるようにそれぞれが絡み合っていて、そのどちらも理解に重要なことがわかりますでしょうか。

れおえん

質問ありがとうございます。 ・イラスト・3D作業は全部Macでやってます!Windowsはゲーム用です ・blenderオンリーです。アンリアルエンジンはかなり興味ありますがまだ踏み出せてないです。モデリングはblenderですることになりそうですが構図の検討やライティングはゲームエンジンで進めたほうがずっと早そうなイメージがありますし、スキルセットにも幅ができて一石二鳥…のはず ・配布されているPhotoshopブラシは何個かインポートして使ってます

れおえん

・ゲームの感想はプロ選手の飯メニューを聞いているような感覚で凄く助かってます。これからも続けてくださると大変嬉しいです 長文大変失礼致しました

眷爛

更新ありがとうございます! れおえん先生の3Dハイブリッド作品をまた見られたこと嬉しく思います。イラストオンリーの絵でよく見られたザラザラやアクリルガッシュのようなテクスチャの良さもさることながら、本文でも触れられていた3Dでしか見られない質感にこれを融合する時のバランス、が見事過ぎて驚きました。これからも応援しています。 以下質問に関してです ・先生がおすすめして下さった教本「vision」を一年ほど前に読んだ後に、シルエット及び絵の基本となるモノトーンによる明暗の分かれ目を強く意識するように描いてきました。それにより特に寒色の彩度の低い色を用いたキャラクターを描く際に明暗のコントラストの強弱に苦戦することが多くありました。 目を引きたい場所の衣服や髪の明度を明るくしようにも、肌の色や他の明暗を分けて区別していた箇所と近くなり混ざってしまったりです。 その為、主に衣服の端や肌の曲面などにエアブラシタイプのブラシで分かりにくく暗い色、もしくは明るい色を挟んだり、部分的に彩度を上げたりなどして凌いできました。(先生の絵、もしくは絵のデータ等を拝見した際に、時々そういったレイヤーや場面を見ることがあった為) ただ、それでも先述のやり方を取ると絵的に不自然な明暗を作り出してしまい、それに怯えて分かりにくくする為にコントラストを弱くしてしまうと全体的に薄くのっぺりな、逆に強すぎると不自然な明暗によって違和感を感じてしまいます。薄い印象を与えるのに画面全体が白である必要は無いと理解してはいるのですが、それでも「薄暗い場所で見える白」のような色が掴めないです。 キャラクターデザインに親切にトーンを破壊できるような彩度の強い色があると比較的上手くは行くのですが、それでもやはり彩度が低い場所の浮き方が目に余ってしまいます。先生の絵をスポイトやグレートーンで観察してみると、コントラストが弱い印象を受けるようで実はものすごく強かったり(今回のイラストだとアウターとインナーの境目等)と不思議な印象が見受けられるのですが、一体何がそれを引き起こしているのかが掴めないです。 恐らく俺自身の絵に対しての基礎的な経験不足、知識不足が引き起こしているのだとは思うのですが先生自身の思惑から該当する事などあればご教授願いたいです。言語化が下手で大変申し訳無いです。

眷爛

投稿、楽しみにしていました! ありがとうございます! 以前からなんとなく気になっていた、機材などのご質問をさせてください。 ・ツイートを拝見して気になりました。Mac StudioからWindowsでの作業に切り替えましたか?もしそうでしたら、理由などをお聞きしたいです。   ・3Dソフトはblender以外に使用しているものはありますか?個人的にアンリアルエンジンの方が良さそうだなあ、と思い気になっているところです。また、blenderを選んだ理由がありましたら、お伺いしたいです。 ・Photoshopブラシをクリスタで使うことはありますか? よろしくお願いいたします。

ゆき太


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