まだ重い頭で、起き上がりながら、自分が酒を飲んでそのまま眠ってしまったことを思い出し、現在股間と尻の谷間までひやっと張り付くような不快感の正体に血の気がうせる。 ある程度のハメを外す事は、大目に見てもらっているとはいえ。 さすがに、泥酔した挙句。上司の布団の中でオネショという状況は申し開きようのしようが無い。 「むっちゃん、起きてたのか?」 朝ごはんを用意してくれていたらしい上司であり、恋人である五郎の登場に。身を強張らせ、どう説明すべきか、目を泳がせながら口を開閉し、結局唇を噛んで出せない言葉を飲み込んでしまう。 その様子と、近くに来てコーヒーを差し出しかけたところで。 かすかに臭ってしまっている、正体に気づいた。 ゴロウに怒ったとも呆れたともいえない優しい笑みで。 「なんだ、寝小便しちまったのか?」 『寝小便』という改めて言い直される単語に全身羞恥の熱で溶ける思いをしながらも。 正直に頷く。 特に叱る理由とは思っていないのも知っている。 彼が悪い子だと自分のことをひどくしかるときは。 彼との仕事の約束を破った時だ。 少なくとも、どれほどなさけなくても理不尽に叱ったり、嘲笑することはしない。 ソレは分かっているはずなのに、脳はそのとまどいの処理を行ってはくれない。 「まぁ、ちょっと深酒しちまったな?」 だんだんと思いだす記憶の中では。 プロジェクトに入れてもらえなかったことに駄々をこねながら。 ゴロウの酒まで。 「ゴロウさんがイジワルするなら、俺もイジワルします。」 と拗ねた口調で、幼稚な言葉を使い罵倒し、ビールの缶を3本ばかり開けてしまったのだ。 「ご、ごめんなさい。」 泣き出しそうになりながら、濡れた布団の上で冷えてきた。 ぐっしょりと濡れたズボンとパンツごしに、チンコをぎゅっと握り締めこれ以上粗相の無いようにと俯きながら泣きそうになる。 「おいで、今週はイイコだったからキモチイイ一日にするつもりだったけど。今回は体にも悪いって判ってんのに、おいたしたお仕置きが今日の最初のノルマだな。」 「っ」 ビクリと指先が跳ねさせたせいで、ゴロウに察されてないかと。 おそるおそる顔を上げるが、そういったことは無いらしい。 ゴロウからは既に、他の人には言えない性的な悪戯や、恋人同士ののうはう、おしりペンペンのお仕置きを教えられて。 体は直ぐに反応する。 それでも、仕置きだと判ってる時はどうしても恐怖心で足が竦んでしまうのだ。 「どうした?」 「だ、だって、ズボン汚れちゃいますよ?ぼ、僕、シャワー浴びて着替えてきますから。」 お仕置きから逃げるつもりは無いが、気にしすぎてパニック気味な恋人の手首をそっと握り。 「むっちゃん、むっちゃんのオシッコくらい気にしないし、そんなかわいい染みなら大歓迎だから。来なさい。」 オシッコという単語に。背筋を中から撫でられるようななんともいえない感覚を味わいながら。 観念してそっと、ゴロウの胡坐の上へと腹ばいになる。 「ん、いいこだなぁむつは。」 カラコロと笑うその人に困惑しながらも、されるがままキスを額に落とされる。 「ん、はむっ……ん……ん……ちゅ、ペロ。」 おおよそ普段しているものとは違う大人のキスで。 途中までは対抗していたが。 的確に感じやすい場所を探し。口腔の中まで心地いい支配にトロンとしながら。脱力していると。 「うん、体硬くしたら余計痛いからな。今日は年の数、より、すこしおまけして。二十発尻叩いたら寝小便の失敗についてはチャラ。わかったな?」 何日も気にしすぎる。 許してもらうためにひどいお仕置きを求める。 真面目ゆえの弊害とでもいうのか。ムツの性格を把握してるからこその折半案だ。 最初はゴロウの布団を濡らしたこと。 大人になってオネショをした。 そのほかにもイロイロと、言い訳しようとしていたが。 キスと、宣告で。 思考まで溶かされ。改めて、借りてこられた猫のように大人しく、ひざの上で抱えられる。 ドキドキと早鐘のように緊張で走る鼓動が、太ももから、全てバレてしまいそうで。身動きでない。 「じゃあ、20カウント。我慢しなさいね。」 そういうと、グッショリと、危惧したとおり、彼の服にも染みる尿の跡も気にせず。少しだけズボンをずらすと。 パン!パン!パン!パン! と、連続で尻を打つ音にまじり、漏らしたパンツの音までひびく。 「っ、ぅ」 のどがかっと熱く痛く詰まるのをこらえながら。 呼吸の苦しさと、ピリピリと痛む尻に、 叱られない程度に体をよじろうとするが、ソレに気づくと。 優しい彼によってもとの体勢に戻されてしまう。 「ごめんなさい。ごめんっ!!なさぃ……!!」 うっすらと額には汗を浮かべ。 ぐっしょりと濡れた下着やズボンをずらした部分から覗く薄桃のように色こそ薄いが、ほかほかとあたたまった尻へと。 手を伸ばし。ゆっくりと撫でられる。 「大丈夫、怒ってないから、な?ちゃんと呼吸して。」 パニック気味に尻をよじる体を抱き上げながら。はりついた前髪をよけ。 もう一度、落ち着いたかを確認すると。 オマケというように三発だけ。 気を抜ききった尻へとおみまいされた。 思わず小さな悲鳴が漏れるが。 「終いだ。もう、どいていいぞ?」 ひざからの開放宣言。 もちろんひざからは開放されたい。 お仕置きを好んで受けてるわけではないが。 ダメ押しの、見捨てられてない確認が欲しくなるまで。 目の前の男は自分をダメにしてきたのだ。 「少しだけ、その……少し、でいいので、抱擁してください。」 もそもそと身を起こし、耳まで赤くしながら呟くムツに。 「おいで。」と優しい声で返し腕を頭と背に伸ばし抱きしめる。 「赤ちゃんのむっちゃんも好きだけど。こうやって、ちょっと甘えん坊な恋人としてのむっちゃんは俺は好きだよ。」 ゴロウのその発言に安堵しながら、照れくささで、目も見れず。 ただただ幸せな時間を堪能するのだった。