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【没原稿】「ハーレムを作りたいから男は不要!」と勇者に追放されたけど俺の『オートポーション』いらないの?~回復が追い付かず全滅しても、もう遅い。パーティーの女の子全員が勇者を見限り、俺についてきたようです~

第一話『え!? オートポーションいらないの?』 「ラムザ、ぶっちゃけお前いらないんだよ」   それはクエストからの帰り道の事であった。勇者ディリータは唐突に俺に告げてきた。 「今なんて言った? ディリータ」 「だから、お前はいらないっていったんだよ」  俺はアイテム士として勇者パーティーに貢献してきた。それなのにいきなりのディリータの発言に俺は耳を疑った。 「どうしてそうなるんだよ?」 「俺様のハーレムに男はいらないんだよ。今までは男のお前を我慢して使ってきたけどさ」  ディリータは躊躇いもなく吐き捨てる。 「も白魔導士の女の子も十分育ったし。お前を使う理由なんてないんだ。今までは回復役が育ってなかったから仕方なく使ってたってだけでよ」 「そうか。俺がいるとそれだけでパーティー全員が自動でポーションを使って回復できるんだぞ。タイムロスなく回復できる事の意味をお前はわかってるのか?」 「いいから出てけよ。最強の俺様にはアイテムなんて必要ねぇんだよ。それに回復なら白魔導士にやらせとけばいい。どっちみちアイテム士のお前なんていらねぇんだよ」 「そうか……わかったよ。出ていくよ」 こうしてアイテム士である俺はパーティーを追放されたのだ。 「へへっ。今までご苦労だったな。アイテム士のラムザ君」  勇者はにたにたと笑みを浮かべていた。 ◇ 「さて、これからどうするか」 勇者パーティーを追放されたのは突然の事ではあったが、おかげで身軽になったのは事実だ。お世辞にも勇者ディリータは人格者とは言えなかった。あいつの元で働かなくてよくなったのはむしろ好都合だ。 冒険者ギルドに登録して別のパーティーに加入するのもいい。王都でアイテム屋を開くのもいい。 明るい未来が開けてきた。勇者パーティーを追放されたことが人生の転機になるかもしれない。 「はぁ、はぁ、はぁ! 待ってください! ラムザさん!」 「お、お前は。アルマ!」  剣聖アルマ。勇者パーティーに加入していた剣聖。主に剣を以って攻撃する職業(ジョブ)である。なぜ彼女が俺を追ってきたのか、最初は理解ができなかった。 「どうして俺についてきたんだ?」 「ラムザさんは勇者パーティーに必要不可欠なお人です! ラムザさんを失った勇者パーティーに未来はありません」 「辞めてきたのか?」 「はい」 「でも辞めてどうする? 何をするつもりだ?」 「私はラムザさんとパーティーを組みたいです」  アルマは俺の手を握ってきた。 「アルマ……」 「だめでしょうか?」  だめなわけあるか。こんな可愛い女の子に頼まれて。勿論それだけではない。アルマは俺に絶対的に必要不可欠な人物だ。  アイテム士は物理攻撃に長けていない。その為、ダメージを与えられるアルマのような前衛は必要不可欠なのだ。 「いいよ。アルマ。一緒にパーティーを組もう」 「はい! よろしくお願いします!」  こうして俺達は新規にパーティーを結成する事になった。俺にとって新しい門出だ。  勇者ディリータは俺を追い出した事で全てが順調に行くと思い込んでいたようだ。  だが、その後勇者ディリータが転落していく事になるとは彼は思ってもいない事であった。 【勇者SIDE】これで俺様のハーレム完成だ! 良いとこ見せてやるぜ! 「ぐふふっ!」  アイテム士ラムザをパーティーから追放した勇者ディリータは邪な笑みを浮かべる。 「完璧だぜ! 最強の俺様にアイテムなど不要!! あんなアイテム士なんてもういらねぇ! さらにはこれでパーティーの残るメンバーは可愛い女の子だけだ!」  ディリータはなぜかパーティーメンバーから好意を寄せられているラムザの事が気に入らなかったのだ。ディリータは考えた。こいつさえいなくなれば俺がモテモテになってハーレムを作れると。 「ひい、ふう、みい。おかしい。一人足りないな」  勇者ディリータはパーティーメンバーを数えた。一人足りなくなってたんだ。 「……アルマ様ならパーティーを抜けられるそうです。そう勇者様に伝えておいて欲しいとの事です」  黒魔導士の少女が伝える。 「なにいいいいいいいいいいいいいい!!! なんだと! こ、これは俺のハーレム要因が一人……いや、なんでもない。今のは間違いだ。こほん。少なくない戦力ダウンだな。だが、安心してくれ皆のもの! なにせ俺は最強の勇者ディリータ様だからなっ!」 「「「はぁ……」」」    残るパーティーメンバーは生返事をする。  いかんいかん。これではいかん。いっちょかっこいいところを見せにいかないとな。 「皆のもの!! 新しいクエストへ向かうぞ!! これからは前回よりも難関のクエストエリアに向かう!! 強いモンスターも出てくるから気を付けるようにな!!」 「「「はぁ……」」」  士気の下がってきたパーティーメンバーは気のない生返事をする。  ぐぬぬっ。これではいけにないぞ。ディリータはそう考えた。  いっちょ、俺のいかしたところ。最強の姿を見せなければ。そうすれば彼女達の士気も一発でマックスまで上昇する事であろう。 そして。  女好きのディリータは卑猥な妄想をしていた。以下勇者ディリータの妄想。  妄想の中では巨大なドラゴンがいた。 「食らえ!! ドラゴン!! 俺様の聖剣エクスカリバー!! ドラゴン斬りだぁ!」  ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!  ドラゴンが断末魔をあげて果てた。 「どうだ!!! 見たか!!! 俺様最強!!!」 「「「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」」」  パーティーメンバーの可愛い女の子たちが駆け寄ってくる。 「流石は勇者様ですわ!」 「素敵です! あの強大なドラゴンを一撃でなんて!」 「もう最高! 一生ついていきますわ!」  女の子達は目の色を変えていた。 「当然の事をしたまでだよ。なぜなら俺は最強だからねっ! アイテムなんて使う必要もないよ」  ディリータは笑みを浮かべる。女の子達はとろんとした目になる。 「ぐふふっ」  そして、夜、宿屋で。女の子達との乱れた宴が開かれる事となる。 「ああ!!! 勇者様!!! 激しすぎますわ!!!」 「ず、ずるいっ!! 勇者様!!! 私も欲しいですっ!!!」 「もう、勇者様から一生離れられませんわ」  裸の女の子達がディリータにまとわりついてくる。  ディリータの妄想は終わった。 「ぐふふっ!」  ディリータは涎を垂らしていた。 「やってやるぜ!! 俺のハーレムライフはすぐ目の前だ!!」  ディリータは聖剣エクスカリバーを天高く掲げた。パーティーメンバーの女の子達はひそひそ密談する。 「大丈夫かなぁ?」 「わ、わかんないけど……なんか不安」 「だめそうな気がする」  不安な気持ちを抱きつつも、それでも彼女達は流されるように勇者との同行クエストを続けるのであった。 【勇者SIDE】あれ? こんはずじゃ、俺様のハーレムが……  勇者ディリータ率いるパーティーは火山エリアを訪れていた。今日からより難易度の高いエリアを攻略する予定になっていた。  奇しくもその光景はディリータが先日妄想した局面とうり二つであった。 「ぐっふっふ。予知夢ってやつか」  予知夢……意識が覚醒していたので正確にはそうではないと思うが。  ともかくディリータ達はそのエリアを進んでいく。そして、そのモンスターは姿を現した。 「きゃっ!」  黒魔導士の女の子が悲鳴をあげる。  ギャアオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!  雄叫びが聞こえてきた。そいつはものすごい火を噴いた。ドラゴンである。火属性のドラゴン、レッドドラゴンであった。  奇しくもそのドラゴンもディリータの想像通りのモンスターであった。 「皆、下がっていてくれ。これから俺の最強のところ、そして最高にかっこいいところを見せてやる。うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」  ディリータは腰の鞘から聖剣エクスカリバーを抜いた。ここまでは妄想通りの展開だ。  ディリータはにやけた。そして、かっこよくこのモンスターを倒して、それでモテモテになって、それで夜はしっぱりむふふと。 「食らえ! ドラゴン! ドラゴン斬り!」  ディリータは剣技スキル『ドラゴン斬り』を発動した。要するにドラゴンに対してよく効く剣術である。  ふっ。決まった! ディリータはそう思っていた。  ――しかし。  ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!  ドラゴンは再び雄叫びをあげた。ドラゴンは健在だった。一撃でHPを削り取るには至らなかったのである。 「なに!?」  ドラゴンはボワアアアアアア!!! と炎のブレスを吹いてきた。ディリータはまともに食らってしまう。 「ぐ、ぐわっ! 熱い! 熱いぞっ! 死んでしまう! 仕方ない、ポーションでも飲んで回復を!」  しかし、ドラゴンは間髪入れずに攻撃をしてくる。当然のようにこちらが回復するのをドラゴンが待ってくれるわけがない。  しっぽによる回転攻撃が行われる。ディリータは吹き飛ばされ、壁にぶち当たった。 「くっ! 畜生このドラゴン!! 人が回復しようとしているのに、なんて卑怯な奴だ!!」  モンスター相手に何を言っているんだという感じではあった。  ディリータは焦った。このままでは死んでしまうと。死んでしまったらハーレムも糞もない。 「撤退だ」 「え? 今なんとおっしゃいました?」 「戦略的撤退をするといっているのだ」 「逃げるんですか?」 「馬鹿者!! 戦略的撤退だと言っているだろう!! 『逃げる』などという姑息な言葉を使うな!! この大勇者ディリータ様が逃げるはずがないだろうが!!」 「「「はぁ……」」」  パーティーメンバーは気のない生返事をする。 「行くぞ!!」  こうして勇者ディリータはドラゴンから尻尾を巻いて逃げる――もとい戦略的撤退をした。 『オートポーションの力で強モンスターに勝利する』 こうして、俺とアルマは同じパーティーとして行動するようになった。 さて、まずどうするか。 「いかがされましょうか? ラムザさん」 「とりあえず近くにある街レナリアに向かおうか。そこで冒険者クエストを受けよう」 「はい!」  俺達はディリータ達と別れ、レナリアを目指す。  ――と、その時だった。  大地が震える。 「ん? なんだ?」 「ラムザさん! あれを見てください!」 「あっ、あれは!」  俺達の前に巨大なモンスターが姿を現す。 「あ、あれはっ! ミノタウルス!」  俺達の前にミノタウルスが現れた。巨大な牛の顔を持ったモンスターで、手には大斧を持っていた。  その攻撃力は強大で、かなりのHPを削られてしまう事であろう。普通はパーティーが一団となって闘わなければ勝てない相手だ。  しかし今の俺達のパーティーは二人である。アイテム士である俺と剣聖であるアルマの二人だ。  本来はミノタウルスは攻略できるようなパーティー編成ではない。  グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!  俺達と遭遇したミノタウルスは吠える。完全に俺達を敵だと認識したようだ。 「いかがされますか? ラムザさん」 「本来なら逃げる一択の相手だけど……」  前衛であるアルマのHPや防御力はそれなりに高い。ミノタウルスの攻撃を食らっても耐えられるはずだ。 「アルマならいける。闘おう!」 「はい! はあああああああああああああああああああ!」  アルマは剣で攻撃をする。ミスリルソードの一撃。 「たあっ!」  ミノタウルスに鋭い剣技を放つ。ミノタウルスはダメージを食らった。しかし当然のようにアルマの一撃を持ってしても倒しきれるものではない。  ミノタウルスは攻撃力も高いがHPも高い、厄介なモンスターである。ミノタウルスは斧で反撃してくる。 「きゃあ!」  アルマは攻撃を食らった。HPが大きく削られた。しかしそこで俺のオートポーションが発動する。アルマのHPが回復した。  いける。死ななければ勝てる。戦闘の基本だ。  こうしてアルマは攻撃し、俺のオートポーションでHPを回復。もしHPが足りなくなった場合、俺のターンを使用してさらにポーションをかけてやればいい。    こうして持久戦に俺達は持ち込んだ。その末、ついにその時はやってくる。  グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!  ミノタウルスのHPが尽きた。ミノタウルスは絶命する。 「やりました! 倒せました!」 「ああ。何とかなったな」  普通はまともにパーティーが揃っていないと倒せない強モンスターだったが、何とかなったな。 「ありがとうございます。これもラムザさんの『オートポーション』のおかげです」 「何を言っているんだ。アルマがいなければまともにダメージを与えられなかった。結局ダメージを与えられないとモンスターは倒せないんだよ」 「いえ。死んでしまっては元も子もありませんから。ラムザさんのおかげですよ」 「まあ、そういって貰えて嬉しいよ」    さっきの闘いで俺達のレベルもあがったようだ。  てれてーてってってっててー!!! レベルアップ時の効果音が聞こえてきた。  俺達はLVがあがった。俺のLVが7から8に、そしてアルマのLVが6から7になった。 アルマは攻撃スキル『ホーリーブレイク』を習得した。 「やりました! ラムザさん! 私強くなりました」  それなりにG(お金)。も手に入れたし、俺達は万々歳の結果で戦闘を終えた。 「レナリアへ向かおうか」 「はい!」  途中色々とありつつ、俺達はレナリアへ向かった。この時俺達は勇者ディリータ達が苦難に陥っているという事を知る由もなかった。 【勇者SIDE】俺様は最強のはず! この前のは何かの間違いだ! 「うぐぐっ! なぜこの前クエスト攻略で戦略的撤退をしてしまったのか!?」  宿屋で勇者ディリータは悩んでいた。クエスト失敗というわかり易い言葉ではなく、戦略的撤退と言っているのは彼のプライド故であろう。 「今までと何が違う?」  違うのはそうだ。確かにアイテム士ラムザはいなくなった。そして剣聖アルマもいなくなった。  もしかしたらその影響なのかもしれない。今までクエスト攻略に失敗した事などなかった。 「まさか、あいつか……あのアイテム士、ラムザがいなくなったせいなのか。いや、違う! 違うはずだ! 俺様は俺様一人でも最強のはずだ! 俺様にアイテムなど必要ない! 『オートポーション』なんて必要ない!」  ディリータは反省などしない男であった。自分が最強だという自負があったからだ。自分が負けるはずなどないと。  ラムザは他のパーティーメンバーを呼びつけた。  ◇ 「皆! 次のクエストへ行くぞ!」 「大丈夫なんですか?」 「何がだ?」 「だってこの前クエスト攻略に失敗したばかりじゃないですか。前と何も変わってませんよ」  白魔導士の女の子は訴える。 「失敗などしていない! あれは戦略的撤退をしただけだ!」 「そうですか……」 「今度は同じ間違いを俺様はしない! 絶対に勝つ!」 「「「はぁ……」」」  パーティーメンバーは気のない返事をする。  ぐぬぬっ。こんなはずでは。勇者ディリータは苦悩した。今回こそ、かっこいいところを見せねばならぬっ。 そうでないと、俺様のハーレム道に陰りが見えてしまう。 「いかんっ! いかんっ! 勇者ディリータ!! 俺様はハーレム王になる男だ!!」  もはや魔王を倒すような使命を忘れ、勇者ディリータはひたすらに色欲に狂っていた。モテたい。ヤりまくりたい。そういう性欲だけで彼は動いているのである。  魔王を倒す、モンスターを倒す、という事はただの手段である。倒す事で要するにモテて、モテた結果ハーレムを作りたいだけなのである。 「行くぞっ! 皆のものっ! 今回は準備万端だっ! 全く負ける気がしないっ! この前のは何かの間違いだっ! 俺様は最強だっ! 失敗などありえないっ!」  ディリータは剣を天高く掲げた。  パーティーメンバーはひそひそ密談する。 「だめそうな気がする……」 「私も……なんか絶対失敗しそう」 「どうして私達この人とパーティー組んでるんだろう」  ディリータのテンションとは対照的に、パーティーメンバーのテンションは下がる一方であった。  かくして学習能力のない勇者ディリータは次なる戦地へと出向く。 【勇者SIDE】また戦略的撤退だと! そんな馬鹿な 勇者ディリータ達はアムスデル平原に来ていた。 「よし! 今日はここでモンスターの討伐クエストをやるぞっ! 経験値がウハウハ、そしてGもウハウハ! 俺様達のビクトリーロードがそこに見えているっ!」 「「「はあ……」」」  威勢の良いディリータの呼びかけにパーティーメンバーは気のない返事をする。 「さあ、行くぞっ! 皆の者!」  その平原にはボムという火属性のモンスターが多数出現した。ボムは単体の攻撃力やHPは多くないが、数自体が多く、また自爆してくるため、なかなかに厄介なモンスターだった。  自爆は自身の生命と引き換えにするため、かなりの大ダメージを与える大技であった。 「いくぞっ! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」  ディリータはボムに斬りかかる。 「てやっ!」    ディリータの攻撃がボムに当たる。しかしボムのHPは僅かに残っていたようだ。ボムは自爆した。 「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」  ディリータは悲鳴をあげる。 「く、くそっ!」  次々とボムが襲い掛かってくる。 「ポーションを飲んでいる暇がない。白魔導士シロナよ! 俺様に回復魔法をかけろ!」 「は、はいっ! きゃっ!」  しかし白魔導士に他のモンスターが襲い掛かってくる。ゴブリンナイトだ。雑魚モンスターではあるが、白魔導士は回復専門のジョブで近接戦闘が著しく弱い。  結果として白魔導士は回復魔法を発動している暇がなかった。 「なにいいいいいいいいいいいいいいいい!!! 回復魔法はまだかああああああああああ!!!」 「そ、そんな事言われても!」 「ゴブゴブ!!!」  ゴブリンナイトが斬りかかってくる。 「きゃっ!」 「くっ! 何をしているっ! 俺様がピンチではないかっ! 仕方ない、自分でポーションを」  ディリータはアイテムポーチからポーションを取り出す。しかし。  ボムが自爆する。 「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」  ディリータは爆風に巻き込まれ転がった。 「そ、そんなっ! ポーションを唱えている暇もない! 白魔導士も攻撃を食らって俺様を回復させられないっ!」  ディリータは悩んだ。 「撤退だっ! 戦略的撤退だ!」 「「「はあ……」」」  パーティーメンバーは白い目でディリータを見始めた。 「また逃げるんですか?」 「逃げるのではない!!! 戦略的撤退だと言っているだろうがっ!!!」 「いつまでもこの調子では経験値もGも手に入りませんよ」 「わかっている!!! それに関しては後で作戦会議だっ! とにかく今は撤退だ!!!」  こうして勇者ディリータ率いるパーティーは再度クエストから逃げた――もとい戦略的撤退をした。 『疫病が流行っている村 万能薬で治す』 レナリアには流石に徒歩で一日というわけにもいかない。何日も歩かなければならなかった。 「アルマ。今日はもう暗くなる。近くの村に泊まろう」 「はい! ラムザ様」 俺達は途中で村に立ち寄る事にした。  ◇ 「ようこそおいでなさいました。旅人たち。わしは村長です」  よぼよぼの老人。村長が俺達を出迎えてきた。


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