レモンティー/srnmrmn
Added 2025-03-24 09:00:00 +0000 UTC夏、今年になってから記録上最高気温の言葉を何度繰り返し聞いただろうか。 照りつける日の光と、水に反射する光で気分は電子レンジに温められるコンビニ弁当。 バシャッ 「っ!?」 「あら~ごめんねぇ。大丈夫かい?」 「いえ、ずぶ濡れですけど…」 「あらあらあら~。乾かしていくかい?」 「いえ、学校に間に合わないので…」 ・・・僕はいつもこうだ。 何かと運がない。大きなケガをしたり、人生が歪むほどの不幸は体験していないが、嫌がらせみたいな運の悪さが時々発現する。 いつもと変りない登校、海辺の防波堤に沿って作られた道を歩いていたら、打ち水をしていたおばちゃんの一撃をもらってしまった。 この猛暑なら学校着く頃には乾いてくれるかな…。 お天道様、暑いのは嫌だけどうまいこと服を乾かしてください。 しかし、彼のことを見ていたのはお天道様ではなく、防波堤の真上を歩く一人の女子生徒だった。 結局、夏場の日差しっていうものは凄くて。 校門をくぐる頃には家を出た頃と同じ状態になっていた。 その後は特別不幸なことはなく、普通の学校生活を送っていた。 次の授業は体育だ。体育こそ一番気を付けなければならない。 何万回もどこからともなくボールが飛んできたし、走っている時には何度もなぜかある石にぶつかった。 しかも今日の体育は長距離走だ。いつ転んでしまうかわからない。気を付けないと・・・。 ・・・と思っていた時がありました。 何事もなく、むしろいつもよりもいい調子で走ることができた。 こういう日があっても良い。 次の理科は移動教室だ。でも喉も乾いた。 調子乗って持ってきた水筒の水を全部飲み干してしまったため、時間はあまりないが自販機まで飲み物を買いに行くことにした。 購買の横に設置されている自販機は品揃えは多くないものの、高校生には人気がありそうなラインナップで構成されている。 うーん、どれにしようかと迷ってしまうが、そんな時間はあまりない。午後の紅茶のレモンを購入して、蓋を開けながら自分の教室へと歩きはじめる。 「わっ!」 「うぉっ!?」 蓋を開けた瞬間に曲がり角で誰かとぶつかってしまった。 お互いに尻餅をついて、僕は派手にレモンティーを自分にぶちまけてしまう。 「あの…大丈夫ですか?被ってないですか?」 自分のことはいったん置いといて、ぶつかった人を心配する。 「ん~、濡れてないから、大丈夫みたい。それより君の方が大変そうだよ!!」 朝、おばあちゃんにかけられた打ち水よりも少量だが、そもそも今回は水ではなく紅茶だ。臭いとか、べたべたになる前にどうにかしないといけない。 「ごめんね! らむがちゃんと前向いていなかったから…」 「いや、まぁ大丈夫です…。保健室で洗って体操服に着替えますよ」 「えー!てかあれじゃん!朝おばあちゃんに水かけられてた!」 「え?」 らむと名乗る女の子はゆっくりと立ち上がり、お尻をさっと払うと僕の顔を見るなり叫んだ。 朝の場面を見ている人がいたのか。こっちは初対面だが、嫌な覚えられ方をしている。 「一人でなんとかできそう?らむちょっと急いでいるから!」 「え?うん、なんとかします」 「じゃ、ごめんね!」 そう言うと彼女は駆け足でその場を立ち去った。 …と思ったらすぐに戻ってきた。 「これ、飲みかけだけど飲んでいいよっ!」 そう言うと彼女は下投げでペットボトルを投げてきた。 未だ座ったままの僕の元へ投げられたそれは、偶然にも午後の紅茶のレモンだった。 帰り道、今日の出来事を思い返しながら歩いていた。 朝からおばあちゃんに水を掛けられたかと思うと、次は飲み物を自分の身体にぶちまけた。 流石の不幸だと自分でも思うが、それにしてもあの「らむ」って名乗っていた女子生徒、可愛かったなぁ…。 あの時は突然のことでそこまで気が回らなかったが、思い返してみると顔が美人というよりは可愛いよりで、話し方からも僕とは違う陽のパワーを感じた。 歳は…どうだろうか。同級生にあんな子がいたら覚えていそうではある。 元々交友関係が広いほうではないため、友人にさらっと知らないか聞いてみたが、誰も彼女のことを知らなかった。 また彼女に会えないだろうか。 くれた飲み物はまぁ…置いといて、ぶつかったのにまともな謝罪もできていない。 そういえば彼女はどこで朝の事件を見ていたのだろう…。 会話を思い出しつつ、ふと気づくと朝に水をぶっかけられた場所に辿り着く。 「あ…」 防波堤の上で一人、海の遠い方を眺める女性…いや、彼女がいた。 彼女を見るのはこれで2回目だが、後ろ姿だけでもはっきりわかった。 何かを察したかのように、彼女もゆっくりと振り向き、僕と目が合う。 海風が水色の綺麗な髪を靡かせ、夕陽が白い肌を染める。 唐突に訪れた再会に、少しだけ嬉しくなりつつも、昼間とは違う彼女の暗い表情に戸惑ってしまう。 彼女は再び目の前に広がる海の方へと視線を向けて、その場から動かない。 僕は吸い込まれるように彼女の隣へと向かった。 「・・・ねぇ」 無言の時間が始まるのかと身構えたが、口を開いたのは彼女からだった。 「なんで朝、水掛けられたのに平気そうだったの?」 「え? いや、平気ではなかったけど…こういうの慣れているから」 「慣れてる? いつも水掛けられてるの?」 「いやそうじゃなくて、こういう不幸な目にはたくさんあってるから…」 えぇ…?と驚き目をぱちくりさせる彼女。 まぁ大抵の人はそういう反応になる。 ビチャ。 ほら。こういう時に限って鳥のフンが肩に落ちてきた。 「まぁ、ほら。こういうこと…」 「うそぉ!?w」 彼女はあたふたしながら僕の様子を伺っている。 まぁ鳥のフンが落ちてくるのは結構あることで、僕個人としてはいつものこととしか思わなかったが、彼女は違ったみたいだ。 「水使える場所知ってるからそこいこ!」 「いや、僕はこのままでも…」 「いいから来て!」 手を引かれ、辿り着いたのはちょっと入り組んだ路地にある古い神社。その隅にある井戸だ。 彼女は手慣れた手つきで井戸の中の水を汲み上げる。 半ば強引に上の制服を脱がされ、ティッシュと水でフンを落そうとする。ただ、ちょっと水が足りなかったのか、少しまだ残っていた。 再び水を汲もうとするので、流石に任せっきりなのも…と思い今度は僕がやることにした。 井戸にぶら下がっているバケツの紐をゆっくりと底に落しながら、紐を左右に動かして、バケツの中に水を入れる。 底は暗くてよく見えないが、紐から伝わる感触をもとに、そろそろだと思って紐を引き上げる。 「どう? うまく汲めそう?」 気になった彼女が隣に来て一緒に井戸を覗き込む。 そして、バケツが手に届くところまで上がってきた時。 「やばっ」 「ちょ!」 バケツを取ろうとした彼女が、予想以上に重かったのか、手を滑らせて中にあった水を全部僕たちの方へぶちまける。 「今日は何回液体を被ればいいんだ…」 「ご、ごめん…」 バケツの中に入っていた水が全部ひっくり返されて今日一番のずぶ濡れだ。 ここまで立て続けに不幸?な目にあうのは久々だが、まぁ夕方とはいえ少ししていれば乾くだろう。 とまぁ、僕はいいのだが、問題は彼女だ。 「あっちゃ~」 近くにいた彼女もバケツの水を被っており、その、制服が透けて紺色の下着が…。 「あっ、見たな!?」 「いや、見てないです」 「正直に言いなさい!」 「………見てないです」 「勃ってるの見えてるぞ!」 「はっ!?いや、そこから見えないだろ!!」 「勃ってるのは否定しないんだね!?ほら見たじゃん」 「あーはい見ましたありがとうございます!!!」 胸元を隠した彼女とガキくさい言い合いをする。 一通り言って、視線をどこに置くべきか気まずくなり、目を逸らす。 彼女がいまどのような状態なのかわからないが、無言の時間が少し生まれてしまう。 どうしよう。ちゃんと謝るべきだろうか。でも見てしまったのは不可抗力だしなぁ…。 「・・・服脱いで」 「・・・はぁ!?」 「日が落ちて着たまんまだと乾かないから、日が当たる場所に干すの」 少し考える。確かに、夏とはいえ日が落ちてきて光が当たっている場所が限られている。 井戸がある神社は普段から参拝客がいるような場所ではないし、建物の陰にいけば人の目は気にしないで済む。 びしょびしょの服を着たまま帰っても風邪をひくかもしれないし、まぁ乾かせるうちに乾かしたのはいい。っていうのは正しいかもしれない。 「わかった」 「じゃーあっち行って!絶対に振り向くなよ!」 神社の倉庫みたいな家屋を指しているのだろうか。ちょうどその近くに日が当たっている大きな岩がある。 脱いだ上着を岩に広げて置いて、家屋の方へ真っすぐと向かう。 その後ろから同じように動く音を聞きながら、決して後ろを振り向かないように家屋の壁を身体の前にして、立ったまま時間が経つのを待つ。 彼女の足音が近づいてくる。そして、そのまま僕の横に立った。 ・・・横!? なんで?僕が横目にちらって見たらどうすんの!? 急いで彼女に対して背を向けて、彼女に問いただす。 「あの、本当に隠す気あるんですか…?」 「あるよ~」 「なんか、適当な…」 「ねね、どうしてこんな不幸な目にあっているのに、あんまりネガティブにならないの?」 どうして、か。その問いに対して僕は、既に答えを持っていた。 「必ず良いことが起きるからだよ」 「必ず?絶対?」 「うん、絶対に。たとえそれが、不幸に対して釣り合っていなくても、今まで感じていなかったことが幸せに感じて、良いことと思えるんだよね」 「へー。小さい幸せに気づく的な?」 「うん、今日だってほら、おばあちゃんに水掛けられたところ見られたから、君の印象に残って、こうやって話すまでに至ったからね」 「ふぅーん、そんなこと言うんだ」 声色が急に変わって、少し言葉に詰まる。 少し弄ぶような、いたずらな声をしていた。 するといきなり背後から手が伸びてきて首を掴まれる。 その力は決して締めようとするものではなく、優しく抱きしめるような力だった。 「じゃあ、らむからも小さな幸せをあげようかな?」 「な、なんでしょう…」 足音がゆっくりと近づいてきて、ピトッと背中に肌が当たる。 その感触はとても柔らかく、まるで生乳…!? 「あの!?何をして―――」 「いいからいいから」 彼女はそのまま腰に手を回し、ベルトを解き始める。 「さっき勃ってるって言ってたからな~」 「いや今は勃ってないですよ!?」 と言いつつ、先ほどから感じる背中の感触に再び僕の股間は盛り上がっていた。 大きくはないが、確実にそこにはあるという柔らかい感触。 今まで女性の胸どころか手さえ触ったことない僕は、この状況に少なからず興奮してしまっていた。 抵抗をしてはいたが、結構無理やりにでもズボンを脱がそうとしてくる彼女の動きに、自然とされるがままになっていた。 「ほら!やっぱ勃ってるじゃん」 「らむさんって変態なんですね」 「はぁ~!?らむだって誰にでもこういうことしてるわけじゃないし! それに、私の名前『らむ』って思ってるかもしれないけど、本当は『らむね』だからね!」 は、はぁ~!?いや名前がらむねだなんて、まともな自己紹介もしていない間柄で何を言ってんだ。 と、不満の声を心の中で呟いている間に、いつのまにか手はパンツにまでかかっていた。 「じゃ、じゃあ下ろすからね…」 「緊張するならやめてください!?」 「ぅ~、えいっ!」 ボロンッ。 ギンギンに勃起した僕の息子が露わになる。 肩の横から覗き込むようにそれを見るらむねは、顔を動かさずまじまじと見つめていた。 「け、結構ぐろい…」 「じゃあ仕舞います」 「あ~~ごめんごめんごめん、最後までやらせて?ね!」 「というかいきなりなんでこんな…」 そうだ、そもそもそういう雰囲気でもなかったのに、なんでこんなことに。 「や、なんか、興味あって…」 「やっぱ変態じゃん」 「うるさい!」 反撃とばかりに僕の息子へ手を伸ばすらむね。 手を伸ばしたことで、先ほどよりも強く胸を押し付けられ、柔らかい感触の中に小さく固い部分があることも感じる。 無言になる2人。 「う、動かしていい?」 らむねの問いに、無言で頷く僕。 空は真っ赤に染まり、少しだけ外気は寒くなってきた。 神社の片隅で、上半身裸で抱き合い重なり合う僕らを見られたら…なんて思うと、外気とは真反対に熱くなっていく。 慣れない手つきで、優しく、包み込むように上下に動かされ、それが逆に彼女の初々しさを感じて、興奮する。 「ハァ……ハァ……ッ……」 らむねの顔が肩の近くにあるせいで、彼女から漏れ出る吐息や唾を飲む音がはっきりと聞こえる。 今、彼女がどんな表情をしているのか、見てみたい気持ちもあるが、きっとここで振り返ったりしたら、終わってしまいそうな気がして、ぐっと我慢する。 「ねぇ…その、どう? 気持ちいい?」 「うん……でも、もっと強くてもいいよ」 「もっと?」 そう言うと、少しだけ握る力が強くなる。 固くなった芯の部分をぎゅっと握って、もう一度上下に扱き始める。 先端から我慢汁が少しずつ出てきたと思えば、興味津々にらむねが手に取る。 ぬるぬるする…と呟いたかと思えば、手のひらに伸ばすようにして亀頭をぐりぐりと擦る。 先端の敏感なところに触れられて、思わず自分も声が出てしまう。 そこからは亀頭、竿だけでなく、カリや裏筋まで触り始めた。 一体どれくらい時間が経ったのか見当もつかないが、長く続いた扱きに限界を迎えていた。 「らむねさん…もう…」 「出そう? いいよ、出して」 耳元でふふっ、と笑うと、手コキのスピードが本気になった。 先端から根本まで、強く、ちょうどいいスピードで続く手コキに、ダメ押しとばかりにらむねは口を耳元に近づけて囁いた。 「らむの手にぃ……たくさん出してっ♡」 「あっ……やばい、出る、出るッッ!!」 びゅるるっっ、びゅるる、びゅ~~…。 過去一長い射精を体験して、頭が真っ白になる。 射精をしている間、らむねは僕の竿にそっと手を添えて、ちゃんとどこにもかからないように支えてくれていた。 手に出してって言っておきながら手に出せなかったのは心残りだが、後処理を考えるとこれで良かったのかもしれない。 その場に座り込んで、余韻に浸る僕を置いて、らむねほ足音は遠ざかる。 振り返りそうになり、振り向くなと言われていたことを思い出して動きを止める。 でも、このまま放置・・・?この状況で?? 未だ射精の余韻が身体から抜けきらず、頭も回らない状態でその場で座っていると、遠ざかっていたはずの足音が再び近づいてきた。 「ね~、いつまで座ってんの? もう暗くなるし帰ろ~」 バサッ。と投げられたのは俺の上着だった。 干していた上着を取りに行ってくれていたみたいだ。 この先の行為は、何故かお互いやらない空気になっていた。 でも、よく考えると今日初めて会った相手に上半身裸で手コキしてもらうって…。 「おーい、早く帰ろうよ~」 神社の鳥居の下で元気に手を振るらむね。 この奇妙な出会いは、僕にとっての幸運なのだろう。 彼女には、そう感じさせる何かがあった。