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Yanaponte
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【ショート・ストーリー】怖もて

―「うぅ・・。」


目覚めた絢は、ぼんやりした意識の中、周りの様子を確かめた。


月明かりが入り込む一室。暗くてわからないが・・教室のようだ。周りには誰もいないらしい。


「(ここは・・?)」


ギチッ!


「んん!!??」


動こうとした瞬間、自分の身に起きる異常に気付いた。椅子に座らされ、縛られている。口も塞がれていて、声も上げられない。

昔ドラマで観た人質と同じ状態に、自分もなっている―!?


「ごめんね、絢ちゃん・・」


後ろから聞こえた声に、絢は椅子ごとビクッと、驚いた。恐る恐る振り返ると、そこには美晴と、生徒会メンバーが揃っていた。


「絢ちゃん、怖い話大嫌いじゃん・・。でも絢ちゃんが大反対している【肝試し】って、みんなやりたくてやりたくて仕方ないことなの。だから手荒だけど・・みんなで絢ちゃんが幽霊的なのを克服するまで、付き合ってあげようと思って!」


そういうと、役員の一人である男子生徒が、手にしていたラジカセのスイッチを入れた。


「―これはある高校生の話です。呪われていると噂される廃病院に・・」しわがれた男性の声で、怪談話が流れてくる。絢が最も苦手とする類のモノだ。


「(い・・いや!怖いのは、イヤ!!)」絢の目から涙がこぼれる。それを見た美晴は、縛られながら暴れる絢を、後ろからそっと抱きしめて、耳元で囁いた。



「【肝試し】の案を通してくれるなら、解放してあげる。でも、この”百物語”は、皆で一緒に全部聞こう♪絢のお母さんとお父さんには、生徒会の話し合いで友達の家に泊まるってことにして、連絡入れといたから大丈夫よ」


絢の背筋に寒気が走った。ひゃく、もの、がたり・・?


その日の夜は一晩中、月明かりに照らされながら、暗闇の学校で悲喜入り混じる声がこだまするのであった。


―完

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