【常識改変】敗北即メスイキが常識となった学校の日常風景(1)
Added 2023-05-20 18:54:29 +0000 UTCコメント:見舞品です。タイトルは仮題ということで。今日の投下分はイントロ・世界観の説明になります。次の章から主人公である教育実習生(大学柔道部所属・常識改変に多少の耐性あり)が登場し、話が展開していく予定です。今後、ちょくちょく投下していきます。 SCENE1 初夏と言うには、日差しが強く、気温が高すぎる日だった。とある男子校のグラウンドでは、高校球児たちの威勢の良い声が響いていた。ちょうど、他校を招いての練習試合が行われているところであった。地区大会の予選を目前にして、どちらの学校も真剣そのものであり、応援にも熱が入っている。その場にいる誰も彼もが、汗だくで白球を追っていた。顧問兼監督である両校の教員も、渋い顔でベンチにどっかりと腰を下ろしている。特に、男子校の顧問は眉間に皺を寄せ、深刻な表情で黙り込んでいた。若かりし頃は美男子であった面影があるが、30代も後半に差し掛かり、苦味走った顔立ちがいよいよ男盛りであることを示している。現在、9回裏で点数は1点差。ホームである男子校が1点を追い掛ける形であったが、既に2アウトだった。 バッターボックスに入った4番・キャッチャーは、ドカベンを思わせるような巨躯を窮屈そうに縮こまらせ、バットを構えた。ずんぐりした鼻頭に汗をびっしりかいている。一重の重たく、眠そうな瞼に反して眼光は鋭かった。相手校のピッチャーも、ランナーを背負っているので、気が抜けない。キャップを一度外し、形の良い坊主頭を日射に晒す。ぐいとアンダーシャツの袖口で額を拭い、再びキャップを被り直す。キャッチャーのサインはカーブだった。眼前にグローブを構え、その中で白球の握りを確かめる。 その投球の直前に、ピッチャーはふと違和感を覚えた。しかし、その違和感は本当に微かなもので、意識野に上る前に、言葉になる前に、ほつれて消えてしまった。彼がもう少し『耐性』がある者だったならば、その違和感の正体に気付くことができただろう──目の前の4番が、明らかにユニフォームの下で、堂々と勃起しているということに。それだけではない。男子校の野球部の面々はみな、多かれ少なかれ若い陰茎をユニフォームの中で固く尖らせ、それでいて真剣に野球に挑んでいるのであった。中でも一番ひどいのは失点につながったエラーを行った、外野手だった。全力疾走したかのように呼吸は浅く、ユニフォームは水を被ったかのように全身汗で重たくなっている。顔を上気させ、上体を折り曲げ、自然と片手が下腹に添えられていた。スライディングパンツの中では、陰茎からカウパー液が涎のようにだらだらと垂れ流され、汗と一緒になって股座をぐっしょりと濡らしていた。心配したチームメイトが、背中をさすってやっている。顧問はあくまで無表情を取り繕っていたものの、勃起した陰茎が窮屈にならないよう、無意識に大股を開いていた。込み上げる絶頂の予感に下半身ががくがくと震え始めている。 どうして、と聞かれれば『そう変えられてしまったから』と応えるほかないのだが、彼らが感じているのは、見ての通り、平たく言えば性的快感だった──勝負に敗北すること、その無念さや屈辱、悔しさが彼らにとって、最も強い性的快感に結び付いている。それも、AVやエロ画像なんかで自慰に耽っていた際とは比べ物にならない快刺激であった。悔し涙を流すように、敗北によって性的に興奮することが、ある種の『当たり前』になっている。 そして、この新しい常識は、他者に伝染していく性質があった。おかしいと気付かなかった時点で、相手校のピッチャーも同じ常識を、この異様な文化をすっかり受け入れていた。すなわち、敗北必至である相手が勃起していることは、至極自然なこととして理解された。タイミングはまちまちであったが、相手校の野球部員達はこの新常識に染まっている。制球に集中していた、ピッチャーが一番最後だった。 バネ仕掛けのように足を高く上げ、一機の投石器と化してピッチャーはボールを投げた。指の引っ掛かりがボールの回転に変化を生み、軌道が曲がる。4番は大振りでバットは空を切る。1ストライク。しかし、ピッチャーは焦っていた。カーブの速度が遅かったこともあり、次はしっかりタイミングを合わせられてしまうだろうと直感したからだった。一方、4番はストライクのプレッシャーで性感がいよいよ高まっていた。決して自分のせいでチームが敗北するわけではないと理解していたが、それは理屈であって情ではない。4番としての務めを果たせず、ここで敗北したら──考えるだけで下腹がかあっと熱くなる。バッティンググローブを付けたままの手で、無造作を装って股間の位置を直す。スライディングパンツが先走りをたっぷり吸い、ぬるぬるとぬめっている。「ん゛ッ♡」。4番が小さく喘いだ。誰もそれを聞きとがめなかった。 ピッチャーはキャッチャーの指示に首を振り、ストレートを放った。会心の投球だったが、性欲と勝負の狭間で喘いでいるバッターは極限の集中力を発揮する。バットの先端にボールがかすり、バックネットに飛んだ。部員達がどよめく。キャッチャーも対応できなかったので、2ストライクとなった。4番はいよいよ腰が抜けかけて、バッターボックスにしゃがみ込んでいた。目は虚ろになっていたが、唇を噛み締めてようやく自らを鼓舞する。口の端から垂れた涎を乱雑に拭った。どくんどくんと脈を打ち始めた陰茎に、半ば意識が向かってしまう。ピッチャーは勝利を確信した。 (あいつ、本当は負けてえんだな) もう一度、ピッチャーはストレートを選択した。真っ向勝負で負ければ、4番も『気持ち良く』負けることができるだろう。そういう親切心と加虐心が混ざった発想だった。びゅっ、とバットが空を切る音がする。ぱん、と小気味良い音が響いて、白球がキャッチャーミットに収まっていた。 「ストライクスリー!!」 審判が右手を握り、青空に向かって振り上げた。 「ん゛お゛お゛っ♡」 真剣な表情だった4番に、とうとう絶頂が訪れてしまう。自分の不甲斐なさをその場にいる全員に見せびらかすかのように、一瞬でトロ顔に変わり果て、汚らしい雄声を上げ続けていた。盛り上がった股間と腰を中心に、びくんびくんと全身を痙攣させた後は、すぐにその場にへたり込む。 「うっ♡……んっ♡ああ゛ー……♡」 呆けたように4番は天を仰いで、分厚い舌をだらりと垂らしていた。スポーツで流した爽やかな汗ではなく、性的快感を貪ったが故に雄としてのフェロモンが濃厚に含まれた、獣のような匂いがむっと漂う。4番だけではなく、負けたチームの全員が似たような状態にあった。レギュラーではない、応援に専念していた部員達は多少程度がマシなようで、くずおれる程の者はいない。ただ顔を赤らめ、耐えるように陰茎をびくびくと震わせているだけである。しかし、彼らのほとんどは射精に至っていなかった。男同士の勝負で負けた者が、雄々しくあるわけにはいかない。彼らはみな、女性的なオーガズム──いわゆる『メスイキ』をしていた。その特徴は、射精を伴わないために、性的絶頂が数分間も持続することである。部員達はたっぷり10分間、相手チームに自分達の『メスイキ』を、負け姿を晒し続けていた。 「あ゛ひっ♡」 当然、顧問も同じ有様で、監督責任を果たすかのようにベンチで大股を広げ、だらりと腕を後ろにぶら下げる形となり、全身で絶頂を示していた。先程までの寡黙で、円熟した渋さは見る影もない。口を大きく「あ」の字で開け、締まりのない両端から涎がこぼれ落ち、まるで笑っているかのように瞳は三日月型に歪んでいる。嬌声は時折甲高く裏返り、チームを率いる唯一の大人としての尊厳は完全に失われていた。むしろ、率先して快楽に染まり、獣じみた姿を衆目に晒すことで、チームの敗北を代表しているかのような趣きさえあった。 エラーをした外野手は、声も出せず、背を支えるチームメイトも絶頂してしまったため、横倒しに倒れていた。犬のように荒い息を吐きながら、土で汚れることも構っていられず、ただ押し寄せる絶頂を呼吸だけに集中して耐え忍んでいた。外野手は意図せず、我慢することもできず、無自覚のまま漏らすように射精している。メスイキとはいえ、肉体は雄のままなので、快感が閾値を超えればさすがに射精も伴った。ピッチャーはその外野手の様相に、野球に掛ける真摯な思い──本気で野球に打ち込んでいなければ、こんなに悔しい思いもしないで済んだのだ──を感じた。 審判が笛を鳴らすと、呆けていた部員達が気合で身を起こし、整列した。外野手は両脇をチームメイトに支えられているが、辛うじて目の奥に光が戻りつつあった。キャップを外し、礼をする。威勢の良い両チームの声がグラウンドに響いた。 「最終回、緊張してたな」 キャッチャーがピッチャーにそう囁く。彼は自覚がなかったが、微妙に勃起していた陰茎をキャッチャーがいたずらっぽく触る。「もし逆転されたら」という思いが、ピッチャーの心の奥底に根を張っていたのは、確かだ。敗北の予感が、試合中の彼を仄かに興奮させていた。 (もし負けてたら、俺もあんな風に……♡) ピッチャーの口元が、淫らな想像によってだらしなく歪む──新しい『常識』が『感染』し、広がっていく。