XaiJu
葉一
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リクエスト/予備素体編の続き(3)

コメント:忙しくてアレでしたが、再戦します。  3 「ただいまぁ」  ジャージの下に蠢くダークスウツを隠して、勝利は帰宅した。自分がダークノアの末端とばれないようにするのは、既に彼にとって至極当然のことであったが、実行するのは一苦労であった。絶え間なく自身の肉体に刺激を与え続けて改造を進めようとするダークスウツを抑制できず、帰路では何度も足が止まりかけた。 「お帰り、兄ちゃん」  弟の大勝が自分の部屋から顔だけ出して勝利を迎えた。顔に泥はねを付け、野球部のユニフォームのまま宿題に取り組んでいるところであった。「ああ」とも「うん」ともつかない曖昧な返事で、勝利はそのまま廊下を通り過ぎる。すれ違う瞬間、既に戦闘員として肉体が変容しつつある勝利のフェロモン──端的に言えば体臭が、大勝の鼻腔をくすぐった。大勝はたちまち顔をしかめる。 「兄ちゃん今日汗臭えぞ」 「いつものお前ほどじゃねえよ」  軽口を叩いて、勝利は風呂に向かった。実際、和道と激しく乱取りをした上に兜合わせで射精をした状態のまま、ダークスウツで雄臭をじっとりと蒸らした自分の匂いは、自分自身でも辟易するほどだった。ジャージを洗濯機に放り込み、すぐに回す。風呂場に入り、アンダーシャツやスパッツの擬態を解いてダークスウツ姿に戻った。きつく締まったネクタイを解き、ワイシャツの第一ボタンを外したときのような解放感が彼を包んだ。浴室内の鏡でまじまじと己の呪われた姿を見る。外見だけで言えば、既に和道や篤志と何ら変わらない、ダークスウツに身を包んだ戦闘員そのものである。 「……なっちまったんだなぁ、本当に」  汗臭い身体を洗おうと思って風呂に入ったはずなのに、勝利は蛇口をひねることなく、自分の身体の変化に夢中になる。漆黒に包まれた腕を、胸を、腿を愛おしげに撫でて回る。勃起したチンコを握って普段と同じように扱いてみるが、予備素体の身分なので他の戦闘員から射精許可が下りなければ自慰さえ満足にできない。先走りがねっとりと糸を引き、幾筋も指に絡み付いた。ダークノアという組織とダークスウツに、完全に自分が支配されているということを実感する。今もこうして調教され、新たな性癖を開発されようとしている。片腕を頭の後ろに回し、顔を脇に押し当てて何度も深く呼吸をする──否、させられる。ダークスウツで蒸れ、普段よりも強く匂うそこを嗅ぐ度に、チンコがびくんびくんと脈打った。自分が雄臭く改造されていることを嫌でも理解させられていく。  (ん゛っ♡俺やっぱ臭ぇな♡和道にマーキングされちまったからかな♡雄臭ぇ匂いに興奮するッ♡)  ひとしきり自分自身を堪能した後は、ダークスウツをブレスレットに変形させて身体を清めた。匂いが落ちてしまうことは残念だったが、そのまま生活できるはずもない。風呂から上がった後、ダークスウツをどうしようか考えたが、身に着けている面積が多ければ多いほど今の勝利にとっては『自然』なので、再びアンダーシャツとスパッツに変形させて着回した。  家族を欺くことはさほど難しくはなかった。そもそも「今日、後輩に襲われて悪の組織の一員にされちゃったんだ」という話題にはならないし、信じてももらえない。拍子抜けするほど簡単に秘密は守れるため、むしろこの先、油断しないかどうかが心配になるくらいだった。自室に戻ると、和道と篤志からそれぞれ動画ファイルが送られてきていた。どちらも30分程度だったが、それは各々が予備素体の際に洗脳・改造された記録の一部だった。まだ必死に抵抗を示す彼らが淫らに堕ちていくその様子に、勝利は恐怖すると同時に興奮していた。『お前もこうなるんだ』という戒めと、『俺達はこうされた』という告白が勝利の心にじわりと染み込んでいく。結局、勝利はそのまま一睡もせずに夜を明かすことになった。  学校に登校し、教室に入ると、クラスメートの半分近くが既に予備素体か戦闘員に改造されていることが自然と勝利には分かった。ラグビー部は全員戦闘員として完成しており、野球部、サッカー部、バスケ部は予備素体と戦闘員が半々くらい。残りは未改造だ。隣席の秋谷信吾が勝利にちらりと視線をくれる。このお調子者の野球部も、既にダークノアの毒牙に掛かっていた。 「おっ、勝利もこっち側に堕ちたんだな!」  人懐こい笑顔は相変わらずだったが、瞳が黒く濁っている。朝練から戻ってきたばかりの、たっぷりと汗と泥を吸ったユニフォームに勝利は目が釘付けになる。柔軟剤ではごまかしきれない、野性の雄の匂いや戦闘員達の濃い精液の匂いで、野球部の朝練がどんなものになっているのか、想像が掻きたてられた。 「……お前は?」 「俺?まあ結構最近だよ。練習終わりにグラウンドでラグビー部の奴らに襲われてさ……」  いきなり詳細を語り出した信吾に驚き、勝利は周りを確認した。未改造の生徒達は誰も注意を払っていない。それどころか、戦闘員達が過剰なスキンシップ──目の前で濃厚なキスをしていても、特に疑問に思わないようだった。 「あ?ああ、お前も昨日まではああだったんだよな。もう学校全体、こんな感じだから。未改造の奴らも洗脳は進んでるし、俺達が好き勝手やってもほとんどバレねえんだよ」  窮屈だろ、そのカッコ。信吾が勝利の詰襟を指差す。ユニフォームを脱ぎ、ダークスウツ姿になった信吾を誰も咎める者はいなかった。堂々と勃起したチンコを晒し、雄の色香を振りまいている者は、一人だけではない。そこでようやく、勝利はどうして自分が被改造者と未改造者を区別できたのか理解できた。戦闘員にされた者達が最初からみなダークスウツ姿であったことに、信吾の指摘によって今、はっきりと気が付いたのだった。 「脱げよ。お前ももうダークノアの一員だろ?」  有無を言わさぬ口調で、信吾が命令した。勝利は、抗えず──そもそも、抗う気さえ生じず、詰襟の大きなボタンに手を掛けていく。ワイシャツを脱ぐと、ダークスウツで淫靡なシルエットと化した体躯が露わになる。ベルトを外し、スラックスごとボクサーパンツをずり下ろす。踵を履き潰した上履きも、足裏までダークスウツに覆われた今の彼には不要だった。悪の手先に成り下がった己の姿を、信吾と勝利は互いに見せ合う形となる。半勃ちだった勝利の陰茎が、羞恥と快感でむくむくと大きくなっていく。とうとう2匹の雄の亀頭が触れ、擦れ合い、先走りがねっとりと糸を引いて絡みつく。勝利達の淫行に、戦闘員だけが気付いている。 「ほら、ダークスウツになると、自分でもどんどん洗脳が進んでいくのが分かるよな?」 「……ああ、俺が、どんどん変えられちまう…………なのに、すげー気持ち良くって、何も考えられねえ…………」 「仕上がってんなあ。勝利、すっげえエロいぜ。なあ、白浜!もうこいつイカせてもいいよなあ?」  ラグビー部の白浜──この学校を支配するために遣わされた、ダークノアの尖兵が、鷹揚に「さっきから記録してるし、いいよぉ」と答えた。 「へへ、じゃあ一緒にイこうぜ。戦闘員になりたくなかったら、我慢してもいいけどよ」 「我慢なんか……できねえッ…………できる訳ねえだろっ♡」  勝利の頭の中には最早、いま射精できるのかどうかということしか残されていなかった。昨夜一晩、自慰できなかっただけだが、性欲の飢えは尋常でない。それもこれも、彼が戦闘員に改造されつつあるからなのだが、洗脳によってこうした事実も最早ぼやけつつあった。発情した犬のようにダークスウツを擦り合わせ、2匹の雄は戦闘員に生まれ変わった幸せを最大限に味わおうとする。 「「イクっ♡」」  陰嚢と陰茎がポンプのように激しく上下し、たっぷりと精液を吐き出していく。野球部員からは真っ黒な精液が、柔道部員からは黒みがかった灰色の精液が放たれ、お互いの逞しい肉体を汚し合った。予備素体の勝利は、精液と共に人間としての倫理観や善性が流出し、代わりに信吾の精液によって肉体と精神が悪に侵されていくのを感じる。信吾は、クラスメートを凌辱し、悪の道へと引きずり込む背徳感と戦闘員としての責務を全うした悦びに酔い痴れていた。ダークノアが戦闘員を増やしてきた一つのモデルケースが、そこにはあった。 「……射精許可、ありがとうございますっ!予備素体番号T1801227、人間名・霧島勝利は教室内での衆人環視の中、戦闘員としてのあるべき姿に戻り、初めて射精許可を頂いたことを報告します!!」  戦闘員の本能が、勝利にそう言わせる。自然とダークノアにおける忠誠のポーズを取り、先達である信吾に感謝を示していた。 「チェック」  一部始終を監査していた白浜が、声を掛ける。既に戦闘員として完成していた信吾は、その言葉にもう反応を示さない。 「洗脳率77%、改造率32%。洗脳改造終了までの想定射精回数残り16回です」  カウントが1減ったことを、勝利は正しく認識した。一方で、ダークスウツを着る前に比べれば、戦闘員になることへの抵抗感はかなり薄れてきている。洗脳の恐ろしさを今一つ実感できないまま、彼は席に付き、授業の準備を始めた。股間は射精を経てなお、ギンギンに隆起したままであった。


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