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淫虫:経過報告その3(全体var)

第3章が書きあがりました。

第3章は約14000文字です。

調整で増えたり減ったりしますがおおよそこれくらいです。


「ガッツリとファンになる」以上のプランとは少ないですが、執筆が遅くなったのでプロローグと第一章の一部を公開します。


プロローグ


様々な種族で溢れ、2000年もの間、争い合う世界。

無数にいた種族は争いの中で、時には手を取り合い、時には滅亡した。

そうして今現在、残っている種族は七種族。

龍人族、獣人族、エルフ族、吸血鬼族、人族、魚人族、妖精族。


龍人族は強力な魔力と力を兼ね備えた最強の種族だ。

1000年前は暴れに暴れ、世界の半分を支配したが、龍人族に対抗するために作られた連合に敗れたが、龍人族だけでなく連合も多大な被害を出した。

龍人族は勝者である連合の和睦を受け入れ、世界に干渉しないことを条件に、人跡未踏の最高峰の山、スペアギアマウンテンに里を作ることが許され、そこに住み着いた。

今の総人数は100人ほどだが、それだけでもこの世界を支配するほどの力がある。

しかし、彼らは誇り高い種族であるため、絶対に世界に干渉することはなかった。


獣人族は猫人族と犬人族が同盟を交わし、共存をしている種族だ。

全種族の中で一番人口が多い。

魔力はあまりないが身体能力は高く、戦闘能力は高い。

昔から獣人族の王は強い者がなるという掟があり、現在の王は犬人族が務めている。


エルフ族は魔力が高く、多彩な魔法を使う、森の守護者だ。

ダークエルフやハイエルフなどの異種や高位種がおり、通常の種族より強い魔力を保有している。

彼らは争いには加担せず、その多くは"迷いの大森林"と言われる、深い森の奥に住み、森を守ることを使命としている。

"迷いの大森林"は天然の迷路であり、どの種族もエルフの里へと進行できない。


吸血鬼族は吸血族と鬼族がより強力な種族となるため交配を繰り返して、生まれた種族だ。

吸血族は魔力が、鬼族は身体能力が高く、そのハーフはそのどちらの特徴を兼ね備えている。

現在は両種族が想定した通り、ハーフが人口のほとんどを占め、純血の吸血族と鬼族は数えるほどである。


人族は魔力も身体能力も低い種族。

知恵を勇気をもって戦乱の世を生き抜いてきた。

さらに時折生まれる魔力も身体能力も高い"英雄"が生まれることがある。

人口は二番目に多い。


魚人族は脚の代わりに尾びれを持つ種族だ。

美男美女が多く、海の中では無類の強さを誇る。

変化の魔法で尾びれを人間と同様の足にすることができるが、陸に上がった魚人族は魔法も使えなくなり、人族と違いがなくなる。


妖精族はこの世界が作られた時から存在する種族。

生や死という概念はなく、すべての妖精が可愛らしい見た目をしている。

戦闘能力は皆無だが、魔法とは違う、特別な力を持っており、それを目当てに昔は捕獲されていたが、突然変異でうまれた妖精女王が妖精たちを統率し、"迷いの森"へと姿を消した。

エルフと契約を交わし、エルフ以外は森で迷うように力を行使している。


現在でも争っているのは獣人族、吸血鬼族、人族の三種族のみ。

だが、その戦火は大陸全土に広がり、三竦みの状態だ。

その三竦みを打ち壊そうとする、悪意ある勢力が世界の影で作られつつあった。




第一章 淫堕の序章




早朝。

人跡未踏の最高峰の山、スペアギアマウンテン。

その山腹には龍人族の里が作られていた。

山を切り開き、岩で作られた家々。

山頂には龍人族の女王が住む城が立てられている。

人口は百人ほどで、若者や子供しか見かけず、年寄りの姿はない。

それは当然のことだった。

龍人族の寿命は長く、成長スピードも他の種族とは一線を画す。

見た目は子供でも100~200歳、若者でも300~1000歳で、女王に至っては2000歳を超えている。

しかし、精神の成熟は300歳から始まり、子供の姿をした者は年は重ねていても、見た目通りの精神をしている。

龍人族は闘争を生きがいとしている種族であるが、連合に敗れたあと、それぞれ何かに打ち込めるものを探している。

その中で魔法の開発に力を注ぐものがいた。

名前はニーラ。

ニーラの家は魔法の開発という危険なものであるので、里外れに作られていた。

家の中は様々なものが散々とし、床の真ん中に魔法陣を描いている女性がいる。


「さて、間違いはないかな~」


彼女がニーラである。

腰を曲げて、濃い赤の大きな瞳を動かし、魔法陣に間違いがないかを確認している。

彼女は白を基調として布地の服を着ており、赤い透明感のあるスカートを履いている。

プルプルとした小さな唇が特徴的で、瞳と同様の色をした長髪をポニーテールにし、三つ編みにしている。

人間と変わりない見た目をしているが、頭には龍族の証である角があった。

人ごとに角には違いがあり、ニーラは深紅色の角だった。


「よしッ!」


勢いよく腰を正すと、拳二つ分はあろう乳房がブルンと揺れる。


「あとは、魔力を注いでっ、と」


ニーラは魔法陣に手をかざす。

すると手が赤く発光をはじめ、魔法陣に魔力が注入されているのが分かる。

魔法陣も光に呼応するかのように、赤く発光を始める。


「成功してよね~」


そう念じながら、ニーラは魔力を注ぎ、魔法陣は光を強くしていく。


「あっ!」


魔法陣の光がただの発光ではなく、キラキラとした粒子のようなものを周囲にまき散らす発光に変化し、粒子は床に触れると雪のように瞬時に消える。


「これは成功だッ!」


ニーラはそう確信し、喜びを露にする。

しかし……。

バチッ、バチバチッ。


「ん?あれ~?これはもしかして……」


魔法陣からイヤな音が鳴り始め、電気を放つ。

バチバチバチバチッッ!!


「失敗だぁぁッッ!!」


ニーラがそう叫んだ瞬間に魔法陣が爆発する。

それも盛大に。

ドオオオオオオオオオオオオオォォォォォンンン……。

と、里中に爆音が響き渡った。


「師匠~ッ!」


ニーラの家に一人の少女が走ってくる。

彼女はクラリスと言い、ニーラの弟子だ。

純白のワンピースを翻しながら、バラバラになったニーラの家に近づいていく。


「師匠~ッ!大丈夫ですかッ!」

「大丈夫だよ~」


瓦礫の下敷きになっていたニーラが魔力で瓦礫を吹っ飛ばして、立ち上がり、パンパンと服についてる埃を飛ばす。


「ふぅ」

「怪我はありませんか?」

「こんな瓦礫で怪我はしないよ。それにしても……失敗か~」


ニーラが残念そうにうなだれる。

大きなショックを受けているようだ。

クラリスはその様子を見て、慰めようとは全く思わなかった。

何故ならニーラは超ポジティブシンキングの持ち主なのだ。

ニッコリと天真爛漫な笑顔を見せる。


「ま、いいか。次の実験をしよう!」


ニーラが瓦礫の山に向かって手を振る。

すると淡い赤色を纏った瓦礫が宙に浮き、勝手に動き始めた。

みるみる内に瓦礫は家の形になり、すっかり家は元通りになった。

今使ったのはニーラが作った、壊れた元の物があるなら、元の形に戻る再生魔法だ。

元の形に戻るには、その物が5年以上形を保っていなくてはならない制約はあるが、非常に使い勝手のいい魔法である。

二人は元に戻った家に入ると、別の実験を始める。


「これでいいですか、師匠」


クラリスが丁度、床にさっきとは別の魔法陣を書き終わった。


「うん。それでいいよ~。飲み込みが早いね~」

「ありがとうございます」


魔法陣を書くにはそれ相応の知識がいる。

そしてその知識を応用しなくては素人には絶対に書けない。

魔法を使う種族は最初からいくつもの魔法が使えるものがいる。

龍人族もそうだ。

しかし、オリジナルの魔法を作り出すにはまず、魔法陣を書くことから始まる。

寿命の短い種族は長い間、継承しつつ研究を行い、作り出した新しい魔法を魔法陣から読み解ける、呪文という形にして後世へと伝えていく。

ニーラは天才と言われていたが、魔法陣を書くことを習得するのに300年、自作の魔法を作るのに各100年ずつを使っている。

それに対し、クラリスは150歳にして魔法陣を書くことができる。

ニーラは心の中ではクラリスこそが真の天才だと思っている。


「もうすぐ私も教えられる立場になっちゃうかもね~」

「そんなことはありませんよ。まだまだ師匠から学ぶことはいっぱいありますから」

「ふふっ。可愛いな~」


ニーラはクラリスを抱きかかえ、頬ずりする。

すべすべでモチモチした頬が簡単に形を変える。


「止めてくださいよぉ、師匠~」


クラリスは表面上では嫌がりつつも、拒否する行動には移さない。

ニーラのことが好きだからだ。

クラリスの両親も魔法の研究家であり、常日頃から研究に明け暮れていた。

そんな両親と一緒に簡単な研究の手伝いをして、クラリスは幸せに過ごしていた。

しかし、悲劇が訪れる。

クラリスの両親は魔法の実験で死に、天涯孤独になってしまった。

そこで親代わりになったのが、研究家同士、よく家に来ていたニーラだ。

事件から100年たった今ではクラリスは本当の親のようにニーラを慕っている。


「あれ、もうこんなに日が暮れたんだ」


ニーラが窓から外を見ると日が暮れ、部屋に茜色の光が差し込んでいた。


「今日は泊まる?」


ニーラが親代わりになってから最初は一緒に暮らしていたが、50年ほど経つと、クラリスは両親がいた家に住み始めた。

それからは時々ニーラの家に泊まることがあった。


「今日は両親の命日なので……」

「そうだったね」


クラリスは両親の命日になると毎年欠かさず、鎮魂の祈りを捧げていた。


「また明日、師匠」

「ええ、また明日」


クラリスが自分の家に帰ると、ニーラは夕食を食べ、日課である魔導書を読む。


「この魔法、あの魔法に応用できるかな~」


と、脳内で試行錯誤している間に夜は更け、眠る時間となり、ニーラは就寝する。







真夜中。

暗闇の家の中、小さな小さな、細長く、ピンク色の肌をしている触手が蠢いていた。

この虫は早朝の魔法実験で召喚された生物だ。

そう。

大爆発を起こし、一見失敗したと思っていた魔法は成功していた。

実験の内容は生物を召喚する魔法を開発することだった。

ただの召喚ではなく、この世界とは別の異世界の生物を召喚する実験だ。


「……」


触手は蠢きながら、少しづつニーラへと近づいていく。


この虫は淫虫と言い、ある異世界で突然変異で生まれた、寄生虫だ。

この淫虫の特徴は雌の生物に寄生すると、生物の身体を中から改造し、脳を犯し、その生物の思考や人格と融合するというところだ。

人格が融合した生物はどんな外見をしていても、もはや淫虫と言っても過言ではなく、融合された生物から生まれてくるものは全てが淫虫となり、生物は淫虫を増やすために行動を起こす。

女性は次々と寄生させられ、男性は全て、寄生された女性に殺される。

これは番い(つがい)は淫虫(寄生された女性も含む)だけで十分だからだ。

寄生された女性は一体化した女性の知識を使い、別の女性を性的に襲い、淫虫を寄生させてくる。

そうして女性は次々と淫虫に寄生され、淫虫の繁栄のために、永遠に、若いまま、生き長らえさせられ、淫虫を生み出す苗床となる。


この淫虫の習性が異世界を壊滅させた。

そして淫虫はさらに異世界までにその魔手を伸ばそうとしていたが、察知した神々がこの異世界を封印し、異世界から出ていけないようにしていた。

その封印に一瞬だけ穴をあけ、異世界と異世界を繋げる扉を開いてしまった、ニーラの魔法。

本当に一瞬の間だったが、一匹の触手がその魔法陣に触れ、この世界に来てしまった。


「……」


着々と淫虫はニーラに近づいている。

ベッドの足を上り、シーツを進み、枕元へと近づく。


「むにゅ……すぅ……すぅ……」


そして枕から耳へと近づく。


「……」


ぷちゅりと淫虫が液体を耳に流し込む。

これは寄生主に寄生する瞬間を悟らせないための体液で、感覚がマヒする効果がある。


「……」


そしてゆっくりとニーラの耳の中に、淫虫が侵入していく。

その違和感にニーラは全く気付いていなかった。


「……」


耳からどんどん奥へ、奥へと進んで行き、ついに到達する。

生物の人格を司る脳へと。


「……」


脳にたどり着いた淫虫は別の体液を寄生する部分に流す。

それは寄生する際の痛みを発生させない体液。

代わりに快感を与える、恐ろしい体液。


「んふぅ……はぁ……ああぁ……」


寄生が始まった。

ニーラは微かに息を漏らしながら喘いでいる。

太ももを閉め、股を擦り合わせる。


「んん……は、ああぁぁ♥……んふぅ……」


汗が滲む。

息に湿っぽさが含まれはじめ、頬が紅潮する。

少しづつ、少しづつ、慎重に淫虫は寄生を進める。


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