裕斗と恋人とは言い難い関係になってからどれくらい経っただろうか。 最初は流れではあったが、ここ最近は裕斗といるお陰で日々が色付いていってることに気付いた。 慣らされているのかもしれない。それでも、相手が裕斗だからだろうか。嫌な気がしなかった。 無論、他言はしていない。裕斗に保護してもらってる名目で一緒にいることが多いため、それを隠れ蓑に俺は裕斗との関係を続けていた。 そんなある日のこと。 食堂、少しトイレに行くために席を外したときのこと。 人気のない静かな廊下で俺はいきなり何者かに背後から殴られた。のだと、思う。 頭に重い衝撃が走るのと同時に意識ごと押し出され、気付いたら俺は床の上に伏せていた。 「あれ? 死んでないよね?」 頭の上から聞き覚えのある声が落ちてくるも束の間、髪を引っ張られると同時にそのまま再び床に頭を叩きつけられ、そして、恐怖を覚えるよりも先に呆気なく俺は気を失った。 死んだ、かもしれない。割れるような頭痛と吐き気の中、何かが触れるような感覚に気づいた。 鉄の匂いと味。それから、なんだ。目を瞑ってるのに目が回る。胃が空なのに吐き気がする。 意識が覚醒していくとともに瞼越しに強烈な眩しさを感じ、俺は顔を逸らすようにして目を開いた。そして、息を呑む。 「っ、ぅ…………え……」 ここは、どこだ。 見慣れない部屋。そして、二つのシルエット。こちらを見下ろしていたその影は俺を見て笑った。 「おはよう、齋藤。言うことは?」 「し、ま……?」 「方人さん、強くやり過ぎたんじゃないですか? 齋藤、俺の顔も分からなくなってるんですけど」 「うっかり死なないように手加減したんだけどなあ、これでも。……ほら齋藤君、俺のことは分かる? 指は何本?」 志摩と、縁? なんで二人がいるんだ。そうだ、俺、突然襲われて……。 そこまで気付き、ハッとする。目の前、四本の指を翳してくる縁から飛び退こうとして、自分が縛られていることに気付いた。床に転がされていた体が動かない。 「齋藤君、君も可哀想にね。こいつなんか相手にするからこーんなことに巻き込まれるんだもん」 「それ、こっちのセリフすけど」 「どこがだよ。なあ? 齋藤君」 「あ、の、な……なんで、俺……」 そもそもここはどこだ。志摩の部屋ではないことは間違いない。縁の部屋?にしては何もない。だとしてもなぜ? 頭が回らない中、ただならぬ嫌な予感に必死に逃げようとしていると「心当たりない?」と縁は優しく微笑みかけてくる。慌てて頷き返したとき、縁は笑った。 「有罪」 次の瞬間、鳩尾に縁の爪先がめり込む。硬質な靴の先端はそこら辺の凶器よりも鋭く、重い。胃が潰れ、中に溜まっていた胃液が一気に迫り上げ口の中に広がった。酸味に耐え切れずその場でえずく。 「ぅ゛、くぷ」 「あーあ。罪深いよ、それ」 「……ま、齋藤のことだからどうせそうだろうと思ったけど」 「バカだなあ、齋藤君。こういうときは嘘でもいいから下手に出て媚びないと」 「っ、は、……え……」 何が、起こったんだ。なんで俺今、縁先輩に蹴られてるんだ。 そうだ、気を失う前も誰かに殴られて、それで……縁の声が聞こえてきた気がする。 「思い出した?」 縁と志摩の声が重なり、落ちてくる。床の上、そのままうずくまっているところを縁に前髪を掴まれ、無理矢理上体を引き上げられた。 「ぅ、ぐ」 「あーあ、傷物になっちゃったね〜齋藤君。でも大丈夫、俺たち齋藤君の顔ファンだから」 「一緒にしないでもらえますか?」 「え、お前齋藤君の顔嫌いなの? 見ろよこの顔、目ぱちぱちさせてかわいーじゃん」 「汚い、の間違いでしょ。つか方人さん、それ以上齋藤揺さぶるとやばいですよ。ほら、焦点合ってないし」 「そうなの? 齋藤君。死にそう?」 二人の声が交互に聞こえてくるが、それを言葉として認識できる余裕がない。ただ漠然と命の危機だけを覚えていて、それから逃れる方法も見つからない。視界が霞む。 そんな俺の視界の中、入り込むように視線を合わせてきた縁は「じゃ、さっさと始めるか」と膝を叩いた。それから。 「今から齋藤君は俺たちにマわされまーす。そんで精子コーティングでもして裕斗君の部屋の前にでも捨てておこうかな」 「あんま痛いことはしないから安心して〜。って言っても、齋藤君次第だけど」前髪を掴まれたまま、殴られたときに出来たらしい額の傷口付近を親指で撫でられ、下半身から力が抜けそうになる。縁の目は笑っていなかった。さっきのだって、縁にとってはまだ『あんま痛いこと』の内に入ってないのかもしれない。そう思えるほどの邪気のない笑顔にただ背筋が凍る。 「ど、して……」 目で逃げ場を探りながらも、必死に会話の糸口を探す。縁はともかく志摩は乗り気でないように見えた。それは俺の希望も入ってるのかもしれないが。 「どうしてって……それ、本気で言ってる?」 瞬間、志摩の声音がワントーン低くなる。しまった、と思った時には遅い。 「俺が何も知らないと思ったんだ。しらばっくれて、『どうして?』とかよく言えるよね。人のこと馬鹿にするのも大概にしなよ」 「あーあ。齋藤君、やっちゃったねえ」 「ぁ、ご、ごめ……」 「齋藤君、亮太臍曲げてるよ。こう言う時は誠意見せないと」 誠意。その響きに、絡み付くような縁の目にただぞっとする。わからない。何を意図してるのか。そもそも志摩は俺と裕斗の関係を知ってるのか。だとしたらなんで。 「誠意と言ったら全裸で土下座だよなあ?」 「――ぇ」 「『たくさん犯してください』ってお願いするんだよ、こういうときはさ。これ、基本中の基本でしょ」 「…………」 何を、言ってるんだ。何を言われてるんだ。 「ああでもこのままじゃ土下座も出来ないか」とあっさり俺の拘束を解いた縁は、「んじゃどーぞ」とニコニコと立ち上がる。床の上、訳も分からないまま放り出されて座り込む俺を二人はただ見ていた。 「脱ぎ方わかんない? 脱がせてあげようか、齋藤君」 「方人さんさっきから齋藤に触りたいだけじゃん。……本当、齋藤まだ立場分かってないんじゃないです? これ」 「寝起きだからな〜。それか、殴り過ぎちゃって馬鹿になったかな? でも俺馬鹿な子も可愛くて好きだよ」 「……冗談。俺、馬鹿すぎるの無理ですけど、責任とってくださいね」 「そこはな? 俺得意よそういうのは」 逃げなければ、と思うのに、手足が恐怖で痺れていく。床の上、後ずさる俺のネクタイを掴み、「捕まえた」と縁は笑った。長い指がシャツの襟からボタンまで乱暴に引きちぎっていく。やめてください、という声もあげる暇もなかった。 「っ、……ぅ、……」 シャツを剥ぎ取られた裸になった俺の体に二人の視線が集まる。皮膚を這うようなその視線が不快で、必死に逃れようと腕で庇おうとするが、それもあっさり縁に拒まれた。背後へと回った縁に「よいしょ」とそのまま子供のように抱き抱えられ、そのまま片手で両腕を頭上で固定される。 もう片方の手が首筋から肩のラインへとゆっくり、撫でるように皮膚の上を滑っていく。 「キスマ、えぐいねえ。裕斗君に言っとけよ。独占欲強過ぎて引くわって」 「……っ、……」 「乳首えっろ。いっぱい可愛がられてんだ」 「ち、が……」 「違うの? じゃ、裕斗君以外のやつにやってもらった?」 二本の指で乳輪を広げるように乳首を強調され、背筋が震えた。向かい側、ソファーに座ったまま汚いものでも見るような志摩の目が突き刺さって顔をろくに上げることもできない。「やってんだ、齋藤君」と背後でくすくす縁の笑う声が聞こえて、否定したいのに声がでなかった。 「真っ赤になっちゃって、かわい〜」 「方人さん、土下座」 「そう焦んなよ。時間はたくさんあるんだから、てか俺だって働いたんだから少し楽しませろよ。なあ? 齋藤君」 「……っ、ぅ……や……っ」 わざと焦らすような手で乳首を撫でていた手がそのまま腹部へと降りて行き、剥き出しになっていた臍付近に触れる。いっそのこと一気に服を剥ぎ取られた方がマシだ。 先ほど蹴られた痛みがまだ除くそこの上を素通りし、落ちてきた指にベルトを緩められる。そのままどさくさに紛れて下着の中へと入ってくる縁の手に堪らず腰を引いた。 「っ、ゃ、やめ、て……ください……っ」 「あーあ、言っちゃった。駄目じゃん齋藤君、君に拒否権はないんだって」 「……っ、ぅ、く……っ」 「あれ? なんかパンツ濡れてんね。俺らに体見られて興奮しちゃった? 君も結構好きだねえ」 「ち、ちが……っ、そんな、こと……っ」 そんなはずない、と言いかけた矢先。下着の中で縮み込んでいたそこを縁に握られ冷や汗が滲む。くちゅ、と濡れた音が下着の中に響き、息が鼻から抜けた。 「……っふ、ぅ……っ」 「ほら、亮太見ろよ。齋藤君勃起してんの。調教されすぎでしょ」 「……方人さん、遊び過ぎ」 「亮太お前も興奮してんの? 早くヤリたくてイラついてんのウケるな。……仕方ねえな」 「ぅ、や……っ」 「逃げんなって、齋藤君。痛いの痛いのやだろ〜? ほら、可愛いチンポ、亮太に見せてやれよ。どうでもいい男にちょっと体触られて勃っちゃったチンポ」 「……っ、……っ!」 いやだ。と必死に藻掻く体をよしよしと抱きすくめられたまま、下着をずらされる。にゅる、と頭を出した濡れた亀頭はそのまま下着がずらされるごとに形をより浮き彫りにしていき、そして一気に腿までずらされるとともにぶるりと芯を持ったそれが揺れ姿を出した。 睾丸まで丸出しになった状態で、恥じる暇もなく「ほら、脱ぎ脱ぎしようね〜」と縁にスラックスごと下着をずり落とされる。 靴下だけ履いた状態で他は全裸というなんとも間抜けな様相のまま、隠すことも許されず二人の前に体を晒す。これを拷問と言わずになんと呼ぶのか。 「綺麗な体だね、齋藤」 皮肉だと分かっていた。裕斗につけられたキスマークと、先ほど縁にやられた傷が混在した体はグロテスクですらある。まだ鬱血までは言っていないものの、赤く腫れた腹部を撫でる縁の指にただ息を呑んだ。 「それで、どうするんだっけ?」 全裸で土下座して、二人に犯してくださいと懇願する? そんなの、正気の沙汰ではない。 「……っ、……」 「齋藤。シラを切ろうとするつもりなら諦めた方がいいよ。方人さん、しつけーから」 「そうそう、俺我慢比べは好きなのよ。……ま、亮太には負けるけど」 「……ぁ……」 ここで俺が折れたら、終わりだ。合意にしてはならない。そう分かってるのに、「齋藤君」と耳元でたっぷりと息を吹きかけられるだけでぞわりと全身が震えた。きゅ、と肛門に力が入り、性器が震える。 「そんなに齋藤君が嫌だって言うなら別に裕斗君にさせてもいいんだけど、これ」 その一言に頭の奥が熱くなる。思わず背後の男を振り返った。 「方人さん……」 「けど、全然楽しくないし俺も見たくないからな〜あいつしぶといし死ぬほど抵抗するから先に半殺しにして土下座の体勢のまま縛るのが安定かも」 「……ま、あいつならそうなるかもね。逆に齋藤よりかは楽かもしれないけど、それ。俺は見たくないけど」 二人がなんの話をしてるのか理解できない。そもそも裕斗先輩は志摩の実のお兄さんじゃないか。なんで止めないんだ。どうして。 そんなことを考える余裕も次第になくなっていく。恐ろしい光景を想像し、ただ血の気が引いた。 裕斗先輩は退院したばかりだ、そんな先輩をこんな目に遭わせるなんて。そんなの。絶対に駄目だ。 「……っ、……」 片膝をつく。それから、もう片方も。 跪き、恐る恐る志摩に向かって床に手をついた。流れ出した汗はそのまま床に落ちる。執着よりも遥かに恐怖が大きかった。 「お」 「……」 二人の視線が突き刺さる中、三つ指をついてそこに鼻先を押し付けるように頭を伏せた。視界が暗い。何も見えなくなるのが救いですらある。 「うんうん、じょーずだねえ。なんて言うんだっけ?」 「……っ、ぉ、俺を…………お、かして……ください……」 「齋藤、全然聞こえないんだけど。方人さんにだけ言ってんじゃないよね、それ」 「……っ、俺を、犯してください……ッ!」 頭に血が、熱が溜まっていく。声を絞り出すように張り上げた瞬間、持ち上がった下腹部に何かが触れる。縁の手だ。頭を伏せた代わりに持ち上がった尻に這わされたその手は広がった肛門に触れる。 「……っ、……」 「どうする? 亮太。齋藤君、俺らに犯して欲しいんだってよ。本当男好きだもんね、齋藤君」 「っ、ぅ……」 「こんなに真っ白なお尻振ってさ、男の誘い方が上手だねえ。……そうやって裕斗君も誘ったんだ?」 「っ、ち、が……ぅ゛……っ!」 言い終わるよりも先に、ず、と中に入ってくる指に背筋が震えた。筋っぽい縁の長い指は容赦なく中を掻き分け入ってくる。乾いたそこに入ってくる指に粘膜を引っ張られ、避けるような痛みが走る。 「っ、ぅ、く……っ!」 「おお、前よりもだいぶ使い込んでるじゃん。優秀優秀」 「っ、ゆ、び、抜……っ、ぅ……ッ」 「犯してください、って言ったのは齋藤君だもんねえ? 俺らのやり方に今更文句言わないよね」 「ふ、ぅ」 苦しい。痛い。気持ち悪い。のに、逃げようとすればするほど腰を掴まれ、更に奥までぐにぐにと入ってきた指に中を探られる。痛い。気持ち良くないのに。 「……っ、ぅ……く……っ! っ、ぁ」 「前立腺みっけ」 「っ、……っ、! ふ、ぅ」 「逃げんなよ。ほら、亮太。頭捕まえとけ」 「はいはい。……人使い荒過ぎ」 「っ、し、ま……っ、ぁ、んむ」 目の前にやってきた志摩に顎を掴まれる。普段の軽薄な笑顔も何もない。ただ、志摩は無表情で俺を見下ろしていた。口の中に捩じ込まれる指にそのまま舌を捕まえられる。引き摺り出され、そのまま尻を弄られると出したくもない声が喉の奥から溢れ出した。 「……っ、ぅ、ぁ、……っ、あ゛……ッ」 「大分柔らかいなあ。ここ、今朝も裕斗君にハメてもらったのかな?」 「……キッモ、嫌なこと想像させないでくださいよ」 「これが本当の穴兄弟ってね。ほら齋藤君、力抜いて」 「ぅ、く、ぅ……ッ」 「中、腫れてんねえ。こん中今突っ込んだらチンポ溶けそ〜」 「ぅ、んぅ……っ、ふー……っ」 苦しくて気持ち悪い。触られたくないのに、逃れられない。 前立腺を指でトントンされる度に脳を直接震わされるような刺激が広がり、体が震えた。気持ち良くない。こんなの。 「……っ、ぅ、……ぅ゛う……〜〜っ、」 「犬みたいだね、齋藤」 「ゃ、ら……ぁ……っ」 「……齋藤が招いた結果だよ、これも。全部」 「は、……っ」 「だから、ちゃんと受け止めなよ。……ねえ、齋藤」 「ぅ、ん゛」 伸びてきた志摩の指に乳首を抓られた瞬間、目の前が明滅する。 やめろ、と体を捩って逃れようとすれば縁の指にそれを邪魔される。睾丸の裏側を指で揉まれ腰が震える。仰け反った胸元、そのまま先っぽを引っ掻かれ、喉が震えた。 「っ、ぅ、あ」 「へ〜〜いいな、それ。前立腺と乳首も弄ってやると中の締まりがダンチで良くなる」 「っ、ひ、……っ、ぅ、う〜……っ」 声を堪えたいのに口をこじ開けられた状態では息を殺すことも出来ない。間抜けな声が漏れ、その度に楽しげに前立腺をこりこりと揉みほぐされるだけで下半身から力が抜けた。 「よかったね、方人さんに褒めてもらえて」 「は、ぁ……っ」 「何乳首勃たせてんの? まさか本気で喜んでる? ……本当、男だったらなんでもいいんだ?」 「っひ、ち、ぁ……っ、あ゛……ッ!」 「涎やばすぎ。犬みたい」 「気持ちい? 齋藤君」 「っひ、ぅ……〜〜っ」 違う。気持ちいいはずないのに。 熱を持ち、じわじわと広がっていく快感から逃れることができない。気持ち悪くて苦しいのに、弱いところを集中的に刺激されると否応なく反応してしまう。 震える度に晒された性器が揺れ、腿に当たった。腰を引きたいのに、身を捩れば縁の指が当たって余計身動きが取れなくなる。四面楚歌。 「あはっ! 見ろよ亮太、齋藤君頑張って耐えてんのまじで可愛いよな。どうせ無駄なのに。なあ?」 「……」 「っ、ぅ、あ、……っ、ぅ……ッ」 「ほーら、齋藤君大丈夫大丈夫。これレイプだから安心していっぱいイッていいぞ」 上昇する体温。滲んだ汗を拭うこともできない。 無言で乳首を引っ張られたまま先端を撫でられるだけで集まった神経は尖っていく。視界が、狭くなる。 「……っぁ、う、んん……ッ!」 「やっぱ齋藤君はどの表情でも映えるな。ほら、目え逸らすなよ。齋藤君」 「っ、あ……ッ、あ、ぅ……――ッ!」 明滅の光が増し、そして視界が真っ白に染まっていく。 大きく仰け反る俺の体を抱き止めたまま、「お、イッた」と縁は笑いながら指を引き抜いた。その拍子に関節が中を摩擦した衝撃だけでも頭が真っ白になる。 ガクンと跳ねる俺の下半身を見て縁は笑う。 「相変わらず弱弱だね〜齋藤君、裕斗君が悲しんじゃうよ。こんなにチョロすぎたら」 「ぁ、え……」 「股も呂律もゆるゆる、自分から足開いてんのエロ過ぎだって。齋藤君」 殴られた痛みで感覚神経が壊されたのか、とろりとカウパーを垂らす亀頭を縁に指で弾かれる。それだけで下半身が痙攣し、崩れ落ちそうになる体を今度は志摩に抱き止められた。 ゾッとするほど冷たい目の志摩と視線がぶつかる。 「し、ま……っ」 「……媚び売る相手、間違えてない?」 ま、いいけど。と志摩は小さく呟き、そしてそのまま俺の唇を塞いだ。 「……っ! ふ、ぅ……っ」 「亮太。抜け駆けやめろよ。……ほら齋藤君、俺ともチューしような」 志摩からのキスに気を取られたのも一瞬、すぐに髪を引っ張られ、引き離される。そのまま縁の方を向かされたと思えば更に深く縁に唇を貪られる。 「っ、ぁ、んむ、……っ、ぅ……っ!」 「舌ぁ〜……っ、ほら、ちゃんと絡めるんだよ」 「ん、んぅ、ふぁ……っ」 キスを邪魔されて不快そうな志摩に構わず、むしろ見せつけるかのようにわざと舌を突き出して俺に咥えさせてくる縁。 逃げたいのに、二人に挟まれて身動きすら取れない。裏顎から舌の裏筋までたっぷりと唾液を絡めた舌で舐られ、絡み取られる。ん、ん、と呻くことしかできない俺の下半身、腰に押し当てられる硬い感触にただ全身が硬直した。 「ん、……っは、……ほら、俺の唾液〜ちゃんと溢さずごっくんするんだよ」 舌伝い、とろりと流し込まれる唾液を拒むこともできなかった。舌を引き抜かれるとともに顎を掴まれ、口を閉じられる。 「ん、ん゛……っ」 「は、まじで飲んでんの。調教行き届き過ぎ。慣れてんねえ齋藤君。流石」 言われるがまま口内の異物を飲み干せば、縁は嬉しそうに目を細めた。けれど。 「……方人さん」 「あーあー、怒んな。ほら齋藤君、亮太の機嫌取りよろしく〜。俺は先にこっち貰うから」 「アンタ好き勝手し過ぎだし」 ぐっぽりと開いたままの肛門に何かが押し当てられる。咄嗟に振り返りそうになったとき、伸びてきた志摩の手に無理矢理志摩の方を向かされた。 落ちた前髪の下、薄暗い志摩の目にじっと瞳の奥を覗き込まれる。 「齋藤。キスって普通好きな人としかしないんだよ、知ってる?」 「っ、ん、ぅ……っは、……し、しま……たすけ……」 「違うでしょ。齋藤。知ってるんだよね、媚の売り方。男の喜ばせ方。……兄貴に散々教わったんでしょ?」 「は……っ、ぁ……」 「俺知ってるよ? 兄貴って性欲馬鹿だろ? 顔見りゃ分かるよ。それに、齋藤も齋藤だしさ。毎日やってんの? じゃなきゃ、こんな恥ずかしい体になんないよね?」 「ぁ、し、志摩……っ、ゃ、めて……っ」 「なにこの乳首。人前で脱げないでしょ。それどころかシャツ着ても丸わかりだし、せめてニップレスつけるなりしなよ。それしないってことはわざと見せつけてんの? 他の男に? 救いようないよね、本当」 「ぁ、あ……っ、ゃ、し、ま……っ」 乳輪を撫でられ、そっと触れた志摩の指に突起の根本から先っぽにかけて絞るように扱かれ、脳の奥が赤く染まっていく。牛の乳でも絞るように一般男子に比べて明らかに長く伸びたそこを扱かれるだけで腰が震え、背中が反る。もう片方の乳首を柔らかく擽られるだけで「んんっ」と鼻にかかった声が漏れ、志摩は笑った。 「気持ち良くなってんじゃねーよ」 「っ、ご、め、ぁ……っ、う、ひ……っ!」 「乳首いっぱい触ってもらえて嬉しいもんな、齋藤君。無茶言うなって。……ほら、こっちもたくさん弄ってやるからな」 「ぅ、あ……っ!」 にち、と濡れた音を立てて縁の性器を押し付けられる。そのまま裏筋からカリまで尻の割れ目に這わせるように乗せた縁はゆっくりと位置を調整し、「ここかな」と俺の腰を掴んだ。 「っ、ま、って、くださ……」 「処女みたいな反応興奮するじゃん。いいね。タマ上がってきた」 「方人さん下品過ぎ」 「お上品なセックスしたいんだったら他所あたれよ。なあ、齋藤君?」 そう、縁が息を吸うのと同時に一気に腰が沈む。焼け落ちそうなほど熱く、硬く勃起したそれに文字通り貫かれ、喉の奥からは悲鳴が漏れた。 針金のように硬くなった体を抱きしめられたまま、更に隙間がなくなるほど根本まで捩じ込まれ、息が止まる。 「……っ、ぁ゛……ッ」 「入っちゃった。裕斗君専用のところ〜」 「ほら見て、齋藤君。ここ、今俺ここにいるよ〜?」楽しげに息を吐き出し、縁は笑う。その振動すらも筋肉伝いに伝わり、みっちりと押しつぶされた前立腺に響く。 そんな、と頭が真っ白になる。 裕斗と一緒にいたら、もう無理してこんなことしなくてもいいんだって。思っていた。 「ぁ、や、ぬ、……っ、ぅ、……〜〜っ!」 「抜かない抜かない。それより齋藤君の中、俺のにぴったり吸い付いて離してくんないんだもん。ほら、前立腺、ここ、分かる? 抜こうとしたらずりずりって削れちゃって気持ちいいねえ」 「っや、いやだ、うごかないで、ぅ、あ゛……っ!」 「抜けって言ったり動くなって言ったりどっちだよ。ほら、欲しいって言ってたチンポなんだからもっとちゃんと味わってくれないと……っ!」 「ぅ、ひ、ぃ゛……ッ!!」 苦しい。のに。縁の言う通り、今までだったら苦しいだけの挿入が裕斗に開発されたことにより快感に変換されていく。腫れた前立腺がよく当たるように腰を突き出すように固定されたまま、そのままゆっくりと抽送を始める縁にただ俺は目の前の志摩にしがみつくことしかできなかった。 →続き https://t589423.fanbox.cc/posts/8745812 『齋藤再教育シリーズ』 https://x.gd/O3tTO