「原田さん、今日うちに来ない?」 ――更衣室にて。 そう、丁度上がろうとしていたところを同じく上がりのタイミングだった司に呼び止められる。 無論、俺にも学習能力云々はある。 司の家に行くなんて、ラブホに手ぶらで遊びに行くようなものだ。 「い、いやだ」 「なんで」 「逆になんで俺を誘うんだよ」 「原田さんに見せたいものがあって」 「……見せたいもの?」 そう、と司はこくりと頷いた。 「因みに見せたいものってなんだよ」 「言ったら面白くないだろ」 「う……そっか。じゃあヒント!」 ヒントくらいいいだろ、と司を見上げれば、司は「原田さんが好きそうなもの」とこちらを見下ろしたまま呟くのだ。 そこで嫌な予感を覚えた。自分で言うのもなんだが、俺の直感は鋭い。結果が伴っているかどうかと言われるとなんともいえないが、嫌な予感だけは当たるのだ。 「まさか、お……玩具とかそういうのじゃないだろうな」 「………………違う」 「なんだよその間は……っ!」 「玩具じゃない。……ちなみに二十万した」 「に、にじゅうまん……?」 なんか家具でも買ったのか? ぱっと思いつかないが、想像できない分なんだか無性に気になってきた。 「……で、どうする?」 「少し覗くぐらいなら」 いいけど、と唇を尖らせれば、司はほんの僅かに口角を持ち上げる。 それがやつなりの笑顔だと気付いたのは後になってからだった。 ――それが、一時間ほど前のことだ。 「ぅ、う、うう……ッ!」 そして現在、司宅にて。 俺はリビングにどんと置かれた診察台型拘束椅子に全裸でを噛まされたまま座らせられていた。 いや、本当になんでこうなった。 「良かった、原田さんが気に入ってくれて」 飯を食う場所にこんなものを置くなとか色々言いたいことはあったが、あまりにも人を脱がして枷に繋ぐまでの手際が良すぎる。 逃げる暇もなく手足を繋がれてしまえばおしまいだ。強制的に開かれたまま固定された剥き身の下半身を覗き込むよう、付属の椅子に腰をかけた司はそのまま閉じることもできない俺の足の奥に触れるのだ。 「っふ、う」 ひんやりとした司の指がそのままきゅ、と閉じる俺の肛門を柔らかく撫でる。それがこそばゆくて逃げようと身動ぐが、びくともしない。 というかこれ、普通にAVで見るガチよやつじゃねーか。とかこれに二十万かけるなとか、お前は自宅をラブホにでもすんのか?とか色々言いたいことはあったが、そのまま肛門にクリームを塗り込まれれば文句諸々吹き飛んでしまいそうになる。 「……っ、んーっ! ぅ、んん……っ!」 「これなら原田さんのお尻の穴、中がうねってるのまでよく見える。……買って良かったな」 「う゛、ふ」 待てお前今なにしれっと塗り込んでるんだ、と言いたいのに口枷が邪魔で上手く喋れない。 ねっとりとクリームを粘膜全体に塗り込まれ暫くもしない内に熱くなっていく体内に、ふるりと腰が震えた。 「これ、……原田さんが興味あるって言ってた媚薬。直接性器に塗り込むから即効性なんだって」 「っ、ふ、ぅ……」 「安心しろ。……ちゃんとこっちにも塗ってあげるから」 「ん゛、むう〜〜ッ!」 誰もそんなことは頼んでない、と慌てて手足を動かすがびくともしねえ。流石二十万。 ケツの穴から指を抜いた司はそのまま哀れなほど震えていた性器に触れるのだ。 確かに、司の言う通りだ。媚薬クリーム塗り込まれたところがじんじんと熱くなっていく。 そんなものを性器に塗り込まれてたらと思うとぞっとした。やめろ、と首を横に振るのもつかの間、司は無視して俺の性器を握るのだ。 「ふ、ぅ……っ!」 包み込むように手全体を使って、根本から先っぽ、皺や筋にも隈なくねっとりと塗り込まれていくクリームに既に意識は乱れていた。 これは、まじでやばいかもしれない。 正直媚薬もののAVなんて演技だろ、と思っていたが、ただたっぷりと塗り込まれてるだけだというのにそれだけで性器周辺が熱くなっていき、勃起を抑えることができなかった。 「原田さん、もう硬くなってる」 「ふ、う゛ぅ……」 「……可愛い、腰浮いてるし。もしかして、 もう我慢できない?」 小声で耳打ちされ、ふるふると首を縦に振る。 というか拘束を外してくれ、と言いたいのに、司はまるで拘束を解く気はなさそうだ。 それどころか、 「けど、駄目だ」 「……っ、んむ」 「せっかくだから、もう少し原田さんに楽しんでもらいたいし」 「む゛……っ?!」 楽しむって、まさか。と青ざめる俺の目の前、立ち上がった司はそのまま段ボール箱を持ってくる。 そして、どさっと転がされたそこに入っていたえげつない玩具の数々に気が遠くなる。 ――なんかお前、この前より増えてねえか?! 「原田さんに使いたい道具、いっぱい用意したから」 「むぐぐむむ!(そんなもの買わなくていい!)」 「嬉しい? ……そうか、よかった」 「むぐ〜〜!(言ってねえ〜〜!)」 俺の突っ込みの声もろくに届かねえまま、やたらと楽しげな司はアナルバイブにローションを垂らす。 じんわりと熱くなっていた肛門にその先っぽの部分を押し付けてくる司に、ひくりと喉の奥が震えた。 「ぅ、む……っ!」 「……大分、原田さんのここも柔らかくなってきたな」 「ん、うう……っ! む、う……っ!」 じんじんと熱を持ち始めていた体内は、ぐぷ、と頭を埋めてくるその異物に驚いて固くなる。 ぼこぼとしたなだらかな凹凸が粘膜を摩擦し、柔らかく圧迫しながらも奥へと侵入してくる感触に堪らず診察台の上でばたつく。が、流石二十万はびくともしない。 自力で外れないように根本までずっぽりとハマめられ、そのままスイッチを入れる司。瞬間、腹の奥でぐいんぐいん動き出すそれに前立腺を押し潰されそうになる。 「ぅ゛、ふ……ッ!!」 や、やばい。やばい。これは。 抜きたいのに抜けないどころか、手足固定されてるお陰で体勢で紛らわすこともできない。 診察台の上、仰け反る俺を冷静に見下ろしたまま司は俺の性器に触れる。気付かぬ内にガチガチに勃起したそこからは止めどなく先走りが溢れていて、つうっと裏筋を司に撫でられただけで腰ががくんと震えた。 「ぅ゛、む゛……っ!!」 「原田さん、気持ち良さそうでよかった」 「ぅ゛、むうう……! う、」 「じゃあ、これも気に入るかな」 言いながら亀頭を掴んだ司。 待て、何をするんだ。 凍りつく俺の目の前、先端に細長い棒のようなものがついた玩具を取り出した。その棒の部分にはよく見ると小さなサイズの違う球体がついている。 俺はこれがなんなのか、なんに使うものか知っている。品出ししながら『ぜってえ使いたくねえ』と思ったからだ。 「……尿道バイブ。ちゃんと前立腺まで届くのを選んだから、これなら原田さんも楽しめるんじゃないかって」 「む、……ぅっ、……!」 「大丈夫……今日はちゃんとたっぷり慣らしてからやるから。原田さんが気持ちよくなれるように」 「だから、まずはこっちから練習していこうか」とカテーテルを手にした司に俺は青ざめていくのだった。 「勃起しすぎてると入りにくくなるけど、原田さんなら大丈夫だろ」 「む、う゛」 「大丈夫。ちゃんとたっぷり濡らすから」 カテーテルを始め、尿道プラグ、潤滑ゼリーとどんどん出てくる出てくる。 お前買いすぎだろ、と突っ込む暇もなかった。 たっぷりと尿道の中まで濡らされ、同様濡らされたカテーテルの先っぽで尿道口を撫でられ、下半身が痛いほど熱くなる。恐怖やらなんやらで止めどなく溢れてくる先走りを絡めながら、そのままつぷりと挿入される細い棒に「むうう……っ!」と声にならない悲鳴が漏れた。 「っ、ぅ、む、……っ! ふ、ぅ……っ!」 「原田さん、怖い? ……震えてるの可愛い」 「む、ぅ……っ」 俺だって尿道オナニーは気持ちいいと聞いてコラムやら有識者たちによる体験談は読んできた。 けれど、生半可な気持ちで手を出すなと散々脅されたので諦めていた――その理由が今なら分かるかもしれない。 少しでも暴れたら、中が傷付いてしまうのではないかという恐怖と隣り合ったまま、ぴんと勃起した性器の奥の奥まで入ってくる細い無機物の感触に脳の奥がじわじわと熱くなる。 「む、う……っ」 気持ちいいというよりも、やべーことしているという背徳感、そしてケツのバイブの震動が尿道口まで響くみたいでどうにかなりそうだった。 まだ圧迫感の方が強く、深くまで入ってくるそれが怖いのに拒めない。 そのまま司にカテーテルの根っこまで挿入され、栓をされた。 「ふ、ぅ……っ!」 「……ここ、早く出したいってビクビクしてる。痛くない?」 「ぅ、んんぅ……っ!」 痛みはない。それどころか、最初の異物感も熱とともに段々馴染んでくるのだから恐ろしい。 「大丈夫そうだな」と俺から手を離した司はそのまま立ち上がる。そして、 「……本当、いい眺め」 当たり前のように携帯で撮り出す司にもう俺はどうにかなりそうだった。顔、身体、性器、肛門、そして最後にローアングルから全体像を収める形で撮影していきやがった司。 「む、ぐ……っ! うう……っ!」 「大丈夫、俺用にするから……誰にも見せない」 「むぐぐ……っ、ぅ……っ!」 「それよりも、こっち。寂しそうだな」 言いながら人の胸に手を這わせた司は、ぴんと尖っていた乳首を柔らかく捏ねるのだ。既に全身の快感が高められ、尚且つ射精を阻害されたこの状況下。 「余ってるやつあるから全部使うか」 なんて、末恐ろしいことを言いながらローターのコードを鷲掴みにしてじゃらりと取り出す司に血の気が引いた。 何故、俺は一体どんな罪を犯してこんな拷問を受けているというのだろうか。 「ッ、ん゛、ぅう゛う゛……ッ!!」 「っ、は……すごい痙攣してる、ほら、原田さんここ見て。……ああ、見えないか。原田さんのここ、早くイキたいってドクドクいってる」 「ふ、ッ、ぅ゛」 「……けど、もう少し我慢して。俺も、今の原田さんでイキたいから」 全身汗やらなんやらあらゆる汁でべちょべちょになってる人の顔を見下ろしたまま、司は自分のベルトを掴む。 涼しい顔して既にガチガチに勃起している司を見て青褪めた。 まさかそのまま挿れるんじゃないだろうな。 媚薬クリーム塗りたくられたケツの穴にきゅっと力が入った時、司はそのまま下着から自分のブツを取り出す。 「……原田さん、見て。原田さんのエロい姿見てたら俺もうやばいかも」 「ん゛う〜〜!」 「ほら、先走りの量ヤバ……これだけでも妊娠出来そう」 何言ってんだお前とか、人の顔の前にチンポ出すなとか言いたいこと色々あったのに、照明に照らされぬらぬらと怪しく照らされる凶悪でしかない性器を顔に押し付けられると呼吸が止まってしまう。 「っ、ん、ぐ……ッ!」 「……っ、原田さん、このまま原田さんおかずにするね」 「ふッ、ぅ゛、んん゛……ッ!」 頬に押し付けられた肉の塊がドクドク跳ね、そのまま俺の上に乗り上げ、目の前で性器を扱き出す司に俺はもう目を瞑ることしかできない。チンポの影が瞼に焼き付いたまま、俺はすぐ耳の側でぐちゃぐちゃと粘着質な水音と司の吐息を聞く羽目になる。 流石二十万円の椅子、男二人乗ってもギシギシ言わねえのはすげえ。 なんて感心してる場合ではない。 「っ、は……原田さん」 「ん、ふッ、ぅ゛……ッ!」 シコる司にそのままローターを胸に押し付けられ、油断していた体は飛び上がりそうになる。 が、二十万円の頑丈な拘束に押さえつけられたまま、そのまま乳輪から乳首の先端部まで柔らかくローターで撫でられれば、胸の先端と尿道にぶっ刺さったバイブの震動がシンクロし、脳汁が溢れそうになった。やばい、まじで、これは大分。 「ッ、ぅ゛ん゛ん〜〜ッ!」 「イキたい? ……待って、俺がイクまでそのまま。もっと、我慢してる原田さん見たいから頑張って」 先程よりも更にカウパーを滲ませた司。司の限界が既に近いのは嫌ってほど目に入るブツからも分かっていた。 ぬちゃぬちゃと音を立て、逃げられないほどの野郎臭さで脳まで犯されながら、司のチンポは俺に向けられたままびくん、と震える。ここまで鼓動が伝わってきそうなほどだ。顔を背けたいのに、パクパクと口を開閉する尿道口から目を反らせなかった。 「原田さん……っ、そのまま見てて。俺が原田さんで抜いてるところ、興奮してんのも、全部」 やめろ、と止めることもできない。 鼻先、更に前のめりになる司により視界は完全に影がかる。言葉少なになり、そのまま更に手を早める司。空気越しに司の鼓動すらも伝わってきそうなほどガチガチに膨張したそれを見つめていたときだった。 尿道口が開いたと思った瞬間、勢いよく精液がこちらを目掛けて噴き出した。 「ッ、――!」 咄嗟に顔を逸したとき、ぼたぼたと顔面に落ちてくる精液の熱に、その匂いに目眩を覚えた。 浅く呼吸を繰り返しながら、そのままゆっくりと俺の上から退いた司はそのままついでと言わんばかりに人の顔にぶっかかった精液に性器を擦り付け、頬の上に引き伸ばしていく。 「っ、んん……っ!」 「……出ちゃった、原田さん用精子」 「ふ……ッ」 その言い方やめろ、と猿轡越しに突っ込むが伝わったかどうかは不明だ。 予め言っておくが、俺には他人のましてや男のオナニーショーを見せつけられて興奮するような性癖はない。なかったはずだ。 が、射精したくてもできない現状、性欲を刺激するものならばなんでも反応してしまう体になってるらしい。顔面に塗りたくられた精子臭さすらも睾丸を疼かせる。 早く、早くイカせてくれ。そう懇願するように司を見上げれば、何を考えているのかじっとこちらを見下ろしていた司はそのまま俺の胸を撫でる。真っ平らな胸で唯一尖った乳首を手のひら全体で潰すように撫でられれば、それだけで腰がびくんと大きく震えた。 「っふ、ぅ」 「原田さん……原田さんの声、もっと聞きたい。……やっぱり、これ邪魔だな」 言いながら、俺の口を塞いでいた猿轡を外した司。ようやく呼吸できるようになったと思った束の間、そのままローターで乳首を撫でられ、「ぃ゛う゛ッ!」と声が漏れた。 「っ、まっへ、つ、かさ、つかさ、だめ……っ」 「は……声すっかりとろとろになってる、原田さん。可愛い、もっと声聞きたい。……いい?」 「っ、ん、ゃ、……ッあ、それ、それやめろ、っ、ぉ゛、やだ、それ……ッ!!」 「……っ、ん、そうなんだ、嫌なんだ」 言いながらもやめるどころか限界まで尖った乳首を挟むように二つのローターを押し当てられた瞬間、頭の奥で光が弾けた。 「っ、ぁ゛、っ、んん……ッ!」 「原田さん、今イッた?」 「っ、ふー……っ、ぅ、や、だめ、とれるっ、それ、やばいほんと……っ」 「大丈夫、乳首ちゃんと付いてるから」 「ほら」と再度硬く勃起した乳首をローターで摘まれた瞬間、びくんと上半身が大きく跳ね上がり、拘束具が軋む。 「ん゛、んん゛――〜〜ッ!!」 椅子の上、体を必死にのけぞらしてローター責めから逃げ出したいのに、司はそれを許してくれなかった。性欲出濡れた目でこちらを見詰めたまま、司は更に片方の乳首に顔を寄せる。 そしてあろうことがそのままちゅ、と甘くキスをするように乳首を吸われた瞬間、下半身に熱が広がっていくようだった。 「っ、ぁっ、ぅ、ふ、っ、ゃだ、いやだ、も、乳首いやだ……っ!」 「ん……っ、やだやだしてる原田さん可愛い……けど、原田さんの乳首は嫌がってるようには見えないけど?」 司の舌で乳首を潰すようにぬるぬると転がされ、声を抑えることなどできなかった。 ガクガクと震える下半身に耐えきれず、「いきたいっ、これ、抜いて」と司に懇願すれば、司は目を細めた。 「……そんなにここでイキたいんだ、原田さん」 「っ、つかさ、っいきた、ッいきたい……っ、つかさ……っ」 「もっと可愛く言って」 なにを言い出すんだ、この男は。 と、普段の俺ならば突っ込んでいただろうが、もう今はそんなことを言ってる場合ではない。けれど可愛いの意味もわからないまま、俺は言葉に詰まる。なんだよ可愛いって。無茶言うな。 「っ、つかさ……」 「なに、原田さん」 「……っ、玩具より、司のがいい……っ」 「………………」 なぜそこで沈黙なのか。 駄目だったのかと不安になった矢先だった、尿道口を栓していたバイブに司の指が触れる。そして、そのままいきなりずるりと引き抜かれる尿道バイブに「待ってもっとゆっくり!」と叫ぶ暇もなかった。 「っ、ぁ、んんッ!」 ずる、とチンポの内側から先走りを絡めるように引き抜かれるそれに普段出ねーような声が出てしまったのもつかの間、そのまま勢いよく噴き出す精液の量に自分でも引いた。 も、つかの間。息をする間もなく、代わりにケツの穴に押し付けられる性器。それに気づいたときにはもう手遅れだった。 「は、待て、っ、きゅ、きゅうけ――い゛……ッ、ぅ゛……ッ!」 ずる、と一気に奥まで突っ込まれる司の性器。そのままみっちりとハメられたまま、目を見開き硬直する俺を司は抱き締めた。 「……ごめん、我慢できなかった」 事後報告だけは勘弁してくれ。 司に抱き締められたまま、いつも以上に大きく響く心音に頭がどうにかなりそうだった。 椅子の上で大股開かされて奥まで性器をねじ込まれる。何故こんな辱めを受けなければならないのかということはさておき、ケツの奥、閉じた口を開いて粘膜を摩擦しながら入ってくる司のブツに腹の奥が焼けるほど熱くなる。 なんだ、これ。 反り返った竿と張った亀頭で臍の裏側を擦りあげれた瞬間、腹の奥に更に甘い感覚が広がった。 「ぅっ、んう、熱ッ、ぃ゛い……っ! なにっ、なにこれ、つかさ……っ」 「ん……っ、多分それ、さっきのゼリー」 「っ、え」 ……ってことは、そんなもの塗りこまれたところに突っ込まれたら司まで危ないのではないのか。 そう思わず目の前の司を見上げたとき、前髪の下、やけに据わった目でこちらを凝視していた司と視線がぶつかってしまう。 「……っ、やばいかも」 ですよね。 肺に溜まった息を吐き出す司、その額や体に薄っすらと滲む汗。そして、普段の何割か増しで恐ろしい目でこちらを見詰めてくる司にただ俺は震えることしかできなかった。 「っ、ひ、まっ、まて、待って、つか、ぁ……っ、んん……ッ!」 「原田さん……っ、原田さんの中、熱すぎて溶けそう……このままずっとここにいたい、原田さんの中、気持ちよすぎ……ッ」 「はっ、ぅ、ひ……っ! っ、んん、つかさ……っ、ぁ……ッ! はっ、は、げし……ッ!」 身動きの取れない状態のまま司に突っ込まれるというのはなかなかの拷問であった。 しかもお互い感度と興奮だけは増長された状態である。 椅子が壊れる、二十万が壊れると危惧するものの奥までずっぽりと突っ込まれたまま深いところを執拗に責め立てられれば、やばい。 主にただでさえ散々焦らされ弄ばれた性器と神経が繋がったみたいに衝撃がもろにきて、震動と粘膜への摩擦だけでイキそうになる。つか、熱い。熱すぎてケツが溶ける。 「……っ、原田さん」 「んむ、ぅ……っ、ふ……っ、んんうぅ……っ!」 「ふ……っ、原田さん、気持ちいい?」 「わ、わかんね……そんなのっ、き、聞くなよぉ……っ!」 「……泣かないで、原田さん」 緩急つけてねちねちと奥ばかりを責めながら、俺を抱き込んだ司はそのまま頬にキスをしてきた。そこで自分が泣いているということに気付かされる。 強すぎる刺激に涙腺まで馬鹿になってしまったのかもしれない、おまけに少しだけきゅんとしてしまった自分にも恐ろしくなったとき。 「……なら、もっとちゃんと気持ちよくなるまで頑張るから。俺」 こんなことならば、恥ずかしがらずに「気持ちいいです!」と声高らかに言っておくべきだった。 チンポ突っ込んだまま椅子に備え付けられてた収納スペースから何かを取り出す司に青ざめるなも束の間、俺は司の手に握られたそれを見た瞬間更に地獄を覚悟した。 頑張れば人を殴れるのではないかと思えるほどの大きな棒状のそれの先端部は一部極端に括れ、そして先っぽはなめらかな曲線を描いている。早い話、電マである。俺でも知ってる。 「っ、まっ、まてっ、それ、AVでよく見るやつ……ぅ゛……っ!!」 本来ならばちゃんとしたマッサージ機のはずが、別の用途での使い方のほうで人類に重宝されてきたアイテム。そんなブツを起動させた司は、そのままその先っぽを人の股間に向けてきたのだ。 丸出しに露出してた玉に向かってそれが近付き、慌てて腰を引いた拍子に微かに掠めてしまう。それだけで伝わってきた微弱な震動に意識が飛ぶかと思った。 「――ぃ゛ッ! ゃだやだやだ待って、つかさっ、むり、むり俺それ無理……っ!!」 「アダルトショップで働いてて電マ拒否んのはちょっとどうかと思う」 「個人差があるだろ!」 「……っ、大丈夫。原田さんが痛くないように、少しずつゆっくり当てていくから。これハメながらだと余計中響いて気持ちいいし」 俺で試さないでくれ。あとどこ情報だそれ。 突っ込みたいことは多々あったが、狂気のように股間に向けられた電マが恐ろしすぎてそれどころではない。 「いやだっ、やめ、やめ――っ、ひ、ぃ゛ぐ……!!」 ゆっくりと迫ってきた丸みを帯びた先端部。必死に逃げようとするが俺に逃げる場所なんてなかった。容赦ななくやんわりと、且つしっかりと押し付けられる電マから流れ込んでくる震動に玉の中までかき回されるようだった。 つか、待ってくれ。これ……すげえ気持ちいいかも。 「ふ、ぅ゛〜〜〜……っ」 もっと大事故起きるかと思ってたのに、想像よりも優しくマッサージしてくれるそれに堪らず腰が大きく震えた。優しすぎる。優しすぎるのに、容赦がない。玉の中まで揉み解されるような刺激に身悶える俺に電マをそっと添えたまま、司は抽挿を再開させる。 「ふ……っ、ぅ゛う゛……ッ!」 「……っ、は、原田さん、気持ちいい?」 「っやだ、それっ、やめろ……っ、ぉ゛……っ! ひっ、ば、か……っ、や゛……っふ、ぅ゛……ッ!」 「中までビクビクしててやば……っ、ん、ほら、ここの玉とアナルの間も気持ちいいらしいよ」 「ぅ゛、ううぁあ……ッ! や、っ、まって、まっ、ふ、それ、まじでやばっ、ぁ゛……!」 玉の表面からゆっくりと降りていき、そのまま肛門に向かって電マを押し当ててくる司。普段は感じたことのない心地よい振動が直に下腹部、前立腺まで響き、脳味噌までも揺さぶられるようだった。 絶え間ない持続的な刺激はただ俺をしっかりと追い詰めていき、ただでさえイッたばかりの体は呆気なく達する羽目になる。 「ぁ、あ、ぁあああ……っ!!」 どぷっ、と宙に向かって頭を擡げていた性器からは精液が噴き出す。それを腹で受けながらも、余韻に浸る暇もなく下半身は快感を受け続けた。 「……ん、ぅ……っ、は、結構出たな」 「っ、も、もぉやめろ……っ! た、たま、おかしくなる……っ!」 「大丈夫、こういうのって気の持ちようだから」 「っ、う、うそ、やっ、ひ、ィ゛……っ!」 「……じゃあ、そこまで言うなら」 そう、痙攣の止まらない腿を撫でながら、司はそのまま電マをゆっくりと動かす。再び玉の表面を滑り、先走りでどろどろに濡れた竿の付け根に押し当てられるそれに俺は目を見開いた。 「にゃ、っ、ぃ゛、なに、なに……っ!!」 「原田さんのここも、しっかり解してやるから」 「ぉ゛っ、ぅ゛や、やだ、つかさっ、またいくっ、もげ、もげる……っ! あ、っ、やば、ぃ゛ッ、これ、も、む、むり……っ!」 「……っ、は、原田さん、締めすぎ……っ、ここそんなに気持ちいい?」 「き、きもちいからっ、きもちいからやめろ……っ、ぉ゛……っ! 馬鹿になる……っ、チンポ壊れるから……っ!」 竿から裏筋を通り、限界まで張り詰めた亀頭に登っていく電マ。さっきの尿道責めの余韻でただでさえ過敏になってたそこへの責めにガチャガチャと拘束具を外そうと必死に首を動かし暴れる俺を見下ろしたまま、司は目を細めた。 「……それ、いいな」 普段のクールで落ち着いて大人しい司はどこに行ったのか、その目に滲む色は淫蕩そのものであった。 ただでさえ嫌な予感がした中、俺の中に根本までずっぽりとチンポ収めたまま司はそのまま亀頭の側面、そして先端の鈴口へと電マを押し当てた。瞬間、溢れていた体液諸々を巻き込んで滑る先端部に頭の中で無数の光が弾けた。 「ぉ゛……〜〜ッ! ぁっ、あっ、あ……ぁ……っ!」 最早自制することなど不可能。勢いよく亀頭から噴き出す半濁の体液。それでも時速的な愛撫は止まらず、そのまま追い打ちをかけるように更に強く電マで尿道口を塞がれたとき、ガクガクと大きく下半身が震えた。 そして、司が電マを離したと同時に尿道口から熱が溢れ出す。ぶわっと下半身に広がる放尿感。気付けば尿道からちょろちょろと溢れる尿は椅子のシーツを汚していく。そんな俺を見下ろしたまま、司は乾いた唇を舐めるのだ。 「っ、ご、め、つかさ、むり、ほんと……っ、ぉ、おしっこ……っ、とまんないぃ……っ!」 「はー……っ、原田さん……えっろ……っなにそれ、いいよ、別に。潮でもおしっこでもなんでも、原田さんのなら……っ」 「っ、はー……っ、ふ、ぅ゛……っ! も、ゃ、それ、ゃ゛……っ司のがい……っ、おもちゃ、ぃやだぁ……っ!」 ぬぷ、ぐぷ、と音を立てながらゆるゆると抽挿を再開させる司。内側と外側からの責めに耐えきらずなさけねえ声をあげた瞬間、腹の中で司のものが大きく反応するのがわかった。 そして、 「つかさ……っ、んむ……っ」 亀頭から電マを離されたと思いきや、そのまま床にぽいっと放る司。いきなり快感から解放され、呆然とするも束の間。覆いかぶさってきた司にそのまま唇を深く重ねられる。 「……っ、ん、ぅ……っ」 普段だったらなんでキスなんかと思うところだが、今ばかりは何故かそんな触れ合いに安心感すら覚えてしまうのだからおかしなものだ。柔らかく唇を吸い上げられ、小さなリップ音が響く。 奥にずぷ、と再びねじ込まれる性器に吐息が漏れ、それでも俺は今度は司から逃げなかった。 「は……っ、んむ、……っ、ふー……っ、つかさ……ぁ……っ」 「原田さん、……目真っ赤になってる。かわいい」 「っ、ん、そ、ればっか……も、っ、んっ、……っ、ん、ぅ、……っ、ま、ま……ってっ、や、っんんぅ……っ!」 ちゅ、ちゅう、と何度も触れ、啄むようなキスとともに奥を押し上げられた瞬間腹の奥で熱が広がり、爪先から頭までじんわりと甘く痺れる。 電マよりもマシだろう、と思った数分前の自分に言い聞かせてやりたい。 この状態こそがまさに悪手、それも、重ねに重ねた今こそがもっともやばい。 「っつかさ、やっぱ、も、やめ――」 「じゃあ今度は、俺ので気持ちよくさせるから。――原田さんのこと」 そう微笑む司に、俺はただ気が遠くなっていった。 「う……二十万が……わ、悪い……」 「なんで謝るんだ?」 「なんでって、せっかくの新品を汚してしまったわけだし……」 事後。ようやく解放され、風呂に入って始まった2回戦目途中気絶して気付けば日付を跨いでた。何事もなかったように綺麗にされた拘束椅子をそっと撫でてると、司は不思議そうな顔をする。 「元々これは汚れる前提に作られたものだ。……それに、原田さんが汚したのなら付加価値にもなる」 「…………………………今なんか言ったか?」 「別に何も」 「そ、そうだよな……」 なんかとんでもないこと言った気がするけど気のせいだよな。そういうことにしておこう。 「……にしても、本当よく買ったな。こんなもの……」 話題を変えようと転がっていた電マを手に取れば、電源に触れてしまったようだ。ききなりヴヴヴと振動し始める電マに「ひえっ」と思わず落としそうになった。 改めてまじまじと眺める。そういえばあのときは微弱でも大分やばかったが、一段階あげたらどうなるのだろうか。 ドキドキしながら振動の強度を上げれば、さらに激しく小刻みに振動し始める電マに胸の奥がゾクゾクと震えた。 ……今度自分用に買うか。いや、断じて健全なマッサージのためにだ。そうだ。やましい意図などない。 なんて考えいると、不意に司が近付いてきた。 「……」 「……ん? 司、どうし……って、お前、なに……っ! うぎゃっ!」 何故か司がスウェットの下で勃起してることに気付いたのもつかの間、いきなり電マを持ってない方の手を掴まれ、あろうことかやつは自分のチンポを俺の手に握らせたのだ。 「……やば、また勃ってきたかも」 「な、なんで?! あ、いやこれのせいか?!」 「玩具もってる原田さん、興奮する」 「いつも店でも扱ってんだけどな?!」 ……って、それでかまさかお前いつも店内ですれ違ったときやたら目がこええのかよ。やめろよ。 「……まだ使えてなかったのあるから、他の玩具も使いたいんだけど……いい?」 「つ、司さん? それ人に物をお願いする人間の圧じゃねえって……って力強……っ!」 「じゃあ、原田さんオナホコキしてくれるだけでいいから」 「そっちのがなんか余計やなんだけど……っ?!」 「だめ?」と耳元で囁いてくる司。言いながら、俺の手をつかって性器扱き出す司はとう見てもやめる気などない。それどころか。 「わ、わかった、わかったから無言で例のゼリー取り出すのやめろ……!」 そっと件のゼリーを取り出す司に俺は呆気なく折れたのだ。元はといえばこいつのせいで大分痛い目を見たのだ。ならば無理やりされるよりも余程普通のセックスのがましだ。 そう思って折れたのだけれども。 「……原田さん、好き」 そのままくっついてくる司。その腕に抱き締められ、全身を締め付けられるような感覚に甘いものを覚える自分にゾッとした。 ……暫く、この拘束椅子も使わせない方がいいかもしれない。 びく、びく、と小さく痙攣する下半身を必死に抑えながら、俺は司の唇を受け入れた。 おしまい