XaiJu
himonovtuber
himonovtuber

fanbox


【1週間限定全体公開】私が瞳の物理演算を作るうえで気を付けていること

こんにちは。乾物ひものです。

この記事は、皆さまからのご指摘を頂き、一部表現を改めて再公開したものになります。

以前読んだときと文章が違う!と思われるかもしれませんが、内容自体に変化はありません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【cmo3ファイル配布】ぷるぷる瞳の学習用データ

【禁止行為】 再配布 無断転載 デフォーマ・アニメーションそのまま流用(あくまでも学習用です) データ内の素材(アートメッシュなど)の転用 (6/10追記)過去、アイディア(目に魚が泳いでいる・目の下から上へ泡が上がってくる)自体をこのデータを用いて学習し流用した場合、参考元として乾物ひものの名前を明記すること、...


おかげさまでこちらの配布データ大好評です。

色んな方のオリジナリティあふれるぷるぷる瞳拝見していつも嬉しくなってます。


ぷるぷる瞳の物理演算は、現在、Live2D界隈で流行りといっていいほどよく見かけるようになりました。

バストアップで映ることの多いVtuberモデルとの相性もあって、ぷるぷる目の表現自体も、多様化してきたように思います。

そんな中で、こんな悩みをお持ちのモデラーさんもいるのではないでしょうか。


・流行りに合わせて手探りで作ってみたが、いまいち自分の中でしっくりこない。

・やり方が間違ってるんじゃないかと不安になる。


上記のような問題は、ぷるぷる目以外を作る場面で私も経験したことがあります。

例えば、高可動域モデルを作るため、動く姿が映えるように、人体の動きを誇張した動きを実装したが、自分の中で、なんとなくしっくりこない。

どの塩梅で動きを誇張したらいいかわからず、元の動き自体もゲシュタルト崩壊してしまった。

結果、完成したモデルは、どことなく動きがぎこちなくて、素直に良いものが出来たかの判断が自分ではつかなくなってしまいます。

表現として、動きを大きくしようと思えば、いかようにも動かせるのがLive2Dの魅力です。

だからこそ、自分の中での動きの基準を定めておくことが、重要になってきます。


あっ、ここで断っておきますが、勿論、自分の思う最高に可愛い・かっこいい表現方法として、瞳の物理演算を取り入れることは素晴らしいです。

Live2Dの持つ、2Dの魅力を最大限に発揮するために、それらの物理演算の表現方法を模索される方々も私は尊敬しております。

この記事は、それらの方々を批判する意図で執筆したものではありません。


そのうえで、今、自分の瞳の物理演算の表現に悩んでいる方々の問題の解決になるのは、

なぜその表現になったかを考えることだと思います。

今回は、私なりに、ぷるぷる瞳の物理演算はなにを表現して生まれたのかを考えた上で、私が製作する上で、気を遣っている部分を解説しようと思います。


パラメータ等の基本構造の解説はこちらの記事で行っております。↓

【Live2D解説】newモデルの瞳の構造について

予告通り、こちらの瞳のモデリング方法を簡単に解説します 〇左目 開閉(最小0 最大1.2 デフォ1) 〇右目 開閉(最小0 最大1.2 デフォ1) 〇笑顔(最小0 最大1 デフォ0) 〇目大小(最小-1 最大1 デフォ0) 〇目玉 X(最小-1 最大1 デフォ0) 〇目玉 Y(最小-1 最大1 デフォ0) 「〇」が付いてるのは実際にトラッキングで動かす項目...





まず大前提としてこの瞳は「物理的には有り得ない動き」をしています。

bandicam 2022-03-14 17-39-43-148



それは、「魚が泳いでる」「泡が出ている」というデザイン面でもそうですが、

「瞳が伸び縮みしている」という点が一番顕著です。


一度このcmo3ファイルを手に取った方なら分かると思いますが、

↓のように現実ではありえない動きをするデフォーマが組み込まれています。

bandicam 2022-03-14 17-39-43-148 (1)



「これを物理演算で仕込んでやることにより、「目を開いた瞬間」「目を閉じた瞬間」に一瞬目が伸び縮みする動きが入り、まばたきに大きなインパクトが生まれます。」

と、以前の記事で解説しました。


つまり、目を開けた時、閉じた時に、瞳に物理演算を入れることで、まばたきの動きを誇張しています。





見ての通り、伸び縮みの動きとまばたきの動きは動く方向が同じです。


そしてこの動きは、「瞬き」という同じ縦の動きが起こった瞬間しか発動しません。

言うならばアニメの中割の「あえてデッサンを崩してインパクトを出す」ような表現として使うことが出来ると考えています。



私はアニメーターじゃないので色々間違ってるかもしれませんが、見よう見真似で描いてみた図です。こんな感じでボールが跳ねる時に潰したり伸ばしたりするのとよく似ています。


まばたきを誇張することで、目に注目を集める。

まばたきと動きの方向を合わせることで、アニメーションの中割のようなブレを作り出し、見ている人の目を錯覚させる。


それらを意図して生まれた表現が、ぷるぷる瞳の物理演算ではないかと考えています。

(少なくとも、私は、その意図で瞳の物理演算を入れています。)


さて、ここからは、私が瞳の物理演算を入れる時の制作工程で、なにに気を付けているかを解説したいと思います。

(あくまで、私が気を付けている部分になるので、これが絶対ということではないです!)


・出力が大きくなりすぎないようにする。


現状の物理演算の数値と揺れ具合はこんな感じです。


bandicam 2023-05-26 23-40-52-559


実際のデータも見ていただけると分かるのですが、瞳関連の揺れは、思いっきり目のパラメータを動かしてもなるべく最大出力値が100%を超えないようになっています。

揺れやすさも髪揺れ等より少し抑えて動き過ぎを防いでいます。


入力の方を見ても、大きく動きやすい瞳パラメータは影響度を20%程度に抑えて、振り子が意図しない動きになるのを防いでいます。

なぜ、出力を気にして控えめに調整するのか、ですが

入力度の影響度も揺れやすさも出力設定も、数値をデフォルト値くらい強めると、どうなるでしょうか?



4



こんな感じになります。


↑の動画の出力設定を見てください。

デフォルトの数値だと、最大出力が振り切れて300%という非常に大きな数値になっています。

また、入力の方ですが、影響度が大きいと、振り子の動きがバグって管理が大変なんですね。

5



デフォルトに近い値で、揺れが大きいということは、

このような物理演算の特性をある程度理解していないまま導入すると、意図せず

瞳の揺れが大きくなってしまうということになります。

特に、初心者のうちは、しっくりこなくて調整したくても、

どこがおかしくて、どこを見ればいいのか分からない。

そんな状態に陥ってしまうケースも少なくないと思います。


なので、瞳の物理演算を実装したい!とお考えの方

既に実装している!という方も


・そもそもの数値が強すぎないか

・出力が振り切れてないか


を是非とも確認していただきたいなと思っています。


また、デフォーマの動かし方ですが、


6



この動きの時は「目の上半分」だけを動かすようにしています。

下まつ毛も丸ごと動いてしまわないように気を付けています。

7

8



ご覧の通りです。


そして、今回の記事で特にお伝えしたかったこの動きです。


9



ファイルを配布した時に、この動きが「何をさせているのか」を

特に説明していなかったことを凄く反省してます。

これは厳密には「まつ毛の端っこを揺らす動き」です。



当時はブレンドシェイプがまだ無かったので、既に瞳の開閉に動きが紐づいているメインの上まつげパーツを揺らすにはこうするのがベストだったんですね。


ところが、配布した時に、その意図を説明しそびれていたので、

結果、目の両端を揺らす動きだと思った方もいると思います。


私のファイルではこんな感じの変形ですが、


10



↓「目の両端を揺らす動き」として動かすとこういう形になります。


11



↓物理演算で動かすとこうです

12


違いが分かるでしょうか?

かなり見え方が変わってくると思います。

もしこれを見て「いい塩梅の調整が難しそうだな…」と思った方は、

この「まつ毛の端っこを揺らす動き」は入れなくても大丈夫です。

これが無くても十分綺麗な瞳になります。

そもそも最近はわざわざデフォーマ使わなくても、

ブレンドシェイプを使えば綺麗に動かせますよね。

13


こんな感じで直接アートメッシュを動かせば良い感じになります。


・動かす幅を小さく


動かす幅はまつ毛の端だけです。


14



デフォーマで動かす場合、このように範囲選択ツールで選択し、一時変形ツールなどを駆使してそこだけ動かしてやるといいです。

15


なんとなくで動かしてると↑のように目ごと動いてしまうので注意です。


目頭は特に違和感が出やすく難しい部分だと個人的には思っています。

本当に微細な動きを意識して、目じりより少なめに調整しています。

最悪、無くてもいいかもしれません。

色々いじったあとに、やっぱり無い方にしてみると、そっちのほうが綺麗に見えたりもします…


特にこういう絵柄の目↓


少しリアル調の、目頭がしっかり描かれているタイプの目ですね。

これで目頭を動かすと、他の絵柄に比べて、デフォルメの動きに違和感を感じやすいので、注意が必要です。


最後に、瞳の伸び縮みの方向について、再度触れておこうと思います。

私の製法だと、下の動画のように

16


瞳が伸び縮みする方向は縦方向なんですね。

瞬きにインパクトを与えたいなら、横にも動いた方が見栄えするのでは?と思われた方もいらっしゃると思います。

実際、ぷるぷる瞳が流行して、最近増えてきた製法を見ると、


17


こんなふうに、横にも伸び縮みする動きを入れて、瞳全体がぷるっぷるに見えるようにしているモデルもあります。

18




なぜ私が縦方向のみ瞳の伸び縮みを入れるのか。

理由は、先ほどのこの画像にあります。



基準となるまばたきの動きは、上下の縦方向に動きます。

瞳の物理演算を入れることで、まばたきを誇張して見る人の目に錯覚を起こし、

「単体では違和感の出る動きを、言うならばアニメの中割の「あえてデッサンを崩してインパクトを出す」ような表現として使う」

ことが目的なので、横の動きをあえて入れていません。


この瞳の縦伸び縮み×横伸び縮みの二つを取り入れる場合は、物理演算で多段揺らしにすることが多いと思うんですが、

19



揺れが2段階だと、2段目の動きが瞳が揺れている表現として伝わって、私が瞳の物理演算を入れた本来の理由からは離れてしまいます。


ただ、あくまで私の目的なので、うるうるの瞳を表現するために、横の動きも導入する場合もありますよね。(例えば、泣いてる瞳とか、スライム系の子とか。)

もし参考にして、これから瞳の物理演算を導入を考えていたり、調整を考えていたりする人は、自分の目的に合った方法を選んでみてください。


あと、これは余談ですが、先ほどのアニメの中割り的手法の図で、


縦方向のみ伸び縮みさせると言いましたが、例えばこんな風に、


伸び縮みの間に、横方向の動きが加わることで、瞳の揺れではなく、目的であるまばたきの誇張による目の錯覚を起こすことが出来るのではないかと思います。


その場合は、多段揺らしを無くしてどちらも同じタイミングで動かして

20



タイミングを同じにするためにどっちも振り子の1段階にしてみます。(赤枠)


21



ちょっと揺れが強すぎる気がしたので抑えます。

22


パラメータを2つ使う必要がないので、一つにまとめます。

で、まとめると横の伸び縮みじゃなくて瞳全体の収縮になりますね。

23



次、2段で揺らすとしっくりこなかったので思い切って縦の伸び縮みを消してみました。

消してなんやかんや調整した結果がこちら。

24


これでも良い感じですね。

私が普段使ってる縦の伸び縮みより、より強めの誇張表現ですが、魅力的に見えると思います。

工程としては、

・瞳は多段揺らしを無くす

・縦か横、もしくは収縮のどちらかにする

という感じです。

私が普段取り入れている手法とは少し異なりますが、参考になれば幸いです。



ーーーーーーーーーーーーーーーーー


今回取り上げた、デフォルメの効いた動きを付ける上での考え方は、瞳に限らず、色んな場面で応用できる考え方だと思います。


「何故この動きを取り入れるのか」

「この動きをどの程度取り入れれば、自分のモデルの世界観とマッチするか」

「(しっくりこなかった時は)違和感が生まれた原因はどこか」 


今までそんなこと考えてなかった!いきなり言われても考えることが多くて難しい!

最初はそこまでしっかりと考えられなくてもいいんです。

上達への道は、マネする所から始まります。


でも、瞳の物理演算は、スポーツで例えるならば「上手く決まれば超高得点だけど、成功率が低く失敗すれば大ケガをする技」のようなものです。

映えるテクニックだからこそ、自分のモデルと組み合わせた時、正しく調和するかどうかも考えなくてはいけません。

また、今後のクオリティアップを目指す上で、客観的な視点は必要なものだと思います。

Live2Dを続けていく上で、壁にぶつかったとき、一度、

この動きは自分以外にはどう映るのか?

自分が思うような効果が周りの人にも与えられているか?

と、自分以外の視点を持ってみることも、重要ではないでしょうか。


今回、デメリットも多く書いてしまいましたが、瞳の物理演算には勿論魅力も沢山あります。

例えば、瞳の中に宇宙があろうが龍が飛んでようが炎が燃え盛ってようが妖精さんが住んでようが全く問題ないです。

瞳の内部は、Live2Dに限らずとも、漫画やアニメなど各創作作品でデフォルメが効いた表現を目にしますよね。

世界観やデザインを表す部分として、ある程度自由に受け入れられやすい場所だと思うので、是非みなさんのオリジナリティを発揮してみてください。



これを読んでより皆さんの瞳のクオリティが上がれば嬉しいです。

今後も色々なテクニックを更新予定ですのでどうぞよろしくお願いいたします!

(暫くはハンドトラッキングの記事多めになると思いますが!)


それでは!

【1週間限定全体公開】私が瞳の物理演算を作るうえで気を付けていること 【1週間限定全体公開】私が瞳の物理演算を作るうえで気を付けていること 【1週間限定全体公開】私が瞳の物理演算を作るうえで気を付けていること 【1週間限定全体公開】私が瞳の物理演算を作るうえで気を付けていること 【1週間限定全体公開】私が瞳の物理演算を作るうえで気を付けていること
【1週間限定全体公開】私が瞳の物理演算を作るうえで気を付けていること
【1週間限定全体公開】私が瞳の物理演算を作るうえで気を付けていること
【1週間限定全体公開】私が瞳の物理演算を作るうえで気を付けていること
【1週間限定全体公開】私が瞳の物理演算を作るうえで気を付けていること 【1週間限定全体公開】私が瞳の物理演算を作るうえで気を付けていること
【1週間限定全体公開】私が瞳の物理演算を作るうえで気を付けていること 【1週間限定全体公開】私が瞳の物理演算を作るうえで気を付けていること
【1週間限定全体公開】私が瞳の物理演算を作るうえで気を付けていること

Comments

ありがとうございます!

堂上守


More Creators