XaiJu
啓太
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【未完、冒頭ちょっとだけ】梨沙さんが戦車ぶっ壊す話

「戦車って…こうやって見ると意外と大きいよね…」

巨大な戦車の目の前で話すのは似つかわしくない小柄なふたりの少女。

エンジンを止めて静かに鎮座する戦車。それでも片方の少女は少し怯えた目で見上げる。当然だろう、巨大な物体はそれだけで威圧感がある。ましてや相手は殺戮兵器たる戦車だ。

「大丈夫。こわくないよ」

もうひとりの少女が落ち着いて微笑みながら答える。これまたこの場に似つかわしくないセーラー服を纏った少女だ。中学生くらいだろうか、あどけないが自信に満ちた表情。

そのあどけない顔とはアンバランスに胸元は大きく膨らみ、服の裾が持ち上がりそうなほど。

「じゃあ、あゆみちゃんがこわくないように壊しちゃうね?」

そう言うと、少女は膨らんだ胸に持ち上げられたスカーフに手をかけ、てきぱきと服を脱ぎ始める。セーラー服の下に着ていたのは学校指定の体操服。スカーフを持ち上げていた胸元は伸縮性のあるシャツをいっぱいに盛り上げ、「南」と書かれたアイロンゼッケンを歪に伸ばしている。

プリーツスカートを外すと、ハーフパンツからすらりと伸びた細い脚が眩しい。

身長と顔は普通の中学生なのに、アンバランスな胸元や身体つき。これが世界一の怪力少女、南梨沙である。


「よいしょ」

ぴょん、と車体の上に飛び乗る梨沙。キャタピラの高さすら彼女たちの身長を超えている。あゆみ、と呼ばれた少女が怖がるのも無理は無いだろう。

そのまま片手で砲身を掴むと金属がつぶれる音と共に小さな掌がめり込む。ミシミシ、メリメリと音を立てて、ゆっくりと砲身の付け根が歪み、ひび割れてきた。

掴んでいる手の先の砲身も歪み始めており、どうやら砲身を無理やり引っこ抜こうとしているようだ。

すぐに砲塔の靭性は限界を迎え、ひび割れた付け根から捩じ切れた砲身が出てきた。

「ほら、大砲、引っこ抜いちゃった」

数百kgはある砲身をびゅんびゅん風切り音を立てて振り回す梨沙。この程度、梨沙の怪力を持ってすれば常人がティッシュペーパーを千切るより簡単なこと。


「これはあっちの戦車に投げちゃうね?」

梨沙が見つめる200メートルほど先には同じ戦車が止まっている。ダーツの矢のようにそっと狙いをつけ、手首のスナップのみで“軽く”放り投げる。

その瞬間、凄まじい風圧と共に音速で飛び出した砲身は一瞬で200メートル先の戦車の横腹に直撃。車体をくの字に曲げた戦車ごと勢いを失わずにもう一両。地面を削りながらもう一両。さらに隣のもう一両。

梨沙の軽いスナップで投げられた砲身は、都合4両の巨大戦車をくの字に曲げながら更に数百メートル突き進み、超合金製の壁に凄まじい音を立ててめり込みようやく止まった。


遠くで煙を上げる4両分の戦車団子を見ながらやっちゃった、という表情の梨沙。

「ごめん、強く投げすぎちゃった…。あゆみちゃん、びっくりしたよね。大丈夫だった?」

だが梨沙の心配をよそにあゆみは目を輝かせ叫ぶ。

「すごい!すごーい!!びっくりしたけど!でもすごい!さすが梨沙ちゃん!!かっこいい!!」

「だ、大丈夫みたいだね…。」



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