XaiJu
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格闘技に出会い更生しかけた不良が昔いじめた相手に師匠共々。

「うっ、クソッ!!!」 ドパンッ!! バンッ!!! 頭の防具が異様に重く感じられる。 必死に腕を上げてガードする俺を、一磨さんがガードごと容赦なく叩きのめす。 「くっ…!!」 スパーリング終盤にしてなお勢いの衰えない拳に俺が思わずたたらを踏むと、狙ったかのように一磨さんが身長差そのままにうえから潰すように拳を落とした。 ドガァッ!!! 「うあッ…!!」 疲労で踏ん張りきれず尻餅を付く。 息は上がっていたが、ほとんど手出しできないままいいようにボコボコにされ、このままで終われるわけがない。 「クソッ!!!」 毒づいてふらつく足で立ち上がると、 「終わりだ、もう限界だろ」 と一磨さんが拳を下ろす。 「はァ!?まだまだ行けるッ!!」 吠えると一磨さんがため息をつく。 「慎、これは喧嘩じゃねえんだ。ダウンして片付けとけ」 グローブを外しリングを降りようとする一磨に思わず、「うるせぇッ!」と怒鳴ると、ギロッ!と睨まれた。 思わず固まる。 一磨さんは俺の10歳年上の32歳。 格闘技の技術も敵わなければ、全身弾けんばかりの隆々とした筋肉を蓄えた185cmの肉体は、俺を圧するにあまりあった。 170cmそこそこの、細マッチョ程度の俺では、一磨さんが本気になれば一瞬でボロ雑巾にされる。 既に何度も、体でわからせられている。 視線1つで俺を黙らせると、一磨さんはシャワールームに入っていった。 クソッ。 思わずコーナーを蹴る。 頭では理解できるが感情が静まらなかった。 俺はずっと、クラスの問題児、そして不良として生きてきた。 YouTubeで見た格闘技企画に憧れて、ツレを複数連れてノリでここに来たら、一磨さんにボッコボコにされた。 ツレは二度と足を向けなくなったが、負けず嫌いの俺はそれからもう1年以上ここに通っている。 認めたくはないが、逞しい肉体と圧倒的な強さを誇りながら、驕らず、どっしりとかまえた一磨に近付きたい思いがある。 そして、圧倒的な力の差をつけて、この手で這い蹲らせたい。 気付けば町でたむろする時間も減り、親なんかは俺が更生したと喜んでいるが、俺の、自分でもコントロールできない熱はまだまだ収まっていなかった。 頭の防具をグイッ!と脱ぎ捨て投げ捨てる。 絶対に次はぶちのめしてやる…! 歯軋りしながらモップを手に取ると、ガチャッ!と入り口から誰か入ってきたので振り向いた。 時刻は22時。 幹線道路に面して入るが人通りは少ない場所にあるここに、夜に訪れる訪問者など滅多にいない。 めんどくせェ…。 睨むように「なんか用…」と言いかけ、入ってきた男のガタイの大きさに言葉が止まる。 スウェットにダボダボのパーカーの男は、一磨と変わらない長身と肩幅だった。 いや、幅と厚みは一磨を凌駕している。 どうせ脂肪だろうが…。 そう思わせるのは男の柔和な顔付きだった。 清潔そうな短く整えられた髪。 色白で人の良さそうな顔付き。 どことなく熊っぽい。 年齢は俺と同じくらいだろう。 男は俺に視線を向けると、破顔した。 「真田くん!」 唐突な男の馴れ馴れしい口調に引く。 「は?誰お前」 男が履き古したスニーカーを脱ぎ捨て、ズンズンと俺に近付いてくる。 スニーカーがデカい。…見たことがないほどデカい。 山のような男の体軀に体を引きそうになり、苛立つ。 気色悪ぃ…デカい図体でニコニコしやがって…。 図体だけのうどの大木。 同じクラスなら絶対イジメ抜く。 イジメ…? そこまで考えて、ふと記憶が蘇る。 こいつ…。 男が俺の前で足を止める。 「真田くんだよね?俺、わかる?」 嬉しそうな男の顔。 その笑顔に、記憶を十分に辿る前に口が先に動く。 「中島…?」 俺の言葉に男が笑って頷く。 「良かった、覚えてくれてて」 「中島って…」 中島遥希。 小学生の同級生だ。 卒業してから一度もあっていない。 当然だ。 なぜなら……。 「デカくなったでしょ?」 中島が嬉しそうに笑う。 ダボダボのパーカーに隠れているが、柔道選手のような異様に太い首と規格外の肩幅に、アンマッチ過ぎて理解が追いつかない。 小学生の時の中島は今と同じ柔和な少年だったが、チビでガリガリだった。 そして、いじめられていた。 下町の公立小学校のそれは容赦なく、俺も中島の持ち物をぶちまけたり、足を引っ掛けて倒したり、蹴ったりして楽しんでいた。 何をされても笑顔を作って耐えようと頑張る中島が無性に目障りで、卒業するまで手は緩めなかった。 当時ガタイの良かった俺にとっては、軽く突き飛ばすだけで吹っ飛ぶ中島の脆さも快感だった。 「きゅ、急に何しに来たんだよこんな所に。あっ、デブのダイエットか?」 せせら笑うように言う俺の言葉に中島は一瞬目を丸くした後、ハハハッ!と声を出して笑った。 その予想外の反応と勢いに思わず半歩下がる。 「はー、中島くんは変わらないなぁ」 笑いすぎて出た涙を指で拭いながら中島がいう。 そして、 「僕は復讐に来たんだよ」 とニコッと笑った。 部屋が暗くなったように感じる。 中島の巨体が照明を遮っていた。 「……は?なに、復讐って」 俺の言葉に中島が小首を傾げる。 「だって真田くん僕のこといじめてただろう?」 穏やかな口調とかみ合わない内容。 「散々殴られたり蹴られたりしたからさ、僕もやり返したくて頑張ったんだ」 ニコッと笑って中島が距離を詰めてくる。 笑って目が隠れ、表情が読めない。 「…舐めてんのか?」 あまりにも穏やかな口調で話す中島の気持ち悪さに混乱していた頭が、ようやく怒りにシフトチェンジしていく。 「何?お前、俺達に復讐したくて必死に体デカくしたの?」 鼻で笑うが、中島は表情を変えない。 「そうだよ!絶対に負けない、と思えるまで頑張ったんだ!」 「…調子に乗んなよクソデブが!」 かつてのいじめられっ子に当然のように上から話され、堪忍袋の緒が切れる。 「…おい。俺はずっと喧嘩の世界で生きてきたんだ。今はこの通り格闘技もやってる」 Tシャツを投げ捨て、無駄な脂肪が一切ない鍛え上げた体を見せつける。 「わかるか?俺が殴れば、それは凶器を振るったことと同じになんだよ」 そう言ってシュバッ!!!と中島の鼻先に拳をつける。 当然のように反応できない、驚いたような顔をした中島と風圧で揺れる髪。 「使えない筋肉で必死に体デカくしても、所詮喧嘩はヤる気と経験だ。……今謝れば許してやる」 一昔前の俺なら問答無用で手を出しただろうが、一磨と過ごし培った忍耐力でなんとか堪える。 だが、本心はこのクソ生意気な男の鼻面に拳を叩き込んで、格の違いって奴をわからせてやりたくて堪らない。 興奮を抑えきれないように俺の筋肉の表面に血管と腱がメリメリと盛り上がる。 うーん、と中島が呑気に唸る。 「じゃあ試してみる?」 「…あ゛?」 俺の凶悪な唸り声を歯牙にもかけず、中島が後ろ手に手を組む。 無防備に晒される胴体。 「……なんのつもりだ」 俺の奥歯は噛み締めすぎてもはや砕けんばかりだ。 「殴ってみてよ」 中島が笑顔で誘う。 ブチッ、と俺の中で何かが切れる音がする。 「……殺すぞ」 俺はダンッ!!!と床を蹴ると、一瞬で中島に肉迫し、厚い肩を掴むと、手加減もなしにその土手っ腹に拳をぶち込んだ。 ドゴッ…。 鈍い音が響く。 「く、ぁ……!?」 岩のような感触。 徐々に知覚される、鋭い指の痛み。 理解が追いつかない。 「わかった?」 頭上から声がしてビクッとし見上げると、表情のわからない笑顔で中島が見下ろしている。 近付くと、中島のガタイの良さは異様だった。 俺より頭1つデカく、身幅は倍はある。 総毛立ち、本能的に目の前の胴体を殴打する。 ドゴッ。 ドンッ。 ドコッ。 揺れもしない中島の体と、分厚いパーカー越しに岩を殴っているような拳の痛み。 中島がふわぁっ、と欠伸をする。 「…ッ!鉄板でも入れてんのか…ッ」 手を止め唸る。汗が流れ落ちる。 ハハハッ!と中島が笑う。 何十発も殴ったのに、息すら乱れていない。 「そんな訳ないじゃん!」 そう言ってべろん、とパーカーをめくり上げて見せる。 絶句した。 メリッ!!グギュッ!!! 音がしそうな程、極限まで発達しギチギチに盛り上がりすし詰め状態のエイトパック。 体の大きさそのままに、一つ一つの盛り上がりは俺の拳より大きく、厚みがある。 楔帷子のような、脂肪1つ見当たらない腹筋、腹直筋。 研ぎ澄まされながら、厚みがあり過ぎて俺の倍以上の太さと重量感を誇る腰周り。 なんッ、だ、こいつの体…!!! 脂肪で肥大した体と思い込んでいた、だが、こいつ…ッ!? 改めて中島を見上げる。 ダボダボのパーカーに隠された、一磨と、全く比較にならない幅と厚みの、その巨体。 中島がパーカーを下ろし腹が隠れる。 そしてニッコリと笑う。 「じゃあそろそろ僕の番でいいかな?」 そう言って見せつけるように穏やかな顔と見合わぬ、ハンマーのようなゴツい拳をボキボキと音を立てて形作る。 オーバーサイズのパーカーが内側から生地を引き千切らんばかりに、盛り上がる。 理解が追いつかない俺は動くことができない。 「……慎の奴、暴れてんのか?」 一磨がシャワーを終え、体を拭いていると、ドゴッ!!!ドンッ!!!と鈍い音がした。 顔をしかめる。 この1年でかなり怒りをコントロールできるようになったが、それでもたまにこんな風に当たり散らす日がある。 一磨はため息を付き、ドアに手をかける。 ドゴォッ!!! バゴォッ!!!!! 突然の建物を揺らすような轟音と衝撃に一磨は思わず顔を跳ね上げる。 暴れた程度で出る音じゃない。 「おいっ慎…!!!」 勢いよく部屋に跳び込んだ一磨は瞬間声を失った。 部屋はめちゃくちゃに破壊されていた。 トレーニング器具はバラバラに散乱し、壁もいくつか破壊され、基盤が剥き出しになっている。 「なんだ…これ…」 脱力した一磨が茫然としていると、リングのそばに立つパーカーを着た大男と、床に伸びる上裸の男が見えた。 ズタボロのボロ雑巾にされた慎だった。 「慎…!!!!!」 思わず駆け寄り抱き上げ絶句する。 失神した慎は、クレーターのように破壊された床に突き刺さるように横たわっていた。 顔面は輪郭がわからなくなるほど膨れ上がり、鼻は潰され、裸の上裸は散々殴られた跡が青黒く至る所に残っていた。腹にはエグリ込まれた巨大な拳の跡がくっきりと残っている。 肋骨は全て折られているようだった。 内臓も無事ではないだろう。 格闘技の世界で生きてきた一磨も目にしたことがないほど、無惨な状態。 「……何しやがった!!!」 普段の冷静さをかなぐり捨てた一磨が立ち上がり、パーカーの男の胸倉を掴む。 男は長身の一磨とほぼ同じ身丈だった。 「ここの人ですか?すみません散らかしちゃって」 一磨が鍛え上げた握力で胸倉を引き絞られた状態でも変わらぬ笑顔で遥希が言う。 その状況とあまりに似つかぬ男の雰囲気に当てられ一瞬気が抜けるが、すぐさま男の顔面とパーカーに飛び散った返り血に気がつく。 男が慎を殴り飛ばした時についたモノだろう。 「ふざけんじゃねえ!!慎に何しやがった!!」 キレる一磨に遥希は困ったように頰をかく。 「僕昔真田くんにいじめられてたんですよ」 予想だにしない言葉に一磨の勢いが止まる。 いじめ。 慎の気質なら十分に想像できることだった。 しかし、相撲取りのようなガタイの男が言う「いじめられていた」と言う言葉の似合わなさに言葉が出ない。 「だから復讐しようと思って。すみません、迷惑をおかけするつもりじゃなかったんですよ」 遥希はそう言うと、胸倉を絞り上げる一磨の手を、二回りは大きく分厚い掌で掴んだ。 その異様なサイズ差に一磨の肩が跳ねる。 抵抗もできず、簡単に振り解かれる。 遥希はそのまま倒れる慎の頭を西瓜のように片手で摑み上げ、乱暴に肩に担ぎ上げた。 「……げほっ……」 肩が腹にめり込み強制的に意識を覚醒させられた慎が空気の塊を吐く。 「慎…!!」 一磨は安堵の声を上げるが、男がビニール人形のように慎を肩にかついだままくるりと踵を返すと、目を再び怒らせ、ガッ!!とその巨大な肩を掴んだ。 「……おい、慎をどうするつもりだ」 一磨の言葉に遥希が首を傾げる。 「えっ?まだ途中なんで場所を移そうかと」 当然のように言う遥希と、撲殺寸前の虫の息の慎。 「殺す気か!!!」 思わず一磨が怒鳴る。 「死にませんよ。僕も手加減してるし」 遥希がそう言うが、その体格差、慎の惨状を見て、ああそうですか、と頷ける訳がない。 「………おい、リング上がれ」 地の底から這い出るような一磨の声。 はい?と遥希が首を傾げる。 「…不肖の弟子の後始末は、師匠の俺がとる」 そう言って遥希の腕から慎を奪い取り、無事なベンチの上に横たえる。 「かずま、さ……逃げ……」 腫れ上がった口を何とか動かして言う慎に、頼もしい笑みを返し肩をポンと叩く。 「心配すんな」 そしてぐるりと後ろを向くと、ヤクザでさえも怖じ気づくような凶悪な目線で遥希を睨み据えた。 「来い。性根たたき直してやる」 ひらりとリングに飛び乗り、Tシャツを脱ぎ捨て上裸になる。 全身の筋肉が猛々しく発達した185cmの肉体。 体脂肪率10%を切るその体は90kgを越える。 うーん、と遥希が一磨に見下ろされたまま首を傾げる。 「……まあいいか。真田くん、弱すぎてつまんなかったし」 カッ!とした一磨が言い返す前に、遥希がリングロープを掴んだ。 メリメリメリメリッッッッ!!!! 100kg超のプロレスラーが全体重を預けても勢いよく跳ね返すような太いワイヤーが通るロープが、引き千切られそうな程伸ばされる。 思わず一磨の言葉が止まる。 リングが傾いたような気がして思わず中腰になる。 (……は?) 怒りに燃える一磨の頭が冷や水を被せられたように冷め切る。 巨大な体軀に似合わぬ跳躍力で遥希がリングに飛び乗る。 ドガァッッッ!!!!!! はっきりとリングが揺れる。 メリッ!!メリッ!!! キャンバスが男の足元で悲鳴を上げているように見える。 「お待たせしました」 にこやかに遥希が近付き、一磨と胸を突きあわせる。 (なんだ…?こいつのこの…体は……) 身長は自分と全く変わらない。 だが肩幅は段違いに遥希が広い。 厚みも比べるのが憐れなほど遥希の圧勝。 突きあわされた胸板は樽のように膨らみ、まるでこちらを押し退けるようだった。 「…ビビっちゃいました?やめときます?」  突然黙った一磨を慮るように遥希が言う。 挑発的な遥希の言葉に一磨の怒りが再着火される。 「黙れ」 そう言うとなんの躊躇いもなくヘヴィー級のブックを容赦なく遥希の腹にぶち込む。 手加減しても慎がげーげー吐き戻す凶悪な一撃。 脂肪ぶち抜いて、この男の舐め腐った顔色を変えさせてやる。 メキャッ。 「あ?」 思わず声が漏れる。 散々鍛えた拳が解け、ビリビリと痺れる。 「え~それ本気じゃないですよね?」 遥希が驚いたように言う。 その言葉も耳に入らない。 なんだこの感触…!? 一磨は拳をかまえ直し、ベタ足になると思い切り踏ん張り、逆の拳を再度ぶち込んだ。 ドムッ。 やはり、先程と同様に弾き返される。 遥希の体は1mmも動かない。 「真田くんと大して変わんないですね…」 残念そうに言う遥希の言葉にカッ!と頭が燃え上がり、「黙れッ!!!」と顔面に拳を叩き込んだ。 避けられるものと思ったが、遥希は顔を動かしもしなかった。 ドンッ。 遥希の顔は小揺るぎもしない。 太い首が余裕でその衝撃を受け止めていた。 一磨の背中に冷たい汗が流れた。 「あはは、マッサージみたいで気持ちいいですね?」 ニコッと笑って言う遥希に一磨の常識が音を立てて崩れるようだった。 「…うおおおおおおッッッ!!!!!!!」 ドギャッ!!!!! ボゴッ!!!!! ドシッ!!!! ドゴッ!!!!! ズバンッ!!!!!! 殴打の嵐。 一流の格闘家である一磨が四肢の全てをフルに使った、渾身の連擊。 目にも止まらぬ付きが遥希の顔、胸、腹を打ち、上段蹴りが側頭部に炸裂し、回し蹴りが体側を叩き、ローキックが腿で爆発する。 だが、遥希の体は揺れもしない。 連擊に耐えかねたパーカーとスウェットが破れ、地肌が覗き始める。 「ハァッ……ハァッッ!!!」 数分間に及ぶ息もつかせぬ攻撃の末に、一磨は手を止める。 汗が大量に流れ落ち、荒い息をつく。 手脚はビリビリと痺れていた。 確実に自分の攻撃はヒットしている。 だが…だが…!!! 「終わりですか?」 遥希が熊のような大らかな笑みで肩で息をする一磨を見つめる。 なんだこいつ…!!!! 一磨の本能の警鐘が、これ以上なく鳴り響く。 「あ~破けちゃったな…」 遥希が残念そうに言い、パーカーを引き裂くように脱いだ。 一磨は冷水を浴びせられたように棒立ちになった。 それは、究極の雄の肉体だった。 相撲取りと見紛うような恰幅は、全て極厚巨大な筋肉の盛り上がりだった。 太い首に続く僧帽筋は高く分厚く、規格外の肩幅を形成するボコッと突き出した肩の筋肉はボーリング玉よりデカい。 伸びる腕は、伸ばした状態でさえぶっとい血管が浮き上がった岩のような上腕二頭筋と三頭筋がメッコリと盛り上がり、腕周りは軽く一磨の胴体を凌駕している。 巨大な前腕に続くハンマーのような拳は破城槌のようだった。 そして、驚異的な大胸筋。 一磨の三倍では効かぬその容積と重量感。 ズッシリと迫り出すその巨大な隆起は、皮膚をぶち破りそうなほどの筋密度とパワーに満ちあふれている。 腹は、信じられないことに脂肪の欠片も見当たらない。 一磨の鍛え上げたシックスパックがペラペラに見えるほどの極厚巨大なエイトパック。 動くだけでギシギシ音を立てる凶悪な筋肉量。 極厚の筋肉にコーティングされた胴回りは一磨の倍ほどもありそうだ。 極限まで発達した広背筋が前方からでも目視できるほど広がり、腕は閉じられず、野蛮な腋毛がモッサリと顔を出しており、色白な肌とくっきりとしたコントラストを成していた。 成人男性が束になっても敵わないような人間離れした筋肉量を誇りながら、逆三角形の肉体は均整がとれ、骨格が太く、途方もなく頑丈であることがわかった。 一磨と身長は、変わらない。 しかし、この恐ろしい程の筋量の差…!! 「下も脱ぐかぁ~」 呑気な遥希の言葉と共に現れた下半身に、一磨の口が思わず開く。声は出ない。 恐ろしいフォルムの大腿部は、もはや片脚だけで一磨の全身の筋肉量を軽く凌駕するようだった。 メキメキと腱と血管が浮き上がる。 腰の位置が高く、長い脚が圧倒的な筋肉量と重量感でそれを感じさせない。 爆発的なパワーがギチギチと音を立てる様から容易に見て取れた。 慎の無惨な姿に怒り狂った一磨だが、こんな、化け物のような筋肉大男の相手をしてあれで済んで、幸運だったのかもしれない。 ハムストリングと尻の筋肉が発達し過ぎて普通の下着が穿けないのか、ジョックストラップに覆われた性器は、戦慄するほどの大きさだった。 くっきりとシルエットを浮き上がらせる亀頭は、慎の拳よりデカいだろう。 そんな巨大亀頭に見合う極太の竿が隆々と伸び、既に全長は確実に25cmはある。 ジョックストラップは下方に極限まで引き伸ばされ、ミチッ…!ギチッ…!!と音を立てていた。 雄として、勝負することすらできないサイズ差。 小枝と幹…。 「ふ~やっぱり裸が楽だな」 ブンブンと遥希が極太の腕を回す。 一磨の髪がなびく程、ブオンッ!ブオンッ!と風切り音を立てるそれ。 「おじさんはウエイトいくつくらいなんですか?」 興味津々という遥希の表情に釣り込まれ、そんな場合ではないのに、「90kg…くらいだが…」と答えてしまう。 あ~、と遥希が納得の声を上げる。 「僕の半分もないんですね」 半分も、ない…? 遥希の最強バルクマッチョボディーと巨大な男性器にあてられ処理速度が落ちた一磨の頭がゆっくりとその意味を理解する。 この…この二十歳そこそこのガキは……180kg以上あるってことか…!?!? あり得ない、そう否定する脳と、目の前でギチギチと音を立てる程、巨大な筋肉を盛り上がらせる遥希の姿。 「よーし、じゃあそれそれ僕も殴っていいですよね?」 遥希の言葉にハッ!と一磨が顔を上げる。 僕も殴る…? 体重180kgオーバーの筋肉男に、殴られる? 「ま、待て……」 プライドとか矜恃とか、そんなものの前に口をつく、目の前の最凶の若雄を抑える言葉。 「いやいや、僕の服ボロボロになるくらいめちゃくちゃ攻撃してきたじゃないですか~」 目が見えなくなるクシャッとした笑顔で遥希が言いながら、ドシッ!!ドシッ!!!と最早その肉体が放つ強烈な圧力を微塵も隠さず接近してくる。 ドンッ。 知らず後退していた背中が、コーナーに当たる。 目の前が山のような遥希の筋肉ボディーで覆われる。 「はは、袋のネズミ」 笑った遥希の声に理性が弾け飛んだ一磨が目の前の腹に拳を打ち込む。 「おっと」 インパクトの瞬間、遥希の腹筋がメリメリメリメリッッッッ!!!!と強烈にバルクアップした。 い、今まで力を入れてなかったのか…ッ!? 膝が崩れ落ちそうな絶望にも手は止まらず、一磨の拳が超合金のような遥希の腹筋に砕かれる。 バキャッ…。 「アガァッッ…!!」 へし折られた指を庇うように掴む一磨の両腕をまとめてグローブのような遥希の手が掴み、90kgの一磨を、藁人形のように易々と吊し上げる。 「おじさん、格闘家なんだよね?ダメだよこんな腹パンじゃ」 遥希が笑みを深める。 そして見せつけるように巨大な拳を固め、脇に引く。 ゴギュゥッ!!!メゴォッ!!!! 唸りを上げ、爆発的に隆起する一磨の頭よりずっと大きい上腕二頭筋。 「ま、待て!!!悪かった!!!俺がッ……」 容易に想像できる破壊的な威力に一磨のプライドが砕ける。 「そーれっ!」 楽しげな遥希のかけ声と共に、大砲のような激烈なボディーアッパーが一磨の腹に炸裂した。 ドボォッ!!!!!!!!! 「ゲホェッ!?!?!?!?」 巨大な鋼球のような遥希の拳が、一磨の腹を全て、潰す。 内臓を潰し、めり込み、背中まで突き上げる。 「ゴボォッ!!?!?!?」 体を真っ二つに折られ血交じりの吐瀉物を噴出する。 遥希が容赦なく腕を突き上げる。 ドゴンッ!!!!!!!! カタパルトのような威力に吹っ飛んだ一磨の全身が、天井に叩きつけられ、めり込む。 「あがッ…はがぁッ…!?!?」 のたうち回ることもできず、内臓を潰された鋭痛に一磨が目を剥く。 「おじさん、もっと筋肉つけないと、軽過ぎるよ」 ふんふん、と機嫌良さそうに遥希は一磨の足首を掴んだ。 メギメギメギッ!!! アドレナリンに出力がバグり始めた遥希の腕力が、一瞬で骨を砕きそうになる。 「ギッ…!?」 だが一磨が悲鳴を上げる暇はなかった。 ズゴッ!!!と遥希が一磨の体を力尽くで引き抜き、そのままハエ叩きでもするようにその全身をキャンバスに叩きつけたのだ。 ドシャッ!!!!! 「ッッッッッ!!!!!」 正面から顔が叩き潰され一磨の声が潰れる。 鍛え上げた浅黒い一磨の肉体が、筋肉の化け物のような遥希の豪腕に片腕で弄ばれる。 ドガッ!!!! バギャッ!!!! ベギャッ!!!! 遥希は一磨を何度も持ち上げ、その全身をコーナーに叩きつけ、天井に叩きつけ、最後に再びキャンバスに叩きつけた。 殺されない威力に一磨の体が打ち上げられた魚のように跳ね上がり、リングの外に放り出される。 「あ、あァ…ッッッッッ!!!」 ベンチに横たわりながら、師匠の一磨が、遥希に手も足も出ず潰される様を見せつけられていた慎は近くに転がってきた一磨の変わり果てた姿に絶望する。 ドスンッ!!!!!! 床が揺れる。 ジョックストラップ一丁の遥希が降り立ったのだ。 傷一つなく、適度な運動に血流が増し、肥大するその驚異的な筋肉ボディー。 遥希はぶちのめした一磨を見向きもせず、慎に向かってきた。 「えッ…!!!な…ッ……!!」 恐怖で全身を震わせる慎を遥希は目を糸のようにして笑い、己の巨大な性器を擦った。 ぶちのめす興奮に半勃ちでギチギチとジョックストラップを引き千切りかけていた遥希のペニスが一気に巨大化し、バヂッ!!!とジョックストラップを引き千切った。 ドゴンッ!!! 拳のような亀頭が鋼鉄の腹筋を叩き、鈍い音を立てる。 「こんなに興奮したこと、ないなぁ…」 遥希が舌を舐め、ダラダラと涎のように垂れるカウパーを、常人離れした大きさの勃起に塗りたくる。 それが指し示す慎の運命はただ1つ。 「やめ…ゆるじ……」 ガタガタで涙目で震える慎の姿に興奮した遥希の亀頭がズムンッ!!!と更に容積を増す。 ヒッ…!!!と慎がか細い悲鳴を上げる。 遥希が笑みを深め、手を伸ばした。 が。 「あれ?おじさんまだ動けたの?」 怪力で嬲られふらつく体をむち打って立ち上がった一磨が、渾身のチョークスリーパーを遥希にかけていた。 「ぐぅッ……!!」 叩きつけられ歪む顔を食いしばる一磨の壮絶な表情。 だが筋肉モンスター、遥希に敵うはずもなく……。 フーッ、と遥希がこれまでとは質の違うため息をつく。 一磨と慎が総毛立つ。 「うーん、もう限界かも」 真顔になった遥希が、己の首を絞める一磨の腕を掴む。 メキャッ。 あまりにも呆気なく。 枯れた小枝のように一磨の腕が握り潰された。 声にならぬ濁音で絶叫する一磨。 解けた腕を掴むと、遥希は片手で一磨に背負い投げを食らわせた。 ドゴォンッ!!!!! 床が砕ける程の威力で叩きつけられ、反動で浮き上がった一磨の足と肩を掴み、 ボギリッ!!! 巨大な膝をその背中に捻じ込む。 一瞬でへし折られた背骨。 解放した一磨が崩れ落ちると、怒りが収まらないようにその顎を遥希が蹴り上げる。 頭がもげないかったのが不思議だった。 ロケットのように吹っ飛ばされた一磨の体が天井に突き刺さる。 ブラブラとおもちゃのように揺れる一磨の体。 「わかった?僕を怒らせるとどうなるか」 遥希が拳を握る。 ブオッ!!!と膨れ上がる腕。 「やめッ……!!」 掠れた慎の制止など聞こえるはずもなく。 「フンッ!!!!」 ドゴォッ!!!!!!!! 遥希の正拳突きが一磨の胴に突き刺さる。 トラックに轢かれたように豪速で吹っ飛ぶ一磨の体が、柱をへし折り、なお止まらぬ勢いそのままに壁面に叩きつけられ、埋められる。 「あ、あァ…ッ!!!」 慎はもはや失神震えることしかできなかった。 すぐそばに仁王立つ遥希は鬼のようで、全身の筋肉をバックアップさせ、湯気だつような怒気を発散している。 遥希が後ろ手に慎の髪を掴み、ゴミのようにズルズルと引きずり始めた。 頭皮が剥がれるような痛みに声にならぬ悲鳴を上げるが、遥希は見向きもしない。 クレーターに沈めた一磨の前まで来ると、遥希はもう片方の腕で一磨を引き抜き、慎の上に叩きつけた。 「ごほッ……」 ゴミ袋から空気が漏れるような、音。 遥希が二人まとめて、正面から抱え上げた。 ブラブラと、4本の足が揺れる。 二人まとめて200kg近い重量だが、バルクアップした遥希にとっては重みすら感じない。 恐怖に震える慎の尻に、灼けた鋼球のような、遥希の亀頭がぬとっ、と押し付けられる。 「二人とも犯す」 歯を剥いて笑う遥希の目が初めて見える。 ギラギラと光る、正気を失った雄。 悲鳴を上げる間もなかった。 ドジュンッ!!!!!!!! 腕のような勃起が尻にぶち込まれ、慎が枯れた喉で絶叫する。 ズンッ!!! ズンッ!!!! ズンッ!!!!! 二人まとめた壮絶な駅弁。 挟まれた一磨の肋骨がベキベキと砕ける。 「出すよ」 無感情の遥希の言葉。 膨れ上がった遥希のペニスが、ドプンッ!!!と洪水のような射精を始める。 ぶっ放しながらも、巨大な尻を引き締め、奧をエグリ、ピストンを再開する。 あっという間に腹をパンパンに膨れ上がらせた慎が遥希のザーメンを嘔吐する。 「もう限界?」 暗い声の遥希がジュポンッ!!!とその巨砲を引き抜く。 吹き上がるザーメンが二人をベッタリと汚していく。 遥希が掴みきれないほど太さを増した己のマラを掴み、引き締まった一磨の尻に当てた。 堅すぎる巨大な亀頭に一磨の尻が歪む。 遥希は口を曲げて笑い、容赦なくその巨大性器を一磨の尻にぶち込む。 ビグンッ!!!と一磨の四肢が反動で跳ねる。 ドヂュンッ!!!!! ズヂュッ!!!!! ズゴッ!!!!! ズンッ!!!!!! フルパワーの筋力で規格外のデカマラをぶち込み続ける遥希に、一磨も慎も意識を飛ばし、それでもなお遥希が飽きるまで雄種を注ぎ込み続けた。

Comments

!!! 後ろ盾を得てしまった!!!書くしかない!!! 慎と一磨を楽勝でオナホ扱いして全能感に満たされてる遥希くん、どんな雄にわからせるか妄想が絞りきれない…。 悪い男でもいい、天使みたいな男(しかし凶悪200kgオーバーの超絶マッチョ)でもいい、年上でも良いし年下でもいいな…(要するに全て)

hage

もう既にその手のわからせ展開が大好物になってしまいました…!多大なる影響を受けてますw

デン

遥希くんがどうやってこの格闘家すら歯が立たない最強筋肉ボディーを作り上げたのか、また書いてみたいところ…。 でも調子に乗りすぎると“本物”にわからせられそうな気もします。

hage

いじめが良くないとわかるお話でしたね……! 最初拳突きつけられても反応できないというより、食らっても全然効かないからよける必要もなかったんだろうな~って読み直して思いました。 終始声を荒げることもなく二人をボコしていく遥希が本当に怖い……! 一磨のラッシュを全部受けてそれでも無傷で、その後悠々と殴るところがほんっとうに雄としての格の違いをひしひしと感じます。 チョークスリーパー決める腕をあっさりと握りつぶすとこ、もう別の生物のようで大好きです。

ichiya


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