「よーし、全員ここに注目!今日は練習を始める前に話がある!」 「コーチー!男子が一人もいませんけど……」 立派な室内プールの横に水着姿の女子たちが整列し、向かい合うようにジャージ姿のコーチが仁王立ちしている。確かに男子たちの姿は見当たらない。 「あぁ、分かってる。実は話ってのは男子たちのことなんだ。あいつらにはとりあえず待機してもらってる。で、早速なんだが――」 県大会でも毎年結果を残す競泳チームだけあって、女子たちは緊張感を持った真剣な表情でコーチの話を聞いている。そこにふざけたり小言を挟むような腑抜けた選手はいない。 「女子たちも耳にしたと思うが、近年の大会で頻発している不正行為の対抗措置として学生競泳連盟が色々と新しいルールを発表した。まぁ、細かいことは追々説明していくとして、一番の改定は――」 コーチは一層ドスの利いた声で言い放った。 「――これから先の競泳大会では、男子選手は水着着用が禁止になった。つまり、競技に出たけりゃ男子は裸が必須、スイムキャップとゴーグル以外の装備は一切認めない、ってことだ。ウチではそれに備えるべく、男子たちにはこれから練習も水着無しで参加してもらう」 さすがの統率の取れた女子たちもこの宣言に戸惑いを隠せず、突如どよめきが沸き起こる。 「初めはお互い気まずいと思うが、まぁすぐ慣れるだろ。そういうわけだから――おーい!男子ー!出てきていいぞー!」 コーチと女子たちしかいない静かなプールでコーチの声が大きく響いた。少しの間をおいてから、男子更衣室の出入り口からスイムキャップを被った男子たちが現れた。彼らはひとりとして水着を着ておらず、ゴーグルを持った両手で陰部を隠している。鍛え抜かれた脚、腕、胸板にとどまらず、締まった尻と鼠径部につながる下腹部の筋肉スジがあられもなく晒されている。 「――キャッ!」 「ちょっ、えっ?!」 「マジっ?!」 「やばいって!」 「こらこら、女子!静粛に!」 十数人の裸の男子たちは足早に女子たちの横まで来て普段通りに整列した。しかし、小さな水着一枚を剥ぎ取られただけだというのに、その格好はあまりにも惨めだった。女子たちは横目でそんな男子たちの姿をのぞき見るのをやめられない。 「これから男子はいつもこの格好なんだから、女子はいちいち騒ぎ立てない!男子も、なにをわざわざ隠してるんだ?そんな弱気でお前らは試合に集中できるのか?大会には俺たちだけじゃなく、もっとたくさんの人間が見に来るんだぞ。隠そうとしないで、普段通りちゃんと堂々としろ!」 必死で平静を保とうとしていた男子たちはコーチの急な要求にうろたえを隠せない。コーチの言いつけは絶対――叩き込まれた常識に従い男子たちは全裸でプールに出てきたが、彼らは内心気が気じゃなかった。男同士ならまだしも、顔馴染みの女子にもこんな恥態を晒すなんて、彼らには経験したことのない屈辱だった。 「やっぱり無理ですよー、コーチー!なんで練習までマッパじゃないといけないんですか?」 勇気ある一人の男子がコーチに異論を唱えた。 「だからそれは事前に話し合っただろ?練習は本番と同じ条件でやるから練習になるんだ。気持ちも格好も本番と同じように練習しないと意味がないだろ」 「じゃ、じゃあせめて!裸での練習は男子だけでやるとかっ!」 「プールの利用時間が限られてるのは知ってるだろ?そんなことをして女子の練習時間が削られたら女子たちに不公平じゃないか!」 「で、でも、だって……」 コーチのもっともらしい指摘に男子は相変わらず股間を抱えてワナワナしている。なんとか女子たちに晒されるのを回避しようと頭を回転させたが、恥ずかしさのあまり考えがうまくまとまらない。こうなるまでになぜもっと反論をしなかったのか、男子の抵抗はすぐに後悔の念へと変わった。 「大体、なんで俺たち男子だけ……それこそ不公平ですよ……」 「理由は簡単――これまで発覚した不正が全て男子競技で行われていたからだ。もちろんこのチームに不正をする奴なんていないのは分っているが、これはすべての選手の公平性を保つために連盟が決めたことだ。大体、女子に裸を強要できるわけないだろ!」 「俺たちだってイヤですよ!」 若干涙目になったり、情けない表情で股間を抑える男子たちを一望して、コーチは小さくため息をついた。 「まぁこのご時世だ、本当に裸での練習が無理だって言うんなら俺から強制はできない。だが、裸で練習できない奴は試合にも出せない――ちゃんと裸で練習したやつらに不公平だからな。試合に出たいっつー本気な奴だけ、その手をどけろ!本気じゃない奴は今すぐ更衣室に戻って水着を着てきていいぞ!どうするんだ、お前たち!」 男子たちは無言でお互いの顔色をうかがっている。コーチも考える猶予を与え、決断を急かさなかった。女子たちは相変わらず困惑しながらも男子たちの方をチラチラと見ている。 居心地の悪い沈黙が数十秒経過したとき、一人の男子が意を決して勢いよく前を隠している手を後ろで組んだ。解放された陰部が反動で揺れ、立派な長さのイチモツがプラプラと左右に振れた。皮の被ったちんこは先っぽから少しだけピンクの鈴口が覗いており、竿は血管の凹凸が無く美形である。女子たちは思わず息を呑んだ。 「よしっ、いいぞ服部!さすがうちのエースだ!他に本気な奴はいないのか?これまで試合に向けてがんばって練習してきたんじゃないのか?んん?」 エースの服部が股間を晒したのを皮切りに、渋々とだが他の男子も同じように腕を後ろで組み、厳守していたイチモツを解放した。コーチに抗議していた男子がようやく手を離すと、全ての男子がムスコを晒し、強張った面持ちでコーチの指示を待った。コーチの予想通り、大会を断念する男子はひとりもいなかった。 「そうだ、いいじゃないかお前ら!男なら付いてるモンが付いてて当たり前、なにも恥ずかしがることなんてない!これからは練習中も前を隠すのは厳禁だ!そうやって堂々と、どっしりと構えていれば裸なんてすぐに慣れる!女子たちもな!」 女子たちの中には恥ずかしくて顔も向けられないという者もいるが、ほとんどがジロジロと男子たちの全裸を吟味している。男子たちの股間のもっこりは普段から見慣れていたが、それが水着から解き放たれ、ぶら下がるところを見るのはもちろん初めてだった。彼女たちは不思議そうに、もしくは楽しそうに、晒された肉棒の数々を見比べている。 コーチはと言うと、男の裸を見る趣味はないにしても、全裸で整列する男子を見渡しながら心の奥底から興奮が沸き上がりつつあった。彼にとっては男子たちの裸自体よりも、己の指示によって彼らが全裸になったという事実が酔うほどの優越感を与えた。このコーチ、実は公私ともに認めるS気質であった。 「じゃあとっとと練習始めるぞ!いつも通り、ストレッチからだ!」 股間をさらけ出した男子たちは早くプールに入り陰部を隠したかったが、ストレッチが終わるまでそれは叶わない。幸いストレッチは男女に分かれて行うので、ようやく彼らは女子たちから一旦距離を置くことができた。 「いーち、にーい、さーん……」 男同士とはいえ、全裸のチームメイトに囲まれて彼らは目のやり場に困った。感じたことのない気まずさの中で、それでも男子たちはいつものストレッチに集中しようとした。 足を広げて、腰を落として、ぶらーん。 仁王立ちで、腕を大きく振り上げて、ぷるんっ。 片膝を胸まで上げて、下ろして、ぺちっ。もう片膝も胸まで上げて、下ろして、ぺちっ。 どんなストレッチをしても、普段は水着に収納されているイチモツがプラプラと揺れて邪魔そうだ。激しく体を捻ったり屈めたりすればペチペチとチンコが股や腹にあたる。男子たちは意識しないように努めているが、自分が裸なことをイヤというほど思い知らされる。女子たちも遠目に男子を眺め、ケツの間から覗くふぐりの裏や、屈んだ時にぶら下がるチンコを観察している。コーチは女子たちの視線に気づいていたが、注意はしなかった。彼女たちが男子の裸体に慣れてくれればお互い気まずさが薄れるだろうと、むしろそれを喜んでいる。 ようやくプールに入ることを許された男子たちは水の中で一息ついた。水面下を見なければ普段の練習と何ら変わらない光景が広がる。いざ泳ぎ始めると男女共に練習に集中し、選手たちはしばし男子が全裸なことを忘れた。一方、プールサイドから練習を見守るコーチには普段とは違う景色が見えていた。クロールや平泳ぎをする男子は水面から生尻がプリッと出て、背泳ぎを練習している男子は萎えたチンコがプカプカと浮いて見える。泳いでいる当人たちはいたって真剣なので、コーチは笑ってしまわぬよう心掛けた。 普段よりも静かな雰囲気の中、裸の男子たちはがむしゃらに泳ぎ続けた。 ~ 「堀田、お前は最近スタミナが落ちてるぞ!基礎トレーニングを怠るなよ!」 「はいっ!」 練習メニューを終え、疲れ切った選手たちは再びプールサイドに整列させられている。スイムキャップを外した男子たちのチンコの先からは水滴が滴り落ちている。彼らはコーチの言いつけ通り、陰部を隠すそぶりは見せなかった。 「女子は帰っていいぞ、今日もお疲れ!」 「「「ありがとうございました!」」」 女子たちは礼をしてからぞろぞろと更衣室へ消えていった。 「男子はこれから『陰部証明写真』を撮るんだが、まず先に陰毛の処理だな。更衣室にシェービングクリームと使い捨てのカミソリを置いておいたから、とっとと剃ってこい」 意味不明なことを幾つも畳みかけられ、男子たちは首をかしげるのがやっとだった。 「あぁ、さすがに説明不足か、すまんすまん。『陰部証明写真』ってのはまたまた連盟が義務化したモンなんだが、全男子選手の全裸写真を事前に提出しなきゃならない。陰部に細工をしていないか確かめる措置なんだと。写真は陰部がちゃんと見えるように陰毛を剃った状態で撮らなきゃならん、だから剃るための物を用意しておいた」 男子たちからはもちろん戸惑いの声がザワザワと沸き立つ。 「コーチー、やっぱりおかしいですよー!なんでそこまでやらないといけないんですか?」 「すべては連盟の決めたことだ、悪いが俺にはどうすることもできない」 「そ、そんなぁー……」 「ほらっ、お前らだって早く終わらせて帰りたいだろ?もうすでにチン毛処理してる者もいるみたいだし、剃り方が分からない奴はそいつらに見せてもらえ!ほらっ、更衣室へゴーゴー!」 「えー……」 「なんでこんなこと……」 「連盟もひどすぎるよ……」 文句を垂れながらも、男子たちは言われたとおりに更衣室へ向かった。 「剃ったチン毛はできる限り集めてゴミに捨てろよ!排水溝が詰まっちまうからな!」 「「「はーい……」」」 〆 「【全裸競泳】男子選手の水着禁止令~練習編(後編)」へ続く……→ https://teopi.fanbox.cc/posts/5735712