(3/4)→ https://teopi.fanbox.cc/posts/5223018 ~*~*~*~*~ 薄暗い大広間は蒸し暑いほどに温められ、独特な線香の香りが充満していた。体を乾かした僕らは未だに素っ裸で、横一列に並べられた座布団に胡坐をかいた。僕らしかいない広い部屋にあらかじめ用意されていた茶を飲み干すと少々体は温まったが、変な後味が残った。 「ちょっと休憩したら、最後の儀式だ。なんも難しいことはないから、安心してくれな」 祭りの初めには賑わっていた神社は不気味なまでに静寂に包まれ、大門寺さんの声ががらんどうの部屋に響き渡った。神社の人たちはいったいどこへ消えたんだ?そう疑問に思ったが、祭りの疲れと部屋の温もりのせいで頭がボーっとしてしまう。 「いやぁ、皆よくやってくれた。村のみんなも大喜びだった」 「よってたかって金玉触られるのは慣れないっすけど」 「僕はお二人の真似をしてただけなので」 「同僚や知り合いに見られるのは気まずかったですが、喜んでもらえたのなら……」 儀式とはいったい何をするのだろう?正直もう服を着てもいいのでは、と思ったが、口出しは慎んだ。僕は想像を膨らませながら、少しずつ体に違和感を感じ始めた。なんだか全身がうずうずしてじっとしていられない。体の中心から火照りが広がり、いつの間にか息が荒くなっている。 横に座る中岡さんも同じことを感じているのか、落ち着きなく太ももを手のひらでさすったり、足をゆすったりしている。さり気なくだが、彼は前かがみで股間を隠しているように見えた。 「あっ、あのっ、ボク、トイレ行ってきます!」 「ちょっと待って、中岡さん」 困惑した表情の中岡さんが大門寺さんを見ると、彼は胡坐を解き立ち上がった。 「中岡さんも、これでしょう?」 大門寺さんは己の股間を指した。彼の男根は力強くいきり立って天を向いている。肉棒はヒクヒクと脈動しており、最大限まで勃起したそれは同じ角度で小刻みに上下している。 「えっ、なっ、なんっ――?!」 中岡さんは咄嗟に膝立ちで後ずさり、彼の立派に勃起した肉棒がブルンっと上下に揺れた。瞬時に中岡さんはそれを両手で覆い隠した。 「隠さなくてもだぁいじょうぶ、俺たちもうチンチン見せ合った仲だろ?」 「そうっすよ……って言いたいところですけど、まぁ、ビックリして当たり前っすよね……香と茶の作用っす……」 酔ったような緩い口調で小河原君も付け足した。彼のチンコも完全に勃起しており、赤い亀頭が半分顔を出している。膨張率が高いのは本当だったらしい。 「外森さんも、準備万端っすね」 「えっ、あっ……」 僕のチンコも完全に勃起していた。皮が先っぽまで被ったまま亀頭が膨れて、包皮に血管が浮き出ている。 「じゃあ、始めるか」 大門寺さんは部屋の中心に置かれたご神体に近づき、巻かれた布をハラリと脱がせた。ご神体の脚らしき部分が露になり、その付け根には卵の大きさぐらいの穴がくり抜かれていた。 「ここに、射(う)ち込む」 声が出せない僕と中岡さんはお構いなしに、大門寺さんは近くに置かれていた潤滑油を手に出し、そのまま勃起した自分のチンコになじませた。彼は肉棒を扱き始め、粘着質な音を立てた。 「えっ……えっ…」 「な、なっ……?」 小河原君も己のチンコの包皮を剥いては戻し、シコシコと扱き始めた。 「急にゴメンな。祭りの決まりで儀式のことは口外禁止ってのがあってな……ふぅ……新しい奉男にも前もって話せないことになってるんだ。これは神社の関係者と奉男のみが知り得る秘儀なんだ。一人一発ずつ射ちこめば十分……はぁ……いつもやってるようにやればいいだけだ」 「そ、そんなこと……急に、言われても……」 「大丈夫、ここには俺たち奉男しかいない。終わるまで邪魔は入らないから集中できる。精を吐き出すのは神聖なこと、恥ずかしがることじゃない。ふぅ……これが俺たち奉男に課せられた最後の役割だ」 「戸惑うのはあたり前っす。でも、これをやらないと祭りは終わりません。頼んます、一緒に射ちこんでください。みんな限界まで高ぶってるはずです」 確かに僕と中岡さんはうろたえながらも、男根は解放を求めてより強く張り詰めた。全身の肌が毛羽立ったかのように敏感になり、胸が切なく締め付けられた。僕は戸惑いながらも、体の望むままに肉棒を握った。それだけの刺激で脳髄まで激しい快感が突き抜けた。久しぶりの感覚に僕は手を動かし始めた。中岡さんも観念したようで、やらしい手つきで硬くなった肉棒をこすり上げている。彼はすでに漏れ出ていた我慢汁を亀頭全体に広げながら指の間でカリ高な亀頭をこね上げた。 奉男四人衆は薄暗さの中でひたすら手淫に集中した。濡れた潤滑油の音と肌を擦る乾いた音だけが耳に響き、その生々しさに頭がくらくらした。緊張と興奮で息を漏らしてしまうが、それを抑えるほどの理性を僕は残していなかった。周りをふと覗くと、快感に全神経を集中させている男たちの表情は呆けていて、その無防備さからはオスの本能が滲み出ていた。 どれほど経った頃だろう、小河原君はそろりとご神体に近づいた。 「…はぁ……そろそろ、射ちこむっす…はっ……」 小河原君はご神体にまたがり、中腰の体勢で限界寸前のチンコを穴に向けた。腰が大きく震えるのと同時に彼の男根は勢いよく精を吐き出した。穴の外にも白濁液を飛び散らせながら、彼は小刻みに足腰を震わせた。竿をゆっくり扱いて最後の一滴まで精を絞り出し、彼はようやく腰を上げた。萎えかけた肉棒を隠すことなく、小河原君はふらついた足取りで座布団に腰を落とした。 何も言わずに僕たち三人は自慰を続けた。小河原君も口を噤み、真っすぐと僕たちのことを見据えている。 「ボクも、そろそろ……」 中岡さんはご神体の横に膝をつき、長い肉棒を穴に伸ばした。手の動きが一層激しさを増し、彼はブルルっと脚を震わせた。鈴口からドクドクと濃い精液が溢れ出し、絶頂の波と連動して尻の筋肉が上下した。緊張のためか、吐き出した量は決して多くなかったが、その濃さのせいで白く糸を引いている。中岡さんは依然精液が垂れ下がる肉棒を手で隠し、そそくさと小河原君の方へ戻っていった。 後は僕と大門寺さんだけだ。絶頂の気配は感じるが、普段まともに体を動かしていない僕は体力の限界が近づいていた。膝がガクついてきたため僕は畳に膝をついて手を一層早く動かした。普段はオカズがないと反応が鈍いくせに、僕のムスコはその場の雰囲気だけで最高潮に昂っている。そして大門寺さんが横でむき出しの亀頭を擦り上げているのも……―― 絶頂の波は急に押し寄せてきた。慌ててご神体に近づいた。 「――出しますっ……んっ……」 「俺もっ」 大門寺さんと僕は向かい合うようにご神体に身を寄せ、穴に狙いを定めた。 「うっ!……んっ…んっっ!……はっ…」 「ふっ、ふっ……そうだ、くっ…全部、最後まで……んっ!……」 僕たちはほぼ同時にオボタイ様に精を射ち込んだ。勢いよく吐き出された精液はすでに溜まっていた白濁液と混ざりあい、オス臭い匂いが鼻を突いた。僕はすぐに絶頂の波が収まらず、普段より多い量の精液を出し続けた。尿道をなぞるように精液を絞り出し、僕は最後の一滴を振り落とした。オボタイ様には出して間もない精がなみなみと溜まっている。それを確認した大門寺さんはすっと立ち上がって部屋の隅に何かを取りに行った。 大門寺さんは手のひらいっぱいの綿を手に戻り、それをオボタイ様の穴に詰めた。 「奉納の儀、完了致しました!」 大門寺さんが声を上げたのと同時にどこからともなく式服姿の男性二人が現れ、ご神体を回収しにきた。彼らは神社の更に奥へと消えていき、僕たち奉男は裸のままその場に放置された。緊張から解放された僕たちはしばらくの間、薄暗さと重い疲労感の中でただ脱力した。 そうして、僕たちのオボタイ祭りはようやく終結した。 ~ 酒とたばこと賑やかに談笑する声。箸が食器にぶつかる音と乾杯する音が宴会場に響いた。 「ほらほらぁ、外森さんももっと飲んでください!今日は本当にご苦労様でした!」 「あっ、ありがとうございます……」 「いやぁ、神主として私も心配していたんですよ、外の者に奉男が務まるのかって。でも、大門寺さんの言った通り、あなたはちゃんと役割を果たしてくれました。本当によくやってくれました!」 「そう言っていただけると、恐縮です……あの、すいません、ちょっとお手洗いに…」 「はいはい、どうぞどうぞ、まだまだ宴は続きますからね」 祭りの関係者でごった返した宴会場はタバコの煙と談笑する声で充満していた。大部屋を後にして僕は外の空気を吸いに公民館の出入口へ向かった。 「ふぅ……」 外は相変わらず雪が降っており、息が白く浮かんだ。室内の熱気を冷ますにはちょうどいい寒さだった。 「今日はご苦労さん」 「あっ、大門寺さん……」 大門寺さんはタバコを取り出し火をつけた。 「外森さんはどう?一本」 「いえ、僕はいいです」 「そっか」 タバコの煙が弱々しく宙に浮かび、大門寺さんは大きく息を吐いた。 「ホント、毎年よくやると思うよ。大昔の祭りを未だに継承し続けて、村をあげて盛り上がって……まぁ、結局俺も懲りずに毎年参加してるわけだが……」 「……あの、実は僕、事前にオボタイ祭りについて調べてきたんです。このお祭りはオボタイ様と奉男四人衆の、言うなれば『恋物語』なんですよね」 「おぉ、さすが学者さん、リサーチしてるね」 「写真撮影は禁止でも、文章に残すことは禁止されていないですからね。古い文献を漁ったらすぐにオボタイ祭りを記録した文書を見つけました。神社から町に行進して奉男はその肉体をオボタイ様にさらけ出す。オボタイ様に見初められ喜んだ奉男たちは踊りながら川へ向かう。川でオボタイ様と奉男たちは共に身を清め、神社へ戻って結ばれる。奉男たちは精を奉げ、オボタイ様は村に子孫繁栄を恵んでくれる」 大門寺さんはまた白いもやを吐き出した。 「その通り。付け足すと、オボタイの語源は『御母胎』――子宝を象徴する母の姿。言い伝えによるとこの村では男の数が女を大きく上回った時代があって、その頃は一夫多妻の逆、一妻多夫が頻発した。奉男が複数人いるのはその頃の名残だと言われてる。そして、一人の妻を共有する男たちは決して争うことなく、むしろ仲間として団結を強めた――俺ら四人みたいにな」 急に僕の顔をのぞき込んで大門寺さんはいたずらっぽくウィンクした。不意を突かれた僕はつい頬を火照らせてしまった。 「でも、まさかすっぽんぽんで町を練り歩いたり、直接的な意味で『精を奉げる』ことになるとは思ってませんでしたよ。正直言って、おったまげました」 「それでも、外森さんはちゃんとやってくれた。村の人間でもないのに、付き合ってくれて心から感謝してるよ」 「……あの、大門寺さんはなぜ奉男をやり続けるんですか?」 「……うーん、そうだなー……」 大門寺さんは雪が和らいできた空を見上げた。 「俺はこの村が好きなんだ。これからも栄えて存続してほしいと思ってる。そのためには村を支えてくれる次の代が必要だが、あいにく俺は子孫を残せない。だから、奉男として子宝を願うのが俺にできる精一杯なんだ。村の子供はみんな俺の子供――そんな風に俺は思ってる。まったく困ったおっさんだよな」 「……僕は格好いいと思いますよ。祭りの時の大門寺さん、輝いてました」 急に重量感のある腕が肩を組んできた。 「ホント、外森さんはかぁいらしぃなぁ!チューするか、チュー?!」 「――えっ!あっ、あのっ……」 僕が反応に困ったのもつかの間、後ろから声がした。 「外森さーん、気を付けてくださいっす!そのオヤジ、酔っぱらうと男女構わずキスしようとしてくるんで」 「心外だな!男にしかしたことないだろ!」 「尚悪いっすよ!」 振り返ると小河原君だけでなく、中岡さんも集まってきた。二人とも酔いが回って顔を赤くしている。 「いやぁ、しんどかったっすね、外森さん。奉男になったこと、後悔とかしてます?」 「そんなそんな!とても貴重な体験をさせてもらったよ。またやるかと聞かれたら、まぁちょっと考えるけど……小河原君は来年も参加するの?」 「いえ、俺は今年が最後っすね。実は彼女が身ごもってるンす。春には結婚式を予定してます」 「へぇ!それはめでたいね!」 「なんで、来年はモンジさんと中岡さんに任せたっすよ」 「えー……ボク、ですか……まぁ、確かにすぐに子供を作る予定はないですけど……」 「なら決まりだな!来年も頼もしい仲間を見つけて盛り上げような、中岡さん!」 「……は、はい……がんばります……」 昨夜出会ったばかりなのに、僕はもっと前から彼らを知っていたかのような錯覚に陥った。共にオボタイ様に精を奉げた男同士、僕たちは不思議な縁で結ばれていた。だが、僕の出発は明日の朝――それが名残惜しく、あえて考えないようにした。 宴は明け方まで続き、祭りの浮かれた雰囲気はいつまでも終わらないかのように思えた。 ~*~*~*~*~ みんな元気そうでよかった。去年、帰った直後に大門寺さんに感謝のメッセージを送って以来、連絡を取っていなかった。仕事や日々の忙しさの中でオボタイ祭りはいつの間にか記憶の引き出しにしまいこまれていた。あの時はあんなに気持ちを揺さぶられた出来事だったのに……―― 突如、携帯が鳴った。 「はい、外森です!」 懐かしい声が僕の名前を呼んだ。 「大門寺さん!お久しぶりです!えぇ、こっちは相変わらずで……はい、はい……来月こちらに!はい……もちろんです、是非会いましょう!はい!……了解しました、じゃあまた日が近づいたら、はい……あっ、ハガキ受け取りましたよ、小河原君もお子さんが生まれたようで……男の子、へぇ……――」 一緒に精を奉げた者同士、これからも不思議な縁を繋いでおきたい。再び奉男としてオボタイ祭りに参加する未来もありえるだろうか。そこに大門寺さんがいるなら、もしかしたら……。 〆
ておぴ
2023-03-19 19:39:21 +0000 UTCaru
2023-03-19 13:05:53 +0000 UTC