チャッターを読んで。
Added 2023-01-13 09:39:11 +0000 UTC最近、チャッターという本を読みました。
いきなりですが皆様の人生の中で、一番皆様を責めた人は誰でしょう?
両親?
学校の先生?
会社の上司や先輩?
いえ、よっぽどヤバい家庭環境で育ったり、ブラック企業にお勤めでもない限り、おそらくは自分自身のはずです。
もちろんテストで悪い点を取ったり、仕事でミスをしたときにご両親や上司に叱責を受けた、という経験は誰にでもあると思います。
ですが両親や上司も暇ではないので、どんなに長くても一時間も叱りつければ、彼らも自分の生活や仕事に戻って、それ以上は呆れながらも、皆様を叱責するのを終わりにしますよね。
(たまに部下を何時間も叱りつけるパワハラ上司の話なんか聞きますけど、きっと仕事が暇なのでしょう。上の人間が何時間も仕事から抜けても支障がないのですから)
しかし、自分自身はどうでしょう?
叱責が終わって仕事に戻っても、仕事が終わって家に帰っても、ひどいときは何日も『なにやってんだよ』『情けないな!』『俺、この仕事向いてないんじゃないのか?』と自分を責め続けた、という経験がある方も少なくないと思います。
やってしまったものは仕方ないのだから、切り替えてしっかり目の前の仕事に集中しなければ、と思いつつも、この手の自己批判はなかなか自分の意志で止めるのは難しいものですよね。
で、その自己批判に引きずり込まれて、集中力を失ったまま仕事をしているうちにまたミスして……というのも、ありがちな話です。
【チャッター】では、こうした内なる批判者をチャッターと呼び、この声を小さくする、数を減らすためのいくつかのやり方・考え方を脳科学や心理学の実験結果をベースに提示してくれています。
これは私がある意味、今一番読みたかった本でした。
ここ1・2ヶ月、イラストに対してチャッターが喚き散らしていたからです。
『もういくら描いてもこれ以上うまくならないよ』
『お前はもう、自分が持って生まれた絵を描く能力の限界を迎えたんだよ』
『うまくなれないのなら、続けたって仕方ないだろ』
イラストを描いている間はもちろんのこと、そうでない時間さえも【チャッター】がそうささやき続けていました。
私はわりと多趣味で、今までいろんなものに手を出してはやめてきた過去があります。
でも、人になんか言われてやめたもの、というのは一つもありません。
イラストが良い例で、イラスト系SNSのコメント欄に『いくら描いてもうまくならないね』と書き込まれても、TwitterのDMで『才能ないんだからやめて死んだら?』と言われても、私はやめませんでした。
やめるのは全部、内なる批判者、つまりチャッターの言い分に耳を貸した時なんですね。
何かを続けていれば必ず、壁にぶつかる時期がやってきます。
そんなときはどうしたってこのチャッターが騒ぎ出すんですね。
しかも、皆様も経験があると思いますが、このチャッターは『黙れ』と言い聞かせたり、無視していたりすると、さらに大声で喚き散らします。
つまり、こいつとうまく付き合っていくのが、物事を続ける上でどうしても必要なんですね。
本にはいくつかいい方法が書いてあったのですが、私は【そのチャッターに対して他人事のように考えて、問題とチャッターから距離を取ってみる】という方法がうまくいきました。
例えば『もういくら描いてもうまくなれないよ』というチャッターに対しては、『なるほど、ソースケはそんなふうに考えているんだな』と、第三者のように頭のなかでツッコみます。
大事なのはこのように、俺は、のような【一人称】で考えないことです。
今回の私のように名前で呼ぶか、これがちょっと照れくさい、という場合は【あなた】のような二人称を用いることを本では推奨しています。
こうすることによって問題の視点が自分からズームアウトし、チャッターの頻度が下がってくる、というわけですね。
チャッターが喚いているのは、その問題が【自分のこと】だからなのですから。
これをしたからといって完全にチャッターが黙り込んだわけでもないんですけど、とりあえずいつもの時間ぐらいはイラストを描けるようになりましたし、その間の自己批判もかなり減らすことができました。
この本は本当に絵を描いている人にはぜひ読んでもらいたいと思ったので、Twitterでそのことをツイートしようとしたのですが……。
また『下手が語るな、うざったい』と言われるのも嫌なので(笑)、皆様方だけにこっそりオススメしておきますね。
イラストを描いてなくても、普段から自分を責めがちでモチベーションの維持に悩んでいるという方には、きっと得られるものがあると思いますので、よかったらぜひ、手にとってみてください。