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成人式

※実際の文化、慣習とは異なります。


二月、お正月気分も抜け三学期が始まった朝鮮高校。

休日にも関わらず開かれた校門から、たくさんの着飾ったチマチョゴリ姿の若い女性が校内にやって来ていた。

「久しぶりー!」

「学校懐かしい~」

「先生いるかな?」

部活以外の生徒達で閑散とした校舎に女性達の賑やかな話声がよく響く。

彼女達は今年20歳を迎えるこの学校の卒業生たち。

各朝鮮学校では本国と同じ様に旧暦の1月にあたるこの季節に成人式を行っている。

卒業生たちは1月に行われる日本の成人式には参加せず、母校で行われる式に参加し、

そのまま同窓会を行うのが通例だ。


「セム(先生)久しぶり~!」

「部活頑張ってる~?」

新成人たちは懐かしい母校を散策し恩師や部活で登校していた後輩に挨拶をすると式が行われる講堂へ向かう。

ステージ上には朝鮮の国旗と校旗、そして『20XX年度成人式』と朝鮮語で書かれた

横断幕が掲げられている。


開式に先立って朝鮮の国歌が斉唱された。

卒業後2年経っても新成人たちの流暢な朝鮮語は変わらない。

生徒達は卒業後も各地の朝鮮大学校やソウル、平壌の大学へ進学し朝鮮語が日常的に使われる環境に身を置いているのだから当然だ。

国歌斉唱後、来賓による祝辞が述べられた。

校長や総連支部長の言葉に真剣に新成人は耳を傾ける。

各自治体の成人式で見られる、私語や来賓への野次といったまるで猿のような低俗な

立ち振る舞いはなく同じ日本人とは思えない程しっかりとした人間ばかりだ。


「新成人の挨拶」

司会に紹介され在学中は生徒会長だった新成人が登壇する。

「本日は私たちの為にこのような素晴らしい式典を開いてくださりカムサハムニダ!

支部長をはじめご来賓の皆様の心に沁みるご祝辞を頂き心からお礼を申し上げます。

これから先進む進路は皆違うとは思いますがこの学校の出身者としての誇りを胸に

偉大な元首様、偉大なウリナラの為によりよい韓日関係を構築できるよう私たち新成人一人ひとり邁進していきたいと思います。」

そう述べると新成人代表は朝鮮国旗の方へと向き直り

「ウィデハン チョソングク マンセ!(偉大な朝鮮国万歳!)」

と最敬礼すると客席の方からも新成人たちが同じように呼応し、成人式はそのまま

終了した。


新成人代表だけでなく参加者全てが国籍上は日本人でも、心根は朝鮮式の教育で育った朝鮮人。

偉大な祖国の為に戦う愛国戦士として戦う覚悟を持った新成人たちの目は自らの使命に燃えていた。


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