ファミリーコンピューターのソフト。
会社名がアスミックのゲームソフトだからアスミッくん。
ショッキングピンクの表皮をした恐竜が何かしらの事情で、
世界(ワールド)を平定するストーリーだったと思う。
○○ワールドというゲームソフトは当時多かった。
「ロックマンワールド」、「ワイワイワールド」、「スーパーマリオワールド」。
非常に主観的な観点だと言わざるを得ない。
世界はロックマンのものでも無ければワイワイのものでもない。
ワールドはワールドでしか無いし、世界は世界でしかない。
マリオにいたっては相場キノコ王国の平和を取り戻すストーリーなのに
ドサクサに紛れてマリオのワールドだと主張してしまっている。
クッパより過激な思想を持っているかもしれない。彼は。
マリオのワールドの中にキノコ王国があり、そのキノコ王国か何処かの
いち配管工の身分のマリオがいるのは自家撞着になってないか。
ただ一方で、キノコ王国が存在し自身はいち配管工の市民という事実が
あっても同時に、マリオの主観を通して構築される世界があり
それがマリオワールドなのだという事実も矛盾しないという見方もある。
新実在論とやらを提唱してる人がそのようなことを主張されていた気がする。
アスミッくんワールドでは
横スクロールのアクションで各ステージをクリアし
ボスをグリコ(じゃんけんで勝った手の文字数だけ歩みを進めて先に目的地に到着することを競うゲーム)
で倒して各エリアを治めていくといった内容。
同じ恐竜のアクションゲームの金字塔である
FC「ワギャンランド」の影響を強く感じられる。(こちらは世界ではなく島である。領土控えめ。)
しかし
ワギャンとアスミックんは大きく違うところいくつかある。
主人公の恐竜の攻撃レンジの範囲。
ワギャンは怒声を具現化し口から画面の端まで放り投げるのだが、
アスミッくんは自らのシッポで起こす風圧で敵を倒す。
これが、現実世界であれば恐らく50cm程度の射程しかなく、
なかなかタフな戦いをアスミッくんワールドでは求められる。
上述したとおりアスミッくんではボスとの決闘ではグリコを用いる。
より正確に表すと、グリコのみしか用いない。(確か。)
それに比べるとワギャンはボスがしりとり、神経衰弱、数取りゲームなど
ボスの趣味によって色々決闘方法が異なる。
敵勢力同士とは言え決闘方がその世界では共通認識されているのは、
中世の騎士道や武士道のような気概を感じなくもない。
さいごに個人的にはこれが一番この作品の惹かれた部分なのだが
ゲームの世界観だ。
ピンクのかわいい恐竜が歩む第一ステージでは
まっピンクの空に、目玉焼きの雲(その雲にナイフとフォークも添えられている)、
山の模様はABCDEFGとアルファベットであり、BGMはゴキゲンすぎるもの。
アスミッくんが守りたい世界はまるでつげ義春のねじ式を思わせる夢のような世界であった。
後半のステージでも子供の落書きのような(比喩ではなく落書きそのもの)背景に
注射器やエンピツの敵が飛翔してたりと、恐竜主人公のストーリーにどう関わってるかわからないコンセプトのものが多いが
世界は意味で成り立っていると主張に対して、世界は意味で成り立っていないと反するような痛快さがある。
人は意味の中で生きようとし、世界に意味を見出そうとしてしまうからこそ、
時々こうやって意味に疑義を呈する芸術を欲してしまうのだろうと思う。
(以前その様子をイラストにして描いていたのだが
データ消失してしまってここに貼れなかった。残念。)
おそらくFC後期の作品でグラフィックや音楽の質もよく、星のカービィにもちょっと似ている。
カービィやワギャンほどには他者の口からアスミッくんを耳にすることはないけど、
そういった作品に準じるような感覚をおもいだせるかもしれない。
ゲームバランスの詰めがかなり甘いのが恐らくゲームとしては
大きな欠点となってしまい(簡単に無敵になったり残機を増殖できる)
しかしまたそれがゲーム制作の難しさでもあると思う。
今でも語られるレトロゲームはやはり作り込みがとんでもない。
そういったレジェンドレトロゲームの影に、
もしかしたら自分にだけは刺さるゲームはまだまだあるのかもしれない。
続編で「アスミッくんワールド2」がゲームボーイで発売されている。
(ワールドに2があっていいのか。
現実世界の人類は、生きているこの世界を、ワールド2や世界2と認識することは恐らくないだろう。世界をナンバリングしようなどと通常思わない。)
FCとは随分システムが違うがこれも楽しんだことがある。
1が「てけてけ!アスミッくんワールド」であったから「アスミッくんワールド2」といった、タイトルの形式の変遷には何か元気を失ったようにも感じられて少し寂しい。
てけてけしなくなっアスミッくんに消費者は何を感じるべきか。
※訂正
とりあげてるFC版は「アスミッくんランド」でGB版が「アスミッくんワールド」「アスミッくんワールド2」だった。
島から世界への進出という過程だったことを見逃してしまった。
世界にはアスミッくんは3作あったのだ。
FCとGBのふたつで全てプレイしたと思い込んでいた。
ゲームの話題は
ソフト紹介という趣旨ではなく、あくまで自分視点の思い出ということなので、
記事を書き終わった後に念の為に作品概要をちょっと調べるのだが
(今回の間違いもそれで気づいて、時既に遅しだった。)
よほどのことが無い限りは日記としての初期衝動を保つ方針で
そういう間違いは修正しない方針でいくと思う。
ヨガしっぽ(強キック)