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新年の始まりは厄払いから(ver.寅)

🎍新年2022年!!あけましておめでとうございます〜!🎍


こんにちはこんばんは、皆様のもとへ塩味濃いめのオヤツをお届けする物書き創作者のぱぱを🐼🐾です。今月から2022年となりましたね。どうぞよろしくお願いいたします。


今年の干支は寅🐅だそうです。寅以外の人もいるかもしれませんが、世間一般では寅です。私は年がら年中亥年🐗だったらいいなと思うので今年も来年も再来年も亥年ということにしています。何度も言いますが本当の干支で言えば今年は🐅寅🐅です。


というわけで、もちろん新年一発目は虎おっさんにしなければと思った次第です。どうしても作者が猪おっさん好きなので出番が少なめになる虎おっさんですが、虎おっさんもかわいいので大好きですよ。ただ猪おっさんがあまりにも性的コンテンツすぎてズバ抜けているというだけで……。今年はちょくちょく虎おっさんを書けたらいいなと思うのですが、本当に書けるのか?


今年も自由気ままに書きまくるとは思いますが、皆様もビュッフェ形式だと思って読みたいやつを好きなだけ読んで遊んでいってください。せっかく皆様のお給料から支援金という形で幾らかお金をいただいているのですから、気持ちの赴くままに楽しんでいってくださいね!食べきれなかった……いや、読みきれなかった分のオカズはローカルに保存して楽しんでもらっていいですから!他所へのアップロードさえしなければ問題ござらぬ🐼pixivに上げない作品も多いのでね、へへへ……。


本文は大体1万5000字程度です。ではでは、新年一発目の虎おっさんをどうぞ🐅



※以下、本編。

****


 今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。挨拶で始まり、挨拶で終わる。これが年末年始というものだ。今年も何事もなく無事に生きて元気に過ごせたのは、紛れもなく神様のおかげであろう。だが都会の者にそんな事を言っても誰も信じちゃくれなかった。僕はこの時、地方の……携帯の電波すらも入りづらい山奥に住む集落でしか通用しないのだと悟ったのである。


 厄年――厄災が起こりやすい時期だと昔から言い伝えられているが、本当にそんなものがあるのかどうかは正直わからない。だがウチの集落では毎年山頂にある神社へと初詣に行くことで、自分の命に関わる厄を祓っているのだそう。階段にして実に千段以上、心臓破りの階段だ。爺ちゃんが生きている時は毎年元気にこの階段を駆け上がっていたが、あの体力は一体どこから湧いてきたものだったのだろうか。今となっては不思議で不思議でたまらない。


 また自分の産まれた家系は神様と深く関係があるらしく、例の山頂神社で御参りする意外にもやらねばならぬことがある。他の人は決してやらないような、ものすんごく大事で時間のかかる行事。齢にして十八とならねばその行事に参加する資格がないと爺ちゃんが言っていた。というわけで参加したのは今年で二回目となる。爺ちゃんが“もしも一回行ってイヤな気分になったのなら、行かなくていいぞ”と優しく言っていたのを思い出したが、正直なところ楽しみで楽しみで……。ああ、どんな事をするか気になるよね。んんと……直接的に言ってしまうと……その……神様は干支を模した獣人の姿で神社付近に現れるのだが、彼らと……えっと……彼らの出す体液に効能があって…………。去年は方言っぽい言葉を流暢に話す牛獣人の神様とその、体を重ねた。スケベオヤジって言葉がめちゃくちゃよく似合う牛樹人。すごく気持ちよかったけど、あんなに激しくされるのはちょっと困るかな……。


 おっと、気がつけば日付けを跨いでいるではないか。それだというのに山頂まではあと数百段というところ、これは急いで向かった方が良さそうだ。今年は牛獣人ではなく、干支としては“寅”となる一年。つまり山頂で待っているのは間違いなく――。


「ぜぇっ、ぜぇっ……ひー……」


 真冬の氷点下だというのに、汗が止まらない。普段大学の講義で座りっぱなしの訛った体には堪える。勿論田舎のこんな街灯設備すら置かれていないような真っ暗闇のお山の上で、深夜から参拝しに来るものは誰一人として居ない。僕は野生の熊とか居ないだろうなと慎重になりながら、リュックに付けた熊避けの鈴をブンブン振り回して歩みを進めていく。すると鈴の音に反応したのだろうか、小屋の引き戸がゆっくりと様子を見るようにして開かれた。


「……寒いなか、よくここまで来たな。そうか、キミが今年の参加者か」


 下駄を履き、袴を纏った体毛の白い獣人。白の中で映える黒い線のような体毛が全身に生えているのは――白虎獣人。やはりそうか、今年は虎獣人だ。それも通常の橙色ではなく、神様に相応しく清らかなオーラを放った白。虎獣人には目がない僕にとって、これから彼とあんなことやこんなことを合法的に出来るだなんて……うへへへ、いかん……興奮して体温が急上昇してしまいそうだ。


「我の名は虎雪。話には聞いているだろうが、我は神の遣いと同等の存在である。今年の干支は”寅“だ、だから私がキミを担当する事となった。……おや、少し熱っぽいようにも見えるが……大丈夫か?」


「あっいや、その、走ってきたもんで、はは、ははは。体が温まっちゃって」


「ふむ……」


 手を伸ばせば体毛に触れるぐらいの距離までやってくると、その体格差に思わずおぉ……と声を上げてしまった。デカい、なんだこのデカさ。やはり獣人はどいつもこいつも人間より大きな体を持つのが当たり前なのか。自分の身長の二倍ほどはありそうな白虎を前に、僕は思わず緊張して体が硬くなってしまう。


「キミは若くて羨ましいな、全身温かくて熱を発しているようだ。私のこの体はあちこちにガタが来ていてな、外は冷えて冷えて……うう……早く中に入るがいい。というより、我の体の方が限界だ」


「わ……」


 肉球でペタペタと触られた時、僕のズボンで眠る雄がググッと元気になったような。今夜行われる厄払いの儀式、一年間待って待って我慢した今日という日を僕は忘れない。



 家具も何もない無機質な部屋。敷布団が一つだけ敷かれた少し寂しい小部屋で、僕は白毛の虎と肩を並べて立ち止まっていた。早く入りなさいと言われるも、念願の虎おっさんとあんなことを……と頭の中で雑念がグルグルと飛び交っているため体が動かない。これは厄払い、そう、やましい気持ちなんて全然ないと自分にいい聞かせながら僕は布団の上へと腰を下ろした。


「ケツは準備済みと言っていたな。我は一度湯浴みをしてくる故、そこで休んでいてくれ」


「え゛っお風呂入ってくるんですか⁉︎」


「……ふむ、なにか不都合でもあったかな」


「え……えと……」


 心の声がそのまま漏れ出たせいで、この場が妙な空気に包まれてしまった。いかん、去年あの雄のニオイをプンプンさせていた牛の神様に厄払いしてもらったせいなのかはわからないが、正直湯浴み前の熱気ムンムンの方がアガる。このような性癖を植え付けられて正直怒っても良いと思うのだが、厄払いのおかげもあって一年何事もなく過ごせたので強くは言えない。それにあの牛の神様に次会えるのは……また十二年後になるだろうし。悪くはなかったが、結構激しくガツンとヤられたせいであの時掘られた気持ち良さが未だに忘れられない。今年は念願の虎おっさんに責任を取ってもらう事としよう。話が脱線したが、ここは正直に伝えた方が良いかもしれない。僕は強いフェロモンを嗅ぐとケツが緩み体が火照るという事をやんわりと伝え、虎雪さんにお願いをしてみた。


「……そうか。うぐ……その、だな……」


「すみません、変なこと言っちゃって……。あ、いいんです、ほんとに。やっぱりこういう事やる前は体を綺麗にしておきたいですよね」


「…………」


 顎に手を当てながら唸り、悩み続けている虎雪さん。これはマズい展開になってしまっただろうか、そもそも厄払いしてくれるか不安になってきたぞ。


「……いい、んだな。その、我も抵抗があるわけではない。だが……その、嗅がれるとな……少し恥ずかしい」


「いいんですか⁉︎ やった‼︎」


 問題ないと聞くと、僕の体の緊張もあっという間にほぐれるというもの。自分の性癖を隠す必要がないとわかった瞬間、僕は心の中の声をそのまま外へと出して意思を伝えていた。へへへ……そうか、虎おっさんのニオイを嗅ぎながら今夜は気持ちよくなって……げへへ……あ、いや、これは厄払いの為に行う行為であって決してやましい気持ちはなくて……。


「本当にいいんだな。今日は立て込んでいてあちこち動き回ったからな、結構その……雄のニオイがキツいやもしれんのだが……」


「いいです! 無問題! 嗅がせていただけるのであればありがたく頂戴致します!」


 グイグイ押しまくる僕に対して少し顔を赤らめ恥ずかしそうにする虎雪さん。顔では仏頂面を貫いているが、尻尾が忙しなく動いているのが何よりの証拠。こんな事を言う輩は初めてだったのだろう、未だ決心がつかないような顔で彼は僕をやさしくギュッと抱きしめる。僕の顔を見るのが少し恥ずかしいのか、たまに視線を逸らしては我に帰ったかのようにフッと目線を戻し、そこがまた可愛い。どうやら去年のスケベ牛とは違って、虎雪さんはあまり経験がないのだろう。少しだけからかってやろうか。


「お゛……ぐっ……随分と積極的な……うぐ……」


「こういうのは前戯から盛り上げていかないと、ですよね」


 僕よりも長く生きている神様なのだから、そのぐらいは知っていてもらわないと。さも当然のように聞いてみたが、白い毛を纏った虎の獣は無言を貫きながら僕の乳首いじりを堪能しているらしい。流石に何もアクションがないのも寂しいので、僕は彼の手を握って合図を送ってやった。それは布団へ行きましょうという、交尾するにあたってごく自然の流れ。なのに虎雪さんはその場で硬直したまま動くことはなかった。


「虎雪さん、虎雪さんってば!」


「……んお、おお……すまない、その…………」


「わっ⁉︎ すっご……なにこれ……」


 彼が動かなかった理由に気づくまで数秒という短い時間だっただろうか。シワ一つない清潔そうな袴の下で、硬く大きなものが鎌首をもたげているように斜め上へとギンギンになっている。衣服の膨らみだけでも相当なデカさを誇っているのがよくわかり、何なら鼻を鳴らしてみればすごくその……雄のニオイがキツい。僕がニオイに気づいた時、虎雪さんはマズルの上をぽりぽり掻きむしりながら明後日の方向を向いていて――。


「…………握って、もらえるか」


「いいんですか?」


「イヤじゃなければ……頼む」


「へへへ、むしろ握りたいと思ってたところですから」


 両指で輪っかを作るようにして握……でっけぇ、なんだこれ。指が回りきらない、一体何を食べたらこんなブツに成長するのか朝から晩まで質問責めしたくなってしまうほどのサイズ。獣人はデカい逸物を携えている事が多いという一般的な知識は持ち合わせていたが、これは神様だからこそ与えられた特権なのだろうか。去年の牛神様もそこそこデカかったし、やっぱ男は獣人が最高にカッコいいってことが証明されてしまった。デカすぎるのも考えものだけど、僕は自分の体では絶対に見れないようなグロテスクな巨根を握ったり、嗅いだり、咥えきれないけどしゃぶるのが好き。今日は合意の上で、神聖な儀式を為に行うのだから。多少強欲に触りに行っても何の問題もないはずだ。


「げっ、ん゛お……結構鼻にくる……」


「むっ……無理はするんじゃない、キツいのであればすぐに湯浴みをするからな」


「だいじょ……大丈夫……です、んふぅ……」


 虎雪さんの袴はズボンタイプではなくスカートのような見たくれをしていたので、僕はよからぬことを企みながらニシシ……と微笑み体を屈ませた。つまり脱がす事なく中を堪能できるというわけだ。幼稚園に通っていた時ぐらいだったか、遊具にあった洞窟みたいな場所へと潜り込んで行く感覚と似ている。最奥部に眠るはもちろん虎の股座だ。僕が最も興味を示している臭気ムンムンの股座は芳しい香りが漂っていて、薄暗い空間ながらもキツいアンモニア臭のおかげで布にこびり付いた黄ばみが何とはなしに見えてしまう。


「な゛っ……そんなに……んおっ……おっ……こそばゆいっ……」


 犬のように、いや豚のようにといった表現が正しいだろう。フゴフゴと下品な鼻音を立てながら、僕は布の端から端までをじっくりと嗅ぎ回る。ああ、なんと芳醇な香りなのだろう。不潔なニオイではなく、フェロモンがたっぷりと染み込んだいいニオイだ。数日間変えていないとかそういった類の臭気は全くなく、むしろ少し動いただけで汗を掻いてしまう体質が丸見えである。湿り気を帯びた布のせいで股座はさらに湿度を高め、悪循環が繰り返され劣悪な環境へとなっていくのだろう。まだ許容範囲内と言えるような虎の臭気を目一杯嗅ぎ回った後で、ようやくメインのブツへと手をかける。熱くて湿り気のあるソーセージ、きっと塩気も凄まじいのだろうな。結び目を解くのではなく横にズラして中身を取り出そうとするが、これがまた難しいのなんのって。


「ふぐっ……すまない、今日はすごく興奮しているようだな……我のせいではないと思いたいが……下半身が勝手に疼いておる」


 焦ったく思ってしまい、僕は褌の横穴から手を突っ込んで例のものを引きずり出すことにした。そしたらどうだ、股座へ突っ込んだ手が一瞬で虎の臭気にまみれて酷く汗を掻いているではないか。自分の体の一部だというのに虎雪さんはまるで他人事のような言動で、息子の管理をする親としては到底許されない発言だ。ヌルヌル粘液で僕の心臓も大いに昂り、しばらく手を洗うのはやめておこうと思ったぐらいに手からは独特の臭気が漂い続ける。ではここへ顔を近づけたらどうなるだろう。興味本位で鼻を穴へと忍び込ませると、今度こそダメだと軽く頭を強く握り締められてしまった。仕方がないので渋々顔を離し、目的のブツを取り出して……すっげ、ヌルヌルじゃんか。しかも先端だけじゃなくて、先端から溢れ出した我慢汁が竿の根元にまで流れてきてて。どこを触ってもヌルッとしたあのいい具合の触り心地を感じる。何ならちょっと上下に擦ってみようかと輪っかを作ってニチャニチャ鳴らしてみたら、今度こそ待ったの声がかかってきて――。


「グルルル……キミはまた随分と……グルル……やらしい手つきをしおって……」


 最初は唸り声かと思ったが、なるほどこれは……喉鳴らしというやつか。ネコ科の獣人が気分を良くした時なんかに鳴らす、心地の良い音。獣人とは異なる人間という小さな生き物が、必死にデカいモノを小ぶりな手のひらで握ってシコるという状況。自分で致す時よりも大きく腕を動かさねばならないのと、袴の中という空気の薄い環境で激しく体を使っているせいでほんの少し頭がクラクラする。酸欠にならぬよう気をつけねば。それよりも徐々に粘液の量を増やし続ける虎のちんぽの方がよほど気になるというものだ。


「お゛っ、お……」


「すんごくヤる気満々じゃないですか。イヤならわざわざ体を重ね合わせなくても手で出してそれを体に塗ればいいとか何とか言ってたのに、本当は期待してたんですか?」


「違う、そうでは……あ゛っ、あまり先っぽばかり擦るのは……んぐ……」


 虎雪さんは僕意外にも経験があるらしいが、中には交尾を拒絶する者もいる為このような方法もあると教えてくれていた。勿論雄の虎獣人が大好きな僕が拒絶する理由もないので、当然のように交尾をお願いしたのだが。体がデカく迫力ある男らしい顔つきをしているというのに、ちょっと気持ちいいことをしてやればすぐこれだ。ちょろい。輪っかを作ってカリのところを中心に刺激を送ってやると、より一層気持ち良さそうな喉鳴らしが聞こえてくる。鈴口がひくつき、玉がパンパンに膨れているの様子を見ればそろそろ頃合いだろう。


「……儀式が儀式だからな、強く拒絶する者も中にはいる。無理強いは出来ないからな。今年は……うぐっ、こんな積極的な……子が来るとは……ん゛ぅっ‼︎」


「あっ」


 ほんの一瞬目を離した隙だった。手のひらにぶちまけられた、ネバネバでドロッドロの熱い体液。あまりの量の多さに驚くが、去年牛獣人神様の射精を間近で見たことがあったからだろう。僕はとっさに手のひらを退かし、自らの顔を逸物の前へと移動させていた。早業とも言えるような俊敏さで先端だけをパクッと咥え、そこからは怒涛の射精ラッシュ。溜め込んでいた量がそこそこ多かったのだろうか、一向に射精が収まる気配が感じられない。


「んぐぅ……んぶっ……、んん……」


「ダメだっそんな舌を這わせん゛はぁあっ‼︎ お゛っ‼︎ ん゛おおっ‼︎」


 こうなったら徹底的に虐めてやりたくなってしまったので、僕は虎雪さんの言うことなんか全く聞きもせず自分のやりたいようにやり放題する事にしたのだ。先端だけペロペロ、さらにはぐるんと掻き回すように亀頭周りをペロリ、最後にカリの弱いところを重点的に先っちょで押し当てて……。大した技術料を持ち合わせていないのだが、虎雪さんはエラく興奮し快感を感じてくれたらしい。自分の胃袋からザーメンの重たさを感じるほどに口でたっぷりと舐めて飲み込めば、悪戯した子をつまみ出すかのように僕の首元を引っ張って袴から強制的に退出させられた。久しぶりに外の冷たい空気を感じながら上を向けば、恥ずかしそうに顔を赤らめた虎雪さんが汗をビッショリと掻きながらこちらを見下ろしている。


「……キミは本当に言うことを聞いてくれないな。どうしてこんな……ふぅ……」


「でも気持ちよかったんじゃないですか。あんだけたくさん出してましたし」


「……ふん、我は理解したぞ。どうやらキミのような悪い子には、厄を跳ね除けると言われる我の体液を分け与える必要はなさそうだ」


「……えっ」


 さっきまで顔を赤らめていた白虎とは思えないほどに顔つきが変わっていて。賢者モードを終え、すぐに戦闘モードへと戻ってしまった雄の獣人はそそくさと乱れた衣服を手で直して僕から一歩距離をとる。どうやら警戒モードとやらに入っているらしい。さっきまで下半身の大事なブツを握らせていたとは思えないような威圧感さえ感じる。


「直接体液を飲んだのであれば、十分なはずだろう。また今年一年、有意義な人生を送るといい」


「嘘嘘、嘘ですって! 許してください! もうしませんから、もっと飲ませてください!」


 唐突に別れを告げられた彼女のように、僕は全身を使って何とか申し訳なさをアピールする。冷たい木の床に膝を下ろし土下座したし、駄々っ子のように彼の脚へ手足を巻き付けてしがみついたし、何ならもっかい抜きましょうかとちんぽをギュッと握ったりもした。あ、これは僕が単純に握り足りなかったからというだけで……こんな立派な虎ちんぽ、中々お目にかかれないだろうし。一生分握っておこうかなと思っただけ。


「……条件がある、今夜一晩は我の命令を絶対に聞くこと。そうでなければ厄払いはこれにて終いだ。それに我よりも優位に振る舞う事も今後は許されぬ。それでもまだ我と一戦まぐわいたいか?」


 規則正しく黒い線が入った縞模様の尻尾がブンブンと揺れ、大きく左右に振れすぎたのか僕の顔にもビンタのようにぶち当たる。頬に残ったじんわりとした痛みが、何となく彼の“怒り”という感情を表しているような。何をそんなに怒っているのかと思えば、僕にリードされているのが大変気に食わなかったらしい。そんなに怒らなくてもいいのに。それよりも待ちに待った虎の神様とのエッチな体験……いや神聖な儀式がこれで終わってしまうのも非常に勿体無いというか、来年は別の干支になるから次に会えるのは十二年後だし。もっと乳首をこねくり回して射精させてみたかったのだが、ここは大人しく言う事を聞いてやろう。このせいで僕にまとわりつく厄が祓いきれずに、今年酷い事故に遭うかもしれない。ましてや相手は神様、大人しくしているのが得策というものだ。


「……すみません、ですからそんなに怒らないでくださいって。反省してます」


「その言葉に嘘偽りはないだろうな」


 ズイッと顔面を僕の顔前まで寄せ、喉鳴らしとは異なるグルル……と威嚇の声を上げながら虎雪さんは僕の表情を観察する。顔の表情で変わるシワ一つ見逃さぬといった真剣な表情で、あまりの迫力に僕は思わず尻を床につけながら後退りをしていた。急にフワッとした感触がケツに当たったかと思えば、そこは虎雪さんが普段使っているらしい敷布団が。まんまと誘導されたわけかと苦笑いしていると、虎雪さんはほんのりドヤ顔で衣服を脱ぎ始めた。


「わっ……すっげ……」


 心の声が漏れてしまうのも無理はない。彼の体はボディビルダーと何ら遜色ないほどに体の至る所が筋肉質で、食べても美味しい部分がないと言えるほどに脂肪が感じられない体つきだったのだ。白い体毛によく映える赤褌一丁となり、後退りしながら座り込んでいるのをいいことに彼は僕の上へと乗っかり腰を下ろしてきた。無駄な脂肪がないとは言ったものの、体重としては僕の三倍ほどはあるだろう。腰を動かされる度にミシッと骨が軋む音が体から鳴り、彼の存在をイヤでも感じさせてくる。


「さっき出したばかりで酷く汚れているじゃないか。キミが舐めて掃除しなさい」


「あぐっ、う……んぐっ」


 先ほどまでの余裕のない表情や仕草とは違い、目の前でバキバキに血液を流れさせた虎のちんぽ。手で触っている時にも何とはなしに感じていた突起物、あれは野生の虎に多く発現されている生殖器と同等なのだろう。よく棘ちんぽと呼ばれ、メスの間ではアレで突かれたらもう他の種族のちんぽじゃ満足できないと評判だ。虎好きでありながら機会に恵まれず、初めて実物を目にした時の僕の表情はどのようなものだっただろうか。虎雪さんは僕の顔を見て、何を思ったのだろう。舌舐めずりをする表情がたまらなくエロい。僕はこれから捕食されるのだ、この大柄な虎獣人によって。体が震え、ケツの中が何かの体液でじんわりと熱くなる。発情だ、僕は雄虎を前に発情をしているのだ。唇で軽く亀頭を挟み込むと、エグみのあるザーメン独特の香りがムワッと口の中へ、鼻へと突き抜けていく。汗やら我慢汁やらで塩気も強く、これは舐め終わったあとで喉が渇くに違いない。


「顔ではイヤがっているくせに、随分と鼻をひくつかせているじゃないか。やはり一度洗ってからの方がいいのではないか」


「んん……んぶっ、んぐ……」


 先っぽだけを咥えたこの状態で、虎雪さんはもどかしさを感じたのだろうか。僕を煽りながら腰をグイグイと突き出して、喉の奥までグッグッと押し込んでしゃぶらせる。鼻が虎の雄臭さをしっかりと感じ取っている様子、そこに目がいったのだろうか。ゲェゲェと嘔吐きながらどうしても僕に嗅がせたかった場所、それは密林地帯と呼ばれる陰毛部分なのだろう。褌の中でしこたま蒸らされ汗をたっぷり吸い、真っ黒で太い体毛が生え揃った部位だ。棘ちんぽもたまらなくいいが、根元までしゃぶった者にだけ与えられるご褒美の臭気。実際に嗅ぐ虎のニオイはこんなにも体を火照らせ、ムラムラさせてくるのか。ああ……頭がぶっ飛びそうだ。


「かはっ……んげ……ちょ、ちょっとタンマ……」


「ダメだ、しゃぶれ。一度しゃぶったら最後まで世話をするのが礼儀というものだ。我のような民を守る神様に無礼だとは思わないのか」


 息継ぎしようと両腕で虎雪さんの太腿を突っぱねるが、大木のような巨体はビクともせずむしろ僕の両腕を布団へ押し付けるようにして手首を捕まれてしまった。腹に乗っかっていた尻はいつの間にか僕の胸元までスライドしていて、上半身の自由が利きやしない。足をバタバタと動かしても、布団から脱出しようとしても、虎雪さんの表情はシワ一つ変わらず僕をただジッと上から見下ろしてくる。圧倒的強者という言葉が似合うような肉食獣だ、今まではむしろ本気を出していなかったと言わんばかりに男らしさをアピールし僕を惑わせてくる。軽い酸欠状態に陥りながらも、尚口の中で暴れ回るちんぽに歯を当ててはならないと意識してしまうほどに僕は虎雪さんの臭気にヤられていた。


「……ふん、もういいぞ。虎のニオイが嗅げて嬉しかったろ、さっきからココも随分とヨダレを垂らして誘惑してくるじゃないか」


「あっ、んやっ、あ……まっ待って‼︎」


「我の注意に聞く耳を持たぬ悪ガキだ、そんなキミの注意を我が聞き入れるはずもないだろう」


「あ゛〜〜〜っ、あっ‼︎」


 僕の唾液だけでなく自らの我慢汁で塗された逸物をわざと顔面に置きながら、虎雪さんは器用に後ろの手で僕の逸物をガシガシと扱き上げた。大きなゴツい手のひらで根元まですっぽりと覆い被さられ、半分皮を被って敏感な先端をワザとグチュグチュこねくり回すような手淫だ。僕が耐えられるはずもない。先程虎の棘ちんぽを好きなだけ弄り、ニオイを嗅ぎ回ったせいもある。感情が昂り、興奮が最高潮に達したその瞬間だ。僕の逸物からはビュッビュルルルッと通常ではあり得ない程のザーメンを打ち上げ、虎の背中を粘液で濡らしていく。元々白い体毛であるからぶっかけても何ら変わりないだろうが、虎雪さんにとってあまり感じの良いものではなかったらしい。少しだけ眉間にシワを寄せながら、彼は僕の唇で粘液を拭うかのように腰を振ってから股の間へと体を動かした。


「随分と派手に汚してくれたな。……これならもういくら汚れても変わらないだろう。仕方がなかろう、キミが我をこんなにも汚したのだからな。責任はとってもらわねばなるまい」


「んお゛おっ……お……あひ……」


 一本一本の指がただでさえ太く、長いんだ。僕の尻穴をこじ開けた時から、これが本物の肉ちんぽかと思ったのに。いつもディルドで遊ぶ時のサイズと変わりない、だからこそ僕は興奮と絶望という二つの感情を同時に味わった。キュッと締め付け、中で蠢く肉壁に気分を良くしたのだろうか。虎雪さんは再び喉をゴロゴロ鳴らしながら、僕をやらしい目つきで舐めるように視姦してくる。


「キミは去年もここへ厄払いをしに来たと聞いている。だがそれは本当に厄払いの為だったのだろうか。本当は……こうやって雄の獣人とまぐわいたいが為に来ているのだろう。違うか」


「ちがっ、そんなこと……僕は本当にんぎいぃっ⁉︎」


「そのわりにココは随分と熟れてヌルヌルしておるし、我の指を締め付けて離さないじゃないか。こんな淫乱な穴を携えておいて、厄払いに来たという言い訳が通用するはずないだろう」


 僕が理由を説明している間にも、虎雪さんは人差し指、薬指、やがては五本の指を全て挿れて僕の具合を確認する。ゴムではなく熱を纏った生の肉体が穴をこじ開ける感触、そのせいで腸壁からは断続的に腸液と呼ばれるヌルヌルの粘液が溢れて止まらない。拡がりきったところで一気に指を引き抜いた彼は自分の指を確認し、ニイッと牙を見せつけるぐらいに恐ろしい笑顔で僕と粘液まみれの指を交互に見つめてはグルル……と喉を鳴らし続ける。アダルトビデオやエロ本なんかでは体験することのできない、実際に肉食獣に喰われる体験。僕の心臓は既に爆発寸前で、早く早くと自分で穴のところを指でグイッと拡げてしまうほどに淫乱な獣となっていた。


「どうした、随分と穴が滑り湿っておるぞ。我はローションも唾液も、何も指に纏わせた覚えはないというのに。これは何だ? 説明しろ」


「これは……あっ、あぐ、虎雪さんが掻き回すから……」


「掻き回すから、何だと言うのだ。普通であればこのような体液は出てこないというのに、こんなにも太い我の指を咥えて……ヤラしい汁を出したのだな。違うか」


「あっ、ああっ」


 ピトッと充てがわれた、エラがよく張った虎雪さんの巨根。今腰をズイッと前へ突き出せば、間違いなく気持ちいいところを擦って奥のやべぇとこをほじくり回してくれるだろう。この瞬間を、僕は去年からずっとずっと待ちわびていた。それなのにふと急にやる気がなくなったのだろうか、虎雪さんはちんぽを押し当ててからピクリとも動かない。早く挿れてくれと、自分から腰を近づければ、今度は押し返すようにして突っぱねられる。


「このような淫乱ではしたない穴へ、清白な我の精子を注ぎ込むのは些か気が引けるな。やはりこのまま外で出して自分で塗ってもらう方が良いだろう」


「お……お願いします、早く……早く挿れてください……うう……」


「……ふん、このような淫乱な子であればただ儀式の為だけにまぐわうのは勿体ない」


 神様が、一匹の雄になった瞬間だ。デカい図体を乗り出し僕と彼の鼻がピッタリとくっ付くほどにまで近寄せられ、ザラッとした生温かい感触が肌を伝った時には既に遅かった。警備の甘かった口の中を軽く荒らされ、最後は鼻に虎雪さんの舌先が押し当てられて――。


「屈強な雄に抱かれるその悦び。死ぬまで忘れぬよう、体に刻み込んでやる」


「……あがぁっ、あっ‼︎」


 そこから僕らを止めるモノはなくなった。ダムのように抑えられていた本来の性欲が一気に流れこみ、男女で行う営みなんか比べ物にならないぐらいに激しく、雄の臭気が臭い立つような濃厚なセックスが開始される。言葉もなく無言のまま腰を振る虎雪さん、僕は巨根でいいところを突かれる度にメスのような声を上げてヨガり苦しんだ。気持ち良すぎて頭がぶっ飛び、早くイカせてくれと頼むようなこともした。だが虎雪さんの耳に、僕の声は届きやしない。彼は今、僕の穴を貪り気持ちよくなることだけを考えた一匹の獣となっているのだから。


「あっ……ど……どうして……」


「穴の締まりが急によくなった。我が中出しする前にイこうとしたな、それは到底許される行為ではない」


 ストロークが大きく、深いモノへと変わる。一瞬凄まじい快感を得ながらも、どうしても決定力に欠ける腰の振り方だ。早くもっと気持ちよくなりたいのに、これでは生殺しではないか。そう抗議するが、虎雪さんの表情や腰の振り方は変わらない。


「そろそろ頃合いだろう、どうだ。キミがそうして欲しいと願った故、たっぷりと執拗に蒸らしたぞ。本当にこんなモノを好んで嗅ぐとは思えぬが……」


 交尾中もずっと蛇のように股座へと巻きつけられた、虎雪さんの赤い褌。体を伝う汗が全てそこへ凝縮し、染み込んだ逸品。間違いなく鼻が痛くなるほどに雄のニオイがたっぷりとこびり付いている。人差し指でつまみながら軽く左右へ揺らせば、布から漂うのは虎雪さんの魅力的だと思えるような強い体臭だ。毛並みからして数日間湯浴みをしてないなんてことはないだろうし、純粋に一日で熟成させたニオイなのだろう。雄々しい虎の臭気は鼻にも、肺にもくる。脳内が火花を飛ばしたようにぶっ飛ぶような、たまらなくいいニオイ。僕はその褌を両手で大事そうに受け取ると、自ら進んで鼻へと押し付けた。


「んお゛……お゛っ……」


 特にちんぽが当てられ粘液がたっぷりと染み込んだ前部分を中心に、僕はフガフガと鼻を鳴らして嗅ぎ続ける。すげぇ、嗅いだだけでこんなにバキバキになるだなんて。腰を振らずに休憩している今でさえも、正直このままイってしまいそうだ。目にくるニオイであるからか生理的な涙と鼻水が止まらなくなるが、それでも僕は嗅ぐのを止めはしない。そんな好き放題嗅ぎまくっている中で、なぜだか反対側でもう一人赤く濃い色の褌を嗅いでいる者がいた。さっき手渡した褌は既にこちらの手にあるというのに、虎雪さんは今何を嗅いで――。


「ふー……ぐっ……やはりコイツはキツいな……」


 尻の中で一段と硬さと大きさを増したものがある。それは虎雪さんの股座に携えた太長い魔羅以外の何者でもない。虎雪さんは別に隠し持っていた赤い褌を嗅いで、ものすごく興奮している。自分自身の褌を嗅ぎ、自分で興奮するとは僕に負けずスケベな虎だ。


「……やはりキミも興味があるか。だがコイツをやるわけにはいかない。これは我専用の……うぐっ……褌だ」


 薄暗い部屋の中、赤黒い褌を嗅ぐ者が二人。異様な光景であろうが、僕も虎雪さんも嗅ぐのを止めはしない。こうして体を火照らせこれからも連続で行われるであろうまぐわいをより一層激しいモノにする為、僕らは限界までフェロモンを取り込み発情する。


「んぐ……ん゛……よし、いいだろう」


「あがっ、あ゛っ、はげし……ああっ‼︎」


「今からタネを付ける準備を開始する。……しっかり気張っとけ、意識なんて飛ばしたら逆にこの一年お主を厄まみれにしてやるからな」


 上半身と両腕で押さえつけ、お互い向かい合いながらの激しいセックス。手首に掴まれた痕が残りそうなぐらい強く握りしめられた僕は、雄虎の三桁を超えるであろう体重に潰されながらひたすらに喘ぎ続ける。激しく揺すられながらも首を横に向ければ、傍に置かれた二つの褌が目に入る。その片方には何か文字のようなものが書いてあって。三文字の漢字が黒文字で書かれているのは見えたのだが、何と書いてあるのかまでは目で追えなかった。それもこれも、虎雪さんが我を見ろと首の向きを変えさせ腰を振ってくるのが原因だ。雄虎が発情し、毛皮から汗を垂らしながら僕へぶっかける。鼻息が物凄く荒くなった所を見ると、限界を迎えているに違いない。最後の射精を促すため、僕にもやることがある。キュッと穴を引き締め、腸壁でグリグリと包み込んでやるようにすれば――。


「お゛おおおっ、お゛っ、お゛〜〜、お゛っ‼︎ お゛おっ‼︎ お゛ほぉ……お゛っお゛っ‼︎」


 たった一つの文字を繰り返し呟いているだけなのに。雄々しい低音で濁点混じりに言われ続ければ、耳で孕んでしまいそうだ。お゛っと言うたび中でちんぽがしゃくりあげ、ホースから水を出したような凄まじく量の多いザーメンがビュッビュッと注がれる。腸壁に容赦なくぶっかけられ、穴が粘液で満たされるまでこの射精は続くのだろう。膣とちがって容量が無限にあると言っても過言ではないケツの中、一体彼はどこまで自分のザーメンを注ぐつもりなのか。


 射精の間、僕は虎雪さんのイキ顔と一緒にとあるモノを眺めていた。腹に注がれるズッシリと重たいザーメンの感触と、ビクンビクンと揺れるちんぽの存在感を感じながらも気になっていたもの。それは先程激しく揺すられて読めなかった、赤い褌の文字。そこには黒い油性マジックで”猪名川“と、昔の人が書きそうな達筆な字で書かれていた。


「まだ出るっ、う゛おおっ、お゛っ締めてくれ、ケツっ、締めろっ‼︎」


 そう言われなくとも、ケツからザーメンが漏れ出ることはないだろうに。虎雪さんは僕を女のように扱い、そして自分の快楽の為に腰を振っていたようだ。最後は指を恋人繋ぎのようにギュッと握ってやり、呼吸もままならないほどゼェゼェと息を上げた虎雪さんのマズルへ――僕はやさしくキスをした。


 タバコという格好品を嗜んだことがないのだろうか。なぜだか少しだけ甘い、お菓子の味がした。



「それで、この猪名川ってどなたですか?」


「…………」


「あー気になるなぁ。気になって帰る途中ボーッと道を歩いてたら車にひかれるかもしれないなー。あの長い階段、どっかで足を滑らせて転げ落ちちゃうかもなー」


「……どうせ田舎の山道だ、車なんて来やしない。それに階段は怪我者が出ないよう特別な配慮をしておる、安心して帰るといい」


「あーもう! 早く教えてくださいよ! 誰なんですかこれ。虎雪さんの褌じゃないってことですよね。なんで持ってたんですか? それにちょっとぐらい嗅いでもいいじゃないですか!」


「ダメに決まっておるだろう‼︎ 指一本でも触ったら、今年中キミをずっと呪ってやるからな! 死にはしないが、毎日イヤな目に遭うよう憎悪を込めてイヤな気を振りかけてやるからな!」


 激しくまぐわった後でも元気いっぱいな僕たち。今は脱ぎ捨てた服を着て、温かい茶を飲みながら雑談中といったところか。先程ド変態が見せるようなすんごいスケベな表情で赤褌を嗅ぎ回っていた虎雪さん、やはりこの持ち主がどうしても気になってしまって。名前からして虎雪さんのモノではないことは明らかだったし……。それなのに僕の質問には一切答えてくれないし、さっさと帰れと背を向けられてしまう始末。バシンバシンと勢いよく当たる彼の尻尾がとても痛いし、先程まで体を重ね合わせていたとは到底思えないほどの雑な扱いだ。


「じゃあ秘密にするから教えてください」


「…………ダメだ」


「ああ、そういえば去年担当してた牛の神様に聞いてみるのもいいですね。多分呼べば来てくれるでしょうし」


「それはもっとダメだ‼︎ まったく何を考えているんだキミは……はぁ」


 なんとわがままな神様だなぁと言ったら余計に彼を苛立たせてしまったらしい。大きなため息をついて、それから虎雪さんは静かに誰にも聞こえないような音量で説明をしてくれたのであるが。まさかの内容に僕はブフッと吹き出してしまい、この後余計に仲がこじれる事となったのであった。


「ぐふっ……ふふっ、まさか虎雪さんにそんなヒミツがあったとは思ってもみ……ぶふっ」


「…………よし、そこに正座しろ。今からムラムラしても一週間に一度しか手淫出来ぬよう、呪いをかけるからな。我の呪いは他の獣神よりも数段効果が高い、心して受けよ」


「うわあっ悪かったです、悪かったですって! だからその藁人形みたいなヤツ近づけないでください‼︎」


 猪名川――それは同じく獣人の神様の一人なのだそう。虎雪さんはその人に少なからず気があるようで、終始顔を赤らめながらこの褌を手に入れた経緯を説明してくれた。まさか虎雪さんも僕と同類だとは思ってもみなかったが……。


「でも人のモノを盗むだなんて、神様がやっていいことなんですか?」


「…………時と場合による。これは……その、我にとって必要なモノだ。こういった厄払いの時、種汁が出やすくなる。それに火照りが収まらなくなり、ムラムラが全身から溢れ出して……」


「ふぅん」


 猪名川さんのことが凄く好きなのは伝わってきた。自分みたいな人間が獣人のおっさんとまぐわうのも大好きなのであるが、獣人のおっさん同士がまぐわうのもまた一興。これは応援せざるを得ない。一年に一度、いや十二年に一度会える僕と虎雪さんじゃ比べ物にならないぐらい彼と接する機会は多いに違いない。これは応援してやるのが礼儀というものじゃなかろうか。


「早くお付き合いできるといいですね。神様の恋愛事情よくわからないですけど」


「…………無理に決まってるだろう。だからこうしてわざわざ洗濯機から褌を盗んだのだ」


「……」


 猪名川と書かれた赤い褌は、それから虎雪さんが大事そうに密閉袋へと閉まったそうな。

新年の始まりは厄払いから(ver.寅)

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