【ハードな描写有】達磨女たちの末路語り~買われなかった達磨はどうなったか~(本編約18,500文字)
Added 2024-05-03 09:00:00 +0000 UTC『達磨女たちの末路語り』
物好きな冒険者の青年が、達磨に加工されたエルフの姉妹を買い取っていった後。
彼に購入されなかった達磨女たちはいったいどうなったのか。
■ ■ ■ ■ ■
赤い髪をした女戦士は、店主の言う通り客から不評であった。性格に難があるし、肉体も筋肉質にすぎる。しかも、本人が既に厭世的で、生き残りたいという執念を感じられないのもマイナス評価だ。
しかし、そんな女戦士にも買い手が現れるのが、達磨女売りという商売の面白いところだった。
「がふッ!? ぐえッ! ガハッ……ぁぁ……くっそぉ……。ごふッ!?」
「へっ! どうした!? サンドバッグにしては、軽くていけねえなl」
買い取られた女戦士は、売られていた時と同じように首に縄を掛けられた状態で天井から吊されている。
そしてそんな彼女の、当然ながら一切防御の姿勢などを取ることも出来ない無防備な腹部に向かって、屈強な男の拳が容赦なくめり込んでいくのである。
「ごふっ……ぐぇ……! っざ、けんな……! この、くそったれ……! かふっ……ぅ……。いギッ!? こ、こんな……骨、まで……ッ、抜かれた、ヤツ相手に……ッ!」
女戦士は自分のことをサンドバッグ扱いしてくる男――彼女の買い手に対して憎悪の視線を向ける。
だが、それだけだ。彼女に出来るのはそれだけ。あとはただ、殴られた衝撃の余波でブラブラと天井から揺れるだけ。首の縄が絞まっても緩められない。唾の一つ吐きかけたくとも、身体は生存本能から呼吸を優先していて、そんなことをする余裕もない。
「減らず口だなぁ? ほれ、もう一丁……ッ!」
「ぐァ……ッ!?」
そんな彼女に対して、男の拳が再びめり込む。
ちょうど、商品としての見栄えを高めるために肋骨を抜かれた部分。皮と脂肪と内臓しかない脇腹に対して、男の固い拳がめり込んだ。
内臓全部をひっくり返されるような痛みと衝撃。女戦士は思わず嘔吐しそうになる。だが、なるだけだ。達磨加工されている段階で食事も排泄も不要な身体にされている女戦士は、吐き出す胃袋の中身が無い。
女戦士の胴体は、毎日繰り返される殴打のせいで赤黒く変色している。鍛え上げられた腹筋の周辺には、まるであざ笑うかのように無数の殴打痕。それでも致命傷に至ることはなく、女戦士はただサンドバッグとして生かされていた。
「くそ……が……。殺せよ……殺して、くれよ……」
女戦士を買い取ったのは、拳闘を生業としている男だった。この男、かつて賭勝負の場で女戦士に負け、大恥をかかされたことがある。
そんな彼が、女戦士が達磨にされて売られていると聞けば、飛びつかない筈がなかった。
一見の客、しかも“達磨女が好き”という訳ではなく、あくまで個人的な恨み辛みをキッカケにした購入だ。常連になる余地はないと判断され、店先で売れ残りかけていた女戦士にしては明らかに高い値段をふっかけられた。
しかし男はそんなことに気がつくはずもなく、女戦士を購入できて満足そうに帰って行ったわけである。
そうして購入されて以来、女戦士は男の家の天井からぶら下がり、死ぬことのないサンドバッグとして所有されているのだ。
「てめぇ……な、さけない……奴だぜ……。お、女一人……こうして、吊してねえと……勝てねえ……なんて、よ……」
女戦士の精一杯の罵詈雑言。しかしそんなもの、今の男にとってはどこ吹く風だった。
文字通り手も足も出ない女戦士から何を言われても響かないと言うのが理由のひとつ。
さらに言えば、女戦士に負けてから鍛錬を重ね、今では裏世界でも一目置かれるようになった男からすれば、手足を無くして乳房と尻をさらけ出しながら悪態しか吐けない女戦士は、まるで道化のように滑稽に見えることも理由だった。
「お~、そうだな~。お前は、こんだけデカい乳とデカい尻をぶら下げた、か弱い女だもんなァ」
女戦士を殴打する手を止めて、男は彼女の乳房に手を伸ばす。男ばかりの裏社会で荒事を担うには明らかに大きすぎたと言わざるを得ない乳房。元々大きい男の掌からすら、あふれてしまうようなサイズだ。
「やめ、ろ……ッ! ふざ、っけんな……!」
女など捨て、自らと仲間たちの食い扶持を稼ぐために男たちに混じり、男勝りなほどに強く生きてきた女戦士。しかしそんな彼女でも、自分の“女”の部分へ無遠慮に踏み込まれると、何か大切なモノを踏みにじられている感覚に襲われるのだ。
「な~に言ってんだ? お前は俺に買われたんだから、こうしてデカパイ好きにされたって文句言う筋じゃねえんだよ。わかるか、“カワイ子”ちゃん?」
「っざ、っけぇ……ん、なぁ……ッ! くそ、がぁぁぁ……ッ!」
女戦士は痛む全身の力を振り絞って男の手から逃れようとする。腹筋を揺らし、体幹をねじり、懸命に男の手を振り払おうとする。こんな屈辱を味わうなら、文字通り死んだ方がマシだと思えた。
しかし、乳房を鷲掴みにされた状態で逃げ出せる訳がない。よしんば彼女に五体が揃っているのなら話は別だが、今の彼女は達磨女。ただ自分の身体が揺れて、首に縄が食い込むだけだ。
身の程を弁えない女戦士の態度は、男にとって加虐心を加速させるのに充分すぎるスパイスだった。
「まだ自分の立場がわかってねえみたいだな……。だったら、今日もみっちり身体に教え込んでやるよ」
男が下卑た笑みを浮かべると、女戦士の顔面が蒼白になる。天井から吊された彼女の下腹部に届きそうな勢いで、男の股間が膨らんでいた。
「や、め゛ろ……ッ! っざ、けんな……ッ! やめろ、くそっ……たれ……ッ! チクショウ……! ちくしょう……ッ」
女戦士の悲壮な声が部屋に響く。先ほどと同じく彼女は吊されているが、場所が変わっている。先刻までサンドバッグにされていたトレーニングルームの天井から一旦“外され”て、文字通り男に引きずられながら連れて来られたのは、彼の寝室だった。
「ふざ、っけんな……ッ! オレのこと、犯すんじゃ、ねえ……ッ!」
苦しい息の中でも女戦士は懸命に悪態を突き続ける。彼女はさっきまで殴りつけられていたままの全裸だが、男も同じく服を脱ぎ去っていた。股間の肉棒は荒々しく勃起し、赤黒い亀頭は破裂しそうなまでに膨張している。
「お前は物わかりが悪いからなァ。自分がサンドバッグ兼性処理用の肉穴だって、教えてやるよ」
男は女戦士の胴体を両手で掴む。肋骨を抜かれているせいで、細く柔らかい。男が力を加えれば、両手の指先がくっついてしまいそうなほどだ。
「やめ……ッ! やめろッ! んなの、入るわけねえ……ッ!」
「ばーか、今まで何度も入れてんだろ……ッ!」
男は嘲笑と共に、自らの剛直を女戦士の肉穴へと挿入した。
「ぎ……ッ……がぁ……ッ!」
女戦士に快感は無い。あるのは、外側から殴打されて傷ついた腹のナカを剛直で押し広げられる苦痛と、自分の性を踏みにじられていく言いようのない屈辱だけである。
「へへっ。相変わらずイイ穴してやがる。お前、戦士じゃなくて娼婦ならもっとマシな人生歩めたんだろうよォ? いや、その性格じゃ無理か~?」
「う、うるせ゛ぇ……ッ! うるぜぇ……ッ!」
屈辱感に苛まれながら女戦士は男を睨みつける。しかし、そんな視線など彼にとっては些末事以下であった。
そして、この女戦士――達磨オナホに対して行われるセックスが普通のセックスであるわけもなかった。男も何度か女戦士を正常位や押しつぶすような後背位で“普通”に犯してはみたが、すぐに飽きが来た。今、彼が気に入っている女戦士の犯し方は――
「ぐぇ……ぇ……ッ。や……べ……ろ……。い、き……く、るし……」
「おぉぉ……ッ! 首が絞まる分、まんこが吸い付いてきやがる……ッ」
首絞めである。しかも、ただ普通に女戦士の首を絞めるわけではない。
女戦士の首には相変わらずしっかりと巻き付けられた縄。ギリギリと女戦士の首を苛む縄の反対側の端は男の手に握られている。
そして、縄の中間付近の部分は、寝室の梁を跨ぐように引っかけられているのであった。
こうすれば、仰向けの状態で男が軽く手で引くだけで、女戦士の身体が縄に引かれて持ち上がる。当然首は絞まり、女戦士は苦痛に苛まれ、同時に生存本能から膣穴がきゅうきゅうと肉棒を締め付ける。
男が手を緩めれば、女戦士はまるで肉棒によって串刺しにされるように“降りて”くるのである。
「ッ……が……ぁ……や、め……」
ずっちゅ……ずっちゅ……と音が響く。激しくはないものの、しっかりとしたピストン音。絶え間ない首絞めに苛まれている女戦士には、その音すら鮮明だ。
(な、なんで……オレの身体……。こんな、モノみたいに扱われてんのに、濡れた音がするんだよ……ッ)
女戦士の自問ももっともだった。到底人間らしく扱われているとは言えない、オナホとして扱われているにも関わらず、女戦士の身体は潤滑油として愛液を垂らしながら、男の肉棒を受け入れていく。
それは、ある意味では生理的な反応であり、女戦士の脳が苦痛に麻痺した結果でもある。しかし、意図しない自らの身体の反応は、女戦士にとって心を蝕むには充分すぎるものでもあった。
「ギ……ッ……ぃ……ッ! がはっ……! や、やめ……ろ……。やめ、てくれ……。お、オレのこと……もう……犯さないで……」
「へっ。なに言ってやがんだ。こんな扱われ方してるくせに雌汁垂らしてるマゾ豚がよ」
「ま、マゾ……なんか、じゃ……ねえ……。お、お前が……こんな、こと……するから……」
「普通はな、こんな状況になったら濡れねえんだよ。お前は、殴られるのも犯されるのも好きなマゾ達磨ってわけだ」
「ち、ちげえ……んな、こと……」
「ほれ、いくぞマゾ達磨」
「ぐぎッ……!?」
男は嘲笑と共に再び手を動かし始める。今度は先ほどよりもずっと速く。肉棒を射精まで導こうとする動きだ。
「ぎッ!? い゛ぎッ! が、はッ! んギッ……!」
女戦士の首絞めも間隔が短くなってくる。息を吸える時間など無いも同然。ほとんど無呼吸の状態で犯されて、それでも彼女の身体だけは肉棒へすがりつくように締め付けを続ける。
「し゛、ぬ゛……ッ! し、ん……ぢ……ま゛……」
「ばーか、こんくらいで死ぬわけねえだろうがよ。ほら、出すぞマゾ豚ッ! 達磨でガキ出来たらどうなるんだろうなァ!?」
「や、べ……て……っ! や、め゛ろ……っ! や、め……ぉぉぉ……っ!」
女戦士の懇願も虚しく、男の肉棒が子宮を押しつぶすほどに深々と突き刺さり、そのまま小さな子宮口めがけて精液を吐き出す。雄々しい男の姿同様に、まるで野生動物のような量と勢いで吐き出される精液を、女戦士は抵抗することも出来ずに、自らが女である象徴の子宮で受け止めることしかできなかった。
「くそ……ちくしょう……チクショウ……」
しばらく後。
達磨女らしく吊された状態のまま、うわごとのように怨嗟の言葉を吐き続ける女戦士の下腹部は、明らかに膨らんでいた。
鍛え上げていた腹筋も今となっては見る影なく、乳房も出産に備えて膨らみを増してきている。
胎児が生育する度に、女戦士の首にかかる体重は増していく。首は絞まり、苦痛が増していく。しかしそれでも、死には到底至れない。
そして何より、妊娠が判明してからというもの、持ち主である男が女戦士への殴打をやめたことが、彼女の絶望を加速させていた。奴は産ませる気なのである。
望まず妊娠した赤子を、こんな不具の身体で産み落とす。考える度に女戦士は涙しそうになった。毎夜毎夜男に犯される時も、反応する気力が無くなっていくようだった。
しかし、そんな女戦士に対して、男はあるプレゼントを用意していた。
「――おう、帰ったぜ」
男が帰宅する。女戦士が吊されたまま声のする方に視線を向けると、彼の後からゾロゾロと若者たちが入ってきた。
「――――あ……え……?」
若者たちは女戦士よりも年下くらい。少年と言っても差し支えない。
そして、女戦士は、彼らの顔に見覚えがあった。
「お前の昔なじみだろ? 俺が面倒見てやってたんだ。感謝しろよ」
そう。かつて女戦士が養っていた孤児たちだった。
しかし、若者たちは以前まで世話になった女戦士の変わり果てた姿を嘆くでもなく、ましてや再会を喜ぶ様子もない。
その視線は、女戦士を買った男によって長年鍛えられてきた中で培われた男性的な自己中心さと、かつて異性として憧れていた女戦士の痴態を目の前にした興奮が渦巻いていた。
「おいお前ら。今日からあの達磨、好きに使っていいぞ。そのかわり、腹のガキは潰すなよ。男なら売るし、女なら俺がもらうからな」
男が命じると、若者たちは元気よく返事をして、吊されている女戦士に近づいてくる。
「………………ちくしょう……」
全てを諦めたように、女戦士はつぶやいた。
■ ■ ■ ■ ■
「は、離せ! 触るな! この屑がっ!」
青年がエルフの姉妹を購入した達磨女売りの店。その店内には、珍しく元気でキンキンとした金切り声が響きわたっていた。普通、達磨にされれば声も出せない。耳障りなまでに騒げるのは、ある意味才能だ。
声の主は、サラサと名乗った魔法使い。見た目は少女――というより、第二次性徴も迎えていない幼女に近いが、それでも相当に名を馳せた腕利きらしい。
しかしながら、弟子たちの裏切りにあって達磨に不可逆加工され、魔法封じの首輪をはめられ、今ではこうして商品の一つとして店に並べられているのである。
いや、正確には違う。サラサはもはや“商品”ではない。何故なら彼女は、既に買われたのだから。
「い、イヤだ! やめてくれっ! せ、せめて……せめて殺してから食ってくれ……っ!」
サラサを買ったのは、店主も言及していた別の“お得意さん”である。人間の脳喰いを至高の贅沢と捉えている魔物であり、サラサのような達磨女に限らず、様々な娘を捕まえてはその脳を賞味しているのだ。
店主の小脇に抱えられるようにして連れてこられたサラサは、全身をバタつかせて抵抗を試みる。しかし、既に100センチにも満たない大きさしかない彼女の身体で一体何が出来るのか。
全裸のままで、小さな乳房や無毛のワレメを隠すことも出来ず、店主の腕から逃れようとしても抵抗らしい抵抗も出来ないまま、彼女は巨大な椅子に拘束された。
これは店主お手製の椅子である。本来は、脳喰い以外にも様々な加工を女たちに施すための椅子であり、両手足と腰、そして首を革のベルトで入念に固定することが出来るようになっている。
今回サラサに使われるのはその拘束のうち腰と首に対するものだけだ。それでも、たったその二カ所を固定されただけで、もうすでにサラサは一切の身動きがとれなくなってしまった。
「手間をかけますね」
拘束椅子のそばで待ちかまえていた魔物は、店主に対して丁寧に礼を述べる。
脳を食い荒らす魔物ということでどんな不気味な見た目かと思えば、何てことはない。目が三対ある以外は人間とほとんど変わらないように見えた。もっとも、これは仮の姿である。本来の姿を見た者はいないと、もっぱらのウワサ。
「いやいや、これくらいお安い御用で。いつものようにしますか?」
「はい、それでお願いします」
魔物の態度はあくまで丁寧かつ紳士的だ。この魔物、普段は仲間内からも、人間からも頼りにされている。知識も能力も一級品だが、物腰は柔らかく、どの種族にも穏やかに接する。
そんな彼が、脳喰いの欲求を抑えられなくなった時にやってくるのが、この店なのである。
「お、お前……! 私を助けてくれれば、何でも教えてやる! 魔法の知識、全て授けてやるぞ!」
未だに状況の打開を試みるサラサは、自分の背後にいる魔物に対して必死に語りかける。魔物はそんなサラサの懸命な様子を、三対の目を細めながら嬉しそうに聞いていた。
そうしている間にも、店主はてきぱきと準備を進める。サラサの顔の前と、頭の後ろの少し上。それぞれの場所に、鏡を設置した。
「な、なんだ……? な、何をするんだ……?」
合わせ鏡の要領だ。こうすれば、椅子に拘束された状態のサラサからも、しっかりと彼女自身の後頭部が見えるのである。
「では、どうぞごゆっくり」
ここまでで店主の役割は終わりである。彼は礼をすると、この部屋から立ち去った。
そうして入れ替わるように、サラサを購入した魔物が、ゆっくりと彼女に近づいてきた。
「な、何をするんだ……? や、やめろ……! わ、私の知識が欲しくないのか!? い、偉大な……魔法使いとしての、私の知識、が……!」
恐怖と怒りのあまり口が回らないサラサ。そんな彼女の様子を愛おしそうに眺めながら、魔物は冷たい手で彼女の頭を撫でた。
「大丈夫ですよ。貴女が知っている程度のことであれば、私も知っていますから」
サラサの背後に用意された多種多様の道具。そのうち、魔物は二つを手に取った。
一つは金槌。もう一つはノミである。
「い゛……っ!?」
サラサは息を呑む。背後の様子がわかってしまう鏡がひどく恨めしい。数秒後の自分に降りかかる事態が如実に予想できてしまう。
「や、やめろっ! こ、殺すぞっ! お前を殺してやる……っ! 焼き殺してやるっ! 焼き殺しながら蘇生させて、一生焼いてやる……っ! こ、呼吸の仕方を忘れさせてやるっ! 殺すっ! 絶対に殺す……っ!」
窮地に追い込まれたサラサの幼稚な罵倒。それらなどどこ吹く風のまま、魔物はサラサの後頭部――脳天より少しだけ後ろの方に対して、ノミの先端をあてがった。
「ひ……ぃ……ッ!」
サラサは恐怖で声が出ない。鏡を見なければいいのに、それでも次に起きる事態が恐ろしくて鏡を見ずにはいられない。
「では……」
「や、やめ、て……くだ……」
ガンッ!!
「ギッ……!?」
サラサの最後の命乞いなど聞く素振りも見せず、魔物は彼女の後頭部にあてがったノミの後端へ目掛けて、金槌を振り下ろした。
魔物の食事だからと言って、人間の後頭部を砕いて脳を啜ったり、耳から細長い口を差し込んで脳を吸い出したり、あるいは後頭部を溶解液で溶かしてから脳を食したりする訳ではない。そういったやり方を好む魔物もいるが、サラサを買った魔物は別だった。
彼は美食家であり、食事の過程をも楽しむのである。ほかの魔物たちは人間の脳を食糧として愛しているが、彼は食事に娯楽性を見い出す、非常に人間的感性の持ち主であった。
ガンッ……ガンッ……ガンッ……!
「ぐギッ!? い゛ぎッ!? や、め゛ッ!? い、だぁ……いぃぃ……ッ!」
(い、痛い……ッ! 痛い、痛い痛い痛い……ッ! 気持ち悪い、苦しい、痛い……ッ!)
それ故に、いま彼が行っているサラサの開頭作業も、食事の前の一手間である。果実の皮を剥くように、貝の殻を剥がすように、彼は鼻歌交じりにサラサの後頭部を開いていく。
後頭部を砕かれていく激痛によって、サラサの身体が不気味に痙攣する。それでも、芋虫のようになった全身が痙攣するだけだ。魔物の楽しみに対して、何ら支障になるわけでもない。むしろ彼は、サラサの悲鳴すら楽しんでいる節があった。
「聞こえていますか? 聞こえていますね。苦しいかもしれないですが、我慢してください。これは必要な作業なんです」
魔物はサラサに優しく語りかける。その声色は柔らかいが、獲物を愛でる捕食者のそれである。
「脳というのは、貴女方人間の感情を司る部分でしょう? だから、感情によって味が異なるんですよ。こうして恐怖と苦痛をたっぷり与えながら食すると、とてもコクがあって美味なんです」
ガンッ……ガンッ……ガンッ……ガンッ……!
「ごぶッ……!? げほ……ギ……ッ!? あが……ッ!?」
サラサの耳に魔物の声はほとんど届いていない。何を言っているのかも理解できない。意味不明にせき込み、視界が歪んでくるだけだ。
「――そろそろ……よし、と……」
そうして何度目かの金槌が振り下ろされた後、魔物は手にした金槌とノミを置いて、ゆっくりとサラサの後頭部を“外し”た。
「あ、ぎ……ぃ……? わ、わた……し、の……あ、あた……まぁ……?」
サラサの視点からもしっかりと見える。まるで蓋のように頭蓋骨が外されて、中身が露わになる。ピンク色――ではなく、白い色をした物体。それがサラサの脳味噌だった。
「では、早速……と言いたいのですが、まだ準備がありますので」
魔物も久しぶりのご馳走を前にして気が急いている。それでも、空腹は最高のスパイスとでも言わんばかりに、丁寧にサラサを“調理”していくのだ。
次の魔物が手にしたのは、細長い針だ。長さは20センチほど。先端はあまり鋭くないが、全体的に細い。
「このあたりでしょうか……?」
その針を、魔物はサラサの後頭部へとゆっくり刺し込んでいった。
「おヒッ!?♡」
意味不明な声を漏らしてサラサが身体を跳ね上がらせる。拘束されていなければ、椅子から飛び上がっていたくらいだろう。
ブシュッ……♡
そしてサラサの股間から吹き出る透明な液体。サラサは今の針一本だけで、あっさりと絶頂してしまったのである。
「あ……え……? な、なに……ぃ……?」
後頭部を開かれている苦痛を忘れるほどの快楽だった。サラサとて、見た目は幼いながら長い年月を重ねてきた魔法使いである。当然ながら性交渉の経験もあるし、しばらくは快感の追求に耽溺していた時期すらある。
そんなサラサが、まったく感じたことのない快感だったのだ。
「わかりますか? こうして脳を刺激してあげると、味が良くなるんですよ」
サラサにわかるわけがない。辛うじて理解できるのは、自分の意志とは関係ないところで快感を操作される恐怖だけだ。
つぷっ……。
「んぎ……ッ!?♡♡♡」
しかし、そんな恐怖すらも次の針にかき消される。全身が痺れるような快感が駆けめぐり、知らない声が出てくる。
「あーーー?♡ おひッ!?♡ ひーー、あぉーーー?♡」
愛液は既に垂れ流し状態で、腰の痙攣も止まらない。たった二本の針で、まるで数十回絶頂させられたような余韻があった。
「これをあと数本刺しますので、楽しんでください」
「や、やめ、ろぉ……♡ か、勝手に……♡ 勝手に、イかせ……イかせ、りゅなぁ……♡」
つぷっ……つぷぷ……ッ♡
「はッ……ぴゅ……ッ!?♡♡♡ んぃーーー?♡ い、ひぃ?♡♡♡」
ブシュッ……ブシュッ……ブシッ……♡
サラサの訴えも虚しく、先ほどよりも深い場所まで針が突き刺さっていく。腰の関節が壊れてしまうような勢いでサラサの全身が痙攣し、潮吹きが止まらない。サラサに排泄機能が残されていれば、失禁までもしていたところだろう。
そうしてサラサの後頭部は、不気味な針山状態と化していた。打ち込まれた針の数は十数本。サラサの自我が快感で消えて無くなってしまうと思われるほどに打ち込まれた。
しかし、サラサの意識は鮮明だった。自分が何をされているのか、自分が訳の分からないことを言っていて、後頭部から顔を覗かせる脳が何をされているのか。それら全てがわかってしまう。
その様子が、サラサに快感と同時に耐え難い恐怖を与えていた。
これが、魔物による脳の調理である。恐怖と快感、苦痛と恍惚を同時に与え、脳を至高の味へと昇華させるのだ。
「さて、これくらいでしょうか……」
魔物は一仕事終えたと言わんばかりに微笑む。彼とてもう待ちきれないのだ。
手に匙を持つ。繰り返すようだが、彼は美食家だ。いきなり後頭部から直接脳を食すことも不作法も、一瞬で全部を食べ尽くすような無粋もしない。
ひと匙ずつ、味わって食すのである。
「ひゃ……ひゃめへ……お、おねひゃい……♡」
既に恐怖と快感で呂律の回らないサラサ。そんな彼女の後頭部――露出した脳に対して魔物はゆっくりと匙を近づけ、そして上品にひとすくい。
「ひょへッ!?♡」
その瞬間、サラサはまた素っ頓狂な声を出した。
脳をすくい取られ、それが魔物に咀嚼される。先ほどまで綺麗に整っていた脳の表面が、今は歪にくぼんでいる。
襲ってくるのは、強烈な快感と不快感。自分が何か悪いことをしたのかと述懐するサラサだが、そんな思考能力も徐々に無くなっていくだろう。
「うん、いい味です」
魔物は嬉しそうにうなずいた。そうして、次のひと匙をサラサの脳へと挿し込む。
「ん゛い゛ッ!?♡」
サラサが積み重ねてきた魔法の知識、その三年分か、あるいは五年分くらいか。それが匙の上に乗せられて、また魔物に咀嚼されていく。
「や、め゛……て、へぇ……♡ た、たべな……たべなひ……で、へぇ……♡」
先ほどまでの高飛車な態度はどこへやら。サラサは必死に懇願を繰り返す。もっとも、今の状態で食事を止められたとしても、もうサラサは元通りにはならない。かつての誇り高く高慢な魔法使いではなく、脳足らずの達磨オナホとしての無様な一生しか残されていない。
「もう遅いですよ。しっかり味わってあげますから」
それを、魔物も知っていた。サラサの脳にさらにひと匙を差し込み、食事のペースをあげていく。
「や、やだ……ぁ、?♡ ぁあ……?♡ の、のうみ
そ…… たべない、で……ぇ……?♡」
もう決まった言葉を繰り返すことしかできないサラサ。しかし、絶え間なく快感と苦痛が全身を貫いている。脳が少なくなればなるほど、それしか感じられなくなっていくのだ。
「ぽヒッ!?♡」
大きく脳がすくい上げられた。魔法に関する知識の大部分が喪失した。
脳を食したからと言って、魔物にサラサの知識が継承されるわけではない。あくまでこれは食事。サラサの脳は魔物の舌に味覚として記憶され、最後は排泄される運命なのだ。
「ギ……ぃ……ッ♡ ふひ……ひぃ……ッ♡
んぎ、い……いぃぃ……ッ♡ い、いぅぅぅ……ッ♡」
サラサは自分でも何を話しているかわからない。恐怖も恍惚も止まらない。脳を食われたせいで、閉じたくても目蓋を閉じられない。自分の脳が減っていく様子が如実に見える。まだ意識のある自分が恨めしい。死にたいと願っても、それすら叶わない。
だが、そんなサラサにも終わりが訪れた。
「この奥が美味なんですよ。ちゃんと残さず食べますからね」
ぽっかりと穴の空いた脳。その奥底に魔物が匙を挿し込む。サラサの最後の部分。彼女の尊厳と命に繋がる部分。
そこを、思い切り掻き出された。
「あピュひッッッ!?!?♡♡♡」
サラサの腰が跳ね、最期の絶頂と共にイキ潮が放物線を描いて飛んでいく。
そうしてサラサが絶命した後も、魔物は約束通り、彼女の頭の中が空っぽになるまでしっかりと食事を続けたのであった。
■ ■ ■ ■ ■
サラサの死体――頭の中身が文字通り空っぽになった食べカスが、店主によって柵の中に放り込まれた。
普通の人間と比しても肉付きが悪く細いその死骸に群がる動物たち。
それは豚だった。
大きさは人間の子供程度。しかし、食欲は非常に旺盛だ。細く食べ応えの無いサラサの死骸に群がり、その痩身を一瞬で食い散らかしていく。
辛うじて柔らかい乳房や尻、内臓は力の強い豚たちが貪っていった。そして、力の弱い豚たちもまたサラサの脆弱な胴にかぶりつき、細い骨をかみ砕いて咀嚼していく。
そして、豚たちの食事の様子を見守るように、柵の中の中央にはさらに巨大な豚が鎮座していた。豚と言うよりもイノシシに近いかもしれない。大きく肥え太り、常に荒く呼吸を繰り返している。家畜動物としての穏やかさは感じられず、おおよそ頂点捕食者としての貫禄すら醸し出していた。彼はこの柵中の王であるが故、サラサ程度の餌には興味を示さないのだ。
そんな豚小屋の中に、達磨女売りの店主が客を案内してきた。今まで何度か取引したことのある客だ。この客もまた、達磨女を買うのが趣味なのである。
「あ……。い、いらっしゃいませぇ……♡ お、お客様ぁ……♡」
やってきた客に向けて人語が投げかけられる。聞こえてくる方向は、鎮座している巨大な豚から。
人影は見当たらない。――いや、よく目を凝らせば、あった。
「よ、ようこそ、いらっしゃいましたぁ……♡ わ、私、お豚様のお嫁さんの、ネムと申しますぅ……♡」
わざとらしく媚びへつらった甘い声。かつて幼なじみと一緒に達磨に加工されたネムという少女が、巨大な豚の身体の下に敷かれていた。
「お、ふ……♡ お、お客様も♡ わ、私と、旦那様の交尾を……っ♡ う、うぅぅ……ご、ご覧になりに……いらしたんですかぁ?♡」
ネムの無くなった手足の先端には、豚のヒヅメを模したひどく短い義肢がつけられている。その状態でネムは豚――旦那様の身体の下に敷かれ、彼の肉棒を秘所に挿し込まれていたのだ。
「ん、っくぅぅ……っ♡ だ、旦那様、はぁ♡ と、とっても……性欲が、お、旺盛なのでぇ♡ こ、こうしてぇ……丸一日中、セックスしてるんですぅ♡」
ネムが言葉を紡ぐ間にも、豚は腰を動かし続けている。彼女の腹は醜く膨らみ、彼女自身の身体と床の間に挟まれて圧迫されていた。
彼女が以前吊されていた際に必死にセールスポイントとして訴えていた大きな乳房も同様に、まるで乳牛のように垂れ下がって地面に密着している。ネムの全身が卑肉となって溶けてしまっているような光景だ。
しかし、乳房も腹部も秘所も布で一切隠されていないものの、ネムは全裸ではない。地面の土や豚の体液、糞尿で汚れてしまって見る影もないが、どうやら白い衣装――花嫁衣装をまとっているようだった。
「そ、それではぁ♡ わ、わたし、とぉ♡ ん、っくぅぅ……♡ ふ、ふううぅ……♡ わ、私と、旦那様の、な、馴れ初めを……ご紹介、しますぅ♡」
そうして、豚の花嫁となったネムは、店主の連れてきた客に向かって自らと豚の馴れ初めを語り始めた。これがいつもの――見学にやってきた客をネムがもてなすルーティンなのである。
「わ、私は、取り柄のない達磨女だったので……♡ んっ♡ お腹、くるし……♡ なので、買い手が、付きませんでした♡ だ、だから♡ 幼なじみのミィちゃんと一緒にいぃいぃ……♡ ぶ、豚の♡ 豚さんたちの餌になることに、なったんで、すぅぅ♡」
巨大な豚の肉棒で膣内をかき回される感覚に呻きながら、ネムは言葉を紡ぐ。
結局買い手の付かなかったネムと既に息耐えていたミィ。この二人は、エルフを買っていった青年の提案通りに花嫁衣装のまま、得意客たちの前で、店で飼っている豚に食わせる手はずとなっていた。
吊された状態のまま飢えた豚たちの真上にまで連れて行かれ、まずはミィが落とされる。豚たちの食欲はすさまじく、ミィの死体は一瞬で食い尽くされてしまった。ボス格の巨大な豚などは、頭蓋ごと簡単にミィの頭を噛み砕いて脳髄の味を楽しんでいたほどである。
幼なじみが跡形も無く食い荒らされる様子を見て恐怖するネムと、その様子を楽しんでいる観客たち。そして、次はネムの番――になる筈だった。
生きたまま食われる恐怖に耐えきれなくなったネムは、豚に対して懸命に命乞いを始めたのである。かつて様々な客に対して見せたように、首が絞まるのもお構いなしに乳房を振り、秘所をさらし、餌ではなく女として見てもらうと、必死にアピールをしたのだ。
そして、その無様さを気に入った物好きな客の一人によって、ネムは豚の花嫁として“買い与え”られたのだ。豚たちからは同類だと認識されるように魔法をかけられ、豚の群の中で花嫁として犯され続けて、その姿を客への見せ物にされているのである。
「わ、私は、豚のお嫁さんをしながら♡ こ、こうして、お客様に、んっ♡ 楽しんで、いただいている、んですぅ♡」
ネムの膨らんだ腹部の中には、黄ばんだ豚の精液が満杯以上に詰め込まれている。自分から望んだことのくせに、豚に犯され始めた頃のネムは常に泣き叫んでいた。豚の巨大な肉棒と、子宮口を無理矢理こじ開けられる激痛、そして流れ込んでくる圧倒的な量の精液を前にして腹部が破裂寸前まで膨張させられていたのだ。
しかし、それも今では麻痺してしまっている。恐怖と生存本能の中で豚に媚び、苦痛を忘れるために痛いことや苦しいことまで気持ちいいと感じるようになった、完全なる廃人と化している。
それだけではない。ネムが豚に犯されているのを面白がった別の客によって、彼女の子宮と卵巣にも細工が施された。豚の赤子を妊娠できるようにされたのである。妊娠から出産のサイクルも調整され、ネムは妊娠する度に異様な速度で膨らんでいく子宮の激痛に悶え回り、妊娠から一週間後には無い手足を踏ん張りながら子豚を出産するのであった。
そうして自ら産んだ子豚にも犯され、また妊娠し――この柵の中にいる豚の半分は、ネムから生まれた豚となっていた。
「あ、んっ♡ やんっ♡ だ、旦那様のっ♡ 旦那様の精液、きますっ♡ んっ♡」
客が見ている前でも、ネムは恥じらいもなく嬌声を上げる。豚の肉棒の先端がネムの子宮口を捜し当て、無理矢理拡張しながら侵入してくる。そうして、サラサラとした精液によって子宮内を洗浄された後、豚の大量射精が始まるのだ。
「ん、っぐぉ……っ♡ お、っく……うぅぅ……っ♡ ぐ、っくぅぅ……っ♡」
ネムの子宮に大量の豚精液が流れ込んでいく。彼女に手足が残っていれば、地面を掴もうとしながら苦痛に耐えていたことだろう。だが、今彼女にあるのは短い切れ残りと蹄だけ。故に、必死になって踏ん張ることしかできない。
ネムの胎内の容量などはお構いなしのまま、傍若無人に注ぎ込まれる精液。食事を必要としない達磨加工をされていなければ、胃袋のモノを全部吐き出してしまっていただろう。
「ごぶっ……♡ ふ、っごぉぉぉ……っ♡ お、お゛おぉぉ……っ♡ ぶ、ぶひっ♡ ぶひ……っ♡ ね、ネムはぁ……♡ だ、旦那様の精液を、受け止められてぇ♡ し、幸せ、ですぅ♡」
全身を豚のザーメンタンクにされながらも、ネムは嬉しそうな声を上げる。これが人間らしい姿かどうか、生きている人間としての尊厳があるかは定かではない。しかし、いまのネムに許された生存の仕方はこれだけである。
故にネムは、こうして客と豚に媚びながら、必死に終わることのない悪夢を過ごしているのであった。
「最近はこいつも豚の産みが悪くなりましてね。最初の頃はお客さんたちも楽しんで見てくださったんですが、今じゃ飽きられちまって……。いかがですか? 安くしときやすよ」
「――じゃあ、お願いしようかな。今のこの場で、豚に食わせてしまって欲しいな」
ネムは、自分が人語を理解できなくなったのかと錯覚した。
目の前で店主と客が交わす言葉の意味が分からない。
確かに自分は最近豚を産めなくなってきた。あれだけ子宮を酷使すれば当然である。
確かに客も最近は寄りつかなくなってきた。これだけ汚らしければ当然である。
けど、だからといって、そんな――
「じゃあ、そういうことで。お買い上げありがとうございます」
その言葉と共に、ネムにかけられていた魔法が解かれた。
「あ……え……? う、うそ……? や、やだ……! いやだ! イヤだっ!」
ネムは半狂乱になる。自分を囲む豚たちの視線が変わったのがわかる、わかってしまう。同類ではなく、餌を見る目だ。
「嫌だっ! なんでっ! どうしてっ!」
ネムは必死に逃げ出そうとする。短い四肢で、ヒヅメを使いながら豚の群から離れようとする。しかし、妊娠と出産を繰り返したことによって重くなった乳房と腹のせいで動きが鈍い。そもそも、全身の筋肉が落ちてきていて、逃げられるわけがない。
ガジリ、と音がする。先ほどまでネムを犯していた巨大な豚が、その大きな顎で彼女の頭を丸ごと捉えたのだ。
「や、ヤダっ! ヤダ、死にたくないッ! やめてッ! なんで、どうしてッ! 私、がんばったのにッ! なんで、やだッ! ミィちゃんみたいになりたくないッ 豚に食われて死ぬなんてヤダッ! や、やめ――」
バキリ、と音がする。豚の顎がネムの頭蓋に圧をかける。
次の瞬間には、頭の潰れたネムの死体が地面に転がっているだけだった。
その死体にも無数の豚が群がる。当然、ネムの産んだ豚も混ざっている。腹が食い破られる。子宮に溜まっていた精液と、未成長な豚の胎児が零れ落ちてくる。
そうして彼らの尽きること無い旺盛な食欲によって、ネムの死骸はすぐにこの世界から消滅してしまうのだった。
■ ■ ■ ■ ■
「ただいまー! 達磨さん、いい子にしてた?」
「お、お帰りなさいませ、坊ちゃま……」
エルフの姉妹を購入した青年に選ばれなかった最後の一人。それは、姉妹の母親である。
母親のサリアは、とある富豪によって購入された。
富豪自身は、取り立てて特殊な嗜好の持ち主というわけではない。五体満足の妻がいて、少年もいる。商売で財を為して何不自由の無い暮らしをしている。
彼はサリアを購入し、少年への玩具として買い与えたのである。
少年は帰宅すると、自室にある秘密の場所に仕舞った箱を取り出す。その中には、豊満な肉体を詰め込むように全裸のサリアが“保管”されているのだ。
「達磨さん、今日も遊ぼうね!」
「は、はい……もちろんです、坊ちゃま……」
達磨加工されたサリアは食事も排泄も必要としない。手荒く扱わなければ死ぬこともない。まさしく、理想的な玩具である。
そして少年は、サリアのことを自分と同じ生き物だとすら認識していなかった。動いてしゃべる不思議なおもちゃ。その程度の認識である。
しかもいい匂いがして、大きなおっぱいまでついている。最近本能的に“性”に目覚めてきた少年にとって、これ以上の玩具は無かった。
「達磨さんのおっぱい大きいね~。ママのより大きいかも~?」
「あ、んっ……♡ ぼ、坊ちゃま、そんなに……♡ そんなに、乱暴にされては……♡」
「あはは~、達磨さん面白い顔してる! えいっ!」
「んい゛ッ!?♡♡♡」
サリアは、出荷時に全身の感度を調整されていた。ただの愛撫ですらセックスの何十倍もの快楽に感じられる。豚に犯される恐怖から生じたネムの錯覚とは異なり、サリアのこれは正真正銘の加工だった。
そんなサリアの敏感な乳房に顔を埋めて揉みしだいた後、少年はその大きくぷっくりと膨らんだ乳首を思い切り引っ張る。その瞬間にサリアは絶頂し、情けなく仰け反りながら潮を噴き散らかすのであった。
「わっ! 達磨さん、またお漏らしした~。いけないんだ~」
「も、申し訳ございません、坊ちゃま……。ど、どうかお許しを……」
「だめだよ。ほら、お仕置き~!」
ぐい……っ!
「んひィ……ッ!♡♡♡」
再び千切れんばかりに引っ張られる乳首。二児の母である慎みもなく絶頂するサリア。
決して少年に悪意があるわけではない。むしろ彼は、性質的には善良ですらある。子供であるが故の無邪気さと認知のゆがみ。それが、こうしてサリアを弄ぶ原動力になっているのだ。
「――それじゃあ達磨さん、今日は水鉄砲ね!」
「は、はい……かしこまりました……。わ、私は……水鉄砲です……」
「じゃあいくよ~……それっ!」
「んお゛ッ!?♡♡♡」
ぶしゅ……ッ♡
箱からサリアを取り出した少年が彼女の乳首を背後から引っ張る。絶頂したサリアの股間からアクメ潮が放物線を描いて飛んでいった。
これが、少年の言う“水鉄砲”である。
彼は子供ながらの想像力でサリアを使った様々な遊びを考えた。
しかし、彼の中の性が目覚めるにつれて、別の遊びも増えてくるのである。
「うわぁ……達磨さんのお股、すごいぬるぬるしてる……」
「ぼ、坊ちゃま……♡ こ、このようなお戯れは、その……♡」
「この中に僕のおちんちんを入れるんだよね……? ん、しょ……」
「お、お待ちください……♡ もっと、優しく――ん、ひぃぃぃ……ッ♡」
深夜に行われる秘密の逢瀬。人間と比べても豊満で魅力的な肉体を持つサリアは、少年の性の目覚めを助長するのに充分すぎた。
本で聞きかじった知識のままに、勃起したペニスをサリアの膣穴へと挿入する少年。エルフにとって人間と交わるなど想像もできないことだが、サリアに抵抗する手だてなど無い。
サイズとしては小さな少年のペニスだが、感度を操られているサリアにとっては過剰な刺激だ。既に二人の娘を産んだ経産婦の膣穴は、しかし長い期間のセックスレスでヌルついて幼いペニスを歓待する。
「ッ……うぅぅ……。だ、達磨さんの、お股……お、おまんこ、すごい……っ」
「ん、っふぅぅ♡ ふ、うぅぅうっ!?♡」
どこで覚えたのか下品な言葉遣いをする少年を咎めることも出来ないまま、サリアは快感に翻弄されている。少年は本能的に腰を動かそうとするが、ねっとりと絡みつく肉厚の膣ヒダを前にして、すぐに限界に達してしまい――
「あ、うぅぅ……っ! な、何か出ちゃう……っ!」
「あっ♡ だ、ダメっ♡ な、中でなんてダメ……ダメ……っなのに……っ♡♡♡」
びゅるるる♡ びゅるるるる♡ びゅっ♡ びゅっ♡ びゅるるるる♡
サリアの膣穴の中に少年の初めての精液が流れ込んでいった。異種族、人間の精液だと言うにも関わらず、サリアの子宮は歓喜したようにその白濁液を飲み込んでいく。
(あ、ああ……♡ そんな……♡)
放心状態のサリア。しかし、少年はそんなサリアのことなどお構いなしに、自身の性欲の赴くままに二回戦を始めるのであった。
少年のおもちゃ、オナホ。それ以外にも、サリアには役割があった。
「――達磨さん……達磨さん……」
深夜、サリアは少年によって起こされた。この時間に起こされるとき、用件は大抵決まっている。
「おしっこ……」
少年の小水の世話である。まだ幼い彼は、怖くて夜にトイレへ一人で行くことが出来ないのだ。さりとて、両親を起こしに行くのも怖い。そんな時、彼はサリアを使うのである。
もちろん、サリアが少年の手を引いてトイレに連れていけるわけがない。少年がサリアを抱えて、一緒にトイレに行くわけもない。
サリアの役割とは――
「――はい、坊ちゃま……。サリアのお口を、トイレとしてお使いください……」
サリアは大きく口を開ける。少年はその口をめがけて、溜まった小便を流し込み始めた。
じょろ……じょろろろろろ……じょろろろろろろろろろ~~~……。
「んっ……んっく……ん、ぅ……んっく……」
サリアとて、こんな行為をしたいわけがない。しかしながら、飲まねば少年は寝小便をし、サリアが責められる。口に飛んでくる小便をこぼしても、床を汚してしまう。今こうして達磨として飼われているサリアには、懸命に小便を飲み干すという選択肢しか残されていないのである。
「んぅ……んっく……んっ……んくっ……」
何度も喉を鳴らして、長い少年の小便を飲み干していく。ようやく放尿が終わると、サリアは自らの口で少年のペニスを二回三回と愛撫して尿の滴を取り除いてあげるのだ。
「ありがとう、達磨さん」
「はい、おやすみなさい、坊ちゃま……」
少年はサリアに礼を言ってからベッドに戻る。
箱に戻されたサリアは暗い空間の中で、自分の惨めさと、どこかで生きているであろう娘たちのことを思い、静かに泣いた。
「――達磨さん、コレ使ってみようよ!」
少年に抱かれることに対する嫌悪感よりも快感の方が、サリアの中でずっと大きくなってきてからしばらくして。
少年はサリアにあるモノを見せた。
「あ……坊ちゃま……そ、それは……?」
「パパが買ってくれたの! これ、達磨さんに使ってみたいんだ~」
少年が差し出したのは、いわゆる淫具というもの。ペニスを模していて、女性器に挿入し、中のからくりによって微細に振動を続ける。
「あ、その……それ、は……わ、私……こ、壊れてしまい、ます……」
少年のペニスですら快感に流されてしまうほど気持ちいいのに、そんな道具を使われればどうなるのか。サリアにも想像ができなかった。
「えー? でも、コレ使った後の達磨さんのおまんことセックスしたいな~。だから、使うね!」
少年は無邪気に、しかしサリアの願いを一切聞き入れることなく話を進める。
「お、お待ちください、坊ちゃま……ご奉仕ならいつも以上に頑張りますから、だから――んっ……お゛おぉぉ……っ♡♡♡」
遠慮なく挿入される淫具。少年のペニスとは異なる本当の男性器のサイズ感。挿入されただけでサリアは絶頂してしまう。しかし、そんなサリアにはお構いなしに――
「それじゃあ、動かすね!」
ヴヴヴヴヴヴ……。
カラクリによって、器具が微細な振動を始めた。
「お゛ッ!?♡ んお゛おぉぉぉッ♡ イくッ♡ イっちゃうッ♡ これ、ダメッ♡♡♡ いグッ♡ こわ、壊れるッ♡ おまんこ熱いッ♡ おかしくな、るッ♡」
振動に責め立てられて、サリアはすぐさま絶頂する。アクメ潮を吹き散らかし、全身を痙攣させる。箱がガタガタと揺れて、中に吹き散らかした潮が溜まっていく。
「わ~、すごいすっごい。――でも、ちょっとうるさいなぁ……。ママに叱られちゃうよ……。僕がお出かけから帰ってきたら外してあげるから、静かにしててね~」
そう言って少年はサリアの口に猿ぐつわを噛ませた。
「んむゥ……ッ!?♡ んふぅうぅぅ……ッ!♡ ふごぉぉぉぉぉ……ッ!♡」
絶え間ない快感と絶頂に悶えるサリア。そんな彼女のうめき声を遮るように少年は箱に蓋を被せ、そしてそのまま秘密の隠し場所に箱を仕舞う。
(壊れるッ♡ こんなの壊れてしまうッ♡ 無理ッ♡ 無理無理無理無理ッ♡ アクメ苦しいッ♡ アクメ苦しいッ♡ アクメ止まらないのに苦しいッ♡ たすけてっ♡ 助けてっ♡ こんなの無理ッ♡ 死ぬッ♡ アクメで死んじゃうぅッ♡)
アクメ地獄で苦しむサリアなど振り返りもせずに、少年は両親と共に出かけていった。
――家族水入らず、数日間の旅行。そこで少年は素敵なプレゼントを貰った。
愛らしい子犬である。
ふわふわとして動き回り、そして小さいけれども聡明な相棒に、少年はすぐに夢中になった。
相棒は、少年に宵闇の怖さを忘れさせた。夜中トイレに行くときも、相棒が付き添ってくれた。
相棒は、少年の下卑た性欲も薄れさせた。一緒に外で遊ぶと疲れ果てて、そのまま共に眠ってしまった。
そして屋敷に存在する秘密の隠し場所では、未だにサリアが箱の中で、終わらない絶頂地獄に苛まれながら生き続けていることも――いつしか少年は、忘れてしまうのだった。
了
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最後までお読みくださいましてありがとうございました。
やはり達磨は書いていて楽しいです。また書きたいですね。
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