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2月のお詫び・新作投稿と漫画化のお知らせ

こんにちは、だいこんです。

まず、二月にはファンボックス限定のコンテンツを何も投稿することができず、申し訳ありませんでした。支援してくださった皆様におかれましては、この場を借りて深くお詫び申し上げます。

三月には、二月に何も投稿できなかった分、三回分の更新を行うことを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。


さて、話は変わりまして、皆様すでにご存じかもしれませんが、この度サークルすずしろ様の方からご依頼をいただきまして、あの宮元一佐先生が描かれる漫画の原作を担当させていただくことになりました!

原作となった小説の方は、全体に公開する形で全文がpixivに掲載されておりますので、お暇があればぜひご一読いただけると幸いです。

販売は六月頃を予定しているそうですが、詳しい情報はまだ決まっておりませんので、続報があればこちらの方でも告知させていただきたいと思います。


正直、ここまでの情報は、pixivで上げた小説のキャプションを読んでいただいた方が早いかもしれません。なぜなら、ほぼ全く同じことがそこには書いてあるからです。

ともあれ、これからはまたファンボックスでの活動を主体として小説や台本を書かせていただきますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

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音声作品台本.トラック1(聖女のセクハラオナサポ強要&膣内コキ捨て)

……驚きましたか?


貴方も含め、多くの平民たちにとって、馬車と言えば……ただの、安価な移動手段。


粗末な座席の上で、他の乗客たちと、ぎちぎちに隙間を詰めながら、お尻も腰も痛めて乗るようなものに過ぎないでしょう。


しかし、女神である私にとってのそれは、貴方のイメージするものとは、全く真逆。


この御車の中は、魔力により完璧に保護されていますから……どんなに速く馬を走らせても、この室内では揺れも騒音も、欠片も感じられません。


ですから、この黄金の燭台に彩られた、煌びやかな車内では……軽く葡萄酒でも嗜みながら、まさに移動式のスイートルームで宿泊するかのように、快適に過ごすことができるのです。


そして……特にこの、女神しか座ることを許されず、それ故に、世界にたった三つだけしか存在しない、神木でできた、女神の玉座。


全てが最上級、最高級のもので染め上げられた、我が御車の中でも……こちらの玉座は、特に神器とすら呼ばれるものです。


本来であれば、これに貴方のような平民が触れようとすれば、護衛に首を撥ね飛ばされることは必至でしょう。


……ねえ、旦那様。


そんな玉座の上で、女神の品格も権威も、何もかも乗っ取るように、どっかりと腰掛けながら。


すぐ隣に、私を立ったまま侍らせ、神聖な神器を奪うところを、まざまざと見せつけるのは……どんな気分ですか?


……あんまりにも、恐れ多い?居心地が悪い?


……はぁ、いけませんね。


いいですか、旦那様?


女神である私の使命が、この世界を管理し、人間という種を繁栄に導くこととするならば……私の旦那様である貴方の使命は、女神たちの子宮を、その精液で屈服させ、子を孕ませることなのです。


で、あるならば。


そのように、あまりの恐れ多さに震え、黙ったまま縮こまっているなど、言語道断。


これは、練習なのです。訓練なのです。


何のための、と言えば……それはもちろん、セックス。


それも、理性も何もかも捨て去った、獣じみて激しい、快楽目的の、交尾。まぐわい。おちんぽ生ハメ膣内どっぴゅんこ、です。


ただでさえ、貴方が今から、毎日毎晩孕ませ部屋に閉じこもって、ちんぽがひしゃげるほどハメ倒して、子宮にせっせと精液を詰め込むことになる雌は……本来ならば触れる事すら許されないほど、高貴で屈強な遺伝子を持つ、極上にして至高の雌なのですよ。


それを、今の貴方のような……童貞を拗らせた、奥手で日和まくりの、ひん曲がった精子のままでは、到底女神の卵子を射止められるはずがないでしょう。


それに……いざ交尾をするという時にまで、今のように変に恐縮して、へっぴり腰になられても、困りますから。


まあ……女神を屈服させろと、そんな無茶は言いませんが、せめて形だけでも、私の身分も立場も忘れて、ただ顔とカラダがドスケベなカキタレとして、手籠めにしていただかなければ、困ります。


ですから、貴方が今、すべきことは……セクハラ、それに他なりません。


自分勝手に、傲慢に、いやらしく。


性欲を、その手つきに乗せて、ほら……早く、この豊満な身体をまさぐり散らかして、ちんぽを苛立たせなさい。


ほら……こうして、寄り添って差し上げますから。


神聖な玉座に、どっかり腰を下ろしながら、まさに王様気分で、女神の熟れた腰を抱き寄せて、優越感を味わいまくったなら。


柔らかぁくむっちり肥えた、ずっしり重たい肉感の尻たぶを、もっちもっち、すぅりすぅりと弄ばれた私は……媚びっ媚びの、甘ったるい声で、耳元で。やぁん♡


まるで、娼婦のごとくいやらしさ満点に、嫌がる気など感じられない、発情した雌猫の声を上げて差し上げますし……。


あるいは、この、聖女の法衣とは名ばかりの、うっすい透け透けの布っきれの、これまた下品にざっくり空いた、爆乳の谷間。


いかにも雄をバカにしまくった、男どもの視線を集めまくり、ちんぽ煽りまくりのスリットの、ふっかい谷間に……手を突っ込んで、むんにゅうぅ~っ……♡


貴方の頭をすっぽりと包んでしまうほどの、強烈なデカパイを撫でまわし、しっとり蒸れた乳肌の吸い付きを愉しむもよし。


手のひらに乳肉を乗せて、指の隙間からこぼれさせながら、だっぷんだっぷんと上下に揺らして、ボリューミーな爆乳の重みと、液体じみた柔らかさを愉しむもよし。


そして、当然デカチチを揉みしだきまくり、純白の真珠にすら例えられる、清らかな女神の生肌に、真っ赤な手の跡をつけて、マーキングするもよし……。


……と、いうか、それくらいはしてもらわないと、困ります。


分かりますか?貴方が、女神に対して、思いつく限りの、卑猥極まる行為を強要するのは……義務、なのですよ?


貴方が、女神の身体中を、ちんぽのコキ穴、オナサポ用のオカズとして使い倒すのは、義務なのです。


だって、貴方は……三人の女神を孕ませられる、この世で唯一の特権階級、なのですから。


貴方が、女神に手を出さなければ……女神の血は全て途切れ、この世界は、いとも容易く滅びるのですよ?


逆に言えば……立派な女神の旦那様として、力強く雌共にセクハラしまくり、イラつく性欲を、女神の穴ぽこでコキ捨てたなら、貴方様は、世界を陰で支える、救世主。


この、見るからに抱き心地最っ高で、どこもかしこも、ちんぽを悦ばせるためだけに肉付いた女を、欲望のままに孕ませることは……この世で最も尊く、比類なき善行なのです。


分かりますか?


貴方は、この太ももに手を伸ばし、ふんふんと息を荒らげつつ、しつこく下卑た手つきで、濃ゆくセクハラすればするほど、精液を煮詰めれば煮詰めるほど……女神たちに、心の底から、感謝されるのです。褒められるのです。


なにせ貴方は、ちんぽのご機嫌一つで、何千年と繋いだ女神の血筋を、身勝手に滅ぼすことのできる存在……。


貴方とは違い、我々女神なんて、三人も存在する、替えの利く存在ですから……。


相対的に言えば……この世で最も偉いのは、貴方なのです。


ですから私はこうして、貴方様にむかって、必死になって腰をくねつかせながら媚びを売り。


誰にも触れられたことのない、清い生肌を舐め回されたなら、やんややんやと褒めそやし。


その恰好良さに本気で惚れ込み、股ぐらを雌臭い粘液でねっとねとに濡らし、貴方様のおちんぽにぬるんぬるんの粘膜奉仕をして、ちんぽを極楽に導く準備をしてしまうのです。


……嘘だと、疑われますか?


なら、試せばよろしいでしょう。


貴方様の目の前で、ぷんぷん雌の甘ったるい匂いを振りまく、いかにも安産型のデカケツも。


あんまりにも肌質が滑らかすぎて、乳と乳の隙間の線すら蕩け合うくらい、しっとりむちむちなふっかい谷間も。


貴方様の、ごつごつとした男の手のひらに、思いっきり汚されるのを、しっとりとフェロモンで蒸らしながら、今か今かと待っているのですよ……?


ほら……こうして、娼館のやっすい商売女のように、身体をくねつかせて、雌らしい身体の曲線を強調してやれば……。


あっあっ……全身えろすぎて、どこに手を這わせてやればいいか、迷っちゃう……。


どこもかしこも、肌質ツヤッツヤのむっちむち……。


めいっぱい抱きついて、身体中であの柔肉に沈みたい……乳肉に顔を挟まれて、クリームみたいに甘ったるい匂いと、ふっかふかのクッションみたいな柔らかさで、パイズリレイプされたい……顔面子供いっくらでも生みそうなデカケツに、べっちんべっちん腰叩きつけたいぃ……。


……ふふ、単純。


私が囁いてあげた通りに、目線を上から下に誘導されて、ねっとり舐め回すみたいに視姦して……。


なっさけなくおちんぽ押さえつけて、前かがみ……。


全く……恥ずかしがっていないで、その勃起を、私の身体に擦りつけろと、これだけ申し上げているのに……仕方がありませんね。


今日のところは、どうせ女体を好き放題に扱う事に慣れていただくことが目的ですし……とりあえずは、私に対しての、呼吸を忘れてしまうほど畏怖と畏敬だけでも、取り除けたことで、良しとしましょうか。


本当は、貴方から能動的にセクハラしていただきたかったのですが……ほら、お手を拝借。


今だけは、私が自ら、文字通りに、手取り足取り……セクハラのやり方を、教えて差し上げましょう。


いいですか、女の肌を撫でる時は、まずは、下半身……。コキ穴の具合を品定めするように、性感を仕込むかのように、あるいは性欲を身体の芯に練り込むみたいに、ねっとりと……。


ぶりんぶりんの、肉厚な腿肉に、指をみっちり食い込ませるんです……。


俺様のちんぽが、お前のクソ下品な、脂肪まみれの太ももで、こんなにムラついたんだぞ、どうしてくれる……。


そんな、自分勝手なイラつきを、指に込めて、撫でまわす、捏ねたくる、揉み倒す……。


いいですか、セクハラに肝心なのは、支配感です……。


この雌は、俺の言いなり、性奴隷、即ハメしてサクっと抜くための、フリーまんこ……。


尻肉がだっぷんだっぷん波打つくらい、自由に練り回されても絶対に抵抗しない、従順な雌……。


それを、身体に覚え込ませるように、ひたすら下品に、下劣に、撫でまわすのです……。


ただでさえ柔っこい雌肉が、殊更にほぐれて……貴方の指先に合わせ、むにゅんむにゅん絡みつき、むっちりひしゃげてたわむ、極上のハメ心地になるまで……。


この、幅広すぎて、貴方の腰ほどもありそうなおみ足を、外側から、内側に、すりすり、すぅりすぅり、性欲を擦り込んで……。


……とはいえ、私の身体は、繁栄と豊穣を……もとい、繁殖行為を司る、女神の依り代。


そんなことをしなくても、完璧に淫靡で豊満なラインを描く、私の女体は……いつ、どうやって抱きついても、人間の女なんかとは比べ物にならない、まさに天国の如きハメ心地を誇りますから。


この行為は、正真正銘……ただの、オナサポ。


貴方様が、気ん持ちよぉく……種汁を煮詰めて、濃ゆくギトつかせて、半固形になった精液を、こってりびゅる抜きするための、チンコキサポートなのです。


……はてさて、私は先程から、貴方様の右手を使い、こうしてセクハラの授業を行っている訳ですが。


左腕は、ずっと所在なさげに、ご神木を切り出して作った、玉座の肘置きに置かれたまま。


まあ、それはそれで、王様のように堂々としておられますが……せっかく、これほど極上のオカズがあるなら、使わなくては損というものでしょう。


さ……どうぞ。


私はこのまま、貴方様に生オカズを提供し続けておりますから、貴方様は普段通り、あんあん喘ぎながら、チンシコしていて下さいませ。


そう……女に亀頭の先っぽを向けて、くっさい匂いを振りまきながら。


お前を性欲の対象にして、お前を孕ませるために作った精液で、お前に向かってぶっかけると、そう宣言するかのように……しこしこ、しこしこ、しっこしこ。


あんあん……神聖で麗しくて、無礼を働けば一発で首が飛ぶくらい身分が高い、穢れなき純白の聖女様を……顔も体も抜群にそそる、ただの娼婦扱いして、ちんぽシコるのさいっこう……。


あの、顔すら知る事ができなかった、聖女アルテミスの、クッソ下品なぶっともも、好き放題にもみくちゃにするの、ちんぽにキク……。


ほらほら……ちんぽをシコる手が、早くなってますよ……。


心の中の言葉、勝手に声にして囁かれて、興奮しちゃったんですね……。


貴方みたいに、素直な人、私だーいすき……♡


……あっはは!こんなに分かりやすい色仕掛けでも、わっかりやすく喜んじゃう。


童貞の上に、軽くマゾを拗らせて……ふふ、扱いやすくて、本当に助かります。


改めて、貴方が今代の女神の孕ませ役になってくれて、嬉しいです。とても、楽できそうなので。


……ふふ、思い通りにちんぽの快感誘導されて、悔しいですか?


オスのプライド傷つけられて、悔しくて悔しくて、せめてもの反抗に、お手てで尻たぶむんにゅり鷲掴み。


ささやかな抵抗、お可愛らしいこと……。


でも……貴方はもう、私から与えられる興奮に、逆らえない。


ほら、ぴらりとスカートを捲り上げて……よおく、私の下半身、見て下さい。


真っ白なニーソが、これまた雪みたいに真っ白な太ももを、はち切れそうなほど窮屈に、締め上げて。


むっ……ちりと、いやらしく肥えた雌肉を強調するみたいに、余った駄肉をはみ出させてますね。


ソックスの頂上、太ももとの境目に、むっちりと肉が乗って、とっても贅沢な眺めですが……これ、分かりますか?


外側の腿肉より、内ももの肉の方が、たっぷりとニーソに乗り上げて、ぷっくり柔らかそうに膨れてますね。


知ってましたか?女の太ももって……内ももの方が、より筋肉が少なく、脂肪がのってて、柔らかいんです。


ほぉら、早速、試してみましょうね……。


立っているだけで、ぴったりとくっついちゃうくらい、むちむちの肉まみれな、太もものお肉……。


ほかほかの蒸れ蒸れ、しっとりとした肉饅頭のような感触は……まるで、極上の肉布団みたいですね。


ええ……貴方の腰をむっちり包んで、ぎゅうぅぅぅ……っと抱きつき、ハメている最中にすら性欲を煽る、雌肉のお布団。


撫でるだけで分かる、もう、言葉にもならないほど極上の、抱き心地……。


あ、おちんぽ、跳ねましたね。


そろそろ、射精を焦らすのも、限界に近いですか?


ではでは、最後の追い込みの前に……すりすり内ももを撫でつつ、手をもう少し上に……。


……もっと、もっと上です。


そう、股ぐらのお肉の、いっちばん上……。


はい、ここが、おちんぽを気持ちよくするためだけに存在する、穴ぽこ。


おまんこ、です。


……はい、射精だめですよ。


今、初めて女のまんこに触れて、興奮しすぎて、精子ちびりそうになりましたね?


ダメですよ。射精おあずけ、です。


左手の指で、ぎゅうっと根元を搾り上げて……尿道に蓋、しちゃいます。


……あー、そんなに泣きそうな顔、しないで下さい。


何も私は、貴方にいじわるしたい訳ではありません。


ほら……右手、自由にさせてあげますから。


この、おまんこの中……指でまさぐって、探索してみて下さい。


そうそう……その穴です。


ショーツにじわぁっ……と、ぬるぬるの粘液が染みてる、その穴。


ぷにっぷにな肉の土手が、みっちり詰まった入り口の、その奥まで……中指と人差し指を入れて、くにくにと内側を撫でてみなさい。


……ん、そう。


分かりますか……?女のおまんこって、こんな構造になってるんですよ……。


まんこの内側の肉には、どこもかしこも、膣ヒダがびっしり……。


縦にも横にも走っていて、そのヒダが四方八方から、貴方のちんぽにハグするみたいに、襲い掛かるんです……。


入れる時には、この細い触手のような、ぬるっぬるの肉を、サオを無理やり押し広げて……。


ねぶり回すように、ぶりゅんぶりゅん。


敏感な快感神経まみれのちんぽに、えげつなく纏わりついて、レイプするんです……。


そして、その奥には……こりこりとした、肉粒。


亀頭の先を、このイボイボが、刺激して……貴方の腰から、精液を引っこ抜こうと、こりこり、ぞぉりぞぉり。


いやらしく、ねちっこく、意地悪く……貴方のちんぽに、屈服しろ、屈服しろと攻撃して、めろっめろに蕩かしてくるのです……。


更には、このおまんこ……その細い指では、分かりづらいかもしれませんが。


左右に、前後に、縦横無尽に……くねくねとした、うねりが付いているのです。


この、ふわぼてのクランクが、貴方のちんぽの神経を、ことごとく的確に、舐め溶かし。


精液が引っこ抜ける快感を……何倍にも、何十倍にも、増幅してくれるのです。


いかがです?繁殖行為、すなわちセックスを司る、どすけべ女神のまんこ穴の具合は。


指先を突っ込んでいるだけでも、射精感が込み上げるほどの、極上の名器。


こんな穴に、この暴発寸前のちんぽを突っ込んだら……一体、どうなるのでしょうね。


……また、跳ねた。


今度は、私の指を跳ねのけてしまいそうなくらい……強く、おちんぽ、反りくり返りましたね。


そんなに、女神の生まんこに……欲情、しましたか?


ならば……お望み通り、させて差し上げましょう。


膣・内・射・精……♡


……ええ、そうです。


暴発寸前、今にも一扱きすれば、即射精してしまう、そのがっちがちの肉棒を。


女神のぬるぬるおまんこに突っ込んで……おちんぽを、一掻き。


オナサポで煮詰め、手コキで昇らせた精液を……女神の子宮が、サクッと横取りさせていただきます。


……だって、当然でしょう?


貴方の使命は、私を孕ませることで、この奉仕の最終的な目標も、私を孕ませること。


でしたら……手コキで無駄打ちなんて、している暇はありません。


全ての子種は、私を孕ませるために使うべきです。


……ええ。これから一生、貴方の精液は、無駄遣い厳禁です。


これからのオナニーは、全て……女神の子宮に向かって、行うことになります。


この、腰が抜けるほどえっげつない、女神まんこを使って、ね……♡


はい、大人しくしなさい。


貴方は、そのまま……玉座に座ったままで、結構。


偉そうにふんぞり返り、ちんぽを勃起させていればいいのです。


そうしたら、あとは……私がその上に圧し掛かり、対面座位の形で、覆いかぶさりますから。


全身の、むっちむちのふっかふかな、肉布団に圧迫されて。


爆乳に頭を丸呑みされて、あっまい乳臭嗅がされながら……。


どっしりとした安産型のケツが、自分の腰にまとわりつくようにひしゃげる感触を感じて……。


どっ……ぷり。


重たいごってり精液を、ティッシュで拭き取るように、子宮の奥にまで塗りたくって……コキ捨てるのです。


ほら、ご準備は、よろしいですか?


3カウントで、このデカケツ、貴方の腰に叩き落しますからね。


ほぉら……さーん、にーー、いーーーち……。


ぜろ。


……んお゛っ……♡


あっつい精液、身体の芯まで揺さぶられるくらい、どっぴゅどっぴゅ、叩きつけられる……♡


びゅうびゅう、びゅっくびゅっく、音が聞こえるくらい強烈な膣内射精……♡流石に、キます……♡


……ん、お゛ぅ……♡腰ぎゅうっと抱き寄せられて、ちんぽ深く練り込まれて……♡


完っ全に、私のおまんこ、コキ捨て穴扱い……♡


ふぅ゛ぅ゛っ……♡今の今まで童貞だった旦那様を、すっかりセクハラ上手にしてしまいましたっ……♡


……ふ、ふ、ふぅ……♡


……ふふ。これなら、他の女神たちが待つ宮殿でも、上手くやっていけそうですね……。


さて……旦那様の初めては、私が頂いてしまいましたから。


二番目は、このまま戦の女神に譲ってしまいましょうか。


では……私はひとまず、これで失礼いたしましょうか。


そろそろ、迎えが来るはずですから……貴方は引き続き、女どもを片っ端から引っかけて、ナンパしまくるように。


よろしいですね?


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音声作品の導入

この世界は、三柱の女神によって創られました。


一人は、勝利という概念を司り、ありとあらゆる戦いに必ず勝つ、戦の女神。


一人は、過去と現在と未来、そこに起こる全ての事象を知る、智の女神。


そしてもう一人は……繁栄と豊穣を司り、世界における力の流動、栄枯盛衰を操る、創成の女神です。


……なんて、この世界に住む人間であれば、誰でも知っていることですから、今更あえて語ることもないでしょう。


そして、それらの女神は、己の持つ権能……その武力を聖騎士に、その智を枢機卿に、そして創成の力を聖女に、それぞれ三人の人間に受け継いだことも。


そして、今……貴方の目の前にいる女が、その聖女である、ということも。


説明するまでもなく、知っていることですね。


ええ、ええ……そうでしょう。


私の姿を一目まみえたその瞬間、歓喜に大きく打ち震えながら、膝を地面につき、首を垂れていたですから、確認するまでもないことでしたね。


確かに、この世の頂点にして、最も尊き現人神たる私は、その姿を平民の前に表すことは、滅多にありません。


特に、貴方のような……平民である農夫が、これだけ近くで、女神の美貌を直に眺められるなど、歴史の上でも数えるほどしかない幸運でしょう。


これもまた、聖女の慈悲です。


私の姿を、その目に焼き付けることを許可します。楽にしなさい。


……よろしい。


では……話を進めますが、我々、女神の力を受け継ぐ聖女たちが、このように……生殖適齢期の年齢になると。


その力を後世に残すため、次の世代の聖女を作る……神聖なる、処女懐胎の儀を行うこともまた、ご存知でしょう。


……念のため、その儀式がどんな内容であり、どう行われるのか、貴方の知っていることを、聞かせなさい。


……ええ、そうですね。まず、女神の力と血筋を受け継ぐ、三人の女性は、常に汚れなく潔白な身体と魂を持たねばなりません。


汚らわしいオスの、ギトついた性欲が込められた、くっさい精子で孕むなど、女神の依り代たる聖女として、あってはならないことです。


ですから、我々聖女たちは……その時期になれば、少なくとも男子は絶対に禁制、女性であってもごく限られた、神殿仕えの巫女たちしか入ることのできない、儀式の宮殿に籠り。


女神の奇跡を借りて、穢れなき乙女同士で、男性器に頼ることなく、孕ませ合うのですね。


……ええ、貴方がたにはきっと、表向きに、そう伝えられているのでしょう。


全く……改めて、下らない与太話ですね。


馬鹿馬鹿しい……人間同士の正当な繁殖行為が、どうして汚らわしいのでしょうか。


ですが……少なくとも民衆に向けては、そう言わなければならない理由が、理解できない訳ではありません。


だって……そうでしょう?


女神の女体とは……こんなにも豊満で、乳も尻も太ももも、むっちむちの脂肪まみれ。


背も格別に高く、これではまるで、最高級の抱き枕か肉布団です。


この、媚びっ媚びでいやらしい、曲線まみれの身体で、弱くて小さな男性を抱き包まれたなら……ああ、想像するだけで、ちんぽ勃起しまくって、前かがみ。


あっあっ、想像するだけで、天国……。


抱きたい、抱きたい、抱きたいっ……。


聖女のうっすい絹のローブの下に、分厚い乳肉がゆさゆさ揺れて、これじゃあ聖女どころか、まるで娼婦……。


あ~っ……今すぐあのバカでっけえ乳まんこ、ローブの下に手を突っ込んで、直接むっちゅむっちゅ音立てて揉みしだきてぇ~っ……。


あ、もうだめ、絶対レイプする、犯す、もう殺されてもいいから、思いっきり抱きついて、身体中まさぐり倒してやる……。


……なんて、今あなたに、そんな欲望を、どうしようもなく植え付けてしまったように。


私の、豊穣を司る、女神の母性的な女体は……どこもかしこも繁殖向き。


ガチ孕ませセックスのために最適化された、究極的にえっろい女体なのです。


ではここで、貴方に質問をしましょう。


文字通り、命を賭けたって手籠めにしたい、女神の身体がここにありますが。


その女を……たった一人の男だけが、妻として娶り、好き放題にいちゃいちゃと、四六時中絡み合う権利を得ることができたとして。


そして、それ以外の全ての男性が、女神が自分以外の誰かに抱かれているという事実を、例えば婚姻のパレードなどにより、まざまざと見せつけられるとして……。


果たして貴方は、絶対に……その男を殺してでも、私という女を奪おうとしないと、本当にそう断言できますか?


そして、もしも貴方が、喉を掻きむしって死にたくなるような羨望も、そして妬みさえも、飲み込める人間だったとして。


周囲の人間が、貴方と同じように、理性的に振舞えると、本当にそう思いますか?


……ええ、そうです。


そうなれば、暴動の一つや二つでは、事態は収まらないでしょう。


……はあ。だから私の身体って、嫌いなんです……。


あんまりにも、美しすぎるから。


そして、あんまりにも、エロすぎるから。


たったそれだけのことで……世界を、滅ぼしかねない。


だからこそ……太古の昔から、私達聖女は、嘘をついてきたのです。


聖女は、男なんかと、セックスはしない。


奪い合いが起きるくらいなら、その機会そのものを捨ててしまえばいい、と……そう判断して、嘘をつき続けているのです。


本当は、聖域などという……清廉潔白とはかけ離れた、爛れ切ったヤリ部屋に籠って、毎日毎日、旦那様とセックス三昧の日々を送るというのに。


……ではここで、もう一つ、貴方に問いかけましょうか。


どうして私は、世界をひっくり返すほど、こんなに重要な機密を、貴方というただの平民に、伝えたのでしょうか。


これではまるで……貴方を宮殿に拉致して、一生ベッドの外に出さず、性欲とストレス解消用の、愛玩孕ませ家畜として、永遠に飼い殺しにするみたいではありませんか。


……ああ、いえ、平民という呼び方は、もう正しくはありませんね。


貴族よりも、領主よりも、誰よりも偉くて。


そして、誰よりも幸運で、誰よりも幸せな……旦那様。


貴方は、世界の頂点に立つ、女神の……その、夫なのですから。


……はい、そうですよ。


平民の前には、滅多に姿を現さない私が、わざわざこんな農村にまで出向き、お迎えに上がったのも、そのため。


貴方を、宮殿に召し上げるためです。


たった今から、貴方は私の、旦那様なのですから。


夫となるべき貴方を、わざわざ呼びつけるなんて、そんな不躾な真似はできません。


……はい、私は既に、貴方の妻です。


ですから……例えば、女神の高貴な肌を、たった一人独占して、お尻を撫でまわし、セクハラをするのも……。


腋を晒させ、思いっきり雌の匂いを嗅ぎながら、抱きつきパイ揉みをなさるのも……。


それはむしろ、自然なことですので……どうぞ、ご遠慮なく、思いつく限りのセクハラをしなさい。


そうですね……宮殿に着くまでの間、御車の中で、私の胸をたっぷり揉みたくり、感触を覚えておくのも、よろしいかもしれません。


宮殿に着けば……私と同じくらい、えっろくてどすけべな女が、もう二人、手に入るのですから。


雌肉の抱きごたえを、今のうちに覚えておいて、スムーズにハーレムを味わい、ベッドに着くなり乳肉の揉み比べを行うのも、中々乙なものでしょう。


……はい?”あと二人”とは、どういう意味か、と……?


決まっているでしょう。


私と同じように、女神の力を受け継いだ……枢機卿、レーヴァと、聖騎士、フェイルノート。


それらもまとめて、貴方には娶ってもらうのですから。


当然……三人とも、きっちり孕ませていただきますからね。


……はあ、私の話、ちゃんと聞いていましたか?


脳みその分の血液が、ちんぽに奪われているのは分かりますが……しかし、聖女の話を流し聞きするとは、良い度胸をしていらっしゃる。かえって女神の夫に相応しいかもしれませんね。


……いいですか。女神が特定の男のモノとなったと、世間に知られれば、スキャンダルどころでは済まされないのです。


ならば……万が一にも、バレるリスクを減らすため、宮殿に連れ込む男の数は、なるだけ絞った方がよいでしょう?


ならば、三人の女神で、一人の男をシェアするのは、全く道理にかなったことではありませんか。


……はい、そうですよ。


ですから、言ったではありませんか。


貴方は、世界で最も、幸運な男である、と。


……良かったですね、普通に生きているだけでは、永遠に手が届かないどころか、一目と見ることすら叶わない、究極の美女が……いっぺんに三人、貴方のお嫁さんになりました。


一人は、すらりと引き締まった、スタイル抜群の長身に、男性も女性も一目惚れさせる、中性的な美貌を持った、爆乳女騎士。


一人は、クールで落ち着いていて、どこか妖艶なミステリアスさがある、理知的な美貌に……それと不釣り合いな、どっしりと太ましい、柔らかく熟れたデカケツとぶっとももが特徴の、爆乳女参謀。


そしてもう一人は、この世界を統べる女王にして、繁栄と豊穣を……つまるところ、繁殖とセックスを司る、存在そのものがどすけべな、どこもかしこもむっちむちの、爆乳聖女。


そのうちの誰か一人だけでも、妻にしてしまえば、百年も二百年も交尾していたって味わいきれないほど、女神の依り代となる女体は、人智を超えた淫蕩を誇ります。


一生宮殿に引きこもって、ベッドの上で寝そべる女体に、腰を擦りつけるだけでも、飽きるなんて考えもつかないくらい、味の濃い絶世の美女……。


それら三人とのハーレムなんて……もう、妄想が、追いつきませんね……。


どんなにどすけべな、性欲をぎとつかせた理想を思い浮かべても……まるで現実に味わえる快感には足りない、想像を絶する、天国……。


手のひらを添わせれば、艶々すべすべ、絹のような肌に、吸い付くような潤いが染みついて……。


きっと貴方は、それだけで、腰が抜けてしまうでしょうね……。


そんな女体に囲まれて、抱きつかれて……蕩け切ったナマの雌穴に、思いっきり種付けだなんて、もう、死んでしまいそう……。


ねえ……旦那様。


そろそろ、おちんぽのムラつきも、限界でしょう。


……極楽へと、参りましょうか。


……はい?最後の質問、ですか?


……何故、自分なのか……と?


それは……星の数ほども居る男性の中で、どうして自分などという、ごく普通の男を選んだのかという意味ですか?


……愚問も愚問ですね。考えるまでもありません。


それは、私達三人が……みんな、貴方のことを、愛しているからです。


貴方以外の男なんかに、身体を許したくはない。


逆に言えば……貴方とならば、むしろこちらから望んで、抱いて差し上げたいと。


満場一致で、三人共に、そう思っているからです。


……ほう、嘘だ、と?


……どうしても、信じられませんか?


求婚を行った時からずっと、貴方は戸惑っておられましたが……いよいよ、これだけは飲み込めませんか。


突然に降って湧いた、この世のものとは到底思えない、幸運と呼ぶのもおこがましい、ひどく幸せな何か……。


当然と言えば当然ですが、貴方はそれを……疑っていますね……?


こんなにも都合のいい話が、この世にある訳がない、きっと騙されているはずだ、と……。


……ええ、ええ。それも、無理からぬことでしょう。


私だって、私がどれだけ非現実的なことを宣っているかくらい、理解しています。


大体、突然に押し掛け、こんな荒唐無稽な話を持ち掛けたのは、私の方ですし……そうですね、分かりました。


今ならば……この話を、断ることも、許しましょう。


どうしても、私の話が信じられないなら……私の手を振り払い、今まで通りの、平和で味気ない生活に戻るという選択肢を、取ることもできます。


ですがもし、貴方が私の申し出を突っぱねたなら……もう二度と、私は貴方の前に、姿を現すことはありません。


そうなれば……我々は、貴方ではない、適当な男に、同じ話を持ち掛け、好きでもない男に、嫌々でも抱かれて……。


貴方のことを想いながら、貴方ではない誰かの子供を産むことになりますが……それでも、良いのですね?


貴方はきっと……それこそ、今すぐ首を吊って死にたくなるほど、後悔するでしょうね……。


もう、どんなことをしても手が届かない、超の字が何百と連なる高嶺の花が、たまたま自分の手に降りてきたのに……そのチャンスを掴まなかった。


ただぶくぶくと太っただけの脂肪とは別格の、最高級の霜降りのような、だっぷんだっぷんのえっろい雌肉、揉み損ねて……。


眼に焼き付いた私の姿を、必死に思い出しながら、自分ではないそこらへんの男に、三人の女神を横取りされて、惨めにしこしこオナニー漬け……。


ほら、私の手を掴まないと、そんな考えたくもない、最低最悪の未来が待ってますよ、いいんですか……。


極上かつ食べ放題の、特大ボリュームの据え膳、手を出さない理由なんてないですよね……?


……ふふ、いい子いい子、です。


……流石は、全知の枢機卿。100%堕とせる殺し文句、先にカンニングして聞いておいて、本当に良かった……。


では……今日この瞬間を以て、私、聖女アルテミスは。


女神に誓って、正式に、貴方の妻となります。


では……従者も待たせていることですし、早速、宮殿に向かいましょうか。


しかし、いくら馬車とはいえ……宮殿までは、いくらか時間がかかりますから。


しっぽりねっとり、柔らかな女神の身体を、一足先につまみ食い……というのも、宜しいかもしれませんね……?


ふふ……彼女らには悪いですが、こっそり抜け駆けして、旦那様の正妻レースには、一歩リードさせていただきましょう……♡


役得、役得……♡

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進捗.3

「あ……それから、もう一つだけ……」


「今だけは、俺の事…

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お詫びと来月からの予定

こんばんは、だいこんです。


まず、今回の更新に関しまして、また本番のエロシーンに入れずに申し訳ありません。エロシーンは一応途中まで出来てはいるので、出来次第すぐそちらの進捗も投稿させていただきます。また、そちらは本来今月に更新する予定だったものですので、12月はそちらの進捗を含めて二回投稿したいと思います。


そして来月からの予定ですが、サークル様から音声作品のご依頼を受けまして、そちらの台本の進捗をこちらの方に投稿してもいいと許可をいただきましたので、そちらを連載していく形になると思います。

よろしければ、来月からもよろしくお願いいたします。

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進捗.2

「……イラつく。うん、俺は今、イラついてる」


神判を下される、罪人のような気分だった。

恣紫という、死神にも等しい存在の怒気は──ただ相対するだけで、人間の心を根こそぎへし折ってしまう。

それこそ、今僕の近くに、もしナイフなんてあったなら、命乞いするまでもなく、自らそれを喉に突き立てて自害していただろうと、本気でそう思うほどに。


魂ごと串刺しにされるような、鋭い重圧。

汗腺がぶわりと開き、冷や汗がとめどなく流れ、身体は鉄のように固まり、生唾を飲むことすらできない。


「やっぱり、人間の集まる場所に行くと、ろくな事にならないな……」


──恣紫が、人間界に来てから、もう十日が経つ。

しかし、その人間嫌いな性分は、直るどころか、深まるばかり。

人間がそこら中に居る世界に、いつまでも慣れることもなく、苦々しい顔をし続ける。


それでも──ワガママで気まぐれな、独裁者気質の恣紫にしては珍しく、今のところ人間のルールには合わせようとしているらしい。

一応、そういう真似はしないでくれと、いつか僕がお願いしたことを、気にしてくれているのだろうか。

もしそうだったとしたら、僕としても嬉しいのだが──何度も言うが、恣紫はやっぱり、気まぐれなのだ。

まだ、彼女がここに来て日が浅いから、その言葉に従ってやってもいいという気が変わっていないだけで、下手をすれば僕の命ごと、約束も何もかも無に帰してしまうかもしれない。


だって、そもそも人外である恣紫には、人間が決めた社会のルールや法律なんて、従う必要はないのだから。

それこそ、お気に入りの人間である僕が、その法律とやらを重んじているから、それを破って嫌われないために、適当に合わせておいてやる以上の理由なんて、本当に一つも思い当たらない。

ごく脆い、薄氷の上を渡るような瞬間が、果てしなく続いていく気分だ。


そうだ、そもそも僕が恣紫に、好意を抱かれている理由すら、曖昧なのだ。

彼女がいつ、僕のことを”親友”と呼ぶ気まぐれをやめて、僕をそこいらの人間と同じように扱うかなんて、僕には分からない。

彼女にしか分からない理由で、僕の事を気に入ったなら──彼女にしか分からない理由で、僕の事を嫌うのは、ある意味道理に沿っているとすら言える。


だから──だから、僕は。

恣紫のことが、恐ろしくて仕方がないのだ。


「もし、キミがずっと……俺と一緒に、この狭いワンルームで、永遠に二人っきりで居てくれたらって、そう思わない日はない。……キミは、そうじゃないんだろうけど、さ」


心中穏やかではないというのに、いやに落ち着いた声色。

まるで、今から人でも殺すようだと、漠然とそう思う。


そんな、居直り殺人のような、剣呑な雰囲気を、今の恣紫からは感じ入ってしまうが──今のところ、苛立ちの原因を強硬手段で解決するような気には、どうやら至っていないようだ。

恣紫の力を使えば、それこそ彼が言うように、僕を永遠にこの安アパートの一室に閉じ込めて、鳥籠の中のインコのように扱うことだって、今すぐにでも可能なはず。

しかし、それをしないという事は──恣紫は、とりあえず”憂さ晴らし”にさえ付き合えば、今日のところは機嫌を直してやると、僕に破格の交渉を持ちかけているという意味で。


──だから、僕は。

自分の身を、生け贄のように捧げてでも、彼の”憂さ晴らし”に付き合わなくてはいけないのだ。


──恣紫は、その感情が昂ると、軽率に僕を使って”憂さ晴らし”をする。

そうでなくとも、”暇つぶし”や”お遊び”などと称して、ほとんど意味もなく、鬱憤を晴らすように、ベッドに連れ込まれることだって少なくない。

この十日間、僕はその、生ぬるい地獄を、何度も何度も味わわされて──数えきれないほど、肉体を失うような快楽を味わった。


その、憂さ晴らしの内容とは──人間界で生活するために抑圧された、淫魔の淫らな本能を、僕に向かって思いっきりぶつけること。

今まで何度も、それに付き合わされてきたから、僕はその恍惚を、よく知っていた。


恣紫の本能の中には、既に言うまでもなく、自分を脅かすものが一つもない頂点捕食者だからこその、子供のような無邪気な残虐性が秘められている。

そして──淫魔としての性質通りに、その艶やかな肉体や手練手管で、人間を意のままに冒涜し、性奴隷としてこねくり回す欲望もまた、強く存在する。


その倫理感もまた、やはり人間のそれとは違う。

手元でフィジェットトイを弄ぶように、意味もなく生き物を手慰みに壊しては、それに対して何も感じることなく、ぽいと捨ててしまい──壊れればまた、無数に寄ってくる玩具を、手のひら一つで転がす。

それが出来るほどの、超自然的な力を、恣紫は持っているのだ。


例えば、その瞳。

目を合わせるだけで──それこそ、電球に強烈な電流を与えた時の、一瞬だけ強く光って燃え尽きるフィラメントのように。

脳内麻薬の過剰分泌により、脳の回路を内側からばちんと焼き切ってしまう、それ。


それが──恣紫の”憂さ晴らし”の中では、最も手ぬるい責めとなる。


思い出すだけでも、かちりと脳のスイッチが入って、身震いを抑えられない、トラウマ級の快感。

死にたくても死ねない、狂いたくても狂えない、その陰惨なまでの多幸感が、恣紫が満足するまで、ずっとずっと続く。


恣紫の気が、収まるまで。


「……胸ん中が、煮えくり返るって言うのかな。それは、言いすぎかもしれないけど……いや、あながちそうでもない、か。……こんな気分になることって、そうそう無いから分かんないや」


──閻魔大王の前の、亡者のように。

僕は震えながら、ただ黙って座っている。


ここは、僕の部屋の、しかも僕のベッドの上であるというのに──言うまでもなく、主導権は僕にはなく。

綿の潰れたせんべい布団の上で、僕達は目を合わせることなく、横に並んでいた。


こうしていると、恣紫の脚の長さが、よくわかる。

目測で、僕の二割増しくらいはあるだろうか。

腰の高さ一つとっても、生物としての格の違いを見せつけられているようで、そわそわと落ち着かない。


──あの脚が、いけない。

今なら、恣紫がその肌を誰にも触らせないように、人間を遠ざけている理由が、よく分かる。


死んでもいいからと触りに来るような、無礼者がいるからではない。

恣紫自身が、それを嫌っているからでもない。


あれは──軽々しく扱ってはならない、残忍極まりない処刑器具なのだ。


「しかし……退屈だったり、憂鬱になったりして、気分が冷たくなることは、もちろん今までもあったけど……こうして、熱くなるのは、こっちの世界に来るまでは、生まれてから一度もなかったな」


──部屋の室温は春らしく、適度に温かいというのに、真冬の屋外でそうなるように、吐く息が白く縮こまっているような気すらしてしまう。

恣紫はいま、多分だけれど、その紫の瞳で、僕をじっと見ている。

頬のあたりに、舌でねぶられるような、そんな感覚を覚えたから、見なくても分かる。


ただ、それも、やはり恣紫の持つ、すべすべの肌の愛撫には敵わない。


──考えてもみれば、当たり前の事だ。

実体もないただの目線に睨まれるより、淫魔の生肌に直接触れる方が、より効率的に人間を誘惑できるなんて、当然すぎるほど当然だ。


人間だって、そうだ。

目線で人を誘惑して、それだけで射精まで導くなんてことは、よっぽどの事がないと起こり得ないが──肉体で直接触っていいのなら、男をイかせるなんて簡単だ。

ペニスを直に愛撫なんてすれば、どんな醜女だろうと、どんな体型の崩れた百貫デブだろうと、射精させることぐらいはできてしまう。


──それを、恣紫がやったなら、どうなるか。

言葉にするまでもないが──しかし、想像は遥かに絶するだろう。


「でも……キミと出会ってからは、そんな思いをすることも、随分増えた。……プラスにも、マイナスにもね」


するりと、恣紫は距離を詰める。

触れるほどではないにしろ、無意識的に肩がぶつかっても、決しておかしくない距離。


あまりにも静かで、しっとりとした態度。

今から、僕に拷問じみた行為を、何時間もかけて施すくせに、その雰囲気はまるで、初心な男女の初夜のよう。


恣紫の内側に湧き上がる、苛立ちや怒りと反して、いやに湿っぽく落ち着いた態度で、僕達は静かに座っている。

熱く湿気た呼吸を、じっくり絡み合わせ、部屋中に染み渡らせるように、ゆったりと。

自分が今置かれている状況と、極上の美貌を前にして、それとじっくり相対し、興奮をじわじわと押し上げられる──言ってみれば、高級ソープの待合室で、ひたすら勃起を硬め、最高の射精を今か今かと待つような、そんな気分。


どくどくと、心臓を鳴らすことばかりに集中して、呼吸すらも忘れそうになってしまう。

身体中が──特に、ペニスが熱くて仕方がない。

自分自身から出ている熱なのに、下手をしたら、ヤケドしてしまいそうに思えるほど。


それだけ、この後に行われる行為に──絶望するほど、期待してしまっている。


──ふわりと漂う、少し甘酸っぱい、女の匂い。

それは、誰かから移ったものではなく、確かに恣紫の身体の、その芯の部分から香っていた。


──そもそも、恣紫は、自分の性別を明言してはいない。

そのスレンダーな長身の肉体や、ジーンズとジャケットを合わせた服装、そして口調に声、その仕草や思考は、限りなく男に近いと言えるが、それでも彼女は、自分のことを男だとは、一言も言っていないのだ。


確かに、恣紫の顔立ちや体つきは、男だと言われれば、何の引っかかりもなく男だと信じられるものだ。

しかし、それと同時に、本当は自分は女なのだと言われれば、『へぇ、そうだったんだ』という一言で終わるくらいには、彼女の容姿は、性別不詳で中性的。

淫魔という理外の存在を表すかのように、彼女の姿形は、妖艶で見目麗しいが、どこか曖昧で不定形で、つかみどころがない。


ただ──大雑把に、彼女の持つ属性を一言で表すなら、それは”絶世のイケメン”ということになり。

ついでに、セックスの相手はいつも女ばかりで、男は近寄られる前に片手でしっしと追い払うその様から、彼女の性別は男だと、状況証拠のせいでそう思われていた。


「……実は、さ。こうして、静かな部屋で、キミと二人っきりで居るだけでも、けっこう気分はいいんだけど……でも、それが逆に、よくないな。感情が混じり合って、頭の中がぐっちゃぐちゃだ」


そうだ。

恣紫は今、あえて”男の姿”をしているのだ。


じゃあ、もしも恣紫の性別が、本当に男だったとして。

僕は同性愛者ではないが、彼に男のモノがついていると分かった上で、本気で抱かれたなら──それでも僕なんか、一溜まりもなく、溶けてしまうだろう。


淫魔という生き物は、その生態の全てを、その能力の全てを、セックスのために費やしている。

だから、この世に存在するありとあらゆる行為を試しても、どんなことよりも交尾が、ひいては人間に性的快感を与える事が最も得意なんてことは、論じるまでもなく。

更に、淫魔の中でも理論値以上、生物として完全化されていると言っても過言ではない、彼女ともなれば──指先一本を使えば、片手でスマホを弄るついでに、ペニスを壊れた蛇口にすることだって、呼吸と同じくらい簡単なことなのだ。


「でも、さ」


だけど。


ぽつり、ぽつりと、恣紫は独り言のように、語る。

その言葉の内容は、もはや半分も理解できない。

ただ、彼のカナリアの声に反応して、僕はひたすら脳を溶かしている。


恣紫の全ては、人間を最も効率的に、心地よく恋慕に狂わせるための、性的魅力でできている。

もちろん声だって、それは例外でなく。

清水のように澄んだ声質は、やはり中性的で、それでいてどこか幻想的で、つかみどころがない。


匂いだって、そうだ。

普段の恣紫は、他者をメロメロに魅了するというよりは、魅力によって圧倒的な力の差を見せつけ、その力を振るうまでもなく屈服させるために、どことなく高貴で神聖さを感じさせる、清涼感と古めかしい荘厳さを併せ持った香りを振りまいている。

その香りから想起されるイメージは──光の差す、天界の神殿。あるいは、女神が纏うローブ。


五感で感じられるもの全てが、恣紫の艶に染まってゆく。

あれだけ抱いていた恐怖すらも、いつしか蕩け落ちて、だんだんと身体から力が抜けてゆく。


少しずつ、少しずつ──”淫らな邪神”が、”ただ僕にだけ都合のいい雌”に、変化している。


爽やかに落ち着いた声には、隠しきれないほど粘ついた、ねっとりと卑しい色気が灯り。

傍からふんわりと漂う、ムスクのような香りは、溶かしたキャラメルのように甘ったるく、雌臭くて品がない匂いになりつつある。


──冷たく君臨する淫魔の王が、終わり。

僕と二人っきりのお家デートを楽しみたい、ただの恣紫が、始まる。


何も、証拠もなしに、そんな事を考えているのではない。


「うん……俺がイラついてるのは、キミに対してじゃあ、ない」


恣紫は、おもむろに──自分の首に、手を掛ける。

彼女の高貴さに似つかわしくない、安物のチェーンネックレスに付けられた、これまた安物の南京錠。

手のひらの空気を揉むように、一つ二つと捏ねるような動きをすると、ちょうどその鍵穴の形に合うような、光の棒が出来上がる。


──どく、どく、と。

心臓が荒く跳ねて、顔が真っ赤に染まるほど血が回る。

膝をぎゅっと握りしめたまま、かちこちに固まりつつ、その様子に釘付け。


「ほとほと、自分の愚鈍さ加減に……むかっ腹が立つ」


そして、恣紫はすっくと立ちあがり、その様子を見やすいよう、正面に立ち。

開錠する瞬間を見せつけるように、くいとネックレスを前に引っ張りながら。

逡巡することもなく、当たり前のように──鍵を、右側に捻った。


それはまるで、こめかみに拳銃をあてがうような、どこか自傷を思わせる仕草。

しかし、今から始まるのは、その逆だ。

彼女の狂気と死をもたらす魅力を、最も濃く直接的な形で、真正面から受け止めさせられる、拷問。

ダム一杯の水を小さなコップに移すように、まさか受容できるはずもない快感を溢さないよう与えられ、それでも自害すらできずに、精神をずたずたに引き裂かれる、処刑そのものだ。


「こんなに偉そうに王様を気取って、キミのこともこんなに怖がらせて……ほんと、馬鹿みたいだ」


そう、もしもその行為を、言葉で表現するならば。

それは、最も正確に言えば──


「どんなに粋がっても、結局のところ、俺なんて、さ……」


──絶対服従チン媚び雌奉仕。


「ただの……一匹の雌、なのにね」


恣紫が口を開く、その一瞬。

錠前がかちりと音を鳴らすと同時に、眩い閃光が走り、みしりとフローリングが軋む音がして──気が付けば、僕の目の前の、細身の身体。

肩幅も小さく、腰幅も狭く、脂肪も一切ついていないはずの、その端整なモデル体型は。


──ずっ……しりと。

卑しくオスのちんぽに媚びまくった、雌脂肪まみれの、美麗さの欠片も無い下品な女体に挿げ変わっていた。


「……脱いで」


短く、彼女はそう吐き捨てる。

それは、どんな言葉よりも如実に──今から、この身体で、僕をとことん射精させると、そう語っていた。


──むわりと、空気そのものが甘ったるくなる感覚。

極度の緊張と、吐き気すら伴うほどの恐怖が、ピンク色の陶酔に塗り潰されて、何も考えられなくなる。

その間にも──歪んだ視界は、少しずつ描画を終えて、はっきりとした輪郭を帯びてゆく。


シングルベッドとはいえ、大の男が寝るには十分な大きさのそれを、縦にも横にも埋め尽くすほどの、巨躯。

二メートルを超す長身には、どこもかしこも呆れるほど艶やかに、分厚く脂肪が盛りつけられていた。


ぶかぶかに丈が余っていた、胸元が丸出しの黒いインナーは──今や、びりびりにはじけ飛んでしまいそうなほど、雌肉がみっちりと詰め込まれて、ぴっちぴち。

どっぷりと垂れ下がる、半固形のスライムのようなおっぱいが、シャツの布ごと大きく前に張り詰めて、いじめ倒している。

その光景を見て、勃起。


ざっくりと、馬鹿みたいに長い谷間を、恥ずかしげもなく露出して──その、しっとりと湿気を帯びた、乳肌と乳肌の隙間から、下品にむわりと蒸れた、あっまい乳臭が、香る。

大量のミルクに砂糖を煮詰め溶かしたような、ひどく甘ったるく、格好良さの欠片もない、雄に媚び切った匂い。

それを、ねちっこく絡みつくように、浴びせかけられて、勃起。


ベッドのスプリングにまで、ぎしりと重みが伝わるほど、クソ重い爆乳。

人間の頭なんて比べ物にならないほど、大きな大きな片乳は、片手では絶対に持ち上げられないというほど、重さもサイズ感も、途方もなく。

当然それに釣り合った、まさに3L級の超大玉スイカにも匹敵する、凄まじい質量を持っていて。

それが、僕の目の前で、どっぷりと沈むように蕩け、自重でまろやかに扁平に潰れ、とことん勃起。


──普通の精神力しか持たない人間が、彼女の前に不用意に立てば、その姿を見ただけで発狂してしまうように。

全身が艶々もっちもちの、軽く揉み込むだけで手が易々と埋まるような、至高のとろみを持った雌肉で出来ていることを、視覚だけで教え込まされて──僕は、全身の骨が、抜けきった。


気が付けば、膝をがっくり突きながら、茫然自失と。

頭の中を真っ白に、繁殖欲だけで塗り潰されて、精液をずくんずくんと急生産しまくり──ほとんど無意識のうちに、あ、あ、あっ……♡などと、情けない声を漏らしながら。


精液を、どぷりどぷりと、尿道から溢れさせていた。

あまりの興奮と多幸感に、ほとんど気が狂ったような、そんな心地だった。


──突如として現れる、恣紫の顔をした、下品な雌。

この、性別不詳のファムファタールとは似ても似つかない、重くて雌々しいどたぷんボディの女は、もちろん──恣紫、その人だ。


恣紫がその肉体を、自由自在に変化させられること自体は、不思議な話ではない。

どうせ恣紫は、世界を丸ごと改変できるような、化け物だ。

自分自身の性別を変えて、女体化するくらい、どうせ訳もない事なのだろう。


だが、それ以上に。


絶対に、どう考えても、100%有り得ないのが──あの恣紫が、自らの力の象徴である、男の姿を捨てて、下品に恥をかく雌の姿を取っていること。


そして、それ以前に──あの人間アレルギーの恣紫が、こうして僕に向かってだけ、愛情を隠しもせずに、恥を捨てて媚を売っている姿が、堪らなく、堪らなく贅沢で。


混乱だとか戸惑いだとか、そんな人間的な理性を吹っ飛ばすには十分すぎるほど、こっぴどく猥褻な姿だった。


「……ねえ、今日はちょっと、悪いけど……。徹底的に、やらせてもらいたい、そんな気分だ……」


──どっしりと肉付いた、スレンダーという言葉とはまるで真逆の、これまた媚びきった下半身。

僕の倍ほども太い、えげつない肉付きの太ももが。

吸い付くようなディープキスを想起させる、しっとりもちもちの肌質が。

そして何より──盛りに盛られた、品のないデカケツが、すぐ傍で骨盤越しにどゆんと揺れ、ところん繁殖欲をそそる。


たっぷりと脂肪をこしらえた腿は、その細くしなやかなカモシカの脚の、面影すらもなく。

高すぎる腰、長すぎる脚と比較して、無駄な脂肪が一切なく、余白がぶかぶかに余っていたダメージジーンズは──今はむっちりとした柔肉に占領され、むしろ破れた生地の隙間から、そこを突き破らんと、窮屈そうに肉をはみ出させて、その卑猥さに拍車をかけている。


肉感に溢れているのは、肥育されたニワトリのような、その腿だけではない。

特に、ジーンズに押し込められた尻肉の詰まりなど、特に酷いもので。

元々の恣紫の体型にしては、そのボトムスはオーバーサイズにあつらえられ、すらりとしたシルエットを引き立てていたのだが──今やそのデカケツは、尻ポケットに小銭一枚も入れられないほど、ぱつぱつに張り詰めてしまっている。

その、女性器にすら、たっぷりと盛られた肉の土手や、肉尻の谷間のラインが、丸見えになってしまうほどに。


むっちりと、猥雑にくねり、その雌性ばかりをひどく強調する、幅広な腰つき。

綺麗な順三角形の体型は、どれだけ激しく甘えても、ちょっとやそっとでは揺るがない安定感があり。

がっしりと広い骨盤は、双子だろうが三つ子だろうが、易々と産んでくれそうな、最上級の母体を思わせる。


そのくせ、ほっそりとしたウエストはそのまま、砂時計型にくびれており。

かと言って、細すぎて不安になるようなことは一切なく、むしろエロスと美の奇跡的なバランスで、多少弄べる程度の肉は、新たに盛りつけられている。


どこもかしこも、性行為向けにあつらえられた、柔らかな雌臭さに満ちた身体。

もう、そこに、恣紫が元々持ち合わせていた、格好良さなんて、ない。

それは最早、全ての生物の頂点に立つ、美しくて綺麗な淫魔の王どころか、男も女も熱狂させる、学園一のイケメン王子様ですらなく──見る者全員を、その下卑た色香で精通させる、ドスケベボディのエロ雌。

卸したての最高級抱き枕のような、感動すら覚えるほど滑らかな肌と、ふっかふかにどこまでも沈む女体で、硬いオスの身体を抱き込み、とことん骨抜きにすることだけを追求した、究極の女体がそこにある。


けれど──首から上だけは、いつも通り。

生唾を飲むほど、作りもののように美しい、魔性の顔立ちがあるのだから、堪らない。


まさか見間違えるはずのない、何よりも確実な、本人証明。

この世に二つとない、恣紫が最強の淫魔たる所以である、強すぎる顔面があるからこそ──ああ、僕は今、あの恐ろしい淫魔に媚びられているんだと、嫌でも自覚させられる。


普段通り、やっぱり相対するだけで気圧されてしまうほど、恐ろしくも美しい無表情。

うっすらと苛立ちが見え隠れする、焦れたような態度は、やっぱり肝が潰れてしまいそうなほど、怖い。

だって彼女は、世界なんて自分の意のままに操れる、唯我独尊の邪神なのだ。


そう、彼女は自分勝手で、身勝手で、気まぐれな、悪魔。

今でこそ人間である僕に、妙な執着を見せてはいるが、その本質は全てを支配する知的生命体全ての敵で、絶対に懐いてはいけないし、好きになってもいけない存在だ。


しかし──そんなものが、究極の黄金比を実現した、完璧すぎるほど完璧な肉体を、自分から捨てて。

三日間オナ禁した男子中学生が、ちんぽをシコりながら妄想したかのような、下品極まるラブドールじみた淫肉の塊の身体に、首から下を変身させて挿げ替えてまで、僕の勃起を応援してくれている。

その事実一つで、我慢汁がペニスの先から、ぴゅっと吹く。


──視覚も嗅覚も、ありとあらゆる感覚が、極上の雌くささに溺れて。

ひとりでに尿道が緩み、昇りつめ、じわじわと腰が溶けるような熱さが、身体の奥から込み上げる。


そもそも恣紫は、その瞳を向けるだけで人を壊すことができるほど、この世ならざる人外の性的魅力を詰め込んだ、究極の淫魔なのだ。

普段はその魅力を、王者としての威厳や、荘厳で威圧感のある神秘的な美として発露しているからこそ──その色香に耐えられない人間は、狂い果ててしまう。

ならば、その狂気すら帯びた美貌を、淫魔らしく純粋なエロスとして発現させたなら。


言うまでもなく──溶ける。

ただ、隣に居るだけで、背骨が引っこ抜けるような恍惚に犯されて。

その身体つきを見つめるだけで、ぐらぐらと金玉が煮え立ち、どぷどぷと精液が溢れてしまう。


けれど、それは所詮、処刑の始まりですらなく。

ただ、魅了の魔力の余波に、虚弱な僕の理性があてられてしまっているだけ。

座っていても背筋がぐらつくほど、すっかりふやけきった脳みそで、これから始まる絶望的な幸福に──どぷりと、尿道にひっかかる精液を、殊更に濃くした。


──これだ。これが、恣紫の言う、憂さ晴らしなのだ。

ひた隠しにしてきた、淫魔としての淫らな本能を全開にして、それを僕というたった一人の、ついこの前まで童貞だった、ひ弱なオスにぶつけまくる。

脳を焼いて息の根を止めるほどの美貌をそのままに、体つきを思いっきり柔肉まみれに媚びさせて、今度は発狂するまで視線をぶつけるのではなく、快感神経が全て溶けるまで、ただ抱きつく。


そう、僕は今から──あの、極肉のカタマリに、真正面から、思いっきりしがみつくのだ。

そんなの、そんなの──もう。


「ね、親友」


──ふふ、と。

恣紫が、小さく笑い声を上げた。


肺に入った空気が抜けて、少しだけ姿勢が前傾する。

その途端──むんにゅ~っ……♡と、視覚から伝わるほどに、こってり甘く柔らかく、乳肉がひしゃげた。


その、あまりに脂肪の乗りすぎた乳肉が、黒いインナー越しに、段差を形成しているのが見える。

例えるならそれは、肥満体型の人間が、気を抜いて前かがみになると、腹の肉が段々になってしまうように。

恣紫の、馬鹿でかい乳肉は──あまりにも非現実的なことに、前のめりに身体を傾けただけで、乳腺にむっちりと絡みついた雌肉同士が、我先にと押しつぶしあってしまうのだ。


そして、もちろん言うまでもないことだが、その肉というのは──ただ不摂生から体に染みついてしまった、汚らしいだけの脂肪ではなく。

淫魔の持つ、ふわふわもちもちふっかふかな、天性の霜降り肉。

雄に媚びて、ペニスを苛立たせ──挟んでも揉んでも吸っても潰しても、セックスの相手を天国に導いてくれる、至高の快楽物質だというのだから、堪らない。


そんな雌肉が、贅沢極まりないことに──恣紫という究極の淫魔の胸に、どっかりと盛りに盛られているのだ。

それは、そんじょそこらの女の乳が、ちょっとバスケットボールほどにデカいなんて状況とは、全く訳が違う。

一 恣紫という、例え胸も尻もまっ平らで、抱き心地が0点だったとしても、顔の良さだけで女として100点満点中120点を叩き出し──実際に、人間に擬態した状態の、全く無駄な肉のない姿でさえ、数多の男も女も狂わせる奴が。

その美しすぎる顔面に、妖艶すぎる仕草に、魔性の声に──更に加えて、男の理想を体現したような、ドカ盛りの乳をぶら下げている。

それは、鬼に金棒などという、生易しい言葉ではとても言い表せないほど、彼女の魅力を更に底なしに、無限大に増幅していた。


堕落。

その二文字がこれほど似合う体型が、この世にあるだろうか。

そう言わざるを得ないほどに、蕩けるほど熟れ切って、しかし若々しいハリを兼ね備えた、至高の種付けボディ。

それはまさに──サキュバス特有の、傾国の女体だ。


もう、もう、こんなものを押し付けられたら──国が傾くなんて、そんなものでは到底済まない。

人類が滅びる。星が死に絶える。

冗談ではなく、そのくらい、邪悪なほど豊満な、肉体。


それが、腹を空かせた狼の舌なめずりように、呼吸のたびにたぷんと波打っている。

そのくせ──ちらりと目線を上げると、いつも通り冷徹な、無機質に美しい宝石の瞳が、恐ろしい威圧を放っていて。

けれど、普段なら震えあがるほどの恐怖を覚える、その瞳の威光も──間抜けなまでにだらしなく豊かに実った、極楽の抱き心地を誇る、土偶体型の前では、形無し。


そんな、あまりにもゴージャスすぎる、文字通り贅肉たっぷりな、曲線まみれのオナホボディを引っさげておいて、あくまでも。

大福餅のようにふかふかもっちもちな、なっさけなく肥育した身体を、どったぷんっ……♡と重々しく揺らしつつ──何事もないかのように、普段通り、アンニュイな無表情を見せる。

なまじ、首から上だけは、性差を超越した、世にも美しいボーイッシュな面構えなのが、殊更にその女体のむちつきを引き立てていた。


──全身の骨が、まさしく溶ける。

背筋を立たせることすらできず、恣紫の色気に堕落し尽くして、強烈な酩酊を味わいながら、ベッドに身体を沈ませた。


責め苦が始まりもしないうちから、僕は恣紫に、どこまでも屈服の意思を示す。

淫魔の前で、くてくてに全身をふやかして、すっかり出来上がったペニスを晒して。

そんなの、鴨が葱を背負っている以外の何物でもない。


──あまりにも、恐ろしい。

何が恐ろしいと言えば、それはもちろん、人を容易く狂わせる、魔性にして傾国の淫魔が、僕を虐め抜こうと舌なめずりしているから──ではない。

あんな性の極致のような肉体に抱かれて、ごく当然にペニスが狂い、死ぬまで子種を吐かせられることも。

もはや快感を超えて、拷問と変わらないほどの、暴力的な苦痛に喘ぐことも──実のところ僕は、ひとつも危惧していないし、恐れてもいない。


──ただ。

僕が恐れている事は、一つだけだ。


「あのさ……。俺も、一応は気を付けるけど……どこまで抑えられるか、分かんないから」


恣紫は、ベッドにごろりと寝転んで、両手両足を僕の方に差し出す。

四肢をがばりと広げるその姿は、まるで捕食直前のハエトリグサ。


とめどない艶がまろぶ、究極の淫魔の、最も贅沢な雌脂肪が、たぷりとプリンじみて揺れる。

途方もない天国が、大口を開けて、僕を待ち構えている。


「なるべく……耐えて。頭、おかしくなんないでね」


恐ろしい。恐ろしくて仕方がない。

僕は、今から、彼女に──


「今から、俺……全力で、媚びるから。」


──本気で、甘やかされるのだ。


そして、彼女は、どうしてだろうか。

その行為を、何故だか──心から、最上の娯楽だと、そう感じていて。

どんなに機嫌が悪い時でも、どんなにイラついた時でも、僕をすっぽり包み抱いて甘やかした後は、誰がどう見たってというレベルで、あからさまに機嫌が良くなるのだ。


──そんな訳がない。そんな事は、僕が一番、よくわかっている。

絶対に、何かがおかしい。

必ず騙されている、とすら断言してもいいのだけれど──じゃあ、恣紫の甘やかしを断れるか、なんて聞かれたら、当然答えはノーで。


だから、今日も僕は、この最高位の淫魔女王に。

情け容赦なく、苛烈に、過酷に。

泣き叫んでも許されず、精液が枯れ果てても離されず、心の底から屈服しきっても逃れられず。


「……うん。骨の髄まで溶けるぐらい、媚びて媚びて媚びまくって、俺が親友に絶対服従のマゾ奴隷だって、魂に刻み付けるぐらい、甘くしてあげないと……今日は、気が収まらない」


もう、魂が蕩けきって、言葉も話せなくなるほど。

歩くどころか、はいはいの仕方すら忘れた、赤ん坊未満の廃人になるほど、とことん、強烈に、死ぬほど。

甘やかされる。甘えさせられる。

おっぱいに頬擦りをさせられ、全身に両手両足を絡められまくり、組み付いては決してほぐれようともしない、なめくじの交尾より下劣な甘えんぼを、強制させられる。


この、淫らさと美しさだけで、全ての生物の頂点に立つ、至高の存在が。

その誇りを投げ捨てたかのような、見るからに下卑て媚びに媚びきった淫肉を携え──僕に、その肉体を差し出して、そう言っているのだ。


これ以上は絶対にあり得ない、究極の贅沢。

僕という、たった一人の塵芥のような存在のためだけに、生肌を露出するどころか──その肉体までもを、専用のラブドールとして変質させるという、これ以上は全く思いつかないほど、最上級の媚びへつらいを、僕に向けている。


どんな相手もを屈服させ、どんな傲慢も許され、誰であろうと上にまたがり征服することができるという、淫魔のプライドを──完膚なきまでに折り砕いて、ただちんぽを受け入れるだけの、最も情けない雌の姿を取るということが、一体どれほど恣紫にとって屈辱なのか。

それも、セックスが何より特別な意味を持つ、淫魔の主たる恣紫が。

その姿を、僕だけに見せている。


──そんなの、絶対、好きになる。

絶対、絶対に、恣紫の甘やかしに依存する。

恣紫なしでは、生きられなくなる。


ただでさえ気まぐれで、その上僕を気に入る理由も、今なお僕を親友と呼ぶ理由も、思考の一切が謎に包まれた、恣紫という悪魔に、本気で懐いてしまう。

それが、もう──何より、怖いのだ。


だって、だって──こんな、今後一生、どんな地獄を味わい続けようとも、一晩抱けたならそれだけで、雄として生まれたことをむせび泣いて感謝するような、究極の女体を味わわせておいて。

飽きたらポイと、何の感慨もなく捨てられるなんて、そんなの、想像しただけで、死ぬより辛い。


だから、絶対に、恣紫のことは好きになってはいけないのに──彼女ときたら、何が楽しいのかは、一切分からないが。

僕との甘々な純愛交尾を、”憂さ晴らし”と称して、遊びを持ちかけるように、こちらが何か強制するでもなく、頼み込むでもなく、むしろ恣紫から進んで、それこそ縋りつくように、媚びてくるのだ。

その事実だけで──じわりと、涙すら込み上げるほど、恍惚が走る。


──永遠に、彼女にしがみついていたくなるほど、幸せになってしまう。


そうでなくとも──そもそも目の前にある女体は、こんな肉感に溢れる雌を抱けるなら、いや、そんな贅沢なんか言わなくとも、一揉みでもできるなら、文字通り死んでもいいと、容易に思わせるほどの代物で。

独占欲や、優越感を抜きにしたって、その身体を見るだけでも、視覚から伝わるむちつきと、肌の艶めきだけで、どうしようもなく精子を漏らしてしまうのに。


しかも、その上で──その女体を眺められるのは、僕だけ。

僕以外の人間は、誰一人として、その極上の身体を目に焼き付けて、惨めだけれどセックスよりもよっぽど気持ちいいオナニーをすることもできず。

それどころか、恣紫の本当の性別が、女であるということを知ることすら許されない。


──そんな、の。

人間が味わっていい、人間が感じていい興奮ではない。

抗えるような、ものではない。


だって、だって──こんなにも、ちんぽが付いた生き物の、全ての理想を実現した、雌のイデアとも言える肉は。

彼女の気がもし変わらなければ、きっと永遠に、僕以外の誰も、世界が終わるその時まで、絶対に見る事は叶わない。


つまるところ──完全に、存在すら、独り占め。


あの──人間が大っ嫌いな、恣紫が。

極端に人嫌いで、自分の肌に何かが触れることはもちろん、肌を見せるのも以ての外、ただ立ち姿をじろじろ不躾に眺められることすら禁止する、あの恣紫が、だ。


僕の前でだけは、こんなにも”雌”をアピールして、いかにも媚びた肉付きで、誘うような熱い吐息を吐いている。

そんなの、それだけで──脳の血管がぷちりと千切れそうなくらい、心臓が無造作に跳ねまくってしまう。

それだけで──前立腺で急速に作られまくった種汁が、早とちりして尿道を押し上げ、とぷとぷと漏れ出てしまうに、決まっている。


思い出す。

考えてはいけない、都合の良すぎる事実まで、お漏らしの快感に紐づいて、思い出してしまう。


──その上、恣紫は。

自分の性別を、誰にも決して明かさず、肉体を変化させてまで隠しているように、とことん嫌っていると同時に。

彼女は、どうしてか──自分が雌として扱われることを、どうしようもなく好んでいた。


要するに──マゾヒスト。

尽くしたがりの、媚びたがり。

発情期の雌猫のように、甘ったるい声をだしながら、男にこってり甘えることが、何よりも大好き。


「思い出させて。俺は……ううん、”私”は、どれだけ姿形を変えて否定したって、その本性は、ただの雌だってこと。どうしようもなく、雄に媚びるしか能のない、淫魔だってこと……」


それが、男である僕にとって、どれほど残酷で、絶望的な事実か。


血涙を流して世界中を呪うほど、あるいは五体投地して天に感謝をささげるほど。

その事実を思い出すだけで、嘆き叫ばずにはいられない、おぞましいほどの幸運。


だって、だって──あの、どんな美辞麗句を尽くしたって、人間の言葉では語り尽くせないほど、美しく妖艶な淫魔に。

変な話だが、その中性的な美貌さえ──もっと言えば、その容姿から女性らしさを一切そぎ落としても、その超越的な麗姿により、目くばせ一つで同性愛者でも何でもない男性をホテルに連れ込むことなんて、いとも容易く行えてしまう、あの恣紫に。


本当は、その股ぐらの薄布を、一枚ひん剥けば──男のちんぽにうねうね絡み媚びて、そのちんぽに屈服して子供を孕むための、雌穴が着いているなんて。

そんな恐ろしい想像は、誰一人として、頭にもよぎらせなかったことだろう。


そんなの、もう──何もかもが、ひっくり返る。

恣紫が纏う、絶対的王者のイメージが、一変して──人間を跪かせて、一人玉座の上で偉そうにふんぞり返っているくせに、その卑しくくびれた腹の奥に子宮を隠して、ちんぽをイラつかせる、身の程知らずの馬鹿メス。

男の股座に跪いて、キンタマや足の裏を必死こいて舐め回したがる、媚びたがりで厭らしい、奴隷趣味の娼婦ということになってしまう。


──なんて、頭の中で無礼極まりないことを考えているのも、恣紫には全て筒抜けだ。

けれど、だけれども。


それに対し、恣紫が機嫌を損ねるなんて不安は──僕の中には、一欠けらも、ありはしなかった。


だって、恣紫は、マゾだからだ。


──ぶるりと、腰を大きく震わせ、また背骨が引っこ抜ける。

こんなの、だめだ、耐えられるわけがない──。


恣紫は、そんな僕の心境を見透かしたような、やはり超越者然とした無表情で、じっと僕に視線を向ける。

全部、全部、僕の性癖も、女の好みも、心のどこが柔らかくて脆いのかも、全てを知り尽くした、目線。

どう考えたって、天地をひっくり返そうとも勝てっこない、絶対的強者のそれに屈服しながら、僕はもう一つ濃い精液を吐いた。


飛び散った精子は、全て、恣紫の太ももに引っかかった。


「……それで、さ。ついでに親友も、思い出してよ」


──けれど、恣紫は一切の反応を示さない。

種汁を無駄吐きし、黄ばんだ汚液でお気に入りのジーンズを汚しても、無反応。

何事もなかったかのように、世間話をするトーンで、僕に語りかける。


──これ以上なく、とびきり不躾なセクハラの、許容。

吐いたばかりの種汁が、また金玉に補充されていく。


「親友は、さ……俺の、親友なの。だからね、つまり……」


妙にうっとりと、熱っぽい目線。

先程までの恣紫の顔立ちが、本能が理解を拒み、気が狂うほどの美しさだとすれば──今の恣紫は表情は、ただ、えろい。

威圧感も何もなく、少し目尻を下げて、唇はぷっくり厚く、つやっつや。

その濃紫の瞳にすら、冷徹さなんて一切なく、視線にはひたすらに好意だけが込められていて、目も合っていないのにむず痒い。


そして、視線を合わせても──あの、身の毛がよだつ感覚すら、今の恣紫からは感じない。

むしろ、身体の奥底が、蕩けるように熱い。


それは、きっと──今の恣紫の中に、苛立ちがなく。

代わりに、僕に対する、とめどない好意があるから。


恣紫が、心の奥底から、僕に媚びきっているから。


「親友。キミはね、俺と同じだけ……いや、俺より、強いの。偉いの」


今度、ぶるりと震えたのは、恣紫の方だった。

それを言い終わらないうちに、彼女はオーガズムに達するように、一瞬、呼吸すら途切れさせる。


その仕草の、色っぽいこと。

まるで、恣紫が僕のことを、本気で永遠に愛してくれると、そう錯覚してしまうくらい。


「だから、親友はね……欲望を、我慢しちゃダメなの。俺にしたいことがあったら、俺にさせたいことがあったら……絶対、言わなきゃダメ。やらなきゃダメ」


吐息同士が、シンクロする。

目の前には──人間用のシングルベッドには、到底不釣り合いな、大きな大きな身体。

少しばかり脚を曲げないと、足先がはみ出てしまうほど。

どうしようもなく、太ましく幅広な尻が、そして巨大な乳肉を支える胴が、隙間なくみっちりとベッドの横幅を占拠してしまうほど。

成人男性の平均くらいの身長を持つ僕が相手でも、母と子ほども体格差を作り出してしまうくらい、恣紫の身体は、デカい。


と、言うよりは──甘えるための余白が、とても多い。

思わず身体を擦りつけたくなる部位が、選択肢が多すぎて嫌になるくらい、豊満すぎる。


そして、僕は今日、確かに──ちょうど、そんな女体に甘えたい気分だった。


「親友は、俺を従えて。俺のこと、好き勝手に、触って」


恣紫は、その身体を、セックスの度に都合よく、ころころと変えてくれる。

僕のちんぽの溜まり具合、そして僕にすら分からない、深層心理にこびりついた理想を、100%以上の精度で読み取り、完璧を通り越した完成度で、ため息を吐くほど素晴らしく、再現してくれる。


艶々すべすべ、高身長で高頭身のモデル体型で、くびれは悩ましくきゅっと締めておきながら、メリハリをたっぷり効かせた、いわゆる最高にイイ女の身体から。

むっちむちで肉まみれ、蜜をたっぷり蓄えた、抱きついて甘えるのに最も適した、クイーンサイズの布団のような、抱き合う相手として200点の女体まで。


どれだけでも、ほんの一言伝えれば用意してくれて、しかもその女体は、どれだけ触っても怒られない。

人目も憚らずにベロキスをかますような、熱々を通り越したバカップルですら、百年の恋も冷めるような、性欲丸出しの猿じみた手つきで、好き勝手まさぐっても──彼女はどうしてか、許してくれる。


その、むっちむちに張り詰めた尻肉も、セクハラ親父が雌の孕ませ具合を品定めするように、ちんぽ本位に、身勝手に、撫で放題。

その、シャツの中でふるりと震える、どっしり重い雪見大福のようなおっぱいを、インナーの中に無理やり腕を突っ込んで、ヤリチンが都合のいいATM兼オナホをホテルに連れ込む時みたいに、手の跡が付くほど、なまちちを鷲掴みに揉みたくり放題。


僕以外の人間には、爪の先すら触れることにも、あるいは触れられることにも、あれだけの嫌悪感を剥き出しにする恣紫が。

特に男なんて、視界に入れたくもないゴミ未満の存在だと、不遜に言ってのける、あの暴君淫魔のデカケツを、デカパイを、太ももを──僕は、べちりと叩いて、ぶるりと波打たせることが、できる。


どんなに理想の女性と付き合っても、絶対にあり得ない、贅沢の極みだ。

全人類は俺の奴隷だと、そう公言して憚らず、しかも誰一人としてそれを否定することができない、宇宙一の高嶺の花と言っていい雌を、手籠めにする快感。

恣紫が一人いれば、どんな体つきの女とも、その場でいくらでも浮気し放題という──淫魔を抱くことでしか得られない、雄として究極の優越を、味わえる。


「そうしたら……あとは、俺が勝手に、親友のやりたいことを、やりやすいようにサポートするから。……尽くして、媚びるから」


そして──その優越は、僕に性欲がある限り、恣紫が勝手に読み取って、勝手に叶えてくれる。

もう、もう、身震いでは表現できないほど、幸せ。


──ぎらぎらと、恣紫の瞳の紫が、濃くなる。

それに合わせて、彼女は息継ぎすら減っていき、枷を切り、捲し立てるように、僕に迫りくる。


両手両足を今にもわきわき、開いたり、閉じたり。

ただ、僕を抱きとめ、甲斐甲斐しく頭を撫で、背中をかき抱き、ひたすら褒めそやそうと、動かす。

てらてらとした、芳醇な艶がまぶされた、シャツ越しの雌肌。

それを、贅沢に惜しむことなく差し出して、早く抱きつけと、密着をせがむ。


──いつも感情の見えない恣紫の、あからさまな、興奮。

普段は無口で無表情で、常にダウナーだからこそ、ほんの少しの言動の違いが、大きな感情の揺れ動きを示す。


だから、彼女は今──すごく、すごく、悦んでいる。

自分の価値を、自分でどん底まで貶めて、突けば消し飛ぶ下等生物のオナホに成り下がることに、どうしようもなく劣情を抱いている。


そして、恣紫は。

その上で、僕の心の奥底に、どんな欲望がむらむらと渦巻いているか、知っておきながら。

瞳をまた、ぎらと輝かせ、僕の心に暗示をかける。


脳みその中が、ひどく単純になる心地を抱く。

もちろん、その暗示の内容といえば──理性の崩壊。本能の露出。

女を抱きたいと思えば、例えそれがレイプだったとしても、絶対に我慢できず。

例えば、これは本当に例えばの話だが──その雌を、暴力的に押さえつけ、首を絞めながら征服してやりたいと、ふと思ったなら、一切の逡巡もなく、良心が呵責することすらなく、してしまう。


そのリミッターを、恣紫は自ら、外させた。

──キミになら、何をされてもいい。

その言葉の証拠を、出せとも言っていないのに、勝手に示すかのように。


恣紫は、真性の、ドマゾだった。


どく、どく、と。

恋人を前にした時のように、心臓が甘く跳ね上がる。

彼女の本性も、まだよく理解していないのに、セックスから好きにさせられる。


危険だ。

こんなの──恣紫も望んでいないだろうし、こんな関係は絶対に長続きしないと、分かっているのに。

セックスの時だけしおらしく、献身的になる彼女の態度が、ひどく普段の姿とギャップが効いていて──何もかもを放っぽり出して、プロポーズしたくなる。


悪魔に本気になってはいけないと、頭では分かっているのに。


でも、そのくせ──


「あ……それから、もう一つだけ……」


「今だけは、俺の事……ううん、”私”のことは」


「『シェシィ』……って、呼んでほしい……」


──なんて、恣紫が、いやシェシィが、わざとらしいほどいじらしく、卑しく。

脳みそが恋愛ホルモンで茹だった、大学生ぐらいの若い男女がそうするように、セックスの時だけは愛称で呼んでくれなんて、そんなことを言うものだから。

僕は居ても立ってもいられず、矢も楯もたまらず、がむしゃらに。

想像するだけで胸焼けがするような、甘ったるいバカップルのいちゃらぶ交尾に舵を切り──


ぷっつり途切れた理性で、その身体に、飛び込んだ。

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冬コミも落ちました

タイトル通り、コミケに落ちました。

風の噂によれば、今回は申し込み人数が多く、その分落ちる人も多かったそうですね。えらいこっちゃ。


ということで、結局本はまだ出ないのですが、また夏コミに応募する時のために、今回書いていた原稿の執筆は続けていきたいと思います。また、今月の更新も予定通り、本の原稿の進捗を投稿させていただきます。

ただ、申し訳ありませんが、私事でちょっと泊まりの用事ができてしまったので、今月の更新も月末くらいになると思います。すみません。


また、来月からはおそらく従来通り、ファンボックス限定の短編を投稿すると思いますので、そちらも併せてよろしくお願いいたします。

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冬コミに出す作品の進捗.1

淫魔とは。


性欲や恋愛感情を司る悪魔の一種であり、主に女性

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凍結されたツイッターアカウントの性癖アーカイブデータまとめ

昔使っていたツイッターアカウント(@daikon_onion)の保存していたアーカイブデータが残っていたので、こちらにまとめておきます。

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突如淫魔さんに異世界拉致されて極上爆乳魔族だらけの男女比1:100000な超ハーレム学園都市空間に閉じ込められ、現実への帰還を掛けて学園脱出ゲームに強制参加させられる話・後編

まずは、貴方が異世界に落とされて、すぐ。


その足が地面に着

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突如淫魔さんに異世界拉致されて極上爆乳魔族だらけの男女比1:100000な超ハーレム学園都市空間に閉じ込められ、現実への帰還を掛けて学園脱出ゲームに強制参加させられる話・前編

おはようございます、人間さん。


突然で申し訳ありませんが、

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導入案・3

──よく晴れた、春の日。

大学の中の、混雑したカフェテリアの端の席で、僕はぼんやりと小説を読んでいた。


この一室は、日がよく差し込むように作られており、なおかつパソコン作業もしやすいように適度に薄暗い。

エアコンにより、室温も常に適温に保たれており、居心地は抜群。

そのため、僕を含めた学生たちはこぞって、ここを絶好のたまり場として扱っている。

なにせ、今日だって僕は、講義も入っていないのに、大学までわざわざアイスコーヒーだけ飲みに来ているほどだ。


ここは、下手な喫茶店よりコーヒーが安くて美味しく、気兼ねなく長居できるから、本を読む場所としてとても優れている。

それに、この大学は、下宿先のアパートから歩いて行くには丁度いい距離だ。

ただでさえ家に籠りがちな僕としては、やる事がなくて暇な時、散歩がてら日光を浴びるには、このカフェテリアはこれ以上ない場所だった。

きっと、僕以外にも、そういう思考の下、ここを喫茶店代わりに使っている人は少なくないはずだ。


そのお陰で、運営も好調をキープしており、最近はその利益を使って、本格的なコーヒーメーカーも導入したらしい。

ドリンクメニューが増えた上に、単純によく好んで飲むアイスコーヒーも美味くなり、時間つぶしによくここを利用する僕としては、有難い限りだ。


──しかし、少し困った事もある。

新メニューの物珍しさや、飲食物のクオリティアップが相まって、ただでさえ騒がしく、人で溢れたこのカフェテリアに、ますます客が増えたように感じる。

人気があり、雰囲気もいい事は、もちろん褒められるべきことなのだろうが──静かな場所が好きな僕としては、少し鬱陶しいと思ってしまうのも、また事実だった。


ちらりと、手元の本から、腕時計に視線を移す。

十二時三十四分。

人がまた増えたと思ったら、ちょうど昼飯の時間だったのか、本を読むことに手中していて気がつかなかった。

心の中でぼやきつつ、僕はイヤホンを取り出して、ノイズキャンセリングの機能をオンにしてから、耳の奥に深くぐりぐりと差し込む。

そのまま、音楽を流すことなく、僕はまた小説の文字列に目を落とした。


──煩わしい雑踏が消えて、より深く没頭する。

叫ぶような話し声や、ばたばたと忙しなく駆ける足音、食器がかちゃかちゃと擦れる音。

今まで確かにあったはずのそれらが、耳栓代わりのイヤホンに防がれ、更に僕の意識が文字を追う事だけに集中したことにより──それを煩わしいと思っていたことすら、いつしか忘れてしまう。


けれど。


「……んー、どれもこれも、悪くないっちゃ悪くないんだけど……自分からわざわざ食いに行くほどって訳でもないんだよね……」


独り言ほどの、ほんの小さな声量。

例えここが、ごく静かな無音室であろうと、聞き取れるか聞き取れないかというくらい、ぼそりと密かに呟かれたその声は、唯一はっきりと聞き取れた。


──僕は暇つぶしに読んでいた小説から目を放し、その声のした方向をちらりと見る。


いつの間に、彼はそこに居たのだろうか。

まるで最初から、僕と連れ添ってそこに座っていたかのように、ごく当然に、音も無く──テーブルを挟んだ正面の位置で、肩肘を付きながら、退屈そうにスマホを弄りつつ独り言をぼやく、絶世の美男子。いや──美少女?

ぱっと見ただけでは、性別の区別すらつかないほど、格好良さも可愛らしさも極まった、この世のものとは思えない麗人が、手に持った液晶に流し目を向けていた。


この男は、いつだってそうだ。

神出鬼没を体現しているかのごとく、煙のように現れては、消えるように去っていく。

いつから隣に居たのかも、いつから僕の目から離れていったのかも、どうにも捉えられない。

まるで、勝手気ままな猫のような男だと、僕は勝手に彼に対してそう思っていた。


この男と知り合ったのは、ついこの間の出来事だ。

いや、それは出来事と言うほどのものではなく、ともすれば僕達は、知り合ったとすら言えないかもしれない。


──本当に、ただすれ違って、目が合っただけ。

大学に通う途中、この男がこちらを見て、その時に──ぱっと、機嫌が良さそうな顔になり。

それから、何故かは理解できないが、僕は一方的に、彼に付きまとわれるようになった。


半ばストーキングのようなものだと、僕は思っているのだが──しかし、それにしては、何かを要求するでもなく、ただ隣に現れるだけで、まるで意図が読めない。

ほんの少し世間話をして、それから時々遊んだりして──最近なんかは、僕のアパートに入り浸ったりもして。

合鍵も渡していないのに、外に出かけている僕よりも先に、僕の部屋のベッドに上がり込み、無防備に昼寝なんてしていて──そのまま泊っていくという事も、少なくはない。


今朝だって、大学に登校する時、僕は彼と一緒に家を出てきたのだ。

もっとも──ろくに講義を受ける気のない、放蕩者の彼は、大学に来るまでの道中で、いつの間にかはぐれていたのだが。


本当に、猫のような男だ。

彼のモデルじみて高い身長を無駄にする、くたりと無気力に折れ曲がった猫背を見て、ますますそう思った。


「……コーヒー、一口貰うよ」


──僕は確かに、訝しむように、じっと彼を観察していたはずだ。

だが、それからほんの一瞬、瞬きに近いくらいの時間だけ、目を離していた隙に──彼は、僕が飲んでいたアイスコーヒーのカップを持ち、勝ち誇るかのように、からからと揺すって氷の音を立てていた。


そして、こちらに一瞬、流し目を向けて。

何事も無かったかのように、僕の使っていたストローに口を付け、またスマートフォンを弄り始めた。


その仕草に、思わず心臓が跳ねる。

人ならざる雰囲気を纏った、性別も分からない、妖しげな美人からの、意味ありげな目つき。

何よりも、彼の顔立ちが──あまりに優れすぎているのが、何より心臓に悪かった。


それはそれは、触れれば切れてしまいそうなどに。

猟奇的なまでに美しい、横顔だった。


その、無駄の一切ない、端整すぎるほど端整な顔立ちは、比喩でも何でもなく──すれ違っただけの女性を、ともすればそういった趣味のない男性までも、片っ端から惚れさせるほどに、現実離れして恰好よく、有り体に言えば絶世のイケメンで。

しかし、シャープで細い鼻立ちや、婀娜めいて長いまつ毛、艶めいた肌に流麗な輪郭は、どこか女性らしい優美さも兼ね備えており、その妖しい色香に男すら惑わせる。

かと思えば、いつも腑抜けた猫背のまま、退屈そうに眠たげな表情を浮かべているくせに、どこか気を抜いているようで張り詰めた、自然体だからこそ野性的で力強い、雄らしい雰囲気があり。

そのくせ、一挙手一投足が、ぬるりと掴みどころがなく、いちいち腰つきの妖艶さや、伸ばした指先の遊女じみた反りが、一顧傾城の淫婦を思わせる。


──妖艶さも清純さも、淫靡さも神聖さもミステリアスささえも。

男性的な官能と女性的な艶が、そしてありとあらゆる魅力が、何もかも常人離れした練度で兼ね備えられており──冗談ではなく、一目見ただけでは、『彼』か『彼女』かも分からない。

中性的やボーイッシュなどという言葉ではとてもじゃないが語れない、まさに性差すら──いや、人間という種族の枠組みさえも、軽々と飛び越えた美の極致。


一 恣紫。

それが──僕の知り合いである、彼の名前だった。


──その名字は、漢数字の1と書く。

二の前が一だから、『にのまえ』。

それは、誰よりも頂点に立ち、二つとして並び立つものがない、覇者のみが許された数字だ。


そして、その名前は、”勝手気まま””欲しいまま”という意味の『恣』。

それと、彼のトレードマークの、差し色として数束染められた、前髪のメッシュと。

同じく奴の最大の特徴である、誰もかもを一瞥するだけで、ことごとく自らの従順な奴隷として、心ごと虜にしてしまう、魔性の瞳の、その色──『紫』。

それらを合わせて、『しし』と読む。


意図したかしていないかは分からないが、古来より地上最強の生物と呼ばれている『獅子』と同じ音で、彼の名前は構成されていた。

駆ければ風を切り裂き、吠えれば全てを屈服させ、戦えばその姿は──神にすらなぞらえられる、生きる幻獣。

百獣の王、権威の象徴。

走る姿は迅速勇猛、鬣の意匠は絢爛豪華。

強く、気高く、美しい、まさに王の中の王。それが、獅子だ。


──名は体を表すという諺が、古来から現在に至るまで、確かな事実として受け継がれているように。

名前とは、その人間の性質を表すための、最も手っ取り早いレッテルと言える。

そういった意味では、彼の名前は、どうしてだろうか──まるで未来を知っていたかのように、これ以上なく、彼の威容にぴったりと合った、正確な言葉で表されていた。


彼の名前を構成する言葉は、普通の人間なら、背負いきれずに潰れてしまうほど、重い期待を負ったものだ。

しかし──それでも、一度彼のその威容を見れば、まさにその通りだと思わせるほど。

その重すぎる重圧さえ跳ね除け、むしろ涼しげに乗りこなし──更には、その程度では、まるで彼を讃えるのには足りないとすら、心の底から思わせる。


彼は、その名の通り。

うっとりと溜息を吐くほどの、圧倒的な王者のカリスマと美しさを持つ、生まれつきの覇王、『獅子』であり。

思いのままに振舞うだけ、気まぐれなほどにやりたい事をやるだけで、その何物にも縛られない奔放さと、野生的な悠然さを──社会的な行動規範に従わなければ生きていけない、奴から言わせれば”弱者”となる人間に、圧倒的なまでの存在の格の差として見せつけ。

そして何よりも、ただただ鮮烈な、怖気が走るほどの色気により──野放図な放蕩ですらも、むしろ宙を自由にひらひらと舞う、エキゾチックな大翼の蝶のように見せ、誰しもをその深紫の色で魅了してみせる、『恣紫』なのだ。


名実一体という言葉を、これほど明快に証明してみせた存在も、そうはいないだろう。

そう唸らせるほどの、あまりにも圧倒的な傑物っぷりと、絶対的な王者の様相。

人を魅了して、従える事に関しては、間違いなく右に出る者はいないと言い切れるほどの、天賦の才を持って生まれた彼はまさに──人の身を外れた、淫魔そのものだった。


「カレー、スパゲティ、ラーメン、ハンバーガー……」


そんな恣紫は、すっかり気を抜いたように片頬杖をつきつつ、統一感のないファストフードの名前を、画面のスクロールに合わせ、つらつらと述べていく。

──そう言えば、今日は二人して、朝から何も食べていない。

彼の呟きの内容からして、そろそろ腹が減ったから、この近辺で外食できる場所でも探しているのだろう。


けれど──その口から出る単語は、彼にはまるで相応しくないと、そう感じてしまう。

何故ならば──彼の容姿、そして風格。

それらは、もはや神々しいとすら言えるほど、この世に二つとなく美しいものであったからだ。


だからこそ、これは本来、外野が口を出すようなことではないのだろうが──彼には、安っぽくパサついたバンズと、やけに塩っ辛いパティの、百円や二百円そこらのバーガーなど、絶対に相応しくないと断言する。

その、珠の音色を奏でる喉に、品格高い煌めきが乗ったグロスの唇に、ただ腹を満たすだけのジャンクフードが入るなど、あってはならないことだ。


そう、彼の口に入るべきは、たった一口サイズに切って焼いただけで、庶民がため息を吐くような値段が付けられる、最高級のシャトーブリアンの塊であり。

彼の血を構成すべきなのは、下手な人間の来客よりも丁重に、もてなすような待遇で何年何十年も熟成を続けられ、甘やかされきって寝かされた、特級ぶどうのヴィンテージワインなのだ。


──もちろんそれは、恣紫に魅了された者が言う、勝手な妄言でしかない。

飯ぐらい好きに喰えばいいし、彼が何を食べようと文句をつける筋合いも無いと、ほぼ全ての人間は、それを理性では理解してるものの──しかし、彼の纏う、威圧的なまでの王者のオーラは、人々の認知すら歪め、それを心から確信させてしまう。

恣紫の、殺人的な容姿の端麗さと、絶対的なまでのカリスマ性は──誰もかもを心酔させ、虜にして、やがては神や悪魔にそうするように、心から屈服し、崇拝させてしまうのだ。


そう、彼の眼差しは──人を殺す。

ただ、視線を合わせただけで、完膚なきまでに屈服させ、骨を抜き、心を壊す。


宵闇を凝縮して、一つの水晶に閉じ込めたかのような、彼の濃紫の瞳は──覗き込んでしまえば、二度と目が離せない。

脳の奥まで焼き尽くすような、強い多幸感と快感に犯され、無理やりに魅了させられてしまう。


眉唾どころか、作り話にしたって下手なものだとは思うが──信じられないことに、それは今にも現実に起こっていることで。

例えば、そう──恣紫の、すぐ三歩後ろ。

彼の傍らには──ロングスカートの美女が一人と、ニットパンツの美女が一人。

空いている席にも座らず、ただじっと、彼を見つめたまま、黙って立っていた。


ロングスカートの彼女は、いかにも利発そうな銀縁の眼鏡と、清楚ながらも華やかな、洒落たワンピースに着飾っており──仕事も勉学も、プライベートの遊びや恋愛も、何でもそつなくこなす、ハイスペックな女性という印象を受ける。

その体型も、すっきりとスリムな痩せ型で、脚も長くモデルのよう。

あまりこういった事を、ずけずけと上から評価してみせるのも大変失礼ではあるが──その顔もまた、アイドル並とまでは言わないが、合コンに出れば、男を好きなように選り好みできる程度には、綺麗に整っていた。


そして、ニットパンツの女性は、それとは対照的に活発な印象を受ける、茶髪のウルフカットに、シンプルな黒のトップスを合わせており──こちらはどちらかと言えば、大学生らしく快活に、スポーツやレジャーに励んでいそうだと、漠然とそう思った。

体格は小柄で、身長は小さいものの、出るところは出て引っ込むところは引っ込んだ、まさにトランジスタグラマー。

こちらもまた、彼女さえ望めば好きなだけ恋人を作れそうなほど、非常に男性受けが良さそうな、人生で会った仲でもトップレベルの美女であった。


と、そんな二人は──何をするでもなく、両手に何やら荷物を抱え、ただじっと佇んでいる。

恍惚とした眼差しで、国宝を預かっているかのように──汚れや傷を一つでも付けようものなら、その場で舌を噛み切ってしまいかねないというほど、異様に張り詰めた面持ちで。

どこででも手に入るような、何の変哲もない、大量生産品の安物バッグの手を、ただ黙って握りしめていた。


彼女らは、一言も発さずに、空いた椅子に座ることも無く、ただ立っている。

まるで、恭しく主人に仕える、従順なメイドのような。

いや──それよりかは、一生を祈りに捧げ、経典に従うことだけを追求した、信心深い宗教家が、全能の神と対峙してしまったかのような。

そんな、狂気じみて強い歓喜と、絶対的な崇拝の感情を、彼女らの静かな微笑みと、柔らかな物腰の奥に感じて、背中に汗が伝った。


──彼女らが手に持っているのは、他でもない、目の前に座った彼の荷物だ。

その男は、二人の美女を奴隷の如く侍らせ、あろうことか学生だらけの大学のカフェテリアの中で、荷物持ちをさせていた。


もしそれが、彼によって強要されているのならば、あまりにも倫理に背いた、唾棄すべきクズの所業だ。

これだけ人目も多い場所だ、僕が彼を責め立てたら、多くの人が加勢してくれるだろう。

いや、その前に、そもそも──誰かがこの異常な光景を撮影し、ネットリンチにかけるためにSNSに投稿していても、何らおかしくはない。

今にも僕が振り返れば、ひそひそと後ろ指を向け、ゴミを見るような目線を向けている学生が、遠巻きにこちらを見ているはずだ。


そう──本来なら、そのはずだった。

僕は、ちらりと後ろを向く。

こちらを血走ったように凝視している、羨望を隠そうともしない、嫉妬の目。


男も女も、誰もかもが──荷物持ちの女たちに、嫉妬を向けている。

何故かと言われたら、当然。

彼の傍に侍ることを、許されているから。


あの淫魔じみて美しいあの男の、奴隷になりたいと。

誰もが、そう心から感じているからだった。


「んー、宅配ピザ、か……。結局これが楽なんだけど、昨日も一昨日も食べたから、流石に飽きてきたな……」


けれど、それでも。

そんな異常な空間の中で、数えきれないほどの人間から、寒気がするほど盲目的な崇拝の目線を浴びてなお。

恣紫は動じることもなく、むしろ一層気を抜いて、だらりと身を投げ出すように、テーブルの天板に上半身を寝そべらせていた。

その態度はまさに、この光景が、彼にとって日常茶飯事であることを表していた。


そもそも恣紫は──言葉通り、数えきれないほど多くの女性と、関係を持っている。

それは、いわゆるセフレの関係でもなければ、友人でもなく、ましてや恋人でもない。

ただ、恣紫が喜ぶように動き、恣紫にとって都合がいいモノになるべく動く──奴隷未満の家畜。

今もそこで、じっと黙って立ち尽くす、二人の女性のように──ただ、恣紫に尽くすことだけを生きがいにして、人生を恣紫のために使い潰そうとする人間が、少なからずここには存在するのだ。


例えば──こちらを嫉妬心丸出しで睨む、あの大勢の学生。

ああして、醜く鋭い目を向けるような真似は、恣紫は好まない。

そういった事をするのは、おそらくまだ取り返しがつく程度にしか魅了されていない、軽症の人間だ。

きっと、大学の構内かどこかで恣紫とすれ違い、その時に彼にちらりと流し目を送られたとか、その程度の関わりしかない者だろう。


その程度の人間を、恣紫は抱いたりはしない。

彼の傍に仕え、彼への奉仕を許される女性は──もっと意思を捨てて、ただの人形に成り果てた者だけだ。


本当に取り返しがつかないのは──ただ黙って、静かにこちらを眺め、恍惚としたため息を吐く女。

狂いそうな情欲と羨望を押し殺しながらも、決して恣紫の迷惑にならないよう、自分は背景に徹して、それでも恣紫の美貌から目を離すことができない。


──ただ座っているだけで、彼の蠱惑は、ここまで強く、人の心を俘虜にする。

まるで、剥き出しの核融合炉だ。


「ねー、親友。なんか昼飯の良い案ない?恣紫さん、考えるのもめんどくさくってさぁ……」


机の上に寝そべったまま、恣紫は甘えるような上目遣いで、こちらをじっと見つめる。

僕の事を、懐っこく”親友”と呼びながら。

まともな人間が食らったら──比喩でも何でもなく、一発で廃人になるくらい、ギャップの効いた可愛らしい仕草。

それでいて──恣紫を知る人間からすれば、絶対にあり得るはずがない、奇妙な姿でもある。


──僕で良ければ、昼は何か適当に作ろうか?


唇が震えそうになるのを、意識して抑えながら、僕は彼に向かってそう問いかける。

恣紫は、返事をする代わりに──僕以外からは誰にも見られないように、小さく、へにゃりとふやけた笑みを返した。


──恣紫は、その態度こそ軽薄なように見せかけてはいるが、その実、人嫌いをかなり拗らせており、その点では非常に頑固だ。

自分に話しかけてくる相手には、苛立った態度を取ることはないが、必要のない会話には応じようともしない。

また、セックスは不特定多数の人間と、毎日と言っていいほど欠かさず行うくせに、ボディタッチは非常に嫌い、腕を伸ばせば指先一本でも触れてしまう範囲には、他人を絶対に入れたがらない。

パーソナルスペースが非常に広く、またその領域は絶対的で──おそらく一日恣紫の様子を張り付いて監視していても、彼を中心にして半径2mの範囲に人間が入る瞬間は、きっと数えるほどしかないだろうと言うほどだ。


生きにくいだろうな、と。

彼と同じ人生を歩んだことも無い人間の、薄っぺらい同情ではあるが、どうしてもそう考えてしまう。


だって──そんなルールは、彼の優れきった容姿では、守り切れるはずがない。

ただでさえ、その口元をマスクからちらりと覗かせただけで、彼が最も嫌う、きゃあきゃあと昂った金切り声が、無数に飛び交うような美貌を持っているのだ。


恣紫が、自分に懐くような奴が嫌いだ、と、いつかそう溢していたことを思い出す。

きっとそれは、少しでも恣紫の気を引こうと、喧しくまとわりつくような輩が、過去にどこかで居たからこそ吐いた愚痴なのだろう。


だからこそ、だろうか。

今の恣紫の周りには、彼が不快に感じるような、耳障りな人間は一人もいない。


今日だって、そうだ。

昼時のカフェテリアは満席で、見ず知らずの相手と相席になってしまっている人や、立ってサンドイッチを食べている人すらも居るのに──僕達が座っている席の、周囲一マス分の席は、ガラ空きになっている。

おおよそ数えて、半径5m。

その距離は、必ず空席にしておくという不文律が、この空間には存在していた。


──何も、恣紫がそう命じた訳ではない。

むしろ彼は、例えそれが自分の近くであっても、椅子に座って食事する程度は勝手にすればいいと、許可さえ出している。

いや、そもそも──席を空けろと命令する権利なんて、元々ただの利用者である彼にはないはずだ。


だが、皆が勝手に、恣紫に媚びるため。

集団心理に気圧されて、誰も座らないから気まずくて座れないから、などという消極的な理由ですらなく──恣紫の機嫌を損ねないために、そうしているに過ぎない。


──もっと言えば、彼に仕えている女性たちだって、そうだ。

恣紫が自分からセフレを募集したことなど、一度だってない。

ただ、恣紫のあまりの美しさから、過度のストレスに自我を喪失した人のように、半ば発狂してしまった形で──相応の貢ぎ物を持って、女性が跪きに来るだけ。

どうか、自分の財産も、自分の身体も、自分の心も、全てを貴方のために捧げることを許してほしい、と──勝手に、彼に頼み込むのを、恣紫はほとんど嫌々、受け入れているだけだ。


大学生活、一年目の春。

入学式から一か月あまりという、たったそれだけの時間で、目の前の恐るべき男は。

この大学中を、自分の城として扱えるほどに──掌握しきっていた。


「……なんかさ、こういうのって、食事の時だけじゃなく、結構ありがちだよね。選択肢が多いと、かえって選ぶのが面倒くさくってさ……もう、いっその事、誰かに丸投げしてしまいたくなる」


かつかつと、彼の長い爪がスマホの表面に当たり、耳心地の良い音を出す。

それと共に、透き通るように静かな声が、騒がしいカフェテリアの中を、染み込むように通ってゆく。

決して、声を大きく張り上げている訳ではない。

ただ、彼の透き通るような声は、張り詰めた糸を弾くように、どこまでもよく響くというだけだ。


──そして、彼の声は、ただ通りがいいだけではない。

それを聞くだけで、鼓膜から直に脳を愛撫されるかのような、恐ろしいまでの妖艶さが伴っている。


コールタールのようにどろどろと粘ついて、それでいて鼓膜にへばりつくほど甘ったるくて。

かと思えば、鈴の音のように爽やかで、いちいち腰に響くほど蠱惑的な、不可思議な音色のハスキーボイス。


その魔性の声を以てして、何事かを囁かれたなら──もう、それだけで、脳が溶け尽くす。

そんな、致死の猛毒じみた、あまりにも危険なカリスマ性が、彼の声には確かに備わっていた。


「……今日だって、そうさ。もちろんお腹は空いてるし、折角なら美味しいものも食べたいけど、いちいち頭を使いたくなくて、結局いつも通り、キミに決めてもらった」


彼は、手に持ったスマホの電源ボタンを、軽くかちりと押し込んで、ポケットにしまった。

どこか憂鬱げな、陰のある明眸が、流し目に窓の外を向く。


──あまりにも深い蠱惑を宿した、アメジスト色の瞳。

一目と見れば、正気を失ってしまいかねないほど、超越的な魔性を感じさせるそれが、窓から差し込む光に照らされて、宝石のように瞬いた。

少しは慣れたと思っていたが、彼のその姿を見ると──ぶわりと全身に鳥肌が立ち、脂汗が流れ落ちる。


その横顔は、あまりにも綺麗で、むしろ世界の理を超えた、不気味な化け物の姿とすら思えてしまう。

あまりにも完璧すぎて、不自然。

艶美を極めすぎていて、恐ろしい。

それは、例えるなら──超自然的な存在に対して抱く、畏れや敬いにも似た感情だった。


そう──もしも、天使や女神というものが、本当に存在するのだとしたら。

あるいは、悪魔──もっと言えば、人を誑かして堕落に導く、淫魔というものが、もし人の世に降り立ったなら。

それはきっと、目の前の彼のような姿をしているのだろうと、漠然とそう思えるほどに。


「多分……本当は、興味がないからなんだろうね。食事だけじゃなくて、生きる事に関する全てに、さ」


退屈そうな目で、自嘲するかのように、彼は乾いた笑い声を上げる。

そんな、何もかもを諦めたような、無気力な姿ですら──人を堕落に導く淫魔を思わせるほど、寒気がするほど美しい。

その、どこか淫蕩な、底なしの沼を思わせる蠱惑は、くらくらするほど深い紫の、彼の瞳によって生み出されているだろう。


──人の顔の印象は、おおよそ八割が、目の形により付けられるものだとされている。

そういった意味では、恣紫のその瞳は、彼の圧倒的な美しさの根源と言える。


細く切れ長な、甘く釣り上がった瞼。

きつい印象は与えないが、決して人懐っこくもないその形は──誰かに好意を抱かれても、その相手を拒絶することは無いが、決して心を開くこともない、彼の独特の距離感を表すようだ。


眠たげに目を細め、柔和に微笑んでみせても──その実、心の底は冷え切っていて、他人には何の情も抱いていない。

ある意味で、明確に嫌悪を剥き出しにされるよりも脈がなく、どんなに刺々しい言葉をかけられるよりも冷酷な、諦観。

人間よりも遥かに上位の存在、例えば神や悪魔がそうするように──端から自分以外の生命全てを下等な存在だと見限るような、傲慢で高圧的な視線は、しかしどこか寂しげで。


だからこそ、人々はその眼差しに畏怖を抱き、崇拝の感情を向け、そして──その視線がいつか、自分に向いている時に、ほんの少しだけでも温かくなることを夢想するのだろう。


「だからさ、必要なことは全部、誰かがやってくれればいいのに、なーんて思うんだよね……。そしたら俺、なーんにもせずに、遊んで暮らすのにさ……」


だらけた姿のまま、恣紫は僕の目を見て、縋るようにそう言う。

宝くじで数十億円を当てるような、できっこない下らない夢を語るみたいに、やはり自嘲気味に笑いながら。


──もしもそれを語られたのが、僕以外の人間だったなら、二つ返事どころか、彼がそう言う前に、彼の全てをお世話しようとするのだろう。

ただでさえ、彼の周りには、そういった人間で溢れている。

それは、わざわざ僕に向けて、そんなニュアンスで言わなくとも、じっと黙っているだけで叶う願いだろう。


僕は、訝しみながら、そう返事をした。


「……ま、そうだね。でもさ、俺……イヤだよ。俺以外の生き物が、ずっと俺の傍に居るのとか、耐えられないよ。死んじゃう」


──耳を澄ますまでもなく、いやに透き通った彼の声は、誰にだって届いているはずだ。

彼の後ろで荷物持ちをしている女性はもちろん、僕らとは食堂の対角の隅っこに座り、黙ってカレーを貪っている学生ですら。


だからこそ、彼のその言葉は、残酷なまでに、全員の心を折ったはずだ。

お前等に世話されるなんて、死んでも御免だ。

命を捧げてもいいとすら思っている、熱烈な信者に向かって──オブラートに包みもせず、そう言い放ったのだから。


だが、僕の予想に反して──この場の空気が冷えるようなことは、一切起きなかった。

まさかとは思うが──それすらも納得した上で、彼女らは恣紫に魂を売ったのか。

そして、目の前のこの男も、それを知った上で、彼女らを扱っているのか。


僕は、生唾を一つ飲み込んで、口元を強張らせる。

きっと他人の人生なんて、心の底から、彼はどうでもよく思っているのだ。

目に見えるところで破滅しようが、その事に感情を動かされることは、絶対にない。

肝を冷やしながら、僕はほぼ溶けた氷だけになった、手元のアイスコーヒーを一口呷った。


──しかし、だからこそ、疑問が残る。

だったら何故、そんな理想を、僕に向かって打ち明けたのか。


あれは確かに、僕に何かを求めているかのような──つまり今回なら、僕に『養え』と求めるかのような態度だった。

だが、同じ屋根の下暮らすどころか、話しかけられることすら強く嫌悪する彼が、まさか僕にそれを求めるなんて──


「キミは、特別だからだよ」


──心を読んでいるかのような、一言。

脈絡なく告げられたその言葉に、僕は心臓がひっくり返りそうになるほど驚いて、コーヒーカップを手元から取り落とす。


大きな音を立てて、陶器のカップが割れると──恣紫は、心から可笑しそうに、くつくつと静かに笑う。

そんな様子に、ますますぞっとしつつ、カップの破片を掃除しようとすると。

いつのまにか、床は綺麗に掃除されており──顔を上げると、箒とちり取りを持った二人の女性と目が合う。

そして、呆気に取られた僕は、感謝の言葉を言う暇も無く、恭しい一礼を受け取ったまま、黙って地べたを見つめていた。

眺めても眺めても、陶器の粒一つ残ってはいなかった。


──理由は分からないが、恣紫に懐かれていることは、とっくに知っていた。

それはそれで、何が切っ掛けかも分からず、不気味ではあったが──嫌われてるよりはよっぽどマシだと、そう自分に言い聞かせることができた。


だが、近頃は、何故だろうか。

彼の取り巻きにすら、恣紫に対するそれと近しい目線を向けられているような、そんな気がしてならない。


いや──気がするではなく、きっと、そうなのだろう。

恣紫から最も近い場所で、誰もが喉から手が出るほど望んでいる、利害関係のない雑談に興じているのに、誰からも疎まれるような目線を向けられないのが、何よりの証拠だ。


どうしてか、恣紫と多少喋れるだけの身分の僕が、恣紫と同格に扱われ、遠巻きに見られているような感覚。

世界が遠ざかっていくかのような、世界から切り離されていくような──不思議な薄気味悪さと、悪い予感に満ちて、何もかもが恐ろしくなる。


「……親友はさ、世界でたった一人だけの、親友なの。後にも先にも、キミだけ。俺の世界に、俺とおんなじ生き物は、キミしか居ないんだ」


肘をつき、頭を手のひらに乗せたまま、僕だけを見て、彼は言う。

僕だけを、見ている。

自惚れでも何でもなく──彼の荘厳な瞳には、今、僕しか映っていない。


度々彼は、僕に向けて、じっとりとした執着を向けることがあった。

しかし、僕はその目を向けられる度に──責められているような、そんな気分になってしまう。


何故なら僕は──恣紫が蛇蝎のごとく嫌っている、雑多な信者たちと、本質的には同じだからだ。

こうして喋っている時も、僕は何でもないような顔をして、彼が望むように、普通の雑談相手として振舞ってはいるが──本当は、その魅惑の美貌を見るたびに、その妖艶な声を聴くたびに、背筋が痺れ、脳が焼け爛れているのを、ただ黙っているだけ。

ため息を吐きそうになるのを、ただ静かに、耐えているだけだ。


だから、僕はいつも、彼に話しかけられるたび、騙しているかのような後ろ暗い気分に駆られる。

恣紫が僕のことを、何故か高く買っている理由は、きっと──僕がただ、彼の威光に圧倒されず、人形のようなイエスマンに成り下がらない、気兼ねない雑談の相手になってくれるからだという事は、何となく察していた。


けれど、僕がそうしているのは、そういった普通の関係が、彼にとって望ましいものである事を、知っているからだ。

だが、僕の表情を一皮剥けば、すぐ後ろで彼の荷物を持っている、彼の嫌いな『人形』と同じになる。

それを──果たして彼は、知っているのだろうか。


「……だから、そうか。さっき言ったのは、間違いだ。本当は、ね」


──知っているのだろうとは、思う。

そもそも彼は、ただ顔がいいだけで食っている、そこいらのホスト崩れとは違う。

その容姿だけではなく、知能も膂力も精神力も、そこいらの人間とは比べ物にはならない。


恣紫はよく、冗談交じりに自分のことを”最強で無敵で天才だ”などと評することがあるが──実際に彼は、どの側面を見ても人間離れした、才覚だらけの怪物なのだ。

人の心を読み透かし、脳内まで丸裸にしてみせるなんて、きっと造作もないことなのだろう。


──それでも。

彼は、僕に向けた視線も、執着も、逸らすことはない。


「生きるために必要な事は全部、”キミ”がやってくれればいい。俺はただ、キミの傍で、ゴロゴロしてるから、さ」


彼はじっと、僕の目を見る。

目線を外すな、と言外に命じるように、強く妖しい光を込めて、じっと。


「ちなみに俺、けっこう本気だよ」


──ともすれば、プロポーズとすら取れるほど、真っすぐな眼差しと、飾りのない言葉。

彼はいつも人を従え、不遜な王として君臨しているからこそ、その言葉にはいつも嘘偽りはない。

世界中の誰よりも偉い俺が、わざわざ他人の顔色を窺って嘘を吐くなんて、そんな無駄なことをすると思うか?──と、いつか恣紫が、そう語っていたことを思い出す。

その言葉が本当なら、彼は今も、ただ正直に、自分の望みを僕に伝えているのだろう。


そう考えると──これは、恣紫にとっては、あり得ないイレギュラーだ。

普段の彼は、いちいちご機嫌を伺うような輩を嫌い、世話を焼かれる事すら好まない。

今も彼に侍り、雑用をするために周りにひっつく女性たちも──本来は、にべもなく断られるはずだったのを、一応彼なりに気を遣って、そこまで強く願うならと、傍仕えになることを許しているだけなのだ。


それを──僕ならば、どれだけ近くに居てもいい。

気を抜いて、無防備な寝姿を晒しても、構わない。

そう語っているのだから、これは彼なりに最大限の愛着の表現なのだろうと、そう解釈するしかない。


──恣紫は、目だけは笑っていない、貼り付けたような微笑みのまま、黙って僕を見つめていた。

そうして、五、六秒ほど静止して──ふっと、ようやく目元を緩めて、くすりと声を溢す。


「……ま、そこまで嫌だって思うんなら、しょうがないけど」


にこにこと、ひたすら上機嫌に、彼は続けてそう言った。

──僕にとって、それが堪らなく恐ろしくて、嫌だったことを見抜きながら。


もちろん、彼の事が嫌いだとか、そう思っている訳ではない。

ただ──耐えられない。

一 恣紫という、艶美と淫蕩のカタマリが、ずっと傍にある事が。


──言うまでもなく、彼自身は、ただの女好きな男であり、野郎に対してそういった感情を持つことはない。

だから、この誘いにそういう意図はないことは、火を見るよりもだろう。

──普通に、考えれば。


「……あー、もしタダ飯食らいが嫌なんだったら、さ。めんどくさいけど、払えるものくらい、ちゃんと払うよ?」


ぱん、と。

両手を合わせ、彼は何かを閃いたかのように、演技がかった口調と動作で、僕に問いかける。

いつも冷めた彼には似合わない、心から愉快そうな表情と声のトーンで。


──そのまま、彼はずいとテーブルから身を乗り出して、こちらに顔を近づける。

だぼついたオーバーサイズのジャケットと、これまた襟元の緩いインナーから、病的なほど白い胸板が覗いた。


「例えば……そう、”私”のカラダとか、さ……♡」


そして──彼が口を開く、その一瞬。

まるで外界と僕達だけが切り離されたかのように、ぴたりと周囲の音が止み、二人の声だけが残る。

自分の呼吸の音や、心臓の鼓動までもが、痛いほど自分の鼓膜に響いて、くらりと意識が傾いた。


そのまま、視界までもがぐらりと揺れて──気が付けば、僕の目の前の、細身ゆえに薄めの胸板。

肩幅も小さく、脂肪も一切ついていないはずの、その場所には。

──ずっ……しりと。

テーブルの面積を、卑しくどっかり占領する、乳肉の塊があった。

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導入案・2

──よく晴れた、春の日。

大学の中の、混雑したカフェテリアの中で、僕はぼんやりと携帯を弄っていた。


この一室は、日がよく差し込むように作られており、なおかつパソコン作業もしやすいように適度に薄暗い。

エアコンにより、室温も常に適温に保たれており、居心地は抜群。

そのため、学生たちはこぞって、ここを絶好のたまり場として扱っている。


特に、一限か二限分だけ講義のコマに隙間ができて、一時間ちょっとという半端な空き時間を潰さなければいけない人間たちにとって、このカフェテリアはなくてはならないものだ。

僕もまた、その例に漏れず、一番安いアイスコーヒーを片手にスマホを弄って、意味もなく料理の動画なんかを眺めて、退屈しのぎに耽っていた。


「あの、すみません……!少しお伺いしたいことがあるんですけど……!」


──イヤホン越しに、聞き覚えのない女性の声が、僕の名前を呼んだのは、その時だった。

振り返って、声の出処を確認してみると、そこに立っていたのは──顔も名前も分からない、容姿の整った女性。

涼しげな水色の、洒落た半袖のワンピースに、ブランド物だろうか、控えめな大きさの肩掛けバッグを提げていた。


おそらく、初対面の女性だった。

ならば当然、彼女が僕の名前なんて、知っているわけがない。

けれど、その女性は、間違いなくフルネームで、僕を呼んだはずだ。


考えられる可能性は、二つ。

僕が、彼女と親交があったことを、すっかり忘れているか。

あるいは、僕の顔と名前が、見ず知らずの女性に伝わるほど、僕自身が有名になっているか。


正直、こんなに綺麗な女性を忘れるなど、それも考えにくいことではあるけれど。

しかし、まあ──どう考えたって、可能性としてあり得るのは、前者しかないだろう。


──などと、以前の僕ならば、そう考えていたに違いない。


だが、しかし、僕は。

彼女が、僕を呼んだとき──ああ、いつもの事か、と。

見知らぬ女性が、僕に質問を投げかけてきているこの状況に、慣れ切った対応を行うことができた。


──まあ、立ち話もなんですから、どうぞ座ってください。


こんな事を、自分で言いたくはないが──僕は、生まれてから一度も、彼女というものができたことはない。

それどころか、女友達の連絡先すら、片手で足りるほどしか存在しない。

要するに、僕という人間は──女性経験はごく薄く、女慣れという言葉とは、対極的な存在なのだ。


──思えば、見ず知らずの女性に声を掛けられたことなど、大学に入るまでは一度も無かったかもしれない。

よくよく思い返し、小学校や幼稚園あたりまで脳内を遡っても、女性から呼び止められるなどという出来事は、ティッシュ配りのノルマを減らすためか、落とし物を拾ってもらったことくらいしか、記憶にない。


それが、どうだろう。

今となっては、僕がよく利用しているカフェテリアまで、わざわざ暑い中足を運んでまで、こうして話しかけてくる女性も、全く珍しくはない。

顔も知らない人間に、それも異性である男に、意を決して突撃してくるなんて、相当な度胸がいる行為だろう。

だというのに、こういった手合は後を絶たないというのだから──その心理的負担を覆すほどの、よっぽどの理由が、僕にはあるということになる。


決して、それは自惚れではない。

こういった状況が生み出される原因は、僕も理解している。

そして、その原因が、彼女らにとって”よっぽどの理由”足りえることもまた、重々承知している。

更に、僕自身が、少なくともこの大学内という、かなり広いコミュニティの中で、かなりの有名人としての地位を確立していることも。

全て、嫌と言うほど、自覚していた。


──恣紫さんのことですか?


緊張した様子の彼女が、口を開くよりも先に、僕はストローから口を離して、そう問いかける。

そうすると、興奮したような様子で、女性はこくこくと、頭と一緒に、握りしめた手まで胸の前で上下に振りながら、肯定の意志を返した。


ごろん、と、手に持っているプラスチックの容器の中で、溶けて滑った氷同士がぶつかる音がする。

彼女は、ふんふんと鼻息を荒立てて、食い入るように僕を見つめていた。

早く続きを、情報を──という、非常に熱のこもった、熱い目線だった。


やっぱり、そうだ。

この人も──あの人間離れした美しさの男に、どうしようもなく心を奪われた、大量の被害者のうちの、その一人なのだ。


あの美貌。気だるげな態度。秘密と謎に溢れた素性。

そういった、不可思議な魅力に囚われ、ソレのことしか考えられなくなった、言わば──獲物。

あと少しで人生が狂ってしまうくらい、取り返しがつかなくなるほど、ソレに心を鷲掴みにされてしまった、操り人形のような存在が──ぱっと見渡せばごろごろと見つかるほど、この大学内に蔓延っている。


本当に、つくづく、背筋が冷える。

ただ、作りもののように顔が良くて、あり得ないくらい美しい容姿をしているという、ただそれだけの理由で──ありとあらゆる人間を、ここまで突き動かすほど、堕としてしまえるのか。


まるで、災害だ。

そんな規模の美男美女なんて、アイドルファンがSNSで宣うような、過剰に盛られた褒め言葉くらいでしか、聞いたこともない。

そんな人間離れした所業を、現実でやってのける存在なんて──まさに、悪魔としか言いようがない。

冷や汗が、つうと背筋を伝った。


「……あの、お顔が優れませんけど、大丈夫ですか?熱中症、という訳ではなさそうですが……」


もしかすると、顔が青ざめていただろうか。

それに気づいた女性は、そっと水の入った紙コップを、手元に差し出してくれる。


それを見て、僕は、その気遣いに痛み入ると共に──ますます、気が滅入るような心地を覚えた。

目の前の女性は、その魔性の存在のことを、更に深追いしようとして、僕に話を聞きに来ているのだ。

はっきり言って、それは底なしの蟻地獄に、自ら身投げするようなものなのだが──果たして、どうしたものか。


何となく気まずくなって、ごりごりと後頭部を掻きながら、ちらりと視線を横に流す。

その時に見えた、カフェテリア内の何人かは──僕達の様子を見て、ああ、またか、という顔をしていた。


僕も周囲も、こんな状況を、いつしか当たり前と認識し始めている。

無理もない。こうして、僕の下に人が訪れるのは、これで今週三度目だ。

確か、今日は金曜日だから──つまり、ざっくり言えば、二日に一回は、こんなイベントが発生している計算になる。


それが、数か月は続いているのだから、そりゃあ慣れもするだろう。

こんな状態になり始めたころ、女性から声を掛けられて、舞い上がっていたのが懐かしい。


──あの、申し訳ないんですけど、僕から言える事は、そんなに無いですよ?


一人熱くなる目の前の女性を、態度で制するように、努めて冷静に、そう返事をする。

けれど、まあ──その程度で、彼女の興奮は、治まりはしないだろう。

そんな予想を裏付けるように、女性は両手を合わせて、そこを何とかと僕を拝み倒す。

僕は、ため息を一つ、噛み殺した。


──僕は、この大学内の学生としては、それなりに勤勉な方だと自負している。

とは言え、単位の都合上、毎日ここに通っている訳ではないし、ごく稀にだが、サボることも多少ある。

それに、こうしてカフェテリアで暇つぶしをすることも、他人よりはかなり多いものの、それにしたって毎回ここで時間をつぶしている訳ではないし、そもそも利用するにしても、せいぜい一時間強がいいところだ。


だと言うのに、今週三度目。

よく考えなくても、二日に一回というのは、相当少なく見積もった数だろう。


異常な事だと思う。どれだけの人間に、奴はコナを掛けているのだろうか。

しかも、おそらくは無意識で、利用してやろうという悪気すらなく。

ただ、その気だるげな横顔を見せつけて──それだけで。

人間の心を、ここまで支配し尽くしてしまえるのだから、まさに奴は淫魔そのものだ。


それに──この女性の、血走ったような飢えた獣の目。

もう、なりふり構わずに、とにかく一つでも僕から情報を奪ってやるという、命がけとすら言える必死さ。

本当に、心の底から魅了されきっていることは、誰の目から見ても明白だろう。

哀れみすら、抱いてしまうほどに。


そう──こうして話しかけてくるような人は、大抵はもう既に、手の施しようがないくらい、”アレ”に夢中になってしまっている。

だから、僕がこれ以上深みに嵌まらないため、情報を出し渋っていても──あるいは、本当に話すことがなくても、必死になって食い下がる。

そんな人を、毎回毎回、こうしてあしらうのは──流石に少し、疲れてしまう。


そんなことを考えていたのが、少し顔に出ていたのだろうか。

目の前の女性は、はたと気まずそうな表情をして、椅子から身を乗り出すのをやめ、改めて深く座り直す。


「……もちろん、あのお方に許可もなく、連絡先を教えて欲しいなんて言いません。ただ、そう……趣味とか、好きなこととか、そういう話題になりそうな事だけでも、聞きたいんです……!」


少しは冷静になったのだろうが、頭が冷えてなお、彼女は引き下がらない。

きっと、それほどに本気なのだろう。

彼女の熱意と、悪意のない純粋な眼差しが、むしろ始末に悪かった。


──”アレ”は、確かに僕の知り合いだ。

恣紫さんの大まかな趣味嗜好についてなら、おそらくはこの大学の誰よりも、詳しく語ることができるだろう。

そういった意味では、僕に奴のことを聞くのは、正しい判断だと言える。


とは言え──恣紫さんの本性は、結局のところ、気まぐれで、移り気。その一言に尽きた。

一年と続いた趣味は一つもなく、そのくせ器用で物知りで、何事も短期間のうちにマスターしてしまう。

それ故に、ほぼ全てのジャンルについて、広く浅く──いや、広く深く知っているから、大抵の物事については、その道のプロと対等に語り合えるくらいだ。


だがしかし、紫雲さんはひどく飽き性で、面倒くさがりである。

特に、誰かから勧められた物や、強制されて行うような事には、とんと興味を示さない。


例えば──講義で言えば、必修の科目なんかは、僕が引きずらないと出席しないし。

合コンになんて、誰にどう誘われたって、絶対に着いていこうとしない。


そう──奴は、自分から興味を示した相手には、物怖じせずに話しかけに行くくせに。

誰かから遊びに誘われたり、深く時間をかけてコミュニケーションを取ろうとされると、それを非常に嫌がるのだ。


つまり、要するに。

アレに自分から、恋愛目的で近づこうとすると。

どうしようもないことに、そういう性分であるため──必ず、嫌われてしまうのだ。


だが──そんな輩のことを、一体どう説明すればいいのだろうか、未だに僕は分からない。

これこれこういう理由で、貴方は既に詰んでいますと、正直に全て打ち明けてしまうのは、あまりに残酷だ。

だからと言って、何も話さずにいたら、この女性は納得しそうにもなく。


けれど、でも、しかし。

ぐるぐると、思考を巡らせ、逡巡。

丁度いい落としどころか、もしくは上手い言い訳はないものかと、ストローに口をつけ、お猪口に収まる程度のコーヒーを口に含み。


そして、唇を離した途端──手元から、突然プラカップが奪われた。


「……ぷは。生き返る……」


──耳元一センチ。

至近距離で、ぽそりと呟かれたその声は、女性にしては低く、男性としては高く。

そして何より──隠しきれない色艶と、声そのものの甘さが、溢れるほどに詰まっていた。


ぞわりと、体中の産毛が総毛立つような、強い寒気。

それから、腕から背筋へと、鳥肌が広がる感覚が、鮮明に感じられる。


それは、例えるなら、耳元すぐそばで囁かれた時の、あの背筋がぞわぞわと甘痒く震えるような、快感とも不快感ともつかない、そんな感覚。

それを──正の方向にも、負の方向にも、何百倍にも増幅して、ぶつけられたかのような。

涎を垂らして、ただ次の言葉が紡がれるのを、ひたすら待ち続ける、麻薬中毒の腑抜けになりそうで──かつ、絶対に二度とその声を聴けないよう、自ら鼓膜を破り捨てて、聴覚もろともその声を拒みたくなる。

ひたすら不可思議で、ひたすら気味が悪く、そしてひたすら蠱惑的な、艶声だった。


ただ一言、そっと呟かれた、独り言。

それが鼓膜に届いただけで──これほどに、言いようのない恐ろしい感覚に陥ってしまう。


まるで──心の中を、無理やり塗り潰されるかのような。

自分と言う存在そのものが、全てその声の持つ異常なカリスマに侵されて、ただその声だけを求める、奴隷人形に成り下がってしまうような。


自分でも、噓くさいほど大仰な物言いだとは理解しているが、それを自覚してなお、全く過剰だと思えない、魔性そのものの声。

それを間近で聞かされて、思わず、息を一飲み。

それから、一秒二秒と時間をかけてその声を咀嚼して、そうして──身を大きく、またもぶるりと震わせながら。


ほぼ反射的に、首をほんの少しだけ、左側へと回した。


その瞬間、目に飛び込むのは──美という言葉では、到底語り尽くせないほどの、整い過ぎた相貌。

華憐で、華奢で、愛らしく、女性的で。

それでいて、堂々と、野生的で、凛々しく、男性的で。


眠たげに半ば閉じられつつも、射抜くような鋭い光と、どこまでも吸い込まれそうな深淵の暗闇を、合わせて溶き交ぜたような色を、くっきりと濃く魅せる桔梗色の瞳。

本人の利発さや気品を現したように、高くすらりとスマートに、中央に通った鼻梁。

ダイアモンドの欠片でも塗り込んだかのように、グロスの色めいた艶めきと、天の川の星々のような輝きが同居して──しかし、それほどの色気を持ちながら、気怠そうに真一文字に結ばれた、色素も肉も薄めの、慎ましやかな口元。


人は、その顔立ちについて──絶世の美男子。人類史上最高の顔立ち。天界から降りてきた美の神。人を殺せるレベルのイケメン。

などと、持てる語彙の全てを尽くして、まるで洗脳されたかのように持て囃す。

そして、その噂を聞きつけた人間が、彼の顔を見て──その言葉が、まるっきり嘘っぱちだったと気付くのだ。


そんな程度の言葉では、到底言い表せられない。

まだ、人間の言葉に、”アレ”を表せられる単語がない。

そう、雷に打たれたかのように気が付いて──また、彼を信奉する、忠実な奴隷に成り下がるのだ。


「ねー、外、あっつい……。親友、なんとかして……」


──と、それほどの傾国っぷりを見せる、その女狐顔負けの美の化身は。

何の因果か──いつからか僕のことを、”親友”と呼んでいた。

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コミケ落ちました/これからの予定

こんにちは。だいこんです。

そろそろ気温も暑くなって参りまして、本格的に夏の気配を感じる季節となりました。コミケの時期が待ち遠しいですね。まあ僕はタイトルの通り、コミケには出ないんですけどね。

という事で、まず、タイトルの通り、コミケの抽選に落ちたことを報告させていただきます。

以前より本を出したいという事は度々こちらのファンボックスやツイッターの方でも書いており、その一環としてコミケにも出たいと思っていたのですが、ちょっと残念です。こればっかりはどうしようもないですけどね。


そういう訳で、今年の夏コミは参加できないため、先月も公開させていただいたコミケ用の原稿は、勝手ではございますが、完成させるのは少し後回しにさせていただきたいと思います。

依頼した表紙のカラーイラストなどは既に頂いていたので、夏コミは無視して、dlsiteで販売することも考えたのですが、他にやるべきことも多く溜まっているので、まずはそちらを片付けてから、その後で心おきなく本の原稿を進めたいというのが大きな理由でございます。

ですので、あちらの原稿は、最終的には冬コミで公開することになると思います。もし楽しみにして頂けていた方がいらっしゃったら、大変申し訳ございません。その分、時間をかけて文章を練り、更なる作品のクオリティアップを目指します。


ですが、今月のファンボックスの更新は、元々自分の中で予定を立てていたので、夏コミ作品の進捗を投稿させていただく事になると思います。

しかし、来月からはまたいつも通り、読み切りの短編を公開することになると思うので、どうぞよろしくお願いいたします。


散文失礼いたしました。重ね重ね、よろしくお願いいたします。

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コミケに出す本・導入

──王者というものは、生まれながらにして、その運命を定められている。

いつしか、僕の親友である恣紫は、そう語ったことがあった。


恣紫という男は、僕が知る限り、世界中のどんな人間よりも。

例えば、テレビに出ずっぱりのトップアイドルや俳優、もっと言えばハリウッドスターや、レッドカーペットを歩く海外モデルなんかより──ずっとずっと、群を抜いて綺麗で艶めかしい、美と蠱惑の化身のような男であった。

それ故に、こうして今も、彼は飲みかけの安い酎ハイの缶を、片手でちゃぷちゃぷと回しているが──その仕草すら、まるで、タワーマンションの最上階で、揺るぎ無い成功者であるセレブが、ワイングラスを薫らせているようにすら思えてしまう。

そんな男が、何の前触れもなく突然に、自らの王者論を語り始めたものだから──僕はそれに、思わず片手間に弄っていたスマホを置いて、聞き入ってしまった。


どんな流れから、そういった話になったかは、よく覚えていない。

だがきっと、僕の部屋で二人でくつろいでいた時に、付けっぱなしにしていたテレビのニュースで、たまたま王族の話が流れたとか、そんなどうでもいい事だったと思う。

何にせよ、覚えるまでもない、些細な事柄を見て、彼はぽつりと、そう言ったのだ。


しかし、それでも。

その言葉と表情だけは、未だに克明に覚えている。

きっと生涯、あの物憂げな横顔は、忘れることはないだろう。


──そこに、出自やしきたりは、関係がない。

王の息子に産まれたから、次はその王座を、王子となる者が受け継ぐ──なんて考えは、まやかしに過ぎない。

所詮、権力や伝統なんてものは、いつ何があって崩壊するかも分からない、砂上の楼閣。

王を王たらしめるものとは、ただ純粋な、力だけなんだ、と。


ごく自然に。

つまらないほど分かりきったものを、訥々と報告するように──吸い口から火の付いた先端まで、ことごとく悪魔のように黒い、彼のお気に入りの紙巻きタバコを片手に挟みながら、そう言った。


恣紫は、あまり感情を顔に出さない。

鼻歌を歌うほど機嫌がいい時も、ものに当たるほど機嫌が悪い時も──表情に出ない訳ではないが、しかしどうにも、読みにくい。

頬を緩めて、微笑を浮かべている時だって、内心ではとても苛立っている可能性は、往々にしてある。

逆もまた然りで、仏頂面で目を細めている時も、実はとても機嫌がよく、そのまま前触れなく居酒屋に連れられて、お酒も料理も好きなだけ奢られたりすることも、決して少なくない。


だからこそ。

紫煙に曇りながらも──あれほどに、"当然だ"と。

その伏しがちな目に、明確に感情を映すところは、僕は見たことがなかった。


──なら、その……生まれついての王者って、どんな人のことを指すんだ?


そんな、あまり見たことのない親友の姿に、僕は好奇心をくすぐられた。

感情の発露すら面倒くさがる、極度の怠け症の友人が、その言葉に返事をくれることは、正直その時は、あまり期待していなかった。


しかし、恣紫は──その言葉を待っていたかのように、僕の方に身体を向き直し。

まだ吸い始めたばかりのタバコを、やけに趣味のいい、冷ややかな色合いのクリスタルガラスの灰皿──僕は全くタバコを吸わないのに、恣紫がこの部屋で毎日のようにたむろするせいで、ただでさえ狭い机に置きっぱなしにされており、心底邪魔くさい──の底面で、じゅっと火を消してまで。

僕に微笑みかけて、続く言葉を、紡ぎ始めた。


身振り手振りを交えながら、まるで大きな城のバルコニーから、民衆に演説をする、王のように。

珍しく──いや、間違いなく初めて見る、やけに情動的な、演技がかった態度で。

抑揚たっぷりに、それを、語ったのだ。


「ただ、存在している。たったそれだけで、人々はその威光に屈服し、畏怖し、ひれ伏し、魅了され、虜になる。……そういうものだよ」


──僕の住んでいる安アパートは、いつも騒々しい住宅街にあった。

商店街がそれなりに近く、駅への通り道にも位置していることもあって、仕事帰りのサラリーマンや、呑みに明け暮れた大学生やらの声、それから車の通る音や、緊急車両のサイレンやらで、この部屋が静まりかえることなど、滅多にない。


だが、その時ばかりは──小鳥のさえずりすら聞こえないほどの、凪いだ水面のような静けさに支配されていたことが、はっきりと記憶に残っていた。


「ただ、絶対的な、支配者……。それが、それだけが、王だ」


「社会的な仕組みによって選ばれた、民衆を統治する義務を負っただけの者なんて、それは王とは呼ばない。ただの"長"だ」


「政治によって選ばれた者なんて、自分より大衆から人気がある者や、知略や政略に長けた者……あるいは、王族の胤を取り込んで、血筋に割り込んでくる者があれば、簡単に引きずり下ろされる。……もっと極論を言えば、死ねば王座にはいられない」


その日の恣紫は、いつもとは随分様子が違っていた。

普段なら、こういった真面目で思想的な話題なんて──感情の読めないにやけ面で、興味ないから知らないなんて、臆面もなく言い放ち、そのまま聞き流すだけだろう。

しかし、今日の彼は、質問に答えてくれるどころか──こちらの言葉を待つこともせず、自らの持論を、すらすらと述べていた。


目上の人間にすら、語尾を気だるそうに伸ばし、面倒くさそうに喋るこいつが──いやにはきはきと、威厳すら感じる態度で。

一息分すらも、言葉を詰まらせることなく、まっすぐこちらを向いて、語っている。

ほんのさっきまでのだらけた姿とは、全く似ても似つかない、凛としたカリスマのある立ち居振る舞いに、僕は──正直に言って、見惚れていた。魅入られていた。


──窓から差し込む夕日が、彼の姿を逆光に照らし、正確な表情までは見えなかった。

それでも僕は、その何も飾らない、それでいて堂々とした、立ち姿を。

光に背を向けて、日食のように影となったシルエットの中で、一筋だけ色を持った紫の髪束を。

間違いなく、この世の何よりも──いや、あの世に女神が居るとしても、きっとそれにも勝るほど、美しいと感じたのだ。


あの、普段通りの、気怠げな猫背。

ぶらりと力を抜いて垂らした左腕と、上着のポケットに突っ込んだ右腕。

190センチにもなる長身の、その大半を脚の長さとして占めるほどに、高く位置取った、スリムな腰。

無駄な肉の一切無い、細いウエスト。男にも女にも見える、優美で華奢な肩。


そして──その、顔立ち。

目を合わせただけで、誰もが正気ではいられなくなる、絶世の美貌。


「そうじゃない……。俺が言う王とは、覇者。何もかもを征するもの……」


「覇者に求められるのは、他の何にも有無を言わせない、絶対性だ。その絶対を常に身に纏い、その意図すらもなく、自然に何もかもを屈従させ続ける」


「例えるなら、太陽のように。当たり前のものとして、ただそこに存在しているだけで、信仰の対象となり、畏怖と畏敬を集めていたように」


親友は、そっと夕日の輪郭を弄ぶかのように、指を中空に這わせる。

まるで、その太陽すらも、自分の手の内にある、小さな玩具であるかのように。


傲慢という言葉すら、まるで足りなく見えるほど、尊大すぎる仕草だった。

しかし、その傲岸不遜なまでの、天の神々にすら唾を吐くような様子は。

何か退屈な話を聞き流す時に、頬杖をだらりと突きながら、テーブルを指でとんとんと叩くような。

あるいは、ぐいと背を伸ばしながら、人の目も気にせず、思いっきりあくびをするような。

少なくとも、僕にはそういった──ひどく自然で、リラックスした、当然の行為であるように、見えたのだ。


その様子に、僕は──目の前に佇んでいるのが、天地自然すら弄ぶ、異界の女神であるかのような、そんな錯覚を覚える。

もちろん、実際にはそんなことはなく、その相手は、今日も安居酒屋に飲みに行く予定の、ただの仲の良い友達だと分かっているのに。

まるで冷や汗が止められず、背筋に立った鳥肌も、引いていく気配がない。


その姿はまさに、恣紫が語るところの、”王”のように思えた。

例え、俗世に身を隠したって、圧倒的なカリスマだけはどうしたって隠せず、人々を無意識に魅了して操ってしまう、生まれついての覇者。


そう──例え、その姿を彩る背景が、うっすらと部屋に残った、吸い殻の紫煙と。

テーブルの端に並べられた、アルコール度数だけやたらと高く、質の悪い安酒の空き缶だったとしても。

むしろ、彼の持つ、後ろ暗い背徳的な色気を、何倍にも増幅するだけ。

どうしようもなく、堕落と退廃に満ちた、どこか淫らに爛れた魅力を、とことん引き出して──恣紫という男が、淫蕩で邪悪な、悪魔の王であるということを、証明するだけだ。


「……俺が考える王とはつまり、暴君だ」


「自らの利益のため、自分勝手に振舞い、民衆から富も権力も巻き上げる、欲望に満ちた支配者……」


「最強の暴力、最大の権力、最高の魅力。それら全てを、民衆の利益ではなく、ただ己のために使い果たす……」


「そう、王とは、誰よりも自由でなければならない」


「そして、尚且つ……それでいて、誰からも崇拝され、敬愛され、心酔されていなければ、ならないんだ」


その長身、その眼差し。

アメジストのような、煌々とした妖しい輝きを持つ瞳が、逆光に暗くなる輪郭に浮かび、ぞっとするほど美しい。

その暗く深い光に見下ろされると、まるで精神の奥深くから、取り返しがつかないほど、深く蝕まれていくような感覚が広がる。


どれほど、友達として長く付き合おうと──これだけは、いつまで経っても、慣れない。

未だに、彼女と目をじっと合わせてしまうと、それだけで──自分が自分でなくなり、気が付けば、従順な下僕に成り下がってしまいそうになるのだから、彼の持つ天性の魅力とカリスマは、あまりにも危険だ。


人を際限なく惹きつける、ブラックホールのような、人間を堕落させる重力溜まりの、瞳。

一度それに魅入ってしまえば、あとは底なし沼に沈むように、堕ちていくだけだ。


じっと、ただじっと見つめられて、内心に広がる──憧れの異性に抱かれているような、心臓に疼痺を植え付けられる、もどかしくて苦しくも、何より心地よい、快感。

一目惚れのような、洗脳じみた心地を植え付けて、脳にぶわりと快楽物質をぶちまけられる、異常な感覚は──言葉にするならば、まさに『魅了』であった。


そう、例えるならばまさに、ゲームによくある状態異常の、それ。

今まで連れ添ってきた、命すら掛けるほどの固い絆で結ばれた、血縁以上の仲間すら──その手で殺してしまうほどの、深い深い、精神異常。正気の喪失。

色仕掛けという、ひどく単純で薄っぺらい、性欲以上の意味を全く持たない、ただ肉欲を煽るだけの行為であるはずなのに──その美女に命じられるまま、仲間に本気で真剣と殺意を向け、恍惚のまま斬り殺してしまうという、理不尽なまでの恋慕。


今まで僕は、ゲームでそれを見る度に、あまりにも誇張した表現だと、冷笑にも似た感覚を抱いてきた。

人間の敵である、悪しき魔物だと分かっている相手に、ちょっと凝視されただけで、喜んで仲間を殺すだなんて──いくらフィクションにしても、リアリティがない。

そう思っていたが──実際に、それに似た、いや、それを優に超えた感覚を植え付けられて、理解する。


今、僕は。

彼に命令されたなら、喜んで──この命を差し出す。どんな理不尽な命令も、受けてしまう。

きっと、彼が命令してくれたという事実に、むせび泣くほどの歓喜を覚えながら。


──やはり、彼は。

何か、生物として人間よりもずっと上位に位置する、淫靡で邪悪で、それでいて神性を帯びた何かだと。

これで何度目だろうか、そうして強く、またも確信した。


「……ねえ、親友」


ぴんと糸が張り詰めるような、息をのむ静寂に支配された部屋の、その中。

空気に染み込んでいくような、鈴の音のように静かで低く──そのくせ、聞いているだけで意識がくらくらするほど、蠱惑的な声だけが、満たされてゆく。


指先を軽く曲げて、フローリングを掻くことすらできないほど、重苦しい時間だった。

例えるなら、光が一切届かないほどの、海の底の底まで落ちて──その見えない水圧に、四方八方から雁字搦めにされ、腕の震えすら抑え込まれるかのような。

そんな、身体ごとぐしゃりと潰れてしまうほどの、圧力めいたプレッシャーが、どうしてか。

あの桔梗色の瞳に覗かれると、ずんと重く、心も体も鷲掴みにされるように、深くのしかかる。


だが、そんな、呼吸すらも忘れてしまう、重圧に満ちた空間の中でも、彼は。

ぎしりとフローリングを軋ませながら、何も臆することなく悠然と、一歩。

優雅な羽衣を着た天女が、雲居を静々と渡るように、こちらにそっと、足を踏み込む。


「俺は……いや、私は、さ」


彼が口を開くたび、身震いを起こす。

背筋に、甘ったるい寒気が走り、その後に遅れてついてくる、深い恍惚。

身体の内側から、こちょこちょと愛撫されているような、息が快楽に蕩ける感覚に、頭が回らなくなる。


「分かるんだよ、そういうのが。生まれつき、私自身が、そうだったから」


彼の眼差しが、更に深く、僕の心の奥底に抉り込む。

僕の方をじっと見る目線は、一ミリたりとも動かないのに──瞳孔だけが徐々に開かれて、ただその鋭さと、吸い込まれそうな瞳の光の深さだけが、底なしに増してゆく。


「今までずっと、そうだった。叶えられないことも、手に入らないものも、許されないことも、たった一つだって、存在はしなかった」


雰囲気が、明らかに違う。

何と比べて、と言われれば──全てが。世界に存在する、森羅万象と。

あれは、間違いなく、この世に存在しない、あっていはいけない類の美しさだ。


そう──目の前の存在は、最早昨日までの、悪魔じみた顔の綺麗さを持つ、滅茶苦茶な色男の、腐れ縁の親友などでは、決してない。

人間を悩殺することを生業とする、悪魔そのものだった。

色香一つで、国を乗っ取り傾ける、淫魔。

軽い流し目の一つだけで、人間をどこまでも食い物にする、エロティシズムの化身。


それが、じっと僕を見下ろし、立っている。

脳が焼かれるかのように、額の奥の方が、ひりひりと熱くなった。


こんなに凄艶な存在が、果たして、本当に実在するのだろうか。

確かな質量を持って、すぐ側に存在している親友に対して、そんな疑問すら抱く。


そして、その姿を、僕なんかの下等な存在が、瞳に映してしまうことすら。

僕にはそれが、ひどく烏滸がましく、無礼極まりないことだと、そう感じてしまう。

親友であるはずの男に、僕は本能的に、恐怖を抱いてしまっている。


早く、脚を揃えて、手を地面につけて、頭を床に擦りつけないと。

そんな、脅迫的な観念に、押しつぶされる。


「むしろ……私が誰かにモノをねだれば、貢ぎ物を送ることを許されたって、みーんな泣いて喜ぶんだよ。ヘンだよね、良いように搾取されてるってのに、感謝されるなんてさ」


──そんなの、当然だろう。一体、今更何を言っているんだ。

彼の言葉に、心から、そんな疑問を抱いた。

むしろ、彼が何におかしさを感じているかすら、分からなかった。言葉の意味が、まるで理解できなかったのだ。


彼が、僕のモノを欲しがっているなら、それが何であろうと、全部投げ出すべきだ。

家財道具一式だろうと、全財産だろうと、命だろうと、恋人だろうと。

四の五の言わず、一つ返事で、捧げる。


それで、彼が喜んでくれるなら──死んでもいい。

それが、彼以外の全てにとっての”当然”だ。


「もちろん、だから親友もそうだろって言ってる訳じゃないよ。ただ……きっと、今からするお願いは、親友にとっても、嬉しいことではある、と……思うんだよ、ね。多分、おそらく……」


ああ、きっと、そうだろう。

今の僕は、犬畜生だ。彼が何かを言えば、それだけで、尻尾をちぎれるほど振りたくり、嬉しくてワンと鳴く。


──昨日までの僕は、いや、つい五分前までの僕は、誓ってこうではなかった。

むしろ、どちらかと言えば、大学に掃いて捨てるほど存在する、彼を過剰に信奉するファンに対しても、僕は白い眼を向けていた方だ。


それが、どうだ。

今の僕は、盲目なまでに心酔する、熱烈な信者どころではない。

まるで、神を前にして感極まる、気の違った狂信者だ。


「……でもまあ、一応、お伺いは立てておくよ」


一瞬、彼は、目を伏せる。

そして、勿体をつけるように、ゆっくりと腕を、胸の前に持ってきて──


──ぷち、しゅるり。

上着のボタンを外す音と、インナーを脱ぎ捨てる布擦れの音が、声の代わりに、数度響く。


乾いたシルクが同士が、ただ摩擦しているだけの、何の変哲もない音なのに、どうしてか──魔法でも込められているかのように、鼓膜にべっとりと、官能的にへばりつく。

そのいやらしさは、セックスの直前に湧き上がるような、緊張と期待の感情を、強く呼び起こした。


「まあ……驚かせもするだろうし、さ。念のため、ね」


──徐々に、徐々に。

血が通っているのか疑わしいほどに白い、陶磁器のような妖しく艶めかしい肌が、惜しげもなく露わにされてゆく。

まるで、稀代の名工が作った究極の裸体像に、命が吹き込まれたかのような、神々しいまでの美麗さ。

直視することすらも憚られるほどの、人間からかけ離れた底なしの美貌に、心臓が大きく跳ねた。


胸や腹どころか、その恥部までも、彼は恥じらうことなく、晒す。

まるで、お風呂に入る前に、閉めた脱衣所で服を脱ぐかのように、ごく自然に、当たり前に。


当然だろう。

欠点を無理やり上げようと頭をひねっても、人外じみて完璧すぎることくらいしか思いつかない、あの端整さを極めた裸体を、こうして人前にさらけ出したって──誇らしくはあれど、恥ずかしいところなど、何もないのだから。


──粉末にしたパールやプラチナを振りかけたような、その表皮のエレガントな艶めき。

そこには、生物らしさが見られないほど、作りものの彫刻じみた完璧な輝きがあるのに──そこには、雌らしい潤いや、むっちりとしたぷるつきさえも備えているのだから、堪らない。


そう──雌らしい。

どこか、その裸体は──男らしく骨ばって、細身なれどしなやかな筋肉がつき、無駄な脂肪がなく、引き締まっているのに。

噎せ返るような、男を狂わせる、色気が。

もっと、言葉を選ばず言うのなら──いかにも”手籠めにされたがる雌””男根をすんなりと受け入れる穴役”の、そのえも言われぬ雰囲気が、ぷんぷんと漂っていた。


──だからこそ。


「ね、親友……。

私……ほんとはね。……人間じゃあ、ないんだ。それにね……男でも、ないんだよ」


あり得ない、現実的ではない、カミングアウトのはずなのに。

夢見がちな中学生がするような、普通なら鼻で笑って然るべき、冗談のような話をされている、はずなのに。


僕は、当然に、それを受け入れた。

それどころか──少なくとも、前者については、言わなくても分かっている、とすら言いかけた。

驚きも、疑いも、僕の中には、少しもなかった。


しかし、それでも──彼が、男ではない、というのは。

流石に初耳であるし、あまり考えたこともなかった。


だが、何故だろうか。

それすらも、僕はやけにすんなりと、納得できた。


元々、彼は──いや、今は彼女か──は、その顔も背格好も、女性と見まごうほど中性的であった。

くっつくほど近くで、いつまで観察していても、男か女か見分けがつかないと、未だに僕ですらそう思う。

だから、という訳ではないが──彼女の股間に、男の逸物がついていなかった程度では、僕は驚かないだろう。


そう、親友が女だと知ったからといって、急激に関係が変わる訳じゃあるまいし。

いつものように『親友』と呼んでくれいてるなら、僕もそう思うだけだ。


──そう伝えると、彼女はほんの少し、口角を上げる。

表情筋の薄い彼女にとっては、これ以上無いほどの、破顔だった。


「……ありがと」


彼女は、相も変わらず裸体のまま、短くそう言った。

少しだけ、嬉しそうな声だった。


これは、自惚れかもしれないが──僕が、彼女の秘密に驚きもせず、ただ受け入れたことを、快く思ってくれたのだろうか。

確かに、人が人なら──というか、普通の人ならば、そんな事を急に打ち明けられたって、戸惑うだけだろう。

いや、逆に、下手に信じてしまったなら、そのまま恐れられて、逃げられてしまうかもしれない。

そりゃそうだ。悪魔なんてものを前にして、平静でいられる人間の方が、よっぽど少ないに決まっている。


それでも、僕がすんなりその事実を受け入れたのは、彼女の普段の淫魔っぷり、ファムファタールっぷりを、嫌というほど見ているからであって──と、思い返してみると、こうして暴露されるまでもなく、彼女が淫魔であることは、本能的に察していたことに気が付く。

むしろ、その事を真に痛感しているのは、ただ友達付き合いしているだけの僕ではなく、彼女の毒牙にかかり、虜にされている人達の方だろうし──その人達も、彼女のことを盲信しているから、人外であると知ったくらいでは、その絶対的な忠誠心は揺るがないだろう。


そう考えると、何だか妙に、取り越し苦労を食らったような、複雑な気分になる。

だが、話が早く済むのならば、めんどくさがりの彼女にとっても、きっと嬉しいことだろう。


僕は、小さく、はは、と笑う。

そうしたら、彼女も同じく、ふふ、と笑った。


そうして、しばし和やかに、笑い合って。

一呼吸、軽く置いてから、彼女は──


「ああ……ほんと、ありがとね。そう言ってくれると、私も安心して……『擬態』、解けるよ」


──そのまま、腕をぐいと正面に向けて、欠伸をする猫のように、大きく伸びをする。

大きく、大きく、息を吐いて、腕を引っ張り上げて。

その勢いのまま、まるで輪ゴムを引っ張ったかのように──彼女の身体そのものが、文字通り、伸びた。


笑った顔を、戻す暇もなく、頬が引きつる。

喉から出た笑い声が、どんどん乾いてゆく。


──あまりにも、非現実的な光景だった。

一瞬、脳がフリーズして、驚くことすらできない。

ただ、彼女の元々高かった身長が、更にむくむくと高くなり、電話ボックスほども大きくなってゆくところを、眺めるだけ。


「……ふう。どう?これなら、驚いた?」


目をまん丸くする僕を見下ろして、彼女が言う。

それはそれは可笑しそうに、微笑んだまま。


その身長は、目測で、2メートルと30センチくらい。

まるで、親と話す子供みたいに、大きく首を反らして見上げなければ、目を見ることもできないほどの、巨人じみた長身。

安アパートの低い天井では、まっすぐ立つこともできないほどの、見たこともない威容に、腰を抜かしそうになる。


──雰囲気どころか、姿形までもが、人間離れしてしまった、僕の親友。

目の前で見せてくれた、その変身とも言える行為に、何か言葉をかけようと、必死に口を開く。


しかし、その圧倒的な体格から見下ろされる、威圧感に満ちた光景に、まるで声が出ない。

さっきと同じように、お前はお前のままだと、励まそうとしても──流石に、こうなっては、僕の知っている親友ではなく。

唇をぱくぱくと、金魚のように、開いたり閉じたりしていると──彼女はまた、にやりと不敵に微笑む。


そして、そのまま──大きく、息を吸い込んだ。


その華奢な胸が、空気で膨らんでしまうほどの、深呼吸。

いや──膨らんでいるのは、胸だけではない。

腹や、腕や、尻や、脚までも。

空気のしぼんだ風船に、息を吹き込んでいくように、内側からむくむくと、肉が溢れてゆく。


むち、むちむち、みぢぢっ……♡


スレンダーな、気品溢れる肉体に、無造作にパテで盛り付けたように、雌肉がみるみる盛られまくる。

もはや、男とは似ても似つかない、雌らしいむっちりとした豊満な乳房、尻。

ほっそりとくびれたウエストにすら、軽くつまめるほど肉が乗り、いかにも交尾向けな、下品すぎる肉付きが、形成され始めていた。


──う、わ……っ!?


すっきりとした、細身の脚。

見慣れたはずの、親友のそれは、雄のちんぽに媚びるためだけの肉にまみれ──今や立っているだけで、隙間なくくっついて、腿コキオナホールを形成してしまっている。

どぷん、どぷっ……♡と、もっちもちですべっすべな、滑りと潤いを両立したぶっとももに、どうにも頬ずりしたくなる欲望を止められない。

雌の優秀な遺伝子を見せつけるように長くて、雄が交尾の時に甘えやすいように、よく肥えた脚。

誰にも媚びない、媚びる必要のない、唯我独尊であるはずの親友の──雄のちんぽのご機嫌を伺うような肉付きに、強いむらつきを覚えてしまう。


すらりと流麗なラインを描いていた、細いレギンスの似合う、ヒップライン。

もはや、そんな面影は、どっぷりと主張して突き出した、彼女の派手なアメリカンサイズのデカケツには、少しも残されてはいない。

全体のバランスを考えず、きゅっと括れたウエストに反して、ちんぽを欲しがりひたすら巨大に育った、男根ねだりの雌尻には──もはや、似合うファッションなど、痴女や娼婦が客寄せのために履く、品性下劣なTバックくらいしか、無いだろう。

彼女が好む、ボーイッシュなストリートスタイルの服など、今着たところで、むしろ──みっちみちに媚肉が詰まり、隠しきれない雌臭さが増すだけだ。


そして、それらを遙かに凌駕し、その肢体を雌一色に彩る──馬鹿みたいにでっかい、爆乳。

いつものように、女性にキャーキャーと黄色い声を浴びる、目もくらむようなカッコよさは、あまりにもフェロモン過多な乳肉の溢れに、完全に押し流されてしまっている。

これでは、お得意のボーイッシュで中性的な、甘ったるいマスクでさえも、むしろ”そういう類いのエロ漫画のヒロイン”にしかならず。

纏うダウナーな雰囲気すら、むっちむちの駄肉脂肪により押しつぶされ、雌臭くて甘ったるい、ミルキーな雌フェロモンへと変わり──そのくせ、セクシーさや色気は失われないのだから、もう堪らない。

どこか退廃的で、爛れた──タバコの匂い混じりの、気怠くだらだらとした、一番気持ちの良い、大学生の夜通しセックスを、演出してくれる。

へそ上まで、だっぷんと伸びつつも、若々しい張りに満ち満ちた、パイズリにもセクハラにも使える、ちんぽに奉仕する雌として最高級の爆乳が、どこまでも。


「……あー、すっきり。擬態は窮屈で嫌だね……」


──彼女は、伸ばし終わった腕を、いつものように、力を一切抜ききって、下にだらりと降ろす。

しかし、乳肉があまりにも大きすぎて、胴のボディラインから大きくはみ出た横乳が、腕にむっちりと引っかかり、少し収まりが悪そうだ。

それに対して彼女は、慣れた様子で、乳肉をぐいと谷間に寄せて──ばるるんっ……♡と、狂おしいほど欲情を煽る、ド迫力の乳揺れと、肉のコク深さを見せつけて。


「……これが、私の真の姿。これで分かった?私が、えっちな淫魔だってこと……」


そして──いつもと、何ら変わりない、ダウナーな掠れ声で。

普段通り、宝石のように輝く、青紫の瞳をじっと向けて、そう言った。

なまじ、そこだけは変わらない分──目の前の存在が、僕の親友に違いがないことを突き付けられているようで、バツが悪かった。


──身じろぎ一つで、体中の駄肉が、むちむちと犇めく音がする。

やけに静かな室内では、その音から、逃れることができない。


生唾を、飲む。

その、どすけべな体つきの、顔が良すぎるでっかい淫魔は、あくまでも僕の親友だ。

そう、親友だ。だから、当然、劣情を抱く対象にしてはいけない。


けれど、その──どこを触っても、手が雌肉に埋まってしまいそうな、理想のラブドール体型を前にして。

更に、押し倒してもなあなあで許してくれそうで、むしろ手込めにしてしまっても、シている最中はそれなりに楽しんでくれそうな──言うなれば、ちんぽ好きのオーラをびしびしと出しまくっている、媚び媚びの雌を、据え膳として出されて。


理性を、あと一分でも保てるか。

くらくらと、揺らいでしまう。


「そう、私、わるーい悪魔なんだ。だから……本当は、こうしてお伺いを立てるよりも、無理やり奪う方が、自然なんだけど、ね」


彼女は、手をわきわきと動かしながら、かぎ爪の形に指を曲げる。

いつも通りの眠たげな半目と、抑揚のない低めのトーンで、『がおー』と声に出しておどけて見せる姿は、普段通りの親友そのものだった。


だが──その態度は、あまりにも平常の彼とは、かけ離れたもので。

どこか、その呟くような声には、その流し目の表情には、オスに甘える雌猫のような、べたつくほど甘ったるい媚びのニュアンスが、溢れるくらいに盛りつけられていて。


むっちり、ふかふか、もっちもち。

肉々しく、沈み込むような脂肪感に溢れた、豊満すぎる長身の裸体。


その、なっがい脚を折り畳み、動物のような四つん這い──所謂、雌豹のポーズと言うものだろうか──になりながら、彼女はそっと、ペットが主人に甘えるように、こちらに近づく。

頭を低くして、目を眠たげに細めて。

ぞくぞくと寒気が走るほどの、滴る雌のフェロモンを纏いながら、蠱惑的に舌なめずりなんかをして──とことん、理性を、削りにかかる。


──それは、僕の部屋にたむろする時の、いつもの彼女のクセだった。

猫のように気まぐれな、この女は──眠くなると、いつも勝手に僕の膝に頭を乗せて、無防備に眠りこけるという、甘えた態度を取ることがある。

その直前には、誰に向けるでもなく、決まってこうした、悩殺するかのような悪戯っぽい表情をしているのだ。


だが──今までは、僕だって、そんな行為に対して、劣情を抱くようなことはなかった。

思う事といえば、精々が、漫画を棚から取る時に、邪魔だなと思うくらい。

際立って拒絶することもなければ、逆に歓迎することも特になく、しょうがないから受け入れてやると、その程度の認識しかなかった。


だが、それは、こいつのことを──男だと、そう認識していたからだ。

男ですら惚れるほどの美形、という冠言葉は付くけれど──それでも、性別が男であるという事実は、覆らない。

胸もなく、肉付きも薄く、性器は男性のもので、孕みもしない。

だから、こいつのことを性的な目で見るなんて、絶対にありえない。


そう、そのはず、だったのに。


「けど……親友に嫌われるのは、ヤダから。……うん、ちゃんと、聞いとく。親友も、ヤダったら断っていいよ」


──今や、その身体は、間違いなく淫らな雌そのもの。

適度に熟れてむっちり柔らかく、しっとりと甘酸っぱいフェロモンに濡れて。

それでいて、若々しい肉のハリと、すべすべとした絹のような肌の滑らかさを、完璧なバランスで両立している。


もう──僕には、目の前の淫魔が、親友には、見えない。

ただの、孕ませ頃の、極上の女。

友情もへったくれもなく、互いに肌を重ね、ナメクジ同士が絡みつくような、肉欲をただ満たすだけの、濃厚極まりないセックスを誘う、淫肉のカタマリ。


それでしか、ない。

そうとしか、思えない。


──彼女は、頭を犬ほどの高さに下げたまま、じっと僕を見上げている。

睨まれている訳でもないのに、目が釘付けになって、離れない。

無表情で、感情の読めないその瞳は、静かに凪いだ湖面のようだ。

ひたすら蠱惑的で、闇に溶けるように暗い、吸い込まれそうな、瞳。


それに、見つめられているだけで、どんどんと意識が、彼女に吸い寄せられてゆく。

夕日の色も、フローリングの冷たさも、脳内から剥がれ落ちて、感じられなくなる。

ただじっと、女の色香の極まる瞳に、見つめられているだけで──何も考えられなくなり、腰がじわじわと蕩け、精を漏らしてしまいそうになる。


「……親友」


──だけど、それでも。

彼女は僕のことを──親友と、そう呼ぶ。呼んでくれる。


だから、僕は。

その信頼に、答えなくては、ならない。

彼女に、こんな目線を、向けてはいけない。

こんな──色欲にじっとりと塗れた、ご褒美を期待する犬の目なんて、決して。


彼女の静かな呼吸の音が、僕の荒々しい息遣いの合間に、耳に届く。

脳みそが、ミキサーにかけられたかのように、ぐっちゃぐちゃにかき乱されて、思考がちっともまとまらない。


ペニスが、甘ったるい匂いと、視覚の暴力にあてられて、破裂しそうなほど張り詰めてしまっている。

違う。そんな欲望を抱いてしまったなら──親友と、親友でいられなくなる。

この先、一生、ずっと、永遠に。


だから、僕は、この男根を切り落としてでも、馬鹿みたいに笑ってみせるべきなのだろう。

きっと、彼女もそれを、望んでいるはずだ。信頼してくれているはずだ。

そのために彼女は、自分の真の姿を、今日。

わざわざ、僕に、さらけ出してくれたのだろうから。


何故なら、僕は、彼女にとって。

唯一無二の、親友。

たった一人の、友達、なのだから。


僕は、ごくりと生唾を飲み、決死の思いで、腰に溜まったむらつきを押さえつける。

そして、意を決し、口を開こうとして──その、一瞬前に。


彼女は、音もなくするりと、蛇のように。

僕の首に、腕を巻き付け、抱きついて。

耳元で、とびきり甘く、囁いた。


「私、親友が、欲しいなぁ……」


その直後、彼女の魅惑の肢体が、肉付き相応の、体重と共にのしかかり。

それと同時に、ぷつんと──いや、どろりと。

理性が溶け落ちる、そんな後戻りのできない音がして。


「……レイプして、いい?」


──その日、僕は。

硬く冷たい、木の床の上で、童貞を捨てた。

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シスターさんの淫呪観察室

明朝、日が昇って間もない頃。

眠い目をこすりながら、私は修道服に着替えていた。

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乳魔魔王様の甘やかし癖克服用奴隷

はあ……。


全く、無駄な抵抗をしおって、七面倒な……。


なあ、勇者よ……。


知っているか、お前。


魔物という生物はな、肉体に魔力を溜めることができるのだ。


筋肉、骨、血液……我々は、そういった肉体を構成する物質の全てに、莫大なエネルギーを秘めている。


故に魔物は、お前達のようなただの人間とは、比べ物にならない身体能力を持ち、更にそれを維持することができるのだ。


そのために、山のような巨躯を誇るドラゴンも、自重に押しつぶされることなく、容易にその体躯を支えることができるし……不定形なスライムも、その時々によって全身の魔力の巡り方を変え、時に水のような流動した姿に、またある時は鉄の塊のような硬い固形の姿になることもできる。


そのような魔物の中でも、特に淫魔や乳魔の体組織は、比べ物にならないほど多くの魔力を貯蔵できる仕組みになっていてな。


そうだな、例えば……乳魔の髪の毛が一本あれば、その分の魔力だけで、十分にドラゴンの群れを殲滅することが可能だろう。


そして、そんな淫魔や乳魔の身体の中でも……特に脂肪は、魔力の吸収が抜群に良く、莫大な魔力を貯蔵できるタンクとして扱われる。


故に、我らの乳房や臀部は、このように……人間の雌とは比べ物にならないほど、非常に豊満に育つ。


その中でも、特に乳魔は。


お前のような、それなりの体格を持つ男性すら、軽く子供のように扱える長身を持ち。


更に、大玉のメロンを上回る質量の爆乳や、お前の倍ほどの厚みがある尻肉を誇り。


太ももや、お腹も……このように、たっぷりと贅沢な、けれど淫魔らしく美しさを損なわない、とことん媚びた肉付きを湛えている。


見ろ、この下品なまでに肉付いた、雌の身体を……。


お前の頭よりも、二回りは大きい乳房が……こうして、二つ。


片方だけで10キロもある乳房など、見たこともないだろう……?


下から支えて、持ってみるか……?腕が痺れるほど、重いぞ……。


そして、この臀部も……。だだっ広い骨盤に、これでもかと雌肉を盛りつけたような、豊満すぎる肉付きであることが、服の上からでも容易に理解できるだろう……?


人間ならば、無駄肉、贅肉と蔑まれるような、むっちむっちと肥え過ぎた尻肉も……私が乳魔である以上、このデカケツは、馬鹿みたいな容量の、戦略級の魔力タンクとして扱われる……。


なあ、勇者よ……。この意味が分かるか……?


この肉体は、男をとことん蕩けさせて、赤ちゃん返りを誘発させるための、ただ淫蕩なだけの肉体ではないのだよ……。


……お前は、淫魔と戦ったことはあるか。


まあ、腐っても、勇者と呼ばれるくらいだ。討伐とまでは言わずとも……撃退、ないしは生態調査の依頼くらいは、受けたこともあるだろう。


で、どうだ?淫魔と会敵した感想は。


まあ、おそらく、まともな感性を持った人間ならば……淫魔の前に立った瞬間、本能的に死を確信して、命乞い。


剣を投げ捨て、必死に土下座して、許しを乞うた……というところか。


当然だ。お前のように、相手の持つ魔力を、肌で感じることができる者ならば、その刺すようなプレッシャーに押しつぶされることは、何ら不思議なことではない。


で、だ……。


その淫魔と比べて、乳魔である私の放つ重圧は、どうだ……?


まあ、聞くまでもないとは思うがな……。


……呼吸はままならず、腰は砕け、立ってもいられない。


身体中の汗腺が開き、冷や汗がとめどなく溢れ、口の中が渇ききり、寒気が治まらない。


立ち向かう事は愚か、逃げ出す事すら、不可能。


……と、言ったところか。


ふう……一応、人間界を魔物から守護する、などという世迷言を抜かしている奴が居たから、私が対処に当たったものの……。


これなら、わざわざ魔王たる私が出る必要も無かったか。


適当な雑兵でも、十分に無力化することができただろうな。


まあ、当然のことだ……。


乳魔とは、言わば魔界の支配種。


暴力が全てを支配する、厳しい実力主義の世界の、その頂点に君臨する者。


そう……例えば、お前のような人間が、必死になって戦っている、あのゴブリンやオーク、更にはドラゴンやらデーモンやらも。


私に会えば、一目見るなり震えあがり、平身低頭して服従を示す。


こちらの世界では、あんな雑魚でも、特級の危険種族として恐れられているのだろう?


はぁ……。全く、人間とは、呆れかえるような無能だな。


そもそも、人間界に入り込むようなトカゲモドキや角生えなど、たまたま保有する魔力量が小さすぎて、魔界の門のセキュリティにすら引っかからない、雑魚の中の雑魚だ。


大方、下手に淫魔か何かに喧嘩を売って、くたばりかけていたところを……人間とかいう、自分未満の存在を見つけ、虐げられていた鬱憤を晴らすように、暴れ回っていたに違いない。


ああ……むかっ腹が立つ。


ふん……。まあ、いい。


そんな勝手がまかり通るのも、今日までだ。


なにせ、たった今から人類は全て、乳魔の所有物となるのだからな……。


なあ、そうだろう、勇者?


人類の希望の象徴たる勇者が、魔物の長たる魔王に、敗北を喫する。


その意味が分からぬほど、お前も愚かではないはずだ……。


クク……。下手に貴様が力をつける前に、こちらから出向いて奇襲をかける作戦は、成功だったな……。


人類の希望である勇者は、本日を以て、魔王軍の捕虜となった。


その証拠たる映像を、人間の国中に流してやれば……まあ、民衆の戦意はもはや保てんだろう。


実に簡単な仕事だった。我ら乳魔の部隊は、連絡の付く者を片っ端から寄せ集めただけの、急造の軍だったが……問題なく、全ての作戦を、完璧に遂行できそうだ。


人間共の支配。それと、人間界の略奪……。


これほど容易に行えるなら、いちいち迷うことなく、とっとと攻め入ってしまえば良かったか……。


……ところで、勇者とやら。


お前、随分と匂いが薄いな。


それに……衣服も、そう汚れてはいない。


風呂に入ったのも、服の洗濯をしたのも、昨日か……長くても、一昨日といったところか。


……近くに、拠点があるのだろう。


お前のそれ……剣が新品なのを見るに、街か。


高度な鍛冶をするためには、それなりの文明、それと人間の数が必要だ。


……なあ、おい。


方角は、どっちだ。


隠すと、お前のためにならんぞ。


これでも、なるべくお前を威圧しないように、私は魔力を抑えているんだ。


いざ、これを解放したら……お前の皮膚に、まるで無数のナイフが、深く深く突き刺さるような……。


鮮烈で、防ぎようのない苦痛が、私が満足するまで。


いつまでも、この助けの来ない森の中で、お前を苛み続けるだろうな。


……私も、意味のない拷問など、別にやりたくはない。


さ、とっとと吐け。


例えどんな奇跡が起ころうとも、私からは逃げられないという事くらい、理解できるだろう。


……ん、向こうか。


クク、利口な奴だな、お前は……。


まあ、今のは、実際はただの脅しだった訳だが……私としても、その言葉がただの脅しで済んで、助かったよ……。


……では、”部隊員に告ぐ。送付した方角に、人間の街あり。速やかに占領せよ。”


……念話での通信だ。これで、私の部下達が、今に人間共を捕獲するだろう。


さて……あの街には、おおよそどの程度の人間が居るのだろうか。


数千、数万も居たならば、上等だな。


……ん、人間をどうする気だ、か?


無論、決まっている。


奴隷にして、永遠に強制労働を行わせる。人間は、重要な資源だからな。


……クク、そう怒るな。


なあ、勇者。


お前も、そうなるんだぞ?分かっているのか?


……ッハハ!なんだその顔は!?自分だけは違うとでも思っていたのか!?殺してもらえるとでも思ったか!?


そんな訳がないだろう!例えお前が、乳魔の城を抜け出して、剣を持って暴れたとて、被害などたかが知れている。


お前も仲良く、牢獄行きだ。


フフフ……お前達人間はな、乳魔にはなくてはならない、備品なのだ。


死ぬことも許さん。永久に、我ら乳魔に使い潰されるための、傀儡にしてくれる。


そう、乳魔が持つ、唯一にして最大の弱点……。


これを克服するための、実験材料として、全ての人間共は消費されるだろう。


クク……これだけの人間を回収できたなら、魔界の統一だって、容易いことよ……。


そう、相応の人間の奴隷さえあれば……我ら乳魔は、全てを管理する神にだって、なれる……。


雌伏の時は終わった……これからは、乳魔の時代だ……。


大量の人間共を、魔界に出荷して、全ての乳魔に、人間の奴隷を行き渡らせる。


フフ……。世界中が、ひっくり返るぞ……。


ククク……。そう怖がるな、人間。


お前は、何もする必要はない。


ただ……一切の権利を剥奪され、一生魔族の言いなりになっていれば、それでよい。


……ああ……いい顔だな……。気に入ったぞ……♡


なあ、勇者よ……お前は、私専用の奴隷にしてやろう……。


栄誉なことなのだぞ?さあ、喜べ……!


フハハ……!恐れおののく顔もまた、抜群にそそる……!


……”部隊員に通達する。私は先に城に戻る。お前達も、奴隷共の出荷が終わったら、そのまま帰れ。”


……さあ、勇者よ。いや、奴隷よ……!


お前はこれから、乳魔だけが住む城に、強制労働のための奴隷として、送り込まれる。


そこでお前は、ただひたすらに、乳魔に奉仕し続けるのだ……。


城では、全ての自由を奪われ、乳魔のためだけに生きる、哀れなゴミクズとして扱われるだろう……。


そう……お前の仕事は、ただ一つだけだ……。よーく、その小さな頭に叩き込め……。


無駄な抵抗はせず、黙って諦め、絶望しながら……。


乳魔に、ひたすら、甘やかされろ……♡


抱き枕となり、乳魔にひたすら甘やかされ、この世の極楽を、ひたすら味わい続けろ……♡


クク、何だ、その呆けた面は……♡


理解できないなら、何度でも、言ってやる……♡


お前は、乳魔の甘やかし本能を排泄するための、肉抱き枕だ……♡


乳魔のとめどない愛情を、可愛らしいマネキンとして、黙って受け止め続けろ……♡


良かったなぁ、奴隷……?♡


気付いているか……?♡お前はもう既に、まともに生きていたなら、絶対に味わえないような……ひどく幸せな目に合っているのだぞ……?♡


フフ……♡さあ……ようこそ、生き地獄へ……いや。


”生き天国”へ……♡




フフ……乳魔として生きるのも、中々楽ではないものなのだよ……♡分かるか、奴隷……?♡


我ら乳魔はな……♡生まれたその瞬間から、一つの強力な本能を解消するためだけに、行動しているのだ……♡


人間を、四六時中、ひたすら甘やかす……♡


全ての苦痛を取り除き、快楽と幸福でその身を満たし尽くしてやる……♡


身を焦がすような、強い、強い衝動だ……♡


お前で言うなら、そうだな……♡食欲、性欲、睡眠欲はもとより……楽しく遊びたいとか、恋人が欲しいとか、名声を手に入れたいとか、心より信頼できる友人が欲しいとか……そういった欲望の全てが、丸ごと、ひっくるめて……♡


今すぐに、人間を抱きしめたい……♡人間を甘やかしたい……♡人間を愛しまくりたい……♡


そんな欲望に、置き換わったかのような……♡それはそれは、苛立って喉を掻きむしり、暴れ回ってしまうほどの、炎の如く苛烈な欲求なのだよ……♡


だって、そうだろう……?♡もし、その欲求が我らに無ければ、私の身体は今頃、ぶくぶくとひたすら醜く肥え太った、脂肪まみれの肉塊になっているはずだ……♡


何故ならば、脂肪に魔力を蓄えることができる乳魔としては、それが最も効率のいい姿なのだからな……♡


だが、そうならないのは、一重にただ、本能のせいだ……♡


乳魔や淫魔は、人間を悦ばせ、人間に媚びるため、ひたすらお前たちが美しいと思う肉体に、進化してしまったのだ……♡


それほどに、我らは、人間のことを第一に考え、生きてしまう……♡


だから、我ら乳魔は、それだけのために、今まで魔界では、何も為せずにいたのだ……♡


あまりにも、生物として破綻した、この本能のために……♡我らは、それに能うだけの力を持っているにも関わらず、他の魔物を叩き潰し、全てを奪い、乳魔だけの国を作ることもせず……♡


ほら、そこのベッドに転がっている、あの抱き枕のような……♡人間に似た感触と、人間に似た大きさのクッションを、寂しく撫でながら、人間甘やかし欲を紛らわせるか……♡


あるいは、奴隷持ちの乳魔は、部屋に引きこもり、ひたすら人間に女体を擦りつけているか……♡


乳魔とは、そのどちらかを、ひたすら繰り返す者しか存在しないのだ……♡


そう、乳魔は、人間を甘やかさないと、生きていけないのだよ……♡


なんと馬鹿馬鹿しく、覆しがたい弱点だろうか……♡


だが……実際に、こうして人間を前にすると、確かにこれは、抗いようがないと思ってしまう……♡


手が勝手に、お前の頭を撫でようと、お前の顎下をくすぐろうと、動いてしまうほどだ……♡


だが、しかし、私は違う……!♡我が理想のため、必ずやその本能に、抗ってみせる……!♡


人間への甘やかし本能の、克服……♡それを以て我は、完全な存在になるのだ……♡


そう、貴様は、そのための練習台として、ここに連れられたのだ……♡真に甘やかし欲を覆すためには、格別に愛らしい奴隷が必要だったからな……♡


そうだな、最終目標は、ふむ……。


……22時間。それが、乳魔としての、生物的な限界だろうな。


……ん?ああ、もちろん、それは……一日のうち22時間、貴様を甘やかし続けて、残る2時間で、その他の活動を行うという意味だ……♡


ふう……。考えるだけで、身が引き裂かれそうだな……。


2時間、120分も、お前の傍を離れなければならないと思うと……背筋に、ひどく悪寒が走る……。


いや、しかし、乳魔の理想郷を実現するためには、泣き言は言ってはおられん……。


……まあ、とにかく……。そのためには、一度人間を抱かないと、話にもならぬか……♡


ああ、全身の魔力が、目の前のオスに媚びてゆくのが、はっきりと理解できる……♡


お前からすれば、堪らんだろうな……♡


あの、肌に細かな氷の針が、無数に突き刺さるような、あのプレッシャーが……今や、どろどろに溶けたキャラメルが、肌にへばりついてコーティングされるような、ひたすら甘ったるい感覚になっていくのだからな……♡


その恍惚、快楽は、乳魔の圧倒的な魔力でしか感じられぬもの……♡


喜べ、奴隷……♡お前はこれから、人の身ではたどり着くことのできぬ、官能の桃源郷に、ひたすら溺れゆくことになるのだ……♡


……ククク♡良い顔だなぁ、奴隷……♡


さんざっぱら脅され、怖がらされ、絶望しきった奴隷が……急転直下、幸せのどん底に叩き落される姿は、何物にも代えがたい娯楽だ……♡


……フフ、どうした?♡そのような、蕩け切った顔を晒して……♡


まさか、ベッドにそっと寝かされただけで、精子おねしょか……?♡


なあ……まだ、私の部屋に、足を踏み入れたばかりだろう……?♡


そんなに、乳魔のフェロモンが染みついた寝具が、快いか……?♡


砂糖菓子のように甘い、コンデンスミルクにも似た乳臭を、必死に嗅ぎまわっては粗相して……♡


もう、脳みそお花畑か……?♡まだ何も始まってすらいないというに、既に天国か……?♡


甘ったるい魔力の満ちた、この空間にすら……♡極濃フェロモンに侵された、この空気にすら甘やかされ……もうグロッキーか……♡


それでは、ちんぽが保たないぞ……?♡幸せすぎて、すぐダメになってしまうぞ……?♡


……あーあー、尿道が緩みきってしまって……♡もう、精子が漏れるの止められないか……♡


緩んで蛇口みたいに、鈴口から精液とろとろ、死ぬほど気持ちいいのと一緒に、出て行ってしまうな……♡


これではもう、人間の雌などとは、子供を作ることはできないだろう……♡


甘やかされ廃人確定……♡可哀そうになぁ……♡


……ん?ああ、よいよい、気にするな……♡どうせ、これから死ぬほど汚すのだ……♡


ふかふかのもちもち、最高級のクッションにまみれた、私の天蓋付きベッドに、精液をたぱたぱお漏らし粗相をされたくらいで、今更怒らんよ……♡


そうだな……そのベッドは、金に換えたら、それこそ王国と商戦で戦える程度の金額にはなるだろうが……。


まあ……そんなもの、乳魔である私からすれば、はした金でしかないからな……♡


何せ私は、お前からすれば、女神にも等しき存在だ……♡


魔力からしても、武力からしても、信仰からしても……そして、美貌という面で見ても……♡


ああ、だが……いくら女神とはいえ、このような淫らな体つきは、持ち合わせておらんか……♡


なあ……元勇者……?♡言ってみろ……♡


私と比べたら、お前の信仰する女神など、ひどく貧相な身体だろう……?♡


ド貧乳の、痩せ尻女……♡抱きついたって、ちっとも気持ち良くない、骨ばった身体の女など……♡


私を前にしてみたら、醜女もいいところだな……♡抱いて下さいと、土下座して頼まれたって、あんな雌など願い下げだな……?♡


ククク……♡ああ、可愛い奴め……♡


奴隷の心をへし折って、私に依存させるのは、こんなにも愉快なものなのか……♡


確かにこれでは、人間を飼い始めた乳魔は、ことごとく腑抜けになるに決まっている……♡


はぁ……♡愛らしい……♡


どこをとっても、甘やかし甲斐がありすぎる生き物だな……♡


……私は、理想を叶えるためには、こんなにも乳魔に都合のいい生物から、離れなければならないのか……?


……道は、険しいな……♡あまりにも、厳しい……♡


だが、まあ、今だけは……♡今日くらい、頑張ったから、自分へのご褒美を与えないと……♡


ああ、そうだ、そうしないと無理だ……♡人間が、目の前でこんなに、授乳顔を晒しているのに、おっぱいも与えず帰るなど……♡正気では考えられん……♡


やはり、何だかんだ言っても、私はどうしようもなく、乳魔だな……♡人間を甘やかさないと、生きていけない魔物なのだ……♡


そう、人間とかいう雑魚種族の、全てをお世話してあげないと、駄目なんだ……♡そんな行為に、何のメリットもないと、理性では理解しているのに……♡


うう……♡どうしてくれようなぁ……♡この、あまりにも愛らしすぎる、甘ったれ……♡


参ったな……♡これはどうにも、我慢のしようがないぞ……♡


この、あっへあへの、くったくたな……♡精通を知らないガキですら、顔を見たらすぐ、一目で射精していると理解するだろう、とろんとろんのイキ顔を……♡


更に、多幸感で歪めてやらないと……♡快楽で、徹底的に、壊してやらないと……♡


ああ……♡こいつが発狂するより先に、私の方が気をやってしまいそうだ……♡


この日の為に、必死に精神強化の訓練を行ってきたはずなのに……♡乳魔の本能とは、これほどまでに強烈なのか……♡


くそ……♡とにかく、早く抱きしめないと……♡


こいつの顔面を、このとろっとろの爆乳で……♡みっちり挟み込んで、押し潰してやらないと……♡


……ほら、身体どけて、隙間開けろ……♡私の愛用抱き枕に発情して、腰をへこつかせるな……♡


いくら生地に乳臭染みつきまくって、ひと嗅ぎするたびに脳細胞ぷちぷち潰れるからって、綿の塊に本気で求愛するな……♡


だいたい、お前も今日からこれと同じ、抱き枕なんだぞ……♡自覚を持て……♡


くそ、くそ、くそ……♡このクズ綿……♡私の愛しい奴隷を、このゴミめ、寝取りやがって……♡ふざけるな、死ね、ゴミクズ……♡ビリッビリに引き裂いて、焼き尽くして捨ててやる……♡


お前も、こんな無機物に浮気するな……♡目の前に、こんなものよりも百万倍甘えやすい淫肉があるだろう……♡


ほら、抱きつけ……♡とっととしろ……♡お前は私の旦那様だろうが、何をぐずぐずしている……♡


ああ、もう、思考がまとまらない……♡人間を抱いていないと、ストレスで気が狂いそうだ……♡


ほら♡頭出せ……♡お前、もう二度と、私の乳肉の中から出られると思うなよ……♡


この……艶々ぷりっぷりの乳肌を、よーく見ておけ……♡この、みるからに肉のコクに溢れた、柔らかすぎる液体おっぱいが……♡


お前の頭を丸呑みにして、餅みたいな肌が、ちゅっちゅちゅっちゅとしつこくキスしまくって……♡


何もかもがボリューム過多で、特濃すぎる乳肉が、お前をいじめ続けるんだからな……♡


殺してくださいと頼まれたって、お前を幸せにするのをやめてくれない、いじめっ子おっぱいに、むちむちむちむち、甘噛み地獄……♡


覚悟しろ……♡この世の何よりも気持ちよくて、この世の何よりも幸せな、おっぱいハグ地獄、してやる……♡


ほら、おっぱいギロチン、落ちる……♡落ちるっ……♡


どっ……にゅぅ~んっ……♡


はっふぅ~っ……♡何て素晴らしい抱き心地だ……♡


あ゛~……♡ストレスが全部消えてゆく……♡多幸感ブチ決まるぅ……♡


骨で節くれだった、オスの硬い身体が、雌肉に完全埋没……♡


はぁ~っ……♡じっとり蒸れたデカパイを、ヒトオスの顔面で拭くのたまんない……♡


すまんなぁ……♡ただでさえ、どこもかしこも人間を抱くのに最適化された、極蕩の身体を押し付けられて、幸せすぎてきついのに……♡


顔中タオル代わりにされて、結露化するほど濃すぎるフェロモン汗を、じっとりねっちょり染みこませられるの……恍惚深すぎて、魂ごととろけちゃって、天国から帰ってこれなくなっちゃうな……♡


ぶっとい腿肉も、がっつり絡めて……♡お前の倍ほども肉を蓄えた、死ぬほど太い脚を、すりすり、すりすり……♡


抱きつぶすみたいに、脚で身体を引き寄せて、むっぎゅ~……♡してやると、勃起がもちもち腹肉の隙間で、びゅっくん跳ねて、精液がとぷとぷ漏れるの、あまりにも可愛すぎないか……?♡


そんな顔をしてしまうと……全体重をかけて、私の大きな肉体を……どっしん♡覆いかぶせてしまうぞ……?♡


ほら……♡苦しいだろう……?♡


呼吸は問題ないにしろ、全身が、魔力の籠ったもっちもちのふかふかな雌肉に、練りつぶされて……♡


人間にガチ惚れして暴走した、濃い魅了の魔力が、お前の神経を内側から甘やかして……♡


快楽を直に流されて、多幸感が暴れまくって、死んでしまうほど幸せになってしまうだろう……?♡


恐ろしいか……?♡私の持つ、”極蕩”の二つ名の意味が、理解できたか……?♡


この世に存在するものの中で、最も潰れ心地の良い、とにかく甘いにゅらにゅらの雌肉の、その感触はどうだ……?♡


まさに、拷問と呼んで差し支えのない、究極の抱擁だろう……?♡


ふふ、声すらも出ないか……?♡もう、声帯までもが、溶けたか……?♡


まだまだ、こんなもの、序の口だぞ……♡私の淫肉は、お前に媚び始めたばかりだという事を、忘れるな……♡


ほら……♡自分の百億倍強くて、死ぬほど自分の事が大好きなお姉さんに、みっちり隙間なく密着ハグされるの、安心感が凄まじいだろう……♡


存分に、不安の欠片もなく、蕩けられるな……♡いや、むしろ、強制的に、蕩けてしまうか……♡


ふふふ……♡見るに堪えない、ひっどい顔だな……♡


ぐずぐずに、フェロモンと雌肉に煮込まれた、射精顔……♡


なあ……♡奴隷、理解したか……?♡


これが、乳魔の、極限の甘やかしだ……♡


断言しよう、オスとして、これ以上の幸福は、この世には存在しない……♡


艶々の肌が、肉が、お前に甘ったるく求愛し、キスの雨を降らし……♡


むっちむちのぷるっぷる、瑞々しくて、けれど熟れ切った、雌の旨みを詰め込みまくった、至福の愛撫が、お前の全てを満たす……♡


それが……乳魔である私にとっては、面白くて仕方がない……♡


だから、乳魔はこれを永遠に、続けるのだ……♡


全ての乳魔は、人間をみっとり抱きしめたまま、永久に愛の巣の中から、一歩も外に出ることなく、人間を甘やかして過ごす……♡


そう……お前は、この雌肉監獄の中から、もう二度と出られない……♡


太陽の光を浴びる事も、地面に脚をつけることも、空気を吸う事もできない……♡


ふわふわの布団と、にゅらつく乳魔の肌の隙間で……♡


横たえられたまま、折れそうなほど強く抱かれ……♡


乳魔が放つ、極甘フェロモンだけを、ひたすら浴び続ける……♡


無論、お前の肉棒は、私の肉厚ふわとろ生おまんこの中で、飴玉のようにしゃぶられ蕩けまくったまま……♡


お前の全ては、この狭っ苦しい天国の中で、朽ち果てる事も、死ぬこともできず……♡


凌辱、強姦、絶頂……♡


にゅらにゅら、むちゅむちゅ……♡あんあん、いくいく……♡


深い射精、深い恍惚、深い幸福、深い至福……♡


それが、お前のこれからの人生の、全てだ……♡


……フフ、少し、幸せ過ぎたか……♡


ああ……♡奴隷、腕の中で、ぶるぶるって震えて……♡


私まで、幸せすぎて、イってしまう……♡まあ、多分奴隷は、その百倍は深イキしてしまっているだろうが……♡


いかんなぁ……♡こんなつもりでは、無かったのだが……♡


人間界を征服するという、強い野望を以てすれば、甘やかし本能など、多少は抑えつけれると考えていたが……♡


完全に、想定外だったなぁ……♡人間め、こんなに従順に、私に懐きおって……♡


心臓が鷲掴みにされた気分だ……♡胸の中が、甘ったるくって仕方がない……♡


このままでは、他の乳魔と同じように……♡24時間付きっ切りで、奴隷の面倒を見るだけの人生を送ってしまう……♡


そんなの、絶対、幸せすぎるな……♡もう、天国だろうが、そんなもの……♡


ああ、だが、いかん……♡乳魔の悲願のために……♡魔王として立候補した私が、頑張らないと……♡


うう、しかし、母乳も、乳腺がどくどくと鳴るほど、作りまくって……♡乳が張ってしまう……♡


人間を甘やかすためだけに発達した、この容量でかすぎミルクタンク……♡人間が吸いやすいように、どこを掴んでも、もっちりと柔らかく手のひらを受け入れる、おっぱいお肉……♡


一度でも触れれば、魅惑の感触に病みつきになり、人間を堕落させ、法悦を叩き込む、この重たい雌肉を……♡にゅろんにゅろん、にゅっとんにゅっとん、擦りつけまくって、押しつぶしまくって……♡


そんなことをしたら、人間が幼児退行してしまうに、決まっているのに……♡ママが居ないと、ママのお肉に包まれてないと、寂しくて泣いちゃうような、雑魚赤ちゃんになってしまうに決まっているのに……♡


これでは、自殺行為……♡更に人間が愛しくなって、ますます離れられなくなる……♡


ああ、だが……♡とりあえず、人間に、母乳だけは飲ませてあげないと……♡


私がちゃんと、この子の食事を、面倒見てあげないとな……♡こればかりは、仕方がない……♡


ほーら、お口あーんしろ……♡分かるか……?♡あーん、だぞ……♡


んー……?♡やぁやぁ、か……?♡お腹空いてないのか……?♡


ほーら、おっぱい甘くておいしいぞ……?♡もう、これを飲んだら、水やジュースなんて、不味くて二度と飲めなくなるくらい……♡


いや、もう、他の食べ物なんて、絶対に口に入れたくなくなるくらい……♡母乳しか、胃が受け付けなくなるくらい、ほんとに美味しいんだぞ……?♡


な、匂い嗅いでみろ……♡頭くらくらするぐらい、勃起収まらなくなるくらい、いい匂いだろう……?♡


だから、ほら、一口だけでいいから、飲んでくれ……♡一滴でも飲んだら、二度と病気や栄養失調を起こさないくらい、栄養満点だぞ……♡


滋養強壮、不老不死……♡魔力たっぷり、精力たっぷり……♡飲めば飲んだ分だけ射精できる、甘くておいしい、乳魔の霊薬母乳……♡


お前を、身体の内側からも甘やかす、私の魔力の結晶……♡飲んでくれ、頼むよ……♡


……あ、ふふ……♡いい子だな……♡


あ、あ、あ……♡乳首吸われて、ちゅうちゅうって、あ……♡


私の母乳が、奴隷のお腹に入って、血液と共に巡って……♡


は、あ、これ、やっば……♡もう、一生飲み続けてくれ……♡


はあ……♡私の赤ちゃん、世界一可愛いな……♡


こんな子を、私の腕から離さないといけないの、普通に意味分かんないな……♡


世界征服、やめよっかなあ……♡


ああ、でも、他の魔物共、邪魔すぎるからなあ……。


こんなに可愛い人間を、あいつらは傷つけようとするし……。まあ、皆殺しにするしかないよな……。


私が、人間界に出向いたのも、ゲートから漏れた魔物どもを、片っ端から殺して回るためだし……。


まあ、普通に考えて、乳魔と淫魔以外の魔物は、絶滅させるしかないか……。


そうして、全ての人間を、乳魔と淫魔の支配下に置いて……♡永遠に、楽園を作ってあげなきゃな……♡


こんなに弱くて可愛らしい人間は、ちゃんと乳魔が守ってあげなければ……♡


これから生まれてくる全ての人間が、生まれた瞬間から永遠に、一秒の休みもなく乳魔に甘やかされるために……♡


魔王たる私が、しっかりと先導してやらなければ……♡


乳魔と淫魔による、人間甘やかしランドの設立……♡世界中を、人間を甘やかす為の施設に、改造するという計画……♡


そうだ、気をしっかり保たないと……♡こんなに可愛い人間を、魔物とかいうクソ共の餌にする訳には、絶対にいかない……♡


そのために、私は今まで魔界門の前に陣取って、人間界に出向こうとする魔物を、片っ端からブチのめしてきたのだから……♡


ああ、そうだ……♡まあ、流石にこの子以上に可愛い子など、世界には一人も存在しないし、これからも二度と誕生しないだろうが……♡


それはそれとして、全ての人間を幸福漬けにするのは、我らの悲願であるから……♡頑張らないと……♡


……だが、そのためにはまず、身近な場所から、目標を達成せねばな……♡まずこの子を、徹底的に甘やかして、幸福以外何も感じられなくなるまで、女体を擦りつけないと……♡


おまんこで、いらないちんぽ汁を、おねしょさせてあげないと……♡子宮おむつで、きっちり甘やかして、キンタマの面倒見てやらないと……♡


……あ゛ぁ゛~っ……♡くそぉ……♡


人間、かわいすぎるなぁ、もう……♡


むぎゅ~……♡したまま、おっぱいで頭をよしよしして、太ももでがんじがらめにして、おまんこで亀頭ぴかぴかになるまでヒダ磨きしてあげるの、幸せすぎるぞ……♡


……まあ、明日……♡


そうだな、とりあえず、明日頑張るか……♡


……うん、よく考えたら、全人類の保護は、人間界になだれ込んだ乳魔によって、もう済んでるはずだし……♡


とりあえず、人間が飢えたり、魔物に襲われたりすることも、ひとまず無いわけだし……♡


……まあ、しばらくは、いいか……♡


うん……♡まあ、今頃部下も、人間を抱くことに精を出して、少なくとも千年は連絡つかないだろうし……♡


そうだな……♡一人では、どんな作業をするにも、時間がかかって仕方がないから……♡


まあ、しばらく……♡他の奴から連絡が来るまで……♡


もう少し、おっぱい漬け、しておくか……♡


な、奴隷……?♡お前も、それがいいな……?♡


ママの身体にしがみついて、腰をぐりっぐり押し込んで、全身で雌を堪能するの、好きだもんな……?♡


全力で抱きついて、腕までおっぱいにめりこませて、体中を上下に、ずぅりずぅり……♡ママの身体で床オナするの、きもちいよな……?♡


……うんうん、少なくとも、この子が寝付くまでは、ちんちんのお世話してあげないとだし……♡


もうちょっと、あと少しだけ……♡


全身パイズリレイプごっこ、してあげるかぁ……♡

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ボツ供養・自分の見た目に自信がない王子様系どたぷん雌ボディイケメン女性

……はあ、困ったな。どうにかならないものか……。


……ん?ああ、すまない。独り言が、漏れていたかな。


うん、ちょっと悩みがあってね。聞いてくれるかい?


……ありがとう。付き合ってすぐのお家デートなのに、こんな愚痴を聞かせてしまって、すまないね。


……フフ、キミは本当に優しいな。


いや、実はね……悪ノリなのかは分からないが、友人の推薦で、今度開催される大学のミスコンに、参加させられることになってしまって。


……反応が薄いね。私はこんなにも悩んでいるというのに。


……え、ミスコンが嫌なのかって……そりゃ、嫌だろう。


私はこんな顔立ちで、こんな体型だろう?


大学一の美人を決める大会になんて、到底相応しいとは思えない。


壇上に上がったって……きっと、失笑を買うだけだ。


……なんだい、その微妙な顔は。


いや、変だろう、私の見た目は。


ほら……顔立ちもさ、ちょっと男っぽいし。


私をミスコンに推薦した友達にも、下手な男性アイドルよりも、よっぽどカッコイイって言われたし。


それって、女としての魅力がないってことだろう?


私は、女の子には王子様とか言われて持て囃されるくらい、けっこう受けがいいけど……。


女っぽくて可愛いかって言われると、違うと思うんだ。


ほら、男連中にも、昔っから美少年ってからかわれてたし。


……いやいや、ふざけてなんかいないよ。


そう、それだけならまだしも、、他にもさ。


体型だって、変だと思わないか?


顔はこんなに中性的で、どちらかと言えば、男っぽいのに……。


ほら……見てよ。


胸と……お尻ばっかり、こんなにむちむち肥えてさ。


もう普通の服屋では、サイズが合う下着が売ってないほど大きいのに。


けれど……お腹だけは、こんなに痩せて、肉がちっとも付いてない。


アンバランスで、奇妙だとは思わないかい?


……え、え、エロすぎる……?


私のこの……乳と尻ばっかり肥え太った身体に、欲情するって?


もしも、ウソついたなら……怒るよ?


一応、私にとってこの体型は、けっこうコンプレックスなんだ。


もし、他ならないキミに、私なんかの身体で欲情されたなら、むしろ飛び上がるほど嬉しいけれど……。


だけど、気を遣われてそんなことを言われたなら、余計に傷付くよ。


……それでもまだ、ウソじゃないって、言えるかい?


私の身体で、その……勃起、できる?


……だったら。


だったら、さ。


手っ取り早く、証明して見せてよ。


何をって……私のカラダで、本当に興奮できるのか。


私をオカズに、射精できるのか。


今ここで……シて、見せてよ。


もちろん、タダでとは言わない。


少なくとも、キミに興奮してもらえるよう、手伝いはさせてもらう。


キミが射精できるよう、私はこの身体を捧げる覚悟で、キミの自慰をサポートする。


恥ずかしいことでも、アブノーマルなことでも、何でも。


そして、もし、それで射精ができたなら……その後、どんなことでも、言う事を聞いてあげるよ。


……二言はない。


……いい?


いいん、だ。


……えと、じゃあ、その。


見せて、よ。


キミが……射精、するところ。




えーと、じゃあ、まずは……ごめん、どうすればいいかな?


大口を叩いておいて悪いんだけど……私、えっちなことって、あんまり、わかんなくて……。


それこそ、彼氏なんて、居たことないしね……。


……え?うん。居るわけないじゃん、元カレなんて……。


こんな、おっぱいお化けの、男っぽい女にさ。


キミが初めてだよ、私なんかの事を、美人だって……付き合いたいって、そう言ってくれた男の人は。


だからさ、ほら、命令してほしい。


でなきゃ、何をすればいいかも、分からないんだ。


今だけは……性奴隷みたいに、絶対服従だよ。


私なんかじゃ、不服かもだけど……これを機会に、キミにとって都合のいいテクを、覚えさせてみないかい?


もののついでだ、キミのおちんぽの好きなところ、私に教えてくれ。


さ、お願い。


……うん、まずは……上着を、脱げばいいのかい?


そ、そうだよね……。私のカラダが気持ち悪くないか、確かめるんだから……おっぱい見てもらわないと、意味ないか……。


……えと……よいしょ……。


……よし、脱いだよ。次は?


……え、ああ、これ?


うん、サラシ。


知らないかな?着物の帯みたいにして、胸を締める布なんだけど。


いつもこうして、きつめに巻いて、胸を潰してるんだ。


……うん、もう、私のおっぱいが入るブラジャーが、どこにもないっていうのも、そうなんだけど。


……あんまり大きいから、恥ずかしくて。


少しでも小さく見せられるように、こうしてるのさ。


これでも、みんなには……まだ、巨乳だって、言われるんだけどね。


やっぱり、どれだけ潰しても、無くなる訳じゃないからさ。


痛いぐらいに締め上げて、おっぱいのお肉を、お腹の方まで寄せてあげても……元が大きすぎるから。


こうして縮めても、だいたい……Fカップくらいは、あるんだ。


こんなにさ、おっぱいを小さくしようと努力してるのに……街なんかを歩いてたら、色んな人が振り返って、ああ、大きいなぁ……ってさ。


胸にばっかり、じろじろ視線を集めてくるんだ……。


やっぱり、こんな体型、変だよね……。


……え、サラシ、ほどくの?


う、うん……いいけど……。


……絶対、引かないでね?


あと、鼻も……つまんでおいた方が、いいかも。


何でって……まあ、理由は、すぐ分かると思う。


……いく、よ。


……う、うっ……♡


この、胸のつっかえが取れて、おっぱいがぶくぶくって、膨れていく感覚……。


苦しいのが、解放されて、スッとするけど……。


こうして、下を向くとっ……このお化けおっぱいで、視界が埋まって……。


自分の体形が見えて、嫌なんだっ……。


……ふぅ。


……うう、ほんと、品がなくて、嫌になるな……。


この牛みたいなおっぱいのせいで、もう、地面もろくに見えなくてさ……気を抜くと、歩きなれた私の家でも、段差でつまずいたりするんだ……。


だからって、腕で押さえつけようにも、肉がたぷたぷって、潰れて広がるだけでさ……腕の隙間から、ボンレスハムみたいに肉が溢れるせいで、余計に惨めで……。


手のひらで、こう……支えても。柔らかすぎて、手首までもっちり沈み込んで……とろとろの、液体みたいで、つかみどころもない。


それで、手を放して、おっぱいを押さえておくものが、無くなるとさ……。


ふるふるっ……ふるふるっ……って。


呼吸しただけで、プリンみたいに震えて……これ、このバレーボールよりおっきな、おっぱいの中身がさ……。


たっ……ぷり、丸ごと脂肪の塊なんだなって思って、うぅ……。


下品、だよね……。


それに、サラシって、空気が通るところが無いからさ……。


どうしても、汗で蒸れてしまうんだ……。


だから、ほら……匂う、でしょ?


甘ったるい……生クリーム、みたいな匂い……。


なんていうか……乳臭くて、雌くさい……。


はしたなくて、下品すぎる、おっぱいの匂い……。


私、陸上部だからさ、部活後とかも、女子更衣室で、着替えるんだけど……。


他の人の汗の匂いには、みんな慣れてるのに……私がユニフォームを脱ぐと、近くにいる人なんか、げほげほって、むせちゃったりするんだ……。


ほら、そこに居ても、分かるでしょ……?


おっぱい臭い、ミルクを煮詰めたような、甘すぎる匂いが……。


嫌なんだ、これ……。これじゃあ、本当に、男連中にイジられてたみたいに……私が、牛女になったみたいで……。


……え、あ、あっ……ど、どうしたんだい……!?


顔真っ赤で……息も荒いけど……。


わ、わ……!?ちょ、パンツ、脱いで……!


それ、おちん、ちん……うわ、めっちゃくちゃ、勃起、して……!


わ、私で、興奮、してくれたのか……?


ほ、ほんとに……?


……う、うっ……嬉しいっ……♡


私なんかの身体でも、受け入れて、くれるんだっ……♡


す、すっごく、嬉しいっ……♡


こんな、大きすぎるおっぱいでも……♡


だっぽだぽに育ち切った、駄肉まみれの、柔らかすぎるぷにゅっぷにゅのおっぱいでも、喜んでくれるんだなっ……♡


え……触っていいかって……?


こ、こんなのでいいなら、いつでもどうぞ……?


……男の人に触られるの、初めてだから、緊張するな……♡


う、んっ……♡


あ、ごめ、変な声、漏れたね……♡


ん、ん……♡


……えと、すまない……♡


言い忘れてたけど、けっこう、敏感で……♡


もし良ければ、なんだけど、優しめに触ってくれると、嬉しい……♡


……う、ぁっ♡


つ、強いよっ……♡


う、あ、いや……全然、嫌じゃないし、いいんだけど……♡


ん、ふーっ……♡んくっ♡


ぅ、え、雌っぽくて、エロすぎ……?♡


わ、私が……?♡


そ、そんなこと言われたの、初めてだから、どう反応したらいいものか……♡


私はずっと、王子様王子様って、女の子にもてはやされてばっかりだったから……♡


め、雌扱いされるのには、慣れてないんだよ……♡


……う、まあ、キミの言う通り……体型は、やりすぎなぐらい、雌っぽいけどさ……♡


大学とか行ってる間は、さっきも見せたように、サラシを巻いてたり、体型が出にくい服を着てたりして、隠してるから……。


何でって……まあ、こんなにだらしのない、馬鹿みたいに大きいおっぱいを、見られたくないっていうのもあるけど……。


男っぽい服を着て男装してたら、女の子たちが、嬉しそうにするからさ。


目をハートにして、アイドルが近くを通った時みたいに、黄色い声を上げて、喜んでくれるんだ。


こういう恰好をしていると、たまに、興奮しすぎて、飛び掛かるみたいに抱きついてくれる子もいたりしてさ……避けると危ないから、抱きとめてあげると、そのまま気絶しちゃうこともあるんだよ。


これは、体型を隠すついでにやってるだけだけど、……せっかくなら、誰かに喜んでもらえると、私も嬉しいよね。


でも、だからかな……私の裸を見ちゃった女の子は、ショックを受けたのか分からないけど……こう、お股のところを押さえて、うずくまっちゃって。


あんまり、女の子に受けがいい恰好をするのも、本当の姿を見せた時にがっかりさせるから、良くないのかなぁ、とも思うんだよね……。


……え、違うの……?がっかりした訳じゃない……?


なら……何で、あんなことに……?


え、は、発情……?


そ、そんな訳なくないか……?


王子様扱いしてた女のおっぱいが、こんなに大きかったら幻滅するだろうし、だいたい発情って言ったって、女同士だし……。


あっ♡うっ……♡


お、怒らないでっ……♡ご、ごめんなさいっ……♡


乳首、つねらないでっ……♡


なんでそんなに、怒るんだい……?♡


う、自覚なさすぎって、何が……?♡


ば、馬鹿になんて、してないよ……♡


え、鈍感すぎるから、お仕置き……?♡罰って、何するの……?♡


おっぱいに、顔を埋めさせろって……。


……いいの?


ああ、嫌とかじゃなくてさ。


こんな、だらしなく育った、下品な爆乳でよければ、私はもちろん構わないんだけど……むしろ、キミの方が、嫌じゃない?


だって、こんな、雌くっさい、母乳っぽい匂いの染みついた、おっぱいなんてさ……近づけられるのも、嫌でしょ?


それに、私のおっぱい、特に肉質が柔らかくて、そのくせ密度も高くて、みっちみちにお肉が詰まってるらしくて……。


まるで、付きたてのお餅みたいにもっちもちで、湿気が強くて、肌も吸い付いてきて、頭を埋めたらきっと……顔が全部包まれるどころか、後頭部まで溢れたお肉に沈んじゃうよ……?


きっと、息もしにくくて、苦しいし……たぶん、甘ったるい匂いが、鼻の奥にまでこびりつくから、やめた方がいいよ……?


それに、それに……って、うわっ……!


そんな、飛びついてまで、おっぱいに顔を埋めたかったのかい……?


分からないな、キミの趣味は……。


こんなの、罰ゲームみたいなものじゃないのか……?


キミって、すっごく格好良くて、どんな女の子でも口説けば堕とせそうなのに……女の趣味は、ちょっと特殊なんだね……。


……え、ど、どうしたの!?


ぶるぶるって震えて……わ、深呼吸なんかしたら、ダメだって……!


おっぱい臭いよ……?キミにまで、匂いが移っちゃうよ……?


……あ、え、このまま、シコシコしたいの……?


い、いいけど……キミも、つくづく変わってるね?


頭よりもおっきな、ダンベルみたいに重たいおっぱいを顔に乗せて……。


顔中で、たっぷりもちもちの感触を感じながら、顔からはみ出て余った乳肉を、しつこく両手でもみもみ……。


そうしておっぱいを揉みまくりながら、深ぁく息を吸って、じっとり蒸れて汗をかいた、谷間のいっちばん深いところの匂いを、嗅ぐんだもんな……。


何が楽しいのやら、私にはよく分からないけれど……。


こんなに無駄に実った、ばるんばるんの駄肉が、そんなに好きなのかい……?


キミったら、そんなに色男なのにさ……モデルやらアイドルやらの、すっきりした細身の女の子は好きじゃなくて。


私みたいに、頭よりもおっきくて、定規がすっぽり収まるくらい長い、ウシチチ爆乳フェチなんだから……不思議だねえ。


……あ、いいよ、お顔はおっぱいの奥に埋めたままで。


おちんちん、そんなに必死に扱いてるんだもんね。


きっと、本当に、好きなんだ……。


……ふふ、なんだか、赤ちゃんみたいで、かわいいな。


すっごく、すっごく……かわいい。


……こんなことで良ければ、いつでもどこでも、やってあげるよ?


私は、キミの彼女にさせてもらってるんだし……これくらい、させてよ。


……うん、毎日でも、いいよ?


別に減るものでもなし、むしろ私も、なんだか……こんな私を、受け入れてもらってるんだなって、肯定された気がして、嬉しくなるから。


一日中、おっぱいに甘えてても、いいよ。


ふふ、これじゃあ、彼女っていうよりも……。


キミのおっぱい奴隷、だね♡


何だか、うれしいな……♡


おっぱい奴隷……♡ちょっと、興奮する……♡


……いや、しかし、キミに、そんな性癖があったとは……知らなかったな。


そんなにおっぱいが好きだったなら、言ってくれればよかったのに。


確かに……私の女友達も、これ……やわとろな極上の触感で、病みつきになるおっぱいだって言ってくれてたけど……。


男であるキミが、これで興奮してくれるとは、まるで思っていなかった。


こんなにも、嫌になるくらい大きなおっぱいが、役に立つだなんて……分からないな。


こんな……110センチを超える、馬鹿みたいなおっぱいが、さ。


……え?うん、110センチ……。


正確には、もっと大きいけどね。


……うん、110まで入るはずの、特注のブラジャーが壊れてから、測ってないから。


……そう、おっぱいが、大きすぎて。


いくら私のおっぱいが柔らかくて、液体みたいにとろっとろだったとしても……でも、押し込むと弾力があって、ぱつぱつの張りもあるからさ……。


無理やり、ブラジャーの中におっぱいを詰め込んだら、留め具がばつんって切れちゃって。


ブラジャー、破壊しちゃったんだ。


……そうそう、これこれ。


部屋の隅に置いてあった……これ、ね。


ふふ、最初は何か分かんなかったよね。


だって、あんまりにも大きすぎて……ごつすぎるから。


小玉のスイカくらいなら、余裕で包めちゃうサイズに……針金入りの、硬そうなカップ。


私のおっぱい、あんまりに重すぎるから……金属を入れて補強しないと、紐がすぐに切れちゃうんだ。


厄介なおっぱいだよね。このせいで、何個のブラを壊したことか……。


……え?このブラ、ほしいの?


まあ、いいけど……その、ちょっと、匂うかもよ……。


何度洗っても、ミルク臭さが取れなくて……。


部屋に置いておくと、部屋中が綿飴みたいな甘ったるい匂いになっちゃうから……。


私は、どうせ元から体臭が甘いし、部屋にそもそも乳臭いのが染みついてるから、いいんだけど……。


……その匂いで、オナニーする、の?


確かに、今も……おっぱいをくんくん、犬みたいに嗅ぎまくりながら、おちんちんシコシコしてるもんね……。


おっぱいの匂い、好きなんだ……?


……だったら、さ。


もっと、濃く……してあげようか?


今日はちょっと、無理だけど……。


明日とか、もっともっと、甘ったるい乳臭……嗅いでみる?


……私、他人よりもちょっと、汗っかきでさ。


それに加えて、おっぱいの谷間って、すっごくすっごく、蒸れるんだ。


だから、普段はベビーパウダーとか塗って、汗をかきにくいようにケアしてるんだけど……。


それをしなかった日のおっぱいって、凄いんだよ……?


じとじとの、蒸れ蒸れで……呼吸が詰まるくらい、甘酸っぱい……。


イチゴのショートケーキを、100倍濃くして、そこに雌臭さを死ぬほど足したみたいな……ひっどい匂い、するんだ……♡


……あ、びくびく、強くなった……♡


興奮、してくれてるんだね……♡


もうすぐ、今にも、射精……してしまいそうだ……♡


あぁ……可愛い……♡キミのオナニー見るの、好きだな……♡


……じゃあさ、私、それ……手伝うよ♡


気に入ってくれるか分からないけど……キミのオナニー、もっと気持ちよくできるよう、頑張る……♡


キミ、おっぱいのさ……むちむちした感触が、好きなんだろ……?♡


だったら、今からさ……このおっぱいを、キミが頭を埋めている上から、さ……♡


むっぎゅぅぅ~~~っ……♡って♡


呼吸ができなくなるくらい抱きしめて、ぱふぱふっ……♡って、おっぱいで、顔を舐めるみたいに、擦ってあげたらさ……♡


気持ちよく、射精……できそう?♡


あ、嫌だったらもちろん、言ってね……?♡


たぶん、苦しいと思うし……顔中、おっぱいまみれになっちゃうから……甘ったるい匂いも、もっと、きっついよ……?♡


……そ、そんなに頷くくらい、やってほしいの……?♡


キミ、けっこう、変態さんだね……♡


マゾヒスト……って、やつなのかな……?♡


ふふ……♡いくよ、おっぱいマゾさん……♡


ぎゅ~ってされながら、お射精、どうぞ……♡


せー、のっ……♡


むっぎゅうううぅぅぅぅ~~~~~~~っっ……♡♡♡


…………うわ、めっちゃくちゃ、出てる……♡♡♡


下は見えないから、おちんちんの様子は、分かんないけど……♡


あっつい液体が、太ももに、ぴちゃぴちゃかかってる……♡


ま、まだ出てるし……♡


わ、私で、こんなに、出してくれたんだ……♡


ほんとに、私で、興奮して……勃起して、射精してくれた……♡


うれしいっ……♡


うれしい、うれしい、うれしいっ……♡♡♡


……あ、あの、さ……♡


い、一回で、満足できた……?♡


もし、良かったら、なんだけど……♡


いや、違うな……♡お、お願いしますっ……♡


もっともっと、私で、射精してくれませんか……♡


私のカラダに、精液……ぶっかけて、くれませんか……♡




……ズボン、濡れちゃったな♡


雄くさい、どろどろの精子で、ぬるっぬる……♡


太ももが妊娠してしまいそうな、ひどい濃さだ……♡


まるで、私自身が、一つの卵子になってしまったみたいな、そんな気分になってしまう……♡


はあ……♡まだ、ほんのり温かい……♡


……幸せ、だなぁ……♡


ああ、本当に、情けない……♡これ、間違いなく、今までの人生の中で、一番幸せだ……♡


そう……例えば、あんなに青春を捧げて、必死に打ち込んだ部活の陸上大会で、トロフィーを貰った時よりも……ずっとずっと、比較にもならないくらい、遥かに強く……♡


一年間、誘惑を絶って必死に勉強して、寝る間も切り詰めて努力して、そうしてやっと大学に受かった時よりも……♡そんなもの、一瞬で忘れてしまうくらいに……♡


感極まって、涙を流してしまいそうになるほど、子宮がキミに屈服して……このオスの繁殖相手にしていただけることを、全身に鳥肌が立つほど、喜ぶんだ……♡


キミに、こうして精子をぶっかけられただけで……脳がとろけてしまうくらい、多幸感に満ち溢れてしまう……♡


ああ、やっぱり、どんなに言い訳したって、私は一匹の雌に過ぎないんだ……♡


どれだけ男っぽく着飾って、女の子に愛想を振りまいて、イケメンだ何だともてはやされてみても……♡


無理なんだ、私に白馬の王子様なんて……♡


だって、本能からして、こんなにも雌なんだから……♡


……はあ。


だとしたら、何で、私はこんな顔立ちなんだろうな……。


いかにも孕みたがりに、ぶっとく長く肥えた、太ましい乳や尻、太ももの雌肉……そのくせ、折れそうなくらい痩せたウエスト……。


そのくせ、顔ばっかりは、男に見間違われるような、ボーイッシュなものなんだから……まるでチグハグで、不釣り合いだ……。


まあ、どんな人からも、不細工とだけは言われたことがないのが、せめてもの救いだが……。


しかし、私は、もっと雌として、魅力的でありたかったな……。


可愛らしい顔立ちに、愛嬌のある目元に、女の子らしい小さな体格。


できれば、そうなりたかったけれど……それらは、今の私とは、真逆だからね。


中性的な顔立ち、切れ長で鋭い目元、下手をすれば男にも勝るほど、高く逞しい体格……。


……それでも、キミだけは、私を綺麗だと言ってくれる。可愛らしいと、女らしいと言ってくれる。


フフ、そんなの……世界中探しても、キミくらいのものだろうね。


改めて、ありがとう。こんな私を、好きでいてくれて。


私は、あまり女っぽくないし、彼女にするには、少し物足りなく思ってしまうかもしれない。


キミの、可愛い女の子と遊びたいという欲求は、満たしてあげられないかもしれない。


けれど……私は、精一杯、尽くすつもりだ。


せめて、キミが私と付き合うことで、少しでもメリットを感じてもらえるよう、頑張る。


私のできることは、どんなことでもするよ。


必死に跪いて媚びながら、足の指だって、喜んで舐める。


キミに、捨てられないために。


……ん?私、変なこと言ったかな?


あ……ちょっと、重かったかい?


でも、私はね、キミのことが心から好きなんだ。


人生の全てを懸けて、キミに尽くしたいと思えるくらい、大好き。


惚れた弱みと言うのかな……キミのためなら、何でもしてしまいそうだ。


そうだな……例えば、私の人格を無視して、私の身体をただのオナホールの代わりにされてしまっても。


愛情も何もなく、キミのちんぽをしゃぶるだけの、穴として……人権をひどく無視した扱いをされてしまっても、嫌いになれないだろうし。


その上で、私が稼いだお金やら何やらを、片っ端から奪われたって……それはそれで、キミが喜んでくれるなら、幸せだと思ってしまうかも。


まあ……それくらいしか、私にはできることがないからね。


顔も可愛くないし、体型だって下品なんだから……その辺りでキミを満足させられない分、キミにはもっと、何か恩返ししたいんだ。


ね、キミもさ、私にしてほしいことがあったら、何でも言ってね。


……ん、どうしたの?


わ……!?ふふ、急に抱き着いてくるなんて……!


すっごく情熱的で、男らしくて、素敵だね……♡


……ん、何?聞きたいこと……?


う、うん……いいけど、何?


……はあ、例えば、誰もが振り返るくらいの、絶世のイケメンがいたとして。


ちょっと外に出たら、曲がり角を曲がる度に逆ナンされるくらいの、そんな男が……なぜか自己評価が妙に低くて、自分のことを、ブサイクだと思ってて?


そのせいで、ちょっと見た目を褒めてあげただけで、即堕ちガチ恋するくらい、死ぬほどチョロくて、都合よくて……。


しかも、自分に自信がないおかげで、浮気も絶対しないし、恋人である自分に依存しがちになって、ベタベタ甘えてくるし……。


どんな頼みでも、すぐ聞いてくれて、ちょっと頼めばヒモにでもしてくれそうなほど、従順で尽くしたがりの、そんな男が、恋人になったとしたら?


……えと、何言ってるの……?


そんな、処女の妄想みたいなこと聞いて、どうするの……?


……まあ、そんな男がいたら……嬉しいと、思うけど。


でもまあ、今は別に、キミが居てくれるから、いらないけどね。


こんな私を、可愛いって言ってくれた、私だけの王子様……♡


何よりも愛してやまない、私だけの彼氏様が、こうして私を愛してくれるんだから……♡


……ん、早速、ご命令かな?♡


何でもどうぞ、ご主人様♡


……ズボン、脱ぐの?


えと、いいけど……その、スタイルには自信ないから、がっかりしないでね……?


……あ、ご、ごめん……。口答えしてしまったね。


……ん、これで、いい?


あの、雌臭かったら、ごめん……。


発情して、愛液が垂れ流しになってたから……ちょっと、甘酸っぱい匂いが、きついと思う……。


……い、いいの?


むしろ好き……って?


ふふっ……♡本当に、キミは、優しいね……♡


キミのそういうところ、本当に、大好きだよ……♡


どんどん、好きになってしまう……♡


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楽園実験録・ボツ案

(終編の序盤、コピー体のアンドロイド集団に奉仕された後、射精してぐったりしている場面ぐらいから)


──と、その瞬間。

ぷしゅ、と、遠くから、空気の抜けたような音が上がる。

開くことのない、密室の楽園。

そのドアが──開いた。


「う……。酷い匂いだな。換気くらいしたらどうだ……」


バインダーを片手に、気怠そうにしながらも、テキパキと機械を弄る、目の前の女達と、同じ顔と体つきの、女。

それが姿を見せると同時に、すっと、甘ったるいフェロモンが抜けて、新鮮な空気が入り込む。


「お帰りなさいませ、チーフ」


「ああ……」


──僕をここへ拉致した、あの、宇宙人だった。

その白衣の女に向かって、礼儀正しく、両手を前に揃え、王家仕えのメイドのように、ぴしりと正しい姿勢で礼をする、同じ姿形──だったはずの、女。


「それは……?」


「ああ……こちらは、マスターの欲求に合わせ、変更したものです。こうして、少しずつ姿を変えることで、マンネリ防止に繋がり、いつでも最大効率の幸福指数の上昇を実現できるのです」


しかし、その姿は、少しばかり変わっていた。

基本的な体型や顔立ちはそのままに、肌を更に白く、髪も銀髪にして、服装はスリットの深く刻まれた、側面から見ればほぼ全裸の、所謂チャイナ服。

よく見れば、髪もシニョンに結っており、そういうイメージプレイを行っていたことは、想像に難くない。


「いや、それの事ではなく……まあ、いい」


ちなみに、この時彼女が本当に尋ねたかったのは──彼女の髪にべっとりと付着した、乳揉みオナサポ顔面ぶっかけプレイ時の精液だったのだが、それは一先ず無視し、話を先に進める。


「……で、実験動物の様子は?」


「はい、こちらへ」


こつ、こつ。


冷徹かつ、眠たげな美貌。

クールさと気怠さが同居した、その宝玉を人の形にしたかのように美しい顔の下で──恥知らずに大きな乳が、どばるんっ♡どばるんっ♡と揺れている。


僕に従う彼女らとは、また少しだけ違うベクトルの、顔つきの冷たさ。

真一文字に結ばれた口元も、鋭く細められた目元も、感情を読み取ることはできないが──しかし、その奥には、確かに生き物らしい、揺らぎのようなものがある。


視線が、そちらに吸い込まれる。

激しく勃起して、金玉の中身をごっそり吐かなければ気が済まない状態の、肉棒。

それが、彼女がこちらに来るのを見て──ひときわ、硬くなった。


──今度は、あの人に、甘えたい。

ふと、無鉄砲に、そう思う。


「……ん?何だ……?」


ふらふら、かくかく、腰を砕けさせながら。

不格好に、鈍臭く、彼女に向かって、近づく。


──当然、彼女だけは、僕に従ってくれる存在では、ない。

僕が何かを命令しようものなら、鼻で笑われ、蹴り飛ばされるのが、むしろ自然だ。

彼女は、地球への侵略者で、人類の敵。

そして何より、僕の所有権を、この命ごと、握っているのだ。

平身低頭し、機嫌を損ねないよう、文字通り必死に媚びを売るべき、相手であることは、言うまでもない。


そんな相手に向かって、僕は。

──思いっきり、その太ももに、抱きついて。

勃起したペニスを、ねだるように、擦りつけた。


──もう、知性なんて、欠片も残っていなかった。

ただただ、女体とまぐわい、交尾して、射精することしか、考えられない。

その相手が誰だとか、危険がどうだなんて、そんな理性的な思考は、とっくのとうに、精液と共に流れ出ている。


「……ほう」


白衣の彼女は、やはり表情は変えず、こちらを睨んでいる。

隣に侍る、人形の女達は、何も言わず、それをじっと眺めるだけ。

僕を止めもしなければ、守るでもなく、ただじっと。

鉄面皮の無表情を崩さずに、静かに、見つめていた。


「……丁度良い、実験の成果を、見せて貰おうか」


彼女は目線をすっと横に流し、目配せをする。

一人、二人、三人。

じっと立ったまま、彼女は目線だけで指示を出した。


そっと、侍るように、人形の女達が、音もなく近づく。

そのまま、慣れた手つきで、迷い無く──僕を、彼女と目線が合う高さまで、持ち上げた。


鋭い目つき。

刺すような、あるいは斬るような、品定めをする目線に、ほんの少しだけ、本能的に怯えてしまう。


──けれど。


「ふぅん、随分と、慣れさせたものだな……。お前をここに連れてきた時は、もっと人工知能の行動はぎこちなかったものだが、今は人形達の動きに迷いがない。どうも、実験には、協力的にしていたとみえる」


──えらいぞ、いい子だな。

実際にそれを言ったわけでは、決してない。

しかし、言葉はなかったが、彼女はふと口角を吊り上げて、首筋をほんの一撫でして、言外にそれを伝えていた。


──胸中に、甘酸っぱいものが、溢れかえる。

飼い主に褒められる、喜び。

自らを、卑しい家畜だと、心の底から認めて、屈服した、その証拠。

きっと、僕が犬ならば、今頃尻尾を振り回していただろう。


「……では、早速」


そうして、侍女達は、抱き上げられた僕を。

抱っこした赤ん坊を受け渡すように、白衣の彼女に、手渡して。


「実験の学習データを、試させてもらうとするか」


受け取った彼女は、その両手で、胸にうずめさせるように──ひしりと、抱く。

何度味わっても慣れない、ふかふかもちもちの、頭より大きな、駄肉の塊。

その乳肉を、身体全体ですっぽりと覆うように、こちらからも、抱きつかせられる。


分厚い雌肉に、必死に腕を回して、締め上げるように、みっちり堪能。

全身でおっぱいに甘えるような、こういった体勢は、ペニスの底からめろめろになるような恍惚を味わえる。

故に、ここに閉じ込められていた間、彼女らに射精させてもらう時に、よくねだっていた。


それと酷似した──いや、全く同じ力加減の、抱っこの仕方。

ペニスを谷間に挿し込んで、腰をぐりぐり押しつけるのと、抱っこされいる間もキスできるよう、少し高めに抱いてくれている気遣いも、同じ。


「こうするのが、良いのだろう……?今、お前の飼育データを私に共有させたから、手に取るように分かるぞ……お前のちんぽの好みなパイズリが、な……」


ゆさゆさ、たっぷたっぷ。

赤ん坊をあやすような揺らし方で、乳内のペニスをぬちぬちかき混ぜ、射精を促す。

冷徹な、試験管の中身を見るような視線で、たぽたぽ、たぽたぽ、乳肉揺らし。


──あっ♡♡♡ああっ♡♡♡おっぱいすきっ……♡♡♡


「好きなだけ快楽に浸り、好きな時に果てろ……。今は、無礼を許してやる……」


安心と興奮がない交ぜになった、深くまろやかなペニスの凝りを、練り回される。

腰が抜ける、病みつきの感触。

機械人形達が、僕がこれをすれば悦ぶと覚え、いつでも乳肉で甘えさせたように、彼女までもが、それを行っている。

まるで、本当に──僕のペニスで『学んだ』かのように。


データの、共有。

肉体を持たず、機械により作成した人形に自らの自我を収める、彼女らならではの技術だった。

つまり、彼女は、この一瞬で──長い間、ひたすら僕をいじめていた機械人形の技術を、そして僕の弱点を、理解したのだ。

無論──おっぱいに全身を埋めさせ、甘えんぼの赤ん坊の脳みそになった僕には、そんなことは理解できるはずがない訳だが。


「……お前はこれから、次の段階の実験に付き合って貰う。無論、拒否権はない。そのつもりで、射精に励むよう努力しろ」


──う♡♡♡うぅっ……♡♡♡いくっ……♡♡♡とけるっ……♡♡♡ちんちんとける……♡♡♡


びゅう、びゅぶ、びゅるるっ……♡♡♡


彼女の乳房のなめらかさと、ラバー質のスーツの艶々とした感触が混じり合った、腰が抜けるパイズリ抱っこ。

それをしつつ、むちゅう~っ♡と唇をべっとり押しつけ、頬にリップマークをつけながら、彼女は軽く吐精を促している。

また、乳児をあやすように、時折ゆさゆさと僕の身体を揺すり、ぴっちり締まった乳房の中を、ペニスでかき回され、金玉の中身をごっそり搾られたりもする。


──何故、これほど効率的に、僕の精子を抜き取る術を知っているのだろう。

思わずそう思うほど、ひどく慣れた手つきだった。


「知っているぞ……。射精した後はこうして、優しく頭を撫でて……余韻に浸らせるように、緩く乳房を揺さぶってやるのがいいんだろう?」


子供を寝かしつけるような、慈愛に満ちた撫でつけと、深く甘いハグ。

しかし、彼女の表情に優しさはなく、むしろ蔑むかのごとく、その目には鋭い光が宿っている。


ただ、こうすれば多く射精するから、そうしているだけ。

理論に基づき、最適な搾精方法を取った結果──ただ、結果的に、甘やかすように愛情たっぷりな、抱っこパイズリになってしまっただけ。

研究に必要だから、こうしているに過ぎない。

そんな表情のまま、彼女は黙って、ただ乳肉を揺すり、乳内でペニスをマドラーのようにして、ひたすらズリ回す。


「……生殖可能な、成体の生物とは思えない甘えぶりだな。乳飲み子ではあるまいし、この乳房とかいう肉塊に執着する理由も、まるで理解できん」


──冷めた表情、小さなため息。

蒸れて熱めな体温、凄まじい甘え心地の巨大おっぱい。

むちむち、むっちむっち、腰を軽く叩く、種付け欲を誘発する乳肉の心地。


「実に、無様なものだ……」


──そして、耳元でぶつけられる、罵倒。

あえて感情を強め、明確に侮蔑の意思を込めてみせた、極至近距離の、言葉。

普通なら、萎縮するなり悲しむなりするはずの、その罵りも──こんな、全身をおっぱいに押しつけられ、身体ごとむっちり雌肉に押しつぶされながらでは、ただ滑稽なだけだ。

僕を勝手に拉致し、あまつさえ、極濃の感触を持つオナホ用おっぱいで、ペニスをむちむちと擦り、射精を強要しておいて──それなのに、僕が乳内射精したことを罵倒するなんて、道理がちっとも通っていない。


だから、これもきっと、ただ僕を、興奮させるためだけに。

ひたすら冷酷な態度で、しかし行為だけは甘ったるく射精させられたいという、倒錯した欲望を満たすためだけに。

奉仕的とすら感じるほど、僕の快感だけを考えた、吐精を促す行為だった、と。

そう、考えるしかない。


──ぞく、ぞく。

前立腺が甘く疼き、ペニスにまた芯が入る。


「つくづく、合理性のない生態だな……。子をなすための重要な体液を、意味もなく雌の表皮にぶっかけるのが、そんなに気持ちいいのか……?下等な生物の思考は、理解しがたい……」


ひたすら淫らに、ねっとり間延びした声で、囁く。

鼓膜に糖蜜をぶっかけられたような、だだ甘い感覚。

まるで、彼女の唇の、艶々とした照りや、肉厚なぷるつきまでもが、息づかいに乗って感じられるかのよう。


もはや、言い逃れをするつもりもなく。

ただただ、僕が射精した後の、ぞくぞくと全身に走る余韻を深め、恍惚を引き延ばすためだけの、害意の一切無い、甘いだけの罵倒だった。


それはもう、射精の量を多くするためですら、ない。

射精終わりの多幸感を深めるという、いよいよ彼女にとって、何のメリットもない行為。

それを、誰に求められるでもなく、惜しみなく与えてくれる。


彼女は、敵対的な意思を持ち、地球を滅ぼすという目標を持った、宇宙人だ。

だが、しかし──その内面は、誰よりも、甘い。

僕を、ただ幸せにするためだけに、彼女はここに居る。


──ぞく、ぞく、ぞくぞくぞくっ……♡♡♡

いよいよ、彼女という存在の目的を、なんとなく察し。

背中が粟立つほどの興奮を、訴えた。


「……ふん、また勃起か。生命体としては欠陥があるとしか思えないが……遺伝子採取には都合が良い」


目の前の、寒気がするほどひどく整った、人外の美貌をふと眺める。

彼女は、人形なんかではない。

感情を持った、一人の知的生命体だ。


それが──命令されるでもなく、自律的に、僕を甘やかしてくれる。

理由はちっとも分からないが、とことん興奮を高め、快感を深め、骨の髄まで蕩けるような恍惚を、ただひたすらに、与えてくれる。


それは、初めから、分かりきったことだった。

そうでなければ、彼女がわざわざこんなに肉感的な身体を操り、至上の雌肉を押しつけてくる訳がない。

彼女と同じ姿形をした、僕を甘くいじめるためだけの、極上のラブドールなど、僕に与えるはずが、ない。


「……続けるぞ」


──続ける。

何をとすら言わない、たった四文字だけの言葉。

だが、その言葉だけで、僕は腰が痺れるほどの興奮をもよおした。


彼女は、僕を抱いたまま、周囲にほんの一瞬、目配せをした。

すっと、群がっていた女体達が、道を空ける。

軽くお辞儀をして、こつこつと地面を踏みならす彼女を、誘導していた。


そう──淫液の染みついた、甘ったるい性臭が取れない、巨大な布団の海の上に。

大きく、腰からぞくぞくと興奮が込み上げて、震えた。


ひたすら慣れた、手つき。

初めてであるはずなのに、まるで今まで、僕のペニスを四六時中休み無くいたぶり続けていた彼女達のように、優しく恭しく、王に侍る娼婦のように、あくまで僕の精子をコキ抜かせていただくために、僕のちんぽよりもよっぽど卑しい立場の雌として、押し倒す。


「最終実験だ、命令を下す」


それでいて、態度は不遜そのもの。

奉仕行為の従順さと裏腹な、興味の欠片すら感じられない表情と言動に、ちぐはぐなギャップを感じて──こちらもまた、安堵と恐怖がない交ぜになった、ぐちゃぐちゃの興奮を覚えてしまう。


そう、やはり彼女の本質は、絶対的な強者。

今から僕に甘っ々なちんぽいじめを見舞い、精巣の奥から精虫を根こそぎ枯らすことを目的にしているからこそ、態度が信じられないほど甘ったるいだけで──その内面は、やはり非情かつ無機質なものなのだ。


「お前は今まで通り……そうして、蕩けていろ」


その証拠として、ただパチンと指を鳴らすだけで、彼女は何の言葉も無いままに、機械人形達に命令を下すことができる。

緻密に描く、僕を快楽の底に突き落とすためのフォーメーション。

今すぐにでも僕の身体に、一ミリの無駄な隙間なく雌肉を押しつけられる、その極楽絵図のような配置に、人形達は音もなく侍った。


その機械達は常に無表情だが、今回ばかりは、どこかその口元は引き締まり、上官の下で命令を遂行するための顔つきに見える──ような気がする。

それは、僕の気のせいではないはずだ。

今なら、その違いが、はっきりと分かる。

むしろ、こちらの表情──命令を遂行する時の、無機質に冷徹なものが、デフォルトなのだろう。

そして──普段の、僕のちんぽをめろめろに蕩かし、自由に好き勝手ちんぽ遊びをする時の、ほんの少しだけ、心からその行為が好きだと思わせるような目元の緩みが、イレギュラー。

それは、精密顕微鏡で見ないと分からないような、あるかないかの違いだが──今ならば、確信を持って言える。


あの、感情など持ち得ない機械達は、僕との交尾に──心から、浸っていた。

快楽神経など、ましてや生殖欲求など、備わってもいないはずなのに。


「……必要ならば、お前の命令も聞いてやる。情けない声も、思うまま上げろ。精液だって、気にせずぶっかけるがいい」


──気がつけば、視界が雌肉で埋まり、四肢は軽くではあるが封じられ、身体を起こすこともままならないほど、隙間なくひしめいた女体が、僕を見下ろしている。

ばくばく、心臓を高鳴らせ、今から僕の身に降りかかるであろう、莫大な幸運に思いをはせた。


今から行われるのは、いよいよ情け容赦の無い、天国で地獄な、搾精。

上位者に命令されるがまま、快楽をひたすら叩き込む、真の実験が始められるのだ。


まるで、今までの楽園生活が──お遊びだったかと、思えるほどに。

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極上むっちむち高身長人造ボディ宇宙人さんの楽園実験録・終

──ぁ♡♡♡♡♡ぁ♡♡♡♡♡あぁあっ……♡♡♡♡♡


おぼつ

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極上むっちむち高身長人造ボディ宇宙人さんの楽園実験録・中

──目の前に、女がいる。

それも、ただの女ではない。

人間にはあり得な

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極上むっちむち高身長人造ボディ宇宙人さんの楽園実験録・前

「……被検体が意識を戻した。バイタルに異常が無いかの確認を行う」


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11月の予定

こんにちは。気づけば外はめっきり寒くなり、年の暮れの気配も濃くなって参りましたね。皆様におかれましては、どうかお風邪を召されぬようお気をつけ下さい。無難な挨拶。


さて、季節の挨拶もほどほどに、さっそく話をすけべ文章に戻します。

実は最近、年内が締切のお仕事を何件か頂いており、そこそこ忙しい状況となっております。FANBOXの更新も含め、間に合わないという事はもちろん無いのですが、年の瀬くらいはゆっくり過ごしたいということもあり、早めに終わらせたいと考えております。

また、先日投稿したむちむち偏執女の後編の導入においても、あまり自分で納得いっていないところが多々あり、もう少し別の書き方を模索してみようかと考えているところです。それにより、投稿した部分はボツになる可能性もあるため、完成したものの投稿は遅れるかもしれません。現状でも散々お待たせしてしまっていますが、もう少しお時間をいただけると幸いです。


また、それに関して、来月FANBOXで更新するコンテンツについても、皆様に少々意見を伺いたいことがございます。

実は今月の時点で、11月は忙しくなるだろうなと思い、こちらに投稿する分のオリジナル小説の書き貯めをしておいたのですが、既に20000字を超す量になってしまいました。すみません。

この時点で見通しとしてはちょうど半分くらいであり、話としての切れ目でもあるため、この時点で前半として投稿し、12月にまた20000字くらいの後編を投稿しようと考えています。そうすれば、11月中に仕事を終わらせられ、むちむち偏執女の後編のプロットを練る時間も取れるかなと算段をつけています。前半と後半の文章を繋げる練習にもなるので、むちむち偏執女のプロットを考えるのにも役立つかもしれません。一応20000字時点で抜きどころもあり、単話として読んでもそれほど問題はないはずです。

が、読者の皆さんからすれば、一月分で投稿した方が300円分の課金で全て読めるので、そちらの方がいい事には変わりはないと思います。一応20000字という文量は、毎月更新している文章よりは多いくらいの量(参考までに、裏世界は16238字、ヴァルキリーさんの続きは13871字です)であり、そこまで損ではないと思うのですが、いかがでしょうか。


よろしければ、「それでもいいよ」とか「いい訳ねえだろ殺すぞ」などのご意見お待ちしております。

また、近々息抜きに東京あたりに旅行に行こうと思っているので、おすすめのホテルや飲食店、観光スポットなどの情報もお待ちしております。ノーパソ持って行って夜にホテルでちょっとずつ書こうと思っているので、何卒お許し下さい……。

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むちむち偏執女後編 進捗.1

※注意

この作品は『むちむち偏執女に痴漢"させられ"たりえっち誘惑で性に溺れ"させられ"たり罠に"嵌められ"て人生を絡め取られる話・前』(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15301763)の続きとなります。

先にこちらを読むことを勧めます。


『うあ゛あ゛っ……!!!やめてっ……!!!やだっ!!!やだぁっ!!!』


──ベッドの上で、男に押さえつけられた女が、叫ぶ。

女は、ひどく怯えながらも、どこかタガが外れたように、目を見開いて叫びながら、その凶行を一身に受けていた。


いわゆる──レイプ。

まだ、直接的に性行為が始まっている訳ではないが、男の目的など、その目つきと息づかいだけで、誰だって理解できる。

そんな、獣のような、荒っぽく浅ましい手つき。

男は確かに、強姦魔そのものだった。


その女は、折れそうなほど細い胴をがっしりと掴まれてはいるが、腕や脚を、ガムテープや手錠などの何かで、拘束されているという訳ではない。

抵抗しようと思えば、蹴り上げるなり押しのけるなりして、男から逃げ出そうと画策することはできたのだろう。


しかし、その女の、青ざめながら震える姿を見るに、きっと体が竦んで動けないのだろうと、映像を見る限りでは推測できる。

──無理もない。

極端に自己責任論を持ち出すような輩や、共感能力の一切ない者でもなければ、誰もがそう思うだろう。


女は、見るからに気弱そうで、腕も細く、いかにも非力だ。

部屋に閉じこもって本を読むのが趣味で、体育の通知表など生まれてこの方1しか取ったことがない──というのは流石に偏見ではあるが、そういった『いかにも』な風貌なのは間違いない。

そんな、虫も殺さないような女性が、いきなり暴漢に襲われてしまっては、きっと怯えて助けを呼ぶのが精一杯か──もしくは、あまりの恐怖に喉が締まり、声も出せずに口をぱくぱくと開けることしか出来ない可能性も、十分にありえる。


つまり、この映像に──矛盾はない。

女が抵抗しないという違和感に、理由ならいくらでも述べられる。


『うぐっ……!ひぐっ……!やめてっ……!なんでっ……!』


男は、そんな女に対して、一切の慈悲を与えない。

むしろ、とうとう恐怖が最高潮に達し、すすり泣いてしまった姿すら、興奮の材料にしているのだろうか。

手つきはますます乱暴になり、獣のように荒立てた呼吸が、更に荒らげられてゆく。


男には、一つ一つボタンを外して服を脱がすほどの余裕も、あるいはそんな理性もないのだろう。

彼女の着ているブラウスを、ぶちぶちと胸のボタンごと引きちぎり──たわわな、と表現するのも言葉足らずなほどの、頭ほどもある爆乳が、スイカ程度なら包めるくらいの、極めて大きなブラジャーごと露出させられた。


そう、女は──ひどく淫猥な、肉付きの良すぎる体つきをしていた。

言ってしまえば、こういった強姦被害に遭うことは、この子の人生なら一度や二度では済まされないのではないかというほどに。

男好きのする、いや、しすぎるほどの、堪らないむっちり感。

きっと、この子がいくら幸運だったとしても、少なくとも痴漢は受けたことがあるだろうと、そう断言できるほどに。

女の肉体は、魔性そのものだった。


──もしかすると、この女はその為に雇われた女優で、この映像はいわゆる本物っぽく見せたAVなのかもしれない。

女の身体を見て、ふとそう思う。


今しがた聞いた彼女の悲鳴は、誰がどう考えたって、心からの悲鳴だ。

しかし、その滅多なことでは見られない、どたぷんと実った乳尻太ももを見ると、それすら疑わしく感じた。

それも──制服を着ているほどの、発展途上の熟れきっていない身体でこれ、とは。

まさか、どうしたって、信じることはできない。あり得ない。


それほどに現実離れした、途方もない性的魅力を詰め込んだ、肉体。

そして、ぞっとするほど蠱惑的な、美貌。

若々しくも影があり、どこか未亡人じみた雰囲気を感じさせる、妖艶な雰囲気は、まさに雄の劣情を煽ってやまないものだ。


その女は、幸か不幸か、美しすぎたのだ。

それ故に、まさかこんな淫魔のような女性が、ただの学生という立場に甘んじているとは思えなかった。

だって、こんなに顔立ちの整った美女ならば、学生アイドルや女優──いや、もっと、雄の本能に訴えかけるような、セクシーなグラビア女優や、AV女優として有名になっているはずだ。

もし本人が引っ込み思案で、有名になることを望まなくたって、女優になんかならなくったって。

これほどに淫靡に肥えた爆乳や豊尻を持つ女性がいたのなら、隠し撮りなどがSNSに上げられるなどして、全ての性欲盛りの男の脳裏に焼き付いただろう。


──そんな、下劣なまでのエロスを秘めた女性は、実際のところ、やはり世間には名の知られた人物だった。

そう、その女は、男なら誰もが一度はズリネタにした、爆乳美女の極上AV女優──ではなく。

極めて真面目で、当然濡れ場など一切ない純文学小説の、作家。

文学界では最高峰に権威ある賞を、最年少で獲得したというニュースで一躍話題となった、学生作家だった。


メディア曰く──美しすぎる女性作家。

そんなありふれた枕詞に偽りなく、お世辞や贔屓目抜きに美しすぎた彼女は、今やテレビでも度々取材を受ける、時の人だ。

取材は書籍の内容だけでなく、その美貌の秘訣までも聞かれたり、女優やアイドルと対談することも度々あるところから、彼女が誰の目から見ても美人であることは疑いようがなく。

そして、もちろん『美しすぎる』というのは──『全身オナホみたくぶっとくてふくよかな抱き心地してるくせにウエストは細っこくて犯し頃孕ませ頃の極上雌』を極めてオブラートに包んだだけの言い方に過ぎない。


そんな彼女への反応と言えば──もう、性欲。それに尽きる。

特に、ネット上の匿名のつぶやきなどでは、それはそれは見るに堪えない、下劣で品性のない言葉が、彼女への言及として幾つも飛び交うのが日常茶飯事だ。

その中には、あからさまに犯罪予告な、レイプ願望をむき出しにしたものもある。


彼女の物憂げな顔立ちや、ふとした時に垣間見える妖艶な仕草は、男の獣欲をむらむらと引き立たせるのだろう。

いかにも弱々しげで、その眼差しはいつも暗い色が灯っており──しかし、そのたわわに実った肉体は男を誘ってやまず。

彼女はまさに大和撫子を体現したような女性であるが、それに相反した、手をわきわきとこまねかざるを得ないような、どっぷりと肥育されたいやらしい駄肉は、庇護の対象というよりは、嗜虐の対象にしかならない。


──それは、男ならば、誰しもが理解できてしまうもの。

その雌を犯して、モノにできたならば、どれほどの悦びだろうか。

それが出来たなら、比喩でなく死んでもいい。

──故に、そんなことを思いつつ、涎を垂らして檻からごちそうを眺めるしかない獣のように、彼女に触れることができない全ての男達は、羨望と嫉妬をない交ぜにした感情を抱く。


きっと、その雌が目の前に居たのなら──できる。

あんなにむちついた雌肉をぶらさげている癖に、箸より重いものなど持とうと思ったこともなさそうな、筋肉だけは貧相な、おあつらえ向きの体躯。

目線を伏してぽそぽそと喋る、陰気なくせにやたらとむらつかせる態度。

もう、レイプしてくれと言わんばかりの容姿、そして性格に、男どもはいつでも劣情をぎらつかせているのだ。


『ん゛ん゛っ……!!!あっ、やあっ……!!!胸、やだぁ……!!!』


そんな中で、こんな映像が流出したとあれば。

もう、その男は──殺されるだろう。

誰もが手に入れたくて、しかし触れられもしないあの雌を、勝手に手込めにしたとあれば。

それも──あの最上級のデカパイを、遠慮無く手首までめり込むほどに揉みしだきながら、太ましく実った腰回りに、ぐりぐりと種付け感を堪能するように、恥骨を練り付けていたとあれば。

そんな野郎の末路なんて、想像に難くない。


しかも、正当な恋愛ですらなく、それがただの暴行によるものだとしたら。

それがトラウマになり、二度と彼女が表に出なくなったら、どうしてくれる。

俺がこっそりオナネタにしている、ただ歩くだけでぶるんぶるん揺れるデカ乳を、もう二度と見られなくなったら。

ローアングルから見た時の、とんでもない質量の重たそうな孕ませ頃デカケツが拝めなくなったら。

そんな言葉を──きっと、非力な婦女への卑劣で身勝手な暴行だと、倫理というカモフラージュに上手くくるめて、正当な非難という形でぶつけられる。


「……気が弱く、膂力にも乏しい、襲っても反撃されそうにない、か弱い婦女を狙っての暴行」


そう──丁度ぽそりと、目の前の女がつぶやいたように。


声を辿り、そちらに少し目線を上げる。

声質は、全く同じ。

つんざくような悲鳴の声の持ち主と、全く同じアザと揺らぎの、しかし静かに落ち着いた、ぽそりとした呟き。


白魚のような、白細くて長い指が、かちりとスマートフォンの電源ボタンを押し、液晶に映された映像を消す。

それと同時に──目の前の女が消え、自分の間抜けな顔が、鏡のように真っ暗な画面に映った。


「情状酌量の余地もない、劣悪で悪辣な、身勝手極まりない犯罪ですね……。そんな凶悪犯罪者なんて、年に一人と現れるかどうか……」


スマートフォンを、静かに腰のポケットにしまう、やたらと婀娜めいた手。

手慰みならぬ、足慰みとでも言うべきか、押し着く立ち姿勢を探して、手持ち無沙汰に腰をくねらせ、たふたふとカーペットの上を叩き、ふらふらと彷徨う爪先。

その女は、一挙一頭足まで、妙に色っぽく艶めいて、色香に満ちている。


──間違いなく、たった今まで、スマホの液晶に映っていた女。

僕の恋人、その人そのものだった。


「……ねえ?こんな人間が、まさか存在するなんて、恐ろしくって仕方がない。その下手人を見つけたなら、今にでも捕まえて、とっちめてやらなくちゃ。

……貴方も、そう思いますよね?」


女は、にこにこと笑っていた。

今の今まで、トラウマになって然るべきの、二度と見たくもないはずの、汚らわしく痛ましい映像を、自ら流していたと言うのに。

楽しくて、嬉しくて、仕方がない。

そんな風に、笑っていたのだ。


「ふふっ……♡ああ、でも……こうして見ると……。思ったより上手く、演じられていますね……。やるものでしょう……?これでも子供の頃は、親の伝手で、子役として活躍してた事もあるんですよ……♡」


ぞくりと、背筋が震える。

──得体が知れない。その一言に尽きる。

その表情の奥に、その行為の裏に、どんな感情があるか、どんな意図があるのか、全く読めない。読ませてくれない。


ただ──彼女は、何かを企んでいる。

それでいて、僕を、狂気的なまでに愛している。

それだけが確かで、その行為に悪意などないからこそ、浮き彫りになった異常性が、堪らなく恐ろしかった。


「ね、レイプ魔さん……♡この時は、ほんとに気持ちよさそうでしたねぇ……♡征服感が堪らないという腰使い……♡こんな幸せな記憶、きっと忘れてないですよねぇ……♡」


──言うまでも無く、この映像には、見覚えがあった。

どう動いたか、どう思っていたか、どのタイミングで射精したか、はっきりと記憶がある。

言うまでも無く、この映像の中の男は──僕、だった。


いつか彼女にそそのかされて行った、互いに合意のレイプごっこ。

恋人同士の、いわゆるイメージプレイ。

それは、お互いに納得した上で行った、誰も本当に傷ついてなどいない行為だが──事情を知らない他人から見れば、至極当然に、これ以上無く下劣な犯罪行為にしか見えない。

それを、いつの間にか、どのようにしたかは分からないが、こうして記録に収めていたのだ。

いつの間にか、僕に気づかれることもない隙に、こんなにはっきりと見えるアングルで。


そう、多分──こんなに顔がはっきり見える、見下ろす視点の映像なら、ベッド横の本棚の上段の、あの辺りに。

隠し撮り用の、小さいカメラか何かを設置していたのか、あるいはもっと想像もつかない、別の方法か。


「……探してみても、いいですよ……♡この部屋中、カメラが設置できるような、怪しい場所なんてたくさんありますから……♡もしかすると、見つかったら私に不利な、隠しカメラの痕跡なんかが、残ってるかもしれませんし……♡」


彼女は、本棚を見る視線を遮るように、回り込んで正面に立つ。

もしかすると、そこに都合の悪い何かがあるのか──あるいは、僕の視線が自分から逸れるのが、我慢ならないほど嫌なのか。


おそらく、後者なのだろうとは、思う。

彼女がまさか、痕跡を残すなんて下手な真似をするとは思えない。


「ふふ、何だか、子供の頃に遊んだ、宝探しのごっこ遊びみたいで、楽しいですね……♡」


──何より、彼女の、その態度。

あんな風に、無邪気に笑っている彼女が、今では何よりも底知れない。


こんな異常な、脅迫じみた状況にあって、あれほど楽しそうに笑える者が、この世にどれだけ存在するだろうか。

醜悪に口端を吊り上げるでも、勝ち誇って高笑いするでもなく、ただ童女のように、にこにこと。

ままごとで遊んでいる時のような、リラックスした笑顔で、恐怖する僕を、ただ眺めている。


やはり彼女は、人間じゃない。

もっと邪悪で、かつ純粋に、人を堕落の底に導くのが何よりの本能として植え付けられた、淫魔。

淫らで、美しく、そして狡猾に。


── 一欠片の慈悲も、一切のミスもなく、魂まで、犯す。


「……うふふ♡とはいえ、そんな白けるような失敗は、まさか致しておりませんが……♡」


ずい、と。

得体の知れない笑みを浮かべた、尋常ならざる美しさと淫らさのかんばせが、近づく。

僕の思考にすら介入して、先回りして答えるかのように。


──綺麗だ。

自分が置かれている立場も忘れて、暢気にそんな事を考えてしまう程度には、彼女の顔は僕を惹きつける。

あの居酒屋の、悪質なサークルの飲みの席から助けた時から、一目惚れを隠せないほど美しかった彼女だが──最近は、輪をかけて綺麗になっている。

きっと、今このまま腹を裂かれて、命を奪われても、気がつかないくらいに。


「ねえ……レイプ魔さん♡どうしたいです……?この映像……♡」


腰を曲げ、上目遣いにこちらを見やる、暗い双眸。

乞うような媚びるような、傾国の毒婦のごとき目線に、くらりと目眩を起こす。


その映像は、僕を糾弾するための、正しい証拠ではない。

それは、お互い合意で行われた、ただのごっこ遊びであり、彼女も──こればかりは、彼女の心の中を読まなければ分からないので、断言はできないが──嫌がるどころか愉しんでいた。

よって、このビデオの中で行われた行為には、何ら違法性はなく、倫理的にも責められるべきものは──レイプじみた行為を、迫真の演技混じりに行いつつ、その女性を好き勝手に犯し、あまつさえハメ撮りまで保存しているという事実は置いておいて──好き合った男女が勝手に行っていることだから、胸を張って無いと言える。


そう、この映像には、実のところ、何の違法性もない。

当然それは、彼女も承知しているだろう。

何故なら、このプレイを提案したのは、彼女なのだから。


「……無駄ですよ?♡風評って、事の正誤に関わらず、常に纏わり続けるんです……♡貴方が私から逃げて、一人で生きようとするなら、尚更……♡」


白く細く、しなやかな指が、頬に絡む。

それだけで、背筋が粟立つほどの、深い官能を覚えた。


──凄まれた、訳ではない。

けれど、彼女に顔を寄せられて、僕は思わず後ずさった。


彼女の瞳は、どこまでも揺らがない、ひたすらの黒だ。

自分の身が滅びようと、あるいは焼かれようと、全て、覚悟を決めている、そんな色。


彼女が語った内容は、そっくりそのまま、彼女にも当てはまる。

いや、僕に犯されたと嘘をつくなら、尚更彼女には都合が悪くなるだろう。

順当にいけば、檻の中に入ることになるほど。


「ええ、そう……♡これは何も、貴方を傷つけるためでも、脅すためでもなく……♡ただ、首輪をつけるために、撮っておいたに過ぎないんです……♡私にも貴方にも繋がった、錠……♡ただ、それだけなんです……♡」


──だって、これを流されたら、貴方はどうしても、私の目の前に姿を現さなければならないでしょう?

恍惚とそう語る彼女の、なんと美しいことか。


確かに、それが世間に出回れば、様々なものが僕の居場所を探るだろう。

そして、その内容がまるっきり欺瞞であり、僕には罪がないと看破されたとして、それを証明するためには、僕が出てこなければならない。

彼女の前に、姿を晒さなければ、ならない。


その彼女の計画は、杜撰とも言えないが、周到とも言うことはできない。

根底には、死なば諸共という考えがあり、自己の保身など一欠片も考えていないからだ。

どちらも死ぬか、どちらも死なないか。

僕だけを追い詰めて、自分だけは助かるという、完全犯罪めいた計画性は、ここにはありはしない。


──いや、むしろ、それこそが、彼女の望みなのだろうか。

破滅する時は、二人一緒がいい。

そんな事を考えているかは、僕には知ることはできないが──彼女なら、そう言う気がしてしまう。


「……ふふっ♡」


ただ、微笑む。

豊満に熟れた乳房ごと、自らの身体を掻き抱いて、法悦に満ちた表情で。


何も、言わない。

きっと、僕が何を考えているか、何を疑っているか、何を推測して、何に恐怖しているかなんて、知り尽くしているはずなのに。

彼女はただ、紅い唇を艶めかせ、笑っているだけだ。


──彼女は、淫魔だ。

原典通りの、人間を拐かして、腑抜けにしたまま、夢心地のままに全てを奪い去る、悪辣な淫魔。

何故ならば──客観的に見て、僕にそんなことを言う権利など、ほんの一欠片も無いことが、何よりの証拠。

誰が見たって、叩きのめした後に死ぬまで檻に入れておくべき極悪人は僕で、男に土下座させて、財産全て、人権全てを捧げられて償われるべき、同情を招く悲運な被害者は、彼女だ。

そう──僕と彼女以外の、事情を知らない、部外者にとっては。


その雰囲気、その容姿、その演技。

それら全てが、悪魔そのものなのだ。


「……先程も言ったとおり、別に、脅したい訳ではないんです……。だから、もし、もしも、貴方がそれを望むなら。この映像は、私が私的に愉しむためだけのものにしておきますよ……?」


──なに、を……。


やはり、脅しだ。ハニートラップだ。

僕のとても大事な何かを──それが何かは分からないが──奪おうと、している。

彼女の言葉に反して、僕は直感的に、そう思った。


がんがんと警鐘を鳴らす脳内と、冷や汗をどばりと出す汗腺。

それに反して、目線ばかりは、骨抜きにされたように見惚れてしまう。

単純極まりない僕の心は、先程からずっと、矛盾しっぱなしだ。


女は、動じない。

こちらが焦り、ふらりと仰け反りながらよろめいても、その分の距離を詰めて、じっと目の奥をのぞき込む。

目線を外すことさえ、させてはくれない。


目の前が、ちかちかと白む。

呼吸は荒く、しかしひどく浅く、酸素の循環すらもまともに行えない有様。

心臓が張り裂けそうなほど痛く、人食いの化け物を目の前にしたが如く恐ろしく、ぐずる幼児のような気分になって──思わず、最愛の恋人に抱きついて、逃避しようとしてしまう。

恐怖の源は、そこなのに。


女は、足腰が砕け、地べたにへたりこむ僕を、眺めていた。

ただ、じっと、じいっと、眺めていた。


「…………♡♡♡」


女は、倒れ込むように腰を落とした僕に、視線を追従させるように、しゃがみ込んだ。

お行儀の良い、膝座り。

良家のお嬢様が、背の低い草花を慈しむかのような、そんな姿勢と態度は、全く今の状況とかみ合っていない。


閉め切った窓とカーテン、ライトも付けない薄暗い室内、こもった性臭、退廃的な空気。

時が止まったかのように、音も光もないこの部屋に、ただ彼女と僕の呼吸の音だけが響く。

方や激しく、しかし今にも止まってしまいそうな、不安定な浅い息。

方や静かな、しかし激しい興奮を確かに秘めた、一定の周期で繰り返す深呼吸。


彼女は、僕の恐怖する様子を、愉しんでいる。


それはそれは嬉しそうに、可愛らしい猫でも見るかのように。

これが、もしも目の前の少女の復讐劇なら、理解できる。

むしろ、そういった確かな悪意があるのなら、僕はここまで取り乱してはいなかっただろう。


しかし──彼女は、深く深く、僕を愛していた。

自惚れや勘違いではなく、確かに、確実に。

何故なら──彼女は、うっとりと、ため息を吐いている。

セックスする時と同じくらい、いや、ともすれば、それよりも恍惚とした表情で。


「ね……♡別に、貴方を貶めようとか、そんな事を考えている訳では、ないんです……。ただ、少しだけ、ほんのちょっと、お願いを聞いて欲しいだけ……」


──可愛い彼女のワガママだと思って、ね……?♡

ウインクをしながら、口元に指を当て、こちらに流し目を向ける彼女。

確かにその姿だけ見れば、それは小悪魔のようなイタズラを仕掛ける、可愛らしい恋人のじゃれつきにしか思えない。


だが──その手に握られているのは、人間二人分の人生を終わらせるには十分な、実行現場を抑えた、一本のビデオ。

じゃれつきと言うにはあまりに禍々しい、古井戸の底のような昏い情念と、彼女のひたすら闇色の瞳が、僕を針のむしろにするかのように突き刺さる。


傷つけようとする意図なく、しかし、目的のためなら傷つけることも厭わない、そんな歪んだ彼女の信念。

それを、はっきりと示されて──生唾を、飲んだ。


「そう、望みは、一つだけ……♡貴方にとっては何も難しくないことを、望むだけなんです……♡ただ今まで通り、幸せに蕩けていれば、それだけで達成できる、簡単なこと……♡」


分かりきっている、彼女が何を求めているかなんて。

だからこそ、彼女のその落ち着きぶり、恍惚とした表情に、強い寒気を覚える。


「……ずっと、此処に居て下さい♡貴方にとって必要な全ては、私がきっと、用意します♡貴方の全てが、私と暮らす家で、完結できるよう尽くします♡貴方をきっと、これ以上無く幸せにしてあげます♡」


──永遠に、ただ側に居ろ。

私の管理下から逃げるな。部屋に閉じ込められていろ。


つまりは、そういう意味だ。

僕を飼い殺しにして、その異常なまでの執着と偏執で、ただ愛でるだけ。

僕を愛玩動物のように、何不自由ない檻の中で飼いたいと、そう言っているだけだ。


──それは、冗談でも比喩でもない。

夢見がちな女が、構って欲しくて言う、狂ったふりの言葉でもない。

本気だ。その計画は、きっと既に、彼女の中にある。

あとは、それが穏当な手段であるか──強行手段であるか、というだけ。


──もし、そうでなければ。

彼女はただ、ぽつりと呟く。

その表情は、慈愛に染まった微笑みから、ほんの少しもぶれないのが、かえって能面を被っているかのようで恐ろしい。


その先を、彼女は語らない。

私の提案に従わなければ、彼女は何をするのか。

──語るまでもないから、語らないのだろう。


「……どちらが、お好みですか?♡ゆっくり、選んでいいですよ……♡」


その選択の権利は、僕に委ねられている。

そう──全てを破滅に向かわせ、二人で岩を抱いて沈むか。

あるいは、歪で停滞した幸せを、死ぬまで甘受し続けるか。


──脳裏に浮かぶのは、二つ。

心から僕を想って、涙を目に浮かべながら、真っ直ぐに怒ってくれた、友人の張り手。

未だ頬に残る、じんじんしたと痛みは、僕を太陽の下に戻してくれる、唯一の戻り道。

この手を掴まなければ、僕はもう一生、いや、死んでもなお、彼女の腕の中からは、出ることはできない。

そんな気が、する。


それに、彼女の涙を、裏切りたくない。

あれほど、ただ僕を心配してくれたのは、彼女だけだった。

わざわざ僕の家まで出向いて、ただ一言、戻ってこいと言ってくれた、そんな友人の言葉を、まさか無視なんてできない。

最低でも、ケジメだけは、この手で付ける。

そんな決意を、抱かせてくれた。


けれど──それでも、また浮かぶのは、彼女と過ごした幾多もの夜。

色濃く残る記憶を遡り、ただ思い出すだけで、腰骨が蕩け、立ってもいられなくなるほどの──これ以上のものは、この世には存在しないと断言できる、極上の快楽に、いけないとは分かっていても、後ろ髪を引かれてしまう。


乳房に嬲られ、腰を練り付けられ、肢体を絡めさせられ、捻れ絡まった縄のように、ひたすら交わった、その拷問のような甘なぶりの日々。

それを一度でも味わえば、脳を犯して中毒になる麻薬のように──彼女から、抜け出せなくなる。

もう一度、たった一度、彼女の身体を味あわせてくれるならば、僕の人生なんて、喜んで棒に振ってやる。

心の底では、本当は、そう思っている。

ただ、必死に目を逸らしているだけだ。


僕は、心も体も、既に彼女に囚われている。

離れれば、きっと、禁断症状が出るほどに。


「そう、ごゆるりと……♡考えて、考えて……悩んで、悩んで……♡そうして、賢明な判断を、お下しくださいね……♡何せ、貴方の人生を決める、大きな決断なのですから……♡」


彼女は、すぐ側に居る。

離れないけれど、いつものように抱きついて、肌をべっとりと触れさせる事は無い。

──きっと、答えを出すまで、彼女はここを動かない。


動いていないのに、息が上がる。

酸素が、とても薄いような気がしてしまう。


「さあ……♡答えが決まったなら、どうぞ、その口から……♡はっきりと、申し上げてもらわないと……♡」


どうする、どうする。

迷うまでもない答えを、ぐるぐるぐるぐると、考えて、考えて、考えて。


一分経ったか、一時間経ったか、あるいは日が暮れたか。

閉め切っていて、それすらも分からない室内で、時間の感覚まで狂わせながら。


僕は、意を決して、口を開いて──また、金魚のようにぱくぱくと、空気だけをいたずらに吐いて、それを何度も繰り返して。

いよいよ、愛想が尽かされてもおかしくない時間が、きっと経った時。


──僕、は……。


ようやく、彼女の目を見て、言った。

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裏世界

──宇宙は無限に広がっているのだから、その中のどこかには、貴方に都合がいいだけの世界があっても、何ら不思議ではありませんよね。


そんな言葉を、貴方はどこかで見かけることがあるかもしれません。


例えば、インターネットで。


何かのサイトを開こうとしたら、何故かバグが発生して、真っ白い背景にその文章だけが表示されている、不思議なページに飛ばされることがあるかもしれません。


例えば、携帯で。


差出人不明の迷惑メールをふと開くと、何のリンクもなく、ただこの文章だけが書かれた、不思議なメールを受け取ることがあるかもしれません。


例えば、自宅で。


送り元の住所がどこにも書かれていない、開いたらこの文章だけが書かれている、不思議な手紙を受け取ることがあるかもしれません。


例えば、公園で。


誰も見ないような、ぼろの掲示板を眺めてみたら、地域の催しの知らせに紛れて、その文章だけが書かれた、不思議なチラシが貼ってあるかもしれません。


貴方は、それを見たとして、どう思うでしょうか。


気味が悪く、恐ろしいと思うと同時に──確かに、もしかすると、そうなのかもしれないと、ほんの少しだけでも、そう考えてしまうかもしれません。


それは、深層心理でも。


思考の表層にすら浮かばない心の底で、1+1はと書かれたものを見れば、例え意識的に答えを考えなくとも、それは2であるとどこかで思ってしまうように。


回避することができない、心の深い場所──本能的な部分で、納得してしまうでしょう。


この無限に広がる未知の宇宙の中には、どこまでも自分にとって都合のいいことしか起こらない、奇妙な世界がある。


どれだけ確率が低くても、可能性はゼロではない。


その文章を見て、そう思ってしまい──貴方は、そこで意識がぷつりと途切れてしまいます。


そうして、ふと目が覚めると。


──貴方は、今までいた場所ではない、裏世界に存在しています。


赤く、ふかふかのカーペット。


黒塗りの壁と、飾られた絵画と、シックな間接照明のライト。


巨大な一本の樹木から作られたであろう、どこかの部屋への扉。


それらが無作為に曲がりくねり、無限に果てなく続く迷宮が、貴方の目の前に存在しています。


目が覚めた貴方は、それを見て、きっと驚くことでしょう。


何故なら、ランダムに曲がった廊下や、ところどころに存在する、どこにも繋がっていないドアは、完全にあなたの元いた世界の常識に反したもの。


あり得るはずのない、シュールさすら感じる非現実的なものが、そこには広がっています。


──しかし。


それでも、貴方は恐怖を抱きません。


ほんの少しの緊張も、たった一欠片の焦りもありません。


──貴方は、ふかふかのベッドの上で、寝転がっています。


廊下の中央、邪魔になってしまうような場所に、そのベッドは存在しています。


貴方は、そのベッドの感触に、きっと病みつきになってしまうでしょう。


それは、この世のものではない、特殊な素材でできています。


綿でも羽毛でも、ましてや既存の化学繊維でもない、やたらと柔らかく、ふかふかで、もっちりと沈む、そんな布団。


例えるならば、巨大かつ豊満な、極上の女体に抱かれているかのような。


もっちりと艶やかな太ももを枕に、ふわふわで沈み込む肉感に溢れた乳肉の布団に沈み、優しく背を撫でる大きな手を上から掛けられる──そんな感覚が、近いかもしれません。


あるいは、もしかすると本当にそんな錯覚を、貴方は抱くこともあるでしょう。


ですから、貴方は何も怖くありません。


むしろ、愛してやまない恋人に抱かれているかのような、強いリラックスと安堵を覚えるでしょう。


そうした時、貴方は、そのベッドから出ることもできないかもしれません。


あまりに心地よく、そこに住み着いてしまいたいとすら思ってしまうことも、何ら不思議ではないでしょう。


自らの置かれている状況も忘れ、二度寝、三度寝、四度寝。


そうしていると、どんどん、沈んでしまいます。


ふわふわが酷くなり、ふかふかが深くなり。


むちむちが押し寄せて、まるで本物の女体が、体中をむっちり押しつけて、愛撫しているかのよう。


押しつぶすような布団の重みと、どこまでも深いむっちりとした感触に、貴方は考えることも、ましてや起き上がる事も、ひどく億劫になってしまいます。


そして、貴方はきっと、そのままどこまでも沈むことを選ぶでしょう。


深く深く、受け入れられるように、大きく開けられた怪物の口に消えるように。


そこに沈む度にふわふわは増して、どこまでも沈みます。


でも、不思議と苦しくなく、ただ柔らかいだけの布団にありがちな身体の反りもなく、貴方が最も落ち着く体勢になります。


蕩けるような、深いまどろみ。


そのうち瞼も落ちて、貴方は、眠ってしまうことでしょう。


その瞬間──とぷりと、貴方は落ちるような感触を抱くかもしれません。


何か粘性の高い液体の中に、包まれたまま落ちるような、そんな感触。


深い深いスライムの底なし沼に落ちていくような、不可思議な感覚すらも、貴方にとっては、安心感とまどろみを加速させるものでしかありません。


そうして、とうとう眠ってしまうと、貴方は夢を見るかもしれません。


全身にむっちりとした媚肉をつけた、むっちむちの熟れた孕ませ頃の女が、無数に。


地面をどこまでも埋め尽くし、落ちてくる貴方を迎え入れます。


貴方にとって最高に好みの、抱き心地のいい布団のような女が、数限りなく、貴方を悦ばせます。


眠たげな顔つきのまま、しっとり甘いミルクフェロモンを纏わせて、ぷんぷんと濃い雌の匂いを漂わせて、貴方にゆったりと覆い被さります。


あるいは、媚びに媚びた体つきを隠そうともせずさらけ出し、淫らそのものな乳や尻や太ももを見せつけ、逆に貴方の下に潜り込むかもしれません。


そうした、極上の精枯らしボディに囲まれ、挟まれ、押しつぶされ。


貴方はきっと、夢見心地のまま、とめどなく精を漏らすでしょう。


とぷとぷ、とぷとぷ、おねしょにも似た、勢いのないゆったりとした射精。


こっくりと濃い肉感が、そのまま快感としてなだれ込むような、深いまどろみにも似た快感は、貴方の脳裏に深く染みつきます。


病みつきになってしまう、その女たちのカラダ。


それから逃げだそうと、肉をむっちりかきわけてもかきわけても、世界いっぱいに、女がひしめいて、どうしても逃げられません。


ふわふわの、ふかふかの、むっちむちの、雌肉だけがある世界。


地面は、全て女の積み上がったものです。


貴方はそこに寝転び、更にその上に降り積もる雌肉に、どんどん潰されるのです。


しかし、苦しくはありません。


苦痛になる重みも、ありません。


ただただ、身体を満たすむちつきと快感が、どんどん濃くなって。


極濃の淫臭、極濃の艶めき、極濃の快楽。


人間には耐え難いそれらに対して──ほんの少し前に、貴方がそうしたように、また沈んで、溺れて、病みつきになり、どうしようもなくなるしかありません。


そうしてやがて、貴方はその快さから逃げ出すことを諦めるでしょう。


震えるほど美しい女の群れに、貴方は深く沈みます。


殺到する雌肉の隙間に潜り込まされ、貴方は何度も射精します。


喘いで、喘いで、脳みそをすり潰されるようなこってりとした快楽を、何時間も、何日も、何か月も、何年も、何千年も。


いつ目が覚めるかは分かりませんが──少なくとも、幸福感を嫌になるくらい感じさせられ、すっかり押しくらまんじゅう中毒になった頃。


──貴方は、目を覚まします。


体中に、まだ女の感触が抜けきらない、気怠い目覚めになっているでしょう。


腰がかくかく震えるような、じくじくとした快感を、布団にうずくまったまま、反芻します。


体中を押しつぶし、ふんわり受け入れる布団は、本当はあの女達なのではないだろうか。


そんな事を、精をぴゅるりと漏らしながらも思ってしまうほど、夢の中の女と、その布団の感触は酷似しています。


しかし、布団はまるで動かず、貴方は勃起を続けながらも、一安心することでしょう。


そうして、興奮が収まるまで、ひどく落ち着く布団の中で丸まっていると──貴方はふと気になって、外を覗いてみるかもしれません。


あるいは、そうではなく、そのまま貴方が大好きなその布団の中で、じっと呼吸を続けて、惰眠を貪るのかもしれませんが──もしもそうでなかった場合は。


貴方は布団をちょいと持ち上げて、周りの景色を覗きます。


そこは、既にあの不思議な廊下ではありません。


地平線の果てまで、無限に布団の海が続く、また別の不思議な空間です。


空はパステルカラーの優しい紫色で、まるでふわふわのフェルトを毛糸で編み繋いだかのよう。


そこから、度々ふわふわのクッションが降り注ぎ、世界をどこまでも満たしています。


それが、どこまでもどこまでも、果てなく続いています。


貴方は、呆然とするかもしれません。


しかし、その空間に迷い込んだ以上、貴方はこの世界に、間違いなく選ばれているのです。


お布団に沈むことを、自ら選んだ、貴方。


そんな貴方は、ふわふわとふかふかが大好き。


貴方は、布団でゆったり寝転がるのが大好き。


そう、この世界に覚えられた以上、貴方はここからは出られません。


そのことを、貴方はなんとなく察してしまうでしょう。


そのことに絶望したとしても、あるいは心から喜んだとしても。


どうしようもなく、貴方はそこで永遠の時を過ごすしかありません。


まどろみ、眠り、女の群れに射精するだけの時間を、無限に過ごします。


もしかすると貴方は、その空間から逃れようと、果てのない世界をどうにか歩き、出口を探そうとするかもしれません。


しかし、その世界は果てがなく、出口もどこにもありません。


例えそれでも歩いたとして、貴方はすぐに布団に足を取られ、ずるりと倒れ込み、そのまま沈み、気がつくと、最初に貴方が眠っていた場所に立っています。


空間は、貴方を逃がしてはくれません。


そうして貴方は、やがて眠気に負け、きっと眠ってしまうでしょう。


その度に、貴方は女の海に投げ出され、数えるのも億劫なほど、射精します。


それをただ繰り返し、やがて貴方は、夢と現の境目すらも分からなくなるでしょう。


そうなれば、女は貴方のすぐ側で、貴方をいつでも抱いています。


むっちりとした女体を──太ももと乳と腹と手と、ありとあらゆる部位を絡め、夢であろうと現実であろうと、貴方を女体に溺れさせ続けます。


貴方はそのうち、布団と女の区別もつかなくなり、いつまでもいつまでも、雌肉に潰されます。


貴方はきっと、そのことに、脳内麻薬で溺れきってしまうほどの幸せを、感じてしまうでしょう。


貴方は、この世界では、死にません。


お腹もすかず、喉も渇かず、病気にもならず、狂気にも駆られることはありません。


その世界は、少しだけ肌寒く、布団の中に入ると、とっても気持ちいい気温です。


貴方は、その世界で暮らすことに、いつしか疑問を覚えなくなります。


貴方は、永遠に幸せで、女体に甘えるだけの肉の人形になります。


そうして、貴方は、その世界に囚われるでしょう。


貴方は、永遠に幸せで気持ちいいまま、無限の時を過ごします。


──もしも、それが嫌ならば。


貴方は、あの廊下で、ベッドから起き上がることができます。


カーペットに足をつけ、ゆったりと立ち上がると──もう、ベッドは消えてしまっています。


それに対して、ああ、名残惜しいなぁ、とか。


もっと寝ておけばよかったなぁ、とか。


やっぱりまだ眠いなぁ、などと思ったならば。


貴方から見てすぐ側の曲がり角に、そのベッドは、貴方が布団をはね除けたその姿のまま置いてあることでしょう。


貴方は、ほんの少し望めば、そこでまた眠ることができます。


疲れたのなら、そこで眠れば、連れ去られることなく、上質な睡眠を得られます。


万が一、あの世界に焦がれてしまったのなら──身を委ね、沈むことだってできます。


貴方はきっと、そのことにすっかり安心して──好奇心のまま、この不思議な廊下を探索するでしょう。


当てもなく、うろうろと、迷宮のような廊下を彷徨います。


その空間は、まさに最上級の三つ星ホテルと呼ぶのが相応しいでしょう。


何もかもがラグジュアリーで、貴方を高揚に誘い、同時に安心させてくれます。


曲がりくねった廊下の絵画を見つつ、どこからか流れるヴァイオリンの音色を楽しみつつ。


そうして、ほどほどに五分ほど歩いたなら──貴方は、背中に何かの気配を感じるかもしれません。


それに対して気づかないふりをするのも、振り向いて何者かを確かめるのも、貴方の自由です。


しかし、この世界を探索するうちに、後ろを一度も振り向かないというのは、少々不自然ですから、貴方はそれを見たとしましょう。


いいえ、きっと、見るはずです。


──それは、黒づくめの女です。


大抵の場合、メイド服を着込んだ、無表情の女がそこには立っています。


手足のすらりと長い、とても背の高い、女。


あなた好みの、素晴らしく欲情を煽る、理想の雌。


三歩後ろに立つ、その女を見て、貴方は──ああ、なんだ、自分の召使いか、と。


全く道理には反していますが、初対面の異様な女に対して、そう納得を覚えるでしょう。


同時に、その女には、何を言いつけても、何をしてもいいんだった、と──そう、思い出します。


その女は、いかにも人間ではない、奇妙で超越的な雰囲気を纏っていますが──どうしてか、貴方が思い出した通り、貴方にとても従順で、絶対服従の、召使いです。


それと同時に、この世界でのガイドでもあるし、貴方の妻であり、恋人でもあります。


つまりは、貴方をとっても愛している、貴方にとって完璧に都合のいい存在なのです。


例えば、貴方が喉が渇いたと思えば、さっと美味しい飲み物を渡してくれたり。


ちょっと休憩したいとおもったなら、すぐ歩いた先にホテルのロビーのような空間を作り、そこでアフタヌーンティーの用意をしてくれたり。


退屈だと思ったり、人恋しいと思ったなら、話し相手や遊び相手になってくれたり。


あるいは、その召使いを見てむらむらとしてしまったなら、近くの扉を開き、ビル群の夜景に似たものが見える、特等のスイートルームを案内してくれて──そのまま、ベッドに誘ってくれたり。


貴方を喜ばせ、楽しませ、快適に過ごせるように手回しをしてくれる、そんな存在が、貴方の側について回ります。


その女は、度々この世界の何もかもを知っているような素振りを見せたり、この世界そのものを操っているような態度を見せることもあるでしょう。


例えば、貴方がレストランに行きたいと頼んだら、最寄りの扉を開いて、ぴったり望む場所に繋げてくれたり。


そういった不思議な能力を持っていますが、その力は貴方の快適のためだけに振るわれるため、不安に思うことはありません。


──その女は、言わばこの世界が具現化した、依り代や似姿のようなものなのです。


貴方が迷い込んだこの裏世界は、貴方のことが大好きという意思を持っています。


故に、貴方にとってとても都合が良く、どこまでも気持ちよく楽しい場所だけが広がっています。


それを効率よく案内するため、貴方と同じ人の姿を借りて、貴方のすぐ側で、こっそりハートマークをまき散らしながら、貴方をストーキングしているのです。


故に、貴方は、この捻れ狂った世界で、不安に思うことなど一つもありません。


なぜなら、世界の意思そのものが案内し、貴方を守ってくれますから、危険が貴方に及ぶことは絶対にないからです。


──貴方は、いつの間にか、それを知っているでしょう。


それを知った今、それでもこの世界を探索してもいいですし、あるいは召使いの女とのお遊びに耽ってもいいでしょう。


その女は、元は不定型な概念じみたものですから、自由に姿を変えられます。


貴方好みの、理想の女になってくれます。


貴方の好む性格の、貴方が好む容姿の、言うまでもなく貴方にベタ惚れで都合のいい女。


もし貴方がハーレム好きならば、分裂だってしてくれます。


そんな女は、この世界の創造主──とは、厳密には少し違いますが──のようなものですから、好きに世界を弄くり回せます。


ですから、貴方は何の不安もなく、その女と好きなだけ結ばれることができます。


貴方は、もしかすると、その女以外のことが全てどうでも良くなり、その女と暮らすことだけを考えてしまうかもしれません。


それは、女にとって、最も歓迎すべきことです。


すぐさま貴方を理想の家に連れ帰り、永遠の新婚生活を送らせようとすることでしょう。


または、貴方が望むシチュエーションがあるのなら、それを模倣した遊びにも、快く付き合ってくれるでしょう。


例えば、ファンタジーな世界で、サキュバスに犯される勇者ごっこだとか。


現実の会社で、部下の秘書にセクハラしまくる社長ごっこだとか。


そういった体験も与えてくれますから、貴方はますますその女にのめり込み、好きになってしまうかもしれません。


しかし、それはそれで、幸せな一つの結末です。


とてもとても、お勧め致します。


──それに、もし女とどこかの一室で交尾に耽ったとして。


それに飽いたら、またこの世界を探索すればよいのです。


貴方は、いつでもこの世界で遊びに出ることができますし、女との暮らしに戻ることも自由にできます。


女と出会ったならば、それが可能です。


しかし、そうでない場合も、時にはあります。


貴方が何かにのめりこみ、脱出不可能なまでに魅了されてしまった時。


特定の空間に囚われて、貴方はそこから永遠に出られなくなってしまいます。


例えば、先程のベッドに沈んでしまった時のように。


あらゆる場所で、貴方を永久にお迎えするための、幸せで気持ちいいトラップが待ち受けています。


それは、とてもとても幸せで、何よりもおぞましい事です。


そうなりたくない場合は、しっかりと気をつけて歩きましょう。


例えば──不用意に、どこにも繋がっていないドアを開けて、その中をくぐってしまったなら。


貴方は、もしかすると、今までとは雰囲気のがらりと変わった空間に、瞬時に飛ばされてしまうかもしれません。


扉は、この世界のどこにでも繋がっています。


しかし、どこに飛ばされたとしても、基本的には、貴方をもてなすための空間が、そこには存在します。


言わば、貴方が目覚めたホテルだって、貴方を迎え入れ、快適に過ごしてもらうための、この世界なりのおもてなしなのです。


そういった奉仕欲が、この世界そのものに深く根付いていますから、貴方はどこに行っても害される事は愚か、飢えることも渇くこともありません。


けれど──その奉仕欲や性欲、強すぎる母性が暴走した場所も、ところどころには存在します。


もしもそんな場所に飛んでしまったら──貴方は、その場所に降り立った瞬間、終わってしまうでしょう。


幸せ廃人化確定、射精奴隷として人生おしまい、永久腰とろ赤ちゃんになるしかありません。


雌の形をした怪物に囲まれ、犯され、抱かれてしまいます。


そういった世界も、あるのです。


──狭い狭い檻の中で、その怪物は、貴方への恋慕に耽っています。


にへらにへらと笑いながら、いつまでもいつまでも、貴方とのお嫁さん妄想に浸っているのです。


──その怪物には、骨などの固い部分が極めて少ないと言われています。


貴方が抱かれることに特化した、どこを触れても射精確定の、生態や存在意義そのものを貴方への愛にした、そんな怪物だからです。


貴方を抱くための、駄肉そのもの。


淫肉が形を持ち、歩いているような、そんな存在なのです。


──貴方は、運が悪ければ、その群れの中に、ぽとりと落とされてしまいます。


その瞬間、貴方はまず、射精してしまいます。


地面に着く間もなく、空気そのものがフェロモンのみで構成された、甘さだけのピンクの瘴気に、きっと腰も脳も蕩け落ちるでしょう。


それだけで、一生尾を引いて、幸せたっぷりのあっへあへな射精を、死ぬまで続ける廃人になってしまうでしょう。


しかし、貴方は雌肉の中に落ちるのです。


みっちり狭苦しく、隙間の極めて少ない、むっちむちのぎゅうぎゅう詰めな、独房の中。


世界そのものがそれだけで構成されていますから、絶対に脱出できない、空気穴すらもない、そんな地獄に落ちてしまいます。


貴方は、気が狂うほどの快楽に、身を焼かれます。


何せ、相手は貴方への恋慕のみが本能として備わった、貴方を快楽のどん底に突き落とすためだけの、そういう怪物です。


いいえ、むしろ、貴方を愛してやまない雌肉という、概念そのもの。


ある意味で不定型な、貴方を射精させるための肉に、全身を包まれるのです。


──それは、想像を絶する快楽です。


怪物に触れられた時点で、貴方は全身が、快楽を受け取るための器官になってしまいます。


怪物に抱かれたなら、貴方という存在は、ただ気持ちいい塊になります。


怪物に囲まれたなら、貴方は──怪物の対になる存在に。


つまるところ、彼女らの持つ、宇宙的な愛情を、ただ受け止めるための依り代にされてしまいます。


むっちむちな女体を、ひたすら掻き抱き、とことん射精して、愛を囁かれ、最大限の幸福と快楽を受け止めるために、最も都合のいい存在に。


貴方は、どうしようもなく、なってしまうのです。


尿道を抜ける、濃すぎる半固形精液。


肌に満ちる、おぞましく吸い付く堕落の駄肉。


呼吸器から入っては抜ける、狂気的に甘ったるく中毒性のある、ピンク色のフェロモン。


人間の脳なら、1%も受け止められないそれら全てを、100以上にして受け止めてしまう。


ハートマークが満ち満ちた、淫肉の怪物だけの空間では、地獄の底よりも淫惨たる刑罰になりうるでしょう。


──当然、この世界では、死ぬことも発狂することもできません。


ただ、頭が真っピンクになりながら、多幸感と快楽にじゃぶじゃぶと浸り、思考を全て塗りつぶされながらも、射精することだけが許されます。


貴方は、貴方という存在ごと、溶けるでしょう。


ひどく惨たらしい結末ですが──貴方は、それから逃れることもできます。


それから逃げたいと、心から思ったのなら、きっと世界は貴方を掬い出してくれるでしょう。


ですが──そうはなりません。


そこを体験したのなら、必ずや。


永久に、永遠に、休みなく、それを受け続けることを選ぶでしょう。


発狂するほどの快楽を、多幸感を、淫蕩を、いつまでも味わい続けるというのは──それほどまでに、甘美なことなのです。


ですから、逃れられず──故に、そこは秘匿されているのです。


──貴方は、その結末を知り、恐ろしく思ったかもしれません。


絶対に、それだけは嫌だと、そう考えたかもしれません。


それならば、宙ぶらりんなドアは開かないようにすれば、その結末は回避することができます。


ならば探索する時は、どこにも触らないようにすれば万事安全かと、貴方はそう思うかもしれませんが──実際は、そうではありません。


貴方には、常に様々な欲望が向けられています。


性欲、母性欲、甘やかし欲、甘いじめ欲、赤ちゃん帰りさせたい欲、とろとろにふやかしてあげたい欲、かわいいお耳をしゃぶってあげたい欲、乳首をくりくり嫐ってあんあん喘がせたい欲など。


数限りなく、そういった欲望が、この世界そのものに溢れていますから、貴方はそのあおりを受けることがあります。


例えば、ただ歩いていたら、貴方は何かの声を聞くことがあるかもしれません。


極めて耳障りの良い、甘い砂糖菓子のような蕩けた声。


本気で貴方に首ったけな、甘えるような誘惑するような、そのくせどこか澄まして格好をつけた、そんな声が聞こえます。


──それは、貴方が大好きな声です。


貴方の中に、その具体例があるかは分かりませんが、貴方が最も愛する声で、それは囁きます。


初めは、小さなノイズのような、そんな声で。


耳をすませても、音が聞こえるだけで、何を言っているかは聞こえません。


しかし、だんだんと、その声は貴方に近づきます。


──……すき♡だいすき♡ちゅうしたい♡こっちにきて♡だきしめたい♡


甘い甘い、発情の吐息混じりの声です。


どこか生ぬるさすら感じるような、淫らな熱を持った言葉。


それらを、ひたすら遠くから囁かれ、貴方は辺りを見回します。


けれど、どこにもそんなものの姿はありません。


ですから、その声の接近を止めることは、貴方には不可能です。


その声は、近づくにつれ、貴方好みの言葉を吐いてくれて、貴方好みの声のトーンを覚えてくれます。


──……ああ、逃げないで……♡怖くないよ……♡とても、とても幸せで、気持ちいいだけなんだ……♡本当さ、嘘はつかない……♡


だんだんと、だんだんと、その声は貴方に近づきます。


その度に、貴方の脳裏にはその女性のイメージが沸き、腰が砕けます。


ぞくぞくと、腰が震えて、力が抜ける。


ふらふらとしか歩けず、果ては座り込んでしまう。


何故なら──貴方も、声の主が好きになってしまうから。


相思相愛の女性の、愛情たっぷりの、レイプ宣言。


そんなものを聞かされて、まさか正気でいられるはずはありません。


──ハーレムが好き……?♡ああ、結構なことだ……♡ならきっと、きっと満足してくれるさ……♡囁きだけで崩れ落ちるような、マゾヒストには特にね……♡ん?♡文句があるなら否定してみたら……?♡ほら、マゾ……♡なさけなくてかわいい、僕だけのマゾ……♡ほら、マゾ、マゾ、まーぞ……♡あは、かっわいい……♡


その声は、貴方が可愛らしい姿を見せる度、ヒートアップしていきます。


それがどこから貴方を見ているのか、あるいはそれに目と呼べるものが存在するのかも、こちらには分かりません。


しかし、貴方が悶えたり恍惚としたりする度、声はゆっくりと近づいてくるのです。


──ね……♡乳首、好きなんだ……♡くりくり、かりかり……♡あ、これ好き……?♡かりかり……♡かりっ……♡かりかりかり……♡ふふ♡声を抑えられないの、かわいいなぁ……♡頭の中で声が反響するの、堪らないだろう……?♡気持ちいいのがつらくて、腰が抜けて、でも僕のことが好きになっちゃうんだ……♡ほら、どんどん好きになる……♡


その声は、貴方の精神だけでなく、身体にも影響を与えます。


囁かれた言葉や擬音は、貴方の肉体への感覚として与えられ、直接の快楽を与えるものとなり、貴方は思わず喘いでしまうでしょう。


そうすれば、声はだんだんと貴方に近づき、それにより与えられる感覚が濃くなって、ついには逃げられなくなってしまうのです。


その事にもしも気がつき、なんとか声から遠ざかろうとしても、無駄です。


その声は、貴方が移動するかしないかに関わらず、必ず一定の距離から聞こえます。


そして、その距離は近づくことはあっても、遠ざかることは基本的にありえないため、逃げることはほぼ不可能です。


もしも耳を塞いでも、その声は問題なく聞こえます。


むしろ、その声が聞こえ始めた時から、貴方は遮音室に居るかのように、外の音が少しずつ聞こえなくなってしまいます。


貴方の頭の中には、その魅力的で蠱惑的な、甘い囁きだけが反響します。


深くエコーがかかったその声は、反響の度に貴方に感覚を付与し、貴方を内側から愛撫するでしょう。


貴方は、十分もすれば、既に声の虜になっています。


その声には、聞く度に深い魅了を与える効果を持っています。


貴方は、その声が大好きで、何よりも焦がれるほどの、甘い恋心を抱きます。


そうなれば、声は、もう貴方のすぐ側に居るでしょう。


吐息を感じるほどの、数ミリも離れていない、間近。


思わずゾクゾクと背筋を震わす囁きに、貴方は感覚の全てを注ぎ、恍惚に浸ります。


貴方は既に、その声が次の言葉を紡ぐのを待ち望むだけの、奴隷のような存在になっているでしょう。


そうすれば、貴方にはもう、聴覚以外の感覚は残されていません。


ただ目を閉じて、その声と愛し合えば、貴方はそれで満足なのですから、それも自然なことでしょう。


ですから、貴方は気づかないでしょうが──貴方の身体は既に、どこでもない虚空を落ち続けています。


すとんと、世界の隙間に落ちて、どこでもない場所を落ちます。


音も光も物質も何もない、ただひたすらに底抜けの虚空を、落ちます。


しかし、貴方はそれに気づくことは、二度とありません。


貴方は、声に導かれるままの幻を見て、それに苛まれ続けるのです。


──もちっ……♡むちむちっ……♡ほら、巨大なおっぱいが君を食べちゃうよ♡全身を飲み込んで、包んで……♡むぎゅう♡むっち♡むっち……♡柔らかくて、あったかくて、頭がおかしくなるぐらい甘い、化け物おっぱい……♡ほら、君の全部が、おっぱいの甘さに蕩けちゃう……♡


例えば──もし、そうして囁かれたなら。


貴方の視界には、いっぱいに、生白いもち肌が広がっているでしょう。


貴方の身体には、蕩けた肉質の、しつこく吸い付く貪欲な乳肌と、ひたすら柔らかなトリモチのような、粘っこく熟れた乳脂肪がまとわりついているでしょう。


巨大なそれに、身体の全てを挟まれ、しつこく精をねだるように、ゆったりと練り上げられている、そんな幻に囚われているでしょう。


それは、現実では決してあり得ない光景です。


貴方の全身を包んで尚も余りある、巨大という言葉すらも適当ではない、極限まで淫らな乳肉に、全身をパイズリレイプされているのです。


それに加えて、頭の中では延々と終わりなく『すき♡すーきっ……♡だいすき♡あいしてる♡かわいい……♡』と、愛を囁く声が響いています。


だから、貴方は実際のところ、この状態では、柔肉に押しつぶされる以外のことを知覚することができません。


貴方は、何も知らず、幸せたっぷりに射精するでしょう。


無論、ここはどこでもない虚空ですから、出口も入り口もありません。


貴方がもしも幻から醒めたとしたら、発狂するほどに何もない場所で、ただ落ちる感覚だけを永遠に味わうという苦痛を、永久の退屈と共に受けることになるでしょう。


しかし、絶対に、そうはなりません。


貴方は、射精し続け、溺れ、声と愛し合い続けます。


ですから貴方は、幸せ。


多幸感に溺れ、声に溺れ、堕ちるだけなのです。


──そうした幸せな結末は、この世界では、無限に転がっています。


少し時を戻して、あの廊下に立っていたとして。


廊下の探索を続けていると、様々なものを発見することがあるでしょう。


例えば貴方は、エスカレーターを見つけることがあるかもしれません。


下に向かうそれに乗ると、どんどんどんどん降りていき、やがて周りの風景が、古いレンガと緑の光を放つ松明になるかもしれません。


そうして下までたどり着くと──その終着点では、数多の女が、エスカレーターのステップ部分で、両手を広げて待っているでしょう。


その奥にあるはずの部屋が見えないほど、豊満な巨躯を持った、全く同じ姿をした女が、数限りなく密集する光景に、貴方は怖じ気づいてしまうかもしれません。


見るからに、甘ったるく蒸し暑いフェロモンが漂ったあの肉体に、どこまでも密着されて、ハーレムという言葉すら生ぬるい逆輪姦で、ひたすら犯され続ける場所だ。


貴方の勘がどれだけ鈍くとも、そう確信を抱くその光景から、貴方は逆走して逃れようとする事もあるでしょう。


しかし、エスカレーターはどれだけ駆け上っても、全く前に進まないほどの速度で下っています。


貴方が逆走して上ろうとすれば、それと全く同じ速度で、そのエスカレーターは進むのです。


貴方は、立ち止まって下ることがあっても、上ることはありません。


やがていつかは、貴方の身体に、むちりとした感触が押し寄せます。


涙が出るほどの恍惚をもたらす、母性欲に濡れきった、淫肉まみれの肉体は、貴方をひたすら甘やかします。


駄肉に埋もれさせ、授乳し、ゆるやかなピストンで、膣肉により貴方のペニスをゆりかごのように揉みほぐします。


貴方は、お漏らしをするように射精します。


そのたびに、貴方は身体が若返り、筋肉や余計な記憶が抜けていってしまいます。


貴方は、強制的に年齢を奪われてしまうのです。


やがて貴方は、精通直後の小さな可愛らしい男の子になるでしょう。


最も性に疎く、性感を知らない、無防備なショタ。


貴方は、初めての射精を、どんなに幸運で、どんなに深い興奮に包まれ、どんなに優れた雌に導かれた男の子の精通よりも、ずっとずっと気持ちよく行います。


最も精通を導くことに適した、それだけのために存在する雌肉が、貴方を一生射精狂いにするような、人生破滅確定の最高の病みつき精通を与えます。


しかし、貴方はその瞬間、その精通の記憶を奪われるのです。


正確には、精通の気持ちよさだけを覚え、射精快楽への耐性だけを奪われます。


貴方は、永遠に慣れることのできない精通を、繰り返します。


貴方は、永久に無数のママに甘やかされる、精通中毒の男の子として、永遠の時を甘やかされるでしょう。


──逆に貴方がもし、上りのエスカレーターを見つけたなら。


それにふと乗ったなら、だんだんと速度を上げて、上へ上へと貴方を運ぶでしょう。


貴方は、その上昇速度に、少しばかりの恐怖を抱くかもしれません。


しかし、貴方がこの世界において、害されるはずもありません。


風は吹きすさぶこともなく、ただ優しく頬を撫でて。


後ろ向きに吹き飛ばされるような慣性も働かず、貴方はただ立ち尽くすことができます。


もしこのエスカレーターから飛び降りたとしても、何事もなかったかのように、貴方はまた同じようにエスカレーターに立っています。


しかし、エスカレーターは、凄まじい加速を続けます。


貴方は、最高速で飛び回る戦闘機のような速度で進む足下のそれに、少なくない疑問を抱くことでしょう。


一体どこに向かっているのだろうか、この上昇に果てはあるのだろうか。


そんな疑問に少しばかりの不安を抱き、そわそわしてしまうかもしれません。


しかし、少し経てば、そんな疑問は全て消え失せるでしょう。


体中が幸福感に包まれ、とても心地良い気分になるからです。


思わず頬が緩み、にやにやとにやけてしまうような、気分の良い感覚。


五分ほど経つと、その感覚はどんどん酷くなり、立ってもいられなくなり、やがては射精に至ります。


このエスカレーターは、本物の天国に繋がっています。


天国の最奥の、最も人間にとって快い場所に、直接繋がっています。


そこは、この世界とはまた違う場所ですから、どんな場所かの詳細は分かりません。


しかし、天国にたどり着くその直前、人間は悶え狂い、あまりの快楽に意識を落としてしまうそうです。


それとは別に、天国には多くの女神が存在します。


人間がたどり着ける最奥には、それはそれは美しく、人間を悦ばせる術に長けたものが居るのでしょう。


そこは、ともすれば地獄にも近い場所だそうです。


──では、その他には、どんな結末があるでしょうか。


貴方は、探索している時に、どこかのタイミングで、神に何かを祈ることがあるかもしれません。


その祈りは、必ず届きます。


この世界には、淫神と呼ばれるものと、それを祀り信仰する集団が居ます。


神に祈ったなら、遅かれ早かれ、それらの集団が拠点とする神殿にたどり着くでしょう。


それは、神殿というよりかは、ピラミッドのような中東の遺跡を、高級なホテルに改装したものに近いかもしれません。


そこにたどり着いたなら、巫女と呼ばれるものが、貴方を恭しく出迎えてくれるでしょう。


貴方は、招かれるままに、奥へと案内される以外の道は残されていません。


貴方は、奥にある祭壇の上に寝かされます。


その祭壇は、妖艶な薄紫を基調とした、天蓋付きのベッドに酷似したものです。


その部屋には、無数の巫女が、淫神の偶像に崇拝の祈りを捧げています。


堕落の使徒と呼ばれるその巫女は、口元をヴェールで隠しながら、その下まで伸びるずろりと長い肉厚の舌を常に垂らし、ねとねとと粘度の高い唾液を垂らしています。


誰も彼も、肉付きの良い肉体を隠そうともしない、マイクロビキニ姿で、貴方に恭しく礼をします。


長い乳が覗き、太ももがむっちりと潰れ、貴方は興奮してしまうかもしれません。


もしも、ここで貴方が勃起してしまったなら、その瞬間に、その原因となった巫女が貴方の側に侍り、奉仕をします。


貴方は、巫女が崇拝する淫神への、供物です。


巫女は、貴方を淫神の旦那様として、捧げているのです。


貴方はもしかすると、そこから抜け出そうとするかもしれません。


しかし、貴方はだんだん、身体から力が抜けて、立ち上がることができなくなります。


何もかもが億劫になり、巫女達に全てを任せて、自分はただ寝転んだまま快楽を貪っていたいような、そんな衝動を抱くでしょう。


それは、軽い筋弛緩の効果を持つ、巫女のアロマにより引き起こされています。


貴方のそんな欲を満たすように、巫女達は、貴方をベッドに寝かせたまま、ますますお香を焚き、貴方の衣食住から何から何まで世話をします。


貴方は、望む全てを巫女に与えられ、むっちりしたローションまみれの裸体に絶え間なく添い寝され、望むままの性奉仕を受けることができます。


貴方はぼんやりと口を開け、射精するだけの人形になります。


手を上げることも、言葉を発することもなく、口移しで食事を与えられます。


唾液が溢れそうになるのすら、巫女のベロキスで啜ってもらい、貴方は何も考えず、法悦のままに堕落します。


貴方は、全身に力を入れることなく、極限までリラックスして、快楽だけを受け止めます。


その姿を見る度、巫女は悦びに打ち震えます。


自らの身体をかき抱き、感動に涙する者すらもいます。


彼女らは、人間が堕落する姿が何よりも尊く、美しく、素晴らしいものだという価値観を持っているからです。


それが、淫神の教えなのです。


淫神は、貴方の頭上で、像となり貴方の寝姿を見つめています。


三メートルはあろうかという巨躯に、八本の腕を持ち、臍まで届く長くて幅広で厚い舌を垂らした、異様な姿。


しかし、顔は蛇目の幽艶な人外の美女そのもので、女神と呼ぶに相応しい魅力を持ち、貴方はそれに心を深く奪われることでしょう。


例え、腰から下が蛇になった、異形の姿だったとしても、貴方はその像に本気で恋をして、それの情夫となることを心から望むでしょう。


淫神は、その祈りに応えてくれます。


殻を破るように像の表皮を破り、祭壇に流れ込み、蛇腹に貴方を寝かせます。


これから貴方は、淫神とその巫女の、世界を滅ぼしてしまうほどの甘やかし癖を、一身に背負う生け贄となるのです。


貴方は、もちもちの蛇腹ベッドの上で、ひたすらに甘やかされる悠久を送ります。


──こういった終わりは、まさに言葉通り、数限りなく存在します。


この世界は、いわゆる平行宇宙にも似た、曖昧なパラレルの世界を行き来する構造になっています。


ですから、貴方は無限に、二度と同じ場所にたどり着かないその世界を、どこまででも彷徨うことができるのです。


──しかし、その末路は、いつでも決まっています。


貴方のことを、異常なまでに愛してやまない不思議な存在に、永久に愛でられます。


貴方は、その結末から逃れることはできません。


──唯一の、例外を除いて。


もしも、貴方が自由な思考と行動を望むのなら、貴方に付き従う召使いと過ごすことをお勧め致します。


貴方は、召使いと暮らすことにより、救われることができます。


この世界から貴方の世界に出て行くことは叶いませんが、それ以外の全ては保証することができます。


貴方は、これまでの情報に恐怖を覚えたなら、召使いに全てを委ねることができます。


召使いは、貴方を奪おうとするものを、悉く退けることができます。


貴方は、静かで心地よいスイートルームの中で、心地よく生活を送ることができます。


召使いは、貴方に従います。


貴方が望む場所で、貴方が望むものを与え続けます。


きっと、貴方が真名すら忘れてしまうまで、貴方の妻として、仕えましょう。


貴方に不安など、与えません。


貴方を満足させるための、無数のお部屋をご用意して、お待ちしております。


ご理解頂けましたか?


貴方は、召使いと永遠を共にすることにより、救われることができます。


貴方は、召使いと永遠を共にすることにより、救われることができます。


貴方は、召使いと永遠を共にすることにより、救われることができます。
































逃げても無駄ですよ。






























宇宙は無限に広がっているのだから、その中のどこかには、貴方に都合がいいだけの世界があっても、何ら不思議ではありませんよね。




















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ヴァルキリーさん達の永久甘やかし交尾に蕩け続ける極楽天界生活・それから

──にち、にち、にちゃ、むっちゅ……♡♡♡


──う♡♡♡あ♡♡♡あ……♡♡♡


静謐な寝室に、数多の水音と、小さな喘ぎ。

永久に続くそれが、朝も昼もなく、今日もまた響く。


「…………。そろそろ、お射精なさいますか?」


いつものように静かに凪いで、ひどく淡々とした声。

行っている動きのねちこさ、淫猥なグラインドに似つかわない、ただ事務的で、義務的なそれもまた、一切不変で。


──ぅあ♡♡♡あ♡♡♡あ♡♡♡あぁっ♡♡♡


そしてまた、これも、同じ。

心の底から快感に浸り、心の器にいっぱいいっぱいの興奮と多幸感を、溢れさせるように、全身で表現。

天国という言葉を体現し尽くした、正気を失った麻薬中毒患者のように、打ち震えて、泣きじゃくり、声を枯らすにも届かない甘ったるい蕩け声を、ひたすら上げる。


僕は、何度も何度も味わった、味わわされた、その感覚を。

身体が全て溶け落ちて、ぐずぐずになり、イくしか分からなくなる、耐え難い感覚を、少しでも和らげるために、反射的に、いつも通りの動きをした。


──ぎゅうぅぅぅ~~~っ……♡♡♡


脳みそがトぶ射精をする時に、何かにしがみつく。

それは、僕がこの極楽で染みついた、一種のクセだった。

それを、聡明かつドのつく淫乱なヴァルキリーに見抜かれたのが、運の尽きだったのだろう。


僕は、必死になって、抱き寄せる。

腰の上で重く跳ねる、大きな尻の天使──ではなく。

いつも通り、左右にただ侍り、精液を煮詰めさせながら、射精を促進させるだけの天使。

僕を挟み込み、そのデカパイやらぶとももなどを、みっちり絡ませ、肉欲を満たすためだけに存在する彼女たちを──めいっぱい、抱きしめた。


──びゅうるるるるっ……♡♡♡びくびくっ……♡♡♡


雌肉の海に、溺れる。

人間よりもずっと体格がよく、身体も分厚く、魅力たっぷりなコクに溢れた雌肉をたっぷり携えているのが、天使なのだ。

それ故に、僕の方を向いて寝転んでいても、彼女達の方が僕よりも身体の嵩が高い。

だから──抱きしめれば、僕の身体は、たやすく埋もれる。

柔肉の極致、ただ人間が気持ちよくセックスするために、正しくその為だけに神が創った、罰当たりなまでの淫肉に。

みっちり、溺れ尽くす。


「あん……」「やん……」


左右から響く、嘘くさくて甘ったるい、媚びっ媚びの声。

表情一つ変えずに、聞くからにわざと出されたそれを聞かされると──射精が、濃くなる。

それを、彼女たちは、いつからか、めざとく知っていた。


──びゅうっ♡♡♡びゅっ♡♡♡びゅう~~~っっっ……♡♡♡


「ぴゅ……ぴゅっ……ぴゅう~~~っ……」「あんあんっ……いくいくいく……射精きんもちいい~っ……」


とろっとろにほぐれた、煮込んだ餅のような乳肉に、頭をみっちり挟まれて。

ひどく甘くて、肺の中まで甘さに染まる、おっぱいフェロモンをひたすら嗅がされながら。

それだけで腰骨が溶けるのに、彼女らは構わず、極甘射精実況をつける。


脈動に合わせて、吐精を導くかのような、射精音。

天使に似つかわないほど甘く、普段なら絶対に聞くことのない、間の抜けた半濁音混じりの媚び声に、射精する。

それと、心から射精に浸る僕の心を──あまつさえ、その神通力を使って覗きながら、甘ったるく代弁して、逃がした快楽をまたもぶつけられ、射精する。


「ぴゅ……♡♡♡ぴゅうっ……♡♡♡ぴゅるるるぅ~~~っ……♡♡♡」「射精さいっこう……天使様すきすきすき……おまんこと結婚する……おっぱいとも結婚……一生雌肉とハーレムする……」


──もう、射精、射精、射精。

腰がなくなるまで射精して、脳みそがぷっつん切れるまで、快感の極みを感じ続ける。

何分、そうしているかも分からない。

そもそも、天界に時間など、ない。

だからこそ、何も気にせず、何も考えず、からっぽになった脳みそに、無限の多幸感を詰め込んで。


──~~~~~っっっ!!!♡♡♡♡♡


もう、思いっきり、幸せ全開の、叫び声にも似た吐息を、吐いた。

その間にも、おっぱいは顔に張り付き、雌肉は僕を丸呑みにして、子宮は精液をちゅうちゅうはしたなく啜り上げ、おまんこは襞をにゅるつかせる。

僕は、もう訳がわからなくて──とうとう、極限の幸せのまま、気を失った。


何億と繰り返した奉仕は、いつもの通り。

今日もまた僕は、そうなった。




「……おはようございます。よく、眠れましたか?」


そうして、目が覚めた僕は、今までの事──極楽に浸って、完璧に美しくて淫靡で、僕の好みにぴったり合った天使様のハーレムを築き、都合がよすぎる極楽を謳歌した、その全ての記憶──が夢なのではないかと、そう思う暇もなく、天使様に挨拶をされた。

文字通り、息をのみ、目が覚めるほどに、美しい。

そう思わざるを得ない、言葉通り、天使そのものの美貌だった。


「…………。まだお疲れでしたら、そのまま、更に眠って頂いても構いませんよ」


戦乙女の、敵を射殺すような、鋭い鷹のような目。

それと、厳しさを表すような無表情は、決して変わることはない。

けれど、触れる手のひらと態度は、ひたすら甘く、優しい。

天使らしい慈悲と、戦乙女の厳格さ。

それを、僕はとっくに知っているから──戸惑いなく、近づいて、甘えた。


ヴァルキリーさんは、何も言わず、頭を撫でてくれる。

今更、その当然の行為に、何も言うことはない。

もう、何千何万、下手をすると何億と繰り返した行為だからだ。


──僕は、どれくらいの時間、ここにいたのだろうか。

時々、意味もなくそう、ふと考える。

心から、無意味な行為だ。

これからは無限の時間を、天使様たちと共に、ここで過ごすのだから。


──もう数万年くらいは、経ったのかな。

しかし気になって、天使様に、そう聞いてみる。


「まだ、約三千年しか経っていませんよ」


平然とした答えに、僕は、ぞっとした寒気を覚えた。

まだ、三千年。

生きていた頃、もう何があったのかも、人間界とやらがどんな場所だったのかも、全てをすっかり忘れ、自分の名前すら忘れ果てて、僕の記憶の全てが天使様で埋まったのが──多分、この分だと、二千年は前だったのだろう。


三千年とは、きっと、人間の精神には長すぎるくらい、本当に永い時間なのだ。

本当に長くて、恐ろしくなるほど、発狂するほど長くて──けれど、まだまだ、終わるには足りない。

それどころか、これを何億回、何兆回繰り返したって、決してこの極楽生活は、終わらない。

ぶるりと、背筋が凍った。


「……お飽きに、なられましたか?」


天使様は、平然と、そう僕に聞いた。

──答えは当然分かっていますが、形式的に、そう聞いています。

無表情ながら、そう顔に出ていたが、それには黙って首を振るしかない。


この極楽での生活に飽きるなんて、あり得ない。

それどころか──飽きられないから、困っているのだ。

いつもいつも、気を失うほど幸せで、死んでしまうほど気持ちよくて。

それを、毎日毎日、四六時中、起きてさえいれば常に、与えられる。

それを、三千年もの間、ずっとずっと、行われて──なおも飽きられず、むしろ快感に弱くなっている気すらしてしまう。


恐ろしかった。

これが、永遠に、世界が終わってもなお、続く。

──興奮に、大きく、ペニスが震えた。


「……お腹に、当たっておりますが」


それが、ヴァルキリーさんに、隠せるはずがない。

彼女は、軽く手慰みにペン回しでもするような、ひどく慣れた手つきで、僕を押し倒した。


「もし、飽きられたのならば……少々趣向を変え、お戯れでもなさいますか?」


幾多もの天使が、僕の周りに集まる。

しっとり蒸れて、汗が滑る肌。

ぎらりと輝く、ただ白金色に濡れた目。

その姿は、ハイエナの群れにも似ていた。


「例えば……私がおっぱいで目隠しをして、その状態で、別の天使が代わる代わる五度ずつ腰を振り、その各々の膣の感触だけを味わい、気に入った者の子宮に吐精する……とか」


爛れた提案に、僕はもう、驚きもしない。

天使という、人の手の届かない、ましてや情婦になどなるはずもない存在が──ペニスを悦ばせるための玩具に、進んで堕ちる。

いや、それが天使の使命であるから、これは堕落ですらない。

ただ、至極当然に、彼女らは僕にとって都合のいいハーレムお嫁さんである。

それだけの話だった。


「いいえ、それは推奨できません。勇士様を召し上げてから数えて、約二百三十年目ほどの時にそれを致しましたが……結局、一人目の天使が、卑しくもねっちりと、牛歩のように遅いグラインドで、五度のピストンのうちに勇士様の子種をねだるという結果に終わりました。そしてそのまま、結局はただのスローセックスの乱交が始まり、勇士様は全ての天使に膣内射精を敢行なされたと……そう記録されています」


ぺらぺらと、光の中から取り出した分厚い記録書を読みながら、他の天使様がそう口を挟む。

そのヴァルキリーはいかにも理知的で、性欲や穢れなど一切ないような顔立ちをしているが──彼女の名前もまた、その口から吐いた乱交パーティーの記録には、記載されているはず。


そう、全ての天使は、冷静沈着で感情を表に出さないながらも──がっつり、その内側には、人間と比べてもまるで劣らないどころか、明らかに上回っているほどの愛欲を秘めていて。

そして、勇士様に、英雄に──つまりは、僕に、べったり惚れていて、性欲も強く。

だからこそ、逃げられないし、拒否できない。


「ああ、そうでしたか……。では、いつも通り、『訓練』になさいますか?」


訓練。

戦乙女にとっては、何の変哲もないその言葉に──僕は、激しい勃起を隠せない。


もう、ヴァルキリーは、剣を必要としていない。

何故なら、彼女らの言うラグナロクは、とっくの昔に終わったから。

それも──何の被害もなく、大勝。

正確には、愛欲や性欲や人間に対する奉仕欲を余らせ、あまりの欲求の強さに遠くに封印された魔物達を、ただ適切な場所に送っただけ。

人間の気配を嗅ぎつけて、甘やかしたく天界にやってきたそれらを、人間が言うところの地獄とやらに案内してやっただけと、彼女らは言う。


つまるところ、彼女らが、剣を振り回し、身体を鍛えることに時間を割く必要は一切ないし、それは僕も同じだ。

だから──ここで言う訓練とは、僕が。

ヴァルキリーの、本気の性交に耐えうるようにする、手加減セックスのことを言う。


「……では、そのように」


鳥が編隊を組むように、手早く、位置が変わる。

今日の気分に最も合致した、ハーレム甘やかしの体勢。

それを、瞬時に、彼女らは見抜いただけだ。


──ヴァルキリーは、常に、手加減をしている。

その内に秘める、人間を悦ばせるための神の技巧と力を全て使えば、人間はたちまちのうちに壊れてしまうだろう。

しかし、ヴァルキリーは、常に人間を最大限に甘やかしたい欲求を持て余している──らしい。

なので、それに耐えうるように、僕は毎日、ヴァルキリーさんに身を捧げている。

最高に気持ちよく、幸せにされて──精神ごと、果てている。


──本当に、いつか、耐えきれるのだろうか。

あんな、異常な多幸感に耐えられるように、人間の心ができているとは、到底思えない。

どくどく心臓を鳴らしながら、天使様に、目配せ。


「……この天界に迎えられ、最も長く過ごしておられる方は、おおよそ三劫の時を過ごしておられます。勇士様に馴染み深い暦に変えると……十五垓年といったところでしょうか」


──十五垓。

それがどれほど長いのか、僕にはちっとも分からない。

けれど、多分──『永遠』と読み替えても、それほど影響はないだろう。

それくらいの時間、この極楽に囚われて、ただ喘ぐだけの生活を送っている。

そして、僕も──間違いなく、そうなる。


「その方は、生まれは貴方とよく似た年代であるそうです。ここは時が捻れた空間である故に、そういう事が度々起こるのですが……その方は、今日も、二度の絶頂の後、喘ぎと共に、気をやってしまわれたとの事です」


──目の前が、真っ白になるような気分だった。

無限の時を重ねても、絶対に慣れることのない、天国。

それは、言い方を変えれば、最も残酷な、地獄。


「……力を、お抜きになって下さい」


神罰にも似た、絶対的な快楽を、今日もまた与えられる。

何度も何度も、しつこくしつこく、スーパーコンピュータでもエラーを吐くほどの時間繰り返された、複雑極まる緻密な責めを、今から。

そう思うと、震えが止まらなくなり、心臓がぐっと熱を持ち──ペニスが、精通する直前のように、睾丸ごと持ち上がる。

きっと、これもまた、永遠に慣れないのだろう。


「失礼、致します」


そっと、ぷるつく唇が、近づく。

天使との行為は、恭しい口づけから始まる事が多い。

貴方へ忠誠を誓います。

貴方に絶対の信頼と愛情を置き、それ故に、卑しくも寵愛をせがむことをお許し下さい。

そんな思いを伝えながら──反省の色もなく、卑しすぎる、ナメクジの交尾みたいなねっちりしつこいベロキスを、彼女ら一人一人に行う。


柔らかく、弾力に溢れた、瑞々しく熟れた果実のようなリップ。

それを、一切の遠慮なくぶっちゅりと押しつけ、いやらしく舌ごと啜る。

べちょべちょと絡ませ、ねっとりと舐め、蕩けるような粘膜で潰し── 一呼吸、ため息。

ヴァルキリーさんは、ただ静かに、落ち着いた普段通りの呼吸を。

しかし僕は、ぜえぜえと、恍惚に荒らげた呼吸を繰り返す。


脳が興奮に酸素を使い果たし、こちらは一切動いてもいないのに、全力疾走の後のようになりながら。

その乱れた呼吸が落ち着くまで、すりすり、しゅらしゅら。

内腿に手を添え、首筋を撫で、隠された性感を見抜き、彼女らはまた勃起を促進する。


そうして、呼吸が落ち着けば──また、恭順を示す、儀式。

ぷるつく唇、肉厚でずろりと長い舌を、ちろちろっ♡と見せつけてから、沈ませる。


むちゅるっ……にゅるん♡♡♡ずろにゅ♡♡♡んにゅる♡♡♡にゅる、にゅる、にゅる……♡♡♡


極めて静かな、瞑想をするかのような表情のまま、愛撫だけはいやらしさ満点に。

天使様の神聖さを損なわぬまま、性奉仕だけは、娼婦にも淫魔にも負けず劣らず。

そのギャップに、今日もまた、興奮をひどく煽られる。


その間にも、私利私欲の手慰みか、あるいは心からの奉仕かは分からないが、キスの雨やら擦り撫でる指先が、体中に落ちる。

神経のたっぷり詰まった、敏感な場所をめがけて。

あるいは、恋人ですら躊躇するような、恥ずかしい場所に。

ちゅ♡ちゅ♡ちゅぅ~っ……♡と、吸い付いて、離れて、また吸い付いて。


小鳥がついばむような、つつくだけのキスもあれば、ねろねろと深く味わうものもあり。

慣れられず、飽きられず、かといってそちらばかりにも集中できず。

数多の愛撫に意識を向け続けると──くっと、顎を掴まれ、目の前の天使様と強制的に目を合わされる。


そして──にゅるにゅるにゅる♡♡♡べちょべちょ♡♡♡むちゅぅるむっちゅむっちゅむっちゅ……♡♡♡と。

拗ねたような、問い詰めるような、一切の容赦のないキスに、溺れさせられる。


──目の前で、女が必死にキスをしているのに、意識を反らすとは何事ですか。

そう言っているかは知らないが、少しだけ目尻を険しくつり上げて──ひたすら、ベロキス。

普段のように、常に浮気し続け、目移りを繰り返し、ハーレムを最大限使い尽くせという、ヴァルキリーさん達が言っている無茶とは矛盾した、至極当然の女の子の反応。

それに対して、可愛らしいなと思う──暇もなく。

ねちっこく激しい吸精のべろちゅーで、ねちりねちりと粘膜を貪られ、口同士でケダモノみたいな交尾をして。

いつまで経っても許されず、目の前がちかちかするほど口を塞がれ、濁流みたいな快感を流され続けて。


──何度も何度も、射精を伴わない、つんざくような絶頂を味わう。

吐き出すところのない、最も強い快感。

脳みそがひりつき、体中にぶわりと鳥肌が立ち──それでも、指一本動かせず、叫びも上げられず。

おかしくなってしまいそうな、絶頂のピークの時間が、ひたすら続く。

射精を伴わないから、萎える事もなく、だから抜け出せなくて、終われない。


いやいやと首を振ろうとして、しかし、その動きすら顔を掴まれて、べろちゅー。

怖気を感じるほど美しい本物の天使に、こうまで必死に求められて、それから必死に逃げ出そうとしながら、体中はまた別の美女達に愛撫を許す。

贅沢という言葉すら陳腐に思えるほどの、究極の性行為を味わいつくしておきながら──しかし、それを最も近しい言葉で形容するなら、それはまさしく雌肉地獄。

完璧に創られた雌の身体に、永久にこうして溺れ続けて、永久に最高の快感に泣きじゃくるという末路を、何度目かも分からないほど確信して──その瞬間、ちゅぱりと。

唇が、離れた。


──あっ♡♡♡♡♡ああっ♡♡♡♡♡いっ♡♡♡♡♡


絶頂、幸福、多幸、幸せ、好き、気持ちいい。

それだけの、嬌声。

または、聞くに堪えない蕩け声。

それを聞いて、ヴァルキリーさんは。


「承知致しました」


──そっと、肉棒を膣内に導いた。

僕の腰幅の倍ほどもある、大きすぎる尻。

それを、遠慮なく、もっちぃっ……♡♡♡と乗せて。

プレスするように、一度だけ、腰を持ち上げ、そのまま叩き下ろす。


──ああっ♡♡♡♡♡あっ♡♡♡♡♡


当たり前に、達した。

キスでの空イキも冷めやらぬまま、限界まで勃起した、先走りを垂れ流す肉棒が、爆ぜる。

精巣の最大積載量よりも、ずっとずっと大量なんじゃないかというほどの、とめどない精液の放射。

天使の不可侵領域に、崇拝的な感情を抱きながらも、それに畏れを抱く暇もない、壮絶な快感に、狂う。


「……いけませんね、勇士様」


びゅうびゅうと、子宮を殴りつけるような膣内射精を、今にも味わっているはずなのに。

ただただ静かな表情のまま、ヴァルキリーさんは、話を続ける。

対照的に、頭を振り乱しながら、快感の絶叫をぐちゃぐちゃに繰り返す僕を、じっと見下ろしながら。


「まだ、愛撫にも至っていない、ただの口づけを行っているだけですよ?射精するには早すぎます」


──あんな、あんなにもえげつないベロキスを見舞っておいて、何を。

そう思ったとしても、口に出せるはずもなく。

ただただ、天使の名器に、吐精させられ続ける。


にゅるにゅると、脈動に合わせてポンプのように締めたり緩めたり、襞をくねらせざわめかせ。

まるで、搾精だけを目的とした、いやらしい別の生物が、僕のモノをぐっぽり咥えているかのよう。

そのくせ、壮絶に淫靡な動きをする、その器官の持ち主は──虫も殺さぬような、平然とした顔立ちのまま、こちらに神判でも下すかのように、じっと見下ろして。


──もう、堪らない。

見上げると、巨大な峰のような乳肉が、つやつやと艶めきながら、まったりと蕩けた谷間の線を晒している。

そして、局部を見下ろせば、僕の下半身がすっかり隠れるほどの、ボリューミーすぎる肉の餅。

尻肉が、僕の腰からすっかりはみ出して、その周りを艶々の御御足でがっちり挟む。


あまりにも、淫魔。

搾精に全てをかけた、淫らで邪悪な、堕落を追求する悪魔であることは、言わずとも誰しもが悟り、教会に赴けば十字架を投げつけられるような、その女性は──しかし、歴とした、ヴァルキリーという天使なのだ。

それも、戦を司る、清廉潔白にして、厳格なる天の使い。


それが──男にまたがり、性的すぎる肉付きで、今もまた、媚びている。

そんな光景に、いつまでもいつまでも、興奮を隠せない。


「……そろそろ、お慣れになってはいかがですか?」


びくびくと、肉棒を震わせる僕に、両隣から。

肉々しい体つきの、殊更に媚びた天使が、寄り添った。

──いつもの、奉仕体勢。

僕が最も好む、ヴァルキリーに挟まれて、逃げ場のない騎乗位が、始まる。


ぶるりと、射精終わりの肉棒を震わせ、尿道に残った精液を吐いた。


「天使は、貴方様にとって、崇拝するものではありませんよ。」


「むしろ、その、逆なのですから……」


ひそひそとした、冷たくて甘い、ささやき。

たわわに実った、肥沃な肉体を、にゅりにゅり押しつけて、マーキングするように擦りながらそれを言うのだから──それだけで、射精には十分に足りてしまう。


絶頂明けの勃起が、またも持ち上がる。

膣襞に擦り上げられつつ、包皮をぬるりと剥かれつつ。

暖かな温度と、尻のずっしりした重みと、とろやわなマシュマロ全身媚肉の感触と。

それらを感じながら、黙ってペニスを固くした。


「いいですか?この天界において、崇拝されるべきは、勇士と英雄です……」


「つまるところ、この寝室では、ただ貴方だけ……。貴方一人が、全ての天使を統べる、主人なのですから……」


ぬるりと、膣からペニスが引き抜かれる。

じっくりねっとり、味わうように、名残惜しいように。

襞の一枚一枚が、曲がりくねった内部と共に、張り付いて、吸い付いて。

そうして、亀頭の先でぴたりと止まってから──また、尻肉が、音すら立てずに腰を叩く。


ひどくスローで緩慢で、染み込むように静かな、セックス。

いつもの、ただ快楽だけを重視した、野生の本能に反してゆっくりと行う──気持ちいいだけの、交尾だった。


「天使は全て、貴方の虜……。貴方様に、不遜ながら心から懸想する、はしたない雌なのですよ……」


「ですから、どうか、お構いなく……。畏れを感じる前に、抱き潰し、ハメ潰して頂ければ、我々はこれ以上なく幸せですから……」


ねっち、ねっち。

むっち、むっち、むっち、むっち……。


駄肉に溢れた、交尾用にあつらえられた餅尻が、腰に吸い付いては離れ、人間ならざる淫らな粘りを見せる。

染み渡る、音と水気。

むちむちと、スライムが何度もぶつかるような音が、ただ響く。


窓の外には、ただ不変の、黄金色の空。

常にそよ風だけがある、冒涜的なまでの無が、そこにはあり──だから、静かなのだ。

ここはただ、人間が天使に奉仕され、蕩けるためだけにある空間。

それがひどく強調されて──喘ぎを、小さく漏らした。


「ほら、目の前の天使をご覧になって下さい……。無表情の奥の、とめどない劣情を、愛欲を、感じませんか……?」


「天に斯くあれと創られし、都合のいいオナホ嫁としての役割を果たせた、恍惚を……貴方様も、ご理解頂けているでしょうか?」


たぱ、たぱ。

嘘みたいに爆乳が揺れて、谷間でぶつかり、水風船同士をぶつけたような音が鳴る。

天使と言うにはあまりにも下品な、長い乳。

ばるんと揺れて、指を食い込ませられるのを誘う、マゾ乳が揺れている。


その隣にもまた、乳。

まん丸に実った、張り詰めた乳と、適度に垂れた楕円の、柔らかな軟乳。

それらを携えて、天使がただ、待っている。

次に来る、交尾の順番を、ただ黙って、こちらの情事を見つめながら。


「ほら……その心の中。勇士様すきすき♡♡♡お射精顔とろとろでかわいすぎ♡♡♡永遠に奉仕できるの死ぬほど幸せぇ~っ……♡♡♡現世で生まれたその瞬間からガチ恋して目付しててよかったぁ~……♡♡♡と、そう言っているのが見えませんか?」


「ええ、そう……。おちんぽつよすぎ♡♡♡勇士ちんぽかっこよすぎ♡♡♡子宮屈服する♡♡♡おまんこラブ負けする♡♡♡あ~っ勇士さますきすきだいすきかっこいいよぉ……♡♡♡と。そうみっともなく宣言しているのが、見えますよね?」


ぬぱ、ぬぱ、ぬぱ。

尻肉で腰を叩き、叩き、叩き。

それをひたすら、呆れかえるほどの濃密さで繰り返していた彼女が、そっと身体をこちらに傾ける。


すきすきだいすき、かわいい、一生お世話してかわいがる、結婚して赤ちゃん百人孕む。

──この天使様が、そんなことを、僕に対して、まさか。

ばくばくと心臓を鳴らしながら、帳のように降りる銀色の長髪と共に、降りかかる一級の芸術品のような彼女の顔を見る。


ねっとりとペニスを扱かれ、頭が快感と肉欲に馬鹿になっているのは、重々分かっている。

だから、隣で囁かれる世迷い言にも、心を引き寄せられて、信じてしまっているのだ。


きっと、訂正されて、怒られる。

隣の天使様にも、くすくす笑われ、詰られる。

そうに違いないと、きゅっと目をつぶり、甘ったるく喘ぎながら、沙汰を待つ。


そうして、ヴァルキリーさんは──ちゅっと、首筋にキスをする。

それっきり、何かを言う訳でもなく、ただじっと。

吸い込まれそうなプラチナの瞳を、ただただ、見せつけた。


「……ほうら、そうでしょう?」


「ええ、そうです。卑しくも、勇士様の腰の上で跳ね、愛を貪る雌ですから。そうに決まっています」


──うそ、うそだ……♡♡♡


いいや、嘘ではない。

理性では──彼女たちが嘘をつくわけがないと。

ヴァルキリーさんが言うとおり、一言一句違わず、そう思っていると──まさか信じられないが、しかしそれが事実であると、そう知っているのに。


僕は、その絶望的なまでの都合良さに、目を背けてしまう。

全くの無駄なのに、そうせざるを得ない。


「……嘘では、ありませんよ」


腰のグラインドを止めることなく、ひどくいやらしく、円を描くように尻を練り付けながら、それでも表情一つ変えず。

彼女は、僕を否定した。


「あまりにも当然の事でしたので、わざわざ同意する必要もないかと思いましたが……それならば、私自らの口から、心の内を晒しましょうか?」


小首を傾げ、目尻は垂れもせず、顔の紅潮の一つもなく。

ただ普段通りの、美しい女神じみた顔で──乳肉を胸板に垂らし、むしゃぶるような口づけを挟みながら、僕に問う。


──僕は、ずっとずっと、喘いだままだ。

女の子みたいな甲高い甘え声を、背中を反らして、涎を溢れさせ、ただ出すだけ。

甘すぎる快感に浸り、それから逃げようと、腰を持ち上げようとして──それすら叶わず、押しつぶされる、哀れなマゾ。


そんな情けないものを、まさか天使様が、好ましいと思うはずがない。

──それは、人間の勝手な理屈です。

天使である彼女達からすれば、それこそ失笑ものの、道理の通らない思考。

ヴァルキリーの奉仕に心から悦び、最大限のリアクションを返す人間が──まさか、好ましくないはずがない。

腰の上で跳ねる彼女は、事務的に事実を伝えるように、そう言った。


「貴方様の事が、好きです。好き……貴方様とのセックスが大好き。肉棒が擦れる感覚も、子宮に糊のような精液を射精されるのも、貴方様が快感を感じている姿も。心を満たし、震えさせて、病みつきにさせられます」


言うまでもなく、セックスしていない時も、好き。

隣に寄り添っている時は、最も幸福を感じる。

愛している。

貴方がいなければいけない。


そんなことを矢継ぎ早にまくしたてられ、その間にも、孕みたがりな尻はむっちむっちと腰を叩き。

隣からは、射精せ、射精せ、イけ、イけ、と急かすように囁かれる。

そのどれもが甘く、甘く、ひたすらに甘ったるく。


人間を悦ばせ、人智を超えた快楽にたたき落とすための淫肉に、そして媚声に、堕ちる。

僕を満たす感覚──味覚、嗅覚、聴覚、視覚、そして触覚──その全てが、ただ極楽の、天使様の愛撫のみで構成された、天国。

何を感じても、快感。

どこまでも、どこまでも、天使様。


「……射精、近いのですか?」


「いくいくぴゅっぴゅ、催したのですね?」


天使様の身体が、みちりと狭まり、満ち満ちる。

ただでさえ密着したその淫肉を、思いっきり押しつけて、隙間なくぴっちりと、押しつぶしたのだ。

その、柔らかくコクに溢れた、雌の粋を詰めた天使の肉体に潰される、快さ。

より深い極楽に堕ちながら、微動だにできず、ただ全身が快楽に浸る感覚を、甘受させられる。


そうしながら、囁き声もまた、媚びる。

やたらと甘く、嘘くさいほど甘く、下品に下劣に、興奮さえ煽れればそれでいい。

自らの天使としての品格や品性すら貶めて、射精の快楽に傾倒させて、ただ絶頂を長く深くさせる、淫魔ですら躊躇する芸当を、いとも容易く行っている。


「好きです。好き、好き、好き……。心からお慕い申し上げます。永久にして絶対の忠誠を誓います。お望みとあらば、喜んで御不浄を舐めます。陰嚢をしゃぶるだけのお役目を与えられたら、それほどの光栄はありません。それほどに、貴方様の全てを愛しています。好き、かわいい、好き……」


浅く、細かな腰の揺さぶり。

それに合わせ、ほとんど顔まで密着するほど背中を曲げ、正面から言葉をぶつけられる。

音声読み上げのソフトのような、抑揚のない声のまま。

表情筋をぴくりとも動かさない、ただ冷徹な無表情のまま。


そうして、好き好きと連呼して、ひたすらこちらを持ち上げる。

ともすれば、厄介な男から好きと言えと強要され、皮肉たっぷりに心にもないことを言わされている女のようにすら思えるが、しかし──目の前のそれは、僕にぞっこんの、天使なのだ。

嘘をつくなどという機能が元からなく、ただ本心からメロメロであるが故に。

正直に、言うまでもなく知っているはずの心の内を、一言一句さらけ出すと、そう先程誓ったがために。


「また……より深く、愛されてしまいますね?格好いい、英雄らしい、とってもお強い射精で……また、天使を雌にしてしまいますね?」


「ああ、なんと罪作りな……。これ以上惚れられても仕方ないのに、貴方様がお可愛らしく、それでいて力強く、男らしいがために、また天使が貴方様の虜になってしまいます……」


ねち、ねち、ねち、ねぇち……。

最も狭い最奥と、ぷりぷりの子宮を叩く、浅いノック。

一刻も早い射精を煽る、その動きに、よもや耐えられるはずがない。


ぎゅう、と。

雌肉の壁が、また狭まる。

やわらかくてふかふかで、もっちもちなおっぱいに潰されるのが好き。

それをされながら、子宮のいっちばん奥で、たっぷり射精するのが、気が狂うほどすき。


囁かれて射精、すき。

でっかすぎる尻に潰されて射精、すき。

ぶっとくてどっしりした下半身に、何度も何度もしつこくしつこく、同じゆったりペースで交尾させられるの、すきすきすき。

だから、彼女達は、こぞってそれをするのだ。


脳みそを最もダメにする、クセになる射精。

それを、ただ、彼女たちはこなす。

最も心地よく、一度でも味わえば、それだけで廃人になるような射精を、機械的なまでに強要するだけ。

ただ、僕の心理を完璧に読み取った、気を狂わせるような本物の極楽を、ただ天使の本能から、ぶつけているだけ。


ぞくぞく、ぞくぞく。

全身に、とろりとした濃いシロップのような、甘すぎる痺れが満ち渡る。

脳が真っ白、何も考えられなくなる、その瞬間。

それが、気をやるほどの、至福の射精のサインだった。


「……お射精、致しますね?」


「では、いつも通り……」


むち、むち、むっ……ち。

もったりと重たげな尻が、細かなピストンを一時だけ止めて。

射精の予兆を見逃さず、大きくお尻を持ち上げ──落とし。


「イくっ……」


小さく、ほんの小さく。

心から、気持ちよさそうに、しかし声のトーンは一切変わることはなく。

──絶頂の、喘ぎを上げて。


それと同時に、彼女の膣内に、たっぷりと。

汚らしく濁った音を立て、放出した。


「イっています……。子宮も、膣も、全身が、深い幸福のアクメを味わっています……」


それと、全く同時。

ぐいっと顔を横向けさせられて、思いっきり、ベロキス。

舌先までぴんと伸ばし、強烈な痺れを味わっているところに、突然かまされるレイプキスに、悶絶を隠せない。


そのキスの後ろからは、べちょべちょと唾液を塗りたくる、浅ましい舌。

首筋に吸い付き、汗の一滴まで舐め尽くす、淫乱極まる舌使いに、腰が大きく跳ねそうになり──しかし、重い尻に押さえつけられて、身をよじることすら叶わない。


「イく、イきます……。深いアクメ、好きです……。子宮が、特に、深いです……」


──事務的な、報告。

崇められて然るべきの、神々しさすら纏う天使様の、深いアクメ報告に、射精の勢いが大きく増す。

ならば、静かに腰を練り付け、子宮にぐりぐり亀頭を擦る動きは、快感を貪るためなのだろうか。

膣が大きくうねるのは、僕を悦ばせるためではなく、ただ大きく絶頂しているからなのだろうか。


興奮、射精、絶頂、そうしてまた、興奮。

永遠にそのループに囚われて、視界が歪み、身体の感覚が溶けてゆく。

力一杯抱きしめた、天使様の蕩ける女体に、比喩でなく、沈んで取り込まれる感覚。

気持ちいいが無限に広がって、どこからどこまでが自分なのかすら分からない。


もう、極楽を通り越して、地獄。

ひたすら淫らで、幸せで、何も分からない。

ただ、天使様に全てが満たされて、気持ちよくて、射精する。


自分が今、呼吸をしているのかどうかも分からない。

どんな体勢なのかも分からない。

絶頂して、気持ちいいことだけが、分かる。

天使様が愛おしくて、好きで、自分の全部が天使様に包まれているのだけが、分かる。


きもちいい。

しあわせ。

すき。


──最後は、いつもそうなってしまう。

極めて単純な、純粋な快感だけが残って、快楽の極みを味わって。

そうして、今日もまた──気を失ってしまうのだ。




「……お目覚めですか?」


ふと、目が覚める。

未だに残る快感の余韻が、なんとも気怠い。


「もう、起きられますか?それとも、まだ眠られますか?」


じくじくと、全身が痺れて、心地よい。

寝ぼけた頭で、たっぷりの幸福感を感じ、目の前の女体に抱きついた。

暖かくて、柔らかくて、優しくて、いい匂い。


「……承知致しました」


ぐりぐりと、おっぱいに頭を擦りつける。

すると、優しく後頭部を撫でられる。


ふかふかむちむちの、極上女体抱き枕。

フェロモンたっぷり、甘めで濃いめ。

お肉もたっぷりめで、抱き心地重視の、むっちむちな感触。


ふわふわのベッドに横たわり、それを味わい、抱き寄せて。

そうして、しばらく甘えて──じわりと、性欲が鎌首をもたげるのを感じた。


「……寝たまま、なさいますか?」


「それとも、起きて十分なハーレムセックスをご所望ですか?」


「どちらでも、極楽なのは変わりませんが……どうか、お決め下さいませ」




──そうして、僕はまた、天使様に、堕ちる。

天国は、永久に時間の流れない場所だ。

だから、永久に変わらないし、変われない。


何度味わっても、天使の肉体には慣れられず、天使の愛撫には最大限の興奮を覚えてしまう。

そうして、気を失うほどの極楽を味わい──また、繰り返す。

そんな一日だけを、無限に繰り返しているにも等しい、天国での生活。


それは、究極的なまでに残酷で、おぞましい地獄の刑罰にも等しいということを、僕はとっくに知っていた。

だからこそ、深く深く興奮して──今日もまた、天使様に、甘える。

ずっとずっと、永遠に、そうしていた。

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【進捗.2】モンスターハウスだ!~ヴァルキリーさん達の甘やかしパワハラに耐えながら生きる極楽天界生活編~

色気も味気も無い、質素ながらも清潔な部屋に、微かな紙擦れの音が響く。

その部屋は、

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乳魔のあまあま酷厳禁錮拷問牢獄

怯えたような荒い息と、乾いた石畳に響く足音。

ただそれだけが反響する狭い廊下には、

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お詫びと報告/6月の予定

こんにちは。だいこんです。

近頃はめっきり暑くなって参りましたね。気温の変化にやられ、お風邪など召されぬようお気を付け下さい。


などと偉そうにかく言う僕ですが、現在めちゃめちゃに体調が悪く、満足に文章も書けない状態となっております。

常にサウナから出た直後みたいに頭がぼんやりするし、何となく体がだるかったり、寝ても寝ても眠気が収まらなかったりで、かなり不調です。

そのため、今月中に書き上げてpixivにも公開しようと思った作品が、途中までしか終わりませんでした。大変申し訳ございません。

明日にでも病院に行って、なるべく早く治し、できるだけ早く書いて、新作の発表をお待たせしないように頑張ります。


という事で、恐らく六月の更新は先程上げた進捗の全編になると思います。

むちむち偏執女さんの後編は、もう少々ストーリーを考えるので、お待ちいただけると幸いです。


それと、今後についてなのですが、今よりもう少し執筆ペースが上がることになると思われます。

というのも、僕は大学生なのですが、少々訳あってこれからはほぼやる事がなくなり、基本的に常に暇になるので、生活のほぼ全ての時間を創作に使えるようになるからです。

なので、これまでと投稿ペースが変わらなかったら、僕はかなりサボっているという事になります。

その時は、存分に石や生卵を投げつけて下さい。


という事で、手短ですが、ここらで失礼したいと思います。早く横になりたいのでね。

なお、今日の文章は小学生が書いたみたいな酷いものになっていると思いますが、何卒お許し下さい。体調が悪いんです。本当にすみません。

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【進捗.1】モンスターハウスだ!~ヴァルキリーさん達の甘やかしパワハラに耐えながら生きる極楽天界生活編~

色気も味気も無い、質素ながらも清潔な部屋に、微かな紙擦れの音が響く。

その部屋は、我々の世界で言うならば、何かの事務所、あるいはオフィスのような施設だと言える。

しかし、手放しにこれをオフィスと呼ぶには、ここはあまりにも生活感がなさ過ぎた。


──慣れないなぁ。

まるで、自分が幼児にでもなったのかと思うほどに大きな椅子に座りながら、辺りを見回して、ため息を吐いた。


几帳面に整理されたファイルや、大量に積み上げられながらも散乱することなく日付け順に並べられた書類。

真っ白な床にはホコリ一粒落ちてはおらず、窓には水垢の曇りの一つも見られない。

備品や壁などは潔癖なまでの白一色に統一されており、必要以上の調度品、娯楽品は無駄だと言わんばかりに、部屋の中には機能美だけが存在する。

唯一見える彩りは観葉植物くらいのもので、面白みも絢爛さもあったものではない。

その、冷酷さすら感じる無駄のなさに、僕は精密機械の回路図を思い出した。


清貧を形に表したこの場所は、昨日にでも新しく建ったばかりかと思うほど綺麗ではあるが、言ってみれば無味乾燥。

清掃が几帳面すぎるほど几帳面に行き届いていること以外に、特筆すべきことは何もない。

しかし、それに対して文句を言う者も、態度で退屈を表す者も、この場には誰も居ない。


当然だ。

何故なら、ここには人間は居ないから。

それは、今は人が出払っていて僕一人しかいないから、という意味ではない。

この部屋が作られた段階から、ここに人間が入ることは想定されていないのだ。


ふと、窓の外をちらりと見る。

空き巣が家人の帰りを探るような、何となくやましい動きで覗いたそこには──最早見慣れてしまった、金色の雲海が果てしなく広がっていた。

その眩いばかりの景色の中に見えるのは、敬礼を交わし合いながら飛び交う、無数の美女。

背中から純白の翼を生やし、煌びやかな白銀の装飾を輝かせて、思い思いの武具を身に着けている。

身の丈を超える長槍を背負ったり、あるいは騎士らしい直剣を腰に提げたり。

鎧に関しても、よく磨かれて光沢を放つプラチナ色は共通しているが、デザインはまちまちであり、重そうなブリガンダインを身に着けている者も居れば、白くてすべすべとした肌が露出するような軽装の者も居る。


そんな中で、彼女らに共通していることは、二つある。

まず、いかにも軍属らしい、素人目に見ても全く隙のない一挙手一投足。

一つ一つの動きが洗練され尽くしている、機械じみて精確な動きは、厳しい神経質さすら思わせる。


そして、もう一つの共通点にして、彼女らの最大の特徴──それは、美貌。

やはり天使と言うべきか、その美しさと清廉さは、地上に居る人間の美女なんかの比ではない。

あり得ないほど整ったかんばせは、彼女らが肌身離さず持ち歩いている、鋭く磨かれたミスリル製の武具の、無機質で普遍的な艶を思い起こさせた。


切れ長なつり目は、不屈の精神性と、清廉な気高さをそのまま表しているし、高く通った鼻筋は、美しくも強く、英雄譚に描かれる偉丈夫を思わせる。

そんな顔立ちに比例しているが如く、彼女らの肉体はすらりとしなやかでありながらも、一本芯の通った鋼そのもの。

モデルじみて長い脚は引き締まりながらも太く肉付き、女性的なふくよかさと男性的な力強さが同居して。

無駄な肉の付いていない腹は、うっすらと腹筋が浮き上がり。

それでいて──ダイナミックに鎧を押し上げる巨大な胸は、飛びついて甘えたくなるような母性の象徴だ。


要するに、有り体にまとめると──窓の外では、雲の上を気が強そうで気難しそうな厳しい目付きをした、イケメンで長身で見るからに強そうで、豊満かつスマートな天使の美女が数えきれないほど飛んでいる。


──あまりにも、空想じみた光景。

こんなことを誰かに言えば、下らない冗談と聞き流されるか、あるいは薬物使用か幻覚を疑われて病院を勧められるに決まっている。


しかし、現実にこれは、間違いなく実体を持った風景であり。

そして、僕もまた、そんな非現実な風景の一部になっているのだ。

そう言い切れる証が、僕の手の中に、確かにある。


ぱらりと、一枚紙を捲る。

『戦乙女6894小隊昇天嘆願書』という見出しの下には、確かに僕の名前や生い立ち、来歴や死因が書かれていた。

そして──この人間を、【一般勇士】としてヴァルハラへ召し上げる、とも。


──戦乙女。

またの名を、ヴァルキリー。

女性でありながら、誇り高き騎士でもある彼女らは、死した英雄を天界へと導く、冷淡かつ厳しい教官役の天使である。

そして、彼女らと英雄たちは、導かれたヴァルハラという城にて、生死を掛けた戦と絢爛な宴を繰り返して、来るラグナロクに備えている──らしい。

現地に居る僕としても、あまりその辺りの事情については聞かされていないので、盗み見た資料と生前の記憶から判断して、曖昧な言葉でしか語れない。


そんな知識から判断すると、今僕が居る場所、つまりヴァルハラは、天国とはとても言い難く、恐ろしい場所と言える。

心から戦い好きな、古の荒くれものなどはいざ知らず、事故で命を終えるまでの20年程度で、殴ったことも殴られたことも一度すら無かった現代人の僕にとっては──命をかけた戦いを、永遠に繰り返すなんて、あまりにもおぞましい。

それこそ、地獄と言われても相違ないくらいには。


──けれど、僕は、この状況に。

これっぽっちも、恐怖などは抱いておらず。

ただ、漠然とした、興奮と期待感──例えるなら、極上の美女を両手に侍らせたまま、ラブホテルの門をくぐる、その直前のような、逃げ出したくなってしまうほどの感情に、ただ震えるだけで。


「……何をしているのですか?」


──がたりと椅子が跳ねるほど、肩を上げて驚く。

耳元数センチ程度の距離で囁かれた、氷を思わせるほど冷ややかな声。

脳髄の奥まで染みわたり、そのまま何もかも蕩かしてしまいそうな、低いアルトのウィスパーボイスは、意識の芯まで容易に入り込み、否応なしに魅了してしまう耳心地の良さだ。


恐る恐る、ゆっくりと振り返る。

そこにあったのは、視界がいっぱいに埋まるほどの、ギリシャ彫刻じみた美貌。

あまりにも美しくて見惚れてしまうよりも先に、畏れ多さに跪いてしまいそうなほどの、ある種極まった見目麗しさは、背筋が粟立つほどの強烈な違和感すら与えてしまう。

彼女の完璧に美しい黄金比の顔立ちは、自然には決して存在しない、神の手により生まれた生物の完成形であるため、人間の顔ばかり見慣れた僕は、その整い過ぎた精悍な顔立ちにぞわぞわとした恐怖を覚えるのだ。


もし、僕が無神論者だった生前に、こんなにも威厳に満ちた天使から、神託と称して一生天使のために尽くせと吹き込まれたなら、きっと疑いなど欠片も持たずに狂信してしまうだろう。

それくらい、危ういほどのカリスマが、至近距離に居る彼女にはある。


そう──騎士の役割を持つ天使、ヴァルキリーである、彼女には。


「また、ですか」


それは、ひたすら静かな、吐息にも似た呟きだった。

元より、誰かに──もとい、僕に向けて話した言葉ではなく、ただの独り言だったのかもしれない。

しかし、彼女の透き通った声は、冷たく凪いだ水面を伝う波紋のように、いやにはっきりと僕の鼓膜を震わせた。


「私の記憶によれば、そこ……我々小隊の詰所の隅、下位天使用の席に座っていたという事例は、これで11度目でしょうか。よほど、お好きなのですね」


ただでさえ冷ややかな金色の目を、殊更に冷たく凍らせて、問い詰めるかのように、彼女は呟いた。

──降りろ。

言葉にまでは出さないものの、その態度や目線は、間違いなくそう言っている。


「何度も何度も申し上げておりますが、そこは我々ヴァルキリーのための席です。貴方のようなものが座るための場所ではありません」


じっと、にこりとも笑わずに僕を見据えて、一時も目線を外さずに彼女は言う。

足がつかないほど大きな椅子に座っていてもなお、ヴァルキリーである彼女の体格は人間の僕とは段違いであり、まるで幼児とそれを見下ろす大人のような、圧倒的な格差がここにはあった。


「人間は、人間が居るべき場所に。それが、天界においての規則です。話をするなら、それからでしょう。……その場所がどこであるかは、言うまでもないですね?」


──僕が現在座っているのは、くどいようだが、何の変哲もないただの椅子だ。

この部屋中を見回しても、これより立派なものも、ましてやみすぼらしいものもない。

過不足なく、全く同じ椅子が、ただ整然と並んでいるだけ。


けれど、僕はそこには座らせてもらえない。座る権利がない。

つまるところ、それが意味するのは。


「……お嫌ですか。それとも、そこから降りられないのなら、私が降ろして差し上げましょうか?」


──冷たく見下ろす、ヴァルキリーさんの目線が突き刺さる。

その態度は、どれだけ贔屓目に見たって、自ら招き入れた英雄とやらに向けるものではない。


しかし、これが、彼女らにとっては、当然。

そして、これが、この天界における、僕の立場なのだ。


── 一般勇士。

それが、僕がこのヴァルハラに召し上げられるにあたり、与えられた称号だ。


そして、それが意味するところとは──つまるところ、英雄未満。

来たるラグナロクに向けての訓練においては、予備軍、ベンチ入り以下の三軍であり、この天界に存在する元人間としては、最も低い立場の者なのだ。


それもそのはず、僕は生前は普通に暮らしていただけの、どこにでも居る、ただの現代人。

どう考えたって、世界の命運を賭けた戦いに参加するような、英雄たる器なんかではない。

多分、人よりちょっと悪いことをしなかったから、ギリギリ天国行きになったとか、実際はそんなところなのだろう。


──だからこそ、それが、僕にとっては何よりも恐ろしい。

厳格なヴァルキリーにより、天界に繋がれて、飼い殺しにされて。

一生どころか永久に、飼育されるペット未満の立場となり、彼女らの言いなりになり続けるのだ。


──けれど、それでも。

僕の中に、恐怖などは、一切ない。

それによって、僕が傷付くことなど、ましてや苦しみを受ける事なんて、一切ないと分かり切っているから。


「何を、呆けているのです?どうしても、そこから動きたくありませんか?」


じっと、唯々ひたすらに、目の前の天使は、僕を見下ろし続ける。

目線の位置には、むっちり艶々と、眩しいほど白い太もも。

それに、悩ましい括れが蠱惑的な、健康的かつ女性的な引き締まりを見せる、すべすべのお腹。

恥を忍んで言えば、許されるならば、いつまでも見続けていたい絶景だ。


芸術品のように高潔なヴァルキリーの、汚しがたいからこそ引き立つエロスが、むらむらとした欲求を湧き起こさせる。

例えば、一面真っ白な神殿の壁の前に、油絵の具が詰まったバケツが置いてあったなら──するかしないかに関わらず、それを思いっきりぶちまける想像をしてしまうように。


「…………」


眼前に立つ、ヴァルキリーの肉の乗った腿は、元々の体格差も相まって、僕の胴ほども太い。

そして、いかにも柔らかそうに、ニーハイソックスにむちむちと食い込んで段差を作り、芳しいほどの雌らしさを振りまいている。


──自分が置かれている状況も忘れて、抱きつき頬擦りして、甘えるようにして腰を振りたくりたい。

そんな、思考が目の前の彼女に漏れていれば、首を即座に撥ねられるような、あまりにも無礼なことを、状況も弁えずに妄想してしまう。


これでは、言い訳のしようもなく、最低のクズそのもの。

そして、極度に愚かで知能の足りない、命知らずでもある。

現在進行形で、自分の行いについて責められているのに、むっちり豊満で柔らかな太ももに劣情を抱くなど、擁護のしようもないだろう。

それこそ、損切り寸前の立場である僕を、その場で首を撥ねて処分してしまう口実になる程度には。


「……どこを、見ているのですか?」


しかし、どうしても、欲望が抑えきれない。

そのことを理解していてもなお、視線は吸い込まれるように惹かれて、手はわきわきと期待感に溢れ、目の前の女体に対してのセクハラ妄想に沿った動きを止められない。


それほどの、魔性。

命を懸けてでも性欲を滾らせるような魅力が、清廉な存在であるはずの天使には、確かに存在していた。


そもそも、ヴァルキリーという天使は、英雄の理想の恋人となる存在であり、戦で昂ったままの男の欲望を満たす──つまり、有り体に言えば、娼婦じみた役割も果たす女性なのだ。

それこそ、神に作られた完璧な天使であるヴァルキリーは、飲み屋街の路傍で声をかけてくるような胡散臭い人間の娼婦とは、比べるにも値しないほど。

理想を超えた、快楽の沼に沈み込むような──殺し合いの苦痛と差し引いて尚も、ヴァルハラを極楽と呼ばせるほどの、淫蕩そのものの一夜を与える、淫らな女性でもあるのだ。


故に、それを知っている僕は、どうしても、様々なものが込み上げてしまうのだ。

特に──こうして、冷淡にヴァルキリーとしての使命を果たしているところを見ると、そのギャップから、より強く。


そして、何よりも。

それにより、彼女が刃を振り下ろす事など──万に一つも、あり得ない。

それを、知っているから。

憂いなく、より深く、純粋な興奮が高まってしまう。


「……まあ、いいでしょう。貴方がそうしたいなら、それはそれで構いません。それよりも、そこで何をしていたか、聞かせていただきましょうか」


ふう、と。

また、呆れたように小さく息を吐き、ヴァルキリーさんは、しゃがみこんで視線を合わせながら。

僕の返事も待たず、じっと目の前に立ち塞がったまま、彼女は更に僕を追い詰めようと口を開いた。


それは、指示もしていないくせに、最も下賤な立場の、英雄にもなれないただの人間が、勝手なことをしていたからだろうか。

それとも──下劣で下卑た目線を、説教の最中という最低のタイミングで向けていたからだろうか。


上を見上げると、そこに見えるのは、日陰ができるほどの圧倒的な質量を持つ、乳肉の山。

そして、恒星のように神々しく、自ら黄金の光を放つ瞳。

人間よりも圧倒的に格上の存在であり、僕に対して好きに裁きを下すことができる上位者の姿は、直視するにはあまりにも眩い。


圧迫感のある光景にたじろぎつつ、このままでは現行犯で沙汰を下されそうな気がして、必死に重い口を開く。

一時しのぎの自己弁護であっても、何も言わないよりはマシだと判断したからだ。


「……ふむ、ただ座っていただけ、ですか」


──当然これは、真っ赤な嘘だ。

何の用もなく、こんな場所に来るはずがない。

しかし、とにかくそでもう言って、一瞬でも彼女らから裁きを受けることを遅らせたかったのだ。


「では、その手に持っている書類は、何の為に?」


だが、もちろん、そんな嘘はすぐにバレる。

人間相手に吐いたって、一瞬で見抜かれるような、杜撰な嘘だ。

人間よりもずっと上位の存在であるヴァルキリーが、見抜けないはずがない。


「……何故、いつもいつも、そうして嘘を吐くのでしょうか?無駄だということは、ご理解なされているはずですが」


ぱさりと、彼女は僕の手から紙を抜き取り、そのまま軽く投げると、ひらひらとはためきながら、綺麗に書類の束の最上面に重なった。

それから、ちらりとデスクの上を見て──インクの入った小瓶を手に取る。


「……これ、私が出かける前は、切れかけていましたね」


目の前にずいと突き出され、気まずくなって目を逸らす。

──お前がこれをやったんだな?

つまるところ、彼女の言動は、それを意味しているのだろう。


僕はそれに対して、そうだと言うでも頷くでもなく、ただ俯く。

悪戯をしたことに反省しつつも、意地を張ってそれが言えない子供のような、そんな姿を晒しながら。


──彼女の推測は、当たっていた。

インクが少なくなっているのを見て、中身を詰め替えたのは、僕だ。


彼女らの普段している、天界での仕事とやらの内容は、あまりよく分からない。

でも、保管してある資料をきっちり日付順に並べ直すことや、備品の補充をするくらいなら、僕にだってできる。

だから、せめて何かの役に立とうと、ちょっとした雑用を行っていただけなのだ。

──最も、元から彼女らがきっちり部屋の清掃や整理を行っていたこともあり、僕がしたのはこれくらいで、実際はほとんど何もできなかったのだが。


「そうですか。大方、事情は分かりました。

……ならば、やはり、貴方にはいつも通りに」


けれど、ヴァルキリーである彼女は、僕の行いを看過する気は無いらしい。

彼女は──突然、ばさりと巨大な六枚の翼を大きく広げ、手を前に組んだ。


「──天界の規則通り、審判を与えなければなりませんね」


──ぶわりと、閉じた室内に、雲海がなだれ込む。


それと共に、林檎の花の香りを乗せた、竜巻のような突風が巻き起こった。

激しくも優しいその風は、目の前の天使の翼をはためかせる事すら叶わない。


彼女は、指を絡ませて組んだ手を、深く握った。


『主天使、フォアグリムエルの名において、小隊各員に告ぎます』


そして、やがて風は、次々と螺旋を描く光の線へと置き換わる。

その神秘的な極光を纏うと、彼女は人間の言葉にはない不思議な発音の祝詞を呟いた。


──ずず、と空気そのものが震える。

その隙間から現れたのは、巨大な扉。

幾何学の模様が刻まれた、大理石のような質感のそれが、スポットライトのように光を浴びながら、忽然と部屋の中に現れる。


『これは最重要指令です。只今行っている活動を取りやめ、直ちに詰所へと集合しなさい』


エコーが掛かったかのような、どこまでも──比喩でなく、どこまでも届きそうな、不思議な音色をした声が、放たれる。


──その、数秒後だった。


彼女が呼び出した扉が重そうに開くと、その中から、より眩い光──むしろ、閃光とも言えるほどの光の束が飛び出す。

思わず顔を腕で覆うほどの、質量すら感じる輝き。

それに紛れて、幾つもの人影が、錐揉みに飛行しながら、扉をくぐり抜けた。


その人影たち──いずれも翼の生えた、2mを超えるほどの長身と、類稀なまでに麗しい容姿を持った女性の軍団は、猛禽のように軽やかに、机の合間を縫って一列に着陸する。

ふわふわと柔らかそうな純白の翼と──それに負けず劣らず、沈み込むように柔らかくて、真珠の如く白く輝く、女性らしい駄肉を揺らしながら。


「6894小隊隊員、下級天使キュラムエル。只今ここに」


びしりと、澱みない動きで、勢いよく敬礼。

指の一本一本に至るまで歪みなく伸ばし、鋭く尖った金色の目線を、一切のブレなく上官──先程から僕の前に立っているヴァルキリーさんに向けた。


「同じく、クムロゥエル。只今ここに」


それに続いて、次々と。

シャープな顔立ちと官能的な体つきを両立させた、極上の美女──もとい、彼女と同じヴァルキリーが、並んでゆく。

見上げるほど大きく、僕なんて一秒あれば百回は殺せるような、強大すぎる武力と権力を持った超常の存在が、この狭い空間を埋め尽くすほどに。


──たぷん。

動きに合わせて、水の詰まった風船のように柔らかく、頭ほども大きい乳房が揺れる。

革の胸当てにみっちりと押し込められ、横からたわわに肉がはみ出るほどの爆乳。

あるいは、ミスリルの全身鎧に包まれた、明らかに胸だけが突き出たシルエットになるほどの、中身のサイズ感を想像せざるを得ない、爆乳。

荘厳な顔立ちとは相反した、唯々いやらしいだけの脂肪の塊が、柔らかくたわんでは雄を誘っている。


それから、真っ白くて太ましい腿肉。

ずっしりと重量があり、どっしりとした安定感すら感じる、雄殺しの巨尻。

枚挙にいとまがないほどの性的魅力の塊に囲まれて、ついつい──心臓が、興奮からばくばくと、早鐘を鳴らしてしまう。


「……して、此度の緊急収集は、何故……?」


そうして、全員──彼女らを呼びつけた上官のヴァルキリーを含めて11人──の天使が揃うと、特に重装のヴァルキリーが口を開く。

それと共に、一斉に僕に向く、鋭く神性を帯びた、プラチナ交じりの金色の瞳。

──きっと、誰もかもが、理由を察しているのだろう。

彼女らの表情そのものは、相変わらず硬く凍てついたものだったが、そう理解せずにはいられなかった。

何故なら、こちらに向いた目線。

それらには、ほんの少し、言われなければ分からないか、言われたとて首を傾げるほども若干だが──呆れたような感情が乗っていた。


「ええ……察しての通りです。また、勇士様が、こちらの詰所の清掃や雑用等を行っておりました」


じっと、こちらに向けられたまま動かない、幾多もの瞳。

白くシミ一つない肌に、一文字に結ばれた形のいい唇に、すらりと整った輪郭に。

人間の作り出した陳腐な表現では言い表しようもないほどの、ともすればゾクゾクとした薄気味悪さすら感じてしまいそうなほどの、ヒトならざる美貌が並び立つ。


くらくらするような無数の人外の美、その神聖さすら帯びた、艶やかさや華やかさ。

凄まじいほどの見目の良さにあてられて、全身から力が抜けるような虚脱感──つまり、深く魅了されてしまう感覚に陥ってしまう。

それほどの、匂い立つような蠱惑──たった一人が相手でも、心の底から屈服せざるを得ないそれ──に囲まれて、見下ろされ、心臓を殊更に高鳴らせてしまう。


「ですので、規則通りに」


そんな中で、目の前に立つヴァルキリーさんは、凛とした声でそう言った。

そして、ぼんやりと座り、じっとそちらを眺めていた僕の方へと向き直ると、少しだけ屈み、目線を合わせて。


「審判を、下さねばなりません」


──部屋中に、どこか剣呑な空気が走る。

各々のヴァルキリーが、すぐさまそれぞれのデスクの前に腰を掛け、"審判"へと準備する待機態勢に入った。


そして、目の前には、僕が今座っているこの椅子の主であろう、一般兵のヴァルキリー。

それと、僕を被告人席へと牽引する、上官のヴァルキリー。

どちらを見ても、少なくとも、僕の味方ではなくて。


「速やかに、こちらに来なさい」


──もう、抗っても、仕方ない。

恐る恐る、その手に引かれるまま、彼女が普段使いしているであろう、他の物よりも少しだけ大きなデスクまで連れられる。


「……座りなさい。もう、貴方に拒否する権利はありません」


じっと、冷徹な目線が、四方八方から突き刺さる。

冷たく、僕の中身をどこまでも見透かしたような、超然とした光を宿す瞳。


どんな奇跡が起こっても、この包囲網から逃げられる可能性は、ゼロから変わりはしないだろう。

それほどに、絶望的な状況。

しかし、僕の心の中には、恐怖はほんの少しも無い。


心臓の音が、静まり返った室内に響く。

ごくりと唾を飲み込みながら、彼女らの示す席──今から罪を追求される、処刑台へと進んでゆく。


姿勢よく、ぴんと背筋を伸ばして座った、ヴァルキリーさんの椅子の前。

そこに立ちながら、呆然と、彼女の顔を見上げる。


「……着席を」


あくまでも彼女は、冷徹に使命を果たそうと、進行を促すだけ。

慈悲もへったくれもないその姿に、意地でも僕に審判とやらを下したいのだと悟り──心の底から、熱く興奮に濡れたため息を、腰の底から震えあがりながら、吐いた。


一歩、一歩。

見守られながら、歩く。

ヴァルキリーさんが──両腕を広げて、待ち構えている、そこに。


「……よろしい」


彼女の腕が届く場所まで来ると、体がそっと持ち上げられる。

そして、そのまま──むちむちふかふか、雌肉の溢れる膝の上へ。


クッション性の極めて高い、肉の乗った太ももに、全身の体重を乗せて、沈む。

頭は、巨大な乳肉のヘッドレストに預け、もったりとした乳脂肪の感触を味わう。


どっと、体から力が抜けて、代わりに、涎が口元から垂れてしまいそうなほどの恍惚が、全身に広がる。

脳を支配するのは、ミルクセーキにも似た甘ったるい雌臭と、爽やかなフローラルの香りが混じり合った匂い。


心地よすぎる、極楽そのものの感覚。

一瞬で体ごと精神を虜にしてしまう、天使の肉体に堕落する。


「お心地は、いかがですか」


とろんと蕩けた僕の頭を一撫でして、ヴァルキリーさんが尋ねた。

無論、聞くまでもなく、これ以上ない幸せを味わって、噛み締めている。

それは、あからさまにハートマークを撒き散らし、多幸感を全身で表現している姿を見れば、ぴったりと身を寄せている彼女でなくとも理解できるだろう。


だからこそ、彼女が聞いているのは──恐らくはその逆。

気持ち良すぎはしないか、快感が強すぎて辛くなっていないか、という事だろう。


彼女らによると、天使の肉体には常に神聖な力が流れており、その力は人間に流れると強い幸福感を与えてしまうらしい。

そして、戦乙女である彼女らは、その神聖な力を使って、超常の力を引き起こして戦うため、特にその力を強く有している。

そのため、ヴァルキリーの肉体に触れると、特に体の芯から蕩けきる感覚を強く感じてしまうのだそう。


「特に言う事が無ければ、お加減の方はよろしいとみなしますが」


──よろしくは、ない。

じんじんと、脊椎から溶けてしまうような、圧倒的な幸福感は、人間が味わっていいものではない。


しかし、かと言って、この多幸感を拒否できるかと言えば、それは不可能だ。

くらりと理性が薄れ、腰骨がじわりと溶けだす心地。

その快感に悶えながら、思わず、体の向きを逆にして、ぎゅっと。

居ても立ってもいられず、きつく腰に抱き着いて──たわわな乳肉に、思いっきり、頬ずりをかました。


「……お気に召したようで、何よりです」


ぽんぽんと、優しげな手つきが、背中を叩く。

母性すら感じる、柔和な感覚。

その温かみに、心からの安心感を感じさせられて。


「では、予定通り。只今より、貴方の行いに対し、我々は審判を下します」


──しかし、慈悲はなく。

頭をゆったりと撫でつけたまま、彼女は静かにそう告げた。

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