保養惑星ハイダで幼馴染のソフィアらと共に束の間の休養に訪れていたフェイト・ラインゴッド。
だが自身の体の"ある秘密"を巡ってソフィアと喧嘩をしてしまった挙句、同じタイミングで訪問していたサーカス団のマスコットガール、スフレ・ロセッティにその秘密を見られ、好き放題に弄られてしまう。
ようやくスフレの戯れから解放されたフェイトであったが、その瞬間惑星全体に振動が奔った…
「な、何なんなの!?一体何が起こって…」
「分かるわけないだろ!とにかく今は逃げるんだ!!」
突如ハイダに降下してきた無数の戦艦達。
戦艦からは多数の兵士と機動兵器達が放たれ、それまで静かなリゾート地であったハイダは瞬く間に地獄と化した。
混乱の最中、なんとかソフィアと合流したフェイトは、緊急用避難施設に向かって地下通路を駆け抜けていた。
ガシンガシンガシン
「ッ!?」
金属製の物体が床にぶつかる音が後ろから聞こえ、走りながら振り向くフェイト。
「ッ!?な、なんだよアレ!?」
まるでクモのような多脚メカが彼らの後を追いかけるように迫ってくる。
さらに急いで逃げるも、徐々に距離を詰めてくる多脚メカ。
(こ、このままじゃ追いつかれる…こうなったら!)
意を決するフェイト。
いきなり足を止め、通路の傍らにあった鉄パイプを掴んだ。
「フェイトッ!?」
「ここは僕が喰い止めるッ!ソフィアは早く転送装置(トランスポーター)へ逃げろッ!」
「で、でも…!」
「いいから早くッ!!」
「…ッ!」
一瞬逡巡の表情を見せるも、ソフィアは意を決したようにそのままフェイトの後方へと走り去っていく。
その様子を見て一安心するフェイト。
そして迫り来る多脚メカに向き直り、パイプを握りしめる手に力を込めた。
「い、いくぞ…!!」
咄嗟にメカの弱そうな部位を判断し、足の関節部を狙うフェイト。
「でぇいッ!!」
ガシュッ!!
関節部からスパークを上げて機能停止する足。
「や、やったぞッ!」
すぐに別の足を狙うフェイト。
ガキンッ!!
別の足も破壊し動きが鈍くなるメカ。
(いいぞ、後はこのままコイツを機能停止させれば…)
ガシッ!!
「えッ!?」
パイプを叩きつけようと振り上げた腕が急に動かせなくなり驚きの声を上げるフェイト。
「うッ!、そ、そんなッ!?」
咄嗟に腕を見やると、いつの間にか鋼鉄の手枷のようなものが填められている。
それはフェイトの背後に迫ったメカから伸びたアームの先端部であった。
「く、くそッ!!コイツ、離せよッ!!」
必死に両腕を動かして抗おうとするフェイト。
だが機械で拘束された腕はビクともしない。
「クソッ!クソォッ!!うグッ!?」
機械のアームが強い力でフェイトを本体へと引き寄せる。
「こ、この…ッ!!うわッ!?」
必死に抗おうとするも、引きずられるまま背中からメカの甲板に引き倒されてしまうフェイト。
そしてそのままメカの背中に仰向けに寝るような態勢となってしまう。
「な、何をするんだッ!!うぐッッ!!」
足をばたつかせ起き上がろうとするフェイトだったが、そんな彼の両足にも鋼鉄の拘束具がはめ込まれてしまう。
「う、嘘だろ…!?」
四肢を抑え込まれ拷問台の上に磔にされた囚人の如く大の字に拘束されてしまったフェイト。
「くそォ!!離せッ!離せよッ!!」
縛めから逃れんと必死に藻掻くフェイト。
すると突如腰の裏あたりが振動し、微かに作動音が鳴るのが耳に入った。
「な、なんだ…!?」
音がした方へ目を向けるフェイト。そこには…
「ッ!? な、なんだよこれッ!?」
甲板のカバーが一部開き、その穴から彼の両脇腹を挟み込むように飛び出していた6本のメカアーム。
そしてゆっくりとフェイトの腹部へとその先端が伸びていく。
「ま、まさかッ!?」
嫌な予感が脳裏を過ぎる。
先ほどスフレに散々弄ばされた"部位"…
今はボタンを胸元から全て閉じたことで隠れているものの、メカアームは確実に"その部位"へと向かっている。
そして2本のアームが左右からお腹の中央当たりのシャツの前立てを掴む。
「や、やめろ…そ、そこは…や、やめろォおおおおッッッッ!!!!!!!」
パァンッ!!
千切れ飛ぶボタン。
左右から勢いよく引っ張られたことで、ボタンの一つが弾き飛び左右へと勢いよく開かれるシャツ。
そしてその間から現れたのは、引き締まったお腹とフェイトが最も秘ずべき部位…渦巻き状の『臍』であった。
洗い流す暇もなく、スフレによって描き込まれた落書きもそのままである。
「な、何で俺のヘソなんかさらけ出してぇ!?…えッ!?」
さらにむき出しとなったフェイトの臍に向けて迫る4本のアーム。
「や、やめろッ!!俺のヘソに何を…ッ!?」
恐怖心と羞恥心で張り裂けそうな彼を余所に、メカアームはそれぞれ臍の四方からゆっくりと彼のヘソの縁に向かってその先端を差し向ける。
やがて、鋭いピンセットのような形状をした先端がフェイトの円形臍の右上、左上、左下、右下の縁をガッチリと挟み込んだ。
「痛っッ!!や、やめろッ!!僕の臍に触る…う、うわああああああッッッッッッッ!!!?????」
突如臍を四方へと引っ張り上げるメカアーム。
まるで臍穴を引き裂かんばかりの凄まじい力に苦悶の声を上げるフェイト。
「ぐああアアアアアアッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
首をブンブンと振り回し縛めから逃れんと体をばたつかせるも、なんと新たに出現したメカアームが、新たに彼の二の腕、太ももへと巻き付き、その動きを完全に封殺してしまう。
「な、なんでぇえええッッッッ!!!!???何で僕がこんな目にィイイイイイイッッッッッ!!!!??????」
全く身動きが取れなくなった状態で、むき出しにされた臍を為すがまま引き延ばされる苦痛に叫ぶフェイト。
(スフレに散々弄られて、知らないカップルに見られて、訳の分からないメカに責められて…何でいきなり俺の臍が…こんな…!!)
人目に晒さないようにこれまで必死に隠してきた臍を突如襲ってきた一連の出来事。
今日という日に何故一斉にこんなことが起きてしまったのか…
カポッ!!
「ふああァァッッ!!???」
いきなり臍穴に生じた新たな感触に素っ頓狂な声を上げるフェイト。
咄嗟に臍の方を見ると、半円状の透明なカップが自分のヘソに覆いかぶさっているのが目に入った。
「な、なんだよコレはァッ!!??」
『どうやら上手くいったようだな』
いきなり通路の向こうから聞こえてきた声。
その声の主は足早にフェイトを拘束したメカのすぐ横へとやってきた。
「お、お前は…!?」
そこに立っていたのはまるで大きな白い仮面を被った怪人…
だがその白い顔にははっきりと青い瞳がついており、そしてその目の下にはエラのような器官がついておりピクピクと動いている。
それは彼がフェイトたちとは違う星系の生物であることを示していた。
その白面の異星人は拘束メカの上に磔にされ、臍に妙な器具が取り付けられたフェイトの姿を見ながらどこかと通信をしている。
『ターゲットの捕獲に成功した。"器官"への装置の取り付けも完了している』
「き、器官…?」
『…あぁ、そうだ。腹部中央の孔、地球人共が『臍』と呼んでいる器官だ。形状も間違いない』
「へ、へそだって…!?」
『それではこれより"摘出"を開始する』
通信を切るとフェイトの方へと振り向く異星人。
「お、お前たちは…僕の臍を狙ってこんな事をしたのかッ!?僕の臍がなんだってんだッ!?」
『うるさい』
問答無用で拘束メカのパネルを操作する異星人。
その瞬間、
ギュイイイイイイイインンッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!
「う"ッ!?うあ"ッ!!うわあああア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッッッッッッッッッッ!!!!!????????」
突如凄まじい力がフェイトの臍全体へと襲い掛かる。
まるで超強力な掃除機を取り付けられたかのように、臍の中身が吸引されていた。
容赦ない力で臍穴から引き吊り出される渦巻き臍。
「や、やめろォオ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オッッッッッッッッッッ!!!!!!!!俺のヘソがァッッ!!!!ヘソがァア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッッッッッッ!!!!???????」
仰向けの状態では窪んで見えなかった臍の中身が、今やシャツのボタンの先にハッキリと視認出来てしまうまでに盛り上がってしまっている。
今すぐにでもこの凶行を止めたかったが、四肢を完全拘束されたフェイトに為す術はなかった。
『…未だエネルギー計測に変化はない。本当にこの箇所で間違いないのか?』
悶え叫ぶフェイトを余所に淡々とコンソールを見つめ続ける異星人。
『さらに出力を上げてみるか』
その言葉を聞いた瞬間、フェイトは血の気が引く思いがした。
今よりもさらに強力な力で臍を引っ張りだされてしまう…
そんなことをされては、間違いなく臍は元に戻らないまでに引き出され巨大デベソと化してしまう。
フェイトはあらん限りの力で叫んだ。
バババババババババッッッッッッッッ!!!!!!!!!!
突如響き渡る銃声音。
『なにッ!?しまッ…ぐあッ!?』
銃弾を受けその場に倒れる異星人。
「…え?」
突然のことにポカンとするフェイト。
すると通路の向こうから大勢の足音がこちらに向けて駆けよってくる。
それは銃を構えた連邦軍兵士たちであった。
「大丈夫か!?」
「………、は、はい…」
それが自身を救出に来てくれた存在であることを知り、ようやく安堵するフェイト。
ホッと一息吐きそうになるが、ふと自分が置かれた状況を思い出し青ざめた。
「…どういう状況なんだ、コレは?」
メカに大の字に拘束された状態でシャツの合間から露になった臍に謎の器具を取りつけられた少年…
しかもそのヘソは、穴から引きづり出され強制的にデベソと化している。
そんなみっともない己の姿をまたも大勢の人たちに見られたことに、フェイトは恥ずかしさで胸が裂けんばかりの思いであった。
【続】