「獣の六番」は2020年?頃、週刊少年マガジンで連載していた永椎晃平の漫画でございます。
「耄霊」という、人の心から生み出される怪物を巡って秘密組織や「耄霊」の腕をもつ少年があれやこれやするお話です。
上のイラストは1話のカラー扉の全体図です。なかなかかっこよく描けてお気に入りです。いろんな動物描くために小さい動物フィギュアたくさん買いました。
こちらのイラストもPSD配付しますので興味ある方は是非見てみてください。
さて、じゃあ当時のことを思い出し思い出し、制作裏話をしていきましょう。
…とはいえ、3巻で打ち切りとなってしまった作品なので、明るい内容にはならないと思いますが……気分がオチても大丈夫な人は読んでください。
作品の原型は、10年くらい前ジャンプで連載を狙っていた時に作っていたネームです。手塚賞で佳作頂いたりしてたので、ジャンプでも色々やっていたんですね~
遠い昔の話になってしまった……。
BLEACHやワートリが大好きなので、そういうやつが描きたかったんですが
上手く形にならなくてモタモタしてるときに、別マガ編集長から「何でも良いから連載して」と言って頂き
「放課後ソードクラブ」を連載することになったので、こちらの連載ネームは立ち消えになっていたんですね。
「星つぶ」のあと、小説のコミカライズをやりながらマガジンで描く新作を練っていたんですが、その企画のことを思い出し、提案したらあれよあれよと話がすすみ
連載、ということになりました。
小説のコミカライズとの兼ね合いもあり、連載開始がだいぶ先になってしまったおかげで、結構な数のネームと原稿の書き溜めができ
連載作業自体は割と楽にやれました。
当たり前ですが、担当も自分も面白いと思って作っていたし、続いたらこんな感じのことやりたいな~とぼんやり考えたり…楽しかったですね
この時までは
掲載が始まってみると、1話目のアンケートから大惨敗。
ラブコメ以外ではよくあること…と言われ、「まだあわわ慌てるような時間じゃ」と
平静を装っていたんですが、アンケが上昇することはなく…
……となるとテコ入れ…となるんですが
書き溜めたネームは自分も担当編集も面白いと思って作ってるもの…という…
……………
……
や…わかりますよ、そこから自分をぶっ壊して、立て直していくのが作家…週刊連載作家の仕事だってことは……。
編集部からも、一挙二話とかカラーとかでアンケが回復することもある!といろいろ提案してもらっていたんですが……
情けないことに序盤のこの段階で心はポッキリと折れ、軽い前後不覚…
いや現実逃避に入っていて、何もできませんでした。
これ描く意味ある??とさえ思っていたかもしれません。
ご存知の通り、1巻の売り上げが芳しくない漫画は速攻で打ち切られます。
数多の漫画家がSNSで「1巻は発売一週間以内に買ってもらえると助かる」と言っている理由がソレです。
週刊のペース的に1巻発売時点で連載は10~15話くらい、この辺までで票が取れていない漫画は終わります。(アンケ取れなくても単行本が売れる漫画は話が別です)
「獣の六番」は……単行本もアンケも振るわず、このあたりで連載終了が決定しました。
落ち込みましたが、正直ホッとした気持ちもありました。
終われば次の漫画が描け、その漫画は今の漫画よりたくさん読んでもらえるかもしれないからです。
整やニカには本当に申し訳ないんですが、この時期は描いてるのが辛かったです
終了が決定して、残り話数が明らかになり、やることが明確になったからか
気持ちがやや上向きになり、少し描くのが楽しくなってきました。
りおんや早良、鐡など、描くのが楽しいキャラが出てきたのもあるかもしれません。
曲淵はディーンフジオカさんがモデルです。
「この顔で勧誘されたらホイホイ着いていっちゃうな~イケメン」を想像した時
ディーンフジオカさんには着いていっちゃうなと思ったのでモデルにさせていただきました。
鐡もなんだかすごく描いてて楽しかったです。かなり偏った正義感の持ち主なんですが、自分が偏ってることに気づきつつも、いつか裁かれるのを待つように自分の道を進む…みたいな
志を同じくしている曲淵と鐡なんだけど、実のところ曲淵は鐡に乗っかってるだけで、鐡亡き後どうなるのか…なんて考えてましたね
もっとこの二人はちゃんと描きたかったのかもしれません。
あ、単行本おまけでも書きましたが、いくるはマガジンに新人の頃投稿した作品の主人公でした。
人の悪意を怪物にできる能力を持った少女が、とある少年の敵討ちに協力する…みたいな話です。前述したジャンプで作ってた作品とはまったく関係なかったんですが、設定が割と似てたんで流用しました。
いくるも描いてて楽しいデザインではあるんですが…もっと生かしてあげたかった…。
りおんは何のバックボーンもないんですが、自分の好きなものごった煮したキャラなだけあってイキイキしていたように感じます。
上のはスケブでリクエストもらって描いたエロめのりおんです。
個人的には巻とかも好きだったんですが、いい感じに描いてあげられなくて申し訳無さでいっぱいです。
…と、ここまで書いて思ったんですが、主人公二人に特に何も感じてなかったのが一番問題だったように思えてきました。
最終的に描き終えてからは、なかなか楽しかったな…とは思えたんですが
作り出したキャラクターを然るべき所まで送り届けられなかった…っていう後悔は消えません。
週刊連載はライブ感も大事、という鉄則を忘れ
事前に作った設定やネームに囚われ自滅してしまったな…と今では冷静に思います。
というより、むしろ事前にもっとしっかり煮詰めるべきだったな…
こなれてきて通りやすいネームを描くことばかり考えていたようにも思います。
とにかく、後悔と反省しかないです…打ち切りとはそういうものなんですが。
当初の構想ではニカは早めに死なせて、舞台を町の外に広げるつもりだったり、トトノには新しい相棒を出すつもりだったり、色々考えてはいたんですが…
………
…まぁ!そんな未来が彼らにはある!と思って
読んだことある方はたま~~に読み返してみてください。
読んだこと無い方は是非この機会に…。
1巻のカバーイラストと、ボツになったカバーイラストを流用したやつです。
連載前に余裕があったので、カバーラフもたくさん描きました。
1話のカラー扉も3~4種類ラフを作ってました。上のやつが少年漫画っぽくて
もしかしたら良かったのかもしれない…。
5話センターカラー
同時期に連載していた渡辺静先生の「魔女に捧げるトリック」とのコラボイラストと、星つぶとのコラボイラストです。
2巻カバーイラスト。お気に入りです。
3巻カバーイラスト。整の右腕描いてあるけど、この段階じゃ右腕失くなってます。
まぁイメージ図です。
一番気に入ってる10話?あたりのセンターカラー
掲載日がポッキーの日だったので浮かれた絵です。可愛く描けたと思う。
以上です!いかがだったでしょうか?
次回は「星野、目をつぶって。」4巻の思い出し裏話を予定してます。
それではまた!