とある大学のイベントサークル。男子5人が集まって、麻雀だのボードゲームだの、たまに外に出てサッカーをして遊ぶだけ。そんな身内サークルに俺は在籍していた。空きコマや放課後になんとなく集まっては、その場で適当に決めたゲームに興じる。そんなだらだらとした雰囲気のサークルが、俺には心地よかった。 このサークルには女子はいない。女子禁制のサークルではないが、結果として男子しかいないのが現状だ。これは俺ら男子達が冴えないという理由ではない。いや、そういう理由もあるかもしれないが、別の大きな原因があった。 「…なんかいつも麻雀ばっかりで飽きてきたなー」 「じゃあ、たまには街にでも出るか?」 「うーん…ちょっと危険だし疲れるからなー」 今日も今日とて、だらだらと部室に集まった男たち。日々の遊びにマンネリを感じてはいるが、部室の外に出るのはどうも腰が重い。部室の外で闊歩するのは、男子の身長の10倍ほどの女子大学生たち。それが、世界の平均的な身長であった。 生まれたときから、女は男の10倍ほどの身長を持つ。その対格差から、男女の生活圏はインフラレベルで切り分けられてきた。大きな女性専用歩道の隅に、申し訳程度の男性専用歩道。女性用トイレの個室の隅に、小さな男子用トイレ。…そして大学でも、女子大学生がずんずん歩く廊下の隅っこに男子大学生用の通り道が用意されていた。 住む場所が切り分けられているとはいえ、体格差による事故は絶えない。誤って男子を蹴飛ばしてしまったり、踏みつぶしてしまったり。お互いに気を付けていても、大きさの違いというのは残酷であった。 この部室も、女子用の大きな空き部室の隅っこを間借りしている形だ。隅が仕切りで区切られ、その空間が俺らの部室となっていた。 「ズン、ズン、ズン、……」 突如部室を襲った地響きにより、せっかく並べた麻雀牌がばらばらと崩れる。地響きの正体は紛れもなく、10倍女子大学生のものである。そんな地響きが近づいてきたと思ったら、ぴたっと止まった。 「がちゃり」 巨大なドアが大きな音を立てて空いた。俺たち男子5人はびくっとしてドアの方を見上げた。この部屋は女子大学生にとって空き部室となっているはずである。ここをサークルの部室として使いだして3年半、女子が部屋に入ってきたことはなかった。 「こんにちは~」 間延びした声が大きな部室に響き渡る。ずん、ずん、と女子たちが3人入ってくる。女子の顔を見上げる。最初に挨拶をした茶髪ショートの子、ギャルっぽい金髪ロングの子、無表情の黒髪ショートボブの子。空っぽの部室目当てで入ってきたのかと思ったら、部室の隅っこ、こちらに向かって茶髪の子が歩いてきて、麻雀をしている5人の男子を上からのぞき込む形でしゃがみこんできた。 「………えっと」 いきなり10倍もの巨体にしゃがみこまれ、とっさに声が出ない。こんなにも至近距離で女の子を見ることがそもそもあまりない。基本的に女子とは距離を取って生きているからだ。…ここまで接近して分かる、女の子の存在感や匂い。それが俺らの小さな部室を支配し、男子達の注目はしゃがみこんだ茶髪の子に強制的に集められる。 「先輩方、こんにちは~。突然お邪魔してすみません」 礼儀正しい言葉づかいで、その子はしゃがみながら会釈した。 「えっと、何の用、…ですか?」 "先輩"と言ったのだから俺らより年下なのだろうが、無意識に敬語が出てしまった。 「私たち新入生なんですけど、サークル探してて。そしたらここでイベントサークルが活動してるって聞いて、来てみたんですよ~」 しゃがみこんだ子の後ろで立っている金髪の子が、軽い口調で話しかけてくる。その横で立っているショートボブの女の子が、毛先をくるくるいじりながら無表情でこちらを見下ろしている。 「うん…確かにここで活動してるけど…」 「私たち、入サーしてもいいですか??」 笑顔でこちらを見下ろしながら、丁寧に言われる。新入生の女子たちが、この男子だけのサークルに入る?何のために?真意が全く分からずどもっていると、別の男子が、「いいんじゃないかな、断る理由もないし」とやすやす承諾している。鼻の下を伸ばしたその顔を見るに、久しぶりに女の子と会話した嬉しさが他の色々な疑問を吹き飛ばしてしまったようだ。他の男子も戸惑いつつも、「まあ、いいと思うよ」などと同調している。 「やった!ありがとうございます、先輩方♪」 顔の前で手を合わせ、やはり礼儀正しい言葉づかいで感謝の言葉を述べる茶髪の子。こうなってしまったら俺も同意するほかない。…こうして、男子だけだったイベントサークルは、3年目にして3人の新入生を迎えて新たな船出をすることとなった。身長17cmほどの3年生男子5人と、身長150cm台の1年生女子3人という、いびつなメンバーで。 ーーーーーーーーーーーー 「じゃあ、今日は何の遊びをやりましょうか」 お互いの自己紹介が終わった後、船見がこちらに話しかける。男子達は口々に遊びを提案するが、 「あ、じゃあかくれんぼとかどう?先輩たちをこの部屋の中で見つけるの」 三原の間延びした大きな声で全てかき消される。 「あ、面白そう!先輩方もそれでいいですか?」 強引に決定される。…まあ文句があるわけではないんだが。頭上高くの女子の耳に声を届けるのはなかなか大変だ。わざわざ反論するのも腰が重かった。 「ちっさいから見つけづらそう…」 佐伯が興味無さそうに呟く。 「それが面白そうじゃん♪…3分外に出てますから、その間に部屋のどこかに隠れてくださいね~」 ーーーーーーーーーーーー ここは本棚の下から2段目の棚に置いてあったペン入れの裏。先ほどから何度か大きな足が本棚の前で止まったり横切ったりしたが、意外と見つからなさそうなポイントだった。 ずん、ずん、ずん……… 「んー、この辺かなー?」 爆音が周囲に響き渡り、にわかに緊張する。本棚の外はペン入れで見えていないが、周囲が暗闇に包まれている。おそらく三原が本棚の前でしゃがみこみ、俺がいる段より上の段を探している。 …本棚の外の景色を想像する。高さ的に、しゃがみこんだ女子の下腹部がちょうど見えるくらいの位置だろう。 「………。」 ちょっと、外を見てみるだけだ。偵察も兼ねて。 …そっとペン入れの陰から外を覗くと、肌色と薄いピンク色の巨大な壁が景色を埋め尽くしていた。 「すご……」 大学一年生のギャルの、幼くもむっちりとした太ももが視界をジャックする。女子の太ももってこんなにもデカいのか…。あの質量におしつぶされたら、男子はひとたまりもないだろう。その大迫力の太ももの中央に、ピンク色のショーツが鎮座している。中央付近はささやかにふくらんでおり、その中の柔らかさを想起させる。 「こっちかなー?」 三原がしゃがみながら足の位置を少し移動させる。それに伴い、肌色の壁がぐねっ、ぐねっ、とおおきくたわみ、ショーツの大きなしわが縦に横に広がる。女子の大きな下半身が有機的に動くのを至近距離で見せつけられ、一気に変な気分にさせられる。 (いや、何やってるんだ俺は……) 3歳下の後輩女子の下半身を、虫みたいに隠れながら観察している自分にようやく気付く。急に入サーしてきた後輩にゲームを強引に提案され、流されるがままに本棚に隠れ、探しに来た女体をこそこそと観察している。大学4年生の男として情けないムーブである。 「「こっちかな?」」 (ひっ) 突如大きな顔がこちらを覗いてきたのを見て、瞬時にペン入れの裏に隠れる。 「「せんぱーい、いるんなら出ておいで~」」 (う、うるさ…!) 三原が何の気なしに発した言葉が、大音量となって俺の耳を襲う。こっそりペン入れから顔を出すと、俺の身長よりも大きな女子の顔が、目を細めながらあたりを見つめている。巨大な顔にやや圧倒され、ペン入れよりもさらに奥、並べられた本の裏側に瞬時に移った。 「「ん、今何か動いた??」」 (……) しまった。視線が向いていない瞬間を狙ったつもりが、視界に入っていたようだった。 「「せんぱい、そこにいるんなら出てきてください~。もう逃げ場もないですよ」」 のんきな声が聞こえてくる。確かに、この奥は本棚の端っこの壁でふさがれている。外に出るには、今入ってきた隙間から三原の視界内に出ていかなければならない。…ただ、なんとなく先輩の意地として、簡単に出ていきたくなかった。 「「んー、ぜんぜん出てこないなあ…。」」 困ったような三原の声。その隙に、他の出口がないか本の裏で思案する。 「「じゃあ…♪」」 すう、と息を吸うような音が聞こえたかと思うと、 「「はあぁぁぁぁぁぁ…………♡」」 (……な……!あっつ………!) 突然、湿気た熱気が本の裏の空間に送り込まれてきた。その空気は一瞬にして全身にまとわりつき、服も肌も髪も薄く濡らしていく。急激に気温が上昇し、サウナのような熱気にあたりが包まれた。 「「そんなとこにいたら熱中症になっちゃうよー♪早く出てきなよ♪」」 本の裏に隠れた俺を虫のようにあぶり出すため、三原が熱い吐息を本棚の奥に向かって送り込んできたようだった。ただでさえ暑いこの季節に、巨大な女子の体内で蒸された吐息に包まれれば、体感温度は一気に危険なレベルまで上昇する。 「「もっかいいくよ♪……はあぁぁぁ……♡」」 たちまち全身が三原の唾液でびしょ濡れになり、髪からねっとりとした唾液が自然に滴り落ちてくる。三原の口内のむわっとした匂いがあたりを支配し、思考を鈍らせる。…危険な状況なのに、いや、危険な状況だからこそ、俺は倒錯的な興奮を覚えていた。今日初めて会った後輩女子の吐息で支配されている。軽く三原が息を吐くだけで、小さな男子は蒸し殺されてしまう。こんなに惨めなことがあるだろうか。 たまらず本の裏から飛び出すと、 「うわっ!!」 「「………♡」」 尋常でない近さに三原の巨大な顔があり、思わず足を止めてしまう。三原は棚に半分以上顔を突っ込む形で、俺に吐息をあびせかけていた。 瞬間、俺の両側の本が三原の大きな手によって本棚の最奥部まで押し込まれてしまう。…本の裏という逃げ場が失われてしまった。背後は本棚の板、左右は本、そして正面は三原の顔。完璧に閉じ込められた格好だ。 「や、やめてくれ…!」 あまりの熱気と湿度に息も絶え絶えで、三原の唇の前でしゃがみこんで乞う。俺の負けだ。後輩女子の何気ない吐息にも勝てない、矮小な俺の負けなのだ。 「「………。……やだ♪」」 しかし、三原は許してくれなかった。 「「はあぁぁぁぁぁぁぁ…………♪」」 (----------っっっっ!!!!) しゃがんだ俺の頭上から、ほぼゼロ距離で浴びせかけられる殺人的な吐息。ほぼ唾液をかけられているんじゃないかという程のありえない湿度の吐息は、体に触れた瞬間に唾液の水滴となって全身をむしばむ。三原は俺を食べんばかりの距離でその可愛らしい唇を開き、何の苦労もなく口元の俺を熱地獄へと誘う。 「「はぁ~って息してるだけだよ?そんなに苦しい?」」 軽々しい声は、あくまで遊びの延長戦の意識であることを示していた。三原が声を出すだけで、音と共にむあっとした吐息が無意識のうちに浴びせかけられる。三原は、まさか本当に俺が吐息の熱さで苦しんでいるとは思っていないのだろう。 「「じゃあ一回休憩ね」」 「「ふぅぅぅぅーーーー……」」 頭上の唇がすぼめられたかと思うと、その間から比較的冷たい吐息が流れ出てくる。先ほどまでの吐息との温度差は歴然で、熱でぼーっとしていた頭が急速に冷えてはっきりとしてくる。依然、三原の口内の濃厚な匂いが多分に含まれていたが、今の俺にとってはオアシスのような風だった。 「「やば、気持ちよさそうじゃん♪」」 三原に嘲笑されて気づく。女の子の吐息を全力に浴びに行く姿の滑稽さに。今の俺は、三原の唇の形一つに命を握られているといっても過言ではない。三原が気まぐれでこの大きな唇を開けば、そこは再び高熱の地獄へと化す。 「「…あのさ、…なんで興奮してんの??」」 気づけば、しゃがみ込んだまま股間がギンギンに膨らんでいた。何故かは自分でも分からない。ただ、会ったばかりの後輩の吐息だけでイジメられているという状況に、以上に興奮してしまっていた。 「「先輩、めちゃくちゃ変態じゃん……ちょっと引くんだけど…」」 三原が蔑んだような表情をしたのも束の間、ふっと笑みを浮かべ、 「「そこでシてよ。私の目の前で」」 後輩からの性的なイジメの言葉に、プライドよりも興奮が勝った俺は、ゆっくりと股間に手を伸ばし、…必死でまさぐり始めた。 「「まじでしてる…♡…先輩カワイイ、頑張って♪」」 頭上で蠢く唇と、そこから漏れ出る濃厚な吐息。ささやき声にもかかわらず大きな音圧とその匂いで、興奮が増幅していく。三原の大きな目で見つめられている。その視線から逃れる場所はここにはない。ニヤニヤした三原に全身をなめるように見られながら、惨めにもオナニーをさせられているのだ。 すぐに絶頂寸前になり、体がびくびくと動き出す。と、 「「ね、先輩……ツバ、かけてほしい?」」 悪魔のようなささやき。淫靡な笑みを浮かべた三原はわざとらしく唇を開き、巨大な絨毯のような舌を口内で動かす。ぴちゃ、ぴちゃ、と舌が唾液をすくう音が聞こえてくる。あの唾液におぼれたら、どれだけ苦しいんだろう。どれだけ気持ちいいのだろう。俺は三原の口内に釘付けになったまま、ほぼ無意識でこくり、と頷いていた。 「「……♡」」 三原の笑みがいっそう嗜虐的なものに変わったのが分かった。大きな口を閉じ、中でくちゅ、くちゅ、と唾液を分泌させる音を響かせる。たっぷり10秒。このあと待ち受ける屈辱と興奮に、股間が爆発しそうになる。唾液の分泌を終えた三原の唇が俺の頭上に近づき、少しすぼめられたと思った次の瞬間、 「「…れぇぇーー♡」」 容赦ない量の唾液が、頭上から浴びせられた。三原の口内で生産された唾液は、俺の頭からとめどなくしたたり落ち、全身を侵食していく。ねっとりとした感触の唾液が目、鼻、口、耳から流れ込んでくる。思わずむせるが、唾液はおかまいなしに俺の体の内部まで侵食していく。あまりの粘度に、体を思うように動かせない。空気はほぼ吸えなくなり、唾液の匂いか唾液そのものが直接鼻の中に入ってくるだけだ。 唾液の持ち主を見上げると、俺の体から巨大な唇の端まで、唾液の糸が繋がっているのが見えた。三原がうっすら開けた綺麗な唇の間に、唾液の糸が何本か引いている。あまりにエロティックな光景に、俺は股間を必死でまさぐり始める。もう最後は近かった。後輩に唾液を浴びせかけられ、嬉々としてオナニーを行う底辺の先輩に成り下がるまで。 「「とどめ♪…ぺっ♡」」 三原は口内に残っていた唾液を、今度は道端に吐き捨てるように俺に浴びせた。 (…………!!) 絶頂寸前だった股間に三原の唾液の塊がクリーンヒットし、その衝撃、質感、屈辱、…諸々全てが合わさって、俺は惨めに絶頂を迎えた。たっぷりと30秒間、股間に染み込んだ三原の唾液が、射精の終了を許さなかった。 「「先輩、よだれでぐちゃぐちゃになっちゃったよ……皆に隠して洗ってこないと…」」 少し困ったような三原の声を聞きながら、俺は射精後の恥ずかしさと屈辱感で顔をずっと伏せていたのだった。 ーーーーーーーーー続くーーーーーーーーーーー