XaiJu
mitsumichi
mitsumichi

fanbox


親友シリーズ風邪っぴき小噺 / 4話のあと

 期末テストの翌日だった。  風邪をひいたという知らせに、当初は知恵熱じゃんと笑っていたが、二日も空席がつづくとさすがに気になり差し入れついでに家に立ち寄ると、岳はゴロゴロとベッドの上で漫画を読んでいた。 「よ」  片手を上げて出迎える。快活そうな男を横目に、颯介は机の上へコンビニの袋を置いた。 「……仮病?」 「ちっげーよ。昼から下がったの。ようやく楽になったとこ」  漫画を伏せて、枕に頭を落とす。 「今日はまだマシだったけど昨日は熱高くてさ、まじで、小学生のときのインフルぶりぐらい」  結局ただの風邪だったし明日には行けそう、という言葉に内心ほっとしたのを見て取られたか。 「心配した? きてくれてありがとうな」  岳の声がやわらぐ。瞳が穏やかに細まるが、その目じりにはまだ気怠さらしいものが残っている。わずかに赤みの残る頬。熱の下がりめに汗をかいたのか、寝間着もすこしよれていて、なんか、なんというか、 「おい。あんまエロい目で見んなよ」  にやりと指摘され、肩が大げさに跳ねた。 「みっ、みてない!」 「見てただろ。物欲しげな顔でさ」  どんな顔だよ。口にする前に手を取られ、そろりとシャツの隙からのぼった指に肌を撫でられる。  「あっ、おい」 「親、夕方まで帰ってこないから」 「ばか。だめだって。病人に手ぇだせねえよ」 「おれが出すぶんにはかまわない?」  引こうとした腕を逆に引き寄せられて、熱っぽい瞳が揺らぐこころに畳みかける。 「なー、颯介」  ちゅぷ、と水音が立つ。  あからさまにいやらしい音に羞恥が沸き立ち、頬が熱くなるも、それが悟られることはない。 「ん……っ……」  ベッドに引きずり込もうとした手をいなし、おもわず飛び出た「おれがするから!」の声。昼間だから恥ずかしいからと頭から布団をかぶり、岳の下半身までずり下がり、触れる前から反応していた起立に舌を絡めていた。 「んぅ、っ」  竿を扱き、亀頭を口に含んで吸い上げる。 「は……、そうすけ、それいい」  上擦った声が、布団越しに聞こえる。外気から断たれたなかは暑かった。こもる熱気に性のにおいが絡んで、淫靡な湿気が充満している。脈打つペニスから伝わる興奮もじんと頭を痺れさせ、背をつたって腰元に溜まっていく。くちのなかの勃起がたぎるほどに、自分のペニスも角度をつけていく。 「……っ」  そろりと手を伸ばす。布団の外側にうごきがでないよう、バレないよう、すりすりとやさしく膨らみかけの熱を衣服の上から慰める。 「っ……ん、くぅ……♡」  頭を沈めて勃起を深くまで咥えこむ。口いっぱいが熱で満たされる感覚に、もっと奥の、狭い肉で味わう感覚を重ねてしまい、秘部がきゅんと疼いた。 「んんっ……♡ っは、ぁ……っふ……」  舐めて、興奮して、ほしくなるなんて、へんたいみたいだ。恥ずかしい。いたたまれない。そんな気持ちに駆られるも、露呈しない羞恥は欲に打ち負かされる。 「ふぅ、んっ……」  前をくつろげ、下着のなかに手をいれる。ペニスを通り越して更にその奥、閉じた窄まりを撫でると、欲しがるようにひくひくと収縮した。焦れったくもここちよい快感にとろんと瞳が蕩け、舌の付け根から唾液が溢れる。ちゅぷちゅぷと音を立てて肉棒をしゃぶる。どんな痴態を晒しても、このなかにいれば見られることはない。状況に甘えて口淫と自慰の手がはげしくなっていくが、 「颯介、自分で触ってるだろ」  不意に視界が明るくなって、 「もぞもぞと動いてんの上から丸わかり」  剥がされた布団。自分をみおろす、意地のわるい笑み。心臓がどっと汗をかく。 「だ、その、ちが」  急速に顔が熱くなっていく。さっと手を抜くももう遅かった。たじろぐからだの両脇に手を入れられて、目と目があうところまで引き上げられる。岳の手が背中からまわって下着のなかに入りこんだ。 「あっ♡」 「しゃぶってたらほしくなった?」 「ちがっ、その」 「違う?」 「……ち、ちがくない、けど、っ♡」  くりくりと肉縁をいじられる。自分でしてたよりも強い圧で、ともすれば押し入ってしまいそうな強さで捏ねられて、腰がひくりと揺れる。 「岳っ、それ、やめ……っ」 「な、颯介。いれたい」 「だっ、だめだ」 「いつもみたいに何回もしない。一回だけ」  首を振る。岳は頭を傾けて、どうしても?とねだってみせたが、 「だめ……だって明日、学校きてほしい」  潤んだ瞳の懇願に、ぴたりと手を止めた。 「いま」 「え?」 「すげーキスしたい、けど我慢する」 「お、おお」 「その代わりにもうすこしだけ弄らせて」 「へっ? すこしって、っあ♡」  先走りをひろった指が肉縁を割ってはいってくる。第一関節だけを埋められて、入口をくすぐるように搔かれる。 「やぁ゛っ……あッ♡ だっ、だめっ♡ いれんなっ」 「いれないから。指だけ」 「そんなのっ、っ、っぁ゛……!」  指先がなかで泳ぐ。甘い、甘すぎる、焦れったい刺激にもどかしさが積み重なっていく。 「んんっ〜〜やぁ゛、あっ♡ それやだっ、やだあっ♡」 「うん、もうちょっとだけ」  身じろいだ腹に触れた熱。さっきよりも角度を増したその存在に、きゅううとアナルの疼きが増す。颯介は泣きそうな目でかぶりを振った。 「岳っ、まじでやだ、もどかしい……っ」  だめだ、だめ、だめなのに。よくないってわかってるのに、腹に触れるそれを上下に腰を揺らしてさすってしまう。ねだるようなしぐさが止められない。自分をみつめる、欲にまみれた視線から目がはなせない。みだれた呼吸がかさなって、どちらともなく唇が合わさった瞬間、互いの糸がぷちんと切れた。  キスもセックスも我慢できない。  脆弱すぎる理性をもってした、せめてもの妥協案だった。 「まじで? 逆にいいの?」  そわそわと問いながらも、腰元に跨る颯介を見る瞳は興奮で弾んでいた。 「いいから。おれがするから、岳はうごくなよ」 「おー……」  手で支えたペニスを宛てがい、 「ん……っ」  ゆっくりと腰を沈めていく。 「っ、っ~~~……」  いれられるのと、いれるのは、全然ちがった。肉の抵抗をいつもより強く感じながらも、徐々にペニスをうずめていき、 「はあっ、は、はいった……♡」  ぺたりと岳の上に座りこむ。深いところに当たっていて、すこし奥が痛い。けれど。視線の先。シーツに沈む恋人の姿。新鮮な光景。 「……は、なんかいい気分。岳のこと見下ろすの」 「おれも。新しい扉ひらくな、これ」 「岳はそれ以上開かなくていい」  なんで、とのたまう口を無視して腰を上げ、 「んんっ♡」  すこし引き抜いてからまた下ろす。 「あっ……♡」  いいところを掠めて、きもちいい、し、きもちいいのを自分でコントロールできるのも、岳にはわるいがちょっと安心する。 「はっ、あっ、あっ、あ……っ」  おなじ動きを繰り返す。ぱちゅ、ぱちゅ、と控えめな水音が立つ。 「あんっ、ん、んー……っ♡」  求めていた快感に颯介が耽る一方、じっとこちらを見つめる表情はこころなしか余裕そうにみえた。 「っ、なあ、これで合ってる……?」  問いかけると「おう。視覚だけでイけそう」と即答されたが、 「視覚って……」 「颯介のケツがおれのちんこ飲みこんでいくとこバッチリ見えんのすげーえろくて興奮する」 「説明してほしいんじゃなくて」  やっぱり、言葉の端に余裕がみえる。おれは岳にされてるとき、もっとずっといっぱいいっぱいなのに。 「ん、……っ」  意識してきゅうと肉を締めつける。そのまま腰を前後にグラインドさせ、ペニスを肉壁になすりつけるように腰を揺らす。 「っ……」  強まった刺激に岳がかすかに息を詰めたのがわかった。ふふんと鼻を鳴らすつもりが、 「あ゛ッ……!? や゛っ♡ あっ、やばっ♡ これっ♡♡」  余裕をこそがれたのは颯介も同様だった。締めつけで狭まった肉がずりずりと勃起に擦られて、そり返ったペニスの先っぽが、ちょうど弱いところに当たって、っ、 「んん゛ん゛っ♡♡ っ、っ゛~~~~♡♡」  たまらない快感が背筋を駆け抜ける。おもわず腰が止まりかけるも、 「颯介。いまの、それすげーいい」  きもちいい、なんて熱い眼差しで言われてしまえば、おれがする!なんて豪語した手前、早々に匙を投げるわけにもいかず、 「んん゛っ♡ ッ……っふ、あっ、あ゛ぁっ♡♡」  必死に腰を振り乱し、敏感な肉壁でペニスを扱く。きもちいい。きもちいい。きついくらいにきもちがよくて、目尻が熱くなる。口がだらしなく開いて甘い声があふれる。情けない顔も、いやらしい腰のうごきも、すべてみられているとおもうと恥ずかしいのに、自分のうごきで感じてくれてる固い肉棒に、自分をみつめる欲情を隠さない瞳に、からだは沸々と熱くなり、更にきつく肉棒を締めつける。 「あぅ゛っ……っく、だめ、っ♡♡」  急速にせり上がる熱の兆しに、太ももがぶるりと震えた。このままじゃイってしまう。イッてしまったらきっと、その後うまくうごけない。 「す、すこしだけ休憩……ッひ!?」  唐突に、颯介のペニスがにぎられた。先走りを塗り拡げた岳の手にぬちぬちと扱かれる。 「あ゛っ〜〜〜ッ!? あ゛、はっ♡ なっなに、やめっ」 「いや、目の前でぶらぶら勃起してんのに触られてないのもかわいそうで……」 「いっ、いまその気遣いいらない゛っ♡♡ 手、はなし──ひん゛っっ!?」  親指にぬるぬると亀頭を撫で回されて、半端に浮いていた腰が落ちた。最奥まで一気に貫かれた衝撃に打ち震える颯介に、岳は「今度さ、ここも一緒にしていい?」と問いかけた。 「はぅ……ぁ、こ、ここって、なに」 「この中」  鈴口の割れ目に指を置かれて、おもいだす。陰茎の内側。あらぬところを、あらぬもので犯される感覚を……というか、 「おまえっ、まさかまた変なもん買った!? 次からは買う前にまずおれに言えってっ、あ゛ッッ♡♡」  亀頭を手のひらに包まれ、容赦なく撫で回される。くちゅくちゅと淫猥な水音が立ち、強烈で鋭敏な刺激に言葉も思考も散らされて、快感が脳天を突き抜ける。 「やぁあ゛っ♡ それだめっ♡ 先っぽむりっ♡♡ イ゛くっ♡ っも、すぐ、でちゃうから゛っ、ア゛っ、ッ、ッ~~~~~♡♡」  カリ裏を五指に搔かれて、びゅくりと白濁をあふれる。力がはいらず落ちたままの尻が絶頂の快感にビクビクと戦慄き、奥まで埋まったペニスを絞るように締めつけた。 「んんっ♡ んっ、ん゛ーーっ……♡」  体勢を保っていられず、上半身が岳の胸元にくずれおちる。震える背に両腕がまわされ、がっしりとホールドされた。 「へっ……、え、ア゛ッッ♡♡!??」  そのままズンッと下から突き上げられる。目の前がチカチカと白ばむほどの衝撃。絶頂に打ち震える肉壁にはあまりに強烈な快感に、一寸遅れて濁った悲鳴が喉をかけぬける。 「──ひぐっ……ぅ゛♡♡ ア゛っ♡ あ゛ぁああ゛あ゛っ♡♡」  ずんずんと容赦なく突きあげられて、あまりの快感に腰を引こうにも、からだを繋ぎ止める力が増すばかりで熱い肉棒の猛攻からは逃れられない。 「ひぃ、い゛っ♡♡ なっ、なんでっ、はなしてっ♡ おれがうごくから゛ぁっ♡♡」 「んー」 「んーじゃなくて、ぇ゛っ!!」  ばちゅんっと音が鳴る。掠めるほどだった前立腺を強く穿たれて意識が飛びかける。甘い刺激に油断していた肉壁をごちゅごちゅと激しく扱かれて、颯介は目尻を赤くして、溢れる恍惚にかぶりを振って身もだえる。 「あん゛っ♡♡ んっ、ん゛ぅう〜〜〜っ♡♡♡ だ、め゛えっ、つよいっ、こんなの、おれっ、また、またすぐ……ッッ♡♡」  数センチと空かず、その表情を見つめる岳がぽつりとこぼす。 「新しい扉もいいけどさ、やっぱりおれがして、お前がめちゃくちゃになってんの見るのが一番いいな」 「めっ、めちゃくちゃになんてないぃ゛っ♡♡」 「はは、まじで?」  興奮を滲ませた笑み。背を抱き留めていた手が下がり、尻たぶを掴む。力を入れて下方に沈めさせられて、ペニスが更に奥をひらく。 「っひ、ィ゛、あっ、おっ、おく……っ♡」  その状態で、さっきと同じくらいの強さで突き上げられる。 「──っひ、き゛ッッ♡♡!!?」  いく。いく。いく。イくって、喚く余裕ないくらい、深くのがくる。 「っ、っ、ッッ゛〜〜〜〜〜♡♡♡」  岳の両肩をつかみ、指先が白くなるほどにしがみつく。そうしないと意識がどこかにほおりだされてしまいそうだった。剛直がわりひらく。敏感な神経の集まった奥を突かれて、長い絶頂にのたうつ肉壁をずちゅずちゅとすりあげられて、天辺からおりてこられない。 「い゛っ──イ、ぅ゛っう゛♡♡ っも、イ゛ってる、がくっ、がくぅ♡♡ おれだめっ♡ これだめっ♡♡ へんになるう゛♡♡」 「うん、おれも、もういく」 「っ、く、ぅ゛……あ゛ッッ────♡♡」  どくりと最奥に吐きだされた。  長く尾を引く快感に全身を震わせて、しばらくしてようやく落ちついたところで、お互いくったりとベッドに沈んだ。岳の首元に頭を埋めながら、じぶんがなにをしにきたのか、目的をおもいだすのに時間がかかった。 「颯介にはねえの」  勉強机の椅子に腰かけて、差入れのプリンを食う岳を眺めていた。 「おればっかしたいこととか、やりたいこと言ってるけどさ、お前は?」  したいこと。颯介はキィ、と椅子を鳴らした。 「……さくら公園にさ」 「え?」 「すげーでかいカツレツ出す店ができたらしくてさ」 「あは、なんだそれ」 「まじで、しぬほどでかいんだって。で、その隣にアスレチックパークみたいな施設もできてて」  これは金かかるやつなんだけど、と開いたサイトをスマホで見せる。岳はおお、と目を輝かせた。 「岳。前から一回こんなの行ってみたいっつってたじゃん。おれも気になってたし、岳が完全回復したら一緒にいこうぜ」  目元を緩めて笑う。ほがらかな笑みを真正面から受けた岳はプリンを脇に置き、頭を垂れた。 「なんかごめんな……」 「は?」 「おれ、えろでごめん」  真剣な顔で、なにをいいだすのか。呆れた顔をした颯介とは裏腹に「おれ今、自分をかえりみてる……」といって岳は真剣さを煮詰めた顔で肩を落とす。颯介は慌てて首を振った。 「待てまて、ちがうからな。おれにそういう欲求がないとかじゃなくて、その、そっちはさ。おまえがあれこれいうから、おれはそれですげー満足してるっていうか」  なんというか、 「だから今のバランスでいい……って、なに言わせるんだよ」  照れくささに目を逸らしかけたが、岳が心底安堵したような顔をしているのがみえて、つい笑ってしまった。 「行こうな、そこ。おれすぐ回復するし、つーかしてるし、明日も学校行くから」  颯介は、うん、とはにかんだ。 「そっちの方も、おまえのこと満足させられるようにがんばるから。新しいこと始めるときなんかもさ、間違ったふうにしないように動画とかみてちゃんと勉強してからするな」 「おまえやっぱ買っただろ」


More Creators