ダブルアリゲーターエンドチラ見せ(1コマだけ)
来たる9/20に開催される予定のけもケット10にて頒布予定の「ようこそ!いふ魍寮-ダブルアリゲーターエンド-」の進捗チラ見せです。
ロゴなし表紙絵柄部分
こういう後ろからの見せない感じ好きなんですけど、解る方いらっしゃいますう!?!??!?
鋭意製作中です❤️お楽しみに🐊
2021-09-02 14:13:35 +0000 UTC View Post
来たる9/20に開催される予定のけもケット10にて頒布予定の「ようこそ!いふ魍寮-ダブルアリゲーターエンド-」の進捗チラ見せです。
ロゴなし表紙絵柄部分
こういう後ろからの見せない感じ好きなんですけど、解る方いらっしゃいますう!?!??!?
鋭意製作中です❤️お楽しみに🐊
2021-09-02 14:13:35 +0000 UTC View Post
さて、何から話すべきだろう。
春から大学生になったおれ一文字命(いちもんじみこと)は、初めての一人暮らしをスタートさせる。
幸運にも?隣人はタイプど真ん中。筋骨隆々な虎獣人のおっさんだったわけでそこは良い。
ひょんなことからその隣人虎おっさんこと宇津木マタタビさんとゲームをしたり食事をしたりして少し仲良くなるのだが、このおっさんやたら距離感が近くて心臓に悪い。
おまけにちょっとした事故でそのおっさんのアナニー動画まで見ることになってしまう。……事故だよな?
そんな隣人虎おっさんに誘われ、今日は買い物に連れて行ってもらうことになった。
ここまでがこれまでのあらすじ。
一体おれ、これからどうなるんだ?
👦🏻🐯
「すいません!ちょっと顔洗ったりするんで座って待っててもらえますか?いまお茶出しますね」
「ありがとお!」
一緒にゲームして食事してちょっとした事故でアナニー動画を見てしまった翌日の朝、宇津木さんが唐突にうちの呼び鈴を押したのである。
あんな動画を見てしまって気まずいなと思っていた杞憂はその笑顔で一瞬にして吹き飛んだわけだが…。
宇津木さんにとっては少し手狭であろうワンルームへと案内する。
まだ真新しい部屋に自分以外の人を入れるのは初めてのことだ。
「あれ?」
「ん?どうかしましたか?」
ワンルームということは寝床がそのまま居住スペースになっているわけで、つまり一目でおれの生活の全てが丸わかりということ。まだそんなに荷物が多いわけではないし、散らかっているわけでもないから見られてまずいものがあるわけではないと思うが……。いまの「あれ?」は一体なんだ?
「ボクちゃん、もしかして恋人いる?」
「は?」
思いもよらぬ疑問を投げかけられ、つい素っ頓狂な声が出た。
上京してまだ間もない……いや、それは言い訳にすぎないが、陰キャで非モテなおれに恋人なんているわけがない。
いつもいわゆる出会いアプリを眺めながら溜め息をもらしているくらいだ。
自分で言うのも情けないが、それが事実だ。
「え?だってダブルベッドやから誰か一緒に寝る人がいてるんかな思て」
「…………」
「……え?なんかあかん事聞いた……?」
死ぬほど恥ずかしい。
しかし図体がでかい訳でもないおれは、ダブルベッドを使う他の理由を見つけることができず正直に吐き出してしまった。
「……それは……都会に……出て……恋人ができることを……夢見て……奮発しただけで……いま現在そういう仲の人が………いるわけでは決して……ありません……」
顔から火が出るほど恥ずかしいというのはこういうことか。穴があったらいっそ死にたい。
などと慣用句の無茶苦茶な魔改造を脳内でして恥ずかしがっていると、宇津木さんはニコーっと笑いはじめた。
「なーんや!よかった!」
良かった!?何が!?
もしかしてバカにしてますう!?
恥ずかしさで半泣きになりながらおれは黙って耐えていると、宇津木さんがニコッとこちらを向く。
「なあなあ、ちょっとダブルベッド寝転がってもええ?上着は脱ぐし」
「え、良いですけど」
そう言うと上に羽織っていた薄い半袖のシャツをするすると脱ぎ、簡単に畳んで被っていた帽子と共にベッド傍の机の上に置いた。
ガサツそうに見えるけどこういう何気ない所作が丁寧なんだよなあ……。
「わー新品やからふかふかやねえ。気持ちいい」
ダブルベッドが珍しいという訳でもないだろうけど、広いベッドを見るとゴロンとしたくなる気持ちは解る。
無邪気にゴロゴロする姿はさながら大きいネコチャンだな。なんて思いながら、おれは冷蔵庫から取り出したペットボトルの麦茶をガラス製のコップに注ぎ机に置いた。宇津木さんがゴロゴロしてる間に玄関とワンルームの中間にある洗面所で洗顔と歯磨きを済ませる。整髪は……ええい。この癖毛をしっかり直すには宇津木さんを待たせ過ぎてしまう。もう今日は帽子にしよう。
宇津木さんの前で着替えるのは恥ずかしいから洗面所で着替えよう。いったん着替えを取りに洗面所から部屋に戻る。
ここまでの所要時間7分。いえ、ちゃんと洗顔も歯磨きもしましたとも。不潔なんかじゃない。
パタパタと部屋に戻ると、ベッドの傍の窓から爽やかな初夏の日差しを受け止めきれずに少し膨らんだカーテンをバックにして、ダブルベッドに寝転んだ宇津木さんがこちらを見ながら微笑んだ。
今まで行ったどの美術館にも飾ってはいない、人生で初めて見惚れてしまう様な画に思わず固唾を飲む。
ほんの数瞬、目と目が合った。
穏やかな眼をした隣人は、やっぱり初めて見る表情でこちらに向かって両手を広げる。
「おいでー」
普段なら絶対恥ずかしくて拒否するけれど、その光景に陶酔していたのかもしれない。
それか宇津木さんには人を惹きつける何かがあるんだろう。
吸い込まれるように腕の中に収まった。
「へっへっへ。捕まえた❤️」
「……お出かけ、しないんですか」
「するよお。でも急がんでも大丈夫」
いつもの元気いっぱいな宇津木さんとは違う、おれにだけ聞こえれば良いくらいに調節したボリュームの穏やかな声だ。
すっぽりと腕の中に収まったおれを、まるでやや子をあやすように撫でている。
宇津木さんのふかふかの毛皮はまだ春を引きずった空気を含んで暖かい。甘さの相まった男のニオイを鼻腔がくすぐる。
ああ、宇津木さんの部屋ってこの匂いだったのか。不快な臭さとは違う宇津木さんのニオイだ。
おれは一人勝手に納得した。
「いいこいいこ」
「……赤ちゃんじゃないですよ」
「んー?じゃあ……命くん命くん」
「なんですそれ」
初めてボクちゃんじゃなくて名前で呼ばれて少し嬉しかった。
「へっへっへ。ぎゅーっ」
「うぷっ」
いや、あのですね、む、むむ、胸が…。
雄っぱい呼ぶに相応しい、その豊満で柔らかな胸におれの顔を押し付けるようにして強めに抱擁される。
ここが天国かぁ。
ではない。い、息ができない。雄っぱい窒息死も悪くはないが、おれの生存本能が酸素をもとめる。
「むーっむーっ!」
「あ、ごめん」
「ぷはっ!し、しぬかとおもった……」
「ごめえん。俺の双子山が……」
上手いこと言おうとするんじゃないっ!
おれは抗議しようとするがニコニコした宇津木さんの顔を見てやめた。
どうにもこの笑顔に弱い。
昨日の朗らかにゲームをしてた宇津木さん、少年の様にカレーを頬張っていた宇津木さん、人には見せない痴態を晒していた宇津木さん、そして今のこの穏やかな宇津木さん。
どれが本当の宇津木さんなのだろう。
おれは少しだけ自分が宇津木さんに惹かれ始めていることを自覚していた。
穏やかな穏やかな時間だった。
❤️👦🏻🐯
「さーて!じゃあ行こっか!」
乗り込んだ車のハンドルを握りしめアクセルを踏み込む宇津木さん。
都会の暮らしでは車はそんなに必要無いとネットとかで見ていたけれど、趣味で乗るには少し大きいような気もする。いや、車には詳しくないからそれが普通なのかもしれないけれど。
「車お好きなんですか?」
「ん?まあね!車というか運転はすきやで〜。それに車でしかできへんこともあるしな❤️」
「ああ〜確かに大きい買い物とかある時は電車移動はなかなかしんどいですもんね」
「そういうことじゃないけど、まあいっか!」
「?」
出発前にゆっくりしてしまったとは言え、時間はまだ正午にもなっていない。
雲一つない快晴の空。まさにドライブ日和だ。
「そういえば、どこに連れてってくれるんですか?」
「ちょっと郊外になるけど、家具屋とか安い食料品店とか入った大きめのモールがあってー。そこ行くよー」
「うわー!嬉しいです!こっち来てから遠出もあまりしてませんでしたし」
「おれは料理はあんませえへんけど、インスタント食品とかも安いしドライブがてら結構行くんよ」
「へえー!」
「ボクちゃんお金ちゃんとあるか?」
「休み前におろしてきたのでバッチリです」
「よっしゃ。ボクちゃんはバイトとかしてるん?」
「バイト探し中なんですよね。何か良いのがあると良いんですが」
「親御さんからの仕送りは?」
「いまはしてもらってます。今日は初期投資用にってまとまったお金をもらってたんでそれをありがたく使わせてもらおうかと」
「ほーか。ほなまぁ大丈夫そうやな!」
他愛のない会話をしながらも正面を見つめる宇津木さんの横顔はいつもよりも少し真剣で、また宇津木さんの新しい顔を見た気持ちになった。
「お昼どうしますか?」
「お腹けっこう空いてるな〜!マクドのドライブスル−でも寄ろか!ニンジャマック食べたい」
「あ。関西のヒトって本当にマクドって言うんですね」
「バカにしてるう!?言うよお!」
「いえいえそんな。マッキントッシュはマキトですか?」
「やっぱりバカにしてるなあ!ふふふ……ボクちゃんの命はいま俺が預かってるねんで……」
「ヒエッ!謝ります!でもマック、車にニオイつかないですか?」
「あらら気配り上手。結構まめに洗車と掃除してるし大丈夫やで〜」
「そういうもんですか」
宇津木さんと雑談を交わしているとカーステレオから軽快な音楽が流れてくる。
「れっつごーごーあそびにいこっ♪はんさむなじーてぃーでっ♪」
音楽に合わせて楽しそうに歌う宇津木さん。
そんなに上手ってわけじゃないけど、楽しそうな歌声が心地いい。
ドライブにはぴったりだ。
その後もドライブは続く。途中、ドライブスルーで購入したマック……マクドを食べつつ、車は軽快にアスファルトを噛んでゆく。
ナゲットあげる。だの、ポテト食べさせて〜だの言いながらハンドル操作をする宇津木さん。
あれ?なんかこれ付き合ってるみたいだな……いやいや、何を言ってるんだおれは。
いくら宇津木さんの距離感が近かろうが、よくしてくれようが、それとこれとは話が別だぞ……!
それに、宇津木さんに恋人がいないとは限らないし……。
そうだ。昨日のあの動画だって、誤送信だって言ってたし……。
あ、なんかちょっと落ち込んできた。
やめやめ。折角宇津木さんがこうして誘ってくれたんだから楽しもう!
小一時間ほど走ると目的地が見えてきた。
東京からそれだけ走ると流石に風景も田舎じみており、視界に緑が増えてくる。
「先に家具から見ようか〜」
「はいっありがとうございます」
宇津木さんは車を駐車場の隅の方に停めた。
施設までは少し遠いし、連休中とは言え物凄い混雑というわけでもないのにこの位置に停めたことを少し不思議に思ったが、まあ好みの問題かな?と思い特に追求はしなかった。
足取りも軽くアレコレと家具を見るおれと宇津木さん。
大きい家具はネットショッピングで買うこともできるが、サイズ感などはやはり実物を見ないとイメージしにくい。
デカいカートに半透明のシェルフなどを入れる。ああ、これで洋服をしまう事ができる……。感謝。
「そういえば昨日も言いましたけど、宇津木さんの部屋ってすごく綺麗ですよね。何か掃除のコツとかあるんですか?」
「コツは……なるだけゴミを出さない事と、出たらすぐに片付けることかな……。ゴミ箱は部屋毎に複数置くと楽。あとはとにかくほんの10分でもいいから毎日部屋の美化を習慣にすると自然と綺麗になる!」
ドドン!と言い切る宇津木さん。なんかカッコイイかも。
おれが感心して見習おうと思っているとあっ!と声を出した。
「なあ見て見てこれ!」
宇津木さんが指を差したのは飲み物などを注ぐカップのコーナーだった。
その先にあったのは……
「これ、ボクちゃんっぽいと思わん?」
黒猫の尻尾が持ち手になっている可愛いカップだった。
「ええ……。宇津木さんの中のぼくってこんな感じなんですか?」
「えー、違うか?嫌やった?」
「嫌じゃないです。なんか意外だなと思っただけでって…あっ」
その隣に並んだカップを見て驚いた。
黒猫のカップと同じ様なデザインの虎バージョンだ。
「これ。宇津木さんっぽいですね」
「ぶっ!ええ……確かに虎やけどお……こんな間抜けな顔かオレぇ」
思わず吹き出した宇津木さん。不服を訴える。
確かに癒し系というか、脱力系というか、気の抜けた表情をしているように見える。
でも宇津木さんの変に飾らないところを象徴しているようにも見えた。
「……なあボクちゃん。これ両方買おうか!」
「えっ」
「オレの部屋に置いとくからさ〜。またご飯一緒に食べるとき使おう!」
「……良いですよ」
なんか。
なんかそれって、本当に付き合ってるみたいじゃないか。
宇津木さんのことだからきっと他意は無いんだろうけど。
でも宇津木さんとの繋がりを感じられるような、なんだか心がフワフワする提案で……。
そう思ったけれど照れくさくて口に出せず、肯定するだけで精一杯だった。
「へっへっへお買い上げ〜❤️」
黒猫と虎とカップは仲良く並んで買い物かごに入れられた。
その後、宇津木さんからひとり暮らしに必要そうなものを教えてもらい参考にしながら買い物を済ませた。
ひとり暮らし慣れしている人と一緒に行ったせいか思ったよりも短い時間で家具は買い終わった。
「んじゃ次は食料品でも見ようか〜。まあ途中服とかでも気になるとこあったら言うて」
「はいっ!」
荷物をいったん車に積み込んだあと、そんな雑談をしながらモールを歩いていると若い女性数人のグループとすれ違った。
「あれっ?セン……」
女性グループの一人がすれ違いざまこちらを見てそんなことを言った。
セン…?なんだろう?
宇津木さんの方を見ると、口元で人差し指を立てている。静かにしてね。と言わんばかりに。
女性は何かを察した様にそのまま通りすがっていった。
「いまの女の人、お知り合いですか?」
「ん?気になるぅ?」
「…いえ別に」
まだ仲良くなって2日目の相手だ。
知らないことの方が多いに決まってる。
いくらこの2日で宇津木さんの色んな表情を見たからといって、それは宇津木さんのほんの一部でしかないのだ。
気にならない訳ではないが、簡単に踏み込まない方が良いことだってきっとある。
「つれへんな〜。なんてな。まぁその内わかるんちゃうかな!」
「はぁ」
おれは曖昧な相槌をうっておいた。
その内わかるってどういうことだろう。
「そういえば、晩ごはんってどうしますか?簡単なものでよければ作りましょうか」
「ふあ!ごめんなあ僕ちゃん。俺今日の夜も用事あんねん〜!」
「あっそうなんですね。大丈夫です」
夜に予定をよく入れるのかな。
まあ、あんな動画を送りつける相手がいるくらいだものな。恋人かな。
そう思ったが、口に出しては聞けなかった。
「せや!明日の朝ごはん一緒するのはどう!?」
「いいですよ!サンドイッチでも作りますよ」
「えっ!サンドイッチも作れるん!?僕ちゃんもしかして、料理の達人か〜!?」
「大袈裟ですよ!サンドイッチなんて誰でも作れますって」
「そおかなあ……」
「……カップ、早速役に立ちますね」
「お!せやな!」
サンドイッチに好きな具を挟んで、合わせて買ったカップに牛乳でもオレンジジュースでも注ぐ。
その光景は想像するだけでも、ずっと昔にあった両親と妹とおばあちゃんとの幸せな日曜日みたいだった。
「じゃあサンドイッチに挟むものでも買いましょう!」
「やったー!ハム買お!」
そんなこんなで買い出しを一通り終え、車に戻ることにはもうすぐ日が暮れ始める時間だった。
とは言えまだ全然明るい。
自販機で買ったお茶とコーヒーを飲みながら車に向かう。
「おっちゃんちょっと疲れたから少しだけ休んでもええ?」
「あ、はいもちろんです」
おれは別に疲れたというほどでもなかったが、運転するのは宇津木さんだ。
ソシャゲの周回でもしながら待っていよう。
「後ろ広くするわ〜」
そんなに大量の買い物をしたわけでもないから、車の後部にはまだ余裕はある。
宇津木さんは手早く車の後部座席を倒し寝転がれるようにした。
横からくるくると丸めたクッションシートを広げるとゴロンと寝転がる。
広めのタオルケットまで持ち出し準備が良すぎる。
「なんか…めっちゃ準備良いんですね」
「まあな❤️」
意味深な笑みを不思議に思いつつも助手席に乗りこもうとすると宇津木さんが不満そうな顔にコロッと変わる。
「こっちおいでやあ!」
ポフポフと座席を手で叩く素振りを見せる宇津木さん。いやいや……今日の朝は確かにそんな感じになりましたけどお!
「大人しく俺の抱き枕になり」
「はい……」
恥ずかしい、恥ずかしいけれど、どうにもこの虎おっさんの要求に弱い。
おれは多少不本意なポーズを見せつつも、後部座席に乗り込んだ。
「へっへっへー。素直でよろしい」
まあ、別に抱き枕にされててもソシャゲの周回くらいならできるし……。
などと思っていた自分が甘かった!
朝はその場の空気感で気にしてなかったけど、この虎おっさん色々デカいんだよ!
む、胸が……!腹が……!おれを抱き枕にしている腕が脚が……!
こんな状況でソシャゲの周回なんてできるか!!!!
文字通り、おれのすぐ背後で寝息を立てている宇津木さん。
心なしか何やら尻のあたりに気持ちのいい弾力性のあるものが当たっている気がする。
ちょっとずつ硬くなっている様な気がする!!!
無防備っていうか!なんですかこれ!!!
おれは心の中で大声で独白しながら気が気ではない。
童貞の敏感な身体は正直なもんで、そんな状況ではミコトくんのミコトくん。
つまりおれの愚息が情けないくらいに主張をしていた。
せめて宇津木さんにこれだけは気づかれませんように……。
と願いながら、おれは幸せな……もとい、悶々とした時間を過ごしていた。
30分ほど経った頃だろうか。
宇津木さんが目を覚ました。
「うーん。今何時?」
「30分くらいしか経ってないですよ」
後ろからなので表情が見えなかったのが幸いだった。
おれはなるべく平静を装いつつ答える。
「ほーか。結構スッキリしたわー。うーん僕ちゃんの肌すべすべしてて気持ちええなあ」
宇津木さんがおれの首筋にぐりぐりと鼻を当てる。
「ちょ…くすぐったいですから」
「えー……ごめんごめん」
普通に考えたら美味しすぎる状況ではあるが、やはり心臓に悪いので早く解放されたい。
その時だった。宇津木さんが、その股間から何か硬いものをグリッとわざと当ててきた。
起きてるんだから、明らかに不可抗力ではないだろう。
「ちょ……」
「なあ、昨日の動画見てどうやった?興奮した?」
「え…いや……その……」
「僕ちゃんにスケベなところ見られたと思うと、オッチャンたまらんかったわ」
耳元で囁くように言われる。朝の穏やかな声とも違う、なんとも艶のあるくぐもった声。
宇津木さんの言うことは何となく察している。
だって、その時の声まる聞こえだったし……。
「あの……昨日、声、聞こえてました……」
しどろもどろになりながら答えると、くつくつと笑いだす宇津木さん。
「わざと聞こえるようにやったって言ったらどうする?」
「!?!?」
わざと?
確かに新築でそんなに薄い壁でもないから、そんな声が聞こえてくることは不自然ではあるがわざと?なんのために?
「動画もほんまはわざと間違ったフリしたって言ったらどうする?」
「いや……あの……」
どうもこうも、どうしたらいいんだよ。
なんのためにそんなことするんだよ。
「動画みたいなこと生で見てみたくない?」
「……」
ごくり。と生唾を飲み込む。
おれのすぐ背後でもぞもぞ動き出す宇津木さん。
なにしてる?
「いま下ぜんぶ脱いだけど、あと10秒振りむかんかったら履き直すわな❤️」
「!」
「でも、振り向いたら昨日の動画みたいなことぜんぶ見てもらうで❤️10……9……8……」
どうする?どうするのが正解だ?
「7……6……5……」
見たいよ!見たい!
でも、仲良くなって昨日今日の相手のそんな……!
「俺のちんちん、ビンビンで見てほしがってるわ……4……3……2……」
も、もうどうにでもなれ……!
「1……。むふ❤️」
振り返ってしまった。
宇津木さんは下はズボンこそ脱いでいたもののしっかり下着はまだ着けており、別に股間もいわゆるビンビン状態ではなかった。
「ず、ずるいですよ……!」
「え〜?なにが?ビンビンのちんちん見たかったってこと?すけべ❤️」
さっきゴリッと当ててきたのは腕か膝だったのかな……。
「さて❤️じゃあ俺のすけべなとこ、僕ちゃんに見てもらおうかな❤️」
ゴソゴソ衣服を脱ぎ始める宇津木さん。
え!?ここでですか!?いくら車の中とは言えまだ明るいですけど!?
「大丈夫やって。端っこに停めたし、それに俺、見られるの好きやし❤️」
そういう問題だろうか?
おれの疑問をよそに宇津木さんはあっという間に全裸になってしまった。
っていうか初めからそのつもりで駐車場の隅に車を停めたのだろうか……。
宇津木さんの全裸を生で見るのは当然初めてな訳で、なにやら罪悪感がある。
またもごくりと生唾を飲み込んだ。
「えーと確かここに……」
何かを車の座席の後ろに置いていた箱から取り出す宇津木さん。
四つん這いの体勢で、その……!ケツと玉裏が丸見えなんですけどお!
「うん?どうしたん僕ちゃんジロジロ見て❤️おっちゃんのオメコ気になる?❤️」
「い、いえっそんな……」
アナル。とかケツの穴。とかじゃなくてオメコ……確か関西弁で女性器のことだとネットで見た記憶がある。
とにかくその女性器を自称するということは、その穴をその用途に普段から使っていると言っているのと同義な訳で……。
「もっと見てや❤️」
ふりふりとケツを揺らしながらこちらを見る宇津木さんの表情は目尻が下がり、ああ本当にこの人はスケベが好きなんだなと一目で解る。揺れるケツに追尾する様にたわわに膨んだ金玉とぶっとい尻尾が遅れて揺れた。
扇情的すぎるその光景に、おれの愚息はもうずっと主張しっぱなしだ。
きっと先はヌルヌルになっている。
少しの間、オメコを自称したケツの穴を見せつけたあと、宇津木さんはあるものを手にしていた。
「そ、それ……」
「ディルドやで❤️昨日の動画で見たやろ?いまからオッチャンのオメコにこれ挿れるからマバタキ禁止な❤️」
うっとりと陶酔した表情でぶっといディルドに頬擦りをする宇津木さん。
そのディルドの太さと言ったらおれの腕くらいはありそうだ。まあおれはそんなにガタイが良い方ではないが。
それでもいわゆるオメコに挿れるには十分すぎる程に太い。
「い、いつもそんな太いの挿れてるんですか……?」
意味不明な質問をしてしまう。目の前の光景はあまりにおれにとって情報量過多だ。
「せやで❤️最初に言ったやろ❤️これで前立腺コンコンコーンってすると、ビュービュー精子出てごっつ気持ちええねん❤️」
つまり今からその様子を見せてもらえると……。
もうこうなったら黙って見届けよう……。
宇津木さんはディルドに粘液性の液体を塗してゆく。ローションだろう。
さらに掌にローションを追加し、和式便所に跨る体勢で“オメコ“にも塗り込んでゆく。
グッチュグッチュと卑猥な音が車内に響く。
ディルドを挿れているシーンだけでなく、準備のシーンまで見せつけられているのだ。
「へへへ❤️恥ずかしいわあ❤️」
本当か?恥ずかしいなら見せなきゃいいのにと思うがその回答はすぐに返ってくる。
「オッチャン、恥ずかしいと興奮してまうねん❤️ほら、ちんちんビンビンやろ❤️」
確かに。
いや、確かにと冷静に納得している場合ではないのだが。
元々質量のある宇津木さんの股間は、更に質量を増し天を向いている。
血管が浮き出て立派にズル剥けたそれは、今から“オメコ“に挿れるそのディルドと同じくらい太いし長い。
こちらまで匂い立つような雄性のシンボルで同じ男としては羨望を覚えてしまう。
本来なら、こっちを使えば悦ばない相手はいないんじゃないだろうか?などとも思うが、どうやら宇津木さんの好みは“オメコ“を使う方の様で……。
「よいしょ」
などと言うところはやはりおじさん性を少し感じてしまう。
クッションシートの上に横たわりこちらに向けてカエルの様に脚を広げるその虎の姿は、情けない姿とも紙一重で普段のヤンチャで快活な姿からは想像もできないほど官能を体現しており、こちらの情欲をそそる。
「すけべな眼してるなあ❤️オッチャンそんな眼されたら堪らんわ❤️」
この虎はもしかするとマゾヒストなのかもしれない。
ふとそう思った。
「ほな挿れるからな❤️よう見ててや❤️」
ぐいっとおれは顔を近づけてみる。
「おほっ❤️僕ちゃんエエ勘してるやん!❤️おもちゃのちんぽでオメコめくれるとこ近くで見てや!❤️❤️」
思った通りだ。おれはサディストではないが、宇津木さんが気持ちよくなるなら協力したい。
ツプッという小さな音を立てて、宇津木さんの“オメコ“の肉ヒダが一枚一枚開いてディルドを飲み込んでゆく。
「すげえ……。やらしい……」
「あはぁ❤️❤️僕ちゃんに見られてる……❤️」
快感を体現するように虎がその言葉を発した瞬間、全身の毛皮が逆毛立ち、元々ぶっとい尻尾がいっそう太くなる。
ディルドを挿れた時にびくんと跳ね上がった男根の先からは、ジワリと透明な液体が滲み出た。
本当に気持ちいいのが視覚的にも見て取れる。
ズブズブと、男根を象ったおもちゃを慣れた手付きで自ら“オメコ“に沈めてゆく。
「お゛っほ……全部入ったぁ❤️」
信じられないがあんなに太く長かったディルドをほぼ根本まで飲み込んでしまった。
「宇津木さん、気持ちいいんですか?」
「おうっ❤️気持ちええよ❤️ほら見てや、ちんちんの先っぽから我慢汁どくどく出てるやろ〜❤️❤️もうたまらん❤️」
確かにさっきよりも透明の液体が出ており、男根を滴って金玉を伝いディルドまで流れている。
これじゃあもうローションで滑らせる必要無いんじゃないか?
ローションと自身の我慢汁が混ざり合ってディルドがテカテカと光っている。
「動かすから見ててな❤️お゛っほ゛ぉ…❤️❤️」
概念上の“ちんぽ“を“オメコ”に出し入れし始める宇津木さん。
その姿はおれにとってはエロスを塗り固めた存在そのもので、表情からはもう射精のことしか考えられないのが見て取れるほど弛緩し、紅潮している。
ヌッポヌッポと情けない音が宇津木さんの“オメコ“から響く車内は、宇津木さんから発される汗で湿度が上がり宇津木さんのニオイで充満している。
朝感じた甘さを含んだようなニオイではあるが、今はほんの少し酸っぱさを含んだ男くささの割合の方が勝っている。
腋から、首筋から、股間から、足からニオイ立っている様に思えた。
「お゛っ❤️ほっ❤️お゛!❤️」
“オメコ“に“ちんぽ“を出し入れする度に、雄くさい汚い喘ぎ声をあげる。
手出ししようかとも思うが、真に見られるのが好きだとしたらそれはポリシーに反するかもしれないと思い、やめた。
この卑猥で雄性の全てをかなぐり捨てた情けない姿を最後まで見守ろう。
「あ゛っ❤️僕ちゃん❤️やっぱエエわ❤️最高っ❤️」
いよいよローションの量を上回ったんじゃないかと思うほどに、宇津木さんの本来の役目を果たしていないであろうちんぽからは我慢汁が時おり勢いを付けて溢れ出てくる。
もし本当に宇津木さんがそのちんぽを挿入に使用していないんだとしたら、いま目の前にある概念上のちんぽことディルドの方がちんぽとしては役目を果たしていることになる。
ただの卑猥な液体発射器官でしかないそれは、白濁の割合が増えた自らの卑猥な液体でコーティングされ、俺は快楽の為だけの存在です。と言わんばかりに余計にその卑猥さを主張させていた。
最初からそうは言っていたけど、宇津木さんがこんなヒトだったなんて。
本気で失望するわけじゃないけれど、変態マゾ虎ならばと勘を働かせてみた。
「あひっ❤️僕ちゃんっ❤️その眼…❤️」
蔑んだ表情をわざと見せてみた。
「最高っ❤️お゛ーっ!❤️たまらんっ❤️オメコじんじんしてまうっ❤️」
「僕ちゃんに情けないとこ見られてるっ❤️❤️❤️❤️❤️❤️」
卑猥な言葉で自らを盛り上げているのがわかる。
「宇津木さん。最初に会った時に乳首と金玉感じるって言ってましたよね。見たいです」
「はひっ❤️❤️見て❤️❤️乳首摘んで尻尾で金玉いじってオメコずぽずぽしながらちんちんイジってるとこ見てぇ❤️❤️」
そう言うと大股を開いた体勢で、片手で乳首を摘み片手で役立たずちんぽを扱きながら、言ってた様に尻尾で金玉を弄り始める。ディルドの方は足を使い出し入れさせ始めた。
いくら快感のことしか頭に無いとは言え、ここまでやるか?器用なことだ。
「これいつもやってるやつなんですね」
「そうっ!❤️❤️❤️これいつもやってるぅ❤️❤️これでいつもしゃせいしてるっ❤️❤️」
「じゃあ最後まで見せてくれるんですよね?」
「うんっ!❤️❤️俺の恥ずかしいしゃせい見てっ!❤️❤️やらしいとこ全部見て❤️❤️せいしびゅーびゅー出すから❤️❤️❤️❤️」
宇津木さんは自分の言葉に陶酔している。
目尻はだらんと下がり、瞳はハート型になっている様に見えた。
「お゛ーっ!❤️❤️で、出るっ!❤️❤️ちかくで見て❤️❤️汁出すとこ❤️❤️見て❤️❤️お゛っ❤️❤️
ほ゛っ❤️❤️」
限界が近そうだった。
「うわ変態」
その言葉をトリガーにする様に、宇津木さんは大きくのけぞった。
「ひっ❤️❤️ぐ❤️お゛ほぉっ❤️❤️お゛ーーーっ!!!❤️❤️❤️出てるっ!せーし出てるっ❤️❤️」
大射精と言っても差し支えは無いだろう。
びゅるっ!!!!びゅくっ!!!!という音がはっきり聞こえるくらいの幕切れだった。
第一射はなんと車の天井まで届くほどの勢いでそのあと宇津木さん自身の顔を、胸を、吐精の度に汚していく。
「あっ❤️❤️やば❤️❤️止まらんっ❤️まだ❤️漏れっ❤️❤️あっん❤️」
「すげー…やらしい……」
「やっ…まっ…は、はずい…❤️」
一旦射精して少し頭が冷えたのか、見せつけて恥ずかしがるのとは一味違う、本当に恥ずかしがって隠したがっている様子が見えた。
いや、これもエロい。
精子が出なくなった後も、宇津木さんのちんぽはびくんびくんと跳ね上がり、徐々にその跳ね上がりも小さくなっていった。
その頃には宇津木さんの顔も腹も精子まみれでベトベトになっていた。
「はぁ…はぁ…め、めっちゃ出た……ここ最近で一番出たかもわからん…」
「カッコよかったです」
「か、カッコよかったって…わーもう。恥ずかしい!」
なんだこの人。あんなに自分から見せつけてきたくせに、そのギャップはあまりにもずるい。
「ごめえん。ちょっとそこにティッシュあるから取ってくれへん」
「はいっ」
おれは傍に置いていた箱ティッシュを取り何枚か取って宇津木さんの身体を拭く。
「わー、ええよええよ。ばっちいで」
「ばっち?」
「汚いよって」
「汚くないですよ」
「ほ、ほーか……」
そこで宇津木さんのケツにディルドが挿さりっぱなしなことに気付く。
手をのばしててみた。
「わっ……ええよ!自分で抜くからぁ!」
「じゃあ抜くところ見たいです」
「……さっきも思ったけど僕ちゃん結構ノリ良いよな…」
「嫌ですか?」
「好きやで❤️…んっ❤️」
そう言って、“オメコ“から引き抜かれたディルドはさっきまでの痴態を証明するようにヌラヌラとしていた。
さっきまでディルドが入ってた穴はぽっかりその口を開けておりいやらしい。
「へっへっへ❤️めーっちゃ気持ちよかったわ❤️僕ちゃんありがとうな❤️」
「いえ!こちらこそ。ありがとうございました」
この場合ありがとうございましたで良いのか?
「へへっ。おもろい子やな❤️また見てな❤️」
「はいっ」
「そろそろ日も暮れそうやし。帰ろうか!」
「はいっ!」
同じ場所に出かけて、同じ場所に帰る。
隣人ならではの利点だろう。
宇津木さんの知らなかった一面を見て、また仲良くなれた様な気がした。
どういうつもりでおれに接してくれているのかはわからないけれど、宇津木さんが魅力的な人物であるのは間違いない。
春からの鬱屈したひとり暮らしは、宇津木さんのお陰で少しずつドキドキする様な毎日に変わっている。
間違いなくおれは宇津木さんに惹かれていることを、この後一人で夕食を食べている時に寂しさと共に実感するのだった。
ああ、早く朝にならないだろうか。
早くあの距離感の近い、心臓に悪い、賑やかな虎に会いたい。
早く、並べた虎と黒猫のカップを使いたい。
早く。
ー続くー
さて、何から話すべきだろう。
春から大学生になったおれ一文字命(いちもんじみこと)は、初めての一人暮らしをスタートさせる。
幸運にも?隣人はタイプど真ん中。筋骨隆々な虎獣人のおっさんだったわけでそこは良い。
ひょんなことからその隣人虎おっさんこと宇津木マタタビさんとゲームをしたり食事をしたりして少し仲良くなるのだが、このおっさんやたら距離感が近くて心臓に悪い。
おまけにちょっとした事故でそのおっさんのアナニー動画まで見ることになってしまう。……事故だよな?
そんな隣人虎おっさんに誘われ、今日は買い物に連れて行ってもらうことになった。
ここまでがこれまでのあらすじ。
一体おれ、これからどうなるんだ?
👦🏻🐯
「すいません!ちょっと顔洗ったりするんで座って待っててもらえますか?いまお茶出しますね」
「ありがとお!」
一緒にゲームして食事してちょっとした事故でアナニー動画を見てしまった翌日の朝、宇津木さんが唐突にうちの呼び鈴を押したのである。
あんな動画を見てしまって気まずいなと思っていた杞憂はその笑顔で一瞬にして吹き飛んだわけだが…。
宇津木さんにとっては少し手狭であろうワンルームへと案内する。
まだ真新しい部屋に自分以外の人を入れるのは初めてのことだ。
「あれ?」
「ん?どうかしましたか?」
ワンルームということは寝床がそのまま居住スペースになっているわけで、つまり一目でおれの生活の全てが丸わかりということ。まだそんなに荷物が多いわけではないし、散らかっているわけでもないから見られてまずいものがあるわけではないと思うが……。いまの「あれ?」は一体なんだ?
「ボクちゃん、もしかして恋人いる?」
「は?」
思いもよらぬ疑問を投げかけられ、つい素っ頓狂な声が出た。
上京してまだ間もない……いや、それは言い訳にすぎないが、陰キャで非モテなおれに恋人なんているわけがない。
いつもいわゆる出会いアプリを眺めながら溜め息をもらしているくらいだ。
自分で言うのも情けないが、それが事実だ。
「え?だってダブルベッドやから誰か一緒に寝る人がいてるんかな思て」
「…………」
「……え?なんかあかん事聞いた……?」
死ぬほど恥ずかしい。
しかし図体がでかい訳でもないおれは、ダブルベッドを使う他の理由を見つけることができず正直に吐き出してしまった。
「……それは……都会に……出て……恋人ができることを……夢見て……奮発しただけで……いま現在そういう仲の人が………いるわけでは決して……ありません……」
顔から火が出るほど恥ずかしいというのはこういうことか。穴があったらいっそ死にたい。
などと慣用句の無茶苦茶な魔改造を脳内でして恥ずかしがっていると、宇津木さんはニコーっと笑いはじめた。
「なーんや!よかった!」
良かった!?何が!?
もしかしてバカにしてますう!?
恥ずかしさで半泣きになりながらおれは黙って耐えていると、宇津木さんがニコッとこちらを向く。
「なあなあ、ちょっとダブルベッド寝転がってもええ?上着は脱ぐし」
「え、良いですけど」
そう言うと上に羽織っていた薄い半袖のシャツをするすると脱ぎ、簡単に畳んで被っていた帽子と共にベッド傍の机の上に置いた。
ガサツそうに見えるけどこういう何気ない所作が丁寧なんだよなあ……。
「わー新品やからふかふかやねえ。気持ちいい」
ダブルベッドが珍しいという訳でもないだろうけど、広いベッドを見るとゴロンとしたくなる気持ちは解る。
無邪気にゴロゴロする姿はさながら大きいネコチャンだな。なんて思いながら、おれは冷蔵庫から取り出したペットボトルの麦茶をガラス製のコップに注ぎ机に置いた。宇津木さんがゴロゴロしてる間に玄関とワンルームの中間にある洗面所で洗顔と歯磨きを済ませる。整髪は……ええい。この癖毛をしっかり直すには宇津木さんを待たせ過ぎてしまう。もう今日は帽子にしよう。
宇津木さんの前で着替えるのは恥ずかしいから洗面所で着替えよう。いったん着替えを取りに洗面所から部屋に戻る。
ここまでの所要時間7分。いえ、ちゃんと洗顔も歯磨きもしましたとも。不潔なんかじゃない。
パタパタと部屋に戻ると、ベッドの傍の窓から爽やかな初夏の日差しを受け止めきれずに少し膨らんだカーテンをバックにして、ダブルベッドに寝転んだ宇津木さんがこちらを見ながら微笑んだ。
今まで行ったどの美術館にも飾ってはいない、人生で初めて見惚れてしまう様な画に思わず固唾を飲む。
ほんの数瞬、目と目が合った。
穏やかな眼をした隣人は、やっぱり初めて見る表情でこちらに向かって両手を広げる。
「おいでー」
普段なら絶対恥ずかしくて拒否するけれど、その光景に陶酔していたのかもしれない。
それか宇津木さんには人を惹きつける何かがあるんだろう。
吸い込まれるように腕の中に収まった。
「へっへっへ。捕まえた❤️」
「……お出かけ、しないんですか」
「するよお。でも急がんでも大丈夫」
いつもの元気いっぱいな宇津木さんとは違う、おれにだけ聞こえれば良いくらいに調節したボリュームの穏やかな声だ。
すっぽりと腕の中に収まったおれを、まるでやや子をあやすように撫でている。
宇津木さんのふかふかの毛皮はまだ春を引きずった空気を含んで暖かい。甘さの相まった男のニオイを鼻腔がくすぐる。
ああ、宇津木さんの部屋ってこの匂いだったのか。不快な臭さとは違う宇津木さんのニオイだ。
おれは一人勝手に納得した。
「いいこいいこ」
「……赤ちゃんじゃないですよ」
「んー?じゃあ……命くん命くん」
「なんですそれ」
初めてボクちゃんじゃなくて名前で呼ばれて少し嬉しかった。
「へっへっへ。ぎゅーっ」
「うぷっ」
いや、あのですね、む、むむ、胸が…。
雄っぱい呼ぶに相応しい、その豊満で柔らかな胸におれの顔を押し付けるようにして強めに抱擁される。
ここが天国かぁ。
ではない。い、息ができない。雄っぱい窒息死も悪くはないが、おれの生存本能が酸素をもとめる。
「むーっむーっ!」
「あ、ごめん」
「ぷはっ!し、しぬかとおもった……」
「ごめえん。俺の双子山が……」
上手いこと言おうとするんじゃないっ!
おれは抗議しようとするがニコニコした宇津木さんの顔を見てやめた。
どうにもこの笑顔に弱い。
昨日の朗らかにゲームをしてた宇津木さん、少年の様にカレーを頬張っていた宇津木さん、人には見せない痴態を晒していた宇津木さん、そして今のこの穏やかな宇津木さん。
どれが本当の宇津木さんなのだろう。
おれは少しだけ自分が宇津木さんに惹かれ始めていることを自覚していた。
穏やかな穏やかな時間だった。
❤️👦🏻🐯
「さーて!じゃあ行こっか!」
乗り込んだ車のハンドルを握りしめアクセルを踏み込む宇津木さん。
都会の暮らしでは車はそんなに必要無いとネットとかで見ていたけれど、趣味で乗るには少し大きいような気もする。いや、車には詳しくないからそれが普通なのかもしれないけれど。
「車お好きなんですか?」
「ん?まあね!車というか運転はすきやで〜。それに車でしかできへんこともあるしな❤️」
「ああ〜確かに大きい買い物とかある時は電車移動はなかなかしんどいですもんね」
「そういうことじゃないけど、まあいっか!」
「?」
出発前にゆっくりしてしまったとは言え、時間はまだ正午にもなっていない。
雲一つない快晴の空。まさにドライブ日和だ。
「そういえば、どこに連れてってくれるんですか?」
「ちょっと郊外になるけど、家具屋とか安い食料品店とか入った大きめのモールがあってー。そこ行くよー」
「うわー!嬉しいです!こっち来てから遠出もあまりしてませんでしたし」
「おれは料理はあんませえへんけど、インスタント食品とかも安いしドライブがてら結構行くんよ」
「へえー!」
「ボクちゃんお金ちゃんとあるか?」
「休み前におろしてきたのでバッチリです」
「よっしゃ。ボクちゃんはバイトとかしてるん?」
「バイト探し中なんですよね。何か良いのがあると良いんですが」
「親御さんからの仕送りは?」
「いまはしてもらってます。今日は初期投資用にってまとまったお金をもらってたんでそれをありがたく使わせてもらおうかと」
「ほーか。ほなまぁ大丈夫そうやな!」
他愛のない会話をしながらも正面を見つめる宇津木さんの横顔はいつもよりも少し真剣で、また宇津木さんの新しい顔を見た気持ちになった。
「お昼どうしますか?」
「お腹けっこう空いてるな〜!マクドのドライブスル−でも寄ろか!ニンジャマック食べたい」
「あ。関西のヒトって本当にマクドって言うんですね」
「バカにしてるう!?言うよお!」
「いえいえそんな。マッキントッシュはマキトですか?」
「やっぱりバカにしてるなあ!ふふふ……ボクちゃんの命はいま俺が預かってるねんで……」
「ヒエッ!謝ります!でもマック、車にニオイつかないですか?」
「あらら気配り上手。結構まめに洗車と掃除してるし大丈夫やで〜」
「そういうもんですか」
宇津木さんと雑談を交わしているとカーステレオから軽快な音楽が流れてくる。
「れっつごーごーあそびにいこっ♪はんさむなじーてぃーでっ♪」
音楽に合わせて楽しそうに歌う宇津木さん。
そんなに上手ってわけじゃないけど、楽しそうな歌声が心地いい。
ドライブにはぴったりだ。
その後もドライブは続く。途中、ドライブスルーで購入したマック……マクドを食べつつ、車は軽快にアスファルトを噛んでゆく。
ナゲットあげる。だの、ポテト食べさせて〜だの言いながらハンドル操作をする宇津木さん。
あれ?なんかこれ付き合ってるみたいだな……いやいや、何を言ってるんだおれは。
いくら宇津木さんの距離感が近かろうが、よくしてくれようが、それとこれとは話が別だぞ……!
それに、宇津木さんに恋人がいないとは限らないし……。
そうだ。昨日のあの動画だって、誤送信だって言ってたし……。
あ、なんかちょっと落ち込んできた。
やめやめ。折角宇津木さんがこうして誘ってくれたんだから楽しもう!
小一時間ほど走ると目的地が見えてきた。
東京からそれだけ走ると流石に風景も田舎じみており、視界に緑が増えてくる。
「先に家具から見ようか〜」
「はいっありがとうございます」
宇津木さんは車を駐車場の隅の方に停めた。
施設までは少し遠いし、連休中とは言え物凄い混雑というわけでもないのにこの位置に停めたことを少し不思議に思ったが、まあ好みの問題かな?と思い特に追求はしなかった。
足取りも軽くアレコレと家具を見るおれと宇津木さん。
大きい家具はネットショッピングで買うこともできるが、サイズ感などはやはり実物を見ないとイメージしにくい。
デカいカートに半透明のシェルフなどを入れる。ああ、これで洋服をしまう事ができる……。感謝。
「そういえば昨日も言いましたけど、宇津木さんの部屋ってすごく綺麗ですよね。何か掃除のコツとかあるんですか?」
「コツは……なるだけゴミを出さない事と、出たらすぐに片付けることかな……。ゴミ箱は部屋毎に複数置くと楽。あとはとにかくほんの10分でもいいから毎日部屋の美化を習慣にすると自然と綺麗になる!」
ドドン!と言い切る宇津木さん。なんかカッコイイかも。
おれが感心して見習おうと思っているとあっ!と声を出した。
「なあ見て見てこれ!」
宇津木さんが指を差したのは飲み物などを注ぐカップのコーナーだった。
その先にあったのは……
「これ、ボクちゃんっぽいと思わん?」
黒猫の尻尾が持ち手になっている可愛いカップだった。
「ええ……。宇津木さんの中のぼくってこんな感じなんですか?」
「えー、違うか?嫌やった?」
「嫌じゃないです。なんか意外だなと思っただけでって…あっ」
その隣に並んだカップを見て驚いた。
黒猫のカップと同じ様なデザインの虎バージョンだ。
「これ。宇津木さんっぽいですね」
「ぶっ!ええ……確かに虎やけどお……こんな間抜けな顔かオレぇ」
思わず吹き出した宇津木さん。不服を訴える。
確かに癒し系というか、脱力系というか、気の抜けた表情をしているように見える。
でも宇津木さんの変に飾らないところを象徴しているようにも見えた。
「……なあボクちゃん。これ両方買おうか!」
「えっ」
「オレの部屋に置いとくからさ〜。またご飯一緒に食べるとき使おう!」
「……良いですよ」
なんか。
なんかそれって、本当に付き合ってるみたいじゃないか。
宇津木さんのことだからきっと他意は無いんだろうけど。
でも宇津木さんとの繋がりを感じられるような、なんだか心がフワフワする提案で……。
そう思ったけれど照れくさくて口に出せず、肯定するだけで精一杯だった。
「へっへっへお買い上げ〜❤️」
黒猫と虎とカップは仲良く並んで買い物かごに入れられた。
その後、宇津木さんからひとり暮らしに必要そうなものを教えてもらい参考にしながら買い物を済ませた。
ひとり暮らし慣れしている人と一緒に行ったせいか思ったよりも短い時間で家具は買い終わった。
「んじゃ次は食料品でも見ようか〜。まあ途中服とかでも気になるとこあったら言うて」
「はいっ!」
荷物をいったん車に積み込んだあと、そんな雑談をしながらモールを歩いていると若い女性数人のグループとすれ違った。
「あれっ?セン……」
女性グループの一人がすれ違いざまこちらを見てそんなことを言った。
セン…?なんだろう?
宇津木さんの方を見ると、口元で人差し指を立てている。静かにしてね。と言わんばかりに。
女性は何かを察した様にそのまま通りすがっていった。
「いまの女の人、お知り合いですか?」
「ん?気になるぅ?」
「…いえ別に」
まだ仲良くなって2日目の相手だ。
知らないことの方が多いに決まってる。
いくらこの2日で宇津木さんの色んな表情を見たからといって、それは宇津木さんのほんの一部でしかないのだ。
気にならない訳ではないが、簡単に踏み込まない方が良いことだってきっとある。
「つれへんな〜。なんてな。まぁその内わかるんちゃうかな!」
「はぁ」
おれは曖昧な相槌をうっておいた。
その内わかるってどういうことだろう。
「そういえば、晩ごはんってどうしますか?簡単なものでよければ作りましょうか」
「ふあ!ごめんなあ僕ちゃん。俺今日の夜も用事あんねん〜!」
「あっそうなんですね。大丈夫です」
夜に予定をよく入れるのかな。
まあ、あんな動画を送りつける相手がいるくらいだものな。恋人かな。
そう思ったが、口に出しては聞けなかった。
「せや!明日の朝ごはん一緒するのはどう!?」
「いいですよ!サンドイッチでも作りますよ」
「えっ!サンドイッチも作れるん!?僕ちゃんもしかして、料理の達人か〜!?」
「大袈裟ですよ!サンドイッチなんて誰でも作れますって」
「そおかなあ……」
「……カップ、早速役に立ちますね」
「お!せやな!」
サンドイッチに好きな具を挟んで、合わせて買ったカップに牛乳でもオレンジジュースでも注ぐ。
その光景は想像するだけでも、ずっと昔にあった両親と妹とおばあちゃんとの幸せな日曜日みたいだった。
「じゃあサンドイッチに挟むものでも買いましょう!」
「やったー!ハム買お!」
そんなこんなで買い出しを一通り終え、車に戻ることにはもうすぐ日が暮れ始める時間だった。
とは言えまだ全然明るい。
自販機で買ったお茶とコーヒーを飲みながら車に向かう。
「おっちゃんちょっと疲れたから少しだけ休んでもええ?」
「あ、はいもちろんです」
おれは別に疲れたというほどでもなかったが、運転するのは宇津木さんだ。
ソシャゲの周回でもしながら待っていよう。
「後ろ広くするわ〜」
そんなに大量の買い物をしたわけでもないから、車の後部にはまだ余裕はある。
宇津木さんは手早く車の後部座席を倒し寝転がれるようにした。
横からくるくると丸めたクッションシートを広げるとゴロンと寝転がる。
広めのタオルケットまで持ち出し準備が良すぎる。
「なんか…めっちゃ準備良いんですね」
「まあな❤️」
意味深な笑みを不思議に思いつつも助手席に乗りこもうとすると宇津木さんが不満そうな顔にコロッと変わる。
「こっちおいでやあ!」
ポフポフと座席を手で叩く素振りを見せる宇津木さん。いやいや……今日の朝は確かにそんな感じになりましたけどお!
「大人しく俺の抱き枕になり」
「はい……」
恥ずかしい、恥ずかしいけれど、どうにもこの虎おっさんの要求に弱い。
おれは多少不本意なポーズを見せつつも、後部座席に乗り込んだ。
「へっへっへー。素直でよろしい」
まあ、別に抱き枕にされててもソシャゲの周回くらいならできるし……。
などと思っていた自分が甘かった!
朝はその場の空気感で気にしてなかったけど、この虎おっさん色々デカいんだよ!
む、胸が……!腹が……!おれを抱き枕にしている腕が脚が……!
こんな状況でソシャゲの周回なんてできるか!!!!
文字通り、おれのすぐ背後で寝息を立てている宇津木さん。
心なしか何やら尻のあたりに気持ちのいい弾力性のあるものが当たっている気がする。
ちょっとずつ硬くなっている様な気がする!!!
無防備っていうか!なんですかこれ!!!
おれは心の中で大声で独白しながら気が気ではない。
童貞の敏感な身体は正直なもんで、そんな状況ではミコトくんのミコトくん。
つまりおれの愚息が情けないくらいに主張をしていた。
せめて宇津木さんにこれだけは気づかれませんように……。
と願いながら、おれは幸せな……もとい、悶々とした時間を過ごしていた。
30分ほど経った頃だろうか。
宇津木さんが目を覚ました。
「うーん。今何時?」
「30分くらいしか経ってないですよ」
後ろからなので表情が見えなかったのが幸いだった。
おれはなるべく平静を装いつつ答える。
「ほーか。結構スッキリしたわー。うーん僕ちゃんの肌すべすべしてて気持ちええなあ」
宇津木さんがおれの首筋にぐりぐりと鼻を当てる。
「ちょ…くすぐったいですから」
「えー……ごめんごめん」
普通に考えたら美味しすぎる状況ではあるが、やはり心臓に悪いので早く解放されたい。
その時だった。宇津木さんが、その股間から何か硬いものをグリッとわざと当ててきた。
起きてるんだから、明らかに不可抗力ではないだろう。
「ちょ……」
「なあ、昨日の動画見てどうやった?興奮した?」
「え…いや……その……」
「僕ちゃんにスケベなところ見られたと思うと、オッチャンたまらんかったわ」
耳元で囁くように言われる。朝の穏やかな声とも違う、なんとも艶のあるくぐもった声。
宇津木さんの言うことは何となく察している。
だって、その時の声まる聞こえだったし……。
「あの……昨日、声、聞こえてました……」
しどろもどろになりながら答えると、くつくつと笑いだす宇津木さん。
「わざと聞こえるようにやったって言ったらどうする?」
「!?!?」
わざと?
確かに新築でそんなに薄い壁でもないから、そんな声が聞こえてくることは不自然ではあるがわざと?なんのために?
「動画もほんまはわざと間違ったフリしたって言ったらどうする?」
「いや……あの……」
どうもこうも、どうしたらいいんだよ。
なんのためにそんなことするんだよ。
「動画みたいなこと生で見てみたくない?」
「……」
ごくり。と生唾を飲み込む。
おれのすぐ背後でもぞもぞ動き出す宇津木さん。
なにしてる?
「いま下ぜんぶ脱いだけど、あと10秒振りむかんかったら履き直すわな❤️」
「!」
「でも、振り向いたら昨日の動画みたいなことぜんぶ見てもらうで❤️10……9……8……」
どうする?どうするのが正解だ?
「7……6……5……」
見たいよ!見たい!
でも、仲良くなって昨日今日の相手のそんな……!
「俺のちんちん、ビンビンで見てほしがってるわ……4……3……2……」
も、もうどうにでもなれ……!
「1……。むふ❤️」
振り返ってしまった。
宇津木さんは下はズボンこそ脱いでいたもののしっかり下着はまだ着けており、別に股間もいわゆるビンビン状態ではなかった。
「ず、ずるいですよ……!」
「え〜?なにが?ビンビンのちんちん見たかったってこと?すけべ❤️」
さっきゴリッと当ててきたのは腕か膝だったのかな……。
「さて❤️じゃあ俺のすけべなとこ、僕ちゃんに見てもらおうかな❤️」
ゴソゴソ衣服を脱ぎ始める宇津木さん。
え!?ここでですか!?いくら車の中とは言えまだ明るいですけど!?
「大丈夫やって。端っこに停めたし、それに俺、見られるの好きやし❤️」
そういう問題だろうか?
おれの疑問をよそに宇津木さんはあっという間に全裸になってしまった。
っていうか初めからそのつもりで駐車場の隅に車を停めたのだろうか……。
宇津木さんの全裸を生で見るのは当然初めてな訳で、なにやら罪悪感がある。
またもごくりと生唾を飲み込んだ。
「えーと確かここに……」
何かを車の座席の後ろに置いていた箱から取り出す宇津木さん。
四つん這いの体勢で、その……!ケツと玉裏が丸見えなんですけどお!
「うん?どうしたん僕ちゃんジロジロ見て❤️おっちゃんのオメコ気になる?❤️」
「い、いえっそんな……」
アナル。とかケツの穴。とかじゃなくてオメコ……確か関西弁で女性器のことだとネットで見た記憶がある。
とにかくその女性器を自称するということは、その穴をその用途に普段から使っていると言っているのと同義な訳で……。
「もっと見てや❤️」
ふりふりとケツを揺らしながらこちらを見る宇津木さんの表情は目尻が下がり、ああ本当にこの人はスケベが好きなんだなと一目で解る。揺れるケツに追尾する様にたわわに膨んだ金玉とぶっとい尻尾が遅れて揺れた。
扇情的すぎるその光景に、おれの愚息はもうずっと主張しっぱなしだ。
きっと先はヌルヌルになっている。
少しの間、オメコを自称したケツの穴を見せつけたあと、宇津木さんはあるものを手にしていた。
「そ、それ……」
「ディルドやで❤️昨日の動画で見たやろ?いまからオッチャンのオメコにこれ挿れるからマバタキ禁止な❤️」
うっとりと陶酔した表情でぶっといディルドに頬擦りをする宇津木さん。
そのディルドの太さと言ったらおれの腕くらいはありそうだ。まあおれはそんなにガタイが良い方ではないが。
それでもいわゆるオメコに挿れるには十分すぎる程に太い。
「い、いつもそんな太いの挿れてるんですか……?」
意味不明な質問をしてしまう。目の前の光景はあまりにおれにとって情報量過多だ。
「せやで❤️最初に言ったやろ❤️これで前立腺コンコンコーンってすると、ビュービュー精子出てごっつ気持ちええねん❤️」
つまり今からその様子を見せてもらえると……。
もうこうなったら黙って見届けよう……。
宇津木さんはディルドに粘液性の液体を塗してゆく。ローションだろう。
さらに掌にローションを追加し、和式便所に跨る体勢で“オメコ“にも塗り込んでゆく。
グッチュグッチュと卑猥な音が車内に響く。
ディルドを挿れているシーンだけでなく、準備のシーンまで見せつけられているのだ。
「へへへ❤️恥ずかしいわあ❤️」
本当か?恥ずかしいなら見せなきゃいいのにと思うがその回答はすぐに返ってくる。
「オッチャン、恥ずかしいと興奮してまうねん❤️ほら、ちんちんビンビンやろ❤️」
確かに。
いや、確かにと冷静に納得している場合ではないのだが。
元々質量のある宇津木さんの股間は、更に質量を増し天を向いている。
血管が浮き出て立派にズル剥けたそれは、今から“オメコ“に挿れるそのディルドと同じくらい太いし長い。
こちらまで匂い立つような雄性のシンボルで同じ男としては羨望を覚えてしまう。
本来なら、こっちを使えば悦ばない相手はいないんじゃないだろうか?などとも思うが、どうやら宇津木さんの好みは“オメコ“を使う方の様で……。
「よいしょ」
などと言うところはやはりおじさん性を少し感じてしまう。
クッションシートの上に横たわりこちらに向けてカエルの様に脚を広げるその虎の姿は、情けない姿とも紙一重で普段のヤンチャで快活な姿からは想像もできないほど官能を体現しており、こちらの情欲をそそる。
「すけべな眼してるなあ❤️オッチャンそんな眼されたら堪らんわ❤️」
この虎はもしかするとマゾヒストなのかもしれない。
ふとそう思った。
「ほな挿れるからな❤️よう見ててや❤️」
ぐいっとおれは顔を近づけてみる。
「おほっ❤️僕ちゃんエエ勘してるやん!❤️おもちゃのちんぽでオメコめくれるとこ近くで見てや!❤️❤️」
思った通りだ。おれはサディストではないが、宇津木さんが気持ちよくなるなら協力したい。
ツプッという小さな音を立てて、宇津木さんの“オメコ“の肉ヒダが一枚一枚開いてディルドを飲み込んでゆく。
「すげえ……。やらしい……」
「あはぁ❤️❤️僕ちゃんに見られてる……❤️」
快感を体現するように虎がその言葉を発した瞬間、全身の毛皮が逆毛立ち、元々ぶっとい尻尾がいっそう太くなる。
ディルドを挿れた時にびくんと跳ね上がった男根の先からは、ジワリと透明な液体が滲み出た。
本当に気持ちいいのが視覚的にも見て取れる。
ズブズブと、男根を象ったおもちゃを慣れた手付きで自ら“オメコ“に沈めてゆく。
「お゛っほ……全部入ったぁ❤️」
信じられないがあんなに太く長かったディルドをほぼ根本まで飲み込んでしまった。
「宇津木さん、気持ちいいんですか?」
「おうっ❤️気持ちええよ❤️ほら見てや、ちんちんの先っぽから我慢汁どくどく出てるやろ〜❤️❤️もうたまらん❤️」
確かにさっきよりも透明の液体が出ており、男根を滴って金玉を伝いディルドまで流れている。
これじゃあもうローションで滑らせる必要無いんじゃないか?
ローションと自身の我慢汁が混ざり合ってディルドがテカテカと光っている。
「動かすから見ててな❤️お゛っほ゛ぉ…❤️❤️」
概念上の“ちんぽ“を“オメコ”に出し入れし始める宇津木さん。
その姿はおれにとってはエロスを塗り固めた存在そのもので、表情からはもう射精のことしか考えられないのが見て取れるほど弛緩し、紅潮している。
ヌッポヌッポと情けない音が宇津木さんの“オメコ“から響く車内は、宇津木さんから発される汗で湿度が上がり宇津木さんのニオイで充満している。
朝感じた甘さを含んだようなニオイではあるが、今はほんの少し酸っぱさを含んだ男くささの割合の方が勝っている。
腋から、首筋から、股間から、足からニオイ立っている様に思えた。
「お゛っ❤️ほっ❤️お゛!❤️」
“オメコ“に“ちんぽ“を出し入れする度に、雄くさい汚い喘ぎ声をあげる。
手出ししようかとも思うが、真に見られるのが好きだとしたらそれはポリシーに反するかもしれないと思い、やめた。
この卑猥で雄性の全てをかなぐり捨てた情けない姿を最後まで見守ろう。
「あ゛っ❤️僕ちゃん❤️やっぱエエわ❤️最高っ❤️」
いよいよローションの量を上回ったんじゃないかと思うほどに、宇津木さんの本来の役目を果たしていないであろうちんぽからは我慢汁が時おり勢いを付けて溢れ出てくる。
もし本当に宇津木さんがそのちんぽを挿入に使用していないんだとしたら、いま目の前にある概念上のちんぽことディルドの方がちんぽとしては役目を果たしていることになる。
ただの卑猥な液体発射器官でしかないそれは、白濁の割合が増えた自らの卑猥な液体でコーティングされ、俺は快楽の為だけの存在です。と言わんばかりに余計にその卑猥さを主張させていた。
最初からそうは言っていたけど、宇津木さんがこんなヒトだったなんて。
本気で失望するわけじゃないけれど、変態マゾ虎ならばと勘を働かせてみた。
「あひっ❤️僕ちゃんっ❤️その眼…❤️」
蔑んだ表情をわざと見せてみた。
「最高っ❤️お゛ーっ!❤️たまらんっ❤️オメコじんじんしてまうっ❤️」
「僕ちゃんに情けないとこ見られてるっ❤️❤️❤️❤️❤️❤️」
卑猥な言葉で自らを盛り上げているのがわかる。
「宇津木さん。最初に会った時に乳首と金玉感じるって言ってましたよね。見たいです」
「はひっ❤️❤️見て❤️❤️乳首摘んで尻尾で金玉いじってオメコずぽずぽしながらちんちんイジってるとこ見てぇ❤️❤️」
そう言うと大股を開いた体勢で、片手で乳首を摘み片手で役立たずちんぽを扱きながら、言ってた様に尻尾で金玉を弄り始める。ディルドの方は足を使い出し入れさせ始めた。
いくら快感のことしか頭に無いとは言え、ここまでやるか?器用なことだ。
「これいつもやってるやつなんですね」
「そうっ!❤️❤️❤️これいつもやってるぅ❤️❤️これでいつもしゃせいしてるっ❤️❤️」
「じゃあ最後まで見せてくれるんですよね?」
「うんっ!❤️❤️俺の恥ずかしいしゃせい見てっ!❤️❤️やらしいとこ全部見て❤️❤️せいしびゅーびゅー出すから❤️❤️❤️❤️」
宇津木さんは自分の言葉に陶酔している。
目尻はだらんと下がり、瞳はハート型になっている様に見えた。
「お゛ーっ!❤️❤️で、出るっ!❤️❤️ちかくで見て❤️❤️汁出すとこ❤️❤️見て❤️❤️お゛っ❤️❤️
ほ゛っ❤️❤️」
限界が近そうだった。
「うわ変態」
その言葉をトリガーにする様に、宇津木さんは大きくのけぞった。
「ひっ❤️❤️ぐ❤️お゛ほぉっ❤️❤️お゛ーーーっ!!!❤️❤️❤️出てるっ!せーし出てるっ❤️❤️」
大射精と言っても差し支えは無いだろう。
びゅるっ!!!!びゅくっ!!!!という音がはっきり聞こえるくらいの幕切れだった。
第一射はなんと車の天井まで届くほどの勢いでそのあと宇津木さん自身の顔を、胸を、吐精の度に汚していく。
「あっ❤️❤️やば❤️❤️止まらんっ❤️まだ❤️漏れっ❤️❤️あっん❤️」
「すげー…やらしい……」
「やっ…まっ…は、はずい…❤️」
一旦射精して少し頭が冷えたのか、見せつけて恥ずかしがるのとは一味違う、本当に恥ずかしがって隠したがっている様子が見えた。
いや、これもエロい。
精子が出なくなった後も、宇津木さんのちんぽはびくんびくんと跳ね上がり、徐々にその跳ね上がりも小さくなっていった。
その頃には宇津木さんの顔も腹も精子まみれでベトベトになっていた。
「はぁ…はぁ…め、めっちゃ出た……ここ最近で一番出たかもわからん…」
「カッコよかったです」
「か、カッコよかったって…わーもう。恥ずかしい!」
なんだこの人。あんなに自分から見せつけてきたくせに、そのギャップはあまりにもずるい。
「ごめえん。ちょっとそこにティッシュあるから取ってくれへん」
「はいっ」
おれは傍に置いていた箱ティッシュを取り何枚か取って宇津木さんの身体を拭く。
「わー、ええよええよ。ばっちいで」
「ばっち?」
「汚いよって」
「汚くないですよ」
「ほ、ほーか……」
そこで宇津木さんのケツにディルドが挿さりっぱなしなことに気付く。
手をのばしててみた。
「わっ……ええよ!自分で抜くからぁ!」
「じゃあ抜くところ見たいです」
「……さっきも思ったけど僕ちゃん結構ノリ良いよな…」
「嫌ですか?」
「好きやで❤️…んっ❤️」
そう言って、“オメコ“から引き抜かれたディルドはさっきまでの痴態を証明するようにヌラヌラとしていた。
さっきまでディルドが入ってた穴はぽっかりその口を開けておりいやらしい。
「へっへっへ❤️めーっちゃ気持ちよかったわ❤️僕ちゃんありがとうな❤️」
「いえ!こちらこそ。ありがとうございました」
この場合ありがとうございましたで良いのか?
「へへっ。おもろい子やな❤️また見てな❤️」
「はいっ」
「そろそろ日も暮れそうやし。帰ろうか!」
「はいっ!」
同じ場所に出かけて、同じ場所に帰る。
隣人ならではの利点だろう。
宇津木さんの知らなかった一面を見て、また仲良くなれた様な気がした。
どういうつもりでおれに接してくれているのかはわからないけれど、宇津木さんが魅力的な人物であるのは間違いない。
春からの鬱屈したひとり暮らしは、宇津木さんのお陰で少しずつドキドキする様な毎日に変わっている。
間違いなくおれは宇津木さんに惹かれていることを、この後一人で夕食を食べている時に寂しさと共に実感するのだった。
ああ、早く朝にならないだろうか。
早くあの距離感の近い、心臓に悪い、賑やかな虎に会いたい。
早く、並べた虎と黒猫のカップを使いたい。
早く。
ー続くー
2021-08-12 10:00:00 +0000 UTC View Post
デートだよな…!?デートにするぞ…!
ずっと兄貴と恋人同士になりたくて何度も告白しようとしたけど、その度に言えなかったんだ。
でも今日こそは!
今日こそは告白するんだ!
それにしても兄貴…。
白いビキニが眩しすぎます…!
黒っぽい体に良く映えてて…!えっちすぎませんか!
俺のこと、誘ってたり…?なーんて思ってたら波に巻き込まれちゃった。
ぐへへ。ローアングルのモッコリも素敵です兄貴!
そんなこんなで楽しい時間はあっという間に過ぎてしまった!
夕陽も綺麗で良いムードだ!
い、言うぞ…!
俺と恋人になってほしいって言うんだ!
兄貴…お、俺とこ、ここ、こい、、、、、、
うーーーーっっ!!やっぱり恥ずかしくて言えねえよーーーっっ!!!
わっ!兄貴、なんか怒ってる!?!?
ごめんなさいっ!!!俺に勇気が無くて……え?いま何て……?
う、嘘だろ…?兄貴も俺のことを…?
これって夢?
あ、兄貴とキス…!お、俺、そんなのやばいっす!
あ、兄貴…!!そんな、汚ねえっすよ!!
あっ!すげえ…!兄貴……そんなちんぽ美味そうにしゃぶって……
もしかして、兄貴ってちんぽ好きなんですか!?
まじでやべえ…兄貴…むちゃくちゃエロいっす……
そそそそんな!兄貴!
俺、初めてで……!初めてでアオカンなんて刺激的すぎます!!
あっ!兄貴のおまんこに俺のちんぽが入って…!
兄貴……こんないやらしい人だったなんて…!
普段の男らしい爽やかな姿からは想像もできないです!!!
俺、兄貴の気持ちよがるところもっと見てえ!!!
ああ…おれ…俺本当に兄貴と結ばれたんだ……。
もういま死んでもいいです。
俺幸せです…。兄貴はどうですか?
俺も…兄貴とずっと一緒にいたいです…。
兄貴。大好きです。
ーFINー
いふ魍寮2のブーストお礼イラスト用に描いたものです😊 お風呂シチュめっちゃ好きなんですよね~!
2021-07-21 04:20:26 +0000 UTC View Post
「オッチャンと友達になろうや!」
隣人の虎おっさんこと宇津木マタタビさんのそんな一言から、おれの前途多難な生活は始まった。
ゴミ出しを終え、一度部屋に戻ったおれは着替え、歯磨き、洗顔などの身支度を整える。
癖っ毛は完璧には直らないけれど少しでもマシにして春からの住処を出た。
……とは言え、目的地は廊下で繋がれた数メートルしか離れていない。
そう、隣人のすけべな……いや、すけべな見た目であることはこの際置いておこう。
とにかく隣人の部屋が目的地だ。
「ウチおいでやぁ!一緒にゲームしよ!」
というお誘いを受けたのだ。
意外にゲームなんてするんだ。と正直思った。
推定30代後半ってとこだから、いわゆるファミコン世代ってやつなのかな?
知らない男……というわけでもないが、出会って間もない男の部屋に行くのは生まれて初めての経験でいささか心臓に悪い。
覚悟を決める前に目的地の前まで来てしまった。
当たり前だ。なんせすぐお隣なのだから。
それでもなんとか気持ちを落ち着かせるために、胸いっぱいに酸素を吸い込み一気に体内の二酸化炭素を吐き出す。
よし。
呼び鈴に指をかける直前だった。
「いらっしゃーい!」
「うわぁ!!!びっくりしたあ!!!……って!うわあああ!!」
「わっ!」
ドッシーン!
という音と共に、マンション前の木立から鳥が羽ばたいた。
急にドアが開いたもんだから……。
そう、これは不可抗力だ。不可抗力なのだ。
不意打ちで驚かされたおれは脚をつんのめり、バランスを崩し宇津木さんに倒れかかる。
宇津木さんも普段ならその太い胴体でおれを支えるくらいは訳ないだろうが唐突な出来事だったせいだろう。そのままおれ諸共倒れ込んでしまった。
問題はそこじゃない。
ああ、なんか顔に柔らかくて生暖かくて少しじっとりしたような感触。
心なしか雄の匂いを凝縮したような芳醇でいい匂いが……。
「わ、わああああっっ!!!」
なんと嬉しいことに…ではない。
あろうことか宇津木さんのコリモツ?男根?オペニス?いや、この際呼び方なんてどうでもいい。とにかくその股座から立派に生えたシンボルに顔面着地を決めてしまったようだ。
いくら布越しとは言え薄着だから、“宇津木さんの宇津木さん”の質量を感じるには十分すぎた。
「す、すいません!その…わ、わざとじゃあ…!」
「んふ❤️もうえっち❤️そんなにガッツかんでも❤️」
まんざらでもない反応をするなっ!
このおっさんどこまで本気なのかな。
怒ってなさそうなのは何より。
しかしおれにとってはラッキースケベと言っても差し支えが無い。
いや、申し訳なくは思っている。思っているがしかし。だ。
「す、すいません……。大丈夫ですか?」
「だーいじょぶだいじょぶ!頑丈にできてるねんな〜これが!」
にゃははと朗らかに笑う宇津木さん。
どうやら本当に怒ってはなさそうだ。
「へっへっへ。そろそろ来るころやと思ったで❤️」
「もう。心臓止まるかとおもいましたよ……ドアの穴から見てましたね?」
「バレた?だーってお友達が来るの待ちきれんかったんやもーん!」
見た目だけじゃなく行動まで心臓に悪い、この人懐っこいのが大学生活始まってからの初めての友人である隣人の虎おっさんこと、宇津木マタタビさんだ。
👦🏻🐯
「上がって上がって〜!」
玄関先でスリッパを出された時点で察すことができたかもしれない。
新たな友人の部屋はそのガサツそうな見た目と行動は裏腹に使いやすく“一見”綺麗に整頓されているようだった。
何のニオイだろう?お香でも焚いているのか少し甘い匂いがする、綺麗に磨かれた床の特に何も出しっぱなしになっていない廊下、なんなら廊下の壁に小洒落た額縁に縁取られた絵画が掲げられていた。……これ何の絵だ?
「あ、それ美術の先生の友達にもろてん。何の絵かよーわからんけど綺麗な色やなー言うたらくれて!」
「へー……」
美術の先生の知り合いなんているんだ。意外な交友関係。
とにかくそんな本人のキャラクターとは裏腹に綺麗に磨かれた廊下の先の居住スペースへ通される。
さっき”一見”と言ったその理由が問題だった。
「あ、あのお!下着が……!」
「え?下着?パンツのこと?パンツがどうかした?」
窓際にあまりに無防備に吊るされた下着類。
一瞬しか目に入らなかったが紐みたいなやつとか、とにかく布面積が少ないものだった。
「しゅ、羞恥心とか無いんですか!」
「ええ?男同士でパンツ気にするとかあるかあ?僕ちゃんもしかして逆に興味ある?❤️」
からかう様な意地悪な顔でニヤリと口を歪めている。
「何言ってんですか!とにかく仕舞ってください!」
「はあい。若い子は敏感やなあ〜」
不本意な顔でぶつくさ言いつつ、隣人は手際よくパンツ類を取り込み洋服類の棚へ仕舞った。
ていうか乾いてるなら仕舞っておけよ……もしかしてわざとか!?わざとなのか!?
「さてさてさって〜、ジュースとお茶どっちにする?ジュースはオレンジジュースとコーラあるよ」
「あ、じゃあお茶いただきます」
「はーい」
部屋の壁を四角く繰り抜いた窓の奥のキッチンから、とぷとぷと液体を注ぐ音が今立っているリビングまで聞こえてくる。
あれ?
そこで気付いたがこの部屋うちと間取りが違う。
玄関から繋がった廊下部分は同じだが、この間取りはその先がリビングになっており、更に廊下側から見て横側にスライドドアを挟んでもう一つ部屋があるようだった。いまは閉じられていて見ることができないが恐らく寝室だろう。
「はいどーぞ!」
「あ、いただきます」
「どしたん?座って!」
「あ、はい。うちと間取り違うなとおもって。ぼくのところはこのリビング部分だけしかないので」
リビングの中心に鎮座した4人がけのテーブルに腰掛けながら、渡されたガラス製の涼しげなコップに口をつけた。氷で冷やされたお茶で喉が潤う。
「え?そうなんや。お隣でそんなことあるんや。僕ちゃんのお部屋角部屋やからかな?」
「ですかね?普通角部屋のが広そうな気もしますけど」
「そっちの部屋は寝室にしてるんよ。そっち側が僕ちゃんの部屋と隣合わせになってる方やんな。見るー?」
「い、いえ遠慮しておきます……」
ニコニコとフランクな顔を見せてくる。
さっき下着が吊るされていたことを考えると寝室に何があるかわかったもんじゃない。
も、もしかしたら、そういうオモチャとか……そんなの目に入ったらどうリアクションしていいかわからないじゃないか。
このオモチャでいつも夜な夜な気持ちいいことしてるんですか?なんて聞けるわけない!
「そっそういえばゲームって何するんですか?」
すけべな妄想を振り切るように少し強引に話題を変えてみる。
すると少年の様な顔をしながら楽しそうに答えてくれた。
「最近、昔やってたゲームにまたハマってて!便利な世の中になったよなー!インターネットから昔のゲームをダウンロードしてできるんやで!知ってた?」
「あー知ってます。でもあんまやったことはないですね」
「初代のマリオカートやったことある?」
「無いです。何年か前に出たやつはやったことありますけど」
「しよしよ!」
「宇津木さんはファミコン世代ですか?」
「ええ〜……そこまでおっさんやないよ。オレはスーファミ世代」
不本意そうにブーイングを喰らったものの申し訳ないがファミコン世代とスーファミ世代の違いがわからない。大体同じくらいの年代のじゃないのか?
「超魔界村とかー、聖剣伝説2とかー、ボンバーマンとかー、友達で集まってたのしかったなぁ」
「へー、魔界村とかボンバーマンは今でも新作出てますよね」
「昔のゲームはムズかった…。いまは救済措置あったりして良いよな!」
思い出話をしつつゲームの用意をする宇津木さん。
ルンルンという擬音がおあつらえ向きといった様子だ。
部屋が綺麗だったり意外とゲーム好きだったり、結構見た目とギャップあるなこのおっさん。
「そういえば、下着はともかくお部屋きれいですね」
「あはは!逆に言うと部屋汚そうやなって思った?」
「あっいえそういうわけじゃ……」
失言だった。
さすがに失礼だったかなと思ったが、宇津木さんは特に気にしていない感じでいつものようにニコニコしている。
「さすがにひとり暮らし長いからな〜。いい大人やし片付けくらいできるよ!僕ちゃんはこの春からひとり暮らしなん?」
「そうです。それこそまだ慣れなくて、何を買うべきかとか全然わかんないですよね」
「ほーん。ほなら今度一緒に買い物でも行くか。車出すし」
「え!すごくありがたいです……。良いんですかそんなにしてもらって」
「ええよええよ運転すきやし」
「お言葉に甘えます!」
などと言っている間にマリオカートが起動し、黄色いタイトル画面に軽快なBGMが流れる。
「はい、コントローラー」
手渡されたコントローラーは別売りの黒いやつだ。
宇津木さんのデカい手だとデフォルトのものでは小さすぎるのかもしれない。
「誰選ぶ?オレノコノコ〜」
気づけばキャラクター選択画面になっていた。
「ん〜最初だからマリオで。あれ?」
「あ、それもっかい押して」
「はーい」
おれはマリオ、宇津木さんはノコノコでゲームが始まった。
スタートダッシュは不発に終わり黒い煙をあげるマリオ。
無事に走り出したものの……
「えっ!まっ……なにこれ慣性どーなってんの!?」
「むふふ❤️スーファミゲームの洗礼を受けなさい❤️」
「むっっず!いやいや!」
思うようにマリオが動いてくれず、操作になかなか手こずってしまう。
ドット絵のゲームって簡単な印象だけど、そんなことは全然無いようで結局宇津木さんのノコノコに惨敗してしまった。
「むずかし〜!」
「せやろ❤️でもすぐ慣れるよ〜もっかいしよ!」
「次は勝ちます!」
「むふふ❤️かかってきなさい❤️」
その後も四苦八苦しながらマリオカートをやり込みつつ、それ以外のゲームも楽しんだのだった。
👦🏻🐯
「いやー楽しかった!やっぱ誰かとゲームやるのは楽しいわあ!」
のびーと猫化らしい動きを見せる宇津木さん。
「あんまり勝てなかったけど、宇津木さんが小さいときやってたゲームできてぼくも楽しかったです」
「……」
少しの沈黙に一瞬戸惑ったが
「僕ちゃん、ええ子やなあ!❤️❤️」
無防備に抱きついてくる宇津木さんに驚いた。
やっぱり、このおっさん距離感が近いんだよ!
「ちょ!ち、ちか……!」
モフっという毛並みの感触と男らしいがどこか甘さを含んだ匂いを間近で感じながら、本当は不本意ではないが心ばかりの抵抗を試みる。心臓に良くないのは事実なのだが。
ぐうう〜
その時、宇津木さんから低い唸り声のような音が聞こえた。
「腹へったなあ!昼飯にしよか!」
「あ、はい」
そう言って宇津木さんはキッチンに足を運ぶ。
おお……やっぱちゃんと部屋を綺麗にしてる大人の男だし、きっと料理もお手の物なんだ……。
ニンゲン、見かけだけで判断するのはやっぱ良くないな……。
なんて思っていると、ガサガサと馬鹿でかいビニール袋を引っ提げ戻ってきた。
「どれにするう!?」
色とりどりのカップ麺が並べられる。
ズコー!という擬音が正しい表現だろう。
カップ麺かい!いやカップ麺も美味しいけど!むしろ貴重な食糧を分けてくれるだけ優しいけども!
「あとチャーハンでも作ろか!」
なんか急激に不安になってきた。
初手カップ麺出してくる男にチャーハンが作れるのだろうか。
いやそもそもカップ麺とチャーハンの食い合わせ……!
「あ、あの……」
「ん?」
「カップ麺ももちろん美味しいですし、ぼくも好きですけど、もし良かったら昨日ぼくカレー作ったんでそれで良ければ持ってきましょうか……?」
おずおずと、あくまで宇津木さんの機嫌を損ねないように最大限気を遣ったつもりだが、返答やいかに。
「……まじ?カレー作れるん!?すごい!食べたぁい!」
目をキラキラ輝かせてこちらを尊敬といったような眼差しで見つめてくる。
予想以上に良いリアクションにホッとした。
「山形の実家から野菜送ってもらってるんですけど、それでサラダも作ってきますね。ちょっと待っててください」
「うわー!ほんま!?ほんま!?ええのん!?めっちゃ嬉しい……!ありがとお!」
「むしろ1人だと野菜使いきれないんじゃ?と思ってたくらいなのでこっちもありがたいです。結構食べますよね?」
「うん!ごはん食べるの好っき!」
よかった!おれでも宇津木さんに何かできることがあって。
むしろ自分がそのリアクションの良さに喜んでしまった。
おれはパッと自分の部屋に帰り、手早く料理を用意して宇津木さんの部屋に戻った。
隣人同士だと、こういうときめちゃめちゃ便利だな。
カレーを宇津木さんのキッチンで温め直し、持ってきたご飯を用意する。
とろとろになったルウがきらきら輝きながら、あつあつの熱に艶めいたご飯と一体になってゆく。ほくほくのじゃがいも、にんじん、ルウに溶けた玉ねぎは実家から送られてきたものだ。宇津木さん、お肉好きそうだから鶏肉を多めによそってあげよう。
香辛料のスパイシーな匂いが漂ってきて食欲をそそる。
サラダにはレタスを手でちぎり、薄くスライスした玉ねぎとちょうど買い置きしてあった豆腐を崩し入れ、カリッと焼いたベーコンを細かく切り、少々の塩とオリーブオイルのみをドレッシングにしたものを用意した。
「お待たせしました!」
「おお……!」
さっきよりも瞳をきらきら輝かせてた宇津木さんが感嘆の声をあげる。
わかりやすいなーこの人。でもそういうとこ好きかもしれない。
「すご!天才!ひとり暮らしって野菜おざなりにしがちやから嬉しい〜!」
「ひとり暮らし長いんじゃなかったんですか」
少し意地悪を言ってみる。
「あ!意地悪言うた!そんなん言うならオレも意地悪するからなあ!」
「あはは!すいません!」
今日の朝まで、なんならちょっと苦手かも……とすら思っていた相手とこんなに楽しく会話してるなんて自分でも信じられなかった。
いいヒトだな。宇津木さん。
「じゃあ、いただきます!」
「いただきます!」
「んん〜!美味しい!」
「ありがとうございます」
なんだろう。お世辞とかそういうのじゃなくて心から言ってるのが解る。
裏表が無さそうっていうか。関西の人ってみんなこうなのかな?
「僕ちゃんお料理上手なんやなあ!若いのにえら〜!」
「いえ、そんなに上手ってわけでは……ただうち両親が共働きだったんで、少しでも親が助かればと思って妹とばあちゃんと一緒に料理したりしてたんですよね」
「ほーか……ちょっと寂しい話やなあ」
「そうなんですかね。でもさっきの宇津木さんみたいに美味しいって言ってくれたら、こんな自分でも誰かを喜ばせられるんだなって思えるから料理は好きなんですよ」
「ほんまにええ子やねえ」
そんな他愛ない話をしながら食事をする。
せいぜい二ヶ月程度しか一人暮らししていないけれど、こんな風に誰かと和やかに食事を摂るなんて久しぶりのように感じた。
また宇津木さんに自分が作った料理を食べてもらいたいな……。
そして食事が終わったあとは、またゲームしたり途中休憩して少しだけお互いの話をしたりする。
宇津木さんは大阪出身で、大学卒業と同時に上京してきたらしい。
「え?何のお仕事してるかって?……それはまだ秘密❤️」
何か人には言えない仕事でもしているのだろうか?
そういう風には思えなかったけれど、あまり深くは追求しなかった。
楽しい時間はすぐに過ぎ、日が暮れ始める。
「僕ちゃんごめんなあ。今日は夜は外で人と会う約束があって」
「いえ!今日はたのしかったです」
「せや!ライン交換しよ!」
「はい!」
宇津木さんと手早くライン交換をした。
普通に名前欄は宇津木マタタビで、アイコンは車の画像だった。
これが宇津木さんの車なのかな?
「へへ。いつでも連絡してきてな❤️」
「はい!宇津木さんも」
おれは持ってきた食器類などを抱えながら、宇津木さんの部屋を後にした。
連休の始まりとしてはとても爽やかで、とても充実したものかもしれない。
この時はそう思った。
それが、あんな事が起きるなんて、この時のおれに予想できるわけもなかった。
👦🏻🐯❤️
あんなにゲームではしゃいだのは、小学生以来かもしれない。
宇津木さんとゲームを楽しんだあと自室に戻って課題をやりながら今日の出来事を反芻していた。
課題をそこそこに済ませ生活に戻る。
夕食を終え、風呂も済ませ、連休中なわけだから明日も別に早起きする必要もない。
サブスクリプションサービスで気になっていた映画でも見ようかね。と思っていた矢先に事件は起きる。
ピロリン
簡素な通知音がスマホから鳴った。
どーせ出会いアプリの何の意味も無いイイネとかだろうな。と思いつつロックを解除した。
「あれ?ラインか」
最初にも言ったがおれにラインを送ってくるような友達はいまのところほぼいない。
「あっ。宇津木さんか」
さっきのカレーのお礼とかかな?別にいいのに。と思っていたら……。
「なんだ…?動画…?」
宇津木さんとのラインの会話画面に動画を示す三角マークがついたサムネイルが表示されている。
サムネイル自体は黒っぽくて何の動画かよくわからない。
なんだろう?
なんとはなし、軽い気持ちで再生ボタンを押した。押してしまった。
「!?!?!?」
動き出したスマホの小さな画面に映っていたのは宇津木さん本人。
だが、問題はその内容。
ぬちゅ。
ぬぷっ。
湿った音を立てながら、切なげな表情で男根をガシガシとしごいている宇津木さんの姿がクッキリ映っていた。
全裸で股を大きく開き、正面からのアングルで男根も腹筋も胸も顔も。ハッキリ言って全部が丸見えになっている。
たわわに膨らんだ胸にぷっくりとした乳房がついているところまで鮮明に見えた。
騎乗位の様にM字に開いた股の中心、つまり尻穴には今朝言っていたように床に置かれた極太のディルドを出し入れさせている。男根の先っぽからは、ディルドの出し入れのタイミングに合わせてとめどなく透明の汁が溢れ出ており、本当に尻穴で快感を得ているんだということが一目瞭然だった。
わざわざそんな痴態を撮影して興奮の材料としているのか、その表情は肉欲に支配されたように陶酔しきっている。
弛緩しきった鼻の下とだらしない口元、目は虚でおれ、つまりカメラとはどこか上手く視点が合わず、快感しか捉えていない様に見えた。
「ちょっ……」
それをおれに送ってくる意図が全くわからないままに、動画がほぼ終わるくらいにメッセージの追撃が来た。
《ごめん!送り先間違えてもうた!見た!?まだ見てなかったら見ないまま消して!》
送り先を間違えた?
つまりこれを見せたい相手がいるってことか?
わざわざこの痴態を撮って見せつける相手が?
なんだよそれ。
……なんだよそれっていうのもおかしいかもしれないけど、あんな距離感近くて、エッチなハプニングにもまんざらでもなさそうにして、なんならちょっとこっちを誘ってるのかみたいな態度しておきながら、きっちり相手がいるのかよ。
カレー、喜んでくれたの嬉しかったんだぞ。
妙にムカムカしてしまったせいだ。
そうじゃなかったら、いつもの自分ならこんなの無かったことにしたはずだ。
『すいません。見ちゃいました』
意地悪な気持ちが芽生えた。
少しの間のあとメッセージがまた送られてきた。
《あちゃあ!見られたか〜!恥ずかし〜!笑》
《まあいいや!僕ちゃんが良かったらオカズにつこうてもええで❤️🐯》
なんだよ。見られてもそんな大したことじゃないみたいに。
こっちはさっきからおれ自身がおれの身体の中心でうるさいくらいに主張しつづけてるのに。
本気でムカついた。
本当にオカズにしてやるからな。
もう一度動画を再生する。
さっきは音量が小さめだったのでわかりづらかったが、宇津木さんの低い唸りにも似た喘ぎ声もバッチリ入っている。
極太ディルドと手淫している手が上下するごとに情けない声を出す宇津木さん。
昼間の朗らかで明るい態度とは裏腹なその表情が、おれの興奮を駆り立てる。
おれは悲しいほどにいきりたつ愚息に手を伸ばした。
お“ーーーっ❤️お”ーーーーーーっ!❤️
だんだん快楽が増してきたのか声もよく聞こえる。
……ん?
あからさまに動画と合っていない声。
いや、この声スマホからじゃない。
壁の方から聞こえる。
も、もしかして……。
おれは壁に耳を当ててみる。
お“ーっ❤️❤️
壁の奥、つまり宇津木さんの部屋から雄の性を愉しむ呻きが聞こえてくる。
間違いない。いまお楽しみ中なんだ…!
宇津木さん、いつのまにかもう帰ってきてたんだ…。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン。
心臓が耳に移動したんじゃないかってくらい脈動の音がわかる。
自分の脈動の音と、壁越しに聞こえる宇津木さんの喘ぎ声が混ざり合う。
新築だしそんなに壁が薄いわけじゃないのに、なんならいつも聞こえてくるわけじゃないのにどうして?
そんな瑣末な疑問は、性欲の前には全く無力に押し流されてしまう。
見たい。宇津木さんの痴態。宇津木さんのおまんこに男根の模造品が出し入れされている光景。
あまつさえそれを無理やりやられているわけではなく、ただ自分の欲望を満たす為に自らやっている光景を。
片手はスマホ、もう片手はちんぽ、耳は壁につける。
「お゛っ❤️…んモノちんぽ欲しい〜❤️」
本物ちんぽ欲しいって言ったのか?
宇津木さん、おもちゃだけじゃなくてやっぱり本物のちんぽもおまんこに出し入れするんだろうか。
そしてそれをさっきの動画の本来の送り主に委託してるんだろうか。
何かモヤモヤする。これはもしかして嫉妬なのだろうか?
出会って間もない、仲良くなって1日の相手に対しての嫉妬するなんて馬鹿げている。
だが、それもこれも射精欲求への興奮材料になってしまう。
真横の部屋でまさに自慰行為に耽っている宇津木さん、スマホの中で痴態を晒している宇津木さん、おれの脳内でおれの知らない男に抱かれている宇津木さん。
どの宇津木さんもおれの劣情を催すには十分すぎる。
あんな男の要素を全部兼ね備えた見た目をしている男が、尻穴だけで快楽を追いかけているなんて!
だんだん壁に当てた耳も慣れてきて、宇津木さんの声が聞き取れるようになってきた。
「あ゛っ❤️どうしよう❤️お隣の僕ちゃんに、オメコ弄ってるの見られてしもた❤️でもたまらん❤️」
「恥ずかしいっ❤️でも恥ずかしいの好きやから興奮してまうっ❤️❤️」
「あ゛はぁっ❤️❤️次会った時軽蔑されたらどうしよ❤️ちんちん濡れてまう❤️」
「オメコ気持ちいー❤️頭おかしなるっ❤️❤️オメコにちんちんハメられたいっ❤️❤️」
「お゛っ❤️出るっ!オメコ弄って、精子出てまうっ!❤️ああ゛ーっ❤️」
「あはぁっ❤️…ぁ゛っ…❤️きもちい…いっぱい出てる…❤️まだ漏れ…❤️」
卑猥な言葉で自分を盛り上げて宇津木さんは果てた様だった。
静まったお隣。余韻にでも浸っているのだろう。
おれも気付いたらいつもよりも大量の精子をぶちまけてしまっていた。
後片付けが大変だ……。
というより、次からどんな顔で会えばいいんだろう。
オカズにしました!ありがとうございました!
とでも言えばいいのかな。馬鹿げている。
おれは隣人との関係性に一抹の不安を抱えながら、再度シャワーを浴び、身を整えることにした。
シャワーの熱湯がこの不安ごと洗い流してくれたら。と思いながら。
しかし、そんな不安こそ馬鹿馬鹿しいものだったということがすぐにわかることになる。
👦🏻🐯
ー翌日ー
ピーンポーン
部屋に鳴り響いた呼び鈴で目を覚ました。
昨日はシャワーのあとベッドに倒れ込んでそのまま眠ってしまったらしい。
疲れていたのか時計を見たら時刻は11時をさしており、いつも起きる時間よりだいぶ遅かった。
寝ぼけ眼のまま玄関に出る。
なんかアマゾンで注文でもしてたかな?
「はーい……」
「お!ねぼすけさんおっはよう!❤️」
「うわーーーーっ!」
玄関先にいた宇津木さんが、おれの姿を見るなりまた抱きついてくる。
だから!そんな!近づかれると!
ドッシーン!
という音と共に、マンション前の木立から鳥が羽ばたいた。
「いてててて……もう!宇津木さん!急に抱きついてこないでくださいよ!」
2人して倒れこんでしまい、側から見ると巨漢の男に襲われてる人みたいになる。
「へへへごめぇん!」
「もう……。どうしたんですかこんな朝から」
「朝?もう昼近いで。あ!そうそう!今日空いてる?オレ今日暇なんやけど、昨日言ってた買い物今日行かん?ドライブがてらさぁ!」
……この人、ほんとよくわかんない。
気恥ずかしさとか、気まずさとか感じてたおれはなんだったんだ。
「はあ〜〜……」
昨日感じていた不安は溜息と共に全て体内から出ていった。
「え!嫌やった!?ご、ごめんな……オッチャン、僕ちゃんと遊びたいな〜思て……」
「ぷっ……。嫌なわけないです。準備するんで中で待っててください」
今度は不安げに覗いていた宇津木さんの顔が一気にパァッと晴れやかになった。
「やったー!❤️❤️天気も良いしお出かけ楽しもうな!」
初夏の爽やかな陽気の日だった。
ーつづくー
「オッチャンと友達になろうや!」
隣人の虎おっさんこと宇津木マタタビさんのそんな一言から、おれの前途多難な生活は始まった。
ゴミ出しを終え、一度部屋に戻ったおれは着替え、歯磨き、洗顔などの身支度を整える。
癖っ毛は完璧には直らないけれど少しでもマシにして春からの住処を出た。
……とは言え、目的地は廊下で繋がれた数メートルしか離れていない。
そう、隣人のすけべな……いや、すけべな見た目であることはこの際置いておこう。
とにかく隣人の部屋が目的地だ。
「ウチおいでやぁ!一緒にゲームしよ!」
というお誘いを受けたのだ。
意外にゲームなんてするんだ。と正直思った。
推定30代後半ってとこだから、いわゆるファミコン世代ってやつなのかな?
知らない男……というわけでもないが、出会って間もない男の部屋に行くのは生まれて初めての経験でいささか心臓に悪い。
覚悟を決める前に目的地の前まで来てしまった。
当たり前だ。なんせすぐお隣なのだから。
それでもなんとか気持ちを落ち着かせるために、胸いっぱいに酸素を吸い込み一気に体内の二酸化炭素を吐き出す。
よし。
呼び鈴に指をかける直前だった。
「いらっしゃーい!」
「うわぁ!!!びっくりしたあ!!!……って!うわあああ!!」
「わっ!」
ドッシーン!
という音と共に、マンション前の木立から鳥が羽ばたいた。
急にドアが開いたもんだから……。
そう、これは不可抗力だ。不可抗力なのだ。
不意打ちで驚かされたおれは脚をつんのめり、バランスを崩し宇津木さんに倒れかかる。
宇津木さんも普段ならその太い胴体でおれを支えるくらいは訳ないだろうが唐突な出来事だったせいだろう。そのままおれ諸共倒れ込んでしまった。
問題はそこじゃない。
ああ、なんか顔に柔らかくて生暖かくて少しじっとりしたような感触。
心なしか雄の匂いを凝縮したような芳醇でいい匂いが……。
「わ、わああああっっ!!!」
なんと嬉しいことに…ではない。
あろうことか宇津木さんのコリモツ?男根?オペニス?いや、この際呼び方なんてどうでもいい。とにかくその股座から立派に生えたシンボルに顔面着地を決めてしまったようだ。
いくら布越しとは言え薄着だから、“宇津木さんの宇津木さん”の質量を感じるには十分すぎた。
「す、すいません!その…わ、わざとじゃあ…!」
「んふ❤️もうえっち❤️そんなにガッツかんでも❤️」
まんざらでもない反応をするなっ!
このおっさんどこまで本気なのかな。
怒ってなさそうなのは何より。
しかしおれにとってはラッキースケベと言っても差し支えが無い。
いや、申し訳なくは思っている。思っているがしかし。だ。
「す、すいません……。大丈夫ですか?」
「だーいじょぶだいじょぶ!頑丈にできてるねんな〜これが!」
にゃははと朗らかに笑う宇津木さん。
どうやら本当に怒ってはなさそうだ。
「へっへっへ。そろそろ来るころやと思ったで❤️」
「もう。心臓止まるかとおもいましたよ……ドアの穴から見てましたね?」
「バレた?だーってお友達が来るの待ちきれんかったんやもーん!」
見た目だけじゃなく行動まで心臓に悪い、この人懐っこいのが大学生活始まってからの初めての友人である隣人の虎おっさんこと、宇津木マタタビさんだ。
👦🏻🐯
「上がって上がって〜!」
玄関先でスリッパを出された時点で察すことができたかもしれない。
新たな友人の部屋はそのガサツそうな見た目と行動は裏腹に使いやすく“一見”綺麗に整頓されているようだった。
何のニオイだろう?お香でも焚いているのか少し甘い匂いがする、綺麗に磨かれた床の特に何も出しっぱなしになっていない廊下、なんなら廊下の壁に小洒落た額縁に縁取られた絵画が掲げられていた。……これ何の絵だ?
「あ、それ美術の先生の友達にもろてん。何の絵かよーわからんけど綺麗な色やなー言うたらくれて!」
「へー……」
美術の先生の知り合いなんているんだ。意外な交友関係。
とにかくそんな本人のキャラクターとは裏腹に綺麗に磨かれた廊下の先の居住スペースへ通される。
さっき”一見”と言ったその理由が問題だった。
「あ、あのお!下着が……!」
「え?下着?パンツのこと?パンツがどうかした?」
窓際にあまりに無防備に吊るされた下着類。
一瞬しか目に入らなかったが紐みたいなやつとか、とにかく布面積が少ないものだった。
「しゅ、羞恥心とか無いんですか!」
「ええ?男同士でパンツ気にするとかあるかあ?僕ちゃんもしかして逆に興味ある?❤️」
からかう様な意地悪な顔でニヤリと口を歪めている。
「何言ってんですか!とにかく仕舞ってください!」
「はあい。若い子は敏感やなあ〜」
不本意な顔でぶつくさ言いつつ、隣人は手際よくパンツ類を取り込み洋服類の棚へ仕舞った。
ていうか乾いてるなら仕舞っておけよ……もしかしてわざとか!?わざとなのか!?
「さてさてさって〜、ジュースとお茶どっちにする?ジュースはオレンジジュースとコーラあるよ」
「あ、じゃあお茶いただきます」
「はーい」
部屋の壁を四角く繰り抜いた窓の奥のキッチンから、とぷとぷと液体を注ぐ音が今立っているリビングまで聞こえてくる。
あれ?
そこで気付いたがこの部屋うちと間取りが違う。
玄関から繋がった廊下部分は同じだが、この間取りはその先がリビングになっており、更に廊下側から見て横側にスライドドアを挟んでもう一つ部屋があるようだった。いまは閉じられていて見ることができないが恐らく寝室だろう。
「はいどーぞ!」
「あ、いただきます」
「どしたん?座って!」
「あ、はい。うちと間取り違うなとおもって。ぼくのところはこのリビング部分だけしかないので」
リビングの中心に鎮座した4人がけのテーブルに腰掛けながら、渡されたガラス製の涼しげなコップに口をつけた。氷で冷やされたお茶で喉が潤う。
「え?そうなんや。お隣でそんなことあるんや。僕ちゃんのお部屋角部屋やからかな?」
「ですかね?普通角部屋のが広そうな気もしますけど」
「そっちの部屋は寝室にしてるんよ。そっち側が僕ちゃんの部屋と隣合わせになってる方やんな。見るー?」
「い、いえ遠慮しておきます……」
ニコニコとフランクな顔を見せてくる。
さっき下着が吊るされていたことを考えると寝室に何があるかわかったもんじゃない。
も、もしかしたら、そういうオモチャとか……そんなの目に入ったらどうリアクションしていいかわからないじゃないか。
このオモチャでいつも夜な夜な気持ちいいことしてるんですか?なんて聞けるわけない!
「そっそういえばゲームって何するんですか?」
すけべな妄想を振り切るように少し強引に話題を変えてみる。
すると少年の様な顔をしながら楽しそうに答えてくれた。
「最近、昔やってたゲームにまたハマってて!便利な世の中になったよなー!インターネットから昔のゲームをダウンロードしてできるんやで!知ってた?」
「あー知ってます。でもあんまやったことはないですね」
「初代のマリオカートやったことある?」
「無いです。何年か前に出たやつはやったことありますけど」
「しよしよ!」
「宇津木さんはファミコン世代ですか?」
「ええ〜……そこまでおっさんやないよ。オレはスーファミ世代」
不本意そうにブーイングを喰らったものの申し訳ないがファミコン世代とスーファミ世代の違いがわからない。大体同じくらいの年代のじゃないのか?
「超魔界村とかー、聖剣伝説2とかー、ボンバーマンとかー、友達で集まってたのしかったなぁ」
「へー、魔界村とかボンバーマンは今でも新作出てますよね」
「昔のゲームはムズかった…。いまは救済措置あったりして良いよな!」
思い出話をしつつゲームの用意をする宇津木さん。
ルンルンという擬音がおあつらえ向きといった様子だ。
部屋が綺麗だったり意外とゲーム好きだったり、結構見た目とギャップあるなこのおっさん。
「そういえば、下着はともかくお部屋きれいですね」
「あはは!逆に言うと部屋汚そうやなって思った?」
「あっいえそういうわけじゃ……」
失言だった。
さすがに失礼だったかなと思ったが、宇津木さんは特に気にしていない感じでいつものようにニコニコしている。
「さすがにひとり暮らし長いからな〜。いい大人やし片付けくらいできるよ!僕ちゃんはこの春からひとり暮らしなん?」
「そうです。それこそまだ慣れなくて、何を買うべきかとか全然わかんないですよね」
「ほーん。ほなら今度一緒に買い物でも行くか。車出すし」
「え!すごくありがたいです……。良いんですかそんなにしてもらって」
「ええよええよ運転すきやし」
「お言葉に甘えます!」
などと言っている間にマリオカートが起動し、黄色いタイトル画面に軽快なBGMが流れる。
「はい、コントローラー」
手渡されたコントローラーは別売りの黒いやつだ。
宇津木さんのデカい手だとデフォルトのものでは小さすぎるのかもしれない。
「誰選ぶ?オレノコノコ〜」
気づけばキャラクター選択画面になっていた。
「ん〜最初だからマリオで。あれ?」
「あ、それもっかい押して」
「はーい」
おれはマリオ、宇津木さんはノコノコでゲームが始まった。
スタートダッシュは不発に終わり黒い煙をあげるマリオ。
無事に走り出したものの……
「えっ!まっ……なにこれ慣性どーなってんの!?」
「むふふ❤️スーファミゲームの洗礼を受けなさい❤️」
「むっっず!いやいや!」
思うようにマリオが動いてくれず、操作になかなか手こずってしまう。
ドット絵のゲームって簡単な印象だけど、そんなことは全然無いようで結局宇津木さんのノコノコに惨敗してしまった。
「むずかし〜!」
「せやろ❤️でもすぐ慣れるよ〜もっかいしよ!」
「次は勝ちます!」
「むふふ❤️かかってきなさい❤️」
その後も四苦八苦しながらマリオカートをやり込みつつ、それ以外のゲームも楽しんだのだった。
👦🏻🐯
「いやー楽しかった!やっぱ誰かとゲームやるのは楽しいわあ!」
のびーと猫化らしい動きを見せる宇津木さん。
「あんまり勝てなかったけど、宇津木さんが小さいときやってたゲームできてぼくも楽しかったです」
「……」
少しの沈黙に一瞬戸惑ったが
「僕ちゃん、ええ子やなあ!❤️❤️」
無防備に抱きついてくる宇津木さんに驚いた。
やっぱり、このおっさん距離感が近いんだよ!
「ちょ!ち、ちか……!」
モフっという毛並みの感触と男らしいがどこか甘さを含んだ匂いを間近で感じながら、本当は不本意ではないが心ばかりの抵抗を試みる。心臓に良くないのは事実なのだが。
ぐうう〜
その時、宇津木さんから低い唸り声のような音が聞こえた。
「腹へったなあ!昼飯にしよか!」
「あ、はい」
そう言って宇津木さんはキッチンに足を運ぶ。
おお……やっぱちゃんと部屋を綺麗にしてる大人の男だし、きっと料理もお手の物なんだ……。
ニンゲン、見かけだけで判断するのはやっぱ良くないな……。
なんて思っていると、ガサガサと馬鹿でかいビニール袋を引っ提げ戻ってきた。
「どれにするう!?」
色とりどりのカップ麺が並べられる。
ズコー!という擬音が正しい表現だろう。
カップ麺かい!いやカップ麺も美味しいけど!むしろ貴重な食糧を分けてくれるだけ優しいけども!
「あとチャーハンでも作ろか!」
なんか急激に不安になってきた。
初手カップ麺出してくる男にチャーハンが作れるのだろうか。
いやそもそもカップ麺とチャーハンの食い合わせ……!
「あ、あの……」
「ん?」
「カップ麺ももちろん美味しいですし、ぼくも好きですけど、もし良かったら昨日ぼくカレー作ったんでそれで良ければ持ってきましょうか……?」
おずおずと、あくまで宇津木さんの機嫌を損ねないように最大限気を遣ったつもりだが、返答やいかに。
「……まじ?カレー作れるん!?すごい!食べたぁい!」
目をキラキラ輝かせてこちらを尊敬といったような眼差しで見つめてくる。
予想以上に良いリアクションにホッとした。
「山形の実家から野菜送ってもらってるんですけど、それでサラダも作ってきますね。ちょっと待っててください」
「うわー!ほんま!?ほんま!?ええのん!?めっちゃ嬉しい……!ありがとお!」
「むしろ1人だと野菜使いきれないんじゃ?と思ってたくらいなのでこっちもありがたいです。結構食べますよね?」
「うん!ごはん食べるの好っき!」
よかった!おれでも宇津木さんに何かできることがあって。
むしろ自分がそのリアクションの良さに喜んでしまった。
おれはパッと自分の部屋に帰り、手早く料理を用意して宇津木さんの部屋に戻った。
隣人同士だと、こういうときめちゃめちゃ便利だな。
カレーを宇津木さんのキッチンで温め直し、持ってきたご飯を用意する。
とろとろになったルウがきらきら輝きながら、あつあつの熱に艶めいたご飯と一体になってゆく。ほくほくのじゃがいも、にんじん、ルウに溶けた玉ねぎは実家から送られてきたものだ。宇津木さん、お肉好きそうだから鶏肉を多めによそってあげよう。
香辛料のスパイシーな匂いが漂ってきて食欲をそそる。
サラダにはレタスを手でちぎり、薄くスライスした玉ねぎとちょうど買い置きしてあった豆腐を崩し入れ、カリッと焼いたベーコンを細かく切り、少々の塩とオリーブオイルのみをドレッシングにしたものを用意した。
「お待たせしました!」
「おお……!」
さっきよりも瞳をきらきら輝かせてた宇津木さんが感嘆の声をあげる。
わかりやすいなーこの人。でもそういうとこ好きかもしれない。
「すご!天才!ひとり暮らしって野菜おざなりにしがちやから嬉しい〜!」
「ひとり暮らし長いんじゃなかったんですか」
少し意地悪を言ってみる。
「あ!意地悪言うた!そんなん言うならオレも意地悪するからなあ!」
「あはは!すいません!」
今日の朝まで、なんならちょっと苦手かも……とすら思っていた相手とこんなに楽しく会話してるなんて自分でも信じられなかった。
いいヒトだな。宇津木さん。
「じゃあ、いただきます!」
「いただきます!」
「んん〜!美味しい!」
「ありがとうございます」
なんだろう。お世辞とかそういうのじゃなくて心から言ってるのが解る。
裏表が無さそうっていうか。関西の人ってみんなこうなのかな?
「僕ちゃんお料理上手なんやなあ!若いのにえら〜!」
「いえ、そんなに上手ってわけでは……ただうち両親が共働きだったんで、少しでも親が助かればと思って妹とばあちゃんと一緒に料理したりしてたんですよね」
「ほーか……ちょっと寂しい話やなあ」
「そうなんですかね。でもさっきの宇津木さんみたいに美味しいって言ってくれたら、こんな自分でも誰かを喜ばせられるんだなって思えるから料理は好きなんですよ」
「ほんまにええ子やねえ」
そんな他愛ない話をしながら食事をする。
せいぜい二ヶ月程度しか一人暮らししていないけれど、こんな風に誰かと和やかに食事を摂るなんて久しぶりのように感じた。
また宇津木さんに自分が作った料理を食べてもらいたいな……。
そして食事が終わったあとは、またゲームしたり途中休憩して少しだけお互いの話をしたりする。
宇津木さんは大阪出身で、大学卒業と同時に上京してきたらしい。
「え?何のお仕事してるかって?……それはまだ秘密❤️」
何か人には言えない仕事でもしているのだろうか?
そういう風には思えなかったけれど、あまり深くは追求しなかった。
楽しい時間はすぐに過ぎ、日が暮れ始める。
「僕ちゃんごめんなあ。今日は夜は外で人と会う約束があって」
「いえ!今日はたのしかったです」
「せや!ライン交換しよ!」
「はい!」
宇津木さんと手早くライン交換をした。
普通に名前欄は宇津木マタタビで、アイコンは車の画像だった。
これが宇津木さんの車なのかな?
「へへ。いつでも連絡してきてな❤️」
「はい!宇津木さんも」
おれは持ってきた食器類などを抱えながら、宇津木さんの部屋を後にした。
連休の始まりとしてはとても爽やかで、とても充実したものかもしれない。
この時はそう思った。
それが、あんな事が起きるなんて、この時のおれに予想できるわけもなかった。
👦🏻🐯❤️
あんなにゲームではしゃいだのは、小学生以来かもしれない。
宇津木さんとゲームを楽しんだあと自室に戻って課題をやりながら今日の出来事を反芻していた。
課題をそこそこに済ませ生活に戻る。
夕食を終え、風呂も済ませ、連休中なわけだから明日も別に早起きする必要もない。
サブスクリプションサービスで気になっていた映画でも見ようかね。と思っていた矢先に事件は起きる。
ピロリン
簡素な通知音がスマホから鳴った。
どーせ出会いアプリの何の意味も無いイイネとかだろうな。と思いつつロックを解除した。
「あれ?ラインか」
最初にも言ったがおれにラインを送ってくるような友達はいまのところほぼいない。
「あっ。宇津木さんか」
さっきのカレーのお礼とかかな?別にいいのに。と思っていたら……。
「なんだ…?動画…?」
宇津木さんとのラインの会話画面に動画を示す三角マークがついたサムネイルが表示されている。
サムネイル自体は黒っぽくて何の動画かよくわからない。
なんだろう?
なんとはなし、軽い気持ちで再生ボタンを押した。押してしまった。
「!?!?!?」
動き出したスマホの小さな画面に映っていたのは宇津木さん本人。
だが、問題はその内容。
ぬちゅ。
ぬぷっ。
湿った音を立てながら、切なげな表情で男根をガシガシとしごいている宇津木さんの姿がクッキリ映っていた。
全裸で股を大きく開き、正面からのアングルで男根も腹筋も胸も顔も。ハッキリ言って全部が丸見えになっている。
たわわに膨らんだ胸にぷっくりとした乳房がついているところまで鮮明に見えた。
騎乗位の様にM字に開いた股の中心、つまり尻穴には今朝言っていたように床に置かれた極太のディルドを出し入れさせている。男根の先っぽからは、ディルドの出し入れのタイミングに合わせてとめどなく透明の汁が溢れ出ており、本当に尻穴で快感を得ているんだということが一目瞭然だった。
わざわざそんな痴態を撮影して興奮の材料としているのか、その表情は肉欲に支配されたように陶酔しきっている。
弛緩しきった鼻の下とだらしない口元、目は虚でおれ、つまりカメラとはどこか上手く視点が合わず、快感しか捉えていない様に見えた。
「ちょっ……」
それをおれに送ってくる意図が全くわからないままに、動画がほぼ終わるくらいにメッセージの追撃が来た。
《ごめん!送り先間違えてもうた!見た!?まだ見てなかったら見ないまま消して!》
送り先を間違えた?
つまりこれを見せたい相手がいるってことか?
わざわざこの痴態を撮って見せつける相手が?
なんだよそれ。
……なんだよそれっていうのもおかしいかもしれないけど、あんな距離感近くて、エッチなハプニングにもまんざらでもなさそうにして、なんならちょっとこっちを誘ってるのかみたいな態度しておきながら、きっちり相手がいるのかよ。
カレー、喜んでくれたの嬉しかったんだぞ。
妙にムカムカしてしまったせいだ。
そうじゃなかったら、いつもの自分ならこんなの無かったことにしたはずだ。
『すいません。見ちゃいました』
意地悪な気持ちが芽生えた。
少しの間のあとメッセージがまた送られてきた。
《あちゃあ!見られたか〜!恥ずかし〜!笑》
《まあいいや!僕ちゃんが良かったらオカズにつこうてもええで❤️🐯》
なんだよ。見られてもそんな大したことじゃないみたいに。
こっちはさっきからおれ自身がおれの身体の中心でうるさいくらいに主張しつづけてるのに。
本気でムカついた。
本当にオカズにしてやるからな。
もう一度動画を再生する。
さっきは音量が小さめだったのでわかりづらかったが、宇津木さんの低い唸りにも似た喘ぎ声もバッチリ入っている。
極太ディルドと手淫している手が上下するごとに情けない声を出す宇津木さん。
昼間の朗らかで明るい態度とは裏腹なその表情が、おれの興奮を駆り立てる。
おれは悲しいほどにいきりたつ愚息に手を伸ばした。
お“ーーーっ❤️お”ーーーーーーっ!❤️
だんだん快楽が増してきたのか声もよく聞こえる。
……ん?
あからさまに動画と合っていない声。
いや、この声スマホからじゃない。
壁の方から聞こえる。
も、もしかして……。
おれは壁に耳を当ててみる。
お“ーっ❤️❤️
壁の奥、つまり宇津木さんの部屋から雄の性を愉しむ呻きが聞こえてくる。
間違いない。いまお楽しみ中なんだ…!
宇津木さん、いつのまにかもう帰ってきてたんだ…。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン。
心臓が耳に移動したんじゃないかってくらい脈動の音がわかる。
自分の脈動の音と、壁越しに聞こえる宇津木さんの喘ぎ声が混ざり合う。
新築だしそんなに壁が薄いわけじゃないのに、なんならいつも聞こえてくるわけじゃないのにどうして?
そんな瑣末な疑問は、性欲の前には全く無力に押し流されてしまう。
見たい。宇津木さんの痴態。宇津木さんのおまんこに男根の模造品が出し入れされている光景。
あまつさえそれを無理やりやられているわけではなく、ただ自分の欲望を満たす為に自らやっている光景を。
片手はスマホ、もう片手はちんぽ、耳は壁につける。
「お゛っ❤️…んモノちんぽ欲しい〜❤️」
本物ちんぽ欲しいって言ったのか?
宇津木さん、おもちゃだけじゃなくてやっぱり本物のちんぽもおまんこに出し入れするんだろうか。
そしてそれをさっきの動画の本来の送り主に委託してるんだろうか。
何かモヤモヤする。これはもしかして嫉妬なのだろうか?
出会って間もない、仲良くなって1日の相手に対しての嫉妬するなんて馬鹿げている。
だが、それもこれも射精欲求への興奮材料になってしまう。
真横の部屋でまさに自慰行為に耽っている宇津木さん、スマホの中で痴態を晒している宇津木さん、おれの脳内でおれの知らない男に抱かれている宇津木さん。
どの宇津木さんもおれの劣情を催すには十分すぎる。
あんな男の要素を全部兼ね備えた見た目をしている男が、尻穴だけで快楽を追いかけているなんて!
だんだん壁に当てた耳も慣れてきて、宇津木さんの声が聞き取れるようになってきた。
「あ゛っ❤️どうしよう❤️お隣の僕ちゃんに、オメコ弄ってるの見られてしもた❤️でもたまらん❤️」
「恥ずかしいっ❤️でも恥ずかしいの好きやから興奮してまうっ❤️❤️」
「あ゛はぁっ❤️❤️次会った時軽蔑されたらどうしよ❤️ちんちん濡れてまう❤️」
「オメコ気持ちいー❤️頭おかしなるっ❤️❤️オメコにちんちんハメられたいっ❤️❤️」
「お゛っ❤️出るっ!オメコ弄って、精子出てまうっ!❤️ああ゛ーっ❤️」
「あはぁっ❤️…ぁ゛っ…❤️きもちい…いっぱい出てる…❤️まだ漏れ…❤️」
卑猥な言葉で自分を盛り上げて宇津木さんは果てた様だった。
静まったお隣。余韻にでも浸っているのだろう。
おれも気付いたらいつもよりも大量の精子をぶちまけてしまっていた。
後片付けが大変だ……。
というより、次からどんな顔で会えばいいんだろう。
オカズにしました!ありがとうございました!
とでも言えばいいのかな。馬鹿げている。
おれは隣人との関係性に一抹の不安を抱えながら、再度シャワーを浴び、身を整えることにした。
シャワーの熱湯がこの不安ごと洗い流してくれたら。と思いながら。
しかし、そんな不安こそ馬鹿馬鹿しいものだったということがすぐにわかることになる。
👦🏻🐯
ー翌日ー
ピーンポーン
部屋に鳴り響いた呼び鈴で目を覚ました。
昨日はシャワーのあとベッドに倒れ込んでそのまま眠ってしまったらしい。
疲れていたのか時計を見たら時刻は11時をさしており、いつも起きる時間よりだいぶ遅かった。
寝ぼけ眼のまま玄関に出る。
なんかアマゾンで注文でもしてたかな?
「はーい……」
「お!ねぼすけさんおっはよう!❤️」
「うわーーーーっ!」
玄関先にいた宇津木さんが、おれの姿を見るなりまた抱きついてくる。
だから!そんな!近づかれると!
ドッシーン!
という音と共に、マンション前の木立から鳥が羽ばたいた。
「いてててて……もう!宇津木さん!急に抱きついてこないでくださいよ!」
2人して倒れこんでしまい、側から見ると巨漢の男に襲われてる人みたいになる。
「へへへごめぇん!」
「もう……。どうしたんですかこんな朝から」
「朝?もう昼近いで。あ!そうそう!今日空いてる?オレ今日暇なんやけど、昨日言ってた買い物今日行かん?ドライブがてらさぁ!」
……この人、ほんとよくわかんない。
気恥ずかしさとか、気まずさとか感じてたおれはなんだったんだ。
「はあ〜〜……」
昨日感じていた不安は溜息と共に全て体内から出ていった。
「え!嫌やった!?ご、ごめんな……オッチャン、僕ちゃんと遊びたいな〜思て……」
「ぷっ……。嫌なわけないです。準備するんで中で待っててください」
今度は不安げに覗いていた宇津木さんの顔が一気にパァッと晴れやかになった。
「やったー!❤️❤️天気も良いしお出かけ楽しもうな!」
初夏の爽やかな陽気の日だった。
ーつづくー
🐊🦈
男同士の妊娠出産が可能になった…!という世界観です
🐊🦈
🐊🦈
❤️❤️❤️❤️❤️❤️👨👨👦❤️❤️❤️❤️❤️❤
たまには進捗晒してみたり…。 雨の表現、難しいですね。 漫画とかいう永遠に上手くできないもの!ヒン… 15日までに10話仕上げるぞぉ!という気概でやってます。
2021-06-13 08:08:57 +0000 UTC View Post
みんなでキャンプに行くことになった獣民たち。思い思いに過ごす中、自分の想いをイブキに相談するトオル。 イブキはトオルの悩みの本質を突く。その後、思いがけずトオルと2人きりになるクヌギだったが…。 それぞれの想いが交錯する第9話。
2021-06-05 09:19:55 +0000 UTC View Postーもう少し、2人でいたいです。
決戦前、艦の付近を巡航中シャドウバガーとの対戦を終えたあと、ポツリ呟いた。
「……!あ、あはは!何言ってるんだ後輩っ!あ、い、いや、違う。そういうことを言いたかったんじゃなくて……」
愛しいその人はいつもコロコロとよく表情を変える。
いまは焦った顔。
「つ、通信切れてるよなっ?ブリッジに聞こえてない、よなっ」
機体の通信が艦と切れているのを確認後、先輩はホッと安堵を漏らした。
ークロガネ先輩。そっちに行ってもいいですか?
「こ、こっちに…?い、いいよお…!?」
機体のシートベルトを外し、後部座席の先輩の元に寄り添う。
「ちょ、ち、近い……!いや、嫌じゃあないよ!嫌なわけ……」
大の大人2人が一つのシートにおさまるわけもなく、ギチギチになってしまう。
少し強引に先輩の腕におさまる体勢になる。でもこれくらい許されますよね。最後かもしれないんだから。
「……」
少しの沈黙の間、目と目が合う。
そんな沈黙を先輩はいつもの調子で破ろうとする。
「あ、あはは!流石に2人はキツい…な!改良の余地アリってやつだ!」
ー先輩。
「わ、わかってる……よ。後輩がどういう気持ちでこうしてくれてるかくらい。こんな機械いじりばっかの俺でもさ…!でも緊張しちゃって」
ーじゃあこうしましょう。
俺は機体の電源を予備と生命維持活動分の最低限だけ残し切る。
機体内の照明は落とされ、宇宙の藻屑と等しくなる。
星の海に囲まれ、反射した光だけが機体内の俺たちを僅かに照らしていた。
「ああ……後輩はいつもそうやって……ずるいんだ」
ー先輩の話が聞きたいです。
「話?そうだなあ……。……じゃあ家族の話を聞いてくれるかい?俺の大事な。大事だった家族の話」
そう言って先輩は持ち込んでいた携帯端末を開き、一枚の画像を表示させた。
その画像には少し年老いた白髪の男性、よく似た容貌の双子らしき2人、角の生えた男性、体格がふくよかに恵まれた色黒の男性、背丈の低い少年と、クロガネ先輩が仲睦まじそうに映っていた。
「血は繋がってないけど、みんな俺の家族だったんだ」
ー先輩は変わらないですね。
「そうかな?いまの家族ももちろん大事さ。だからかもしれない」
「みんな腕の良い技術者だったんだぜ。じっちゃんは俺の目標だったし、ヘパ兄はロボット工学で右に出る者はいなかったしタロスとのコンビは抜群だったな。タケ兄も心が籠った良い物を作るし、トヴァ兄ははた迷惑なとこもあったけど生体工学ではピカイチだった。ムサシは技術者じゃないけど風呂が嫌いでさ、いつもじっちゃんと無理矢理風呂に入れてさ…」
先輩は画像を指差しながら、愛おしむように、慈しむような眼差しで語った。
ー本当の家族だったんですね。
「ああ。みんなシャドウバガーにやられちまったけどな」
「なあ後輩。技術ってさ、“たすき”だと俺は思うんだ」
ーたすき?ですか?
「ああ。俺たちが今乗ってる機体だって、生活をしている艦だって、遥か過去の誰かからのたすきでできているんだ」
「誰かの失敗や誰かの成功、一つ一つは薄っぺらい紙みたいな物かもしれないけど、その全てが積み重なって今に繋がってる。誰かから誰かに、その誰かからじっちゃんに、じっちゃんから俺たちに……」
ーその紙が重なって、宇宙まで来られた。
「そういうことだ。だから、だからさ」
「この戦いは絶対に負けられないんだ。じっちゃんから受け取った、このたすきを次の誰かに渡すためにも」
ークロガネ先輩!
「んむ!?こ、後輩!?ん……何を…!?」
不意打ちのキス。ずるいかな。
でも先輩は拒まない。甘く、労るような優しい口付けだった。
「な、なにするんだよ!ずるいぞ!」
ーこの“たすき”は戦いが終わったら返しに来てください。
「……!こ、このぉっ!後輩のくせにカッコイイこと言っちゃってぇ!そういうのは、お兄ちゃんの役目なんだぞおっ!」
あくまでクロガネ先輩らしい、可愛らしい抗議。そうだ。先輩は人類滅亡の危機でもどんな時も変わらないんですね。
「……なぁ後輩。“たすき”はちゃんと返すけど、今もう一回、その……キスしてもいいか?」
星々の光だけに照らされた空間で、微かに紅潮した表情が見て取れる。
ーもちろんですよ。
「後輩っ!」
今度はお互いを求めるように激しく。
口付けと身体を引き寄せ合い、手を絡めて。
先輩と2人なら、このまま本当に宇宙の藻屑に成り果ててしまっても、星屑の一部になってしまっても良かった。
でも、だめですよね。
「ああ…凄いなあ…こんなにドキドキしてる……。もし、もしさ、戦いに負けて死んじまっても、生まれ変わったらまた後輩を見つけるから。だからまたこうして手を繋いでさ。キ、キスして……さ。そうしたら絶対に思い出せるから。何度忘れちまっても。このドキドキで絶対に、絶対に後輩の事を思い出すよ。いいだろ?」
ー未来に“たすき”渡すんでしょう?
「!そうだな……!後輩には敵わないよ!ははは!」
「なぁ後輩。また俺とこの星の海に来てくれるかい?」
ーもちろんです。
「ありがとう。その時は、ちゃんと言うよ。“たすき”と一緒に…な!」
「……で、でも、ちょーっとだけ、前借りしても…いいか?」
ーしまらないですね。でも、嫌なわけないです。
「こ、後輩っっ!!」
未来は絶望的かもしれない。後悔するかもしれない。
でもクロガネ先輩となら、掴んだ未来がどんなものでもはにかんでいけるだろう。
いつかこの星の海の先までも。
2021-06-05 05:04:56 +0000 UTC View Post
ケモ露出の日に合わせて描いたら、アレもしたいコレもしたいの欲張りセットになりました。ヤッタネ!
おれはこの春入学した、どこにでもいる普通の大学生。
……見栄を張った。
いや、日本全国を見渡せば同じ境遇の大学生なんて掃いて捨てる程いるに違いないのである意味どこにでもいるというのは正しいかもしれないが。
生来の内気な性格のせいも手伝ってゴールデンウィークを迎えるまでの一ヶ月間大学では友達の1人もできず、そのお陰で華の大学生活初めての連休は一切の予定が立っておらず、スマホでエロ動画でも見ながらシコるくらいしかやることが無い。
春先、この部屋に引っ越す時に一丁前に素敵な彼氏とのめくるめく情交を夢見て奮発したダブルサイズの布団に溺れながら掌サイズの液晶に目をやる。
出会いアプリ。
いまさら説明するまでもない、9つの属性で男をカテゴライズして出会いをサポートしてくれるアプリに陳列された男たちを眺めながらため息をつく。
あ。ちなみに自分は去年家族旅行で行った先で食べた美味いトンカツの写真しか上げていない。
この小さな画面の中に埋め尽くされた顔の良い男たち。
はたまた自分の好みではない男たち。
課金で解禁されるマッチ機能で好みではないという意図の×印に無限に男たちを仕分けていく。
…………虚しい。
これが華の大学生活か?これが人生なのか?
あまりに虚しい。
朝から何をやっているんだろうおれは。
虚しさと死にたさを覚えながら、半分をダブルベットに占拠された部屋に充満した虚無に身をやつしてゆくのだ。
おれだって、俺だって素敵な彼氏が欲しい!!!!!!!
なーんて、ぼやいたところで素敵なイケケモが彼氏になってくれるわけでもなければ部屋が綺麗になるわけでもないのだ。
そうだそれで思い出した。今日はゴミの日じゃないか!
まだ引っ越してきて日も浅いせいでゴミの収集日を覚えきれておらず、2回もゴミ出しをミスってしまった結果、ゴミ袋が3つも溜まってしまっていた。
いそいそと実家から持ってきた履き古してテロテロになったスウェットを履いてゴミ出しの為玄関に向かう。
まだ築浅のため、そこまでは古くなっていない玄関ドアを開けると初夏の爽やかな風が鼻腔をくすぐ…
「お!お隣の僕ちゃんこんにちはぁ!」
出た。出ました。おいでなすりやがりました。
「僕ちゃんもゴミ出しかぁ!一緒に行こやぁ!」
引っ越してきた時に挨拶に伺ったときからこの無神経にデカい声で、さも小さい時に自分がおしめを変えてましたと言わんばかりに近い距離感で話しかけてくる、陰キャのおれにとっては心臓に悪い男。
これがこの春から隣人になった虎のおっさん。宇津木マタタビさん。
いやいや、ネコ科の獣人にマタタビって。と最初は思ったものだ。
ともかくそのやたら距離感の近い宇津木さんに話しかけられ、しどろもどろになりながらも返事をした。
「は……はい……」
「なーんや!どしたん!元気ないなあ!熱でもあるんか?オッチャンになんかできることあるか?」
熱は無い。いたって健康である。
いや、違う意味で熱を持ちそうになる部分はあるのだが。
具体的にどこの部分かは言わずもがなであるがそれもそのはず
この宇津木という虎おっさん。色々とデカい。
まず背丈は見上げるレベルで、俺の目線だと胸くらいが正面位置。
その正面位置に来る胸だが、え?メロン2個入ってますか?と聞きたくなるほどたわわに膨らんでいる。
いやいやいや、そんな出会って間もない相手の胸を見るなんて失礼だ!と思い目線を横にやれば丸太みたいな腕が左右に伸びており、まだ初夏も初夏だというのに暑いのか毛並みが汗でじっとりとしており思わずそのエロさに見惚れそうになるが、理性を総動員して目線を下に下げる。が、そこには柱ですか?と言わんばかりのぶっとい脚がその巨体を支えている。逃した目線の先であるそこは、腕ですらじっとりしてるくらいだから、さらに汗でじっとりしているのだ。
じゃあもはやどこを見れば???
腰!?
も太い。そりゃそうだ。このぶっとい下半身と上半身を繋ぐ腰が細いわけがない。エロい。
首!?
もエロい。じゃなかった太い。当たり前だ。
何がえげつないって、そんな見るからにはいセックス〜!みたいな全身をしておきながら、その肢体を惜しげもなく見せびらかすかのようにえげつない切れ込みのタンクトップとホットパンツという薄着で、この春初めて出会った日からウロついているのだ。むしろその組み合わせしか見たことがない。
はっきり言って目の保よ…………目に毒だ。
正直目だけではない、このおっさん、何というかいいニオイがするのだ。
香水とも不快な汗のニオイともまたちょっと違う独特なニオイがおれの鼻腔に入るたび、胸がギュンとなって興奮を煽る。
好みのタイプど真ん中です。という存在を目の前にした時、人はどうするのだろう?
人によっては口説いたりするのかもしれないが、陰キャのおれにそんな度胸があるわけもなく。
完全に混乱していた。
目の前にいる男を惑わせるエロスの塊みたいな存在に目線をぐるぐるぐるぐる回して辿り着いた先は、男のシンボル。
とにかく全身太くて目のやり場に困るのに辿り着いた先がよりによってそこ。
モッコリという表現は控えめかもしれない。
その恵まれた体躯に釣り合った膨らみは、きっと羨望の眼差しを多数から向けられてきただろう。
やってしまった。その目線を悟られてしまった。
そんな俺に対して言い放つ言葉が怒りでも照れでもなく
「も〜、どこ見てんの❤️えっち❤️❤️」
もうどういうことだよ。
まんざらでもない感じで返すな。もしかしてもっと見ても良いってことですか?
その言葉に共鳴するように、どうせエロいに決まってる正面からは見えない尻の上から生えた尻尾がゆらゆら楽しそうに揺れていた。
ああそうか。尻尾を見れば良かったのか。
これからはそうしよう。
正直自分にとって性の対象日本代表みたいな虎のおっさんが、近すぎる距離感で話しかけてくるのだ。気が気ではない。
とにかくそれもゴミ出しをするまでの話だ。
俺と宇津木さんはアパートの階下にあるゴミ捨て場に向かって並び歩き始めた。
「僕ちゃん、えらいゴミ多いな?オッチャンが一個持ったろ!貸してみ!」
「えっ…あの…いえ、大丈夫です」
「遠慮しなや〜!あっもしかして渡したくない理由がある?」
「え?」
「わかったわかった。これ全部オナティッシュやろ!かかか!」
宇津木さんが全部見抜きましたと言わんばかりに得意気に笑う。
「ちっ!違います!!!」
下品だ〜!
こんな明るいうちから外でオナティッシュって!いや確かにそれも入っているが!
「隠さんでええよ〜。俺も若いときはいーっぱいシコシコしたもん!いまも毎日してるけど!」
「!?」
いやいやいやこのおっさん羞恥心とか無いのか?
おれが内心アワアワしていると、こそっと耳打ちをしてきた。
「なぁ知ってる?男もお尻って感じるねんで」
「どういうこと!?!?」
どういうこと!?あっしまった。つい口に出てしまった。
「え、ええっと……つまり……そういうことを?」
「あそうそう。前立腺って知ってる?お尻の中にあるんやんか。ほんでオッチャンいつもお尻の穴におっきいおもちゃ挿れるねんけど、その前立腺コンコン〜っておもちゃでやってたら精子ぴゅーぴゅー出てごっっつ気持ちええねん!」
うせやろ?あ、関西弁が感染ってしまった。
「オッチャン乳首も金玉も感じるから、お尻におっきいおもちゃ挿れて右手はちんちんシコシコしながら左手は乳首、尻尾で金玉擦ってたらめっちゃ声出てまうねん!かかか!」
セルフ4点責めオナニーはあまりにも打点が高すぎやしませんか?
っていうかこのおっさん、羞恥心というものが無いのか?あまりに普通に自身の自慰事情を話しすぎる。
誰にでもこうなのだろうか?
「そ、それを毎日……?」
「せやなあ!ほぼ毎日かなあ!オッチャンのオナニーの声聞こえてたらごめんな!」
「い、いえ大丈夫です」
「…ほーか!よかった!」
いや、聞こえても大丈夫ですという意味なのだが。
「せやからこのゴミ袋も精子染み込んだティッシュだらけやねん!見る?」
満面の笑みで自分の持っていた袋を掲げあけすけに言う。
「い、いえ!結構です!」
「あはは!冗談や冗談!でもオッチャンで毎日オナニーするんやから、若い僕ちゃんやったらもっとシコシコしてるやろ?そのゴミ袋分くらい」
「してますけどお!これはまだ引っ越してきたばっかりでゴミの収集の日程を覚えてなくてゴミ出しをミスって忘れてて結果溜まりにたまったものを今こうやって捨てる羽目になってしまっただけで決してそんなものばかり入ってる訳ではなくて…」
ああ。やってしまった。
恥ずかしさと緊張からつい早口に……
ていうかそんな具体的に自身の自慰行為を話すものだから……
ついその姿を想像してしまったのだ。
それを振り切るために早口になってしまった。
「あはは!さすがにゴミ袋いっぱいそれとは思てないよ!僕ちゃんかわいいなあ❤️」
「ぐ……」
もう助けてくれ。
ようやくゴミ捨て場に辿り着いた。
早くゴミを捨てて部屋に戻りたい。このおっさん、心臓と股間に悪い。
「ほーいえば僕ちゃん大学生やんな?」
ゴミ袋を放り投げながら宇津木さんがさっきまでとは打って変わって普通のテンションで話し始めた。
「え?はい、そうですけど」
「大学生やのにゴールデンウィークに暇そにしてるなあ。なんか予定ないのん?」
痛いところを突かれてしまった。
「……学内に、友達いないんで」
「ほーなんか!そら、寂しいなあ…」
寂しいなんて別にそんなことないし。
陰キャだから1人なのも休みに予定が無いのも慣れっこだし。
そんな吐き出した強がりを遮って宇津木さんがおかしな提案をしたのは次の瞬間だった。
「別に寂しくなんてないです。慣れてま……」
「よーーーっしゃ!じゃあオッチャンと友達になろうや❤️」
「…………え?」
思いもよらないその提案に思考回路が一瞬停止する。
「だーかーら、僕ちゃんとオッチャン、今日から友達になろうやってこと!あ、こんな歳離れたオッチャンと友達なんか嫌か?」
「いえ!嫌じゃ…ないです…」
「!やったー!❤️」
「ちょっ……近っ……」
心底嬉しそうに、おれに抱きついてくる。
当たってる。色々と当たってるから!
こんな心臓と股間に悪い隣人を友人にして、これから色々保つんだろうか?
隣人の虎おっさんの尻尾が楽しそうにゆらゆら揺れていた。
……この尻尾もエロいことに使ってるって言ってたな。
もう見ても大丈夫な箇所は無い。
つづく
おまけ
おれはこの春入学した、どこにでもいる普通の大学生。
……見栄を張った。
いや、日本全国を見渡せば同じ境遇の大学生なんて掃いて捨てる程いるに違いないのである意味どこにでもいるというのは正しいかもしれないが。
生来の内気な性格のせいも手伝ってゴールデンウィークを迎えるまでの一ヶ月間大学では友達の1人もできず、そのお陰で華の大学生活初めての連休は一切の予定が立っておらず、スマホでエロ動画でも見ながらシコるくらいしかやることが無い。
春先、この部屋に引っ越す時に一丁前に素敵な彼氏とのめくるめく情交を夢見て奮発したダブルサイズの布団に溺れながら掌サイズの液晶に目をやる。
出会いアプリ。
いまさら説明するまでもない、9つの属性で男をカテゴライズして出会いをサポートしてくれるアプリに陳列された男たちを眺めながらため息をつく。
あ。ちなみに自分は去年家族旅行で行った先で食べた美味いトンカツの写真しか上げていない。
この小さな画面の中に埋め尽くされた顔の良い男たち。
はたまた自分の好みではない男たち。
課金で解禁されるマッチ機能で好みではないという意図の×印に無限に男たちを仕分けていく。
…………虚しい。
これが華の大学生活か?これが人生なのか?
あまりに虚しい。
朝から何をやっているんだろうおれは。
虚しさと死にたさを覚えながら、半分をダブルベットに占拠された部屋に充満した虚無に身をやつしてゆくのだ。
おれだって、俺だって素敵な彼氏が欲しい!!!!!!!
なーんて、ぼやいたところで素敵なイケケモが彼氏になってくれるわけでもなければ部屋が綺麗になるわけでもないのだ。
そうだそれで思い出した。今日はゴミの日じゃないか!
まだ引っ越してきて日も浅いせいでゴミの収集日を覚えきれておらず、2回もゴミ出しをミスってしまった結果、ゴミ袋が3つも溜まってしまっていた。
いそいそと実家から持ってきた履き古してテロテロになったスウェットを履いてゴミ出しの為玄関に向かう。
まだ築浅のため、そこまでは古くなっていない玄関ドアを開けると初夏の爽やかな風が鼻腔をくすぐ…
「お!お隣の僕ちゃんこんにちはぁ!」
出た。出ました。おいでなすりやがりました。
「僕ちゃんもゴミ出しかぁ!一緒に行こやぁ!」
引っ越してきた時に挨拶に伺ったときからこの無神経にデカい声で、さも小さい時に自分がおしめを変えてましたと言わんばかりに近い距離感で話しかけてくる、陰キャのおれにとっては心臓に悪い男。
これがこの春から隣人になった虎のおっさん。宇津木マタタビさん。
いやいや、ネコ科の獣人にマタタビって。と最初は思ったものだ。
ともかくそのやたら距離感の近い宇津木さんに話しかけられ、しどろもどろになりながらも返事をした。
「は……はい……」
「なーんや!どしたん!元気ないなあ!熱でもあるんか?オッチャンになんかできることあるか?」
熱は無い。いたって健康である。
いや、違う意味で熱を持ちそうになる部分はあるのだが。
具体的にどこの部分かは言わずもがなであるがそれもそのはず
この宇津木という虎おっさん。色々とデカい。
まず背丈は見上げるレベルで、俺の目線だと胸くらいが正面位置。
その正面位置に来る胸だが、え?メロン2個入ってますか?と聞きたくなるほどたわわに膨らんでいる。
いやいやいや、そんな出会って間もない相手の胸を見るなんて失礼だ!と思い目線を横にやれば丸太みたいな腕が左右に伸びており、まだ初夏も初夏だというのに暑いのか毛並みが汗でじっとりとしており思わずそのエロさに見惚れそうになるが、理性を総動員して目線を下に下げる。が、そこには柱ですか?と言わんばかりのぶっとい脚がその巨体を支えている。逃した目線の先であるそこは、腕ですらじっとりしてるくらいだから、さらに汗でじっとりしているのだ。
じゃあもはやどこを見れば???
腰!?
も太い。そりゃそうだ。このぶっとい下半身と上半身を繋ぐ腰が細いわけがない。エロい。
首!?
もエロい。じゃなかった太い。当たり前だ。
何がえげつないって、そんな見るからにはいセックス〜!みたいな全身をしておきながら、その肢体を惜しげもなく見せびらかすかのようにえげつない切れ込みのタンクトップとホットパンツという薄着で、この春初めて出会った日からウロついているのだ。むしろその組み合わせしか見たことがない。
はっきり言って目の保よ…………目に毒だ。
正直目だけではない、このおっさん、何というかいいニオイがするのだ。
香水とも不快な汗のニオイともまたちょっと違う独特なニオイがおれの鼻腔に入るたび、胸がギュンとなって興奮を煽る。
好みのタイプど真ん中です。という存在を目の前にした時、人はどうするのだろう?
人によっては口説いたりするのかもしれないが、陰キャのおれにそんな度胸があるわけもなく。
完全に混乱していた。
目の前にいる男を惑わせるエロスの塊みたいな存在に目線をぐるぐるぐるぐる回して辿り着いた先は、男のシンボル。
とにかく全身太くて目のやり場に困るのに辿り着いた先がよりによってそこ。
モッコリという表現は控えめかもしれない。
その恵まれた体躯に釣り合った膨らみは、きっと羨望の眼差しを多数から向けられてきただろう。
やってしまった。その目線を悟られてしまった。
そんな俺に対して言い放つ言葉が怒りでも照れでもなく
「も〜、どこ見てんの❤️えっち❤️❤️」
もうどういうことだよ。
まんざらでもない感じで返すな。もしかしてもっと見ても良いってことですか?
その言葉に共鳴するように、どうせエロいに決まってる正面からは見えない尻の上から生えた尻尾がゆらゆら楽しそうに揺れていた。
ああそうか。尻尾を見れば良かったのか。
これからはそうしよう。
正直自分にとって性の対象日本代表みたいな虎のおっさんが、近すぎる距離感で話しかけてくるのだ。気が気ではない。
とにかくそれもゴミ出しをするまでの話だ。
俺と宇津木さんはアパートの階下にあるゴミ捨て場に向かって並び歩き始めた。
「僕ちゃん、えらいゴミ多いな?オッチャンが一個持ったろ!貸してみ!」
「えっ…あの…いえ、大丈夫です」
「遠慮しなや〜!あっもしかして渡したくない理由がある?」
「え?」
「わかったわかった。これ全部オナティッシュやろ!かかか!」
宇津木さんが全部見抜きましたと言わんばかりに得意気に笑う。
「ちっ!違います!!!」
下品だ〜!
こんな明るいうちから外でオナティッシュって!いや確かにそれも入っているが!
「隠さんでええよ〜。俺も若いときはいーっぱいシコシコしたもん!いまも毎日してるけど!」
「!?」
いやいやいやこのおっさん羞恥心とか無いのか?
おれが内心アワアワしていると、こそっと耳打ちをしてきた。
「なぁ知ってる?男もお尻って感じるねんで」
「どういうこと!?!?」
どういうこと!?あっしまった。つい口に出てしまった。
「え、ええっと……つまり……そういうことを?」
「あそうそう。前立腺って知ってる?お尻の中にあるんやんか。ほんでオッチャンいつもお尻の穴におっきいおもちゃ挿れるねんけど、その前立腺コンコン〜っておもちゃでやってたら精子ぴゅーぴゅー出てごっっつ気持ちええねん!」
うせやろ?あ、関西弁が感染ってしまった。
「オッチャン乳首も金玉も感じるから、お尻におっきいおもちゃ挿れて右手はちんちんシコシコしながら左手は乳首、尻尾で金玉擦ってたらめっちゃ声出てまうねん!かかか!」
セルフ4点責めオナニーはあまりにも打点が高すぎやしませんか?
っていうかこのおっさん、羞恥心というものが無いのか?あまりに普通に自身の自慰事情を話しすぎる。
誰にでもこうなのだろうか?
「そ、それを毎日……?」
「せやなあ!ほぼ毎日かなあ!オッチャンのオナニーの声聞こえてたらごめんな!」
「い、いえ大丈夫です」
「…ほーか!よかった!」
いや、聞こえても大丈夫ですという意味なのだが。
「せやからこのゴミ袋も精子染み込んだティッシュだらけやねん!見る?」
満面の笑みで自分の持っていた袋を掲げあけすけに言う。
「い、いえ!結構です!」
「あはは!冗談や冗談!でもオッチャンで毎日オナニーするんやから、若い僕ちゃんやったらもっとシコシコしてるやろ?そのゴミ袋分くらい」
「してますけどお!これはまだ引っ越してきたばっかりでゴミの収集の日程を覚えてなくてゴミ出しをミスって忘れてて結果溜まりにたまったものを今こうやって捨てる羽目になってしまっただけで決してそんなものばかり入ってる訳ではなくて…」
ああ。やってしまった。
恥ずかしさと緊張からつい早口に……
ていうかそんな具体的に自身の自慰行為を話すものだから……
ついその姿を想像してしまったのだ。
それを振り切るために早口になってしまった。
「あはは!さすがにゴミ袋いっぱいそれとは思てないよ!僕ちゃんかわいいなあ❤️」
「ぐ……」
もう助けてくれ。
ようやくゴミ捨て場に辿り着いた。
早くゴミを捨てて部屋に戻りたい。このおっさん、心臓と股間に悪い。
「ほーいえば僕ちゃん大学生やんな?」
ゴミ袋を放り投げながら宇津木さんがさっきまでとは打って変わって普通のテンションで話し始めた。
「え?はい、そうですけど」
「大学生やのにゴールデンウィークに暇そにしてるなあ。なんか予定ないのん?」
痛いところを突かれてしまった。
「……学内に、友達いないんで」
「ほーなんか!そら、寂しいなあ…」
寂しいなんて別にそんなことないし。
陰キャだから1人なのも休みに予定が無いのも慣れっこだし。
そんな吐き出した強がりを遮って宇津木さんがおかしな提案をしたのは次の瞬間だった。
「別に寂しくなんてないです。慣れてま……」
「よーーーっしゃ!じゃあオッチャンと友達になろうや❤️」
「…………え?」
思いもよらないその提案に思考回路が一瞬停止する。
「だーかーら、僕ちゃんとオッチャン、今日から友達になろうやってこと!あ、こんな歳離れたオッチャンと友達なんか嫌か?」
「いえ!嫌じゃ…ないです…」
「!やったー!❤️」
「ちょっ……近っ……」
心底嬉しそうに、おれに抱きついてくる。
当たってる。色々と当たってるから!
こんな心臓と股間に悪い隣人を友人にして、これから色々保つんだろうか?
隣人の虎おっさんの尻尾が楽しそうにゆらゆら揺れていた。
……この尻尾もエロいことに使ってるって言ってたな。
もう見ても大丈夫な箇所は無い。
つづく
ようこそ!魑魅魍寮 第8話「Only today」です。 誕生日会の最中、デートの申し込みをヒギリからされた寮父を連れ去ったマツノハ。 マツノハの周辺人物も出てくる勝負の第8話。 マツノハの想いは何処へ向かうのか。 ゲストキャラクターにかがりさん(https://www.fanbox.cc/@ka-ga-ri)の俺鮫こと嶋間司くんと、そーちゃん(https://www.fanbox.cc/@sawch-cls)の独獅子こと赤城高咲くんが登場しております。お二方のファンの方も是非たのしんでいただけると嬉しいです。 かがりさん、そーちゃん、改めてありがとうございました!
2021-05-03 04:32:41 +0000 UTC View Post
遅くなりました〜!!!完成しました〜!!!!!
めっちゃ頑張った……。
各シーン別のも置いておきます!❤️
文字なしバージョン
今月の更新、洸虎のエッチアニメーションを制作しているんですが
思った以上に凝ってしまって時間がかかっておりまして今月以内に
間に合いそうにないですすいません!
途中経過になりますが線画状態の一部のものと
魑魅魍寮2巻のブーストのお礼イラストを公開とさせていただきます。
アニメーションは鋭意製作中ですので、お楽しみにしていてください!
今月のスケベアニメーションです❤️
金玉大きめのヒギリくんの匂い嗅ぎオナニー
嗅いでるのは恐らくこっそり仕入れた透の使用済みパンツです(?)
イイネとコメントもお待ちしてーす😊
【追記】
前回アップしたアニメーションが一コマ抜けてたので下記に上げ直します。
違いわかりますか?笑
おじさんの個人ジムではとんでもないトレーニングが待っていた! イイネボタンと良ければコメントお待ちしております♫
2021-02-28 12:44:47 +0000 UTC View Post
二度目のGIFアニメを作ってみました! スリットをクチュらせてるマツノハが描きたかった…! 撮影風と通常版の2種です♪ よかったらいいねボタンとコメントもお待ちしてます〜😊
2021-01-30 09:35:58 +0000 UTC View Post
ファンボックスさんが2020年振り返ってみなよ!
というので振り返ってみます!🦍☀️
今年もたくさん絵を描いたなぁ😊
・牛HKユニバから牛父が自分的に大ヒット🐮❤️
Twitterで盛り上がっている牛HK概念。
人見知りな私も恐る恐る参加してみたら皆さんが暖かい反応をしてくれて、すごく居心地が良いんですよね。
そんな中で生まれた牛父が自分的に大ヒット!🎉
勝手に解釈して、勝手に自分絵をアウトプットしちゃいました!✌️
既婚者で有名俳優でドM(あと乳と尻がでかい)とかいう役満属性最高すぎませんか?❤️
・放サモ絵を量産
たまには放サモ絵を描くか!と思ってリクエストもらって描いてみたら
たくさんリアクションいただけて嬉しかったです😊
・魑魅魍寮4話終了
Twitterで連載中の「ようこそ!魑魅魍寮」の4話を描き終えました。
不穏な空気の4話ですが、この話があってこその絆や展開で外せませんでした。
・その他らくがきを量産
1月2月はその後出すものの準備とかしつつ、らくがきを量産していましたね。
あとファンボックスを本格始動し始めたのもこのタイミングでしたね。
※これはパイズリの絵
・スキスキOh my brother発行!🎉
花吹雪ゴリラからスキスキOh my brotherを発行しました!
これは過去作キライスキOH!My brotherの続編でして、義兄弟の二人がずっとイチャイチャ旅行してる話でした。
・ようこそ!魑魅魍寮LINEスタンプリリース!🎉
かねてよりリクエストもあり、自分的にも出したかった魑魅魍寮のLINEスタンプをついにリリース!嬉しかったな〜!
・魑魅魍寮5話終了
メガネフェチの金城ソテツと、優しい兄貴が欲しい黄瀬ナツメ初登場!
ナツメくんはもしかしたら作品1の人気キャラに?
自分の生み出したキャラクターが気に入っていただけるのは
いついかなる時でも嬉しいですね😊
・翠マツノハ抱き枕カバーリリース🎉
長年の夢だった抱き枕カバーを制作しました!
自分的にようやくある程度納得のできる絵で描けるようになり、悲願を達成しました😊
・「ようこそ!魑魅魍寮」1周年!🎉
まさかこんなに早く1周年になるとは思いもよらず。。。
1周年企画として、魑魅魍寮のアニメ風イラストを連日投下してました!
リンク先のツリーで見られます😊
お祝いの言葉やイラスト、嬉しかったなあ…。
twitter post: 1281604147196727296
・アニメーションにチャレンジ!
これもずっと目標の一つだったアニメーションにチャレンジしました!
難しかったけど楽しかったなあ❤️
こちらのおちんちんが入った完全版は、月/600のセクシーゴリラプランにて公開しておりますので、もし良ければ是非見てくださいね❤️
https://u5rilla.fanbox.cc/posts/1254153
・魑魅魍寮6話終了
人気キャラのナツメくんの回でした。実はこの回、本当はもう少し後のはずだったんですが、ナツメが人気になってくれたので先に回したという経緯がありました笑
・マブラカ抱き枕カバーリリース!🎉
なんとラカンさん、マブイさんの生みの親である巽さんと貞吉さんとの協力の元
2人のリバーシブル抱き枕カバーを描かせていただきました!
めちゃめちゃ嬉しかったー!大好きなマブラカ❤️
・ようこそ!魑魅魍寮第2巻&いふ魍寮2リリース🎉
本当は春にリリース予定だったんですが、例のウイルスのせいでイベントが中止になったりで遅れ絵にに遅れてここになりました💦
2巻のおまけページでは、次巻から登場のマンサクが顔を見せたりしました🐴
・高伏ケンゴ生誕祭2020!
今年も僭越ながら私が色々告知等をさせていただきました。
推しの誕生日、なるべくお祝いしたいですよね😊
・ようこそ!魑魅魍寮7話終了
現在に最新話ですね。気になる引きで終わらせててちょっと申し訳ないなとは思いつつ…是非楽しみにしてお待ちくださいね❤️
・ようこそ!魑魅魍寮LINE着せ替えリリース🎉
こちらも一度作ったことはあるんですが、LINEの着せ替えをリリースしました!
自分の中でデフォルメ絵がある程度の完成をした瞬間でもありました。
他にもグッズをたくさんリリースしました❤️
・初の動画制作
これまたずっと目標にしてた動画制作に初めて挑戦しました!
昔、職場でフラッシュ動画を作っていた時代はあるんですが。それとはまた勝手が違い悪戦苦闘しながら作りました❤️
こちらは明日1/1の公開ですので、Twitterをチェックしてくださいね!😊
とまあ駆け足で振り返ったわけですが、今年は挑戦と達成が多い年だったんだなと確認することができて、振り返ってみて良かったなって思いました!
他の絵も数点チョイスして載せますね。
各取扱サイトは以下のリンクから飛べます
digiket
https://www.digiket.com/gachi/worklist/_data/ID=CIR0007591/
AliceBooks
https://alice-books.com/item/list/all?circle_id=6098
BOOTH
https://u-52dsi.booth.pm/
LINE
https://line.me/S/shop/sticker/author/7593
2021年もどうぞよろしくお願いします!m(__)m
現在執筆中のお父サンドイッチ2の途中経過11ページ分です。 1月中には発行できるように頑張りたいと思っています。 また1月のVIPゴリラプランではこちらのお父サンドイッチ2を更新予定ですが、遅れる可能性もありますので、加入中の方は一度解約か別プランへの移行をオススメいたします。
2020-12-31 08:36:52 +0000 UTC View Post
いつも支援ありがとうございます。
皆様の支援のお陰でクリスタの年額プランを更新したり、作画の資料を購入したりしております。
今回これらの本を購入しました!
何故か料理を描く機会が多いので、料理の資料と、そこに加えて興味があったので栄養素の本を買ってみました!
あとパースの本!パースのこと聞かれたりすることたまによくあるんですが、いやわかんねぇな…という感じでわからないなりに回答してるんですが、やっぱ自分も勉強しないとな!と思いました。
皆様の支援が文字通り創作の糧となっております。
今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m
最後にTwitterのフリートに上げた画像をこちらに上げておきます。
2020クリスマスカードに自キャラであるリュウセイを描きました😊 12/12までセブンでネットプリントできます❤️ 【サイン入り】55371039 【イラストのみ】61635437 ぜひプリントしてくださいね♪
2020-12-05 11:46:12 +0000 UTC View Post