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鷲花葬

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趣味で作ったものです。

誹謗中傷や辛口評価はおやめください。


二次創作規約

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落書き(黒目狩り多)
























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雨の記憶

嫌な気分になるほどの黒い天気だった。

空が泣いている。

激しい雨音しか聞こえない、そんな天気だ。

オレには十分な黒色をした傘を持って、扉を開けた。

傘に雨が跳ねる。

靴に雨水が染み込んでいく。

歩くたびに泥になった土が沈み、足跡に水溜まりができる。

自分は今、どんな顔をしているのだろう。

ちゃんと焦っている顔ができているのだろうか。

自分の不安を誤魔化すためにいつも笑い続けていたら、いつのまにか気味の悪い笑みが顔に張り付いてしまった。

でも、それでよかったのかもしれない。

もう醜態を晒したくないから。

あの人はいつも同じ場所にいる。

もう慣れてしまったこの暗闇を、ただ真っ直ぐあの人の元へ突き進む。

あんなに怯えていた暗闇が、何故か平気になった。

まあ、慣れたんだろうな。

トラウマを克服したわけではない。

無理矢理にでも慣れなければ、この先生きていけないからな。

…ああ。誰に話しかけているんだろう。

自分にだろうか。

そんなことを考えているうちに、あの人の姿が見えた。

彼は必ずここにいる。

天井が崩れ、白い花が咲き誇る教会に。

びしょびしょに濡れて、膝を抱え込んで座っていた。

「寒いだろ。帰ろう」

オレは彼に視線を合わせようと、しゃがんで話しかけた。

怖がらせないように、この場の雰囲気に合わない明るい態度で。

彼は顔を上げなかった。

彼がもう雨に打たれないように、もう一つ持ってきた傘をさす。

「風邪ひいちゃうよ〜」

無言の空気。雨音が強い。白い花は雨に濡れ、輝いているようにも見えた。

「…」

…そしてそのくすんだ金髪も、雨に濡れて美しく見えてしまった。

「アンタが大丈夫になるまで、オレもここにいるからさ」

彼が入るように傘を立てかけて、オレは立ち上がり煙草に火をつけようとする。

湿っているのかあまり火がつかなかったが、なんとか火をつけて口に咥えた。

空を見上げる。

泣いている。

この世界の雨は、どこから来ているのだろうか。

太陽が見えなくなったはずなのに、植物は完璧に育ち、獣は何事もなかったように過ごしている。

魔法の力だろうか。…この世界は知らないことがたくさんだな。

オレが不死身になったみたいに。

「…………ガル」

雨音でほとんどの音がかき消される中、僅かにそう聞こえた。

煙草の日を雨で消して、吸い殻をポケットに突っ込んだ。

オレはゆっくり彼に近づいて、またしゃがむ。

「大丈夫か?」

「……ごめん」

「…アンタが謝ることはないんじゃないかな」

彼は顔を上げないけど、本当にか細い声でそう呟いた。

オレに話しているのかもすら分からない。

「…立てない、んだ。縛られてるみたいに」

「そうか。ゆっくり行こう。焦る必要はない」

オレは彼の手にそっと触れた。

優しく出来ているだろうか?

怖がらせないように、ゆっくり手を繋ぐ。

「出来そうか?」

彼は顔を上げた。

酷い隈と、泣きすぎたのか赤く腫れている。

雨なのか涙なのか分からないほどに顔がぐしゃぐしゃに濡れていた。

「……ああ」

「じゃあ、焦らず行こう。オレが支えるからさ」

ゆっくり手を引っ張って、片方の手で彼の体を支える。

本当に、足が地面に張り付いているんじゃないかと思わせるほど、重そうな動きをしていた。

彼は小さく呻き声を上げながら、なんとか立ち上がった。

「……ごめん。また……来てもらって……」

「気にするなよ。お互い様だろ、こういうの」

手を離そうとすると、彼は弱々しく握り返した。

「…手を離すと、お前が消えそうだから」

どうした?と言う前に、彼は訳を話した。

こんな重い空気の中、オレは笑っているんだろうか。

自分がどんな顔をしているのかわからない。

「…じゃあ、このまま帰ろう。いつ化け物が出てくるか分からないからな」

「…」

彼は小さく頷いた。

傘を二つさすと邪魔そうだから、一つだけ傘をさして、二人で入る。

…ああ。なんだろうこれ。

まるで恋人同士みたいだ、と恥ずかしくなった。

「…ガル」

「なんだ?」

「ありがとう」

今度ははっきり聞こえた。

「…そう言われること、してないんだけどな」

独り言みたいに、そう呟いてしまった。

オレは何故か少しだけ寂しくなった。

雨が降り続く中、それからお互いずっと無言だった。

…彼がそっと手を離して、立ち止まった。

「…シア?どうかした?」

「…あの、さ」

声が震えていた。

「……こんなこと言いたくないけど…オレ……もう死ぬんだと思う」

「……」

突然の「死」という言葉に、体が酷く凍りついた。

「…オレは…死にたくないんじゃなくて…化け物になりたくないんだ。お前を……ガルを殺しそうで……」

「…。………ああ、アンタはそういう感じだったな」

自分の顔が引き攣っている気がする。

ああ、こんな時こそ笑って平常心を保たないと。

「……気がついたらいつもあの場所にいる。多分…お前から離れるためだと思う。もう死んでしまうから」

「……」

こういう時、どう返事したらいいのだろうか。

『なあ、ガル。もし腹の子が何か重要な決断をしようとしていたら、本人に任せてほしい』

『…随分と先の未来を話すんだな』

『……オレも、死ぬ気がしてね』

『………。約束するよ、エガ。アンタの頼み事だからね』

ああ、また、オレは守れないのか。

死別は慣れたはずなんだけどな。

「…こんな話してごめん。でも…いつか話しておこうと思ってた。……傷ついたよな」

「…オレのことはさ、気にしなくていいよ。……でも…」

また、オレのせいで死んでしまうから。

「…なんでもない。迷惑をかけそうだ」

ああ、今オレはどんな顔をしてる?

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Secret HavEat 二次創作規約[正式]

私は二次創作が増えてハヴェートたちが生き続けることを願いますが、原作に沿わないハヴェートたちはハヴェートたちではありません。

ご理解ください。


OK(作品名を書いてください)

・ファンアート含む、二次元三次元作品

・本作品に登場する程度のゴアな描写

・二次創作イラストでのグッズ化

・コスプレ



禁止

・性的な描写

・宗教目的の描写

・世界観を壊す描写

・登場人物のキャラ崩壊(擬獣化や擬人化、性転換などの容姿を変えるだけのものは大歓迎です)

・私の作品以外のクロスオーバー

・ゲームの画像、音楽を切り取りグッズ化、販売するなど

・二次創作イラストのグッズ化の販売


禁止のことさえしなければ基本何しても大丈夫です。

禁止の項目は気づき次第増えていきます。

よろしくお願いします。

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Secret HavEat 二次創作規約

OK(作品名を書いてください)

・本作品に登場する程度のゴアな描写

・二次創作イラストでのグッズ化

・コスプレ

・MMDなどの3D化


禁止

・性的な描写

・宗教目的の描写

・世界観を壊す描写

・登場人物のキャラ崩壊(擬獣化や擬人化、性転換などの容姿を変えるだけのものは大歓迎です)

・私の作品以外のクロスオーバー

・ゲームの画像、音楽を切り取りグッズ化、販売するなど

・二次創作イラストのグッズ化の販売


禁止のことさえしなければ基本何しても大丈夫です。

禁止の項目は気づき次第増えていきます。

よろしくお願いします。


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雨の記憶

嫌な気分になるほどの黒い天気だった。

空が泣いている。

激しい雨音しか聞こえない、そんな天気だ。

オレには十分な黒色をした傘を持って、扉を開けた。

傘に雨が跳ねる。

靴に雨水が染み込んでいく。

歩くたびに泥になった土が沈み、足跡に水溜まりができる。

自分は今、どんな顔をしているのだろう。

ちゃんと焦っている顔ができているのだろうか。

自分の不安を誤魔化すためにいつも笑い続けていたら、いつのまにか気味の悪い笑みが顔に張り付いてしまった。

でも、それでよかったのかもしれない。

もう醜態を晒したくないから。

あの人はいつも同じ場所にいる。

もう慣れてしまったこの暗闇を、ただ真っ直ぐあの人の元へ突き進む。

あんなに怯えていた暗闇が、何故か平気になった。

まあ、慣れたんだろうな。

トラウマを克服したわけではない。

無理矢理にでも慣れなければ、この先生きていけないからな。

…ああ。誰に話しかけているんだろう。

自分にだろうか。

そんなことを考えているうちに、あの人の姿が見えた。

彼は必ずここにいる。

天井が崩れ、白い花が咲き誇る教会に。

びしょびしょに濡れて、膝を抱え込んで座っていた。

「寒いだろ。帰ろう」

オレは彼に視線を合わせようと、しゃがんで話しかけた。

怖がらせないように、この場の雰囲気に合わない明るい態度で。

彼は顔を上げなかった。

彼がもう雨に打たれないように、もう一つ持ってきた傘をさす。

「風邪ひいちゃうよ〜」

無言の空気。雨音が強い。白い花は雨に濡れ、輝いているようにも見えた。

「…」

…そしてそのくすんだ金髪も、雨に濡れて美しく見えてしまった。

「アンタが大丈夫になるまで、オレもここにいるからさ」

彼が入るように傘を立てかけて、オレは立ち上がり煙草に火をつけようとする。

湿っているのかあまり火がつかなかったが、なんとか火をつけて口に咥えた。

空を見上げる。

泣いている。

この世界の雨は、どこから来ているのだろうか。

太陽が見えなくなったはずなのに、植物は完璧に育ち、獣は何事もなかったように過ごしている。

魔法の力だろうか。…この世界は知らないことがたくさんだな。

オレが不死身になったみたいに。

「…………ガル」

雨音でほとんどの音がかき消される中、僅かにそう聞こえた。

煙草の日を雨で消して、吸い殻をポケットに突っ込んだ。

オレはゆっくり彼に近づいて、またしゃがむ。

「大丈夫か?」

「……ごめん」

「…アンタが謝ることはないんじゃないかな」

彼は顔を上げないけど、本当にか細い声でそう呟いた。

オレに話しているのかもすら分からない。

「…立てない、んだ。縛られてるみたいに」

「そうか。ゆっくり行こう。焦る必要はない」

オレは彼の手にそっと触れた。

優しく出来ているだろうか?

怖がらせないように、ゆっくり手を繋ぐ。

「出来そうか?」

彼は顔を上げた。

酷い隈と、泣きすぎたのか赤く腫れている。

雨なのか涙なのか分からないほどに顔がぐしゃぐしゃに濡れていた。

「……ああ」

「じゃあ、焦らず行こう。オレが支えるからさ」

ゆっくり手を引っ張って、片方の手で彼の体を支える。

本当に、足が地面に張り付いているんじゃないかと思わせるほど、重そうな動きをしていた。

彼は小さく呻き声を上げながら、なんとか立ち上がった。

「……ごめん。また……来てもらって……」

「気にするなよ。お互い様だろ、こういうの」

手を離そうとすると、彼は弱々しく握り返した。

「…手を離すと、お前が消えそうだから」

どうした?と言う前に、彼は訳を話した。

こんな重い空気の中、オレは笑っているんだろうか。

自分がどんな顔をしているのかわからない。

「…じゃあ、このまま帰ろう。いつ化け物が出てくるか分からないからな」

「…」

彼は小さく頷いた。

傘を二つさすと邪魔そうだから、一つだけ傘をさして、二人で入る。

…ああ。なんだろうこれ。

まるで恋人同士みたいだ、と恥ずかしくなった。

「…ガル」

「なんだ?」

「ありがとう」

今度ははっきり聞こえた。

「…そう言われること、してないんだけどな」

独り言みたいに、そう呟いてしまった。

オレは何故か少しだけ寂しくなった。

雨が降り続く中、それからお互いずっと無言だった。

…彼がそっと手を離して、立ち止まった。

「…シア?どうかした?」

「…あの、さ」

声が震えていた。

「……こんなこと言いたくないけど…オレ……もう死ぬんだと思う」

「……」

突然の「死」という言葉に、体が酷く凍りついた。

「…オレは…死にたくないんじゃなくて…化け物になりたくないんだ。お前を……ガルを殺しそうで……」

「…。………ああ、アンタはそういう感じだったな」

自分の顔が引き攣っている気がする。

ああ、こんな時こそ笑って平常心を保たないと。

「……気がついたらいつもあの場所にいる。多分…お前から離れるためだと思う。もう死んでしまうから」

「……」

こういう時、どう返事したらいいのだろうか。


『なあ、ガル。もし腹の子が何か重要な決断をしようとしていたら、本人に任せてほしい』

『…随分と先の未来を話すんだな』

『……オレも、死ぬ気がしてね』

『………。約束するよ、エガ。アンタの頼み事だからね』


ああ、また、オレは守れないのか。

死別は慣れたはずなんだけどな。

「…こんな話してごめん。でも…いつか話しておこうと思ってた。……傷ついたよな」

「…オレのことはさ、気にしなくていいよ。……でも…」

また、オレのせいで死んでしまうから。

「…なんでもない。迷惑をかけそうだ」

ああ、今オレはどんな顔をしてる?

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ヴェアガル シンシア 姉弟の記憶






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殺し屋と母の記憶











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無断転載について

私の有料記事が海外のサイトに無断転載されていることに気づきました。

恐らくサイトを見ると収入が入るタイプのものなので、絶対に検索しないようにお願いします。

また、有料記事にはいろいろなファイルがダウンロードできるものがありますが、無断転載サイトで絶対にダウンロード、というか記事を読まないでくださいね。

無断転載サイトで記事を見る人はいないだろ、と言いたいところですが有料記事が無断転載されている時点であまり軽々しく見ていられません。


というか、私はよく…海外で無断転載されています。snsで呟いたものを丸々転載されたこともあります。(されてる最中です)

海外なので連絡手段もよくわからず、うかつに警告を出すと反撃を食らいそうで怖くて様子見しています。

有料記事はSNSなどで呟かないような自我や意見、PSDファイルなどを置いているので思ったより深刻な気持ちでいます。


私はこういうことが本当に嫌になって、いつも少数で、小さく活動しているのに毎回こういう目にあってとても辛いです。

今できることはその無断転載サイトを見ない、くらいしか出来ないです。

よろしくお願いします。

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近況報告~エガと一緒

前回書いた、エガの転生する話が十?何ページほど描き終わりました。

といってもほぼ画集に近い形ですが…。

ストーリーを見直し中です。

完成したら、本の形式と(有料、数量限定の通販予定)、PDF形式(無料)で配信予定です。




のんびり頑張ります!

支援やいいね、コメントなどいつも励みになります。

ありがとうございます!


ところで、500円のプランを作ったのですが(ありがたいことに数人支援者がいます。うれしい)あまり時間も作れず、夏バテで絵も描ける状況でもなく…何を上げたらいいかよくわからなくなってしまいました。

でもせっかく支援者がいるので、それなりの価値があるような記事は出していきたいです。

何かしてほしいとかあったらメッセージなどお気軽に…

みなさん熱中症には気を付けてくださいね。

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オーダーメイド♡ハルキゲニアと一緒

~制作費2000円まで

♡お世話になっているサイト、使わせていただくサイト♡

ME-Q様

embed: www.me-q.jp

ここからグッズと絵を教えてください。


応募先♡

https://form.run/@egahaveat

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プランについて

~アノマロカリスプラン~

ちょっとした絵の投稿や、日記を描いています~

支援金は生活費に使わせていただいています!

いつもありがとうございます!

支援者限定配信も行います。


~ハルキゲニアプラン~

オーダーメイドグッズを受け付けます。

月1の手紙、イラストカードを希望する人に送っています。

別の記事で詳しく書いていきます~。

こちらも生活費にあててもらっています。

本当にありがとうございます!

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はるきげにあとハヴェちゃんへの愛♡

不眠で深夜に起きた状態で文章を書いているため、おかしいところがあるかもしれません。

ちょっとした報告と、ハヴェちゃんのことを書きます。



———————————————————————

    ~ハルキゲニアプラン開設~

———————————————————————

プランによる支援金は、生活費や資料、グッズにあてています。

いつもありがとうございます!



ハヴェちゃんは私の大切な人物です。

実は、ハヴェちゃんは中学生のころにキャラメイクゲームで作った一人の人物でした。

その人物に名前を付け、愛し続けていたら、気づけば5年以上経過していました。

どのくらい描いているかはわかりませんが、長期ではあるとは思います。(エガよりずっと先輩です!)

ハヴェちゃんは私が持っていないものを持たせている人物です。

完璧な容姿、情熱的に生きる姿、死を恐れる危機能力、強い男勝りな性格。

彼女は自創作人物の中でも最も強い人物であるかもしれません。

いつかハヴェートに関する本を作っていきたいです。

ハヴェちゃんのゲームを作っていましたが、(体験版は公開しましたが…)私にはやはり絵の方が似合っているのかもしれません。

とりあえず、いろんな姿を見るために描いたハヴェちゃんタロットを完成させたいです!

ここまで読んでいただきありがとうございました。

これからもハヴェちゃんを愛してくれると嬉しいです。

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ハヴェちゃんタロット解説~愚者編~

No.0 THE FOOL

この記事は私なりのタロットストーリーをハヴェートで例えたものを書いていきます。

そのため、実際のタロットとは違うこと、占いの見方が違うことをご理解ください。


0である愚者。

愚者は他の21枚のタロットカードを渡っていきます。

愚者は自由で、危険なんてどうでもいい。

楽観的で、想像力が豊かです。

そして、彼女は何にでもなれる存在です。

後ろにいる二人の彼女は、未来の彼女なのか、それとも…。

彼女の兄である白い犬はそんな彼女をいつまでも見守っています。



彼女は赤ん坊だ。何にでも生まれ変われるんだ。


☆彡正位置

仕事…自由な発想がまわりを驚かせるかも?!

恋愛…もしかしたら、素敵な出会いがあるかも…。

学問…やりたかったことをやってみよう!

探し物…足元に!灯台下暗し。


☆彡逆位置

仕事…ドン引きされないように注意!

恋愛…曖昧な愛…大丈夫?

学問…あれれ…本当にこれでよかった?

探し物…過去の私が自由すぎて、どこかに行っちゃった!

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高画質&PSDファイル


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今の目標!ハヴェちゃんと一緒

・エガの輪廻転生の同人誌

何ページになるかわかりませんが、とりあえずこれを作りたい!

・ハヴェちゃんオンリー!ハヴェちゃんタロット

長い道のりになりそうですが、なんとか作ってみたいです。


がんばるよ~

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[ENG] Ega's Diary! ~fashionable~







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エガ日記~オシャレ!~
















あらあら。

おわり!


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今月のエガ話~黒目狩りと一緒



今日は二人の話をします。というか二人が勝手に話します。

二人はいつ二人になったのかわかりません。

少なくとも数年前から一緒だったと思います。

去年、二人の絵を多く描きました。

二人の関係性をとにかく掘り下げたかった記憶があります。

彼らを掘り下げていくうちに、だんだん彼らを理解できてきたのが嬉しかった記憶があります。

その時に描いた絵を少しずつ紹介していきます。


2022‎年‎8‎月‎10‎日


この頃は風景画をよく描いていました。

このあたりから、人物に焦点を当てた絵を描いてみたいとなっていたと思います。

2022‎年‎8‎月‎10‎日

ピクシブで見つけたとあるイラストにすごく影響を受けて描いた絵です。

ちなみに、ここは黒目狩りの家。

インテリアセンスは全てエガです。


‎2022‎年‎8‎月‎11‎日



これは海が描きたくて描いた絵です。


2022‎年‎9‎月‎5‎日




‎2022‎年‎9‎月‎6‎日




これからもこの二人をよろしくお願いします。


おまけ








このあと、エガの誉め言葉は一時間続いた…。

おわり!

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私のやり方

こんにちは。

今回はなんか…エッセイみたいなのを書いてみます。

最近創作のやり方をどうすればいいかよく悩んでいます。

私は自創作を多くの人に知ってもらいたい。

だから、youtubeをやってみたり、コミティアに出ようとしてみたり(結局これは行かないことにしましたが…)。

僅かですが、見てくれる人は増えてくれたと思います。

でも、本当にそれでいいのかわかりません。

見てもらえる人を増やしたいのか、創作を好きでいてくれる人を増やしたいのか、ずっと悩んでいるんです。

母数を増やせばファンが増えるのは当たり前です。

ですが、私は母数を増やすための行動をあまり積極的にやろうとは思えないんです。

例えばの話ですが、Twitterでファン(フォロワー)を増やすためにはタグをしてみたり、交流をしてみたり、いわゆるバズを狙ってみたり。(恐らく最後の方法が一番フォロワーが増えます)

でも私にはどれも苦痛です。

タグをして相互を増やしても苦しくなってアカウント削除する癖が出てしまうんです。

これは完全に私の責任ですが…私と長く繋がっている人はよくわかっていると思いますが、私はアカウント削除の癖が酷くあります。酷い時には1ヶ月の頻度でアカウント削除を繰り返しました。

いわゆる人間関係リセット癖です。この癖で多くの人に迷惑をかけたと思います。

この場で謝罪させていただきます。ごめんなさい。

湿っぽい話はここでやめましょう。

次に交流です。まあまあ出来るかもしれません。

でもある日突然、この人と繋がって、この人は苦痛ではないのか?みたいな考え方が浮かんでしまいます。

その考えが浮かんでしまうと距離を取ってしまうんです。

そして、最終的にアカウント削除…と繰り返します。

うーん。嫌なサイクルですね。

次にバズ絵。無理です。そもそも私は絵が伸びるのが本当に嫌です。

好きな人にだけ見てもらえれば十分です。


つまり何が言いたいのかというと、自創作を見てもらいたいけど、フォロワーが増えるのは嫌だし、絵が伸びるのも嫌だし、そもそも私がファンから離れてしまう…。

どうしたらいいんですかね笑

こういう考え方の人ってあまりいないと思うんです。

でも忘れないでほしいのは、私の自創作を愛してくれる人は本当に好きです。

恐らく私は自創作を愛してくれる人が欲しいんです。

高望みしすぎでしょうか?

でも、確実に増えてきています。少量かもしれませんが、私には十分すぎる人数です。

やっぱり、地道に活動して、地道に好きでいてくれる人を増やすのが一番ですね。

この投稿を見ている人はあまりいないかもしれませんが、FANBOXをフォローしてくれるということは少なからず私に興味があるということを信じて言います。

いつも私の自創作を見ていただきありがとうございます。

さっきも言った通り、私は突然消えるかもしれません。

でも、最後までお付き合いしていただけると幸いです。

私もできるだけ今の人たちと長く活動していきたいです。

せっかく、私と繋がってくれた方たちなので。

これからもよろしくお願いします。


6月12日


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黒目狩りとエガ

お互いに、相手が危ない目に遭っていたら文字通り命をかけるような人です。


黒目狩りは気さくな性格で、いつも笑っており明るい印象を受けますが自身が不死身だということもあり、いつエガに置いて行かれるか分からない状況で常に不安を抱えています。若干メンヘラ気味かもしれません。エガのことは大好きで愛をたくさん伝えますが、これは初恋相手(エガの母親)に愛を全く伝えられずに死別したからです。彼はそのことがトラウマです。


エガは冷静で凛とした表情を見せますが、予想外のことが起きるとパニックに陥ります。冷静な性格とは裏腹に、黒目狩りに対しては愛情深く、笑顔を見せることがたくさんあるそうです。黒目狩りを唯一不死身扱いしない人で、気軽に命をかけて傷ついてしまう黒目狩りを心配しています。黒目狩りの体は綺麗に治ってしまうので、黒目狩り自身は気にしていないようです。






















おまけ


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らくがき(全創作)
































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ハヴェート 落書き











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エガレェ 妹の記憶

「お兄ちゃん、戻ったよ」

音の鳴らない、薄暗い部屋。

蝋燭一本が作る影に、ぼーっと座るお兄ちゃんの姿がうつる。

部屋の隅に置かれた木の机で、ただひとり座っている。

読みかけの本が置かれていて、多分、気持ちを落ち着かせるために読んだのかな…。

斜め上の空間を見つめたまま、考え事をしているようだった。

「お兄ちゃん」

「…?あ、あぁ…」

お兄ちゃんはハッとしたように顔をこちらに向ける。

疲れたような笑いをこぼす。それだけで彼の心身状態がわかる。

「お兄ちゃん、話なら聞くよ」

「あ、…別に、構わないさ」

明らかに元気のない返答に、私は心配になる。

えっと、こういうときは…。

……お兄ちゃんはたまにわからないときがある。

呪いのせいで、理由もなくくる不安と、彼自身の不安。

…あなたが何を考えているか、私はわからない。きっと、二度と…。

「…姉さん、隣にいて」

「?」

お兄ちゃんの隣に座る。お兄ちゃんの匂いがふわっとして、少しドキドキする。

お兄ちゃんの頭が自分の肩にもたれかかる。

「………」

「お兄ちゃん、大丈夫?」

「………姉さんが隣にいるだけで、いい。ありがとう」

「……うん」

震える手。か細い声。

何も出来ない自分を、憎んだ。

「2人でいるときが…1番安心するんだ。でも…消えてしまいそうで怖い…」

「…お兄ちゃん…」

「また俺のせいでいなくなったら…俺は…」

お兄ちゃんは顔を手で覆う。

「俺は……どうしたらいい…」

「お兄ちゃん、心配しないで。私はずっと一緒よ。ほら。」

お兄ちゃんの手を握る。

「ちゃんと私はここにいるわ。しっかり握って。この指先から感じ取るの。温もりと…存在を」

「…そうだな。ごめん、暗い話して。姉さんはたしかにここにいるよ」

お兄ちゃんは少しだけ笑う。

お兄ちゃんの大きな手。

私は…私はお兄ちゃんを失うのが怖い。

お互い、失うことに怯えている。

だから、こうして互いに存在を見つけ合う。

それが少しだけ、楽しみな自分がいた。

お兄ちゃんを感じ取れるから。

「……っ、いるよ、姉さ、ん…」

「お兄ちゃん?」

お兄ちゃんは泣いていた。

「怖い……姉さんがいなくなることが。こうしている間だけ、幸せなのに…明日はまた命懸けなんだ。それが…嫌だ…姉さん…」

ぼろぼろと涙をこぼす。

「大丈夫。お兄ちゃん。怖くないわ」

お兄ちゃんを抱きしめる。

お兄ちゃんはすぐに抱き返してくれた。

「…そうだよな…姉さんがいれば………姉さん…1人にしないで…」

震える声は、まるで子供の頃に戻ったような感覚があった。

お兄ちゃんはこういうところがあった。ちょっとだけ、子供っぽくなってしまうところ。

私は微かに残るお母さんとの記憶を思い出して、それなりの行動をしてみる。

お母さんがくれた優しさ。愛し方。

お兄ちゃんは私をたくさん愛してくれた。

だから今度は私が、お母さんとお兄ちゃんからもらった愛で、たくさん愛してあげる。

唯一、私が出来ることだって。

「1人にしないよ、お兄ちゃん」










あれからどのくらい経ったのだろう。

オレはふらつく足をなんとか前に進めて、雪原を歩く。

花束を持って、白い息を溢しながら冷たい空気を感じ取る。

「姉さん、来たよ」

目の前にあるのは、大きな石。

そこには姉さんが眠っている。

「こんな寒いところでごめんな、…逃げられる場所がここしかなくてさ」

魔物狩りに襲われたあの日、首を切断された姉さんを運んで、雪原へ…ここへたどり着いた。

そこで姉さんは灰になって消えてしまった。

灰の中に残ったのは、姉さんが身につけていたペンダントだった。

今もそれは形見となっている。

「姉さん、元気にしてる?」

墓の前にしゃがみ込む。

石の上に花束をそっと置いた。

「……姉さん、ごめん。こんなことになってしまって」

少し苦笑いをした。

「こんな…結末…望んでいなかったのに」

口元が歪む。

「母さんと一緒にいるんだろう?オレもそろそろ行きたいよ…姉さん」

…。

何も覚えちゃいない。ただ、人生を狂わせた。それだけだ。

あの時は心が張り裂けた。感情を制御できなかった。ただ赤子みたいに、泣き喚くしかなかった。

悔しい、悔しいよ、だって、ずっと、守ってきたのに、愛していたのに、こんなにも、愛していたのに、オレは、結局は自分の無力で全てを失った!!!!!

許せない、人をこんなにも憎んだことがなかった。心の底から憎んだ。皆殺しにしてやろうかと思った。死ねばいい。何故オレたちが苦しまなきゃならないんだ。死ねばよかった…お前らが死ねばよかった!!!

あの綺麗で、優しい姉さんの顔は、ぐちゃぐちゃで、…赤くて……………首から血が…。

何をしたら良い、何をしたら助かる?それだけで精一杯だった。ひたすらに考えた。脳みそを全力で回転させて、もはや何をしていたなかわからないくらい考えて。

でも残ったのは死だった。死。

なァ……覚えてるよな…一緒に三つ編みにしようって…ねえ……いかないでくれ…………やりたいことまだあるって……。

姉さん寒くないよ。1人じゃないから。オレがいるから。悲しい顔をしないで…オレが…………守るから……大丈夫だから。大丈夫。

「帰ってきてよ姉さん…」

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三つ編みエガ 生の記憶

自殺未遂、自傷の表現があります。






最初は簡単だった。

恐怖を知らなかったから。

なんでもよかった。姉さんに会えるなら。

首つり紐の結び方くらい知っていた。自殺した人間なんて何百と見た。

ああ、はは。

懐かしい匂いもしないこの場所。

時の神に出会って過去へ飛ばされてから見つけた、誰も知らない隠れ家だ。

冷たさと埃臭さだけが残り、自分が生活しているなんて嘘みたいだ。木製の床はぎしぎしと古臭い音が鳴る。

埃が被った窓際。家は地下にあるものだから、木々の間に窓があった。

この場所。よく望遠鏡で空を見ていた。雲しか見えないのに、太陽が見える日を待っていた。

…その日が来ることはなかったが。

いつも寝ている寝具に体を投げ出した。

温もりを一切感じなかった。

隣に姉さんがいる。そんな気がする。

布に顔を埋める。

この隠れ家なら自分のことなど見向きもされないだろう。…。

自分の存在がわからなかった。記憶もなくて、自分の本名もわからなくて。

なにひとつ思い出せやしなかった。それどころか、何かを失い続けるばかりだった。

それが、とにかく苦しかった。

努力が実ることなんてなかった。それだけがわかったところで、何になる?

……。考えるのはやめだ。

ゆっくり立ち上がる。

……希望が、持てないな。姉さんがいたときは何でもやれた気がしたのに。

両目が黒くなってから幻覚が見えるようになった気がする。

そんなことどうでもいい。周りを信用しなければいい話だ。

希望なんて持たなくてもいい。絶望することがなくなる。

オレはもう何も見たくないし、絶望もしたくない。ふつうに生きたい。

ただ1人の人間として生きたい。

生きたかったのに。

生きるって難しいな。

もう全部遅いんだ。こんな世界でこんなことを望んだ自分が馬鹿だった。

オレは前に進んだ。何かが倒れた気がするけど、もうどうでもよかった。





ああ、これは悪い夢だ。

「ほら 立てよ」

…。

「あーあ。お前は立ち上がれないくらい弱くなったんだな」

後ろから足音が近づいてくる。

音が。音が。

怖くて耳を塞いだ。

知らない声。いや違う。知っているけど、オレじゃない。

「立てないのか?なァ」

よく知っている顔をした人間に胸ぐらを掴まれる。

「そんなんじゃねェ…」

威嚇するように声を必死に絞り出した。

「みんな死んじまったな」

「…」

冷たく、感情が伝わらない。わからない。

この恐怖はなんなんだ。この動悸はなんなんだ。自分は何に怯えているんだ。

「みんなお前のために死んだんじゃない」

ああ、そうだよ。


「お前を生かす呪いのために死んだんだ」


「お前に死ぬ権利は何一つない」


「お前は生きなきゃならない」


「お前はみんなの死を無駄にするのか?」


「お前は死ねない。永遠に」


ちがう 僕は

「何が違うの?」

頼むよ、もう楽にしてくれ。


「ねぇお兄ちゃん あなたのせいで私はこうなったの」


…。

はは。

「ふッ……ははッははははははッ、ひひ、ははははははははははッ」

苦しい、息ができない!

死ぬってこういうことなんだ!

ああ、そうだ、そうだな、オレは死ねない!

「ひ、はははッはッげほッ、がッ、ひゅ、げほッげほげほッ」

おかしくて笑った。苦しくて咳き込んだ。

頭がぐらぐらとする。体が動かない。

なあ、オレは静かに寝たいんだ。ゆっくりとな。

今までのツケを返してもらおうか。オレは寝たいんだ。ずっと。ずっとずっとずっと。

寝かせてくれ。頼むから。お願いだ。

息ってどうやってやるんだ。いくら吸っても苦しい。

瞼は開かない。体は本当にびくとも動かない。

ああ、オレ、花になったのかな。

化け物になったのかな。

もう、いいよ。それで。楽になれるなら。


「……」

苦しい。眩しい。

眩しくて目が開けられない。

「おーい。目ぇ覚めたんだろ」

知っている声。でも、怖くない。

「…ねむい」

「だろうなあ。でも俺も待ってんだよ。目開けるだけでいいからさ」

「……」

重い瞼を開けた。そこには、髪を結んでいる赤い紐が目立つ男がいた。

自分はベッドの上で寝ていたようだ。

……こいつが?オレを…?

「おはよう。随分寝てたな」

意外だな。…。そう。黒目狩りが。

「…へッ。久々に長く寝たな」

「30近い数、空が変わった。だいぶ寝てたな。途中死んだんじゃないかってヒヤヒヤしたさ」

「オレが?はは、オレが死ぬわけないだろ」

「……そうだよな」

結んだ黒い髪を揺らしながらこいつは部屋を出ようとする。

「…もうどっかいくのか」

「そう不安になるな。一服してくるだけだ」

不安になんて……。……。

「……お前が自殺しようとしたのは知ってたんだ。俺だって止めようとはしなかった。でもな…」

低いトーンで話す。

ああ、そうだ。オレは。花になろうとした。

「知ってるよ。母さんの約束だろ」

「なんだ。知ってたか」

振り向いて苦笑いをしている。

「…吸ってくる」

…彼の名前は何?






アンタが倒れていた時は頭の中が真っ白になった。

昔の光景に全て似てたんだ。

エガが……アンタの母が。影がそっくりだった。

そこから何も考えていない気がする。

無我夢中で助けていた。首を見た時は絶句した。

人のことにこんなにも焦る自分がいたことに驚いた。

はは、人を殺すことばかりしていたのに。

こういう形で人を助けたことがなかったのに。

気づけばアイツに人工呼吸していた。戦争があったときに覚えていたことが幸いした。

自殺しようとした人を助けることは、本当に良かったのか。

そんなことも考えられずにアイツを病院まで運んで。

目を開けるまでひたすら待っていた。

花が咲いたらどうしようなんて考えながら。

…。

ああ、俺はアンタに依存しているんだろうか…。

俺は親友を2人失った。

それからどうでもよくなって。ひたすら呪われた人間を殺して。

自殺もしようもしたけど、こんな体じゃあなあ…。

やっぱり俺は……1人が嫌なんだ。

そう複雑になりながら、煙草に火をつけた。

いつもの味だが、何かが違うような気がした。


「あ、果実は…食えるか?」

「ああ」

赤い艶が目立つ果実の芳香は、オレを落ち着かせてくれた。

それにかぶりつくと口いっぱいに果汁が溢れ出してなにかを満たしてくれた。

何故お前はオレを助けてくれるんだ。

何故お前はオレに優しくしてくれるんだ。

お前は。オレに何を望んでいるんだ。

「食欲はありそうでよかった」

静かに笑った。

そんな顔出来たんだ。

「食わずに寝てたらさすがに腹が減るよ。……オレをどうやってここまで?」

「ああ、言ってなかったな。ここ廃病院なんだが…魔物たちが使ってるらしくてだな。魔物たちに助けてもらったってワケだ」

言われてみれば。

気づかなかったけど点滴の器具が奥にある。

「……そう」

「いろいろ魔法を試してもらったんだがな、何故かお前はうまく効かなかった。耐性でもあるのか?」

「さァな。魔法はあまり知らないんだ」

「ま、目を覚ましてくれてよかったけどな。…ああ、そういえばまだ用事がある。そこで待っててくれ」

「あ……」

んじゃあとで、と手をひらひらさせてあいつは出て行った。

………。

一瞬のうちに、その場に静けさと冷たさが漂い、温もりは掻き消された。

1人。部屋でまた1人。

自分が1人になると、妙に焦燥感が酷かった。

家族を全員殺されて。

仲間も殺されて。

気づけば自分は1人になった。

1番恐れていたことだった。

あんなに守ったのに。あんなに頑張ったのに。

この気持ちはなんだろう。

天井と睨めっこして、ひたすら考えた。

自分が死のうとしたのは本心なのか。

それとも呪いに蝕まれた心なのか。

オレは。死を望んでいるわけじゃない。

楽になることを望んでいた。

仲間に会うことを望んでいた。

1人になると考え込んでしまう。

アイツはまだ来ないのか。

オレをひとりにしないでくれ。

オレは。多分。誰かと一緒じゃないとダメなんだ。

待っている間がもどかしく、背中を丸めて蹲った。

…。

夢のことを思い出した。

短い夢だった気がするけど。

自分がいた。昔の自分が。

今思えば何を恐れて右目を隠していたのだろう。

両眼はもう黒くなった。染まったんだ。

もう母さんの瞳にはなれなくなった。

碧色の瞳は。もうない。

もう1人の自分が怖かった。

ずっと笑って笑って笑って笑ってこっちを見て。

でも声に感情がのっていなくて。不気味だ。

脳裏にこびりつくその光景が。

トラウマになりそうだ。…最悪だ。

ひとつ何か嫌なことを思い出すと、ずるずると連なって他のことも思い出す。

それは引き摺り出される腸のように、永遠に。

その人間が死ぬまで、引き摺り出される感覚は終わらない。

この感覚が痛かった。記憶を思い出すことが苦痛だった。

いっそのこと全部記憶喪失になればよかったのかもしれない。

くそ。くそが。

自分を殴ってやりたい。ぐちゃぐちゃにして。

後頭部を強く殴って。内臓を引き摺り出して。

ああ、なら腕も切ってしまおう。歩く足も必要ない。お前は前には進めたことないんだ。

はははは、面白くなってきたな。

「ふ、ははッ」

思わず笑いが込み上げてくる。

こんなに。こんなにも。

自分が嫌いだ。大嫌いだ。ああ、死ねばよかった。ナイフで突き刺せばよかった。

そうだ、そうだそうだ。高いところから落ちてしまえば。

でも失敗してしまえば逆に死ぬことが出来なくなる。

いっそのこと出血死は?……血を見るのは嫌だ。赤い、赤い血。

………。

……。

どうでもいい。何を考えていたんだ。

オレが死ぬ?まさか。怖くて出来やしない。

自分の髪がガサガサと擦れる。

そのことに違和感を覚えて、自分はいつも三つ編みをしていたことを思い出した。

慣れたその手つきで三つ編みを施す。

髪紐は腕にあった。いつの間に。

ああ、この感じ。片側だけに乗せられた髪の重さに懐かしさを感じた。


……。

…。

何か違う。

手。

手袋がない。

手袋がない!

一気に酷く冷や汗がでる。

ああ、くそっ。縄の紐を結ぶときに外したんだ。

1人になると全てが不安になる。

さっきまでは全く気にしなかったのに。

怖い。怖い!!

あまりの恐怖に部屋から飛び出した。

視線を一気に感じるようになった。

あの部屋は。誰かがいる。たくさんいる。たくさんの目がこっちを見ている!

あ、こんな、こんなに。

自分は何に怯えているんだ。何でこんなに怖いんだ!

その場が急に怖くなって走り出した。

アイツを探して。

でも目を覚ましたばかりだからなのか、うまく走れなかった。

呼吸が変になり、足がフラフラとする。

吐き気と頭痛が込み上げてきて、立つことが難しくなり、壁に手をついてもたれかかる。

部屋がいくつも並ぶ長い廊下。

窓は割れ、木の枝が部屋に入ってきている。

…はは、本当に廃病院だ。

そんなことを朦朧とする意識の中考えた。

「ふ、ッ……ひゅ」

もうダメだ。その場で座り込む。

怖い…1人が。怖い。

誰か。

ひ、ふふ、姉さんがいたときはこんなことなかったのに、ね。

疲れた……。

もう、助けてくれ。オレは。

ねむい…。

…母さん、オレ怖いんだ。

ごめんなさい、本当に、ダメで。

オレはもうちょっと寝ていたいんだ。

母さんなら、怒るかな。

うん……うん。大丈夫。僕は大丈夫だよ。なんとかなるよ。

…。

その場から動けなくなった。


オレ、どうしたんだろう。

おかしくなったのかな。

呪いのせいだ。全部。呪いのせいだ。

呪いが悪いんだ。

オレから出ていってくれ。

血を流せば呪いは消える?

血が怖い?もういいよ。呪いが消えるなら。

落ちていたガラスの破片を拾う。

手袋のことなんてどうでもよくなっていた。

その破片を手首に突き刺した。

血が。血が。

痛みなんてどうでもよかった。

なあ、おれ、本当にどうしたんだろう。

こんなこと。

だれか、教えてくれ。


「こんなところで何してんだ」

ああ、聞き覚えのある声。

「……つかれてる、だけ」

「そうかい。それ、治さねえとな」

オレの腕をそっと持ち上げる。

嫌じゃなかった。いつも他人に体に触られることは嫌なのに。

コイツは慣れた手つきであっという間に処置を終えた。

…。驚いたな。

「戻るぞ。立てるか?」

「……そうみえるか?」

「無理そうだな。運びたいのは山々だが…あいにく俺は力がないのでね」

そう言って反対側に佇んだ。

葉巻を取り出し、着火機で火を灯す。

「…着火機、いいなあ」

「国で買ったんだ。随分と高いぞ」

「へェ。そりゃいいね」

煙臭さと香草の燃える匂いが漂う。

それを嗅ぎながらしばらく座っていた。

「…なんでお前はオレを助ける?」

「なんでだろうな。はは…なんでだろう」

「…」

「俺も1人じゃ生きられなくなったのかもな」

「…そう」

はぁー、と大きいため息を吐く。

煙は割れた窓の隙間から空へ伸びている。

「ある日1人になったことに気づいて。それが酷く怖くなった瞬間があった。…両眼が黒くなったときだった。呪いって…恐ろしいんだって」

…オレだけじゃなかったんだ。

それだけで安心した。

「それからはこの葉巻が相棒ってわけよ。俺は1人じゃ生きられねえからな」

「はは…オレも1人じゃ無理だよ」

笑ったつもりだったけど、うまく笑えてなかった気がする。

…。こいつとは、何故か親近感が湧いていた。

何故だろう。そして、妙に落ち着く相手だった。

人間として。呪われた人間として。誰かを失ってきた人間として。

別に好意を抱いているわけではないけど。

でも。

…安心するなァ。姉さんが、ベルたちが、その空間にいたような安心が。

こいつとは昔からの知り合いだったが。

お前の名前を知るまでは、オレは死なねェからな。

しばらくくだらない語を交えていた。

この時間が楽しいと感じていたらオレがいた。

ああ、こんな時間が続くなら。

オレもまだ生きることは苦じゃないのかもな。
















なァ、ごめん

お前を置き去りにして

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自創作世界観集

昔作った自創作の本のPDFです。 主人公がエガではなくオグエフちゃんで、エガの世界から数十年後の話です。

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黒目狩り 黒の記憶

オレはアンタが好きだった。

オレを人として接してくれるアンタが。

醜くて、化け物のオレを信じてくれるアンタが。

わかっていた。自分じゃ理解できないようなこの感情が。何一つ伝わらないことを。

アンタに出会えてから世界が変わった。これは本当だ。

誰からも暴力を振るわれなくなった。

自分の部屋が荒らされることも。食事に毒を盛られることも。

人生が生まれて初めて明るく見えたんだ。

オレがはじめてここに来た時、別棟に隔離されていた。

誰もオレを生きているものとして扱ってくれなかった。

本当に辛かった。あの時ほど死にたかったことはないよ。

思い出したくもないね…。

そんな時アンタが来た。

アンタの手がオレの腕を引っ張った。

「ここから逃げよう」…なんて言ってさ?

突然の出来事だった。でもオレは…そんなアンタをすぐに信用してしまった。

生まれて初めてみたものを親だと思い込む雛鳥のように、オレはアンタを勇者だと思ったんだ。

こんなことアンタに言えないだろうな。きっとからかうだろ?

でも本当だ。全部…。オレを助けようとしてくれたその行動が、オレのために何かしてくれたアンタの全てが、夢のようだった。

親友もできた。アンタのおかげで。友という概念を心の底から知ることができたんだ。

今も信じているんだ。アンタはオレの勇者だった。恥ずかしいから、言えねえけど。

ああ、オレの腕を引っ張って……。気づけば手を繋いで。花畑に来たんだ。

黒い花が一面を覆う、そんな場所に。

「綺麗だろ?」ってアンタは笑った。

綺麗だよ。そう答えた。

風になびくその金髪が、とにかく美しかった。

オレは子供の頃からアンタに惚れていたんだな。

ああ、ごめん、こんな姿で生まれて。

笑うことが怖かった。また殴られたら。

でもアンタは否定しなかった。オレの顔を見ても、オレの髪を見ても、何一つ悪い顔をしなかった。

だがアンタのような美しい姿なら、アンタはオレのことをもっと見ていたかもしれない。

なあ…そうだろ?

アンタは急に行方不明になった。

オレは信じたくなかった。

知っていたんだ…アンタは全部ひとりでやっちまう。

オレを頼りにしたことなんてなかった。

なあ、オレが醜いのか?

オレが化け物だからか?

アンタがいなくなったら、オレは。

エガレェ…頼むからひとりで抱え込まないでくれ。

だからオレはアンタを追いかけようとした。

国外れに行ったかもしれない。

オレはどれだけ星の位置が変わろうと…探し出す。

今度はオレが助けなきゃいけねえんだ。

そう思っていた。

知らない人間がオレの腕を引っ張った。

あの時よりも、痛みと恐怖が伴った。

ああ、そうだ。オレは…化け物なんだ。

違う。化け物にされたんだ。

手足を拘束されて。

見たこともない機械に、何度も打たれた注射器、叫ぶオレに見向きもしないで肌を切り裂いていく人間。

気づいた。魔物はいつもこんな目にあっているということに。

人間が急に憎くなった。「人間」そのものに酷い憎悪を抱くようになっていた。

血肉を抉られる恐怖、過去の出来事の記憶、自分の両親がオレに仕掛けたこと。

今でもオレを縛り続ける。

脳の繊維ひとつひとつに絡みつくように、こびりついて離れない。

オレは死ぬことができなかった。体の細胞が死を拒絶せるようになった。

生きる希望がなかった。だからアンタを探し続けた。それが希望になれたから。

本当は不安だった。親友を既に失っていたから。

不死という縛りを受けているせいで、まわりの死に耐えられなかった。

アンタは…オレを置いていかないだろう?

あのとき伸ばしてくれた腕は、オレのためなんだろう?

オレはまたひとりになるのか?

オレをひとりにしないでくれ!

アンタを襲うものは全てオレが殺す。

目が黒いやつを殺せばいい。そうすれば化け物になった瞬間ぶち殺せばいいし、アンタが化け物に襲われることがなくなるだろう?

それにアンタを襲う人間もいなくなるんだ。

オレをひとりにしなかったアンタをひとりにさせたくないんだ。

……オレを、信じてくれよ。

もう、何も失いたくないんだ…。


こうなることくらい、わかっていた。

こんな世界で、強く生き続けていたアンタが、本当に立派だった。立派すぎた。

自分がどのくらいの間探し続けているのかわからなくなっていた。

何故人を殺しているのかわからなくなった。

せめて、一度だけ話しておきたかった。

どうしてだろう、涙が止まらない。

人のことに、こんなに泣くことは今までなかったのに。

心に穴が空いた気分だ。

オレは何を目指して生きていけばいい?

この感覚はなんだろう。悲しい、わけではない。

何かを心から奪われて、ぐちゃぐちゃに潰されて、あぁ……くそっ、オレはアンタのために何か出来ていたのか?

死ねない体で、アンタを追うこともできない。

自分の銃を自分に向けることすら怖い。

オレは……何も出来なかった。

だめだよな、結局自分の鎖が、枷が、外れなかったんだ。

この感情をどこにぶつければいいんだ?

考えても無駄だ。わかっている。だがオレはそうでもしないと、自分の感情に潰される気がする。

呪いに体を乗っ取られる。姿までもが、化け物になってしまう。

オレはアンタに依存していた。あの時からずっと依存し続けていたんだ。

悔しいよ、そりゃそうだ。命に限りがあることを、どこかで忘れていたんだ。

オレは……。


「どうしたんだ?大丈夫か?」


探し続けて、アンタの子に出会ったよ。

無駄な足掻きだろう。だがオレにとっては生きる希望を見つけただけにすぎない。

見間違えるほど瓜二つなんだ。

だから羨ましかった。あの美しい容姿を引き継いだアンタが。

オレは過去に戻ったのかと思った。

いっそのこと、アンタの姿をエガとして想い続けたほうがよかったのかもな。

…。

アンタの子は…さすがエガの子だって思えるよ。

魔物の存在も否定しないし、何より…オレのことを攻撃しなかった。

オレと同じ瞳をもつ目の前の男は、ただこちらを不安げに見つめていた。

「何で泣いているんだ?どこか痛いのか…?」

「……なにもないさ」

ああ、心が痛くてたまらないんだ。

アンタは……

アンタはオレを捨てないよな?

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ハヴェート 死の記憶(ゲームネタバレ注意)

わたしには死というものはわからない。

だって、関係なかったもの。

どれだけ血を流しても、どれだけ痛い思いをしても、気づけば何事もなかったかのように元に戻っているの。

兄さんは、私たちを不死身と言っていたわ。

死なない体…これで私たちは恐怖をひとつ失っていたの。死に対する恐怖。

わたしは嬉しかったの。兄さんと、永遠に過ごせることが!

兄さんはわたしのことをとても愛してくれる。

いつも隣にいてくれて…毛繕いもしてくれる。わたしが水辺で遊んでいる時も、兄さんは優しく見守ってくれていたわ。

子供の頃は覚えていないけど…お母さんがいなくなっても、兄さんはわたしを大切にしてくれた…そうよね?

わたしは兄さんと一緒なら、どの世界でもよかったの。

兄さんがいる世界がとても素敵な世界で、兄さんがいない世界はとても悪い世界。

わたしはこの死なない身体をもっていてよかった。


だから…


だからずっと幸せだと思っていたの。


いつも幸せを壊すのは、知らない誰かだった。

わたしは人間の言葉なんて喋れない。でも、人間の言葉は理解できた。

「死ね」と。

どうして?

わたしたちは幸せになってはいけないの?

痛くて、怖くて、何もわからなかった。

でも兄さんがいたから、全部我慢した。

痛くて痛くて痛くて痛くて堪らなくて、怖くて、怖い怖い怖い。

寒い。

杭を打ち込まれたから、痛くて泣いた。

口にナイフを入れられたから、痛くて泣いた。

爪を剥がされたから、痛くて叫んだ。

尾を切断されたから、痛くて叫んだ。

何かを刺されて、気持ち悪くなって、血を吐き出した。

歯を抜かれて、怖くて体の震えが止まらなかった。

それで…………。

わたしの体は怪我と、治すを繰り返して、ぐちゃぐちゃになった。

長い時間痛い思いをした。

繰り返されるの。わたしがこの生活に慣れたときは、わたしはわたしの感情を理解できなくなっていた。

わたしの体に起きていることなんて、わかるわけなかった。

知らないわ、この感情なんて。これはなに?

あの人間たちを殺したくて堪らないの。

わたしの痛みは、人間たちは知っているの?

わたしの苦しみは、人間たちに与えられるの?

何もわからない。楽しいと思っていたあの頃に戻りたくて、わたしは泣き続けた。

…これはわたしの感情なの?わたしは何もしなくても、涙が溢れるの。

怖くて、でも兄さんはわたしに寄り添っていた。いつまでも、兄さんはわたしの前では辛い顔をしなかった。

その傷ついた体で、どうしてわたしを守ろうとするの?

血だらけの体が、いたそうで、どうして兄さんにこんなことをするのかわからなくて、また泣いた。

兄さんは優しすぎるの。わたしは…わたしが1番怖いのは、兄さんの死で……。

兄さんの体はわたしより大きいから、兄さんが丸くなれば、わたしはその間に収まるの。

兄さんの白い毛が、頬を撫でる。

ここが、わたしたちの白い花畑だったらなんていいことだったのか…。

兄さんは大丈夫だ、と言っていた。

つらいから、兄さんのことを考え続けた。

でも、兄さんの死が頭をよぎってしまって、怖くて涙が止まらなかった。

オレは不死身だろ?

兄さんは優しく笑った。

そうね…。

わたしはそう答えた。

だから怖くなってしまったの。兄さんが死んでしまったら?死って何?

白い花が言っていた。黒い花は、竜の灰で染まっていると…。

わたしたちは、魂が抜けると体は燃えるらしい。

燃えて灰になって、灰は白い花に降りかかって、そして…。

黒い花として生まれ変わる。

これが死だというの?

わたしは…花になんてなりたくないの!

生きて、生き続けて、この姿のまま兄さんとずっと過ごして…わたしは…これを望んでいただけなのに。

気づいたら、わたしの体は…人間だった。

もうどうでもよくなっていた。

魂があるなら、それでいいの、って。

疲れちゃった…。

自分の本当の姿が、わからなくなっちゃった。

これは悪い夢なの?

花が、わたしたちに罰を与えたの?

お腹すいた…。それにとても…眠い。

いったいどのくらい太陽が沈んで、月が登ったの?

わたしはどのくらいここにいるの?

とてつもなく長く感じた。

わたしの白い体はどこにもなくなった。

わたしに残ったのは、長い長い白い毛と、人間の体。

脚も腕も長い。人間の体ってこんなものなの?

自分の変わり果てた腕を見つめて、生きたいという思いはどこか消えてしまった。

幸せを望んでいただけで…。わたし何かしたのかな。

兄さん、ごめんね、わたし…。

わたしのせいなのかな。

わたしのせいなんだ。

兄さんはわたしを守ってくれたのに、わたしは兄さんをなにひとつ守れなかった。

…。

人間の体には慣れたわ。

歩き方も、声の出し方も、人間の殺し方も、全部わかるの。

わたしは…竜よ。

弱いと思って油断したのね。

頭を何度も殴ればいいの。

ほらね。

兄さん、早くでよう。

白い花畑に行かないと。

兄さん、何を怖がっているの?

わたしがいるから大丈夫だよ。

兄さんはわたしが守るからね。

血生臭い。

人間の体って思ったより便利なのね。

兄さんと手を繋いだ。

兄さんは、ハヴェは優しいな。と優しく笑った。

それが嬉しくて、思わず笑顔になった。

兄さんと一緒なら、怖さが吹き飛ぶ気がするの。

兄さんが隣にいるだけで、気が楽になるの。

青緑の光。長い長い道。

冷たい地面に、赤色をしたわたしの道を作っていく。

もう何も怖くないの。

みんな死ねばいいのよ。

そう、それでいいの。わたしたちは逃げて…………それで…。

本当はもう、わたしたちの家がないことくらい知っていたの。

赤い火。黒い灰。風に舞う白い花びらが、赤い火に包まれて黒い花に変わっていく。

家もなくて、姿もかわって、わたしは…。

わたしは何を望むの?

兄さんが隣にいる世界は…。

素敵な世界よ。

ここは素敵な世界ね。

でもこんなの違うわ、こんなの…こんなの!!

わたしはただ…普通に暮らしたくて…それだけなのに…!!

自分の感情が抑えきれなくて、ただ、目の前のものを壊すことしかできなくて、…それで……………あぁ………………わたしは。

痛かった光景を何度も思い出して、痛くて…痛くて痛くて!!

兄さんがわたしを撫でてくれた。

おかげで、少し落ち着いた気がする。

そうよ…わたしが守らないと。わたしが兄さんを守らないと。

わたしは強くならないといけない。そして、いつか白い花畑を取り戻してやる。


…。


………わたしはもう、幸せにはなれないんだ。

人間たちがわたしを囲んでいる。

動かなくなった兄さんを抱えて、わたしはただ人間を睨み続けた。

兄さん、ごめんね………わたしのせいで。

わたしがなんとかするからね…。

兄さんのほうが痛い思いして、辛い思いして、苦しい思いして、なのに…わたしたちは不死身じゃなかったの?

人間が言っている。

「実験は成功した!」

何の話?

どういうこと?

わたしたちは人間の遊び道具だったってこと?

もう感情の出し方がわからなくて、ずっとドキドキしてて…息の仕方もわからなくて、その場で座り込むしかできなくて。

兄さん……。

血塗れの顔。切り裂かれた腹は、痛々しくて、兄さんに幸せな思いをさせられなくて…涙が止まらなくて…。

わたしははじめて、自分が兄さんより大きく感じた。

兄さんって、人間の顔になるとこんな感じなのね。

他の人間よりも、一番素敵で、綺麗よ。

兄さんに大好き、と言ってみた。

次の瞬間、ばあん、と音がして、目の前がぐるりと回る。

世界がまわって、反転して、逆さまに…。

目の前には、わたしの体があった。

あれ?どうなっているんだろう。

何かが弾け飛んだような音。そうだ、わたしが弾けた音だ!

人間たちの喜ぶ音が聞こえる。

わたしたちの不幸せを笑う声。

「化け物は死んだ!」

そう。

わたしたちをそんな目で見ていたのね。

わたしはお前らがこんなことをしたから、殺すしかなかったのに。

絶望をする暇もなかった。むしろ、兄さんに会えるかもしれない、という希望が持てた。

おかしいよね。

わたしたちはずっと、森の中で暮らしていたのに。

その時まで、人間たちには何もしていないのに。

勝手にわたしたちを化け物と呼んで。

化け物はそっちでしょう。

わたしたちをこんな姿にして。

ああ、まだ生きていて、人間の言葉が話せるなら、話していたのに。

視界が赤く、黒く……。

これが死ぬってことなのね。

このまま、黒い花になって生まれ変わるというの?

もしそうなら…兄さんと隣がいいな。

兄さんがいる世界は、素敵な世界だから…。

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